JP3892727B2 - 地図情報作成方法及び作成装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図情報作成方法及び作成装置に係わり、特に、下層の図葉の各境界ノードから該境界ノード周辺の下層・上層共通ノードまでの最適経路に関する道路情報を拡張情報として該図葉の道路情報に結合してなる地図情報を作成する方法及び作成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、車載用のナビゲーション装置は、自車の現在位置を検出し、その近傍の地図データをＣＤ、ＤＶＤ等のデータ記憶媒体から読み出して画面上に表示する。また、画面上には自車位置を示す車両位置マークが表示されており、この車両位置マークを中心に自車の進行にしたがって近傍の地図がスクロールされ、常時自車位置周辺の地図情報がわかるようになっている。
【０００３】
また、最近の車載用ナビゲーション装置のほとんどには、利用者が所望の目的地に向かって道路を間違うことなく走行できるようにした経路探索・誘導機能が搭載されている。この経路探索・誘導機能によれば、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ最もコストの小さな経路が横型探索（ＢＦＳ）法やダイクストラ法等のシュミレーションを行うことによって探索され、探索された経路に基づいて経路誘導が行われる。
【０００４】
ところで、最近の地図データは少なくも下層及び上層の2層の道路情報をそれぞれ図葉単位で備えた階層化構造を有し、経路探索はかかる構造の地図データを用いて行うようになっている。ただし、図葉とは所定縮尺の地図を所定の経度幅および緯度幅で区切った矩形形状の地図部分である。
【０００５】
図１０は、階層化構造を有する地図データを用いた経路探索処理の概略説明図であり、3つの階層を有する地図データの例を示している。同図に示すように、階層化構造を有する地図データでは、下位階層ほど、より小さな領域に分割した図葉が設定され、図葉毎に地図データが作成されている。下位階層の各図葉に対応する地図データには、高速道路や国道に加えて一般道や都道府県道等を含む多数の道路を対象とした詳細な道路情報が含まれる。また、上位階層ほど、より大きな領域に分割した図葉が設定され、図葉毎に地図データが作成される。上位階層の各図葉に対応する地図データには、高速道路や国道等の主要道路を主に対象とした道路情報のみが含まれる。
【０００６】
出発地SPから目的地DPまでの経路探索においては、まず、より詳細な道路情報を含む最下位層の地図データを用いて、出発地SP及び目的地DPからそれぞれ中間層の地図データにも共通に含まれている国道等に至るまでの経路を探索する。次に、中間層の地図データを用いて、出発地側及び目的地側からそれぞれ最上位層の地図データにも共通に含まれている道路に至るまでの経路を探索する。しかる後、最上位層の地図データを用いて、主用道路を探索対象として最上位層の出発地側地点SP′から目的地側地点DP′までの経路探索を行う。
【０００７】
上述した階層化構造の地図データを用いた従来のナビゲーション装置では、各階層において経路探索を行って1つ上の階層に含まれる道路に到る詳細な走行経路を探索する場合、出発地や目的地が含まれる図葉の道路だけでなく隣接する図葉の道路も考慮して経路探索を行う。これは、隣接する図葉に含まれる道路を通って上位階層に含まれる道路に到る経路が最適となる場合が多いからである。このため、経路探索を行うには、出発地や目的地が含まれる図葉の道路情報だけでなくその周辺の図葉の道路情報も経路探索処理の対象とする必要があり、経路探索処理を行う際に読み込む地図データ量が多くなって、経路探索処理に要する時間が長くなる。
【０００８】
そこで、予め最下位層の図葉における各境界ノードから周辺の下層・上層共通の全ノードまでの最適経路に関する道路情報を拡張情報として作成し、該拡張情報を図葉の道路情報に結合して地図データとし、該地図データをDVDなどの記憶媒体に格納することが提案されている。このようにすれば、経路探索処理に際して、読み込む地図データ量を減少することができ、経路探索時間を短縮することができる。
【０００９】
図１１は提案されている地図作成方法の説明図であり、図1２は拡張情報抽出処理フローである。図１１では最下位層（レベル１）の地図データにおいて、ある図葉Ａに着目して説明が行われており、また、図1２では、１つの図葉に着目して対応する拡張データを抽出する場合の手順が示されている。
始めに、着目している図葉において、隣接する図葉との境界にある境界ノードが全て抽出される(ステップ100)。図１１（Ａ）の例では、図葉Aに対応する境界ノードａ１、ａ２、ａ３、ａ４がそれぞれ抽出される。
次に、着目する境界ノードが設定され（ステップ101）、その境界ノードの周囲の所定範囲内にある上位ノードが抽出される（ステップ102）。例えば、図１１（Ｂ）の例では、着目する境界ノードとして境界ノードａ１が設定され、この境界ノードａ１を中心とする所定の矩形範囲Ｑ内にある上位ノードｂ１、ｂ２が抽出される。
【００１０】
ここで、上位ノード（下層・上層共通ノード）とは、着目している図葉が属する地図データのレベルよりも上位レベルの地図データに含まれるノードである。具体的には、上述したように、レベル１の地図データに属する図葉Ａに着目している場合においては、レベル２の地図データにも共通に含まれるノードが上位ノードとなる。同様に、レベル２の地図データに属する図葉に着目している場合であれば、レベル３の地図データにも共通に含まれるノードが上位ノードとなる。
【００１１】
次に、ステップ１０２において抽出された上位ノードのうちで、着目している図葉に含まれている上位ノードが除外される（ステップ103）。このようにして、境界ノードを中心とする所定の矩形範囲Ｑに含まれ、かつ、着目している図葉に含まれない上位ノードが抽出されると、各上位ノードと境界ノードとを結ぶ経路が各種の検索条件下で探索される（ステップ104）。図１１（ｃ）に示す例では、境界ノードａ１、と各上位ノードｂ１およびｂ２のそれぞれとの間を結ぶ経路が各種の探索条件下で探索される。
【００１２】
ここで、探索条件について説明する。境界ノードと上位ノードとを結ぶ経路の探索条件としては、実際のナビゲーション処理において想定されている各種の探索条件、例えば、時間最短、距離最短等の条件が全て考慮される。また、着目している図葉内に出発地が設定される場合と目的地が設定される場合とでは、境界ノードに対する車両の進行方向が異なるので、これらも考慮される。
【００１３】
このように、各種の探索条件を考慮した経路探索結果が得られると、探索結果として得られた経路に対応するノードおよびリンクに関するデータが拡張データとして抽出される（ステップ105）。
その後、未処理の境界ノードがあるか否かが判定され（ステップ106）、未処理の境界ノードがなくなるまで（図１１に示した例では、境界ノードａ１〜ａ４のそれぞれに対する処理が完了するまで）、上述したステップ101に戻り、以降の処理が繰り返される。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように提案方法は、境界ノードを中心とした一定範囲内の全ての上位ノードに対して経路探索し、求まった経路に関するリンク、ノードデータを拡張情報として図葉の地図情報に結合するものである。しかし、この方法では、実際に使用されることがないリンクやノードが拡張情報として求まることがある。例えば、上位ノードの先で上層道路網の広がりがなく、短距離走行後に下層のみの対象道路に接続する場合である。図13はかかる状況説明図であり、図葉DL1の境界ノードBNを中心とした一定範囲RGに2つの上位ノードUN1,UN2が存在し、上位ノードUN1の先は下層のリンクに接続して上位道路が終端し、上位ノードUN2の先は上位道路網が広がっている。この図13の状況では、出発地SPから目的地までの経路探索において、リンクLK1やノードUN1が最適経路を構成することはありえない。すなわち、これらリンクLK1やノードUN1は拡張情報として保存する必要はない。
【００１５】
しかし、提案方法では全ての上位ノードを考慮するため、かかる実際に使用されることがないリンクやノードも拡張情報として求まる。このため、地図データ量が増加し、記憶媒体より読み上げる際のメモリ量も多く必要となり、又、経路探索処理に要する時間が長くなる問題がある。
また、提案方法では一定範囲内の上位ノードを対象にするが、一定範囲が狭いと上位ノードが1つも見つからない場合が発生する。
以上から本発明の目的は、実際に使用されることがないリンクやノードが拡張情報として求まらないようにすることである。
本発明の別の目的は確実に境界ノードから下層・上層共通ノード(上位ノード)までの経路を拡張情報として図葉の道路情報に結合できるようにすることである。
【００１６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも下層及び上層の2層の道路情報をそれぞれ図葉単位で備え、且つ、下層の図葉の各境界ノードから該境界ノード周辺の下層・上層共通ノードまでの最適経路に関する道路情報を拡張情報として該図葉の道路情報に結合してなる地図情報を作成する地図情報方法及び地図データ作成装置である。本発明においては、▲１▼下層の図葉を包含する広範なエリアを設定し、▲２▼該エリアの境界線と交差する上層の道路リンクを求め、▲３▼前記図葉の各境界ノードから前記道路リンクまでの最適経路を求め、▲４▼境界ノードから該最適経路上の最初の下層・上層共通ノードまでの経路に関する情報を拡張情報として前記図葉の道路情報に結合することにより地図情報を作成する。
【００１７】
以上のようにすれば、実際に使用されることがないリンクやノードが拡張情報として求まることがなく、地図データ量が減少し、経路探索の際、記憶媒体より読み上げるデータ量が少なくなり、使用メモリ量を少なくできる。
また、拡張情報に実際に使用されることがないリンクやノードが含まれないため、経路探索処理に要する時間を短縮できる。
又、確実に境界ノードから下層・上層共通ノードまでの経路を拡張情報として図葉の道路情報に結合できるため、経路探索処理に要する時間を短縮できる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
(Ａ)本発明の概略
図1〜図3は本発明の概略説明図である。本発明では、下層の図葉１を包含する広範なエリア２を設定する(図1)。エリア2は図葉１を中心に含む1辺が2・L(km)の正方形であり、例えばＬ(km)としては50kmである。ついで、拡張情報を有しない地図情報を用いて、該エリア２の境界線3a〜3dと交差する上層の道路リンクＧ，Ｉを求める(図2)。しかる後、図葉１の各境界ノード４(図3)から道路リンクＧ，Ｉまでの最適経路５(点線)を求める。経路探索が終了すれば、境界ノード４から該最適経路５上の最初の下層・上層共通ノード６までの経路に関する情報を拡張情報として作成し、該拡張情報を図葉１の道路情報に結合することにより地図情報を作成する。
【００１９】
(Ｂ)地図作成装置
図4は地図作成装置の構成図であり、地図データ発生部11は少なくとも下層及び上層の2層の道路情報をそれぞれ図葉単位で備えた通常の地図情報を発生する。エリア設定部12は拡張データ作成に必要なエリア2(図１参照)のサイズを設定するもので、図1に示す距離Lを入力する。拡張データ作成部13は、エリア２の境界線3a〜3dと交差する上層の道路リンクＧ，Ｉを求め、図葉の各境界ノード４から道路リンクＧ，Ｉまでの最適経路５を求め、境界ノード４から該最適経路上の最初の下層・上層共通ノード６までの経路に関する情報を拡張情報として作成する。地図情報編集部1４は拡張情報EPDを図葉の道路情報RDTに結合して拡張情報付きの地図情報を作成し、DVDなどの地図記憶媒体１５に書き込む。
【００２０】
（Ｃ）拡張情報作成処理
図5は拡張データ作成部１３の拡張情報作成処理フローである。
まず、下層の図葉を包含する広範なエリア２を設定する(ステップ201)。例えば、1辺2・L(km)の正方形エリアを設定する。ついで、拡張情報を有しない地図情報を用いて、前記エリアの境界線３ａ〜３ｄと交差する上層の全ての道路リンクＧ，Ｉ，．．．を求める(ステップ202)。また、図葉の全境界ノードを抽出し(ステップ203)、着目する境界ノード４及び着目する交差リンクをそれぞれ設定する(ステップ204、205)。
しかる後、境界ノードから交差リンクまでの最適経路を探索する(ステップ206)。この最適経路の探索では、極力上位リンクが優先的に選ばれるように、上位リンクのコスト値を小さくする。
【００２１】
最適経路が求まれば、境界ノードから該最適経路上の最初の下層・上層共通ノードまでの経路に関する情報を拡張情報として保存する(ステップ207)。以後、全交差リンクについて処理が完了したかチェックし(ステップ208)、未処理リンクがあればステップ205以降の処理を繰り返す。
全交差リンクについて処理が完了すれば、全境界ノードについて上記処理が完了したかチェックし(ステップ209)、未処理ノードがあればステップ204以降の処理を繰り返す。未処理ノードがなくなれば、保存してある拡張情報EPDを地図情報編集部14に出力する(ステップ210)。以上により1つの図葉に対する拡張情報の作成処理が終了する。以後、下層の全図葉に対して上記処理を施す。尚、地図情報編集部１４は図葉の拡張情報EDPが入力する毎に該拡張情報を該図葉の道路情報RDTに結合する。
【００２２】
(D)ナビゲーション装置
図６は本発明のナビゲーション装置の構成図である。図中、５１は本発明方法により作成された地図情報を記憶する地図記憶媒体で、例えばDVD、５２はDVDからの地図情報の読み取りを制御するDVD制御部、５３は車両現在位置を測定する位置測定装置、５４はDVDから読み出した車両位置周辺の地図情報を記憶する地図情報メモリ、５５はメニュー選択による各種設定、指示を行なうリモコン、５６はリモコンインターフェースである。
【００２３】
５７はナビゲーション装置全体を制御するＣＰＵ（ナビゲーション制御部）、５８は各種ソフトウェアや固定データ類を記憶するＲＯＭであり、ソフトウェアとして▲１▼誘導経路探索用ソフトウェアＳＦ１、▲２▼経路誘導ソフトウェアＳＦ２等がある。５９は誘導経路データや各種処理結果を一時的に記憶するワークＲＡＭ、６０は地図画像／誘導経路等を発生するディスプレイコントローラ、６１はディスプレイコントローラが発生した画像を記憶するビデオＲＡＭ、６２は各種メニューおよびリストを発生するメニュー／リスト発生部、６３は各種画像を合成して出力する画像合成部、６４は画像合成部から出力される画像を表示する表示装置(モニタ)、６５は透明タッチパネル部であり、ディスプレイ画面の前面に配置されるもの、６６は交差点までの距離や進行方向などを音声で案内する音声案内部、６７はVICS情報受信機である。
【００２４】
(E)地図情報
ＤＶＤ５１に記録された地図データは、所定の経度および緯度で区切られた矩形形状の図葉を単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。地図において、道路上の任意の２点間を結ぶ線はリンク、２本以上のリンクを結ぶポイントはノードである。
【００２５】
地図データは階層化構造を有し、格納する道路情報の詳細度に応じて３つの階層が設けられ、下位層になるほど詳細な道路情報が格納されている。また、下位層の地図データほど、より小さな領域に対応した図葉が設定され、上位層の地図データほど、より大きな領域に対応した図葉が設定されている。なお、以下の説明では、最下位層の地図データを「レベル１の地図データ」、２番目に下位の中間層の地図データを「レベル２の地図データ」、最も上位の最上位層の地図データを「レベル３の地図データ」という。
【００２６】
レベル１の地図データは、
a.高速道路
b.フェ−リー航路、
c.国道（道路番号１桁、2桁、3桁直轄）、
d.国道（路線番号3桁の非直轄）、
e.主要地方道、
f.都道府県道、主要一般道、
g.一般道、道路幅3ｍ以上の細道路、
を主に対象とした道路情報を格納している。
【００２７】
また、レベル２の地図データは、上述したレベル１の地図データにおける「都道府県道、主要一般道」および「一般道、道路幅3ｍ以上の細道路」を対象外としており、
ａ.高速道路
ｂ.フェ−リー航路、
ｃ.国道（道路番号１桁、2桁、3桁直轄）、
ｄ.国道（路線番号3桁の非直轄）、
ｅ.主要地方道、
を主に対象とした道路情報を格納している。
【００２８】
また、レベル３の地図データは、上述したレベル２における「国道（路線番号３桁の非直轄）」および「主要地方道」を対象外としており、
ａ.高速道路
ｂ.フェ−リー航路、
ｃ.国道（道路番号１桁、2桁、3桁直轄）、
を主に対象とした道路情報を格納している。
【００２９】
道路情報(経路探索やマップマッチングに用いる道路レイヤ情報) は、
ａ.図葉に含まれる各ノードの基本情報を示すノードデータ、
ｂ.図葉に含まれる各リンクの基本情報を示すリンクデータ、
ｃ.図葉に含まれる各リンクのコスト情報を新すリンクコストデータ、
ｄ.上位階層に共通する上位ノードを示す上位ノード対応データ、
ｅ.規制情報を示す通行コードデータ、
ｆ.ノードの座標情報を示すノード座標データ、
を含んでいる。
【００３０】
図７（ａ）は、ノードデータの内容説明図であり、着目している図葉に含まれる全ノードに対応したノードレコード＃0、＃1、＃2、・・・・を含んでいる。各ノードレコードには、このノードが交差点ノードであるか否かを示すフラグ、他の図葉との境界にあるノード（境界ノード）であるか否かを示すフラグ、このノードにおいてリンクが分岐しているか否か、分岐しているとしたら分岐の形状を示す分岐情報などからなるノードの基本情報が含まれている。
【００３１】
図７（ｂ）は、リンクデータの説明図であり、着目している図葉に含まれる全リンクに対応したリンクレコード＃０、＃１、＃２、・・・と、各リンクレコードに付随する規制情報を含む規制レコード＃０、＃１、＃２、・・・を含んでいる。各リンクレコードには、このリンクの両端に位置する２つのノードを特定するノード番号、リンクの距離、このリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるかといった道路種別、道路の幅員、道路に付された路線番号、等が含まれている。また、各規制レコードには、リンクに対応した道路に付随した交通規制（例えば、一方通行の有無等）に関する情報が含まれている。
【００３２】
図７（ｃ）は、リンクコストデータの説明図であり、着目している図葉に含まれる全リンクに対応したリンクコストレコード＃０、＃1、＃2、・・・を含んでいる。各リンクコストレコードには、このリンクを走行する場合のコストに関する情報が格納されている。
図７（ｄ）は、上位ノード対応データの説明図であり、着目している図葉に含まれる全ノードのうちで、上位階層の道路情報にも共通に存在するノードに関してその対応情報を示した上位レベルノード対応レコード＃０、＃１、＃２、・・・を有している。
【００３３】
図７（ｅ）は、通行コードデータ説明図であり、着目している図葉に含まれる全リンクについてその規制情報を示す通行条件レコード＃０、＃１、＃２を有している。各通行条件レコードには、各リンクに付随する規制情報の具体的な内容を示す通行条件情報が含まれている。
図７（ｆ）は、ノード座標データ之説明図であり、着目している図葉に含まれる全ノードについての座標情報（正規化緯度・経度）を示すノード座標レコード＃０、＃１、＃２・・・を含んでいる。
【００３４】
図９は経路探索処理の説明図、図１０は経路探索処理フローである。
出発地および目的地がそれぞれ設定されて経路探索を行うよう指示がなされると、ナビゲーション制御部(CPU)５７は経路探索ソフトウェアSF1にしたがって、まず最下位層（レベル１）の地図データにおいて、出発地を含む１枚の図葉を指定し、対応する地図データを読み出す（ステップ301）。図８の例では、出発地ノードａ１０を含む１枚の図葉DL11が指定され、対応する地図データが読み出される。
【００３５】
次に、ナビゲーション制御部５７は、読み出した地図データを用いて、出発地から目的地に向かう経路のうちで、出発地から中間層（レベル２）の地図データに対応した上位ノードに至るまでの経路を探索する（ステップ302）。図８の例では、出発地ノードａ１０からノードｂ１０に至るまでの経路が探索される。
出発地からレベル２の地図データに対応した上位ノードまでの経路が探索されると、ナビゲーション制御部５７は、ステップ302における探索結果において、レベル１の地図データに対する上位ノードとして抽出されたノード（図８の例ではノードｂ１０）を含む１枚の図葉DL21を指定し、対応する地図データをレベル２の地図データから読み出す(ステップ303)。
【００３６】
次に、ナビゲーション制御部５７は、読み出した地図データを用いて、最上位層（レベル３）の地図データに対応した上位ノードに至るまでの経路を探索する（ステップ304）。図８の例では、ノードｂ１０からノードｃ１０に至るまでの経路が探索される。
また、ナビゲーション制御部５７は、レベル１の地図データにおいて、目的地を含む１枚の図葉を指定し、対応する地図データを読み出す(ステップ305)。図８の例では、目的地ノードa２０を含む１枚の図葉DL12が指定され、対応する地図データが読み出される。
【００３７】
次に、ナビゲーション制御部５７は、読み出した地図データを用いて、目的地からレベル２の地図データに対応した上位ノードに至るまでの経路を探索する（ステップ306）。図８の例では、目的地ノードａ２０からノードｂ２０に至るまでの経路が探索される。
目的地からレベル２の地図データに対応した上位ノードまでの経路が探索されると、ナビゲーション制御部５７は、ステップ305における探索結果において、レベル１の地図データに対する上位ノードとして抽出されたノード（図８の例では、ノードｂ２０）を含む１枚の図葉DL22を指定し、対応する地図データをレベル２の地図データから読み出す（ステップ307）。
次に、ナビゲーション制御部５７は、読み出した地図データを用いて、レベル3の地図データに対応した上位ノードに到るまでの経路を探索する(ステップ308)。図８の例では、ノードｂ２０からノードｃ２０に到るまでの経路が探索される。
【００３８】
次に、ナビゲーション制御部５７は、レベル３の地図データに対応した上位ノード（図８の例ではノードｃ１０）と、目的地側において、レベル３の地図データに対応したノードとして得られたノード（図８の例ではノードｃ２０）とに基づいて、レベル３の地図データを読み出して（ステップ309）、これらのノード間を結ぶ経路を探索する（ステップ310）。そして、経路探索が完了すると、ナビゲーション制御部５７は、探索結果をRAM 59に格納して（ステップ311）、一連の経路探索処理を終了する。
【００３９】
以上のように、本発明のナビゲーション装置では、各図葉に関する道路情報と拡張情報が含まれる地図データを、図葉を単位としてＤＶＤ 51に格納しているので、経路探索処理に必要な道路情報をＤＶＤ 51から読み出す場合の読み出し回数を減らすことができ、経路探索に要する処理時間を低減することができる。
【００４０】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、実際に使用されることがないリンクやノードが拡張情報として求まることがなく、拡張長情報量が減少し、経路探索の際、記憶媒体より読み上げるデータ量が少なくなり、使用メモリ量を少なくできる。
また、本発明によれば、実際に使用されることがないリンクやノードが拡張情報に含まれないため、経路探索処理に要する時間を短縮できる。
又、本発明によれば、確実に境界ノードから下層・上層共通ノードまでの経路を拡張情報として図葉の道路情報に結合できるため、経路探索処理に要する時間を短縮できる
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第1の概略説明図である。
【図２】本発明の第2の概略説明図である。
【図３】本発明の第3の概略説明図である。
【図４】地図作成装置の構成図である。
【図５】拡張データ作成部の拡張情報作成処理フローである。
【図６】本発明のナビゲーション装置の構成図である。
【図７】道路情報説明図である。
【図８】経路探索処理の説明図である。
【図９】経路探索処理フローである。
【図１０】階層化構造を有する地図データを用いた経路探索処理の概略説明図である。
【図１１】提案されている地図作成方法の説明図である。
【図１２】提案されている拡張情報抽出処理フローである。
【図１３】問題点説明図である。
【符号の説明】
１ 図葉
２ 広範なエリア
３ａ〜３ｄ エリア境界線
４ 図葉の境界ノード
５ 最適経路
６ 境界ノードから最適経路上の最初の上位ノード

Claims (2)

1. 少なくとも下層及び上層の2層の道路情報をそれぞれ図葉単位で備え、且つ、下層の図葉の各境界ノードから該境界ノード周辺の下層・上層共通ノードまでの最適経路に関する道路情報を拡張情報として該図葉の道路情報に結合してなる地図情報を作成する方法において、
   下層の図葉を包含する広範なエリアを設定し、
   該エリアの境界線と交差する上層の道路リンクを求め、
   前記図葉の各境界ノードから前記道路リンクまでの最適経路を求め、
   境界ノードから該最適経路上の最初の下層・上層共通ノードまでの経路に関する情報を拡張情報として前記図葉の道路情報に結合する、
   ことを特徴とする地図情報作成方法。
2. 少なくとも下層及び上層の2層の道路情報をそれぞれ図葉単位で備え、且つ、下層の図葉の各境界ノードから該境界ノード周辺の下層・上層共通ノードまでの最適経路に関する道路情報を拡張情報として該図葉の道路情報に結合してなる地図情報を作成する装置において、
   少なくとも下層及び上層の2層の道路情報をそれぞれ図葉単位で備える地図情報を発生する地図情報発生手段、
   下層の図葉を包含する広範なエリアを設定する手段、
   該エリアの境界線と交差する上層の道路リンクを求め、前記図葉の各境界ノードから前記道路リンクまでの最適経路を求め、境界ノードから該最適経路上の最初の下層・上層共通ノードまでの経路に関する情報を拡張情報として作成する拡張情報作成部、
   該拡張情報を前記図葉の道路情報に結合して拡張情報付きの地図情報を作成する地図編集部、
   を有することを特徴とする地図情報作成装置。

Images