JP3891270B2 - 自動利得制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動利得制御装置に関し、特に、CDMA方式の通信装置に搭載される自動利得制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信装置では、送信波の利得を安定させるために、送信波の基準データとなるベースバンド信号と送信波の検波データとを比較することで利得を調整する自動利得制御という方式が用いられている。
【0003】
通常、上記の検波データを作成する際に使用する検波回路部は、ダイオード、コンデンサCおよび抵抗R等により構成されており、入力された信号に対して包絡線検波を行っている。
【0004】
しかし、電力一定の無変調波ではなく、振幅変動を有する変調波の包絡線を検波する際、時定数CRによって決まる充放電変化の勾配が適切に与えられていないと、入力信号の電力を精度良く電圧成分に変換できない可能性がある。
【0005】
そのため、正しく検波を行うためには、コンデンサCおよび抵抗Rによって決まる時定数CRを適切に設定する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、移動通信用のCDMAのように同一周波数を複数のユーザーが利用するようなシステムでは、利用ユーザーの位置に基づいて、使用する信号に対してパワーコントロールを行うことで電力を増幅する上、周波数の利用効率を上げるために複数の信号を多重するため、電力レベルの大きさおよび変動が激しい波形となる。そのため、全ての変調波の出力パターンに対応した適切な時定数CRを求めることが困難であり、安定した検波を行えないという問題がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、CDMAのように振幅変動の激しい変調波を検波する際に、検波回路部の検波能力不足によって生じる検波電圧の誤差を吸収することで、検波回路部に入力される信号の種類によることなく、安定した利得制御を行うことができる自動利得制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、送受信制御部で生成された送信波の基準データとなるベースバンド信号と、検波回路部で生成された前記送信波の検波データとを比較することで前記送信波の利得を制御する自動利得制御装置において、前記検波回路部の検波能力を考慮して、前記ベースバンド信号のうち振幅変動が急峻な信号に対して圧縮処理を行い、圧縮処理したベースバンド信号を前記基準データとして用いることを特徴としている。
【0009】
換言すれば、本発明は、送信波の基準データとなるベースバンド信号を生成する送受信制御部と、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号を利得制御信号に基づいて周波数変換する周波数変換部と、前記周波数変換部にて周波数変換された前記ベースバンド信号を分岐するカプラ部と、前記カプラ部にて分岐された一方のベースバンド信号を包括線検波して検波信号を生成する包括線検波器、および前記検波信号をA/D変換して離散データを生成するA/D変換器を具備する検波回路部と、前記検波回路部の検波能力情報に基づいて、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号の離散データのうち振幅変動が急峻なデータに対して圧縮処理を行う圧縮処理部と、前記圧縮処理部にて圧縮処理された前記ベースバンド信号の離散データと前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データとの比較結果に基づいて前記利得制御信号を生成し、前記周波数変換部に出力する比較計算回路部とを有することを特徴としている。
【0010】
この場合、前記圧縮処理部は、前記検波回路部の検波能力情報に基づいて圧縮率データを算出する圧縮率算出器と、前記圧縮率算出器にて算出された前記圧縮率データに基づいて、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号に対して圧縮処理を行う圧縮処理器とを有することとしても良い。
【0011】
また、前記圧縮率算出器は、前記包括線検波器を構成するコンデンサおよび抵抗によって決まる時定数データとして、前記検波回路部の検波能力情報を作成することとしても良い。
【0012】
また、前記圧縮処理部は、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号の離散データをそのまま前記圧縮処理器に出力するとともに、該ベースバンド信号の離散データを任意の時間で加算して加算データを生成する第1の加算器と、前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データを任意の時間で加算して加算データを生成する第2の加算器とをさらに有し、前記圧縮率算出器は、前記第1の加算器および前記第2の加算器のそれぞれにて生成された前記加算データを比較することで、前記検波回路部の検波能力情報を作成することとしても良い。
【0013】
また、前記第1の加算器および前記第2の加算器のそれぞれは、遅延回路を有し、前記圧縮率算出器は、前記第1の加算器および前記第2の加算器のそれぞれからのデータが同位相で入力されることとしても良い。
【0014】
また、前記無線周波数変換部は、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号をアップコンバートする第1のミキサと、前記第1のミキサから出力された信号から必要な周波数帯域以外の不要波を除去するバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタから出力された信号を所望の大きさの電力に増幅する第1のアンプと、前記第1のアンプにより増幅された信号をアップコンバートする第2のミキサと、前記比較計算回路部から入力された前記利得制御信号に基づいて、前記第2のミキサから出力された信号に対して利得を可変する可変アッテネータと、前記可変アッテネータから出力された信号を所望の大きさの電力に増幅し、前記カプラ部に出力する第2のアンプとを有することとしても良い。
【0015】
また、前記比較計算回路部は、前記圧縮処理部にて圧縮処理された前記ベースバンド信号の離散データと前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データとを比較する比較器と、前記比較器における比較結果により得られる利得差に基づいて前記利得制御信号を生成し、前記周波数変換部内の前記可変アッテネータに出力する可変アッテネータ制御器とを有することとしても良い。
【0016】
また、前記比較器は、前記圧縮処理部にて圧縮処理された前記ベースバンド信号の離散データを遅延する第1の遅延回路と、前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データを遅延する第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路を通過した前記ベースバンド信号の離散データを任意の時間で平均化して平均電圧値データを生成する第1の平均化回路と、前記第2の遅延回路を通過した前記検波信号の離散データを任意の時間で平均化して平均電圧値データを生成する第2の平均化回路と、前記第1の平均化回路および前記第2の平均化回路のそれぞれにて生成された前記平均電圧値データの差分値を、前記可変アッテネータ制御部で処理可能なオフセットデータに変換するための比較値変換テーブルとを有することとしても良い。
【0017】
(作用)
上記のように構成された本発明においては、圧縮処理部において、検波回路部の検波能力情報をもとに、送受信制御部から得られるベースバンド信号の離散データのうち振幅変動が激しいデータに対して圧縮処理を行い、比較計算回路部において、圧縮処理部で圧縮処理されたベースバンド信号の離散データと検波回路部で検波された検波信号の離散データとの比較結果に基づいて、送信波の利得を安定させるための利得制御信号を生成している。
【0018】
これにより、CDMAのように振幅変動の激しい変調波を検波する際に生じる検波電圧の精度不足によるばらつきや検波電圧の劣化等の誤差を吸収することが可能となるため、検波回路部に入力される信号の包括線変動の急峻さによらない安定した精度の高い自動利得制御を行うことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による自動利得制御装置は、送受信制御部(以下、CONT部と称する)1と、無線周波数変換部(以下、RF部と称する)2と、カプラ3と、検波回路部4と、圧縮処理部5と、比較計算回路部6との6つのブロックから構成されており、検波回路部4はA/D変換器7を具備している。
【0021】
CONT部1は、送信波の基準となるベースバンド信号1aを生成し、RF部2に出力するとともに、ベースバンド信号1aの離散データ1bを生成し、圧縮処理部5に出力する。
【0022】
図2を参照すると、RF部2は、ミキサ(MIX)21,24と、バンドパスフィルタ(BPF)22と、アンプ(AMP)23,26と、可変ATT(可変アッテネータ)25とから構成されており、CONT部1から入力されたベースバンド信号1aを送信に必要な周波数帯にアップコンバートして送信波2aを生成するとともに、比較計算回路部6により算出された後述するオフセット信号(利得制御信号)6aをもとに、送信波2aの送信利得を可変し安定させる。
【0023】
カプラ3は、RF部2から出力された送信波2aを分岐し、一方の信号をカップリング信号3bとして検波回路部4に出力するとともに、他方の信号をそのまま送信波3aとして出力する。
【0024】
図3を参照すると、検波回路部4は、ダイオード41、コンデンサC42および抵抗R43からなる包括線検波器8と、A/D変換器7とから構成されており、カプラ3から入力された送信波2aのカップリング信号3bを包絡線検波し、この検波信号をディジタル成分に変換して離散データ7a,7bを生成し、圧縮処理部5および比較計算回路部6にそれぞれ出力する。
【0025】
図4を参照すると、圧縮処理部5は、加算器51,52と、圧縮率算出器53と、圧縮処理器54とから構成されており、検波回路4の検波能力情報をもとに、CONT部1から入力されたベースバンド信号の離散データ1bのうち振幅変動が急峻なデータ(電力レベルが高いデータ)に対して圧縮処理を施して離散データ5aを生成し、比較計算回路部6に出力する。ここで、検波回路4の検波能力情報とは、検波回路部4のコンデンサC42および抵抗R43によって決まる時定数データ等であるが、詳細な説明は後述する。
【0026】
図5を参照すると、比較計算回路部6は、比較器9と、可変ATT制御器10とから構成されており、圧縮処理部5から入力されたベースバンド信号の離散データ5aと、検波回路部4から入力された検波信号の離散データ7bとを比較することにより得られる利得差をもとに、送信波2aの出力レベルを安定させるためのオフセット信号6aを生成し、RF部2に出力する。
【0027】
図6を参照すると、比較計算回路部6内の比較器9は、遅延回路91,92と、平均化回路93,94と、比較値変換テーブル95とから構成されており、圧縮処理部5から入力されたベースバンド信号の離散データ5aと検波回路部4から入力された検波信号の離散データ7bとを比較し、その差分である電圧差データ93bを可変ATT制御部10で必要なオフセットデータ9aに変換する。ここで、遅延回路91,92および平均化回路93,94は、伝搬遅延や計算処理時間により生じる、比較器9に入力される信号の時間差や振幅差の変動を吸収するために設けられた回路である。
【0028】
以下に、上記のように構成された自動利得制御装置の動作について、図1〜図10を参照して説明する。なお、ここでは、CDMAのように同一周波数を複数のユーザーが利用するようなシステムを考える。例えば、CDMAでは、利用ユーザーの位置に基づいて、基地局からの電力が一定になるように、使用する信号に対してパワーコントロールを行うことで電力の調整を行うとともに、周波数の利用効率を上げるために複数の信号を多重するなどの制御を行う。
【0029】
図1中のCONT部1は、本自動利得制御装置が搭載された通信装置から送信されるディジタル信号に対して変調処理を施し、送信波の基準となるベースバンド信号1aを生成し、RF部2に出力する。
【0030】
図2を参照すると、RF部2では、CONT部1から入力されたベースバンド信号1aは、送信に必要な周波数帯や利得を得るために、ミキサ21によりアップコンバートされ、バンドパスフィルタ22により必要な周波数帯域以外の不要波が除去され、アンプ23により送信に必要な電力に増幅される。アンプ23にて増幅された信号は、再度、ミキサ24によりアップコンバートされた後、可変ATT25により比較計算回路部6から入力されるオフセット信号6aをもとにRF部2としてのトータル利得が変動される。可変ATT25から出力された信号は、アンプ26により所望の大きさの電力に増幅される。
【0031】
このようにして得られたRF信号は、送信波2aとして図1中の後段のカプラ3に出力されるが、実際にはデバイスの特性や温度変動により、利得を一定に保つことは困難とされている。そこで、RF部2から出力される送信波2aの利得を一定に保つために温度補償方式や自動利得制御方式が用いられる。
【0032】
自動利得制御方式では、RF部2から出力された送信波2aの送信電力値を情報としてフィードバックし、その情報をもとにRF部2内の可変ATT25を制御することにより送信出力利得のコントロールを行う。
【0033】
フィードバックする情報の生成方法としては、送信波2aをカプラ3により比較計算回路6にて比較可能なレベルで分岐してカップリング信号3bを生成した後、図3のようなダイオード41、コンデンサC42および抵抗R43からなる包絡線検波器8を用いて、送信波2aのカップリング信号3bを包絡線データに変換する方法が一般的に用いられる。
【0034】
包絡線検波器8では、カプラ3から入力された送信波2aのカップリング信号3b(図3(b)の(X)参照)に対して、ダイオード41により半波整流し(図3(b)の(Y)参照)、コンデンサC42および抵抗R43により充放電を行い(図3(b)の(Z)参照)、それにより、包絡線データ4aを得る。
【0035】
ところが、このときにコンデンサC42と抵抗R43との組み合わせを適切に選択しないと、変換電圧に過不足が生じ、精度の良い検波を行うことができず、正確な情報を検波することが困難となる。
【0036】
特にCDMAのような同一周波数を複数のユーザーが利用するようなシステムでは、前述のようにパワーコントロールを行うことで電力を増加する上、周波数の利用効率を上げるために複数の信号を多重するため、振幅変動が激しい変調波を検波することになる。このようなとき、各々の信号に対して適切な時定数を求めることは困難であり、検出される電圧にばらつきが生じてしまう。このばらつきは、短時間かつ波形変動が大きい変調波を検波する場合、検波回路部4の平滑化機能によって、検波電圧がクリップされた状態になることで、電力が欠落し検出電圧が小さく出力されてしまうために起こる。
【0037】
ここで、図7(a)を参照すると、CONT部1で生成されるベースバンド信号の離散データ1bの任意の時間T1での平均電圧はV'1で与えられる。また、これと同レベルの信号がカプラ3で分岐されたとすると、これを包絡線検波器8により検波し、A/D変換器7により離散データに変換した後、上記と同時間T2で平均化した電圧V'2は、V'1と等価になるべきである。
【0038】
しかし、実際は、CDMAのように振幅変動の大きな信号を扱う場合、包絡線検波器8内の抵抗R43、コンデンサC42の定数によって決まる時定数の値によっては、図7(b)のように振幅変動が大きな部分の情報が十分に取り込めず、時間T2での平均電圧はV2となり、V'2に比べて低くなってしまう可能性がある。このような場合、送信波2aについて、希望の出力レベルが得られているにもかかわらず、出力レベルが低いと認識してしまい、出力レベルを上げるような利得制御が行われてしまうという問題が生じてしまう。
【0039】
このように、検波される電圧にばらつきが生じるとフィードバックされる情報に誤差が生じ、安定した自動利得制御を行えなくなってしまう。しかし、その一方で、CDMA方式においては、全ての変調波の出力パターンに対応した適切な時定数を求めることは困難である。
【0040】
そこで、本実施形態においては、圧縮処理部5において、検波回路部4内の包絡線検波器8による検波能力を考慮し、CONT部1により生成される基準データであるベースバンド信号の離散データ1bのうち振幅変動が急峻なデータ(電力レベルが高いデータ)に対して圧縮加工を施した後、比較計算回路6内の比較器9において、圧縮処理部5で圧縮加工が施されたベースバンド信号の離散データ5aと検波回路部4で包括線検波された検波信号の離散データ7bとの比較を行うことで検波によって生じるばらつきを吸収することとしている。
【0041】
ここで圧縮処理部5の動作について説明する。
【0042】
図4を参照すると、加算器51は、CONT部1から入力されたベースバンド信号の離散データ1bを、その離散データ1bのうち任意の時間内のサンプリングデータを加算処理して生成したレベル加算データ51bと、そのまま出力される離散データ51aとに分割して出力する。加算器51からそのまま出力された離散データ51aは、圧縮率算出器53により算出された圧縮率データ53aをもとに、圧縮処理器54により圧縮加工され離散データ5aとして出力される。
【0043】
図8を参照すると、圧縮処理器54は、実運用上の動作として、圧縮率算出器53に記憶された圧縮率データテーブルをもとに、加算器51から出力された離散データ51aのうち電力レベルが高いデータ(図8中の圧縮領域にあるデータ)に対してレベルの圧縮を行い、そのデータを送出する。
【0044】
ここで、圧縮率算出器53における圧縮率データ53aの算出にあたっては、あらかじめ図1中の検波回路部4の特性を把握するため、検波回路部4の検波能力情報を得る必要がある。検波回路部4の検波能力情報を作成する方法としては下記の2種類の方法が例として挙げられる。
【0045】
第1の方法は、CONT部1にて、事前に数パターンのサンプルデータを離散データ1bとして出力し、圧縮率算出器53にて、任意の時間TでのCONT部1からの離散データ1bの加算値と検波回路4からの離散データ7aの加算値との比較を行うことで、検波回路部4の検波能力情報を作成する方法である。
【0046】
具体的には、CONT部1にて、多重数やコードの異なる数種類のサンプルデータを離散データ1bとして出力し、圧縮率算出器53にて、CONT1からの離散データ1bのレベル加算データ51b(加算器51で加算処理されたデータ)と、検波回路部4からの離散データ7aのレベル加算データ52a(加算器52で加算処理されたデータ)とを比較し、各条件下で圧縮率を最適化するデータを検波回路部4の検波能力情報として作成する。ここで、加算器51,52はそれぞれ遅延回路を具備しており、圧縮率算出器53は、加算器51,52からのデータが同位相で入力される機能を備えていることとする。
【0047】
第2の方法は、あらかじめ検波回路部4の入出力特性を測定し、検波回路部4の検波能力を示すデータ(例えば、時定数データ)を数式化することにより、検波回路部4の検波能力情報を作成する方法である。
【0048】
一方、検波回路部4では、包括線検波器8にて、カプラ3から入力された送信波2aのカップリング信号3bを検波して包絡線データ4aを生成し、A/D変換器7にて、その包絡線データ4aを離散データ7bに変換した後、比較計算回路部6内の比較器9に入力する。
【0049】
図6を参照すると、比較器9では、入力される双方の離散データ5a,7bに対して伝搬および計算等の遅延差を考慮した遅延回路91,92を通すことにより、双方のタイミングを合わせたデータ91a,92aが作成され、平均化回路93,94により任意の区間Tで平均化処理を行うことで平均電圧値データ93a,94aを得る。さらに、これらの平均電圧値データ93a,94aを差動処理することで電圧差データ93bを求め、比較値変換テーブル95により図5中の可変ATT制御部10で処理可能なオフセットデータ9aに変換する。
【0050】
ここで、平均化回路93,94でのデータ処理方法の具体例について、図10を参照して説明する。
【0051】
平均化回路93,94には、それぞれCONT部1、検波回路部4からのデータが離散値で入力される。図10を参照すると、平均化回路93,94の各々に入力される任意の時間tの離散データに対して任意の区間Tで平均電圧値Vを算出し、算出されたV1,V2(平均化回路93,94でそれぞれ算出された平均電圧値データ93a,94a)に対する差動処理により電圧差データ93bを得る。なお、平均電圧値データ93a,94aの比較条件として、データの形式が対数換算であれば双方とも対数形式で比較し、直線換算であれば双方とも直線形式で比較する必要がある。
【0052】
図6を参照すると、比較器9は、比較値変換テーブル95として、例えば、図9に示すような変換テーブルを有している。この変換テーブルにより、電圧差データ93bをオフセット値に変換し、このオフセット値をオフセットデータ9aとして、可変ATT制御部10に与える。
【0053】
可変ATT制御部10は、比較器9から与えられたオフセットデータ9aを電圧値変換してオフセット信号6aを生成し、図2中のRF部2内の可変ATT25に制御電圧として供給することで減衰量を変動させる。
【0054】
例えば、電圧差データ93bが+2V(送信出力レベルとして2dB低い)の時、この電圧差データ93bはオフセット値「0140」のオフセットデータ9aに変換される。これを図5中の可変ATT制御部10に与えることにより、図2中のRF部2内の可変ATT25への制御電圧が+2.5Vに設定される。これにより、可変ATT25の減衰量は2dB抜かれ、RF部2のトータル利得として+2dBの補正がなされる。
【0055】
上述したように本実施形態においては、検波回路部4の検波能力不足による電力欠損分を補正するような処理を施したデータを基準データとして用いることにより、CDMAのように振幅変動の激しい変調波を扱う際にも安定した自動利得制御を行うことが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、送信波を検波する検波回路部の検波能力を考慮して、ベースバンド信号のうち振幅変動が急峻な信号に対して圧縮処理を行い、圧縮処理したベースバンド信号を基準データとして送信波の検波データと比較することで、送信波の利得を制御することとしている。
【0057】
これにより、CDMAのように振幅変動の激しい変調波を検波する際に生じる検波電圧の精度不足によるばらつきや検波電圧の劣化を吸収することが可能となる。その結果、検波回路部に入力される信号の種類によらない安定した自動利得制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動利得制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示したRF部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した検波回路部を示す図であり、(a)は検波回路部の構成を示すブロック図、(b)は(a)の所定位置におけるデータ波形を示す図である。
【図4】図1に示した圧縮処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した比較計算回路部の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した比較器の構成を示すブロック図である。
【図7】図3に示した検波回路部での時定数によって生じる平均電圧の劣化原理を説明する図である。
【図8】図4に示した圧縮処理器によるデータ判別方法の一例を説明する図である。
【図9】図6に示した比較値変換テーブルによるデータ変換方法の一例を説明する図である。
【図10】図5に示した比較器によるデータ比較方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 送受信制御部(CONT部)
2 無線周波数部(RF部)
3 カプラ
4 検波回路部
5 圧縮処理部
6 比較計算回路部
7 A/D変換器
8 包括線検波器
9 比較器
10 可変ATT制御部
21,24 ミキサ
22 バンドパスフィルタ
23,26 アンプ
25 可変アッテネータ
41 ダイオード
42 コンデンサ
43 抵抗
51,52 加算器
53 圧縮率算出器
54 圧縮処理器
91,92 遅延回路
93,94 平均化回路
95 比較値変換テーブル

Claims (9)

  1. 送受信制御部で生成された送信波の基準データとなるベースバンド信号と、検波回路部で生成された前記送信波の検波データとを比較することで前記送信波の利得を制御する自動利得制御装置において、
    前記検波回路部の検波能力を考慮して、前記ベースバンド信号のうち振幅変動が急峻な信号に対して圧縮処理を行い、圧縮処理したベースバンド信号を前記基準データとして用いることを特徴とする自動利得制御装置。
  2. 送信波の基準データとなるベースバンド信号を生成する送受信制御部と、
    前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号を利得制御信号に基づいて周波数変換する周波数変換部と、
    前記周波数変換部にて周波数変換された前記ベースバンド信号を分岐するカプラ部と、
    前記カプラ部にて分岐された一方のベースバンド信号を包括線検波して検波信号を生成する包括線検波器、および前記検波信号をA/D変換して離散データを生成するA/D変換器を具備する検波回路部と、
    前記検波回路部の検波能力情報に基づいて、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号の離散データのうち振幅変動が急峻なデータに対して圧縮処理を行う圧縮処理部と、
    前記圧縮処理部にて圧縮処理された前記ベースバンド信号の離散データと前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データとの比較結果に基づいて前記利得制御信号を生成し、前記周波数変換部に出力する比較計算回路部とを有することを特徴とする自動利得制御装置。
  3. 前記圧縮処理部は、
    前記検波回路部の検波能力情報に基づいて圧縮率データを算出する圧縮率算出器と、
    前記圧縮率算出器にて算出された前記圧縮率データに基づいて、前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号に対して圧縮処理を行う圧縮処理器とを有する、請求項2に記載の自動利得制御装置。
  4. 前記圧縮率算出器は、前記包括線検波器を構成するコンデンサおよび抵抗によって決まる時定数データとして、前記検波回路部の検波能力情報を作成する、請求項3に記載の自動利得制御装置。
  5. 前記圧縮処理部は、
    前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号の離散データをそのまま前記圧縮処理器に出力するとともに、該ベースバンド信号の離散データを任意の時間で加算して加算データを生成する第1の加算器と、
    前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データを任意の時間で加算して加算データを生成する第2の加算器とをさらに有し、
    前記圧縮率算出器は、前記第1の加算器および前記第2の加算器のそれぞれにて生成された前記加算データを比較することで、前記検波回路部の検波能力情報を作成する、請求項3または4に記載の自動利得制御装置。
  6. 前記第1の加算器および前記第2の加算器のそれぞれは、遅延回路を有し、
    前記圧縮率算出器は、前記第1の加算器および前記第2の加算器のそれぞれからのデータが同位相で入力される、請求項5に記載の自動利得制御装置。
  7. 前記無線周波数変換部は、
    前記送受信制御部にて生成された前記ベースバンド信号をアップコンバートする第1のミキサと、
    前記第1のミキサから出力された信号から必要な周波数帯域以外の不要波を除去するバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタから出力された信号を所望の大きさの電力に増幅する第1のアンプと、
    前記第1のアンプにより増幅された信号をアップコンバートする第2のミキサと、
    前記比較計算回路部から入力された前記利得制御信号に基づいて、前記第2のミキサから出力された信号に対して利得を可変する可変アッテネータと、
    前記可変アッテネータから出力された信号を所望の大きさの電力に増幅し、前記カプラ部に出力する第2のアンプとを有する、請求項2から6のいずれか1項に記載の自動利得制御装置。
  8. 前記比較計算回路部は、
    前記圧縮処理部にて圧縮処理された前記ベースバンド信号の離散データと前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データとを比較する比較器と、
    前記比較器における比較結果により得られる利得差に基づいて前記利得制御信号を生成し、前記周波数変換部内の前記可変アッテネータに出力する可変アッテネータ制御器とを有する、請求項7に記載の自動利得制御装置。
  9. 前記比較器は、
    前記圧縮処理部にて圧縮処理された前記ベースバンド信号の離散データを遅延する第1の遅延回路と、
    前記検出回路部にて検波された前記検波信号の離散データを遅延する第2の遅延回路と、
    前記第1の遅延回路を通過した前記ベースバンド信号の離散データを任意の時間で平均化して平均電圧値データを生成する第1の平均化回路と、
    前記第2の遅延回路を通過した前記検波信号の離散データを任意の時間で平均化して平均電圧値データを生成する第2の平均化回路と、
    前記第1の平均化回路および前記第2の平均化回路のそれぞれにて生成された前記平均電圧値データの差分値を、前記可変アッテネータ制御部で処理可能なオフセットデータに変換するための比較値変換テーブルとを有する、請求項8に記載の自動利得制御装置。
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