JP3890703B2 - ディーゼル機関の燃料噴射制御装置および燃料噴射制御方法、記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼル機関の燃料噴射制御装置および燃料噴射制御方法、その燃料噴射制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開昭62−258160号公報記載のものなど、各種のディーゼル機関において、エンジン回転速度やアクセル開度などの種々の条件に基づいて燃料噴射量や燃料噴射時期が決定されている。この内、燃料噴射時期は、クランク角度として演算されるが、現実には図18に示す様に、ある基準角度までクランク軸が回転した時点からの経過時間(図示TT)により時間制御でコントロールされている。このため、特に低温始動時において以下の様な問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、エンジンクランキング状態では、エンジンの回転変動が極めて大きいため、従来の時間制御では大きな制御誤差を生じることとなり、低温時の様な燃料が着火しずらい状況においては、このような制御誤差が失火につながり、始動性を悪化させるという問題があった。
【0004】
この理由を図17,図18を用いて説明する。今、図17の[PHASE A]で燃料が着火、つまり爆発したとする。この時は、図18の[PHASE A]にTFINで示す目標燃料噴射時期での燃料噴射が着火につながったわけである。この着火(爆発)により、図17に示す様に、エンジン回転数は変動しながらも上昇してゆく。この結果、[PHASE B]に至ったとする。この時の所望の燃料噴射時期TFINは、図18の[PHASE B]に破線で示す通りである。この燃料噴射時期TFIN[゜CA]は、上述の様に基準クランク角度からの通電開始時期TT[μsec]による時間制御で実現される。この通電開始時期TT[μsec]は、開弁遅延時間TD[μsec]とエンジン回転数Ne[rpm]とを考慮しつつ目標燃料噴射時期TFIN[°CA]を実現する様に算出されるが、この際に必要となってくるエンジン回転数Ne[rpn]は、CPUの能力上、前気筒での値を使用せざるを得ない。加速状態にある場合は、実際に燃料を噴射しようとするタイミングの回転数に比べ、前気筒時の回転数は相当に低い。従って、必然的に、本来あるべき通電開始時期TTに比べ実際制御に使う通電開始時期TT’は大きな値として算出される。この結果、図17の[PHASE B]に示すように、目標噴射時期TFINより時間IDだけおくれたタイミングで燃料が噴射されることになる。従って、所望の時期に燃料が噴射されずに失火し、再びエンジン回転数は低下してゆき、良い始動性が得られないことになる。
【0005】
この様な失火は、特に低温始動時に顕著である。図19に示すように、低温時(図示L)は吸入空気自体の温度が低いため、圧縮行程に入って燃焼室内の空気の温度が上昇したとしても、燃料が着火可能な温度に上昇する期間TUPLはきわめて短くなり、この短い期間TUPL内に精度よく、燃料噴射を開始しないとならないからである。なお、図示Hは高温時の燃焼室内温度を表し、その着火可能温度上昇期間はTUPHと長くなる。
【0006】
このような問題を解決する手段として、一つには燃料噴射時期を精度良く実施できる様に、時間制御でなく、角度制御で燃料噴射時期をコントロールする対策が考えられる。しかしこの場合、基準角度パルサを例えば0.5°CA程度のものにするなど、クランク角度検出精度の向上が必要である。この様なパルサをクランク軸上に設置したと仮定すると、実に720パルス用のパルサを用意しなければならず、パルサの製作量等の上昇により工数的に不適であるとともに、このパルスを入力し、数々の演算処理を実施する電子制御装置(ECU)にとっても回転同期割込み処理が過大となり、他の種々の制御等への影響も多大となるという問題があった。
【0007】
また、ポイント的に精度よく燃料噴射が実行できたとしても、一気に大量の燃料が気化することとなり、その気化熱により、かえって気筒内の温度を低下させるおそれもある。これでは低温始動時の失火防止対策とはならない。
ところで、エンジンが低温始動状態にあるか否かを判定する方法としては、スタータスイッチがONになっているときに、冷却水温センサの検出したエンジンの冷却水の温度が所定値以下であるか否かを判定する方法が用いられている。従って、冷却水温センサが故障した場合には、エンジンが低温始動状態にあるか否かを判定することができないため、適切な失火防止対策をとることが難しく、良い始動性が得られないことになる。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、低温状態にあるか否かが不明の場合であっても、低温クランキング状態の良好な始動性を確保し、さらにはその後のアイドル安定前の失火によるエンジン停止をも防止して、低温始動状態に確実かつ安定的な燃焼制御を行うことが可能なディーゼル機関の燃料噴射制御を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、運転状態検出手段、燃料噴射条件演算手段、燃料噴射手段、始動状態判定手段、低温状態判定手段、信用判定手段、スプリット噴射指示手段、燃料噴射量配分手段、スプリット噴射時期設定手段を備える。運転状態検出手段は、ディーゼル機関の運転状態を検出する。燃料噴射条件演算手段は、当該運転状態検出手段にて検出された運転状態に基づいて、必要な燃料噴射量及び燃料噴射時期を含んだ燃料噴射条件を演算する。燃料噴射手段は、当該燃料噴射条件演算手段にて演算された燃料噴射条件に基づいて燃料噴射を行う。始動状態判定手段は、ディーゼル機関が始動状態にあるか否かを判定する。低温状態判定手段は、ディーゼル機関が低温状態にあるか否かを判定する。信用判定手段は、当該低温状態判定手段の判定結果が信用できるか否かを判定する。スプリット噴射指示手段は、信用判定手段にて低温状態判定手段の判定結果が信用できると判定された際には、始動状態判定手段にて始動状態であると判定され且つ低温状態判定手段にて低温状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示し、信用判定手段にて低温状態判定手段の判定結果が信用できないと判定された際には、低温状態判定手段の判定結果に拘わらず、始動状態判定手段にて始動状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示する。燃料噴射量配分手段は、当該スプリット噴射指示手段にてスプリット噴射の実行が指示された場合には、前記燃料噴射条件演算手段にて演算された燃料噴射量をスプリット噴射の各燃料噴射に配分する。スプリット噴射時期設定手段は、当該燃料噴射量配分手段にて燃料噴射量の配分がなされた場合には、前記燃料噴射条件演算手段にて演算された燃料噴射時期に代えて、上死点前の設定時期とその後の設定時期とからなるスプリット噴射の各噴射時期を設定する。
【0010】
従って、本発明によれば、低温始動時において、複数回に分けて、特に最初の燃料噴射については上死点前の設定時期に燃料噴射が実行される。燃料噴射が複数回に分けられることから、気筒内で一気に大量の燃料が気化するということがなく、気化熱による気筒内温度の低下を避けつつ必要な量の燃料を噴射することができる。また、最初の燃料噴射により、気筒内の空気は活性度の高い状態となり、気筒内に火種ができた状態になる。その結果、低温クランキング状態の良好な始動性を確保し、さらにはその後のアイドル安定前のレーシングなどによる失火の発生をも防止して、低温始動状態に確実かつ安定的な燃焼制御を行うことができる。
【0011】
また、スプリット噴射指示手段は、ディーゼル機関が始動状態で且つ低温状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示するが、低温状態判定手段の判定結果が信用できないと判定された際には、低温状態判定手段の判定結果に拘わらず、ディーゼル機関が始動状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示する。従って、低温状態判定手段の判定結果が信用できずディーゼル機関が低温状態にあるか否かが不明の場合でも、上記した作用により、低温始動状態の確実かつ安定的な燃焼制御を行うことができる。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、前記スプリット噴射時期設定手段が、前記スプリット噴射時期として少なくとも最初の燃料噴射を回転角に同期した時期に設定する。
従って、本発明によれば、急激な回転変動による影響を避けて安定した制御を確実に実行することができる。
【0013】
次に、請求項3に記載の発明は、運転状態検出処理、燃料噴射条件演算処理、燃料噴射処理、始動状態判定処理、低温状態判定処理、信用判定処理、スプリット噴射指示処理、燃料噴射量配分処理、スプリット噴射時期設定処理を備える。運転状態検出処理は、ディーゼル機関の運転状態を検出する。燃料噴射条件演算処理は、当該運転状態検出処理にて検出された運転状態に基づいて、必要な燃料噴射量及び燃料噴射時期を含んだ燃料噴射条件を演算する。燃料噴射処理は、当該燃料噴射条件演算処理にて演算された燃料噴射条件に基づいて燃料噴射を行う。始動状態判定処理は、ディーゼル機関が始動状態にあるか否かを判定する。低温状態判定処理は、ディーゼル機関が低温状態にあるか否かを判定する。信用判定処理は、当該低温状態判定処理の判定結果が信用できるか否かを判定する。スプリット噴射指示処理は、信用判定処理にて低温状態判定処理の判定結果が信用できると判定された際には、始動状態判定処理にて始動状態であると判定され且つ低温状態判定処理にて低温状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示し、信用判定処理にて低温状態判定処理の判定結果が信用できないと判定された際には、低温状態判定処理の判定結果に拘わらず、始動状態判定処理にて始動状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示する。燃料噴射量配分処理は、当該スプリット噴射指示処理にてスプリット噴射の実行が指示された場合には、前記燃料噴射条件演算処理にて演算された燃料噴射量をスプリット噴射の各燃料噴射に配分する。スプリット噴射時期設定処理は、当該燃料噴射量配分処理にて燃料噴射量の配分がなされた場合には、前記燃料噴射条件演算処理にて演算された燃料噴射時期に代えて、上死点前の設定時期とその後の設定時期とからなるスプリット噴射の各噴射時期を設定する。
【0014】
従って、本発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用により同様の効果を得ることができる。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御方法において、前記スプリット噴射時期設定処理が、前記スプリット噴射時期として少なくとも最初の燃料噴射を回転角に同期した時期に設定する。
【0015】
従って、本発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用により同様の効果を得ることができる。
次に、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
【0016】
つまり、請求項3または請求項4に記載の燃料噴射制御方法を実行する機能は、コンピュータシステムで実行されるプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータで読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。
【0017】
尚、以下に述べる発明の実施の形態において、特許請求の範囲または課題を解決するための手段に記載の「運転状態検出手段」はCPU41におけるS10,S20の各処理およびクランク角センサ53,アクセル開度センサ55に該当し、同じく「燃料噴射条件演算手段」はCPU41におけるS30,S40の各処理に該当し、同じく「燃料噴射手段」はCPU41におけるS210〜S260の各処理およびインジェクタ3,コモンレール5,燃料タンク7,高圧ポンプ9に該当し、同じく「始動状態判定手段」はCPU41におけるS115,S130,S140,S150の各処理およびスタータスイッチ59に該当し、同じく「低温状態判定手段」はCPU41におけるS125,S145の各処理および冷却水温センサ61に該当し、同じく「信用判定手段」はCPU41におけるS170,S175の各処理および冷却水温センサ61に該当し、同じく「スプリット噴射指示手段」はCPU41におけるS135,S160の各処理に該当し、同じく「燃料噴射量配分手段」はCPU41におけるS210,S220の各処理およびコモンレール圧センサ27に該当し、同じく「スプリット噴射時期設定手段」はCPU41におけるS270の処理に該当する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をコモンレール式の燃料噴射制御装置に具体化した第1実施形態を図面と共に説明する。
【0019】
図1は可変吐出量高圧ポンプを備えるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成図である。
このコモンレール式燃料噴射制御装置1は、6気筒ディーゼルエンジン用のものであって、各気筒に配設される6個のインジェクタ3と、各インジェクタ3に供給する高圧燃料を蓄圧するコモンレール5と、コモンレール5に燃料タンク7から燃料を圧送する可変吐出量の高圧ポンプ9と、これらを制御する電子制御装置(ECU)11とを備える。ECU11は、CPU,ROM,RAM,I/O回路を有する公知のマイクロコンピュータから構成され、車載バッテリ(図示略)から電源が供給される。
【0020】
燃料タンク7に蓄えられた燃料は、フィードポンプ13により吸い上げられ、高圧ポンプ9へ低圧状態にて圧送される。低圧で圧送された燃料は、図2に示す様に、高圧ポンプ9内に設置された燃料ギャラリー15に蓄えられ、チェック弁17の設定開弁圧により一定圧に維持されている。この設定開弁圧以上に燃料ギャラリー15内の燃料圧が上昇した場合には、チェック弁17が開弁され、燃料は燃料タンク7へと戻される。
【0021】
一方、燃料ギャラリー15は、電磁制御弁19を介して燃料加圧用のチャンバー21と連通・遮断される。チャンバー21には、プランジャー23が嵌合されている。このプランジャー23が上昇する際に電磁制御弁19を閉ざすと、チャンバー21内で燃料が加圧される。この圧力がチェック弁25の開弁圧以上になると、チャンバー21内の燃料がコモンレール5に圧送されることになる。従って、加圧圧送の開始時期は電磁制御弁19の閉弁時期により定まる。圧送終了時期は、プランジャー23の上死点到達時期に対応して一定であるため、圧送開始時期を早めれば、圧送量が増すことになる。このような機構を用い、ECU11は目標とするコモンレール圧を得るため、この電磁制御弁19の閉弁時期を制御する。
【0022】
なお、以上の高圧ポンプ系の作動詳細は本発明と直接的に関与しないため、これ以上詳細な説明を省略する。詳細説明については、特開平2−146256号公報に記載されているのでそちらを参照されたい。
上述のように燃料は、高圧ポンプ9により加圧圧送されてコモンレール5に蓄えられる。その時の燃料圧力はコモンレール5に設置されたコモンレール圧センサ27にて検出され、ECU11へ電気信号として送られる。ECU11は前述したようにこのコモンレール圧が目標値となるように電磁制御弁19の閉弁時期をコントロールする。なお、コモンレール5にはプレッシャリミッタ29が配設され、内圧が高くなり過ぎない様にも対処されている。
【0023】
こうしてコモンレール5に蓄えられた高圧の燃料は、図3に示す様に、フローリミッタ31を介してディーゼルエンジン33の各気筒毎に設置されたインジェクタ3に送られる。燃料は、インジェクタ3内で二方向に分岐する。その一方は、オリフィスαを介してコマンドピストン37の背面に流れ込んでいる。また他方は、コマンドピストン37に連結されたニードル39の下端の油溜り41に流入している。即ち、インジェクタ3内で分岐した燃料は、ニードル39を押し下げる力と押し上げる力に分かれている。このとき、コマンドピストン37の背面の面積の方が大きいため、全体としては下向きの力、つまりニードル39を閉弁維持する力の方が勝っている。従って、二方弁35が図示の開弁状態にある場合には燃料は噴射されない。
【0024】
燃料噴射に当たっては、ECU11が、後述する演算結果に基づく所定のタイミングにて所定期間に渡ってCPU41の出力ポート43をONにすることにより実行される。CPU41の出力ポート43がONとなると、トランジスタ45が導通状態に切り換えられ、二方弁35に付設された電磁コイル47に通電がなされる。この結果、二方弁35が開きオリフィスβとタンク7とが連通する状態に切り換わり、オリフィスβはオリフィスαよりも大径に設定されているため、コマンドピストン37の背面に流れ込んでいた高圧燃料は流れ込む量より燃料タンク7へ逃げる量の方が多くなる。この結果、コマンドピストン37の背圧は下がり、ニードル39を上方向へ押し上げる力の方が勝ることになり、ノズルが開弁し、燃料の噴射が開始される。
【0025】
なお、こうした燃料噴射や各種制御を行うため、図1に示す様に、ECU11にはコモンレール圧センサ27の他、気筒判別センサ51,クランク角センサ53,アクセル開度センサ55,アイドルスイッチ57,スタータスイッチ59,エンジン33の冷却水の温度を検出する冷却水温センサ61などからの信号も入力されている。
【0026】
また、図3に示す様に、バッテリ+Bから電磁コイル47への回路中には、該電磁コイル47の高速駆動用のコンデンサ63が介装されている。つまり、トランジスタがONとなった直後は電磁コイル47にはピーク電流Ipが通電され、その後バッテリ電圧に基づいて一定電流Ihが通電される様に構成されている(図4の(A)参照)。
【0027】
なお、後述する目標通電期間TQの経過後に、電磁コイル47への通電を停止することにより、再び二方弁35が開弁し、コマンドピストン37に高い背圧を加えてニードル39を閉弁方向へ移動させ、燃料噴射を終了させる。
次に、前述したインジェクタ3の電磁コイル47への通電制御について説明する。
【0028】
ECU11が起動すると、CPU41はECU11に内蔵されたROMやRAMに予め記憶されたプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理によって、図5,図7,図8に示すフローチャートの各ステップの処理を実行する。
尚、前記プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスクなど)に記録しておき、必要に応じてECU11にロードして起動することにより用いるようにしてもよい。
【0029】
CPU41は、図5に示すメインルーチンにて、まずアクセル開度Accpをアクセル開度センサ55の出力値より算出する(S10)。次に、クランク角センサ53から15°CA毎に入力されるNeパルスに基づいてエンジン回転数Neを求める(S20)。具体的には、15°CA間のパルス経過時間を計測すれば公知の算出方法にて算出できる。次にアクセル開度Accpとエンジン回転数Neを用いて図6に示すようなガバナパターンマップ101を参照し、目標燃料噴射量QFINを求める(S30)。次にエンジン回転数Neと目標燃料噴射量QFINを用いてタイミングマップ102を参照し、目標燃料噴射時期TFINを求める(S40)。次にエンジン回転数Neと目標燃料噴射量QFINを用いて圧力マップ103を参照し、目標コモンレール圧PFINを求める(S50)。そして、本実施形態の特徴である燃料噴射モード判定処理(S60)に移行する。
【0030】
燃料噴射モード判定処理は、図7に示す手順で進行し、通常の燃料噴射を実行すべき状態にあるか、それとも噴射回数を2回に分けたスプリット噴射を実行すべき状態にあるかを判定し、燃料噴射モード設定を行う処理である。
この処理においては、まず、現在すでにスプリット噴射モードとなっているか否かを判定する(S110)。スプリット噴射モードがOFFなら、スタータスイッチ59の信号からスタータがONとなっているか否かを判定する(S115)。「NO」と判定されたら、スプリット噴射モードをそのままOFFに維持する(S120)。一方、「YES」と判定された場合は、冷却水温センサ61が正常か否かを判定する(S170)。
【0031】
このS170においては、冷却水温センサ61の出力信号のレベルが通常取り得る範囲内にあり、且つ、冷却水温センサ61の出力信号の時間変化がエンジン33の冷却水温が通常取り得る時間変化の範囲内にある場合に、冷却水温センサ61が正常であると判定する。すなわち、冷却水温センサ61の出力信号のレベルが通常取り得る範囲を越えて異常に高いか又は低い場合、その出力信号はエンジン33の冷却水温に対応したものではなく、冷却水温センサ61の故障により生じたものであると考えられる。また、冷却水温センサ61の出力信号の時間変化がエンジン33の冷却水温が通常取り得る時間変化の範囲を越えて大幅に変化する場合、その出力信号はエンジン33の冷却水温に対応したものではなく、冷却水温センサ61の故障により生じたものであると考えられる。
【0032】
このS170にて「NO」と判定された場合は、後述するように、エンジン回転数Neに関する条件を判定する(S130)。一方、「YES」と判定された場合は、冷却水温センサ61の検出したエンジン33の冷却水温THWに関する条件を判定する(S125)。
【0033】
このS125の判定には、制御が不安定とならないように、ヒステリシスを有する条件が使用される。なお、最初の判定においては、冷却水温THWが0℃以下であれば判定「0」が採用され、0℃を越えるときにのみ判定「1」が採用される。この判定結果は次回の判定まで記憶される。そして、2回目以降の判定では、前回の判定結果との関係から「0」のライン上にあるのか「1」のライン上にあるのかを考慮して判定を「0」とすべきか「1」とすべきかを決定する。このS125の判定が「1」となった場合は、S120に移行してスプリット噴射モードをOFFに維持する。一方、「0」と判定された場合は、エンジン回転数Neに関する条件を判定する(S130)。このS130の判定においても、S125と同様にヒステリシスを有する条件が使用される。従って、最初はエンジン回転数Neが600rpm以下であるか否かで判定をし、2回目以降はヒステリシスに基づいた判定がなされる。このS130の判定が「1」となった場合は、S120に移行してスプリット噴射モードをOFFに維持する。そして、「0」と判定された場合は、スプリット噴射モードをOFFからONに切り換える(S135)。
【0034】
一方、S110の判定において、スプリット噴射モードがONとなっていた場合も、スタータの状況(S140)、冷却水温センサ61が正常か否かの判定(S175)、冷却水温THWの条件(S145)、及びエンジン回転数Neの条件(S150)に応じてスプリット噴射モードのONを維持すべきか、OFFに切り換えるべきかを決定し、燃料噴射モード設定を行う(S155,S160)。
【0035】
なお、S140においてスタータがOFFであると判定された場合には、直ちにスプリット噴射モードをOFFに切り換えるのではなく、1秒の遅延条件を加味する処理を挿入している(S165)。このS165の処理を採用することによって、冷却水温THWやエンジン回転数Neの判定条件においてヒステリシスを設けたのと同様に、制御の不安定化を防止している。この処理によって、エンジン始動時及び始動直後1秒間において、冷却水温センサ61が正常な場合で且つ冷却水温THWが低い場合で且つエンジン回転数Neが低い場合、または、冷却水温センサ61が異常な場合で且つエンジン回転数Neが低い場合には、スプリット噴射モードが設定され、それ以外の場合には通常噴射モードが設定されることになる。
【0036】
また、S175において冷却水温センサ61が正常ではないと判定された場合には(S175:NO)、S150へ移行する。なお、S175における判定条件はS170におけるそれと同じである。
次に、燃料噴射制御について説明する。燃料噴射制御は図8に示すルーチンに従って実行される。
【0037】
この処理は、回転同期割り込みで実行され、まず、コモンレール圧センサ27の検出信号よりコモンレール5内の実際の燃料圧力(実コモンレール圧)NPCを入力する(S210)。次に、目標燃料噴射量QFINと実コモンレール圧NPCを用いて図9に示す通電期間マップ104を参照し、目標通電期間TQを算出する(S220)。そして、スプリット噴射モードがONに設定されているか否かを判定する(S230)。スプリット噴射モードがOFFの場合には、実コモンレール圧NPCの下でインジェクタ駆動信号がONとされた時点から現実にノズルが開弁するまでのインジェクタ作動遅れ時間TDを、図10に示すインジェクタ特性マップ105より求める(S240)。そして、図4の(A)に示す様に、NeパルスNo.0を基準にしたときの目標インジェクタ通電開始時期TTを数1にて算出し(S250)、この目標インジェクタ通電開始時期TTと目標通電期間TQとから駆動パルスをセットする(S260)。
【0038】
【数1】
【0039】
一方、S230にてスプリット噴射モードがONとなっていると判定された場合は、まず、プレ噴射用の通電期間(プレ噴射通電期間)TQpを求める(S270)。本発明者らの実験結果によると、プレ噴射と主噴射の比は1:3が最良であったため、本実施形態ではプレ噴射通電期間TQpはS220にて算出した目標通電期間TQの1/4とした。
【0040】
次に、主噴射通電期間TQmを求める(S280)。前述したように主噴射はプレ噴射の3倍が最良であったから「TQm=3*TQp 」とすればよい訳である。従って、プレ噴射通電期間TQp及び主噴射通電期間TQmは数2,数3にて算出される。
【0041】
【数2】
【0042】
【数3】
【0043】
このように求めた各噴射期間TQp、TQmに基づいて、図4の(B)に示すように、それぞれNeパルスNo.1(BTDC15°CA),NeパルスNo.2(TDC)に同期して駆動信号を発生させる様に、駆動パルスがセットされる(S250)。
【0044】
こうして、低温始動時には、スプリット噴射がセットされる結果、図11に示す様に、少量のプレ噴射燃料により、気筒内の空気温度を気化熱等で下げることなく、着火が行われ、その後の主噴射による燃焼のための火種が形成される。そして、ひきつづき噴射する主噴射燃料がこの火種と接触することにより、確実に着火燃焼することができ、以後急激な回転上昇にもかかわらず失火することなく安定した燃焼を得ることができ、始動性を向上させることができる。
【0045】
この様な良好な作用効果を奏することができるのは、単に低温始動時にスプリット噴射をするのみならず、その1回目であるプレ噴射を上死点前の所定時期に実行する構成を採用したからである。また、実施形態では、これを回転同期により実行することとしたから、エンジンクランキング時の様な急激な回転変動がある状態においても、的確な時期に、安定的にスプリット噴射を実行することができる。この結果、常に安定して始動性を向上することができる。
【0046】
また、冷却水温センサ61が正常でない場合(S170,S175:NO)には、冷却水温THWの条件(S125,S145)に関係なく、エンジン回転数Neの条件(S130,S150)に応じて、燃料噴射モード設定を行う(S120,S135,S155,S160)。従って、冷却水温センサ61が故障してエンジン33が低温状態にあるか否かが不明の場合でも、上記した作用により、低温クランキング状態の良好な始動性を確保し、さらにはその後のアイドル安定前の失火によるエンジン停止をも防止して、低温始動状態の確実かつ安定的な燃焼制御を行うことができる。
【0047】
(第2実施形態)
上記した第1実施形態は、エンジンクランキング時での始動性を問題とする実施形態であったが、エンジンクランキング後も、始動性が悪化する場合がある。そこで、エンジンクランキング時及びその後を含む低温始動時の始動性を向上することが可能な第2実施形態について説明する。
【0048】
第2実施形態は、第1実施形態とシステム、メインルーチン、回転割り込みルーチンなどを同一にし、異なるのは、燃料噴射モード判定処理のロジックの一部である。
図12に、第2実施形態における燃料噴射モード判定処理のロジックを示す。尚、図12において、図7および図8に示した第1実施形態の燃料噴射モード判定処理のロジックと同じ処理についてはステップ番号を等しくしてその説明を省略する。
【0049】
図12に示すフローチャートは、図7に示したフローチャートからS115およびS140の各処理を削除したものである。
この結果、エンジンクランキング時だけでなく、その後のアイドル安定前の低温始動状態においてエンジン回転数が低下した場合には再度スプリット噴射が実行されることになり、図17にて指摘した様な急激な回転変動時の失火によるエンジン停止を防止することができる。
【0050】
以上本発明の各実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内の種々なる態様を採用することができる。
上記各実施形態ではスプリット噴射モード判定条件を、スタータ信号、エンジン回転数,冷却水温のみで判定したが、それ以外にも吸気温あるいは吸気圧力を判定パラメータに加えてもよい。
【0051】
また、図7および図12において、S125,S130,S145,S150の各処理における判定「0」「1」の切替条件は、適合定数(または変数)としてもよい。
ところで、上記各実施形態ではスプリット噴射の分割を2回に分けて説明したが、3回あるいはそれ以上に分けて噴射しても同様の効果が得られると考えられる。また、分割比も1:3で説明したがエンジンによってはそれ以外の分割比が良い場合も考えられる。
【0052】
そこで、次の様に変形を加えることもできる。
第1の変形例は分割比を可変とするものである。この変形例は、図13に示す様に、エンジンパラメータ、例えば冷却水温に応じて、プレ噴射燃料量Qpと主噴射燃料量Qmとの分割比α=Qp/Qmを変化させることとするものである。制御的には、図14に示す様に、回転同期割り込みルーチンのステップS270の前に、分割比αを算出するためのステップS300を追加し、この分割比αに基づいてプレ噴射通電期間TQp及び主噴射通電期間TQmを算出することとすればよい。
【0053】
第2の変形例は、分割噴射の回数を可変とするものである。この変形例は、図15に示す様に、エンジンパラメータ(例えば、冷却水温)に応じて、全くプレ噴射を行わない分割数n=1から、プレ噴射を1回,2回,3回に分ける分割数n=2,3,4までを可変とするものである。制御的には、図16に示す様に、回転同期割り込みルーチンのステップS270の前に、分割数nを算出するためのステップS400を追加すればよい。その後のプレ噴射通電期間TQp及び主噴射通電期間TQmの算出に当たっては、分割数n=2,3,4に対して予め実験的に求めておいた比率による演算を実行することとすればよい。もちろん、第1の変形例と組み合わせて、分割数n及び分割比αを可変として両者を所定のエンジンパラメータにて演算する構成としてもよい。
【0054】
各変形例における分割比αや分割数nは、冷却水温に限らず、吸気温,エンジン回転数,燃焼室圧,燃焼室温,排気温などにより決定することとしてもよい。
また、こうした変形例および上記各実施形態において、駆動回路に複数の高電圧チャージ用のコンデンサを配設して、スプリット回数分の回路をもって制御する構成としてもよい。
【0055】
さらに、上記各実施形態ではプレ噴射、主噴射ともNeパルスに同期して噴射するようにしているが、プレ噴射あるいは主噴射いずれか一方のみをNeパルス同期にしてもかなり効果が上げられる。特に、主噴射については、燃料のプレ噴射により気筒内の状態が活性化された後の燃料噴射であるから、着火可能範囲が広がることによりその最適噴射タイミングは範囲が広がることになるから、Neパルスに同期させなくても十分に精度のよい制御を実行することができる。
【0056】
加えて、コモンレール式の装置に限らず、他のタイプの電子制御式の装置に適用しても構わない。また、メカニカルな燃料噴射制御装置にも本発明を適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1および第2実施形態のシステムを示す構成図。
【図2】第1および第2実施形態における高圧ポンプの構成を示す模式図。
【図3】第1および第2実施形態におけるインジェクタの構成を示す模式図。
【図4】第1および第2実施形態における通常噴射モード及びスプリット噴射モードによる燃料噴射制御の状態を示すタイミングチャート。
【図5】第1および第2実施形態においてECUの実施するメインルーチンのフローチャート。
【図6】図5に示すメインルーチンで使用するマップ同士の関係を示す説明図。
【図7】第1実施形態における燃料噴射モード判定処理のフローチャート。
【図8】第1および第2実施形態における燃料噴射のための回転割り込みルーチンのフローチャート。
【図9】第1および第2実施形態における目標通電期間算出用のマップ。
【図10】第1および第2実施形態における目標インジェクタ通電開始時期算出用のマップ。
【図11】第1および第2実施形態におけるスプリット噴射による燃料噴射と気筒内圧の関係を示すタイミングチャート。
【図12】第2実施形態における燃料噴射モード判定処理のフローチャート。
【図13】第1の変形例におけるスプリット噴射分割比算出用のマップ。
【図14】第1の変形例の燃料噴射のための回転割り込みルーチンのフローチャート。
【図15】第2の変形例におけるスプリット噴射分割数算出用のマップ。
【図16】第2の変形例の燃料噴射のための回転割り込みルーチンのフローチャート。
【図17】低温始動時の着火・失火の状態を示す説明図。
【図18】従来の燃料噴射制御の状態を示すタイミングチャート。
【図19】吸入空気温度と燃焼室内温度の関係を示す説明図。
【符号の説明】
1…コモンレール式燃料噴射制御装置 3…インジェクタ
5…コモンレール 7…燃料タンク 9…高圧ポンプ 11…ECU
27…コモンレール圧センサ 33…エンジン 41…CPU
53…クランク角センサ 55…アクセル開度センサ
59…スタータスイッチ 61…冷却水温センサ
Claims (5)
- ディーゼル機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
当該運転状態検出手段にて検出された運転状態に基づいて、必要な燃料噴射量及び燃料噴射時期を含んだ燃料噴射条件を演算する燃料噴射条件演算手段と、
当該燃料噴射条件演算手段にて演算された燃料噴射条件に基づいて燃料噴射を行う燃料噴射手段と、
ディーゼル機関が始動状態にあるか否かを判定する始動状態判定手段と、
ディーゼル機関が低温状態にあるか否かを判定する低温状態判定手段と、
当該低温状態判定手段の判定結果が信用できるか否かを判定する信用判定手段と、
前記信用判定手段にて前記低温状態判定手段の判定結果が信用できると判定された際には、前記始動状態判定手段にて始動状態であると判定され且つ前記低温状態判定手段にて低温状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示し、前記信用判定手段にて前記低温状態判定手段の判定結果が信用できないと判定された際には、前記低温状態判定手段の判定結果に拘わらず、前記始動状態判定手段にて始動状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示するスプリット噴射指示手段と、
当該スプリット噴射指示手段にてスプリット噴射の実行が指示された場合には、前記燃料噴射条件演算手段にて演算された燃料噴射量をスプリット噴射の各燃料噴射に配分する燃料噴射量配分手段と、
当該燃料噴射量配分手段にて燃料噴射量の配分がなされた場合には、前記燃料噴射条件演算手段にて演算された燃料噴射時期に代えて、上死点前の設定時期とその後の設定時期とからなるスプリット噴射の各噴射時期を設定するスプリット噴射時期設定手段と
を備えたことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。 - 前記スプリット噴射時期設定手段が、前記スプリット噴射時期として少なくとも最初の燃料噴射を回転角に同期した時期に設定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
- ディーゼル機関の運転状態を検出する運転状態検出処理と、
当該運転状態検出処理にて検出された運転状態に基づいて、必要な燃料噴射量及び燃料噴射時期を含んだ燃料噴射条件を演算する燃料噴射条件演算処理と、
当該燃料噴射条件演算処理にて演算された燃料噴射条件に基づいて燃料噴射を行う燃料噴射処理と、
ディーゼル機関が始動状態にあるか否かを判定する始動状態判定処理と、
ディーゼル機関が低温状態にあるか否かを判定する低温状態判定処理と、
当該低温状態判定処理の判定結果が信用できるか否かを判定する信用判定処理と、
前記信用判定処理にて前記低温状態判定処理の判定結果が信用できると判定された際には、前記始動状態判定処理にて始動状態であると判定され且つ前記低温状態判定処理にて低温状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示し、前記信用判定処理にて前記低温状態判定処理の判定結果が信用できないと判定された際には、前記低温状態判定処理の判定結果に拘わらず、前記始動状態判定処理にて始動状態であると判定された場合に、燃料噴射を複数回に分けたスプリット噴射の実行を指示するスプリット噴射指示処理と、
当該スプリット噴射指示処理にてスプリット噴射の実行が指示された場合には、前記燃料噴射条件演算処理にて演算された燃料噴射量をスプリット噴射の各燃料噴射に配分する燃料噴射量配分処理と、
当該燃料噴射量配分処理にて燃料噴射量の配分がなされた場合には、前記燃料噴射条件演算処理にて演算された燃料噴射時期に代えて、上死点前の設定時期とその後の設定時期とからなるスプリット噴射の各噴射時期を設定するスプリット噴射時期設定処理と
を備えたことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御方法。 - 前記スプリット噴射時期設定処理が、前記スプリット噴射時期として少なくとも最初の燃料噴射を回転角に同期した時期に設定することを特徴とする請求項3に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御方法。
- 請求項3または請求項4に記載の燃料噴射制御方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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