JP3890469B2 - インクジェット式画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタ等のインクジェット式画像形成装置に関し、さらに詳しくは、装置本体側に固定された複数のメインインクタンクと主走査方向に移動可能なキャリッジに搭載された複数のサブインクタンクとがチューブで接続されていて、インク残量の検知すなわちインク残量が少なくなったか否かの検知ができる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえばインクジェットカラープリンタでは、装置本体側に固定された複数のメインインクタンクとキャリッジに搭載された複数のサブインクタンクとがチューブで接続され、必要に応じて、メインインクタンクからサブインクタンクにインクが補充されるようになっている。
【0003】
このようなプリンタにおいて、インク残量の検知ができるものとして、たとえば特開平11−123833号公報に記載されているものが知られている。
【0004】
このインクジェット式画像形成装置では、キャリッジに搭載された複数のサブインクタンクに、それぞれ、インク残量検知センサが設けられ、これらのセンサによって各サブインクタンクのインク残量が検知できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来のインクジェット式画像形成装置では、キャリッジに搭載されたサブインクタンクのインク残量を検知して、インク残量が少なくなると、メインインクタンクからインクを補充することができる。
【0006】
しかし、インク残量を検知するために、複数のサブインクタンクのそれぞれにインク残量検知センサを設ける必要があり、多くのセンサが必要である。
【0007】
また、サブインクタンクのインク残量だけを検知しているので、メインインクタンクのインク残量が少なくなっている場合でも、サブインクタンクのインク残量が少なくなると、メインインクタンクからサブインクタンクへインクを補充しようとするために、両者を繋ぐチューブに空気が混入するおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、センサの数が少なくてすみ、しかもメインインクタンクとサブインクタンクとを接続するチューブに空気が混入することを防止できるインクジェット式画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明によるインクジェット式画像形成装置は、主走査方向に移動可能なキャリッジの移動経路に沿って装置本体側に固定状に設けられた複数のメインインクタンクと、キャリッジに搭載された複数のサブインクタンクとの対応するもの同士が、チューブで接続されているインクジェット式画像形成装置において、各メインインクタンクに光の反射によりインク残量を検知するためのインク残量検知部が設けられ、各メインインクタンク内のインク残量を検知する発光素子と受光素子よりなるインク残量検知センサが、キャリッジに搭載されており、キャリッジが主走査方向に移動することにより、各メインタンク内のインク残量が検知されるようになされていることを特徴とするものである。
【0010】
複数のメインインクタンクは、キャリッジの移動経路に沿って、キャリッジが移動する主走査方向に並べて配置される。
【0011】
このようにすれば、キャリッジが移動することにより、キャリッジに搭載された1つのインク残量検知センサで複数のメインインクタンクのインク残量を検知することができる。したがって、インク残量を検知するためのセンサの数が少なくてすむ。
【0012】
また、メインインクタンクのインク残量を検知するようになっているので、メインインクタンクのインク残量が少なくなったときには、サブインクタンクへのインクの補充を行わないようにすることにより、両者を繋ぐチューブに空気が混入することを防止することができる。
【0013】
インク残量検知センサは、発光素子と受光素子よりなる反射型のものであり、発光素子から出射された光がメインタンクのインク残量検知部で反射して受光素子に入射しうるようにする。そして、インク残量が多いときと少ないときとで検知部における反射の仕方が異なることを利用して、インク残量を検知する。
【0014】
本発明のインクジェット式画像形成装置において、たとえば、装置本体側に、ホームポジション指示部材が設けられ、インク残量検知センサが、ホームポジション指示部材を検知することによってキャリッジのホームポジションを検知することが可能なものである。
【0015】
インク残量検知センサは、たとえば、発光素子と受光素子が互いに平行に配置された反射型のものである。その場合、インク残量センサがホームポジション指示部材に対向したときに、たとえば、発光素子から出射した光がマークに設けられた2つの反射面で反射して受光素子に入射するようにする。
【0016】
インクジェット式画像形成装置では、電源投入時にキャリッジの絶対位置が不明であるため、その位置を確認するためのホームポジションが不可欠である。上記のようにすれば、インク残量検知センサによってキャリッジのホームポジションを検知することができ、それに基づいてキャリッジの絶対位置を知ることができる。
【0017】
上記のインクジェット式画像形成装置において、たとえば、インク残量検知センサが、ホームポジション指示部材を用いて検知基準を調整するものである。
【0018】
インク残量検知センサは、受光素子で受光した光の光度に対応する受光素子の出力信号を、検知基準である一定のしきい値と比較することにより、インク残量が多いか少ないかを検知する。
【0019】
この場合、インク残量検知センサの発光素子から出射してホームポジション指示部材で反射した光を受光素子で受光したときの受光素子の出力信号を基準にして、インク残量の検知基準を設定する。
【0020】
これによれば、経年変化等によってインク残量検知センサの性能が変化しても、常に、インク残量を正確に検知することができ、誤検知を防止することができる。
【0021】
本発明のインクジェット式画像形成装置において、たとえば、インク残量検知センサが、記録媒体の幅の検知および搬送異常の検知が可能である。
【0022】
これによれば、インク残量検知センサによって、記録媒体の幅の検知および搬送異常の検知を行うことができる。
【0023】
本発明のインクジェット式画像形成装置において、たとえば、各メインインクタンクまたは装置本体に、インク残量検知センサの発光素子から入射した光をメインインクタンクのインク残量検知部に導く導光部およびインク残量検知部からの光を導いてインク残量検知センサの受光素子に出射する導光部が設けられており、導光部の光入射および光出射を行う面の高さが、記録媒体の走行面とほぼ同じ高さである。
【0024】
これによれば、インク残量検知センサの発光素子および受光素子の焦点を、ほぼ同じ高さにある記録媒体と導光部の両方に合わせることができ、インク残量の検知ならびに記録媒体の幅の検知および搬送異常の検知の両方を正確に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について説明する。
【0026】
以下、図面を参照して、本発明をインクジェットカラープリンタに適用したいくつかの実施形態について説明する。
【0027】
図1〜図4は、第1実施形態を示している。図1はプリンタの印字部の平面図、図2は同右側面図、図3および図4は図2の一部を拡大するとともに必要に応じ一部を切欠いて示した図面である。なお、実施形態の説明において、前後左右は記録媒体である記録用紙の印字部における搬送方向についていうものとする。印字部において、記録用紙は図1および図2の左から右に搬送されるので、図1および図2の右側が前、同図の左側が後であり、図1の上側が左、同図の下側が右である。
【0028】
図1および図2に示すように、プリンタの印字部には、図示しない装置本体の筐体に固定されて主走査方向である左右方向にのびるガイド棒(1)が設けられ、これにキャリッジ(2)が取り付けられている。キャリッジ(2)は、図示しない適宜の駆動手段により、ガイド棒(1)に沿って左右方向に移動させられる。なお、図1は、キャリッジ(2)の移動範囲の移動範囲の右端のホームポジションの近傍を示している。
【0029】
キャリッジ(2)には、複数(この例では4つ)のサブインクタンク(3a)(3b)(3c)(3d)が搭載されている。サブインクタンクは、符号(3)で総称する。キャリッジ(2)の下面には、サブタンク(3)に対応して、同数の印字ヘッド(4)が設けられている。サブタンク(3)および印字ヘッド(4)は、主走査方向に並べて配置されている。キャリッジ(2)の右端部に、前側を向いたインク残量検知センサ(5)が設けられている。
【0030】
装置本体の筐体に、サブタンク(3)と同数のメインインクタンク(6a)(6b)(6c)(6d)が固定状に設けられている。メインインクタンクは、符号(6)で総称する。メインタンク(6)は、キャリッジ(2)の前方に、主走査方向に並べて配置されており、メインタンク(6)の下面は、キャリッジ(2)の下面とほぼ同じ高さに位置している。メインタンク(6)とサブタンク(3)の対応するもの同士が、チューブ(7)で接続されている。
【0031】
メインタンク(6)より右側の装置本体の筐体の部分に、ホームポジション指示部材(8)が固定状に設けられている。
【0032】
キャリッジ(2)の移動経路の下方に、記録用紙(P)を案内するプラテン(9)が設けられ、プラテン(9)の後側に、搬送ローラ(10)が設けられている。搬送ローラ(10)は、図示しない搬送モータによって駆動される。
【0033】
上記のプリンタにおいて、用紙(P)は、搬送ローラ(10)によりプラテン(9)の上を通して搬送され、その間にキャリッジ(2)が主走査方向に往復移動することにより、印字が行われる。
【0034】
図3に詳細に示すように、ホームポジション指示部材(8)の後面に、指示部材検知用凹部(11)が形成されている。凹部(11)の垂直断面は直角三角形状をなし、凹部(11)の上下に、水平面に対して45度傾いた傾斜面(12)(13)が形成されている。上側傾斜面(12)は斜め下方を、下側傾斜面(13)は斜め上方を向いている。
【0035】
図4に詳細に示すように、各メインタンク(6)の後壁(14)の下部内面(前面)に、前方に突出した凸状のインク残量検知部(15)が形成されている。検知部(15)の垂直断面は直角三角形状をなし、検知部(15)の上下に、水平面に対して45度傾いた傾斜面(16)(17)が形成されている。上側傾斜面(16)は斜め上方を、下側傾斜面(17)は斜め下方を向いている。各メインタンク(6)の少なくとも検知部(15)を含む後壁(14)の部分は、たとえば透明合成樹脂等の透明材料で形成されている。
【0036】
インク残量検知センサ(5)は、光電反射型のものであり、上側に前向きに配置された発光素子(18)と、下側に前向きに配置された受光素子(19)とを備えている。センサ(5)が指示部材(8)およびメインタンク(6)の検知部(15)の後側に移動してきたときに、発光素子(18)が上側傾斜面(12)(16)に後側から対向し、受光素子(19)が下側傾斜面(13)(17)に後側から対向するようになっている。受光素子(19)は入射光量に対応する信号を出力し、センサ(5)は、受光素子(19)の出力が所定のしきい値より小さいときは入射光なし信号を出力し、受光素子(19)の出力がしきい値以上のときは入射光あり信号を出力する。
【0037】
センサ(5)が指示部材(8)あるいはメインタンク(6)の検知部(15)に対向していないときは、発光素子(18)から出射された光は受光素子(19)に入射しないので、センサ(5)から入射光なし信号が出力される。
【0038】
センサ(5)が指示部材(8)に対向すると、発光素子(18)から出射した光が上側傾斜面(12)で反射して下側傾斜面(13)に入射し、下側傾斜面(13)で反射して受光素子(19)に入射するため、受光素子(19)の出力がしきい値以上になり、センサ(5)から入射光あり信号が出力される。
【0039】
センサ(5)がメインタンク(6)の検知部(15)に対向すると、次に説明するように、インク残量が多いときには入射光なし信号が出力され、インク残量が少ないときには入射光あり信号が出力される。
【0040】
インク残量が多くて、メインタンク(6)内のインク液面の位置が発光素子(18)の位置より上にある場合、検知部(15)の上側傾斜面(16)の内側にインクが存在するため、発光素子(18)から上側傾斜面(12)に入射した光は、この部分で反射せず、したがって、受光素子(19)には光は入射しない。インク残量が比較的多くて、メインタンク(6)内のインク液面の位置が発光素子(18)の位置と受光素子(19)の位置との中間にある場合、検知部(15)の上側傾斜面(16)の内側にはインクが存在しないため、発光素子(18)から上側傾斜面(16)に入射した光の一部が、この部分で反射して、下側傾斜面(17)に入射するが、下側傾斜面(17)の内側にインクが存在するため、下側傾斜面(17)に入射した光は、この部分で反射せず、したがって、受光素子(19)には光は入射しない。このため、上記のいずれの場合も、センサ(5)から入射光なし信号が出力される。
【0041】
インク残量が少なくなって、メインタンク(6)内のインク液面の位置が受光素子(19)の位置より下になった場合、上下の傾斜面(16)(17)の内側にインクが存在しないため、発光素子(18)から上側傾斜面(16)に入射した光の一部が、この部分で反射して、下側傾斜面(17)に入射し、下側傾斜面(17)に入射した光の一部が、この部分で反射して、受光素子(19)に入射する。このため、センサ(5)から入射光あり信号が出力される。
【0042】
キャリッジ(2)のホームポジションの検知を行う場合、キャリッジ(2)を往復移動範囲の右側極限位置まで移動させた後、左側に移動させ、センサ(5)にホームポジション指示部材(8)を検知させる。キャリッジ(2)が右側極限位置まで移動すると、センサ(5)はホームポジション指示部材(8)よりも右側に位置し、センサ(5)からは、入射光なし信号が出力される。キャリッジ(2)が右側極限位置からある程度左側に移動すると、センサ(5)がホームポジション指示部材(8)に対向し、センサ(5)から入射光あり信号が出力されるので、そのときのキャリッジ(2)の位置をホームポジションとして検知し、以後は、このホームポジションを基準にキャリッジ(2)の位置の制御を行う。また、センサ(5)がホームポジション指示部材(8)を検知したときの受光素子(19)の出力に基づいて、インク残量検知の検知基準であるしきい値を設定する。たとえば、センサ(5)がホームポジション指示部材(8)を検知したときの受光素子(19)の出力を最大出力とし、この最大出力を基準にして、しきい値を設定する。
【0043】
メインタンク(6)のインク残量の検知を行うときは、予めわかっているホームポジションに対する各メインタンク(6)の位置に基づいて、センサ(5)が各メインタンク(6)の検知部(15)に順に対向するように、キャリッジ(2)を移動させ、センサ(5)が各メインタンク(6)の検知部(15)に対向しているときのセンサ(5)の出力を調べる。そして、センサ(5)から入射光なし信号が出力された場合は、そのメインタンク(6)のインク残量は多いと判断し、センサ(5)から入射光あり信号が出力された場合は、そのメインタンク(6)のインク残量は少ないと判断する。
【0044】
図5は、第2実施形態を示している。
【0045】
図5は第1実施形態の図2に相当する図面であり、第1実施形態のものと同じ部分には同一の符号を付している。
【0046】
第2実施形態の場合、メインタンク(6)は、記録用紙(P)の搬送経路の下方に配置されている。メインタンク(6)の後面下部に、メインタンク(6)の内部と連通した中空状の後方突出部(20)が形成されており、この突出部(20)の上面にインク残量検知部(21)が形成されている。詳細な図示は省略したが、インク残量検知部(21)は、突出部(20)の上面に垂直断面が直角三角形状の凹部を形成して、2つの傾斜面を形成することにより構成される。また、インク残量検知センサ(5)の発光素子および受光素子は、下向きに配置されている。
【0047】
他は、第1実施形態の場合と同様である。
【0048】
図6は、第3実施形態を示している。
【0049】
図6は第1実施形態の図2に相当する図面であり、第1実施形態のものと同じ部分には同一の符号を付している。
【0050】
第3実施形態の場合、メインタンク(6)は、キャリッジ(2)の往復移動経路の上方に配置されている。メインタンク(6)の下面後部に、インク残量検知部(22)が形成されている。詳細な図示は省略したが、インク残量検知部(22)は、メインタンク(6)の下面に垂直断面が直角三角形状の凹部を形成して、2つの傾斜面を形成することにより構成される。また、インク残量検知センサ(5)の発光素子および受光素子は、上向きに配置されている。
【0051】
他は、第1実施形態の場合と同様である。
【0052】
図7〜図10は、第4実施形態を示している。
【0053】
図7および図8は第1実施形態の図1および図2にそれぞれ相当する図面であり、図9および図10は図8の一部を拡大するとともに必要に応じ一部を切欠いて示した図面である。第4実施形態において、第1実施形態のものと同じ部分には同一の符号を付している。
【0054】
第4実施形態の場合、メインタンク(6)は、第2実施形態の場合と同様、記録用紙(P)の搬送経路の下方に配置されている。
【0055】
図9に詳細に示すように、ホームポジション指示部材(8)の上面に、指示部材検知用凹部(23)が形成されている。凹部(23)の垂直断面は直角三角形状をなし、凹部(23)の前後に、水平面に対して45度傾いた傾斜面(24)(25)が形成されている。前側傾斜面(24)は斜め後方を、後側傾斜面(25)は斜め前方を向いている。
【0056】
図10に詳細に示すように、各メインタンク(6)の後壁(14)の部分に、インク残量検知部(26)が形成されている。各メインタンク(6)の後壁(14)の一部に、ほぼ全高にわたる厚肉部(27)が形成され、厚肉部(27)の下端の前後に、水平面に対して45度傾いた傾斜面(28)(29)が形成されている。前側傾斜面(28)は斜め前方を、後側傾斜面(29)は斜め後方を向いている。各メインタンク(6)の少なくとも厚肉部(27)を含む後壁(14)の部分は、たとえば透明合成樹脂等の透明材料で形成されている。前後の傾斜面(28)(29)の上方の厚肉部(27)のほぼ全高に、導光部を構成する光ファイバ(30)(31)が埋め込まれている。
【0057】
インク残量検知センサ(5)の発光素子(18)は前側において下向きに配置され、受光素子(19)は後側において下向きに配置されている。センサ(5)が指示部材(8)の上方に移動してきたときに、発光素子(18)が前側傾斜面(24)に上から対向し、受光素子(19)が後側傾斜面(25)に上から対向する。また、センサ(5)がメインタンク(6)の検知部(27)の上方に移動してきたときに、発光素子(18)が前側光ファイバ(30)に上から対向し、受光素子(19)が後側光ファイバ(31)に上から対向する。そして、発光素子(18)から出射された光が前側光ファイバ(30)を通って前側傾斜面(28)に入射し、後側傾斜面(29)で反射した光が後側光ファイバ(31)を通って受光素子(19)に入射する。
【0058】
センサ(5)が指示部材(8)、メインタンク(6)の検知部(27)あるいは記録用紙(P)に対向していないときは、発光素子(18)から出射された光は受光素子(19)に入射しないので、センサ(5)から入射光なし信号が出力される。
【0059】
センサ(5)が指示部材(8)に対向すると、発光素子(18)から出射した光が前側傾斜面(24)および後側傾斜面(25)で反射して受光素子(19)に入射するため、受光素子(19)の出力がしきい値以上になり、センサ(5)から入射光あり信号が出力される。
【0060】
センサ(5)がメインタンク(6)の検知部(27)に対向すると、次に説明するように、インク残量が多いときには入射光なし信号が出力され、インク残量が少ないときには入射光あり信号が出力される。
【0061】
インク残量が多くて、メインタンク(6)内のインク液面の位置が、発光素子(28)からの出射光が光ファイバ(30)を通して入射する前側傾斜面(28)の高さの中間の位置より上にある場合、光が入射する前側傾斜面(28)の部分の内側にインクが存在するため、光ファイバ(30)から前側傾斜面(28)に入射した光は、この部分で反射せず、したがって、光ファイバ(31)および受光素子(19)には光は入射しない。このため、センサ(5)から入射光なし信号が出力される。
【0062】
インク残量が少なくなって、メインタンク(6)内のインク液面の位置が前側傾斜面(28)の高さの中間より下になった場合、光が入射する前側傾斜面(28)の部分の内側にインクが存在しないため、発光素子(18)から光ファイバ(30)を通して前側傾斜面(28)に入射した光の一部が、この部分で反射して、後側傾斜面(29)に入射し、後側傾斜面(29)に入射した光の一部が、この部分で反射し、光ファイバ(31)を通して受光素子(19)に入射する。このため、センサ(5)から入射光あり信号が出力される。
【0063】
センサ(5)がその下に位置する用紙(P)に対向すると、発光素子(18)から出射した光が用紙(P)の表面で反射して、受光素子(19)に入射するため、センサ(5)から入射光あり信号が出力される。
【0064】
他は、第1実施形態の場合と同様である。
【0065】
第4実施形態の場合、次に説明するように、印字を行う前に、インク残量検知センサ(5)により、用紙(P)の紙幅の検知および搬送異常の検知が行われる。
【0066】
まず、図示しない給紙カセットから用紙(P)を搬送ローラ(10)の位置まで給紙し、搬送モータを所定パルス数(Lパルス)駆動して、給紙ローラ(10)により用紙(P)を所定距離前方に送る。このとき、センサ(5)が用紙(P)の搬送経路に上方に位置するように、キャリッジ(2)を位置させておく。そして、搬送モータをLパルス駆動した後に、センサ(5)の出力を調べる。センサ(5)から入射光あり信号が出力されている場合は、キャリッジ(2)の下方まで用紙(P)が正常に搬送されたと判断する。センサ(5)から入射光なし信号が出力されている場合は、キャリッジ(2)の下方まで用紙(P)が正常に搬送されていないので、給紙不良、ジャムが発生したと判断して、異常処理を行う。用紙(P)が正常に搬送された場合、キャリッジ(2)をホームポジションから左側に移動させ、センサ(5)が用紙(P)の右端に達して入射光あり信号が出力されたときの、キャリッジ(2)のホームポジションからの移動パルス数を調べる。このパルス数が所定の範囲(Nパルス±ΔNパルス)であれば、用紙(P)が正常に搬送されたと判断し、そうでなければ、用紙(P)が斜行していると判断して、異常処理を行う。用紙(P)が正常に搬送された場合、さらにキャリッジ(2)を左側に移動させ、センサ(5)が用紙(P)の左端から外れて入射光なし信号が出力されたときの、キャリッジ(2)の用紙(P)の右端からの移動パルス数(Mパルス)を求め、これに基づいて、紙幅を検知する。そして、印字動作を開始する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態を示すインクジェットプリンタの印字部の平面図である。
【図2】図2は、図1の右側面図である。
【図3】図3は、図1の一部を拡大して示す右側面図である。
【図4】図4は、図1の他の一部を拡大して示す一部切欠き右側面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態を示すインクジェットプリンタの印字部の右側面図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施形態を示すインクジェットプリンタの印字部の右側面図である。
【図7】図7は、本発明の第4実施形態を示すインクジェットプリンタの印字部の平面図である。
【図8】図8は、図7の右側面図である。
【図9】図9は、図7の一部を拡大して示す右側面図である。
【図10】図10は、図7の他の一部を拡大して示す一部切欠き右側図である。
【符号の説明】
(2) キャリッジ
(5) インク残量検知センサ
(3a)(3b)(3c)(3d) サブインクタンク
(6a)(6b)(6c)(6d) メインインクタンク
(7) チューブ
(8) ホームポジション指示部材
(15) インク残量検知部
(18) 発光素子
(19) 受光素子
(21)(22)(26) インク残量検知部
Claims (5)
- 主走査方向に移動可能なキャリッジの移動経路に沿って装置本体側に固定状に設けられた複数のメインインクタンクと、キャリッジに搭載された複数のサブインクタンクとの対応するもの同士が、チューブで接続されているインクジェット式画像形成装置において、
各メインインクタンクに光の反射によりインク残量を検知するためのインク残量検知部が設けられ、各メインインクタンク内のインク残量を検知する発光素子と受光素子よりなるインク残量検知センサが、キャリッジに搭載されており、キャリッジが主走査方向に移動することにより、各メインタンク内のインク残量が検知されるようになされていることを特徴とするインクジェット式画像形成装置。 - 装置本体側に、ホームポジション指示部材が設けられ、インク残量検知センサが、ホームポジション指示部材を検知することによってキャリッジのホームポジションを検知することが可能なものであることを特徴とする請求項1のインクジェット式画像形成装置。
- インク残量検知センサが、ホームポジション指示部材を用いて検知基準を調整するものであることを特徴とする請求項2のインクジェット式画像形成装置。
- インク残量検知センサが、記録媒体の幅の検知および搬送異常の検知が可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項のインクジェット式画像形成装置。
- 各メインインクタンクまたは装置本体に、インク残量検知センサの発光素子から入射した光をメインインクタンクのインク残量検知部に導く導光部およびインク残量検知部からの光を導いてインク残量検知センサの受光素子に出射する導光部が設けられており、導光部の光入射および光出射を行う面の高さが、記録媒体の走行面とほぼ同じ高さであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項のインクジェット式画像形成装置。
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JP2002071459A JP3890469B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | インクジェット式画像形成装置 |
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