JP3890334B2 - フィルム外装電気デバイスおよび内圧開放システム - Google Patents

フィルム外装電気デバイスおよび内圧開放システム Download PDF

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Description

本発明は、電池やキャパシタに代表される、電気デバイス要素を外装フィルムに収容したフィルム外装電気デバイスに関する。
近年、携帯機器等の電源としての電池は、軽量化、薄型化が強く要求されている。そこで、電池の外装材に関しても、軽量化、薄型化に限界のある従来の金属缶に代わり、さらなる軽量化、薄型化が可能であり、金属缶に比べて自由な形状を採ることが可能な外装材として、金属薄膜フィルム、または金属薄膜と熱融着性樹脂フィルムとを積層したラミネートフィルムを用いたものが使用されるようになった。
電池の外装材に用いられるラミネートフィルムの代表的な例としては、金属薄膜であるアルミニウム薄膜の片面にヒートシール層である熱融着性樹脂フィルムを積層するとともに、他方の面に保護フィルムを積層したラミネートフィルムが挙げられる。
外装材にラミネートフィルムを用いたフィルム外装電池においては、一般に、正極、負極、および電解質等で構成される電池要素を、熱融着性樹脂フィルムが内側になるようにして外装材で包囲し、電池要素の周囲で外装材を熱融着することによって電池要素を気密封止(以下、単に封止という)している。熱融着性樹脂フィルムには、例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムが用いられ、保護フィルムには、例えばナイロンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられる。電池要素の封止に際しては、電池要素の正極および負極を外装材の外部へ引き出すために、正極および負極にはそれぞれリード端子が接続され、これらリード端子を外装材から突出させている。
ところで、電池の使用時において、電池に規格範囲外の電圧が印加されたりすると、電解液溶媒の電気分解によりガス種が発生し、電池の内圧が上昇することがある。さらに、電池が規格範囲外の高温で使用されたりしても、電解質塩の分解などによりガス種のもとになる物質が生成されたりする。基本的には、規格範囲内で電池を使用してガスを発生させないようにすることが理想であるが、電池の制御回路が何らかの原因で故障して異常な電圧が印加されたり、何らかの原因で周囲が異常に高温となったりすると、場合によっては大量にガスが発生することもある。
このような、電池内部でのガスの発生は、電池の内圧上昇をもたらす。内圧が極度に上昇し電池が暴発することを防ぐために、外装材として金属缶を用いた電池の多くは、電池の内圧が上昇した際にガスを電池の外部に逃がす圧力安全弁を有している。しかし、フィルムを外装材とするフィルム外装電池においては、圧力安全弁を設けることが構造上難しい。フィルム外装電池では内圧が上昇しすぎるとフィルムが膨張し、最終的には外装材が破裂しその箇所からガスが噴出するが、破裂がどの箇所で発生するか特定できないため、破裂した箇所によっては周囲の機器等に悪影響を及ぼすことがある。
そこで、従来のフィルム外装電池においては、こういった電池内部でのガスの発生による不具合を解消するため、例えば特許文献1には、熱融着部の一部を他の部分よりも低い温度として電池要素を封止したフィルム外装電池が開示されている。また、特許文献2には、熱融着部の一部に非熱融着性樹脂シートを介在させたフィルム外装電池が開示されている。いずれの場合も、フィルムの熱融着強度を弱くした部分を外装材に作り、この部分に安全弁としての機能を持たせている。
一方、特許文献3には、熱融着部の外形の一部を外側から切除した構成が開示され、特許文献4には、封止辺の一部に、電池の内側から外部に向かって小さくなる形状の未接着部を設けた構成が開示されている。これらは、熱融着部の一部に、電池の内側から外部へ向かう方向の熱融着部の幅が部分的に狭くなるような形状の部分を設定し、そこを安全弁として機能させようとするものである。
特開2000−100399号公報 特開平11−97070号公報 特開2002−56835号公報 特開平10−55792号公報
しかしながら、上述した従来のフィルム外装電池における安全弁構造では、熱融着部の劣化により電解液の漏出等の不具合が発生するおそれがある。また、熱融着強度の調整が難しく、異常発生時の開放圧力を正確に設定することができないという難点もあった。
また、熱融着部の幅を部分的に狭くした構造においても、上述した従来の構造では、実用的な開放圧力を実現するためには、安全弁として機能する部分での熱融着幅は例えば1mmといった非常に狭い幅としなければならず、そのため、封止信頼性が低下したり、製造上の熱融着幅の誤差が開放圧力に大きく影響し結果的に開放圧力を正確に設定できなかったりするといった難点があった。このような狭い熱融着幅が必要となる理由としては、フィルムを外装材とする電池では、電流取り出しのためのリード引き出し部で封止強度が弱くなりがちであり、リード引き出し部からのガス放出を防止するために、それより先に比較的低圧で安全弁を開放させなければならないことが挙げられる。
このように熱融着部自身の一部を他の部分よりも圧力開放しやすくした構成は、いずれの例においても通常使用時と異常時との妥協点において成立させなければならなかった。
上述のことは、電池に限らず、ガスを発生する可能性のある電気デバイス要素を外装フィルムで封止したフィルム外装電気デバイスに共通の問題である。
そこで、本発明は、電気デバイス要素の封止信頼性を低下させることなく、異常時のガスの発生によるフィルムの膨張時の開放圧力を容易に設定できるフィルム外装電気デバイスおよび内圧開放システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のフィルム外装電気デバイスは、電気デバイス要素と、電気デバイス要素を包囲して配された金属薄膜が積層された外装フィルムとを有し、電気デバイス要素の周囲で外装フィルムの対向面同士が熱融着されることによって、電気デバイス要素を封止する、熱融着された封止領域が形成されたフィルム外装電気デバイスにおいて、電気デバイス要素を包囲する空間の内圧上昇が検出されると加熱される加熱手段を封止領域に有することを特徴とする。
上記のとおりの本発明のフィルム外装電気デバイスは、電池内部の内圧が上昇すると加熱手段によって封止領域を加熱するため、加熱された部分の外装フィルムの熱融着を解除する。これにより電池内部と外部とが連通し、電池内の内圧を大気に開放することができる。
また、本発明のフィルム外装電気デバイスは、加熱手段が電気熱変換素子であってもよい。
また、本発明のフィルム外装電気デバイスは、加熱手段を外装フィルムの熱融着された封止領域の表面上に設けているものであってもよく、この場合、封止領域を封止する工程は通常の封止工程と同じでよく、また、封止領域の封止特性が加熱手段を設けたことによっても何ら影響を受けることがない。すわなち、加熱手段は封止領域の熱融着に対して何ら影響を与えることがないため、封止領域の熱融着強度を低下させることなく、内圧を開放させる機構を設けることができる。
また、本発明のフィルム外装電気デバイスは、加熱手段が蛇行したパターンの電熱線を有するものであってもよく、特にフィルム外装電気デバイスの外縁から電気デバイス要素に向けて、蛇行したパターンのパターン幅が拡がるように設けられているものであってもよい。このような蛇行パターンの電熱線を採用することで、電池の内圧開放時の封止領域における剥離の進行に合わせた加熱が可能となる。
また、本発明のフィルム外装電気デバイスは、電気デバイス要素が、化学電池要素またはキャパシタ要素であってもよい。
本発明の内圧開放システムは、電気デバイス要素と、電気デバイス要素を包囲して配された金属薄膜が積層された外装フィルムとを有し、電気デバイス要素の周囲で外装フィルムの対向面同士が熱融着されることによって、電気デバイス要素を封止する、熱融着された封止領域が形成されたフィルム外装電気デバイスの内圧を開放する内圧開放システムであって、本発明のフィルム外装電気デバイスと、電気デバイス要素を包囲する空間の内圧上昇を検出する検出手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の内圧開放システムは、加熱手段に電力を供給するための電源を有するものであってもよい。電源を外部電源とした場合、フィルム外装電気デバイスの外部短絡が発生したとしても加熱手段に通電することが可能となる。
あるいは、電源を、該加熱手段が設けられたフィルム外装電気デバイスの電気デバイス要素としてもよい。この場合、外部に加熱手段用の電源を別途設ける必要がないため、構成を簡単にすることができる。
さらには、複数のフィルム外装電気デバイスを有し、一のフィルム外装電気デバイスに設けられた加熱手段に電力を供給するための電源を、他のフィルム外装電気デバイスの電気デバイス要素としてもよい。この場合、外部短絡の影響を受けることもなく、また、外部電源を用いる必要もない。
また、本発明の内圧開放システムは、検出手段が、空間の内圧が所定の圧力に達したことを検知すると加熱手段に対して通電するものであってもよい。
また、検出手段は、内圧上昇による外装フィルムの膨らみを検知するものであってもよい。例えば、検出手段は、膨らんだ外装フィルムに押されることで通電する機械式スイッチであってもよい。
本発明によれば、電気デバイス要素の封止信頼性を低下させることなく、異常時のガスの発生によるフィルムの膨張時の開放圧力を容易に設定できる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の内圧開放機構を備えたフィルム外装電池の基本的な構成を説明するための分解斜視図であり、図2は、その外観斜視図である。
本実施形態のフィルム外装電池1は、複数の正極および負極を積層した構造を有する扁平な略直方体状の電池要素2と、電池要素2の正極および負極にそれぞれ接続された正極リード3および負極リード4と、正極リード3および負極リード4の一部を延出させて電池要素2を封止する外装フィルム5、6とを有する。
電池要素2は、それぞれ電極材料が両面に塗布された金属箔からなる複数の正極と複数の負極とが、セパレータを介して交互に積層されて構成されている。各正極および各負極の一辺からはそれぞれ電極材料が塗布されていない未塗布部分が突出して設けられており、正極の未塗布部同士、および負極の未塗布部同士が一括して超音波溶接されて、それぞれ正極リード3および負極リード4と接続されている。正極および負極は、電極材料の未塗布部分を反対向きに突出させて重ねられており、したがって、正極リード3と負極リード4とは、このフィルム外装電池1の互いに対向する辺から引き出されている。
リチウムイオン電池などの非水電解質電池の場合、正極を構成する金属箔にはアルミニウム箔が用いられ、負極を構成する金属箔には銅箔が用いられる。そして、正極リード3にはアルミニウム板が用いられ、負極リード4にはニッケル板または銅板が用いられる。負極リード4を銅板で構成する場合、表面にニッケルめっきを施してもよい。
セパレータは、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂から作られた、マイクロポーラスフィルム(微多孔フィルム)、不織布あるいは織布など、電解液を含浸することができるシート状の部材を用いることができる。
外装フィルム5、6は、電池要素2をその厚み方向両側から挟んで包囲する2枚のラミネートフィルムからなり、電池要素2の周囲で重なり合った対向面同士を熱融着することで、電池要素2が封止されている。図1には、外装フィルム5、6の熱融着される領域を封止領域5aとしてハッチングで示している。外装フィルム5には、電池要素2を包囲する空間である電池要素収納部を形成するため、中央領域にカップ部5bを有する。このカップ部5bの加工は、深絞り成形によって行うことができる。本実施形態の場合、外装フィルム6にはカップ部は形成されていない構成を例に示しているが、両方の外装フィルム5、6にカップ部5bが形成されているものであってもよいし、また、カップ部を形成せずに外装フィルム5、6の柔軟性を利用して電池要素2を包囲してもよい。
外装フィルム5、6を構成するラミネートフィルムとしては、柔軟性を有しており、かつ電解液が漏洩しないように電池要素2を封止できるものであれば、この種のフィルム外装電池に一般に用いられるフィルムを用いることができる。外装フィルム5、6に用いられるラミネートフィルムの代表的な層構成としては、金属薄膜層と熱融着性樹脂層とを積層した構成、あるいは、金属薄膜層の熱融着樹脂層と反対側の面にさらに、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルやナイロン等のフィルムからなる保護層を積層した構成が挙げられる。電池要素2を封止するに際しては、熱融着性樹脂層を対向させて電池要素2を包囲する。
金属薄膜層としては、例えば、厚さ10μm〜100μmの、Al、Ti、Ti合金、Fe、ステンレス、Mg合金などの箔を用いることができる。熱融着性樹脂層に用いられる樹脂としては、熱融着が可能な樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、これらの酸変成物、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル等、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが使用できる。熱融着性樹脂層の厚さは10μm〜200μmが好ましく、より好ましくは30μm〜100μmである。
外装フィルム5の封止領域5a上には内圧が異常に上昇した際に、発熱することで封止領域5aの熱融着性樹脂層を溶かして電池内部を大気に開放するためのヒータ10が設けられている。
電気熱変換素子であるヒータ10は、図3に示すように、裏面材11bの上面に、通電により発熱する発熱線11aを所定の蛇行パターンで配線し、その裏面材11bに熱溶着するか、あるいは接着剤により仮固定したうえで、接着剤を用いて裏面材11bの上面に、裏面材11bと同じ材質の表面材11cを貼り合わせ一体化することにより、発熱線11aが配線された裏面材11bの上面を表面材11cにより全面的に被覆したものである。裏面材11bおよび表面材11cの材質としては、非導電性であり、かつ伝熱性の良好で、耐熱性を有するものが好ましく、さらには、封止領域5aの変形に応じて変形可能で、外装フィルム5、6との接着特性も考慮されたものであればより好ましく、例えば、外装フィルム5、6の保護層と同じ材質にしてもよい。このような構成のヒータの場合、内圧を開放する機構をもともと備えていないフィルム外装電池に対して、後付けで内圧開放機構を備えた電池とすることもできる。
なお、ヒータ10の構造は上述したものに限定されるものではなく、例えば、ヒータ10を封止領域5aの上面に接着する場合には、裏面材11bを省略したものであってもよい。すなわち、裏面材11bを省略して発熱線11aを直接封止領域5aの表面上に形成し、この発熱線11aを表面材11cによって保護する構造としてもよい。
ヒータ10は、電気信号が端子12から入力されるとそれに応じて発熱部11の発熱線11aが発熱し、これにより熱溶着により封止されている封止領域5aを溶融させる。そして封止領域5aが溶融することで封止領域5aの封止が解除され、フィルム外装電池1の内部と外部が連通することとなる。すなわち、封止領域5aに貼り付けられた本実施形態のヒータ10は、フィルム外装電池1の不図示の制御回路が何らかの原因で故障して異常な電圧が印加されたり、何らかの原因で周囲が異常に高温となったりすることでフィルム外装電池1の内部に大量にガスが発生して内圧が上昇した場合、これを後述する検知部により検知し、この信号に基づきヒータ10に電気信号を入力することで、封止領域5aの封止を解除してガスを外部に排出させるものである。
ヒータ10は、図2の例では、外装フィルム5の長手方向の封止領域5aの表面上であって概ね中央部に接着剤にて貼り付けられている。ヒータ10の貼り付け位置は、外装フィルム5、6のいずれであってもよい。本実施形態の場合、外装フィルム5の表面上にヒータ10を貼り付けるので、封止領域5aを封止する工程は通常の封止工程と同じでよく、また、封止領域5aの封止特性がヒータ10を設けたことによっても何ら影響を受けることがない。
ヒータ10の封止領域5a上の貼り付け位置は、図2では、フィルム外装電池1の長手方向、すなわち、正極リード3および負極リード4が延出していない封止領域5aとした例を示したが、これに限定されるものではなく、該長手方向のどのような位置に配置してもよいし、さらにはリードが延出している辺の封止領域5aに設けるものであってもよい。
また、ヒータ10を貼り付け位置は封止領域5aの表面に限定されるものではなく、外装フィルム5と外装フィルム6との間に挟み込むものであってもよい。すなわち裏面材11bと表面材11cとのいずれも省略し、直接フィルム間に挟み込む構造としてもよい。この場合、直接、外装フィルム5、6の熱融着性樹脂層を加熱溶融することができるため、発熱量の小さいヒータを用いることができる。なお、この場合は、ヒータ10の挟み込みによって封止領域5aの封止特性が影響を受けないようにする必要がある。このため、例えば、ヒータ10の表面に熱融着性の樹脂を塗布しておく、ヒータ10と外装フィルム5、6との間に隙間が形成されにくい断面形状のヒータを用いる、熱融着に際して、封止領域5aを挟み込んで熱融着する熱融着用加熱部の形状をヒータ10に対応する部分が凹んだ形状のものを用いてヒータ10を設けた部分とそうでない部分とを略均等に加熱圧接することにより、ヒータ10が挟み込まれた部分における封止特性を確保する必要がある。
図4に図3に示したヒータの発熱部における電熱線の配線パターンの例を示す。
図4(a)に示す発熱部11の発熱線11aの配線パターンは、封止領域5aの幅方向端部5a1(電池の外縁側)から電池要素端部5a2側に向けてパターン幅が拡がる形状の蛇行パターンとなっている。このような蛇行パターンとすることで電池の内圧開放時の封止領域5aにおける剥離の進行に形状を合わせて加熱することができる。
この他、封止領域5aの所定の領域を加熱可能であれば、例えば、図4(b)〜(c)に示すような蛇行パターンであってもよく、また、発熱部11の、封止領域5aの幅方向への寸法は、封止領域5aの幅と実質的に同じとするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
ヒータ10の発熱量は、ヒータ10の貼り付け位置、封止領域5aの幅方向寸法、熱融着性樹脂層の融解温度等を考慮して決定するのが好ましい。
以上のように、所定の位置にヒータ10を設けることにより、フィルム外装電池1が破裂する前に特定の位置からガスを噴出させることができ、フィルム外装電池1の破裂や意図しない方向へのガスの噴出を防止することができる。
また、従来のように外装フィルムの熱融着強度を部分的に弱くする必要はなく、封止信頼性が低下することはない。また、従来のように熱融着強度を部分的に弱くした圧力開放構造では熱融着強度の調整は困難であったが、本実施形態ではヒータ10の発熱量を調整するだけでよいので、開放圧力の設定を容易かつ確実に行うことができる。
なお、ヒータ10は電気熱変換素子に限定されるものではなく、例えば、鉄の酸化等、発熱を伴う化学反応を利用するものであってもよい。この場合、内圧上昇を検知するとヒータが外気に触れるようにして発熱を伴う酸化反応が開始するような構成としてもよい。
次に、図5に本実施形態の内圧開放システムの構成について説明する。
図5(a)に示す構成においては、ヒータ10の発熱線11aに接続された端子12はスイッチ13を介して正極リード3および負極リード4にそれぞれ接続されている。すなわち、ヒータ10の電源は個々のフィルム外装電池1自身となる。この構成の場合、ヒータ10のための電源を他に用意する必要がないため、構成が簡単となる。
スイッチ13は、フィルム外装電池1の内圧上昇が検出されることでONとなるものであればどのような形態であってもよい。例えば、フィルム外装電池1の内圧上昇により膨らんだ外装フィルム5、6によって押されることでONとなる機械式のスイッチで構成されているものであってもよい。なお、外装フィルム5、6の膨らみによってスイッチ13がONされる構成をフィルム外装電池1を積層して配置する組電池に用いる場合には、異常により膨らんだフィルム外装電池1が、隣接する正常なフィルム外装電池1のスイッチ13を誤動作させないような位置にスイッチ13を設ける点に留意することとなる。
この他、フィルム外装電池1が不図示の圧力センサを内蔵しており、所定の閾値を越えるとONとするものであってもよい。フィルム外装電池1においては、好ましい設計上の開放圧力は、ゲージ圧で、0.05MPa〜1MPaであり、より好ましくは0.1MPa〜0.2MPaである。開放圧力が低すぎると、一時的に大電流が流れたり一次的に高温になったりしたときなどの軽微なトラブルでも開放してしまい、フィルム外装電池1が動作しなくなるという不具合を招く。一方、開放圧力が高すぎると、ヒータ10が設けられた部位以外の外装フィルム5の融着部やタブの融着封止部が開口し、意図しない方向へガスが噴出してしまう危険性が増大する。よって、スイッチ13をONさせるための圧力センサの閾値は、ゲージ圧で0.1MPa〜0.2MPaの範囲内に設定するのが好ましい。
以上の構成の他、以下に示すような構成としてもよい。
図5(b)に示す構成は、フィルム外装電池1をヒータ10用に電源として用いずに外部電源20を用いる構成を示したものである。外部電源を用いるこの構成の場合、フィルム外装電池1の外部短絡が発生したとしてもヒータ10に通電することが可能となる。
さらに、図5(c)に示す構成は、フィルム外装電池1を直接ヒータ10用の電源とするのでもなく、また、フィルム外装電池1以外の外部電源を用いるのでもなく、外部短絡による影響を受けていない他の正常なフィルム外装電池1をヒータ10の電源として用いたものである。この構成は複数の電池を用いる場合であって、各電池が互いに独立した回路を駆動させる構成の場合には有効であり、外部短絡の影響を受けることもなく、また、外部電源を用いることによる重量増加といったこともない。
以上、本発明について代表的な幾つかの例を挙げて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更され得ることは明らかである。
例えば、上述した例では2枚の外装フィルムで電池要素をその厚み方向両側から挟んで周囲の4辺を熱融着したものを示したが、その他にも、1枚の外装フィルムを2つ折りにして電池要素を挟み、開放している3辺を熱融着することによって電池要素を封止してもよい。
電池要素の構造について、上述した例では複数の正極板および負極板を交互に積層した積層型を示したが、正極板、負極板およびセパレータを帯状に形成し、セパレータを挟んで正極板および負極板を重ね合わせ、これを捲回した後、扁平状に圧縮することによって、正極と負極を交互に配置させた捲回型の電池要素であってもよい。
また、電池要素としては、正極、負極および電解質を含むものであれば、通常の電池に用いられる任意の電池要素が適用可能である。一般的なリチウムイオン二次電池における電池要素は、リチウム・マンガン複合酸化物、コバルト酸リチウム等の正極活物質をアルミニウム箔などの両面に塗布した正極板と、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料を銅箔などの両面に塗布した負極板とを、セパレータを介して対向させ、それにリチウム塩を含む電解液を含浸させて形成される。電池要素としては、この他に、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池あるいは二次電池、リチウムポリマー電池等、他の種類の化学電池の電池要素が挙げられる。さらに、本発明は、電気二重層キャパシタなどのキャパシタや電解コンデンサなどに例示されるキャパシタ要素のような、電気エネルギーを内部に蓄積し化学反応または物理反応でガスが発生しうる電気デバイス要素を外装フィルムで封止した電気デバイスにも適用可能である。
さらに、図1には、正極リード3と負極リード4をフィルム外装電池1の対向する辺から延出させた例を示したが、これらは同じ辺から延出させてもよい。
本発明の一実施形態による内圧開放機構を備えたフィルム外装電池の分解斜視図である。 本発明の一実施形態による内圧開放機構を備えたフィルム外装電池の外観斜視図である。 本発明の内圧開放機構に用いるヒータの構造を示す分解斜視図である。 図3に示したヒータの発熱部における電熱線の配線パターン例を示す図である。 内圧開放システムの構成について説明するための模式図である。
符号の説明
1 フィルム外装電池
2 電池要素
3 正極リード
4 負極リード
5a 封止領域
5a1 幅方向端部
5a2 電池要素側端部
5b カップ部
5、6 外装フィルム
10 ヒータ
11 発熱部
11a 発熱線
11b 裏面材
11c 表面材
12 端子
13 スイッチ
20 外部電源

Claims (14)

  1. 電気デバイス要素と、前記電気デバイス要素を包囲して配された金属薄膜が積層された外装フィルムとを有し、前記電気デバイス要素の周囲で前記外装フィルムの対向面同士が熱融着されることによって、前記電気デバイス要素を封止する、熱融着された封止領域が形成されたフィルム外装電気デバイスにおいて、
    前記電気デバイス要素を包囲する空間の内圧上昇が検出されると加熱される加熱手段を前記封止領域に有することを特徴とするフィルム外装電気デバイス。
  2. 前記加熱手段は電気熱変換素子である請求項1に記載のフィルム外装電気デバイス。
  3. 前記加熱手段が前記外装フィルムの熱融着された前記封止領域の表面上に設けられている請求項1または2に記載のフィルム外装電気デバイス。
  4. 前記加熱手段は蛇行したパターンの電熱線を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載のフィルム外装電気デバイス。
  5. 前記加熱手段は、前記フィルム外装電気デバイスの外縁から前記電気デバイス要素に向けて、前記蛇行したパターンのパターン幅が拡がるように設けられている請求項に記載のフィルム外装電気デバイス。
  6. 前記電気デバイス要素は、化学電池要素またはキャパシタ要素である請求項1ないしのいずれか1項に記載のフィルム外装電気デバイス。
  7. 電気デバイス要素と、前記電気デバイス要素を包囲して配された金属薄膜が積層された外装フィルムとを有し、前記電気デバイス要素の周囲で前記外装フィルムの対向面同士が熱融着されることによって、前記電気デバイス要素を封止する、熱融着された封止領域が形成されたフィルム外装電気デバイスの内圧を開放する内圧開放システムであって、
    請求項1に記載のフィルム外装電気デバイスと、
    前記電気デバイス要素を包囲する空間の内圧上昇を検出する検出手段とを有することを特徴とする内圧開放システム。
  8. 電気デバイス要素と、前記電気デバイス要素を包囲して配された金属薄膜が積層された外装フィルムとを有し、前記電気デバイス要素の周囲で前記外装フィルムの対向面同士が熱融着されることによって、前記電気デバイス要素を封止する、熱融着された封止領域が形成されたフィルム外装電気デバイスの内圧を開放する内圧開放システムであって、
    請求項2ないし6のいずれか1項に記載のフィルム外装電気デバイスと、
    前記電気デバイス要素を包囲する空間の内圧上昇を検出する検出手段とを有することを特徴とする内圧開放システム。
  9. 前記加熱手段に電力を供給するための電源を有する請求項に記載の内圧開放システム。
  10. 前記電源が、該加熱手段が設けられた前記フィルム外装電気デバイスの前記電気デバイス要素である請求項に記載の内圧開放システム。
  11. 複数の前記フィルム外装電気デバイスを有し、一の前記フィルム外装電気デバイスに設けられた前記加熱手段に電力を供給するための前記電源が、他の前記フィルム外装電気デバイスの前記電気デバイス要素である請求項に記載の内圧開放システム。
  12. 前記検出手段は、前記空間の内圧が所定の圧力に達したことを検知すると前記加熱手段に対して通電する請求項8ないし11のいずれか1項に記載の内圧開放システム。
  13. 前記検出手段は、内圧上昇による前記外装フィルムの膨らみを検知する請求項12に記載の内圧開放システム。
  14. 前記検出手段は、膨らんだ前記外装フィルムに押されることで通電する機械式スイッチである請求項13に記載の内圧開放システム。
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