JP3889996B2 - ネットワーク情報収集管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク情報収集管理システム及び無線端末に係り、特に、伝播状況およびトラフィック状況に応じて端末−基地局間の伝送レートを可変にする無線ネットワークシステムにおけるネットワーク情報収集管理システム及び無線端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネットワークから情報を収集する無線ネットワークシステムが提案されている。例えば、特開2001−333221「通話エリア別課金機能付携帯端末装置及び移動体通信システムにおける通話エリア別課金方法」では、基地局から受信したエリア識別信号より課金通話エリアの種別を判定する通話エリア判定手段と、この手段での判定課金通話エリアに対応付けられた通話料金の割増又は割引料金を検出する検出手段と、この手段で検出された割増又は割引料金を表示する表示手段と、を具備することを特徴とする通話エリア別課金機能付携帯端末装置により、エリア別の課金を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、安いエリアにエンドユーザを誘導したり、エンドユーザに対しエリア別の課金レートを教えてあげるといった、エンドユーザに有益である情報の提供は行っていない。
【0004】
また、無線ネットワークシステム、特に伝播状況およびトラフィック状況に応じて端末−基地局間の伝送レートを可変にする無線ネットワークシステムにおいて、エンドユーザは伝播状況やトラフィック状況といったネットワーク情報を知る方法がないため、情報なしで該無線ネットワークを利用するしかなかった。さらに、上述の公知例においてもネットワークから情報を収集する機能はあっても、それをエンドユーザ側に利用してもらうような手段は無かった。
【0005】
また、無線ネットワークシステム、特に伝播状況およびトラフィック状況に応じて端末−基地局間の伝送レートを可変にする無線ネットワークシステムでは、混雑していてアクセス速度が遅くなり、通信料金が余計にかかる場合や、映像や動画等のストリーミング配信のコンテンツ取得の際には品質の悪さが顕著に出る場合等、エリアごとの条件(料金・速度)の良し悪しが発生する。エンドユーザは、ネットワーク情報を知る方法がないため、条件の悪いエリアから移動したくても、条件の良いエリアの判断がつかず移動できないという課題がある。さらにエンドユーザが混雑しているエリアから移動できないことにより、混雑が集中しているエリアの負荷は分散されない。このためネットワークリソースの効率的な利用ができない不便さがあった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、無線ネットワークシステムから得られるネットワーク情報を収集・加工してエンドユーザに提供することを目的とする。また、本発明は、混雑しているエリアからエンドユーザが移動することにより、ネットワークの付加を分散し、ネットワークリソースを効率的に利用可能なネットワーク情報収集管理システム及び無線端末を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、例えば、上記課題を、無線ネットワークシステム、特に伝播状況およびトラフィック状況に応じて端末−基地局間の伝送レートを可変にする無線ネットワークシステムにおいて、
(A)前記無線ネットワークの情報を収集する情報収集サーバと、
(B)エンドユーザに対し、エンドユーザが通信している基地局IDをキーにして、(A)で収集したネットワーク情報や内部に所持しているデータ又は通信ネットワークを介して取得可能なデータの中からエンドユーザに必要な情報を選択して提供する情報提供装置と
を備えたネットワーク情報収集管理システムにより、解決することができる。
【0008】
また、本発明は、前記無線ネットワークシステムの基地局の、ある観測周期におけるパケット量に基づいて混雑状況を判断、課金レートを決定し、課金に反映させることができる。
【0009】
本発明は、無線ネットワークシステムのエンドユーザがコンテンツ取得要求をした時に、エンドユーザに対して上述のように決定した課金レートデータを通知し、かつ該当基地局の近隣地域の地図データを通知してエンドユーザ端末に表示させることができる。
【0010】
さらに本発明は、課金装置を組込むことで、代行課金のサービスも実現できる。
本発明の第1の解決手段によると、
無線端末の端末識別子に対応して、通信中の基地局識別子を記憶し、その記憶された情報を提供するエンドユーザ位置監視サーバと、
基地局が無線端末に送信したパケット量データ又は基地局の空き時間を混雑情報として基地局から収集し、各基地局識別子に対応して収集した混雑情報を記憶部に記憶し、その記憶された情報を提供する情報収集サーバと、
混雑情報と基地局の能力によって予め設定された混雑の判断基準となる基準値に基づき求められる混雑度に対応して課金レート及び/又は混雑ランクを記憶した課金レート記憶部と、
コンテンツ取得要求又は通信要求があった無線端末の端末識別子に従い、前記エンドユーザ位置監視サーバから通信中の基地局識別子を収集し、基地局識別子に基づき前記情報収集サーバから通信中の基地局の混雑情報を収集し、収集した混雑情報及び予め定められた各基地局毎の基準値に基づき混雑度を計算し、前記課金レート記憶部を参照して、混雑度に応じた課金レート及び/又は混雑ランクを課金情報として求め、収集した混雑情報及び/又は課金情報を基地局を介して無線端末に提供する情報提供装置と
を備えたネットワーク情報収集管理システムが提供される。
【0011】
本発明の第2の解決手段によると、
コンテンツ取得要求又は通信要求があった無線端末の端末識別子に従い、通信中の基地局識別子を収集し、基地局識別子に基づき通信中の基地局の混雑情報を収集し、収集した混雑度に応じた課金レート及び/又は混雑ランクを課金情報として求め、該情報を基地局を介して無線端末に提供する情報提供装置から情報を受信するための無線端末であって、前記無線端末は、
基地局と無線でデータを送受信するインタフェースと、
情報を受信及び表示命令を出す制御部と、
制御部からの表示命令に従って受信した情報を表示する表示部と
を備え、
前記制御部は、通信中の基地局識別子に基づき前記情報提供装置が収集した通信中の基地局の混雑情報、
混雑情報及び基地局の能力によって予め設定されにた基準値に応じて前記情報提供装置が収集した課金情報、及び、
通信中の基地局識別子に基づき、前記情報提供装置が収集した位置情報に基づいてさらに収集した基地局がカバーするエリアを含む地図データ、のいずれか又は複数を前記情報提供装置から前記インタフェースを介して受信し、各基地局に対応して受信した混雑情報及び/又は課金情報及び/又は地図データを前記表示部に表示して、これら表示情報を切り替え可能とした前記無線端末が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本実施の形態は、無線ネットワークシステム、特に伝播状況およびトラフィック状況に応じて端末−基地局間の伝送レートを可変にする無線ネットワークシステムから情報を収集加工して、エンドユーザ端末に提供するというものである。本実施の形態では、無線ネットワークシステムの基地局の混雑情報を収集し、それに応じて課金レートを決定する。つまりコンテンツ提供事業者にとって、混雑していない基地局を利用しているエンドユーザの料金を安くするなどの柔軟な課金設定をすることが可能となる。さらにこの課金レートを情報としてエンドユーザ端末に提供し、加えて地図データを提供することにより、エンドユーザは自分のいるエリアおよび近隣エリアは料金が安いのか、混雑しているのか、といったことがわかるようになる。
【0013】
図1は、無線ネットワークシステムの構成図である。本実施の形態の構成は、エンドユーザ端末1と、エンドユーザ端末1を収容する基地局2と、該基地局2を複数収容しIPネットワーク5へルーティングするルータ3と、エンドユーザ端末1がどの基地局2と通信しているかを監視するエンドユーザ位置監視サーバ4と、無線ネットワークシステムから情報を収集加工し、エンドユーザ端末1に提供するネットワーク情報収集管理システム6と、コンテンツ提供事業者の商用コンテンツを格納したコンテンツサーバ11と、エンドユーザ端末1がコンテンツサーバ11にアクセスするための認証を行う認証サーバ10と、コンテンツアクセス履歴などをもとにエンドユーザ端末1ごとの料金を算出する課金装置12と、混雑度に応じた課金レートが記憶されている課金レート記憶部13と、を備える。
【0014】
ネットワーク情報収集管理システム6は、基地局2から必要なネットワーク情報を収集管理する情報収集サーバ7と、基地局2を中心としてその基地局2がカバーしているエリアを示した地図データ9と、該当する基地局2が設置されている位置や隣接する基地局を識別する隣接識別・表示サーバ16と、情報を選択してエンドユーザ端末1に提供する情報提供装置8を有する。隣接識別・表示サーバ16は、各基地局2に対応して、東経と北緯等で表される基地局2の位置情報と、その基地局2に隣接する基地局2のIDとを記憶した基地局設置情報を内部に備える。位置情報は、東経と北緯以外にも、地図データを選択できるものであれば適宜のものを用いてよい。
【0015】
情報収集サーバ7は、ネットワーク管理用のプロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)などを用いて基地局2のネットワーク情報を定期的に収集する。本実施の形態では、情報収集サーバ7は、例えば、基地局2がエンドユーザサイドに送信したある観測周期におけるパケット量を、混雑情報として基地局2から収集し、管理する。混雑情報は各基地局2に対応して管理される。
【0016】
エンドユーザ端末1は、基地局2と無線で通信する無線端末であり、基地局2、ルータ3及びIPネットワーク5を介してコンテンツ提供事業者の認証サーバ10によりユーザ認証を受けて、コンテンツ提供事業者が備えるコンテンツサーバ11にアクセスする。エンドユーザ端末1は、料金を払ってコンテンツサーバ11からコンテンツを取得する。エンドユーザ位置監視サーバ4は、エンドユーザ端末1がどの基地局2と通信しているかを監視・管理しており、情報収集サーバ7で管理されている基地局毎の混雑情報から、情報提供装置8は、エンドユーザ端末1が通信している基地局2の混雑情報、つまりコンテンツの品質のひとつがわかる(混雑していてアクセス速度が遅くなると、通信時間が余計にかかると共に、動画等のストリーミング配信のコンテンツでは画像の悪さが顕著に出るため、混雑情報からコンテンツの品質が分かると考える)。
【0017】
また、情報提供装置8は、エンドユーザ位置監視サーバ4により、エンドユーザ端末1が通信している基地局2がわかるので、この基地局エリア周辺の地図を選択し、提供することも可能になる。さらに、情報提供装置8は、混雑情報に応じて課金レートを決定し、その課金レートも情報としてエンドユーザ端末1に提供することができる。情報提供装置8が、エンドユーザ端末1が通信している基地局2と周辺の基地局の地図データ及び課金レートデータを提供することにより、エンドユーザは課金レートの低い、またはコンテンツの品質の良いエリアがわかり、地図を用いて移動することが可能となる。このようにエンドユーザの移動を促し、基地局2の負荷分散にもつながる。
【0018】
図2は、ネットワーク情報収集処理の説明図である。以下に、ネットワーク情報収集の形態について図2を用いて説明する。基地局2は、パケット量や基地局ID、アクセスしてきたエンドユーザ端末1のIDといったネットワーク情報を、SNMPで規定されている管理対象の情報を保持する一種のデータベースであるMIB(Management Information Base)などで管理している。基地局2で管理しているネットワーク情報は、基地局2がエンドユーザサイドに送信したパケット量などがある。ネットワーク情報収集管理システム6の中の情報収集サーバ7は、SNMPなどを用いて基地局2からパケット量データを予め定められた観測周期ごとに収集し、データベースにて基地局毎に管理する。観測周期は、通信事業者が設定するものとする。情報収集サーバ7は、基地局ID・その基地局から収集したパケット量・基準値を管理する。基準値は、基地局2が混雑していると判断するパケット量の基準であり、基地局2から収集したパケット量と比較して混雑状況を判断するためのものである。基準値は、各基地局2の能力などによって通信事業者が設定する。なお、基準値は、基地局IDと対応して、情報収集サーバ7のデータベースで管理されていてもよい。
【0019】
図3は、情報収集サーバの処理フローである。本実施の形態では、基地局2がエンドユーザサイドに送信したパケット量データを混雑情報としている。情報収集サーバ7は、通信事業者が取り決めた観測周期毎に(101)、このパケット量データを基地局2から収集する(102)。次に、情報収集サーバ7は、収集したパケット量データを、該当する基地局2に対応したデータベーステーブルに書き換えを行う(103)。また、観測時刻でない場合、情報収集サーバ7は処理を行わない。基地局2で管理しているパケット量データは、情報収集サーバ7がデータを収集後、クリアされるようにしてもよい。情報収集サーバ7は、以上の処理を全ての基地局2に対して行う。次の観測時刻が来るまで、情報収集サーバ7は、収集したパケット量データを混雑情報として使用する。
【0020】
図4は、エンドユーザへの情報提供の処理の説明図である。エンドユーザ位置監視サーバ4は、エンドユーザ端末1の基地局2へのアクセスを常に監視し、データベースに登録・管理している。管理している情報は、ある基地局2にアクセスしたエンドユーザ端末1のID・その基地局2のID・アクセス時刻(DATE)等である。情報提供装置8は、エンドユーザ位置監視サーバ4の管理情報を検索し、基地局2にアクセスがあったエンドユーザの端末ID・基地局IDを取得する。情報提供装置8は、取得した基地局IDをキーに、情報収集サーバ7で管理している情報を検索し、該当する基地局IDに対応するパケット量・基準値を取得する。情報提供装置8は、例えば、「パケット量 ― 基準値」の計算結果を「混雑度」とする。情報提供装置8は、計算された混雑度をキーとして、課金レート記憶部13から課金レートデータを取得する。課金レート記憶部13では、混雑度に対応して課金レートをデータベースで管理している。
【0021】
また、エンドユーザ端末1が通信している基地局2に隣接する基地局の情報も提供する場合、情報提供装置8は、通信中の基地局IDをキーに、隣接識別・表示サーバ16から通信中の基地局2に隣接する基地局のIDを取得する。さらに、情報提供装置8は、取得した各基地局IDについて、地図データ、パケット量、課金レートを情報収集サーバ7及び課金レート記憶部13から取得し、取得した情報をエンドユーザ端末1に提供する。
【0022】
次に、情報提供装置8は、通信中の基地局周辺の智頭データを取得する。情報提供装置8は、基地局IDをキーとして、隣接識別・表示サーバ16から位置情報を収集する。さらに、情報提供装置8、収集した位置情報に基づき、地図データ9から基地局がカバーするエリアの地図データを選択して収集する。情報提供装置8は、基地局IDをキーにして隣接識別・表示サーバ16から、隣接する基地局の基地局IDを収集する。情報提供装置8は、収集した隣接する基地局IDに基づき、隣接識別・表示サーバ16から各基地局の位置情報を収集する。情報提供装置8は、収集した各基地局の位置情報に基づき、地図データ9から各基地局がカバーするエリアの地図データを選択して収集する。情報提供装置8は、収集した地図データ・パケット量及び課金レートをエンドユーザ端末1に提供する。
なお、地図データ9は、通信事業者がネットワーク情報収集管理システム6内に用意しておくものとする。
【0023】
図5は、本実施の形態におけるエンドユーザ端末1の構成図である。エンドユーザ端末1は、基地局2と無線で通信する無線端末である。エンドユーザ端末1は、基地局2と通信するインタフェース(アンテナ)17、CPU18、メモリ19、入力部20、表示部21、制御部22を備える。さらに、エンドユーザ端末1は、GPS等の位置検出手段を備えた端末でもよい。
制御部22は、ネットワーク情報収集管理システム6の情報提供装置8から、通信中の基地局2及び隣接する基地局2の混雑情報、課金情報をインタフェース17を介して受信し、各基地局2に対応して混雑情報、課金情報を表示部21に表示する。
【0024】
地図データ9を表示する場合、制御部22は、ネットワーク情報収集管理システム6の情報提供装置8から、通信中の基地局エリア及び隣接する基地局エリアの地図データ9をインタフェース17を介して受信し、現在通信中の基地局エリアの地図データ9及び隣接する基地局エリアの地図データ9を表示部21に表示する。
【0025】
さらに、制御部22は、位置検出手段を用いて現在地の位置情報を取得し、取得した現在地の位置情報を基準(例えば画面上の中心)として、通信中の基地局エリア及び隣接する基地局エリアの地図データを表示部21に表示するようにしてもよい。なお、制御部22は、地図データの表示画面と混雑情報及び/又は課金情報の表示画面とを切り換え可能とすることができる。
【0026】
また、制御部22は、受信した各基地局2の混雑情報又は課金情報に従って、基地局エリア毎に混雑状況又は課金状況を表す色又は模様を決定し、現在通信中の基地局エリアの地図データ及び隣接する基地局エリアの地図データに、決定した色又は模様を重ねて表示部21に表示させるようにしてもよい。色の決定は、例えば、非常に混雑している基地局エリアは赤、比較的混雑している基地局エリアはオレンジ、空いている基地局エリアは青などとすることができる。色及び模様は適宜のものを用いてよい。また、混雑状況と色又は模様との対応関係を地図データと共に表示しても良い。エンドユーザは、表示部に表示された地図上で、現在通信している基地局エリア及び隣接する基地局エリアの混雑状況、課金状況がわかる。エンドユーザは、地図を参考にして移動することが可能となる。
【0027】
図6は、情報提供装置の処理フローである。ネットワーク情報収集管理システム6の中の情報提供装置8は、エンドユーザ位置監視サーバ4、無線ネットワークの情報を収集した情報収集サーバ7、課金レート記憶部13のデータベース内のデータを使用して、エンドユーザ端末1に対して情報提供を行う。
【0028】
まず、情報提供装置8は、エンドユーザ位置監視サーバ4のデータベースを検索し、任意のエンドユーザ端末1からのアクセスの有無を判断する(104)。アクセスがなかったら、情報提供装置8は、ステップ104を繰り返す。アクセスがあったら、情報提供装置8は、エンドユーザ位置監視サーバ4を参照して予め設定された観測周期内に同じエンドユーザ端末1からのアクセスがあったかを判断する(105)。観測周期内にアクセスがあった場合、情報提供装置8は、前回のアクセス時に情報提供しているものとして、情報提供の必要なしと判断し、ステップ106へ進む。観測周期内にアクセスが無かった場合、情報提供装置8は、現在の観測周期内のネットワーク情報を提供していないため、情報提供の必要ありと判断し、ステップ107へ進む。
【0029】
ステップ106では、情報提供装置8は、エンドユーザ位置監視サーバ4のデータベースを参照し、前回のアクセスと比べて通信している基地局2に変更があるかを判断する(106)。基地局2に変更が無い場合、情報提供装置8は、現在アクセスしている基地局2の情報を提供しているものとして、情報提供の必要なしと判断し、ステップ104に戻る。基地局2に変更がある場合は、情報提供装置8は、前回提供している情報が他の基地局2の情報であり、現在アクセスしている基地局2の情報を提供していないものとし、情報提供の必要ありと判断し、ステップ107へ進む。
【0030】
次に、情報提供装置8は、ステップ104〜106で情報提供の必要ありと判断された、コンテンツ取得要求をしているエンドユーザ端末1の端末IDをキーにして、エンドユーザ位置監視サーバ4のデータベースからエンドユーザ端末1が通信している基地局IDを収集する(107)。次に、情報提供装置8は、収集した基地局IDをキーにして、情報収集サーバ7のデータベースから該当する基地局IDに対応するパケット量及び基準値を収集する(108)。また、情報提供装置8は、収集した情報に基づき、例えば、混雑度を「パケット量 −
基準値」の計算から求める(110)。ここで基準値とは、混雑していると判断されるパケット量の基準であり、基地局ごとの能力などによって通信事業者が設定することができるものである。
【0031】
情報提供装置8は、「パケット量 − 基準値」の計算で出した混雑度をキーに課金レート記憶部13から課金レートを収集する(111)。ここで、課金レート記憶部13とは、混雑度に応じた課金レートを記憶するデータベースである。例えば、混雑度が低いほど、課金レートは低く(料金は安く)することができる。情報提供装置8は、こうして得た課金レートデータ、パケット量データをエンドユーザ端末1に提供する(113)。
【0032】
さらに、エンドユーザ端末1の現在地の隣接地域の課金レートデータやパケット量データも収集して提供するようにすれば、エンドユーザは、現在地およびその近隣地域の料金が高いか安いか、混雑度合いを把握できる。この場合、まず、情報提供装置8は、ステップ107で求めた通信中の基地局IDに基づいて、隣接識別・表示サーバ16の基地局設置情報を参照して、該当基地局2に隣接している基地局IDを取得する。次に、情報提供装置8は、取得した隣接基地局IDに基づいて、ステップ108、110、111、113と同様の処理をこれらと並行して実行することで情報を収集し、ステップS113で、エンドユーザ端末1に隣接する基地局2の情報をさらに提供する。
【0033】
一方、情報提供装置8が、地図データ9を提供する場合は、ネットワーク情報収集管理システム6の中に地図データ9を用意し、情報提供装置8は、ステップ107で得た基地局IDをキーに、隣接識別・表示サーバ16の基地局設置情報を参照して、基地局が設定されている位置情報を取得する。情報提供装置8は、位置情報から特定される基地局がカバーするエリアを含む地図データを選択・収集する(109)。次に、情報提供装置8は、ステップ107で得た基地局IDをキーに、隣接識別・表示サーバ16の基地局設置情報から該当基地局2に隣接する基地局IDを取得する。さらに、情報提供装置8は、取得した隣接する基地局IDをキーに隣接識別・表示サーバ16から各基地局の位置情報を収集し、収集した位置情報に基づき、隣接基地局エリアの地図データを選択・収集する(112)。情報提供装置8は、収集した地図データを、課金レートデータ、パケット量データとともにエンドユーザ端末1へ情報提供(表示)する(113)。地図データを提供することにより、エンドユーザは、課金レートデータやパケット量データによって基地局の混雑状況を判断し、地図データを使って安くて混雑していないエリアに容易に移動できる。
【0034】
なお、課金装置12は、情報提供装置8で収集された課金レートを使用して料金を算出・管理する。課金装置12は、例えば、「通常料金×課金レート」の計算で料金を決定する。また、本実施の形態では課金をコンテンツ提供事業者自身が行っているが、課金装置12をネットワーク情報収集管理システム6に組込むことで代行課金を行うこともできる。
【0035】
また、本実施の形態ではパケット量を混雑情報とし、パケット量を基準にして混雑度を見極めているが、例えば基地局2の空き時間(エンドユーザ端末1の基地局2へのアクセスの間隔)を混雑情報とし、空き時間を基準にして、空き時間が多いほど混雑度が低いと判断するなど、パケット量以外の基準を設けて本実施の形態を行うことも可能である。
【0036】
図7は、エンドユーザ端末1での課金レートデータの表示例である。エンドユーザ端末1は、例えば、基地局2と対応して課金レート等の課金情報やパケット量又は空き時間等の混雑情報を表示する。エンドユーザ端末1は、エンドユーザ端末1が現在通信している基地局2の課金レートの他、隣接している基地局2の課金レートも表示してもよい。
【0037】
図8は、エンドユーザ端末1での地図データの表示例である。地図データ9は、エンドユーザ端末1が通信している基地局2のエリアだけでなく、隣接している基地局2のエリアも含めて地図表示してもよい。また、表示された地図データ上で、各エリアの混雑状況がわかるような表示としてもよい。例えば、課金レートやパケット量などの情報を地図データ上の該当するエリアに重ねて表示したり、
混雑情報や課金情報に従って色や模様を決定し、地図データに重ねて色や模様を表示してもよい。さらに、GPS機能等の位置検出手段を備えたエンドユーザ端末の場合、地図データ上に現在地を表示することもできる。
【0038】
図9は、課金レート記憶部のデータベーステーブルに混雑ランクの項目を追加した情報提供の処理図である。課金レート記憶部13に、混雑度の一定範囲ごとに混雑度の大きさを示す混雑ランクを設ける。例えば、混雑度0〜100までは混雑ランク1と設定する。混雑ランクの設定は適宜のしきい値を用いてよい。また、数字以外にも、文字や記号を用いても良い。混雑ランクをエンドユーザ端末1に混雑情報として提供することで、エンドユーザは、アクセスしている基地局2の混雑度をより分かりやすく知ることができる。さらに混雑ランクに応じて混雑大、中、小等の文字を表示してもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によると、無線ネットワークシステムから得られるネットワーク情報を収集・加工してエンドユーザ端末に提供することができる。また、それによって有効なビジネスを展開することが可能になる。さらに、本発明によると、エンドユーザが提供された情報を利用して、混雑しているエリアから移動することにより、ネットワークの付加を分散し、ネットワークリソースの効率的な利用をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における無線ネットワークシステムの構成図。
【図2】ネットワーク情報収集の処理の説明図。
【図3】情報収集サーバの処理フロー。
【図4】情報提供の処理の説明図。
【図5】エンドユーザ端末の構成図。
【図6】情報提供装置の処理フロー。
【図7】エンドユーザ端末での課金レートデータの表示図。
【図8】エンドユーザ端末での地図データの表示図。
【図9】課金レート記憶部に混雑ランクを追加した情報提供の処理図。
【符号の説明】
1 エンドユーザ端末
2 基地局
3 ルータ
4 エンドユーザ位置監視サーバ
5 IPネットワーク
6 ネットワーク情報収集管理システム
7 情報収集サーバ
8 情報提供装置
9 地図データ
10 認証サーバ
11 コンテンツサーバ
12 課金装置
13 課金レート記憶部
14 表示例1
15 表示例2
16 隣接識別・表示サーバ
17 インタフェース
18 CPU
19 メモリ
20 入力部
21 表示部
22 制御部
Claims (6)
- 無線端末の端末識別子に対応して、通信中の基地局識別子を記憶し、その記憶された情報を提供するエンドユーザ位置監視サーバと、
基地局が無線端末に送信したパケット量データ又は基地局の空き時間を混雑情報として基地局から収集し、各基地局識別子に対応して収集した混雑情報を記憶部に記憶し、その記憶された情報を提供する情報収集サーバと、
混雑情報と基地局の能力によって予め設定された混雑の判断基準となる基準値に基づき求められる混雑度に対応して課金レート及び/又は混雑ランクを記憶した課金レート記憶部と、
基地局識別子毎に、当該基地局の位置情報及び隣接する基地局の基地局識別子を記憶し、その記憶された情報を提供する隣接識別・表示サーバと、
基地局の位置情報に対応して、基地局がカバーするエリアを示す地図データを記憶した地図データ記憶部と、
コンテンツ取得要求又は通信要求があった無線端末の端末識別子に従い、前記エンドユーザ位置監視サーバから通信中の基地局識別子を収集し、該基地局識別子に基づき前記情報収集サーバから通信中の基地局の混雑情報を収集し、収集した混雑情報及び予め定められた各基地局毎の基準値に基づき混雑度を計算し、前記課金レート記憶部を参照して、混雑度に応じた課金レート及び/又は混雑ランクを課金情報として求め、収集した課金情報を基地局を介して無線端末に提供する情報提供装置と
を備え、
前記情報提供装置は、さらに
通信中の基地局識別子に基づき、前記隣接識別・表示サーバから隣接する基地局の基地局識別子を収集し、
前記情報収集サーバ及び前記課金レート記憶部から、隣接する基地局識別子に基づき、隣接する基地局識別子毎の混雑情報及び課金情報を収集し、
通信中の基地局識別子及び隣接する基地局の各基地局識別子に基づき、前記隣接識別・表示サーバから各基地局の位置情報を収集し、
収集した各基地局の位置情報に基づき、前記地図データ記憶部から各基地局がカバーするエリアの地図データを選択して収集し、
隣接する基地局毎の収集された課金情報と、通信中の基地局及び該隣接する基地局の収集された地図データとを無線端末にさらに提供するネットワーク情報収集管理システム。 - 前記情報提供装置は、収集された通信中の基地局の混雑情報及び隣接する基地局毎の混雑情報を無線端末にさらに提供する請求項1に記載のネットワーク情報収集管理システム。
- コンテンツ取得料金を決定する課金装置をさらに備え、
前記課金装置は、課金レートを前記情報提供装置から取得し、取得した課金レートを用いて、通常料金に課金レートを乗じてコンテンツ取得料金を決定する処理を行う請求項1又は2に記載のネットワーク情報収集管理システム。 - 前記無線ネットワークシステムは、伝播状況又はトラフィック状況に応じて端末−基地局間の伝送レートを可変にする無線ネットワークシステムである請求項1乃至3のいずれかに記載のネットワーク情報収集管理システム。
- 前記無線端末は、
無線端末の位置を検出する位置検出手段を用いて現在地の位置情報を取得し、取得した現在地の位置情報を基準として、受信した地図データを表示部に表示する請求項1乃至4 のいずれかに記載のネットワーク情報収集管理システム。 - 前記無線端末は、受信した各基地局の混雑情報又は課金情報に従って、基地局エリア毎に混雑状況又は課金状況を表す色又は模様を決定し、受信した地図データに決定した色又は模様を重ねて表示部に表示させるようにした請求項1乃至5のいずれかに記載のネットワーク情報収集管理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201740A JP3889996B2 (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | ネットワーク情報収集管理システム |
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