JP3889974B2 - エンジンのオイル配管構造 - Google Patents

エンジンのオイル配管構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、エンジンのオイル配管構造に関し、詳しくは、クランクケースからシリンダヘッド並びに他の個所に給油するためのオイルパイプの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランクケースからシリンダヘッドへオイルを供給するために、エンジン外部にオイルパイプを配置する外部配管構造であると、オイル漏れ対策として高価なシールを設ける必要があると共に、オイルパイプが外部に露出するために、外部からのパイプの保護対策も必要となり、製造コストが高くなる。
【0003】
これに対して図10に示すように、ヘッド給油用オイルパイプ201をカムチェーントンネル205内に配置した内部配管構造があり、この構造によると、外部へのオイル漏れの心配がないので、オイル漏れ対策として高価なシールは不要になると共に、エンジンの外観も複雑にならない。
【0004】
図10のヘッド給油用オイルパイプ201は、剛性を有する直線状の金属管で製作されると共にシリンダ中心線O1Cと平行に直線状に配置されており、パイプ上端部は、シリンダヘッド202の下面(シリンダ合い面)に形成された下向きの差込孔210にOリング207を介して嵌合接続し、パイプ下端部は、クランクケース200の上面に形成された上向きの差込孔211にOリング208を介して嵌合接続している。シリンダヘッド202の差込孔210はオイル通路204を介してカム軸215等に至っており、シリンダ200の差込孔211は、クランクケース壁内に形成されたオイル通路213及びオイル供給通路216を介してフィードポンプの吐出部に連通している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
内部配管構造であっても、図10のように直線状のヘッド給油用オイルパイプ201を、シリンダヘッド202とクランクケース200の両差込孔210,211に亘って差し込む構造では、次のような課題がある。
【0006】
(1)クランクケース200の差込孔211の位置が限定され、クランクケース200内のオイル通路が制約され、オイルラインが複雑になる。
【0007】
(2)両差込孔210,211の形成位置を正確に合わせる必要があると共に、両差込孔210,211の深さ及びヘッド給油用オイルパイプ201の長さも、精度良く加工しなければならず、加工及び組付け作業に手間がかかる。
【0008】
(3)直線状のヘッド給油用オイルパイプ201をカムチェーントンネル205内に配置する場合には、チェーンガイドやカムチェーン216との干渉を避けるために、シリンダ203の端面とチェーン216との間に特別にパイプ配置用のスペースを確保し、シリンダ中心と平行にヘッド給油用オイルパイプ201を配置する必要がある。そのため、カムチェーンラインとシリンダ中心線O1との間隔が広くなり、エンジンのコンパクト化の妨げとなっている。
【0009】
【発明の目的】
本願発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、クランクケースからシリンダヘッドへ内部配管によりオイルを供給する構造において、オイルパイプ及びシリンダヘッド等の加工及び組付けが容易で、しかも、コンパクトに配管できるエンジンのオイル配管構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願請求項1記載の発明は、シリンダのシリンダヘッドとの合わせ面にパイプ保持部を形成し、ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部を、上記パイプ保持部に保持すると共にシリンダヘッド内のオイル通路に連通し、ヘッド給油用オイルパイプの他端接続部はカムチェーントンネル内からクランク室側方のカバー室内に延ばし、クランクケースに形成されたオイル吐出部に接続し、前記ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部はオイルパイプ本体部よりも大径に形成され、前記パイプ保持部は段面を有する段付孔状に形成されると共に孔周壁にヘッド給油用オイルパイプを側方から孔内へ挿入できる溝状の開口部が形成され、前記ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部をパイプ保持部に挿入し、段面により一端接続部の下方への移動を規制すると共にパイプ保持部の内周面により一端接続部の孔径方向の移動を規制するように一端接続部を段付孔状のパイプ保持部に保持していることを特徴とするエンジンのオイル配管構造である。
【0011】
これにより、ヘッド給油用オイルパイプの長さや、パイプ保持部の寸法及び形成位置並びにシリンダヘッドのオイル通路の接続部分に寸法誤差があっても、シール性や組付け性を損なうことなく、ヘッド給油用オイルパイプ及びシリンダヘッドを組み付けることができる。また、図10のような直線状のオイルパイプをシリンダヘッドとクランクケースとの間に架設する構造に比べ、カム駆動用の各部品と干渉しないように自由に配管することができ、エンジンの大型化を防ぐことができる。さらに、従来の外部配管構造に比べ、複雑な配管による油圧低下を防ぐことができる共に、エンジン外部へのオイル漏れの心配はなく、シール機構を不要とし、コストダウンに寄与できる。
【0013】
また、ヘッド給油用オイルパイプの装着及び保持作業が簡単に行なえ、組付け性が向上する。なお、該請求項の構成では、パイプ保持部内に挿入した一端接続部が、パイプ保持部の内周面により全径方向の移動が規制される構成に限定されず、部分的に径方向の移動が規制される構成とすることもできる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジンのオイル配管構造において、パイプ保持部の開口部の溝幅を、ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部より狭く、オイルパイプ本体部の径より広く形成することにより、パイプ保持部の内周面により一端接続部の全径方向の移動を規制するようにしている。
【0015】
この場合、一端接続部をパイプ保持部よりも高く持ち上げた状態として、オイルパイプ本体部を開口部からパイプ保持部に挿入し、上方から一端接続部をパイプ保持部内に挿入することにより、全径方向の移動を規制する。これにより、一端接続部の位置が精度良く設定でき、シリンダヘッドのオイル通路との接続作業が容易になる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のエンジンのオイル配管構造において、オイル吐出部はクランク軸と平行な孔であり、該孔形状のオイル吐出部にヘッド給油用オイルパイプの他端接続部をクランク軸芯方向に差し込み、該他端接続部を、クランクケース側方のカバー室を覆うカバーにより直接あるいは間接的に脱落不能に押え付けている。
【0017】
これにより、パイプ固定用のボルトやそのためのボス等は必要がなくなり、製造コストの低減及び重量の軽減を達成できると共に組付け性もさらに向上する。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のエンジンのオイル配管構造において、ヘッド給油用オイルパイプの他端接続部と、シリンダヘッド以外の個所に給油するための別のオイルパイプの接続部とを、クランク軸芯方向に重ねた状態でオイル吐出部に差し込み、カバーにより両差込式接続部を同時に押え付けている。
【0019】
これにより、クランクケースには、オイルパイプ接続用の部分を新たに追加する必要がなく、不部品点数及び加工工数の節約になると共に配管もコンパクトになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[エンジンが搭載される車輌]
図1は本願発明が適用されたドライサンプ式の単気筒4サイクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車を示しており、車体フレーム1の前部には左右一対の前輪2を備え、後部にはスイングアーム4を介して左右一対の後輪5を備え、スイングアーム4はショックアブソーバ3により弾性支持されている。車体フレーム1内にはエンジン7及びラジエター8等を搭載し、車体フレーム1の上部には騎乗型シート10、燃料タンク11及びバー状のハンドル12等を備えている。
【0021】
エンジン7は、クランクケース20の上に、シリンダ21、シリンダヘッド22及びヘッドカバー23を順次締結してなり、シリンダヘッド22の前面排気口に排気管24が接続し、該排気管24は右側へ湾曲して後方に延び、マフラ25に接続している。シリンダヘッド21の後面吸気口に吸気管26が接続し、該吸気管26はキャブレター27、吸気ダクト28及びエレメント29を内蔵する後方のエアクリーナボックス30に接続している。
【0022】
該車輌はチェーン駆動方式を採用しており、エンジン7の出力スプロケット31と後車軸32のスプロケット33の間に駆動チェーン34を巻き掛け、駆動チェーン34により後輪5を駆動するようになっている。
【0023】
図2はエンジン7の左側部分の縦断側面図であり、クランクケース20のクランク軸芯方向の左側には、ジェネレータカバー56を固定することによりジェネレータ室58が形成されており、該ジェネレータ室58にはクランク軸41が突出し、クランク軸端部にはカムチェーンスプロケット68が形成されると共に図示しないがジェネレータのロータが固定されている。また、ジェネレータ室58内には、始動用アイドルギヤ97、大小の始動用中間ギヤ93,94及びバランサ軸50の左ウエイト50a等が収納されている。
【0024】
シリンダ21及びシリンダヘッド22の左側部分には、ジェネレータ室58と上方のヘッドカバー23内とを連通するカムチェーントンネル62が形成されており、上記カムチェーンスプロケット68に巻き掛けられたカムチェーン71は、カムチェーントンネル62を通過してヘッドカバー23内に至り、1対のカム軸48のスプロケット72に巻き掛けられている。カムチェーントンネル62にはカムチェーン71と共にこれをガイドするチェーンガイド65が配置されている。
【0025】
[オイルパイプの配管構造]
ジェネレータ室58内にはヘッド給油用オイルパイプ66とミッション給油用オイルパイプ67が配置されており、両オイルパイプ66,67は、金属製のオイルパイプ本体部66a,67aの両端に、円筒型金属製の接続部82,83及び73、75を備えている。各オイルパイプ66,67の一端接続部82,83は、ジェネレータ室58内の前上端部の同一位置に配置され、クランクケース20の左端壁に形成された共通のオイル吐出部63に接続している。
【0026】
ヘッド給油用オイルパイプ66のオイルパイプ本体部66aは、前記ジェネレータ室58内の前上端部位置から後上方へ湾曲してカムチェーントンネル62内の前部に入り、カムチェーントンネル62内を概ねシリンダ中心線と平行に上方へ延びている。ヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73は、オイルパイプ本体部66aよりも大径に形成されており、シリンダ21のシリンダヘッド側の上端面(ヘッド合わせ面)に形成されたパイプ保持部74に保持されると共に、シリンダヘッド22内に形成されたオイル通路76に連通している。
【0027】
ミッション給油用オイルパイプ67のオイルパイプ本体部67aは、ジェネレータ室58内の上部空間を後方に延び、その後端接続部75は、クランクケース20の左端壁に形成されたオイル取入口に左方から差込接続されると共に、ジェネレータカバー56の合わせ面により左方に抜けないように押え付けられており、ミッション室内の各変速軸に至っている。
【0028】
図3は、図2のIII-III断面図であり、クランクケース20の前上端部には、クランクケース20の前壁内をクランク軸芯方向に貫通するオイル通路77が形成されており、該オイル通路77の右端部は、クラッチカバー等に形成されたオイル通路78及びフィルター79等を介してフィードポンプ80の吐出口に連通し、オイル通路78にはクランク軸側給油用のオイル通路81が分岐している。
【0029】
クランクケース20に形成された前記オイル吐出部63は、オイル通路77の左端部にクランク軸芯と平行に形成された孔であり、この孔状のオイル吐出部63はジェネレータ室58に向いて開口している。オイル吐出部63に対してヘッド給油用オイルパイプ66の下端接続部82とミッション給油用オイルパイプ67の前端接続部83が二段重ね状に接続されており、ジェネレータカバー56の合わせ面によりミッション給油用オイルパイプ67の前端接続部83とヘッド給油用オイルパイプ66の下端接続部82が押え付けられている。
【0030】
図4は図3の矢印IV部分(オイル吐出部63近傍)の断面拡大図であり、ヘッド給油用オイルパイ66の下端接続部82は中空スリーブ状に形成されており、軸芯方向の一端(右端)にはOリング89が嵌着された小径の継手用凸部86が形成され、軸芯方向の他端には継手用凹部87が形成されている。上記継手用凸部86が前記オイル吐出部63に軸芯方向の左方から差し込まれ、Oリング89を介していんろう嵌合している。一方、ミッション給油用オイルパイプ67の前端接続部83にはOリング88が嵌着された継手用凸部90が形成され、該継手用凸部90はヘッド給油用オイルパイプ66の下端接続部82の継手用凹部87に軸芯方向の左方から差し込まれ、Oリング88を介していんろう嵌合している。ミッション給油用オイルパイプ67の前端接続部83の左端面は平面になっており、該左端面に前述のようにジェネレータカバー56の合せ面を当接することにより、両接続部82,83を同時に固定している。
【0031】
図5はヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73及びパイプ保持部74の拡大斜視図を示しており、パイプ保持部74は段付の孔であり、上半部の大径部74aと、該大径部74aに環状段面74bを介して連続する下半部の小径部74cとから構成され、パイプ保持部74の上側には大径部74aよりも大径のガイド孔84が形成されている。
【0032】
ヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73は円筒状に形成されると共に上端部にOリング嵌着用の環状溝91を有しており、パイプ保持部74内に上方から挿入され、段面74bにより落下不能に係止されると共に、大径部74aの内周面により前後及び左右(シリンダ中心線と直交する方向)、全径方向に対して移動しないように係止されている。ヘッド給油用オイルパイプ66のオイルパイプ本体部66aは小径部74c内を下方へ通過し、カムチェーントンネル62へ至っている。
【0033】
図6はヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73をパイプ保持部74から外した状態を示す平面図であり、パイプ保持部74の孔周壁の左端部にはカムチェーントンネル62に開口する開口部85が形成されており、該開口部85の幅W1は、ヘッド給油用オイルパイプ66のオイルパイプ本体部66aの外径D1より若干大きいが、パイプ保持部74の小径部74cの内径d1より小さく形成されている。また、パイプ保持部74の大径部74aの内径d2は上端接続部73の外径D2より若干大きく形成されている。これらによりヘッド給油用オイルパイプ66のオイルパイプ本体部66aを側方から開口部85を介してパイプ保持部74内に挿入することは可能であるが、大径部74aに上端接続部73を嵌合した状態では、該上端接続部73は大径部74aの内周面により前後及び左右(全径方向)に対して移動しないように規制され、かつ、段面74bにより脱落不能に係止される。
【0034】
図7は図2のVII-VII断面拡大図であり、ヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73の環状溝91にはOリング96が嵌着されており、上端接続部73の上半部分は、シリンダヘッド22のオイル通路76の下端に形成された差込孔95に差し込まれ、いんろう嵌合している。上記環状段面74bの深さH1は、上端接続部73のシリンダ上端面からの挿入深さH2より僅かに大きく設定されている。すなわち、シリンダヘッド22をシリンダ21に締結した場合、環状段面74bと上端接続部73の下端面の間に僅かの隙間c、たとえばコンマ数ミリから1ミリ程度の隙間が生じるように設計されている。これにより上端接続部73の長さやパイプ保持部74の上下方向寸法並びに環状段面74bの寸法に多少の製造誤差があっても、シリンダヘッド組付け時において、上記隙間cにより誤差を吸収することができる。
【0035】
【組付】
(1)図8において、シリンダヘッド22をシリンダ21に締結する前に、ヘッド給油用オイルパイプ66をカムチェーントンネル62に挿通し、その上端接続部73をパイプ保持部74よりも上方に持ち上げ、ヘッド給油用オイルパイプ66のオイルパイプ本体部66aを左方から開口部85を通してパイプ保持部74内に挿入する。
【0036】
(2)次に上端接続部73をパイプ保持部74内に下ろし、図5のように大径部74aに嵌め込み、段面74bに係止させる。
【0037】
(3)上記のように上端接続部73をパイプ保持部74に挿入後、図7のようにシリンダヘッド22をシリンダ21に締結すると同時に、接続部73の上半部にシリンダヘッド22の差込孔95を嵌合し、これによりシリンダヘッド22内のオイル通路76とヘッド給油用オイルパイプ66内とを連通する。
【0038】
(4)図4において、ヘッド給油用オイルパイプ66の下端接続部82は、その継手用凸部86をクランクケース20のオイル吐出部63にクランク軸芯方向に差し込む。
【0039】
(5)続いてミッション給油用オイルパイプ67の前端接続部83の継手用凸部90を、ヘッド給油用オイルパイプ66の下端接続部82の継手用凹部87にクランク軸芯方向に差し込むと共に、図2のようにミッション給油用オイルパイプ67の後端接続部75をミッション用のオイル取入口に差し込み、そしてジェネレータカバー56をクランクケース20に締結することにより、前後の両接続部82,83,75を左方に抜けないように固定する。
【0040】
【オイルの循環】
図3において、フィードポンプ80から吐出されるオイルは、フィルター79を介してクラッチカバー等のオイル通路78内に圧送されると共に、クランク軸側のオイル通路81とクランクケース前端部のオイル通路77とに分かれ、クランク軸側のオイル通路81からは、クランク軸内及びコンロッドの嵌合部等のクランク軸関係の注油個所に供給される。
【0041】
クランクケース前端部のオイル通路77に供給されたオイルは、オイル吐出部63からさらにヘッド給油用オイルパイプ66とミッション給油用オイルパイプ67とに分かれる。ミッション給油用オイルパイプ67に供給されたオイルはミッション内の各変速軸及び変速ギヤの嵌合部及び歯面等に供給される。ヘッド給油用オイルパイプ66に供給されたオイルは、上端接続部73からシリンダヘッド22内のオイル通路76に供給され、図2のカム軸48の嵌合部分あるいは吸排気弁の駆動部分に供給される。
【0042】
【その他の発明の実施の形態】
(1)図9はパイプ保持部74の変形例を示しており、溝状の開口部85の幅W1がヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73の外径D2よりも少し大きく形成されており、たとえばパイプ保持部74の大径部74aの内径d2と同じくらいに形成されており、これにより、上端接続部73を側方から直接開口部85を通してパイプ保持部74内(大径部74a内)に挿入できるようになっている。
【0043】
この場合、上端接続部73の開口部85側への移動を規制することはできないが、残りの大径部74aによる径方向の位置規制により、ほぼ位置決めは行なえる。
【0044】
該実施の形態によると、ヘッド給油用オイルパイプ66の上端接続部73を、開口部85に沿って側方に移動するだけで、シリンダ21とヘッド給油用オイルパイプ66の係合を解除することができ、たとえばシリンダ21の取外し時に、前もってヘッド給油用オイルパイプ66を外す必要がなくなり、容易にシリンダ21を取り外すことができる。
【0045】
(2)上記実施の形態では、ヘッド給油用オイルパイプ66の前端接続部82とミッション給油用オイルパイプ67の前端接続部83を重ね合わせて、クランクケースのオイル吐出部63に接続するようにしているが、クランクケースのオイル吐出部63にヘッド給油用オイルパイプ66の接続部82のみを差し込み、該接続部82を直接ジェネレータカバー56で押え付ける構造とすることも可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると次のような利点がある。
(1)ヘッド給油用オイルパイプの上端接続部を、シリンダヘッドではなく、シリンダのシリンダヘッド側の端面に形成したパイプ保持部に保持して、シリンダヘッドのオイル通路に連通させるようにしているので、ヘッド給油用オイルパイプの長さや、パイプ保持部の形成位置、寸法あるいはシリンダヘッド側の接続部分に寸法誤差があっても、シール性や組付け性を損なうことなく、精度良くヘッド給油用オイルパイプ及びシリンダヘッドの組付けを行なうことができる。
【0047】
(2)ヘッド給油用オイルパイプは、図10のような直線状のオイルパイプをシリンダヘッドとクランクケースとの間に架設する構造に比べ、カム駆動用の各部品と干渉しないように自由に配管することができ、エンジンの大型化を防ぐことができる。
【0048】
(3)ヘッド給油用オイルパイプは、カムチェーントンネル内に配管されるので、従来の外部配管構造に比べ、複雑な配管による油圧低下を防ぐことができる共に、エンジン外部へのオイル漏れの心配はなく、シール機構を不要とし、コストダウンに寄与することができる。
【0049】
(4)ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部は、オイルパイプ本体部よりも大径に形成され、パイプ保持部は段面を有する段付孔状に形成されると共に孔周壁にヘッド給油用オイルパイプを側方から孔内へ挿入できる溝状の開口部が形成され、ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部をパイプ保持部に挿入し、段面により一端接続部の下方への移動を規制すると共にパイプ保持部の内周面により一端接続部の孔径方向の移動を規制するように一端接続部を段付孔状のパイプ保持部に保持していると、ヘッド給油用オイルパイプの装着及び保持作業が簡単に行なえ、組付け性が向上する。
【0050】
(5)パイプ保持部の開口部の溝幅を、ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部より狭く、オイルパイプ本体部の径より広く形成することにより、パイプ保持部の内周面により一端接続部の全径方向の移動を規制するようにしていると、一端接続部の位置が精度良く設定でき、シリンダヘッドのオイル通路との接続作業が容易になる。
【0051】
(6)オイル吐出部をクランク軸と平行な孔とし、該孔形状のオイル吐出部にヘッド給油用オイルパイプの他端接続部をクランク軸芯方向に差し込み、該他端接続部を、クランクケース側方のカバー室を覆うカバーにより直接あるいは間接的に脱落不能に押え付けるようにすると、パイプ固定用のボルトやそのためのボス等は必要がなくなり、製造コストの低減及び重量の軽減を達成できると共に組付け性もさらに向上する。
【0052】
(7)ヘッド給油用オイルパイプの他端接続部と、エンジンのヘッド以外の個所に給油するための別のオイルパイプの接続部とを、クランク軸芯方向に重ねた状態でオイル吐出部に差し込み、カバーにより両接続部を同時に押え付けるようにしていると、クランクケースには、オイルパイプ接続用の部分を新たに追加する必要がなく、不部品点数及び加工の節約になると共に配管もコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかるドライサンプ式4サイクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車の側面図である。
【図2】 図1に記載されたエンジンの左側部の縦断側面図である。
【図3】 図2のIII-III断面拡大図である。
【図4】 図3の矢印IV部分の拡大図であり、接続部も切断して示す拡大断面図である。
【図5】 ヘッド給油用オイルパイプの上端接続部及びシリンダのパイプ保持部の拡大斜視図である。
【図6】 ヘッド給油用オイルパイプの上端接続部をシリンダのパイプ保持部から取り外した状態を示す拡大平面図である。
【図7】 図2のVII-VII断面拡大図である。
【図8】 組付け前の状態を示す図7のVIII-VIII断面図である。
【図9】 パイプ保持部の変形例を示す図6と同様の平面図である。
【図10】 従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
20 クランクケース
21 シリンダ
22 シリンダヘッド
23 ヘッドカバー
56 ジェネレータカバー
62 カムチェーントンネル
63 オイル吐出部
66 ヘッド給油用オイルパイプ
66a オイルパイプ本体部
67 ミッション給油用オイルパイプ
67a オイルパイプ本体部
73 ヘッド給油用オイルパイプの上端接続部
74 パイプ保持部
75 ミッション給油用オイルパイプの後端接続部
76 オイル通路
82 ヘッド給油用オイルパイプの下端接続部
83 ミッション給油用オイルパイプの前端接続部
86 継手用凸部
87 継手用凹部
90 継手用凸部

Claims (4)

  1. シリンダのシリンダヘッドとの合わせ面にパイプ保持部を形成し、
    ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部を、上記パイプ保持部に保持すると共にシリンダヘッド内のオイル通路に連通し、
    ヘッド給油用オイルパイプの他端接続部はカムチェーントンネル内からクランク室側方のカバー室内に延ばし、クランクケースに形成されたオイル吐出部に接続し、
    前記ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部はオイルパイプ本体部よりも大径に形成され、
    前記パイプ保持部は段面を有する段付孔状に形成されると共に孔周壁にヘッド給油用オイルパイプを側方から孔内へ挿入できる溝状の開口部が形成され、
    前記ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部をパイプ保持部に挿入し、段面により一端接続部の下方への移動を規制すると共にパイプ保持部の内周面により一端接続部の孔径方向の移動を規制するように一端接続部を段付孔状のパイプ保持部に保持していることを特徴とするエンジンのオイル配管構造。
  2. パイプ保持部の開口部の溝幅を、ヘッド給油用オイルパイプの一端接続部より狭く、オイルパイプ本体部の径より広く形成し、パイプ保持部の内周面により一端接続部の全径方向の移動を規制するようにしていることを特徴とする請求項1記載のエンジンのオイル配管構造。
  3. オイル吐出部はクランク軸と平行な孔であり、該孔形状のオイル吐出部にヘッド給油用オイルパイプの他端接続部をクランク軸芯方向に差し込み、該他端接続部を、クランク室側方のカバー室を覆うカバーにより直接あるいは間接的に脱落不能に押え付けていることを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンのオイル配管構造。
  4. ヘッド給油用オイルパイプの他端接続部と、シリンダヘッド以外の個所に給油するための別のオイルパイプの接続部とを、クランク軸芯方向に重ねた状態でオイル吐出部に差し込み、上記カバーにより両差込式の接続部を同時に押え付けていることを特徴とする請求項3記載のエンジンのオイル配管構造。
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