JP3889598B2 - 攪拌装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、攪拌槽を密閉した状態で内容物を攪拌する攪拌装置に係り、詳しくは駆動軸部と攪拌軸部とが非接触でありながら、駆動軸部の動力を攪拌軸部に伝達することを可能にする攪拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オートクレーブ等に用いられる攪拌装置は、例えば特開昭60−125240号公報等に開示されているように、攪拌槽からの内容物の漏洩、特に圧力状態においても漏洩を確実に防止すべく、攪拌槽内部と駆動軸部の外部とを隔壁(ケーシング)により完全に分離し、マグネットによる隔壁間の磁気吸引力に基づいて駆動軸部の動力(例えばモータの動力)を伝達して駆動するマグネットドライブ方式が用いられている。
【0003】
上記公報に開示されたマグネットドライブ攪拌装置は、該マグネットドライブ攪拌装置と平行に配置された駆動軸部からベルト(またはチェーン)を介して攪拌軸部に動力伝達しており、これにより上述のように漏洩を防止して圧力状態における内容物の攪拌を可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなベルト駆動方式のマグネットドライブ攪拌装置は、ベルトの耐久性が長時間の駆動に対し十分ではないため、装置の信頼性が不十分な虞があった。また、攪拌槽内の内容物の交換やメンテナンス等の作業の度にベルトの着脱を必要とする場合が多いため、装置の取り扱い性として不十分であった。さらに装置の駆動中、ベルトの磨耗などにより微粉が発生し使用環境の空気清浄度を低下させる虞や、ベルトなどから騒音が発生するため装置の静音性が十分でない虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、駆動軸部と攪拌軸部とが非接触でありながら、駆動軸部の動力を攪拌軸部に伝達するマグネット形動力伝達手段を備え、もって上記の課題を解決した攪拌装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、動力を発生する駆動軸部(6)と、該駆動軸部(6)と平行に配置され、かつ該駆動軸部(6)の動力により攪拌翼を回転して攪拌する攪拌軸部(2)と、攪拌する内容物を密閉する攪拌槽(3)と、を備えてなる攪拌装置(1)において、
前記駆動軸部(6)と、前記攪拌軸部(2)と、が非接触で前記駆動軸部(6)の動力を前記攪拌軸部(2)に伝達し得るマグネット形動力伝達手段(9)を備える。
【0007】
更に、前記攪拌軸部(2)は、前記攪拌槽(3)を挟んで配置された内側マグネット(41)及び外側マグネット(51、例えば51a、51b)に基づく磁気吸引力により非接触で駆動され、
前記マグネット形動力伝達手段(9)は、前記駆動軸部(6)の回転外周に所定複数個の一次マグネット片(例えば81a、81b、81c、81d、81e、81f)を配置した一次マグネット(81)と、前記外側マグネット(51、例えば51a、51b)と一体に、かつ該外側マグネット(51、例えば51a、51b)の外周に所定複数個の二次マグネット片(例えば52a、52b、52c、52d、52e、52f)を配置した二次マグネット(52)と、を備え、
前記一次マグネット(81)と前記二次マグネット(52)との磁気吸引力に基づいて前記駆動軸部(6)の動力を前記攪拌軸部(2)に伝達し得るように対向配置してなる、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、前記攪拌槽(3)の先端に前記攪拌翼の回転数を検出し得る回転数センサ(13)を備える、
請求項1記載の攪拌装置(1)にある。
【0009】
請求項3に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、前記一次マグネット(81)の外周に、前記駆動軸部(6)の固定部(例えば71)に固定されてケース(82)を配置し、
前記二次マグネット(52)の外周に、前記攪拌槽(3)に固定されてカバー(15)を配置し、
前記固定されているケース(82)及びカバー(15)が、前記一次マグネット(81)及び二次マグネット(52)を覆っている、
請求項2記載の攪拌装置(1)にある。
【0010】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、本願特許請求の範囲の構成に何等影響を与えるものではない。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、マグネット形動力伝達手段は、駆動軸部と攪拌軸部が接触することなくかつ駆動軸部の動力を攪拌軸部に伝達するので、装置の信頼性を向上することができ、また、例えば攪拌槽内の内容物の交換やメンテナンス等の装置の取り扱い性を向上することができる。さらに、使用環境の空気清浄度を維持し、また装置の静音性を向上することができる。
【0012】
更に、マグネット形動力伝達手段は、所定複数個のマグネット片を各々配置した一次マグネット及び二次マグネットを備え、対向配置された両マグネットの磁気吸引力に基づいて駆動軸部の動力を攪拌軸部に伝達するので、駆動軸部の動力を攪拌軸部に確実に伝達し、装置の信頼性を向上することができる。また、スムーズに動力を伝達することができ、これにより駆動軸部から攪拌軸部への動力伝達における回転効力を向上することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によると、攪拌装置は攪拌槽の先端に攪拌翼の回転数を検出し得る回転数センサを備えるので、回転数センサの装・脱着が容易となり、装置の取り扱い性を向上することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によると、一次マグネット及び二次マグネットは、その外周に固定されたケース及びカバーによって覆われているので、回転部(例えばホルダー5、連結ブロック83など)への巻き込みが防止され、装置の信頼性を向上することができると共に、装置の安全性を向上することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明に係る実施の形態を説明する。図1は本発明に係るマグネットドライブ攪拌装置1を示す一部省略断面図である。図1に示すように、マグネットドライブ攪拌装置1は、攪拌軸部2、駆動軸部6及び攪拌槽3からなり、攪拌軸部2と駆動軸部6とは平行に配置されている。なお、上記攪拌槽3は、図1の下方に攪拌する内容物を収納する容器及び該内容物を攪拌する攪拌翼があるが(図示せず)、該攪拌翼と一体のシャフト4が上方に延びて図示されており、かつ攪拌槽3の内外はケーシング3にて隔離され、該ケーシング3が上記攪拌槽3の一部を構成する。
【0016】
まず、駆動軸部6の構成について図1及び図2に沿って説明する。図2は駆動軸部6を示すA−A矢視断面図である。駆動軸部6は、図1に示すように、モータ7とマグネットカップリング8とを備えている。
【0017】
モータ7は、ケース71、回転軸72、及び該ケース71に内包されている不図示の電機子を備えており、上記電機子を励磁することにより発生する動力を回転軸72に出力するようになっている。
【0018】
マグネットカップリング8は、一次マグネット81(例えば81a、81b、81c、81d、81e、81f)、ケース82及び連結ブロック83とを備えている。連結ブロック83は非磁性体であって、略円柱形状の上部ブロック83aと略正六角柱形状の下部ブロック83bとを同軸状に連結した形状からなり、上部ブロック83aにモータ7の回転軸72が連結されている。
【0019】
また、下部ブロック83bの側面には、図2に示すように、上記一次マグネット81を構成する一次マグネット片81a、81b、81c、81d、81e、81fのそれぞれが、下部ブロック83bの各側面に対応する形で6箇所に略等間隔に配置、固着されており、つまり、駆動軸部6の外周に配置されている。そして、一次マグネット81及び連結ブロック83は回転軸72に連結されて支持され、該回転軸72と共に回転自在となっている形で、非磁性体であるケース82に接触しないように内包されている。一方、ケース82はモータ7のケース(駆動軸部6の固定部)71に回転不能に固着されている。
【0020】
さらに、一次マグネット片81a、81b、…、81fの極性(N極、S極)は、連結ブロック83の回転方向に交互に反転されている。例えば、一次マグネット片81bの極性が内周側をN極、外周側をS極とすると、隣合う一次マグネット片81a、81cの極性が内周側をS極、外周側をN極となるように配置されている。
【0021】
また、駆動軸部6全体は、不図示のアームにより支持されており、該アームにより後述する攪拌軸部2に対して相対移動が可能で、かつ固定自在になっている。そして、マグネットドライブ攪拌装置1を駆動する際には、駆動軸部6を攪拌軸部に対して所定間隙GPを有する位置に固定して、つまり駆動軸部6と攪拌軸部2とを非接触となるように配置している。
【0022】
ついで、攪拌軸部2の構成について図1及び図3に沿って説明する。図3は攪拌軸部2を示すB−B矢視断面図である。攪拌軸部2は、図1に示すように、ホルダー5、シャフト4を備えている。攪拌槽3(一部ケーシング3として図示)はケーシング3と一体となって内容物を密閉している。
【0023】
まず、ホルダー5は、図1及び図3に示すように、二次マグネット52(例えば52a、52b、52c、52d、52e、52f)、スリーブ53、外側マグネット51(例えば51a、51b)、スリーブ54、及びベアリング55、56、を備えている。
【0024】
ホルダー5の内周には、図3に示すように、上記二次マグネット52を構成する二次マグネット片52a、52b、・・・、52fが、ホルダー5の略回転中心に対称に略等間隔に配置され、非磁性体であって同軸上に配置された円筒形状のスリーブ54、53の各々内周、外周に挟まれる形でホルダー5に固着されて、攪拌軸部2の外周に配置されている。
【0025】
さらに、二次マグネット片52a、52b、…、52fの極性(N極、S極)は、ホルダー5の回転方向に交互に反転されている。例えば、二次マグネット片52bの極性が内周側をS極、外周側をN極とすると、隣合う二次マグネット片52a、52cの極性が内周側をN極、外周側をS極となるように配置されている。
【0026】
一次マグネット81及び二次マグネット52は、図1に示すように所定間隙GPを介し対向して配置されており、後述する一次マグネット81と二次マグネット52との磁気吸引力に基づいて、駆動軸部6の動力、つまりモータ7の動力を攪拌軸部2に伝達する。ここで、マグネット形動力伝達手段9は、一次マグネット81と二次マグネット52とからなる。
【0027】
ついで、ホルダー5の内周には、図3に示すように、外側マグネット片51a、51bからなる外側マグネット51は、該ホルダー5の略中心を対称に、ケーシング3を隔てて内側マグネット41に対向して配置されており、スリーブ53の内周面上に固着されている。つまり、上述した二次マグネット52は、スリーブ53を介して外側マグネット51aの外周に配置されている。
【0028】
また、外側マグネット片51a、51bはホルダー5の回転方向に交互に極性を反転されて配置されており、つまり、外側マグネット片51a、51bの内周面側の極性(N極、S極)を異極同士となるように配置されている。
【0029】
そして、ホルダー5全体は、図1に示すようにホルダー5の内周面に配設されたべアリング55、56を介して、ケーシング3に外周に形成された段付き部31、32に担持され、かつ該ベアリング55、56により回転自在に支持されている。これにより、上述した二次マグネット52は外側マグネット51と一体に回転自在となっている。
【0030】
ケーシング3の上部側方には、図1に示すように非磁性体であるカバー15がホルダー5の上方から外周面を覆う形で装着されている。また、カバー15のさらに上方には回転数センサ13が配設され、攪拌槽3の先端、つまりケーシング3の上部に装着されている。
【0031】
回転数センサ13は、支持部13aと検出部13bからなり、略円筒形状の支持部13aがケーシング3の上方より挿入される形で装着されており、支持部13aの外側面に連結された検出部13bが、後述するシャフト上部42に埋設された図示しないマグネットの磁気によりシャフト4の回転数を検出し、該検出結果を外部に備えられている不図示の処理装置等に出力する。そして回転数センサ13のさらに上方からキャップ14がケーシング3に螺着されて、カバー15及び回転数センサ13は回転不能に固定されている。
【0032】
上述したように、回転数センサ13は攪拌槽3の先端(ケーシング3の上部)に装着されているので、回転数センサ13の装・脱着が容易となり、装置の取り扱い性を向上することができる。
【0033】
また、カバー15は回転するホルダー5の外周を覆い、また上述したようにケース82も回転する連結ブロック83及び一次マグネット81の外周を覆うので、これら回転部への巻き込みが防止され、装置の信頼性を向上することができると共に、装置の安全性を向上することができる。
【0034】
ついで、攪拌槽3は、ホルダー5の回転により発熱する攪拌軸部2を、水を循環させることで冷却させるためのクーラージャケット11及びアダプター12が設けられており、それらクーラージャケット11及びアダプター12を介して、非磁性体でありかつ所定圧力に耐えるように、例えばステンレス鋼等により形成されているケーシング3が不図示の攪拌容器に装着されて密閉されている。ケーシング3の内部には、シャフト4がケーシング3の内部に同軸状に挿入されている。
【0035】
シャフト4は、内側マグネット41、シャフト上部42及びシャフト下部43を備えており、内側マグネット41の上端にシャフト上部42を、下端にシャフト下部43を、同軸状に連結している。シャフト上部42はケーシング3の内部に回転自在に支持され、また、シャフト下部43は、攪拌槽3内の内容物を攪拌するために回転する図示しない攪拌翼に連結されている。また、内側マグネット41の極性(N極、S極)は、図3の断面方向の向きになるように配置されている。そして、外側マグネット51及び内側マグネット41は、図1に示すようにケーシング3を挟んで対向して配置されている。
【0036】
本発明に係るマグネットドライブ攪拌装置1は、以上のような構成を有するので、以下に本マグネットドライブ攪拌装置1の動作について説明する。
【0037】
モータ7の電機子を励磁し、モータ7の回転軸72が回転すると、連結ブロック83と共に一次マグネット81が回転する。後述する一次マグネット81と二次マグネット52との磁気吸引力に基づいて、ホルダー5にモータ7の動力が伝達され、ホルダー5が回転する。
【0038】
ホルダー5が回転すると、これと共に外側マグネット51が回転する。外側マグネット51は、ケーシング3を挟んで外側マグネット51及び内側マグネット41に基づく磁気吸引力によりシャフト4を回転させる。
【0039】
ここで、上記の外側マグネット51及び内側マグネット41の磁気吸引力に基づく動力伝達について説明する。まず、静止状態について、図4に沿って具体的に説明する。図4は、静止状態における外側マグネット51及び内側マグネット41を示す一部省略模式図である。
【0040】
対向する内側マグネット41の極性と外側マグネット51a、51bの極性が、図4示すように互いに異なる場合、磁力線(図4に示す破線)は、外側マグネット片51a、ケーシング3、内側マグネット41、ケーシング3、外側マグネット片51bを経由して生じる。
【0041】
この際、内側マグネット41は、外側マグネット片51a、51bと図4に示す磁力線の略方向に吸引し合い、内側マグネット41に図4の水平向きの力が生じる。これらの力は同じ大きさで相反する向きの力が生じるため、互いに相殺されて、上記の対向配置の関係に変化がない限り静止状態が維持される。
【0042】
ついで、動作状態について、図5に沿って具体的に説明する。図5は、動作状態における外側マグネット51及び内側マグネット41を示す一部省略模式図である。
【0043】
図5に示すように、上述した静止状態からホルダー5が図5に示すD方向に回転すると、内側マグネット41と外側マグネット片51a、51bの対向配置がずれるため、磁力線は図5に示す破線のように捩れた形をとなる。
【0044】
この際、内側マグネット41のN極には、図5の破線に示す磁力線の略方向(同図の略右上方の向き)の力が生じる。一方、内側マグネット41のN極も、図5の破線に示す磁力線の略方向(同図の略左下方の向き)の力が生じる。これらの力の向きは内側マグネット41の回転中心を通らず、つまり内側マグネット41に図5に示すE方向の回転トルクを生じさせ、内側マグネット41と共にシャフト4はホルダー5と同じ方向(図5に示すE方向)に回転する。
【0045】
つまり、ホルダー5とシャフト4はケーシング3を挟んで接触することなく、各々攪拌槽3の外部及び内部を、上述した外側マグネット51及び内側マグネット41に基づく磁気吸引力により動力を伝達して駆動する。
【0046】
ついで、モータ7の電機子の励磁を停止すると、連結ブロック83と共に一次マグネット81の回転は停止し、一次マグネット81及び二次マグネット52は後述するような静止状態となり、これと共に内側マグネット41及び外側マグネット51も上述した静止状態となる。これにより攪拌翼の回転が停止されて攪拌が停止される。
【0047】
なお、上記の外側マグネット片51a、51bは回転方向に極性を交互に反転して配置した例を示したが、下部ブロック83の回転外周にマグネット片を複数個配置していればいずれのものであってもよく、また外周に上記と同様の極性を配置した一体状のマグネットであってもよい。
【0048】
さらに、上記の内側マグネット41は一対の極性を配置した例を示したが、シャフト4が外周にマグネット片を複数個配置してなるものであってもよく、また外周に上記と同様の極性を配置した一体状のマグネットであってもよい。
【0049】
ついで、本発明の要部である一次マグネット81及び二次マグネット52からなる非接触のマグネット形動力伝達手段9に基づく磁気吸引力について説明する。まず、静止状態について、図6に沿って具体的に説明する。図6は、静止状態における一次マグネット81及び二次マグネット52を示す一部省略模式図である。
【0050】
例えば、図6に示すように、ホルダー5とマグネットカップリング8との間の間隙GPを介して、互いに異極同士である一次マグネット片81bのS極及び二次マグネット片52bのN極が、対向配置にある場合、両マグネット片81a、81b、52b、52aを経由した磁力線(図6上方に示す破線)と、両マグネット片81b、81c、52c、52bを経由した磁力線(図6下方に示す破線)と、が生じる。
【0051】
この際、一次マグネット片81bのS極及び二次マグネット片52bのN極、は間隙GPを介した磁力線(図6中央に示す破線)の略方向(同図の水平方向)に吸引し合うが、二次マグネット片52bに生じる力は、ホルダー5の回転中心を通るので、ホルダー5に回転トルクは生じない。
【0052】
そして、一次マグネット片81a、81cと、二次マグネット片52a、52cと、は磁力線(図6上方・下方に示す破線)の略方向に吸引し合う力が生じるが、二次マグネット片52a、52cは、ホルダー5の回転中心を通る水平線に対し上下対称にあり、これらの力の合力は図5の水平方向でホルダー5の回転中心を通るので、ホルダー5に回転トルクは生じない。したがって、上述した対向配置の関係に変化がない限り、静止状態が維持されている。
【0053】
ついで、動作状態ついて、図7に沿って具体的に説明する。図7は、動作状態における一次マグネット81及び二次マグネット52を示す一部省略模式図である。
【0054】
例えば、図7に示すように、上述した静止状態からモータ7が回転すると共に、マグネットカップリング8が図7に示すF方向に回転すると、一次マグネット片81a、81b、81cと、二次マグネット片52a、52b、52cと、は静止状態における対向配置からずれるため、磁力線は図7に示す破線のように捩れた形となる。
【0055】
この際、二次マグネット片52bのN極は、一次マグネット片81bのS極と異極同士なので磁力線(図7中央に示す破線)の略方向に吸引し合い、一方、一次マグネット片81cのN極と同極同士なので反発し合う。これにより、二次マグネット片52bに生じる力の合力の向きは、図7の略上方の向きとなる。
【0056】
ついで、二次マグネット片52aのS極は、一次マグネット片81aのN極と磁力線(図7上方に示す破線)の略方向に吸引し合い、一方、一次マグネット片81bのS極と反発し合う。これにより二次マグネット片52aに生じる力の合力の向きは、図7の略上方の向きとなる。
【0057】
また、二次マグネット片52cのS極は、一次マグネット片81cのN極と磁力線(図7下方に示す破線)の略方向に吸引し合い、図7右上方の向きの力が生じる。
【0058】
これらの力はいずれもホルダー5の回転中心を通らず、ホルダー5に図7に示すG方向の回転トルクを生じさせるので、連結ブロック83がF方向に回転すると、上記の回転トルクによってホルダー5は、図7に示すG方向に回転する。
【0059】
ついで、モータ7の電機子への励磁を停止すると、連結ブロック83と共に一次マグネット81の回転は停止し、これと共に一次マグネット81及び二次マグネット52は上述した静止状態となる。これにより駆動軸部6から攪拌軸部2にモータ7の動力伝達が停止される。
【0060】
以上のように、本発明に係るマグネットドライブ攪拌装置1は、一次マグネット81及び二次マグネット52からなる非接触のマグネット形動力伝達手段9に基づく磁気吸引力により、駆動軸部6から攪拌軸部2に非接触で、例えばベルトを介した動力伝達ではなく、モータ6の動力を伝達することででき、装置の信頼性を向上することができる。
【0061】
また、例えばベルトの着脱なく容易に攪拌容器等を取り出すことができ、これにより装置の取り扱い性(例えば攪拌槽3内の内容物の交換やメンテナンス等)を改善することができる。また、例えばベルトの磨耗による微紛等の発生がなく使用環境の空気清浄度を維持することができるので、高い空気清浄度が要求される環境下(例えばクリーンルーム等)でも使用することができる。さらに、例えばベルトなどから騒音が発生しないので、装置の静音性を向上することができる。
【0062】
また、所定複数個のマグネット片(一次マグネット81及び二次マグネット52)を対向配置するので、駆動軸部6の動力を攪拌軸部2に確実に伝達し、スムーズに動力を伝達することができ、これにより駆動軸部6から攪拌軸部2への動力伝達における回転効力を向上することができる。
【0063】
なお、上記実施の形態では、一次マグネット81及び二次マグネット52の磁気吸引力と、外側マグネット51及び内側マグネット41の磁気吸引力と、に基づく動力伝達の例を示したが、これに限らず、駆動軸部6と攪拌軸部2が非接触で、駆動軸部6の動力を攪拌軸部2に伝達するものであればいずれのものであってもよく、例えば、一次マグネット81及び外側マグネット51に基づく磁気吸引力により、二次マグネット52を介さずに直接駆動軸部6の動力を伝達しても本発明に適用することができる。さらに、場合によっては外側マグネット51をも排除して、一次マグネット81により直接内側マグネット41を駆動してもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、一次マグネット81及び二次マグネット52を回転方向に交互に極性を反転して配置した例を示したが、これに限らず、各々駆動軸部6及び外側マグネット51の外周にマグネット片を複数個配置していればいずれのものであってもよく、また同外周に上記と同様の極性を配置した一体状のマグネットも本発明に適用することができる。
【0065】
さらに、上記実施の形態において、一次マグネット81及び二次マグネット52が各6個からなる例を示したが、これに限らず、マグネット片を各々駆動軸部6及び外側マグネット51の外周に複数個配置していればいずれのものであってもよく、例えば、一次マグネット81及び二次マグネット52が各6個以外の組合せ(例えば一次マグネット片及び二次マグネット片の個数が共に4個)、また異なる個数の組合せ(例えば一次マグネット片の個数が8個に対し二次マグネット片が4個)であっても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネットドライブ攪拌装置を示す一部省略断面図。
【図2】駆動軸部を示すA−A矢視断面図。
【図3】攪拌軸部を示すB−B矢視断面図。
【図4】静止状態における外側マグネット及び内側マグネットを示す一部省略模式図。
【図5】動作状態における外側マグネット及び内側マグネット示す一部省略模式図。
【図6】静止状態における一次マグネット及び二次マグネットを示す一部省略模式図。
【図7】動作状態における一次マグネット及び二次マグネットを示す一部省略模式図。
【符号の説明】
1 攪拌装置(マグネットドライブ攪拌装置)
2 攪拌軸部
3 攪拌槽(ケーシング)
6 駆動軸部
9 マグネット形動力伝達手段
13 回転数センサ
15 カバー
41、51 マグネット(内側マグネット、外側マグネット)
51a、51b 外側マグネット片
52 二次マグネット
52a、52b、52c、52d、52e、52f 二次マグネット片
71 駆動軸部の固定部(モータのケース)
81 一次マグネット
81a、81b、81c、81d、81e、81f 一次マグネット片
82 ケース
Claims (3)
- 動力を発生する駆動軸部と、該駆動軸部と平行に配置され、かつ該駆動軸部の動力により攪拌翼を回転して攪拌する攪拌軸部と、攪拌する内容物を密閉する攪拌槽と、を備えてなる攪拌装置において、
前記駆動軸部と、前記攪拌軸部と、が非接触で前記駆動軸部の動力を前記攪拌軸部に伝達し得るマグネット形動力伝達手段を備え、
前記攪拌軸部は、前記攪拌槽を挟んで配置された内側マグネット及び外側マグネットに基づく磁気吸引力により非接触で駆動され、
前記マグネット形動力伝達手段は、前記駆動軸部の外周に所定複数個の一次マグネット片を配置した一次マグネットと、前記外側マグネットと一体に、かつ該外側マグネットの外周に所定複数個の二次マグネット片を配置した二次マグネットと、を備え、
前記一次マグネットと前記二次マグネットとの磁気吸引力に基づいて前記駆動軸部の動力を前記攪拌軸部に伝達し得るように対向配置してなる、
ことを特徴とする攪拌装置。 - 前記攪拌槽の先端に、前記攪拌翼の回転数を検出し得る回転数センサを備える、
請求項1記載の攪拌装置。 - 前記一次マグネットの外周に、前記駆動軸部の固定部に固定されてケースを配置し、
前記二次マグネットの外周に、前記攪拌槽に固定されてカバーを配置し、
前記固定されているケース及びカバーが、前記一次マグネット及び二次マグネットを覆っている、
請求項2記載の攪拌装置。
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