JP3889369B2

JP3889369B2 - 雪崩検知装置

Info

Publication number: JP3889369B2
Application number: JP2003046337A
Authority: JP
Inventors: 一彦藤橋; 大奥津; 宏至小松
Original assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp
Current assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date: 2003-02-24
Filing date: 2003-02-24
Publication date: 2007-03-07
Anticipated expiration: 2023-02-24
Also published as: JP2004257764A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、豪雪地域の道路斜面などに設置し、雪崩の発生を検知するための雪崩検知装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、雪崩の監視は、例えば道路保安要員による巡回点検や、ワイヤーの切断によって動作するセンサや、遠隔監視カメラによって行われていた。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−９９６８６号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、道路保安要員による巡回点検は、即応性に欠けるとともに安全性に課題があった。ワイヤーセンサは、露出しているため、他の要因による誤作動や雷害の影響を受けると言った課題があった。遠隔監視カメラによる監視は、吹雪など悪天候時や夜間の監視、監視対象地域の広さやカメラの設置密度に課題があった。
【０００５】
本発明は上述した事情を鑑みてなされたものであり、遠隔で広範囲を監視でき、雷・高圧電線等の誘導の影響を受けずに、雪崩を検知するための装置を提供することを目的としたものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１に係る発明は、雪崩の発生を検知するための雪崩検知装置において、外部から光パルスを導入するための光ファイバと、一定の圧力により前記光ファイバに曲げひずみを与える曲げ手段と、を有することにより、一定の圧力によって前記曲げ手段が光ファイバに曲げひずみを与えた場合に、前記光ファイバに導入するための光パルスに係る後方錯乱光の変化を利用して雪崩の発生を検知可能とすることを特徴とする雪崩検知装置である。
【０００７】
請求項２に係る発明は、前記曲げ手段は、前記一定の圧力を受けることにより移動し、この移動によって前記光ファイバに曲げひずみを与えることを特徴とする請求項１に記載の雪崩検知装置である。
【０００８】
請求項３に係る発明は、前記曲げ手段は、前記一定の圧力を受けることにより回転し、この回転によって前記光ファイバに曲げひずみを与えることを特徴とする請求項２に記載の雪崩検知装置である。
【０００９】
請求項４に係る発明は、請求項２乃至３に記載の雪崩検知装置であって、更に、前記一定の圧力により前記曲げ手段を移動又は回転させた後に、再び移動又は回転する前の状態に戻ることを停止させる戻り停止手段を有することを特徴とする雪崩検知装置である。
【００１０】
請求項５に係る発明は、請求項２乃至３に記載の雪崩検知装置であって、更に、前記曲げ手段に一定の圧力が加わる前には、前記曲げ手段を移動又は回転させない状態に維持させる維持手段を有することを特徴とする雪崩検知装置である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態を説明する。
【００１２】
図１は、本発明の一実施形態に係る雪崩検知システム１の全体構成図である。
【００１３】
図１に示すように、雪崩検知システム１は、雪崩防止柵、雪崩減勢柵、又は雪崩止め等の上、或いは斜面上に設置されることで、雪崩の発生を検知するための雪崩検知装置１０と、光ファイバの曲げ損失を測定するＯＴＤＲ（Ｏｐｔｉｃａｌ−ｆｉｂｅｒ−ＴｉｍｅＤｏｍａｉｎＲｅｆｌｅｃｔｏｍｅｔｅｒ）等の曲げ損失測定器２０と、この曲げ損失測定器２０によって測定された曲げ損失のデータに基づいて雪崩発生を判定して警報等を発出するパーソナルコンピュータ等の計算機３０とによって構成されている。
【００１４】
図２乃至図４は何れも雪崩発生前の状態を示しており、図２は雪崩検知装置１０の断面図、図３は雪崩検知装置１０の正面図、図４は雪崩検知装置１０の平面図である。また、図５及び図６は何れも雪崩発生後の状態を示しており、図５は雪崩検知装置１０の正面図、図６は雪崩検知装置１０の平面図である。
【００１５】
図１乃至図４に示すように、雪崩検知装置１０は、本体としての筐体１１と、この筐体１１内部に張り渡された光ファイバ１７と、筐体１１の内部において支軸１３を軸に矢印方向に回動自在に支持して設けられており、雪崩が当たると矢印の上方向に回転する雪崩検知板１２と、この雪崩検知板１２が雪崩以外の作用で回転しないように雪崩検知板板１２に吊り下げられた状態で設けられている錘１４と、雪崩検知板１２の下部に取り付けられて、雪崩により雪崩検知板１２が回転して転倒したときに矢印の上方向に回転して光ファイバ１７を局所的に曲げるスイッチ１５と、このスイッチ１５が矢印の上方向に移動した後に、矢印の下方向に戻らないようにするためのストッパ１６によって構成されている。また、光ファイバ１７は、この光ファイバ１７を被服した状態のケーブル４０により雪崩検知装置１０から導出されて、曲げ損失測定器２０に導入されている。尚、雪崩検知板１２は、雪崩によって過大な力が加わると大きく曲がるが破断しないような構造とし、雪崩検知装置１０の全体が破損することを防止することができる。
【００１６】
また、曲げ損失測定器２０は、導入されているケーブルの光ファイバ１７に光パルスを入射させる発光部２１と、導入されているケーブルの光ファイバ１７から後方散乱光を受光する受光部２３と、発光部２１及び受光部２３に導く光ファイバを分岐する分岐部２２によって構成されている。
【００１７】
続いて、図７を用いて、本実施形態に係る雪崩検知システム１の動作について説明する。尚、ここでは、雪崩防止柵、雪崩減勢柵、又は雪崩止め等の上、或いは斜面上の各所に、複数の雪崩検知装置１０ａ，１０ｂ，・・・を設置し、曲げ損失測定器２０及び計算機３０を集中管理センタ内に設置して動作させる場合について説明する。
【００１８】
まず、曲げ損失測定器２０の発光部２１からケーブル４０を介して各雪崩検知装置１０ａ，１０ｂ・・・に対し、定常的に光パルスを送出する。送出された光パルスは、ケーブル４０内の光ファイバ内部で散乱し、この後方散乱光は光パルスの進行してきた経路を逆戻りする。戻ってきた後方散乱光は受光部２３で受光され、損失分布が測定される。
【００１９】
この状態で、例えば、雪崩検知装置１０ａの付近で雪崩が発生し、図５及び図６に示す如く、雪崩の圧力により雪崩検知板１２が回転して倒れると、この圧力によって雪崩検知板１２は支軸１３を中心に回転する。このとき、雪崩検知板１２につながるスイッチ１５も図５に示す矢印の上方向に回転し、筐体１１の内壁に当たって止まると共に、雪崩が通過した後もストッパー１６により元の状態には戻らない。スイッチ１５は回転する際に筐体１１の内部に張り渡された光ファイバ１７に当たり、光ファイバ１７を曲げることになる。また、光ファイバ１７は、スイッチ１５がストッパ１６によって固定された状態でも曲げられたままである。これにより、光ファイバ１７に曲げひずみが発生するため、戻ってくる後方散乱光の損失分布が変化することになる。よって、雪崩の発生事実と発生位置を曲げ損失測定器２０で測定し、この測定した損失分布を示す電気信号が計算機３０に入力されて、雪崩の発生が検知されることになる。
【００２０】
以上説明したように本実施形態によれば、光ファイバ１７の曲げひずみによる後方散乱光の損失分布の変化を検出することにより、即ち、センサ部に電気的な部品を使用しないため、雷・高圧電線等の誘導の影響を受けないという効果を奏する。また、吊り下げられた錘１４により、風雨等の雪崩以外の要因による誤作動を防止できるという効果を奏する。
【００２１】
尚、上記実施の形態では、雪崩によって雪崩検知板１２が回転することにより、光ファイバ１７に曲げひずみを与えることとしたが、これに限るものではなく、光ファイバ１７に曲げひずみを与えるものであれば、回転することに限定せず、移動することにより曲げひずみを与えるようにしてもよい。
【００２２】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、外部から光パルスを導入するための光ファイバと、一定の圧力により前記光ファイバに曲げひずみを与える曲げ手段とを有することにより、一定の圧力によって前記曲げ手段が光ファイバに曲げひずみを与えた場合に、前記光ファイバに導入するための光パルスに係る後方錯乱光の変化を利用して雪崩の発生を検知可能とする。このように、センサ部に電気的な部品を使用しないため、遠隔で広範囲を監視でき、雷・高圧電線等の誘導の影響を受けないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係る雪崩検知システム１の全体構成図。
【図２】雪崩発生前の状態を示しており、雪崩検知装置１０の断面図。
【図３】雪崩発生前の状態を示しており、雪崩検知装置１０の正面図。
【図４】雪崩発生前の状態を示しており、雪崩検知装置１０の平面図。
【図５】雪崩発生後の状態を示しており、雪崩検知装置１０の正面図。
【図６】雪崩発生後の状態を示しており、雪崩検知装置１０の平面図。
【図７】本発明の一実施形態に係る雪崩検知システム１の動作説明図。
【符号の説明】
１雪崩検知システム
１０雪崩検知装置
１１筐体
１２雪崩検知板（曲げ手段の一部に対応）
１３支軸（曲げ手段の一部に対応）
１４錘（曲げ手段の一部に対応、維持手段の一例）
１５スイッチ（曲げ手段の一部に対応）
１６ストッパ（戻り停止手段の一例）
１７光ファイバ
２０曲げ損失測定器
２１発光部
２２分岐部
２３受光部
３０計算機

Claims

雪崩の発生を検知するための雪崩検知装置において、
外部から光パルスを導入するための光ファイバと、
支軸を中心に回動自在に支持されて設けられ、雪崩が当たると回転する雪崩検知板と、
前記雪崩検知板の下部に一体となって取り付けられ、雪崩による一定の圧力により当該雪崩検知板が回転した場合に前記光ファイバに当たり当該光ファイバを局所的に曲げて光ファイバに曲げひずみを与えるスイッチと、
を有することにより、一定の圧力によって前記スイッチが光ファイバに曲げひずみを与えた場合に、前記光ファイバに導入するための光パルスに係る後方錯乱光の変化を利用して雪崩の発生を検知可能とすることを特徴とする雪崩検知装置。
請求項１に記載の雪崩検知装置であって、
前記雪崩検知板は、過大な力が加わると大きく曲がるが破断しないような構造であることを特徴とする雪崩検知装置。
請求項１又は２に記載の雪崩検知装置であって、更に、前記一定の圧力により前記スイッチが回転した後に、再び回転する前の状態に戻ることを停止させる戻り停止手段を有することを特徴とする雪崩検知装置。
請求項１乃至３に記載の雪崩検知装置であって、更に、前記スイッチに一定の圧力が加わる前には、前記スイッチが回転しない状態に維持させる維持手段を有することを特徴とする雪崩検知装置。