JP3889063B2 - Valve operating device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、バルブタイミングを可変制御しつつバルブリフト特性を切り換えるようにした内燃機関の動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用内燃機関にあっては、従来から低中速運転時の燃費と高速運転時の出力トルクの向上を両立する目的で、運転状態に応じて吸気弁または排気弁のリフト特性を異ならせ、これによって吸排気のタイミングあるいは吸排気量を制御するバルブリフト制御機構を備えたものが知られている(例えば特開昭62−121811号公報等参照)。
【0003】
これは、その揺動先端が例えば吸気弁に当接する低速用ロッカアームと、この低速用ロッカアームの片側に隣接して吸気弁との当接部位を持たない高速用ロッカアームとが共通のロッカシャフトに揺動可能に支持されている。また、低速用ロッカアームには低速用カムが、高速用ロッカアームには低速用カムよりも開弁角度または弁リフト量が大きくなるプロフィールを有する高速用カムがそれぞれ摺接している。
【0004】
さらに、各ロッカアームには、該各ロッカアームを一体に連結あるいは連結を解除するプランジャやガイド孔等からなる連結切換手段が設けられている。
【0005】
そして、現在の機関運転状態に応じてコントローラからの出力信号に基づいて連結切換手段を制御して、機関の低回転時には、各ロッカアームの連結を解除して図11の実線で示すように低速側のバルブリフト特性(小作動角)とし、高回転時には各ロッカアームを一体に連結して図11の一点鎖線で示すように高速側のバルブリフト特性(大作動角)に選択的に切り換えるようになっている。これによって、低回転時には、吸気弁のバルブリフト量を小さくすると共に、閉弁時期を下死点より早くなるように制御して機関のポンプ損失やフリクション等の機械的損失を可及的に小さくして燃費等を向上させる一方、高回転時には、吸気弁のバルブリフト量を大きくかつ開弁時期を早めることによって吸気の充填効率を向上させて十分な出力を確保するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、前記従来の装置にあっては、機関低回転時にバルブリフト制御機構により単にバルブリフト特性を固定的な小作動角に変換して、吸気弁の開弁時期を遅角(遅らせる)制御と、閉弁時期を進角(早める)制御を行うにすぎない。したがって、様々な機関運転状態つまり回転数の他に負荷の変化に応じた制御がなされないため、機関性能を十分に発揮させることが困難である。
【0007】
即ち、例えば低回転低負荷域では、前述のような小作動角制御によって燃焼改善,ポンプ損失の低下等の効果が得られるものの、高回転時において大作動角に制御された場合に比較して夫々の吸気充填効率が著しく相違するため、該大小作動角の切り換え時において大きな出力変化、つまり大きなトルクショックが発生する。この結果、運転の不安定化を招く。したがって、バルブリフト制御機構による小作動角制御だけでは、排気弁とのオーバラップを単純に小さくしたり、吸気弁の閉弁時期を進角するだけでは燃費を向上するための制御が自ずと制約されてしまう。
【0008】
特に、低回転中負荷域では、小作動角制御によって吸気弁の閉弁時期を大作動角時の閉弁時期よりも進角させることができるものの、その進角量は制限的なものであって、下死点位置よりも若干進角されるにすぎず、十分に進角させることができない。したがって、ポンプ損失の低減効果つまり燃費の向上が不十分になるといった問題がある。つまり、ポンプ損失は図12に示すように吸気弁の閉弁時期が下死点(BDC)近傍にあるときに最も大きくなるため、制限的な進角量ではポンプ損失を十分に低減できない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて案出されたもので、請求項1の発明は、機関運転状態を検出するコントローラからの出力信号に基づいて吸気弁のバルブリフト特性を機関低回転域では小さな弁作動角に、高回転域では大きな弁作動角に夫々切り換えるバルブリフト制御機構と、前記コントローラからの出力信号に基づいて前記弁作動角の位相を変換して吸気弁の開閉時期を進角側あるいは遅角側に切り換えるバルブタイミング制御機構とを備えた動弁装置であって、機関低回転時において前記バルブリフト制御機構により小作動角に制御された位相を、機関の無負荷あるいは低負荷時には、前記バルブタイミング制御機構によって吸気弁の閉時期を下死点近傍の遅角側に変換すると共に、中負荷時には、吸気弁の開閉時期を進角側に変換し、さらに、高負荷時には、吸気弁の閉時期を前記下死点近傍の遅角側に変換したことを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、前記機関低回転中負荷時における吸気弁の進角側への位相変換制御を、機関温度が所定以上のときに行うことを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、前記機関低回転中負荷時における吸気弁の開時期を大作動角時の開時期よりも進角側に制御したことを特徴としている。
【0012】
【作用】
請求項1の発明によれば、機関低回転無負荷あるいは低負荷時には、小作動角の位相状態における吸気弁の閉時期を下死点近傍の遅角側に変換したため、圧縮比を高めることができ、これによって圧縮行程終わりの燃焼温度を高めて良好な燃焼状態を得ることができる。
【0013】
また、機関低回転中負荷時には、小作動角の位相を進角側に制御して、吸気弁の閉弁時期を下死点位置よりも十分に早くなるようにしたため、機関のポンプ損失を低減させることが可能になる。また、同時に吸気弁の開弁時期も早くなるため、排気弁とのオーバーラップが大きくなり、気筒内の高温な残留ガス割合が増加して吸入された混合気を暖めることができる。したがって、前述のように吸気弁の閉弁時期の大きな進角制御によって有効圧縮比が低下しても燃焼開始時(圧縮行程終わり)の混合気温度が上昇して良好な燃焼が得られる。
【0014】
しかも、機関高負荷時には、吸気弁の閉時期を遅らせて下死点近傍とするため、有効な吸気行程を長くすることができ、これによって、吸気充填効率の向上が図れ、出力トルクを高めることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、機関温度(油温や水温等)が所定温度以上のときにはじめて前述の進角制御を行い、所定温度以下では行わずに遅角側の制御を維持するため、吸気弁の早閉じやオーバーラップ大による燃焼悪化を防止できる。
【0016】
請求項3の発明によれば、吸気弁の開時期を大作動角制御時よりも進角側に制御したため、前述の吸気弁の早閉じとオーバーラップを大きくすることによる効果が一層助長される。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。尚、本実施例では、1気筒当たり2つの吸気弁を備えた機関に適用したものを示している。
【0018】
図1は本実施例の構成全体を示す概略図であって、図中Aはカムシャフト11に設けられたバルブリフト制御機構、Bはカムシャフト11の一端部に設けられたバルブタイミング制御機構、Cはクランク角センサFやエアーフローメータG,油水温センサHおよびスロットル弁開度センサ等からの出力信号に基づいて検出した現在の機関運転状態及び油水温に応じて油圧切換弁D,Eを切り換えるコントロールユニットであって、前記油圧切換弁Dは、バルブリフト制御機構Aの制御油圧を低速側と高速側に切り換える一方、油圧切換弁Eは、バルブタイミング制御機構Bの後述する圧力室に対する油圧の供給をON−OFF的に切り換えるものである。
【0019】
前記バルブリフト制御機構Aは、図2〜図5に示すように構成されている。即ち、各気筒には、2本の吸気弁3,3に対応した単一のメインロッカアーム1が設けられており、このメインロッカアーム1は、基端部1aが各気筒に共通なメインロッカシャフト4を介してシリンダヘッドに揺動自在に支持されている一方、先端部1bが吸気弁3,3のステム頂部に当接している。また、このメインロッカアーム1は、平面略矩形状を呈し、一側部の長手方向に長方形状の開口5が切欠形成されていると共に、他側部の長手方向にも前記開口5よりも面積の大きな略長方形状の矩形孔6が切欠形成されており、この矩形孔6の外側壁1Cの前端側には、該矩形孔6を外部に臨ませる切欠窓7が形成されている。そして、前記開口5には、図5にも示すようにシャフト8にニードルベアリング9を介してローラ10が回転自在に設けられている一方、矩形孔6内にサブロッカアーム2が配置されている。また、前記ローラ10は、図外のクランクシャフトと同期回転するカムシャフト11に有する低速用カム12が転接している。
【0020】
前記サブロッカアーム2は、図4にも示すように基端がサブロッカシャフト13を介してメインロッカアーム2に相対的に揺動自在に支持されていると共に、吸気弁3に当接する部位を有さず、その先端には前記低速用カム12と並設された高速用カム14に摺接するカムフォロア部15が円弧状に突出形成されている。また、その下側には、カムフォロア部15を高速用カム14に押し付けるコイル状のロストモーションスプリング16が介装されている。前記サブロッカシャフト13は、サブロッカアーム2の基端内部に形成された挿通孔2aに摺動自在に挿通していると共に、その両端部13a,13bが基端部1aの矩形孔6両対向位置に穿設された圧入用穴17,17に圧入固定されている。
【0021】
また、メインロッカアーム1には、図4にも示すようにサブロッカアーム2の直下に位置してロストモーションスプリング16を保持する円柱状の凹部18が一体形成されている。ロストモーションスプリング16は、下端が凹部18の底板18aに着座し、その上端が凹部18に摺動自在に嵌合するリテーナ19を介してサブロッカアーム2に一体形成されたフォロア部20を押圧している。
【0022】
図中21はメインロッカアーム1とサブロッカアーム2を適宜連結,解除する連結切換手段であって、この連結切換手段21は、図2及び図3に示すように構成されている。即ち、メインロッカアーム1のローラ10の側部内には、有底円筒状の第1ガイド孔23が幅方向に形成され、この内部に円柱状の短尺なピストン22が摺動自在に保持されていると共に、該ピストン22の背後に油室24が画成されている。一方、サブロッカアーム1には、第1ガイド孔23と同軸上でかつ同一径の第2ガイド孔25が形成されており、この第2ガイド孔25には、一端がリテーナ28により支持されたリターンスプリング26を介して前記ピストン22を油室24方向に付勢するプランジャ27が収納されている。
【0023】
そして、油室24に導かれる作動油圧によりピストン22が第1,第2ガイド孔22,25に渡って嵌合することによりメインロッカアーム1とサブロッカアーム2が一体に連結されるようになっている。一方、油室24内に作動油圧が導入されない場合は、リターンスプリング26のばね力により、ピストン22がプランジャ27を介して油室24側に押されて第1ガイド孔23に収まった状態で両ロッカアーム1,2の連結が解除されるようになっている。
【0024】
また、前記油室24に作動油圧を導く油圧回路29は、図2に示すようにメインロッカシャフト4の内部軸方向に形成されたオイルギャラリ30と、メインロッカシャフト4の半径方向及びメインロッカアーム1の内部を通って油室24とオイルギャラリ30とを連通する油通路31とから構成されている。
【0025】
オイルギャラリ30には、前記油圧切換弁Dを介してオイルポンプの吐出油圧が所定の高速運転時に導かれる。油圧切換弁Dは、3ポート2位置型の電磁弁が用いられ、コントロールユニットCからの制御信号によって作動が制御されるようになっている。
【0026】
前記低速用カム12とこれに隣接する高速用カム14は、それぞれ共通のカムシャフト11に一体形成され、機関の低回転時と高回転時において要求される弁リフト特性を満足するように異なる形状(大きさが異なる相似形も含む)に形成されている。つまり、高速用カム14は、低速用カム12と比べ、弁リフト量と開弁期間の両方を大きくするプロフィールを有している。
【0027】
したがって、このバルブリフト制御機構Aによれば、機関低回転運転時には、メインロッカアーム1が低速用カム12のプロフィールに従って揺動し、各吸気弁3を開閉駆動し、弁の開き角度及びリフト量が図9のX1のように共に小さくなる。
【0028】
尚、このとき、サブロッカアーム2は、高速用カム14によって揺動されるものの、リターンスプリング26の付勢力により各ピストン22及びプランジャ27が各ガイド孔23,25に夫々収まってメインロッカアーム1の動きを妨げることはない。
【0029】
これに対して、機関の高回転運転時(約4000〜5000rpm)には、オイルポンプ32から圧送された作動油圧がオイルギャラリ30および油通路31を介して油室24に導かれると、各ピストン22,プランジャ27は、リターンスプリング26に抗して移動し、ピストン22が各ガイド孔23,25に渡って嵌合する。これによって、両ロッカアーム1,2が一体となって揺動する。ここで、高速用カム14は、低速用カム12に比較して、弁の開き角度およびリフト量が共に大となるように形成されているから、サブロッカアーム2と一体化した揺動時はメインロッカアーム1のローラ10が低速用カム12から浮き上がり、各吸気弁3は高速用カム14のプロフィールに従って開閉駆動され、弁の開き角度およびリフト量が図9のX2のように共に大きくなる。
【0030】
一方、機関運転状態が高回転域から再び低回転域に移行すると、油圧切換弁Dの作動により油室24に導かれる油圧が低下し、リターンスプリング26の弾性復元力によりピストン22及びプランジャ27が元の位置に移動して、メインロッカアーム1の拘束が解除される。
【0031】
これにより、第9図に示すように、低速用カム12のプロフィールに基づくバルブリフト特性(小作動角)X1と高速用カム14のプロフィールに基づくバルブリフト特性(大作動角)X2が合成される。また、低速用バルブリフト特性X1における各吸気弁3の閉弁時期は下死点近傍に設定されている。
【0032】
一方、前記バルブタイミング制御機構Bは、図6に示すように、シリンダヘッドにブラケット40を介して軸支されたカムシャフト11と、クランクシャフトから駆動力が伝達されるスプロケット41との間に設けられており、前記カムシャフト11の前端部11aにスリーブ42が取付ボルト43によって設けられている。このスリーブ42は、外周にアウタ歯42aが形成されていると共に、端部のフランジ部44外周面で前記スプロケット41を回転自在に支持している。
【0033】
前記スプロケット41は、スリーブ42の外周に被嵌した筒状本体45の内周にインナ歯45aが形成されていると共に、該筒状本体45の外端部開口が円環状のカバー部46によって閉塞されている。また、この筒状本体45とスリーブ42との間には軸方向へ移動自在な筒状歯車47が介装されている。
【0034】
この筒状歯車47は、前後2個の歯車構成部からなり、夫々の内外周面には前記アウタ歯42aとインナ歯45aが噛合する両方がはす歯の内外歯47a,47bが形成されている。さらに、この筒状歯車47は、後側の歯車構成部とフランジ部44との間に弾持された圧縮スプリング48のばね力で前側歯車構成部がカバー部46に突き当たるまで前方に付勢されていると共に、カバー部46と前側歯車構成部との間に形成された圧力室49内の油圧によって後側歯車構成部がフランジ部44に突き当たるまで後方移動するようになっている。
【0035】
前記圧力室49には、油圧回路50を介して前記油圧切換弁Eによりオイルポンプ32からの油圧が給・排されるようになっている。前記油圧切換弁Eは、バルブリフト制御機構Aの油圧切換弁Dと同様に3ポート2位置型電磁弁で構成され、コントロールユニットCからの出力信号によって作動が制御されるようになっている。
【0036】
該コントロールユニットCは、機関の回転数だけではなく負荷及び冷却水温度をも制御要素として前記油圧切換弁EをON−OFF制御しており、前述の機関低回転域においてバルブリフト制御機構Aが小作動角X1制御を行っている場合に油圧切換弁Eを制御するようになっている。
【0037】
以下、このコントロールユニットCによる油圧切換弁Eの制御を図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
まず、セクション1で前述のように各センサ類からの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出する。セクション2では、現在の冷却水温度Tが所定値TW以上か否かを判別し、所定値以上と判別した場合はセクション3に進む。このセクション3では、クランク角センサFからの信号に基づいて現在の機関回転数が所定回転数(例えば約3,500rpm)以下か否かを判別し、所定回転数以下であれば、セクション4に移行する。ここでは、図8の特性図で示すようにスロットルバルブの開度量に基づいて現在の機関負荷が中負荷域か否かを判別する。ここで、中負荷域であると判別した場合は、セクション5に移行する。このセクション5では、前記油圧切換弁EのソレノイドにON信号(通電)を出力して、油圧回路50の供給通路を開成する。これによって、後述する各吸気弁3の開閉時期の進角制御を行う。この進角量は、図9のX3(破線)で示すように吸気弁3の閉弁時期が下死点位置よりも十分手前に設定され、開弁時期が高速側バルブリフト特性X2時の開弁時期よりもα分さらに進角した位置に設定されている。
【0039】
一方、前記セクション2で冷却水温が所定値以下(例えば60℃以下)と判断した場合は、セクション6に進み、ここでは油圧切換弁EのソレノイドにOFF信号(非通電)を出力して油圧回路50の供給通路を閉成する。また、セクション3で機関回転数が所定回転数以上であると判別した場合及びセクション4で中負荷以外の低負荷あるいは高負荷域であると判断した場合は、セクション6に進んで、油圧切換弁EにOFF信号を出力して供給通路を閉成する。これによって、吸気弁3の開閉時期の進角制御を行わずに遅角制御を行う。
【0040】
即ち、アイドリング時やアイドリング近傍の低速無負荷あるいは低負荷域では、供給通路が閉成されるため、オイルポンプ32から圧力室49へ作動油圧が供給されない。したがって、筒状歯車47は、図6に示すように圧縮スプリング48のばね力によって最大前方向位置(図示位置)に付勢され、カムシャフト11をスプロケット41に対して回転方向と逆の方向へ相対回動させる。依って、バルブリフト制御機構Aによって小作動角に制御されたバルブリフト特性X1を、図9に示すように遅れ側に保持制御する。
【0041】
したがって、各吸気弁3の閉弁時期Y1を、図9の一点鎖線に示す従来のものよりも下死点近傍としたため、圧縮比を高めることができる。このため、圧縮行程終わりの燃焼温度を高めて良好な燃焼状態を得ることが可能になる。つまり、アイドリング近傍の運転条件では、混合気の流量が絞られるので、燃焼による発熱量が少なくなり、また、燃焼室の壁温も低いため、燃焼速度が遅く燃焼が不安定になり易いが、前述のように圧縮比を高めることができるので、燃焼が改善され、燃費の向上と回転の安定化等が図れる。
【0042】
また、吸気弁3,3の開弁時期は遅らせるため、排気弁とのオーバーラップが小さくなり、燃焼室内に排気ポートから逆流して残留する既燃ガス量を減らすことができる。したがって、この点でも燃焼の改善が図れる。
【0043】
一方、前記低回転中負荷域では、前述のように供給通路が開成されるため、圧力室49に作動油圧が供給されて高圧になる。したがって、筒状歯車47は、圧縮スプリング48のばね力に抗して最大後方向位置(図中右方向)に移動し、カムシャフト11を回転方向と同方向に相対回動させる。依って、バルブリフトは、前述のように図9のX3(破線)で示すように小作動角制御の状態のまま進角側に制御され、各吸気弁3の閉弁時期と開弁時期を十分に早めることができる。したがって、良好な燃焼状態を確保しつつポンプ損失の低減化が図れる。
【0044】
即ち、斯かる中負荷域で各吸気弁3の閉弁時期を早めると、有効な圧縮比が低下して圧縮後の混合気の温度が低下し、燃焼の悪化を招くおそれがある。しかし、この運転域では吸入混合気量も多く、燃焼による発熱量も高くなるため、燃焼室の壁温や残留ガス温度等が上昇して圧縮後の混合気温度も高くなるので、燃焼の悪化を十分に抑制できる。したがって、積極的に各吸気弁3の閉弁時期を早めることによりポンプ損失を低減することが可能になる。換言すれば、各吸気弁3の閉弁時期を早めることを優先させてポンプ損失の低減化による燃費の向上を図るものである。
【0045】
但し、各吸気弁3の閉弁時期を早めすぎると、やがて圧縮温度が低下して燃焼の悪化を招来する。そこで、前述のように、吸気弁3の開弁時期も早めて、排気弁とのオーバーラップを大きくする制御を行った。これにより、燃焼室内の残留ガス割合を増加させて該残留ガスの熱で混合気を暖めることができるので、閉弁時期を早めることによる有効圧縮比の低下が生じても燃焼開始時の燃焼状態が良好になり、燃焼悪化を防止しつつポンプ損失の低減化が図れるのである。
【0046】
さらに、残留ガスを増加させるので、その分、気筒内の吸気行程時における負圧が小さくなり(圧力が上昇する)、この点からもポンプ損失の低減化が図れる。
【0047】
次に、低回転高負荷域では、前記低回転無負荷域あるいは低負荷域と同じ制御を行い、吸気弁3の閉時期を遅らせて下死点近傍とするため、有効な吸気行程を長くすることができ、これによって吸気充填効率の向上が図れ、出力トルクを高めることが可能になる。
【0048】
また、各吸気弁3の開弁時期も遅らせたため、排気弁とのオーバーラップが小さくなり、残留ガスの減少化によってノッキングの発生を防止することができる。
【0049】
しかも、本実施例では、前述のように低回転中負荷域における進角制御は、冷却水温度TWが所定値以下(例えば60℃)の場合は行わないようにしたため、燃焼の悪化を防止できる。
【0050】
また、前記進角制御における各吸気弁3の開弁時期を高速用バルブリフトの開弁時期よりも進角させたため、各吸気弁3の早閉じとオーバーラップ大による効果を従来よりもさらに大きくすることができる。即ち、従来では、構造上の点(バルブリフト制御機構Aのメインロッカアーム1とサブロッカアーム2が高回転,低回転運転を問わず常に揺動している構造のもの)から低速用バルブリフトを高速用バルブリフトの前後へはみ出させることはできないが、本実施例では高低バルブリフトの切り換えと位相の変換とを夫々別個に制御することができるため、前述のような進角制御が可能になり、より高いレベルの効果を得ることができるのである。
【0051】
尚、低回転中負荷域において、図9に示す高速用の大バルブリフト特性X2に制御すると、各吸気弁3の閉弁時期を通常機関の吸気弁閉時期(図9の一点鎖線参照)よりもさらに遅らせることによってポンプ損失の低減効果が得られると共に、吸気弁3の開弁時期が通常機関の閉弁時期より進み側となって排気弁とのバルブオーバーラップ量が大きくなって残留ガスによる混合気の加熱作用が一層向上するが、バルブリフト量が大きくなるため、動弁駆動損失つまり摺動摩擦抵抗が大きくなってしまい、出力トルクが低下するおそれがある。
【0052】
これに対し、本実施例では、低速用バルブリフト特性X3を選択するため、各吸気弁3の小さな開口部によって混合気が絞られ、燃焼室内でのスワールが強化され、燃焼が良好になると共に、小バルブリフトにより動弁駆動損失が小さくなり、出力トルクを向上させることができる。また、各吸気弁3の閉弁時期を進ませる方が気筒内断熱膨張作用により一時的に大きな負圧になるため、燃料の気化が促進されて燃焼が良好になるといった種々の利点がある。
【0053】
図10は、本発明を排気弁に適用したバルブリフト特性を示しており、一点鎖線は高速用バルブリフト特性XE3を、実線は低速用バルブリフト特性XE4、二点鎖線は低速用バルブリフト特性の閉弁時期を進角側(進み側)に制御した進角側低バルブリフト特性XE1、破線は低速用バルブリフト特性の閉弁時期を遅角側(遅れ側)に制御した遅角側低バルブリフト特性XE2をそれぞれ示している。即ち、アイドリングやアイドリング近傍の機関の低速低負荷域(バルブリフト制御)では、機構Aによって低速用カムのプロフィールに基づく低速用バルブリフト特性XE4に切り換わり、さらにバルブタイミング制御機構BによってXE4をさらにXE1に示すように進角側(進み側)に制御する。したがって、排気弁は、下死点位置近傍で開弁し、上死点位置近傍で閉弁するので膨張行程が長くなると共に、吸気弁3とのオーバラップ量も少なくなるので燃焼の悪化が防止されて、燃費の向上が図れる。
【0054】
次に、機関の低回転中負荷域では、低速用バルブリフト特性XE4をバルブタイミング制御機構BによってXE2に示すように遅角側(遅れ側)に制御する。したがって、排気弁の閉弁時期を高速用カムのカムプロフィールに基づいた高速用バルブリフト特性XE3の閉弁時期より遅らせることができるので、吸気管に逆流した既燃ガス(残留ガス)を燃焼室内に吸い戻す作用が大きくなる。このため、該残留ガスの加熱作用により混合気が暖められ燃焼効率が良好となる。
【0055】
尚、排気弁の閉弁時期を上死点前まで進角(進み側)させることにより、前記残留ガスの加熱作用を行うことができる。即ち、この場合は既燃ガス(残留ガス)を燃焼室内に封じ込めるようにしている(図10のXE1参照)。以上説明した封じ込め作用及び吸い戻し作用は、機関の排気行程終期のHC濃度の濃い排気を燃焼室内に封じ込めあるいは吸い戻して次の行程で再燃焼させることができるので、HCの低減化が図れる。また、小バルブリフトにより動弁駆動損失が小さくなり、出力トルクを向上させることができる。
【0056】
本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、制御要素としての機関温度は冷却水温以外に潤滑油温であってもよい。また、制御要素の機関回転数上限値は機関の仕様等によって任意に設定することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1の発明によれば、機関低回転無負荷あるいは低負荷時には、小作動角の位相状態における吸気弁の閉時期を下死点近傍の遅角側に変換したため、圧縮比を高めることができ、これによって圧縮行程終わりの燃焼温度を高めて良好な燃焼状態を得ることができる。
【0058】
また、機関低回転中負荷時には、小作動角の位相を進角側に制御して、吸気弁の閉弁時期を下死点位置よりも十分に早くなるようにしたため、機関のポンプ損失を低減させることが可能になる。また、同時に吸気弁の開弁時期も早くなるため、排気弁とのオーバーラップが大きくなり、気筒内の高温な残留ガス割合が増加して吸入された混合気を暖めることができる。したがって、吸気弁の閉弁時期の大きな進角制御によって有効圧縮比が低下しても燃焼開始時(圧縮行程終わり)の混合気温度が上昇して良好な燃焼が得られる。
【0059】
しかも、機関高負荷時には、吸気弁の閉時期を遅らせて下死点近傍とするため、有効な吸気行程を長くすることができ、これによって、吸気充填効率の向上が図れ、出力トルクを高めることができる。
【0060】
また、請求項2の発明によれば、機関温度が所定値以下の場合は、吸気弁の進角制御を行わないため、燃焼の悪化を防止できる。
【0061】
さらに、請求項3の発明によれば、機関低回転中負荷時における吸気弁の開時期を大作動角時の開時期よりも進角側に制御したため、ポンプ損失の低減効果を一層助長できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図。
【図2】本実施例のバルブリフト制御機構を示す平面図。
【図3】図2のI−I線断面図。
【図4】図2のJ−J線断面図。
【図5】図2のK−K線断面図。
【図6】本実施例のバルブタイミング制御機構を示す断面図。
【図7】本実施例の制御態様を示すフローチャート図。
【図8】スロットル開度と負荷との関係を示す特性図。
【図9】本実施例におけるバルブリフトとバルブタイミング特性を示す図。
【図10】排気弁側に適用した実施例におけるバルブリフトとバルブタイミング特性を示す図。
【図11】従来のバルブリフト特性図。
【図12】 クランク角とポンプ損失の関係を示す説明図。
【符号の説明】
A…バルブリフト制御機構
B…バルブタイミング制御機構
C…コントロールユニット(コントローラ)
D・E…油圧切換弁
3…吸気弁
11…カムシャフト[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a valve operating apparatus for an internal combustion engine in which valve lift characteristics are switched while variably controlling valve timing.
[0002]
[Prior art]
For internal combustion engines for automobiles, the lift characteristics of the intake valve or exhaust valve are made different according to the driving state in order to achieve both improvement in fuel efficiency during low and medium speed operation and improvement in output torque during high speed operation. A device having a valve lift control mechanism for controlling intake / exhaust timing or intake / exhaust amount by this is known (for example, see Japanese Patent Application Laid-Open No. Sho 62-121811, etc.).
[0003]
This is because, for example, the low-speed rocker arm whose rocking tip abuts on the intake valve and the high-speed rocker arm that is adjacent to one side of the low-speed rocker arm and does not have a contact portion with the intake valve swing on a common rocker shaft. It is supported movably. The low-speed rocker arm is in sliding contact with the low-speed cam, and the high-speed rocker arm is in sliding contact with the high-speed cam having a profile in which the valve opening angle or valve lift amount is larger than that of the low-speed cam.
[0004]
Further, each rocker arm is provided with connection switching means including a plunger, a guide hole, and the like for integrally connecting or releasing the rocker arms.
[0005]
Then, the connection switching means is controlled based on the output signal from the controller in accordance with the current engine operating state, and when the engine is running at low speed, the connection of the rocker arms is released and the low speed side as shown by the solid line in FIG. The valve lift characteristics (small operating angle) are connected to each other, and the rocker arms are connected together at high revolutions to selectively switch to the valve lift characteristics (large operating angle) on the high speed side as shown by the one-dot chain line in FIG. ing. This reduces the valve lift amount of the intake valve at low speeds and controls the valve closing timing to be earlier than the bottom dead center to minimize mechanical loss such as engine pump loss and friction. Thus, while improving fuel economy and the like, at high speed, the intake valve charging amount is increased and the valve opening timing is advanced to improve intake charging efficiency and ensure sufficient output.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional apparatus, the valve lift characteristic is simply converted into a fixed small operating angle by the valve lift control mechanism at the time of low engine rotation, and the valve opening timing of the intake valve is retarded (delayed). The valve closing timing is merely advanced (advanced). Therefore, since control is not performed according to changes in load other than various engine operating states, that is, the rotation speed, it is difficult to sufficiently exhibit engine performance.
[0007]
That is, for example, in the low rotation and low load range, the small operation angle control as described above can achieve the effects of improving combustion, reducing pump loss, etc., but compared with the case where the large operation angle is controlled at the time of high rotation. Since the intake charging efficiency of each differs greatly, a large output change, that is, a large torque shock occurs when the large and small operating angles are switched. As a result, driving becomes unstable. Therefore, the control for improving the fuel consumption is naturally limited only by the small operation angle control by the valve lift control mechanism by simply reducing the overlap with the exhaust valve or by advance the closing timing of the intake valve. End up.
[0008]
In particular, in the low-rotation load range, the closing timing of the intake valve can be advanced from the closing timing at the large operating angle by small operating angle control, but the amount of advance is limited. Thus, it is only slightly advanced from the bottom dead center position, and cannot be sufficiently advanced. Therefore, there is a problem that the effect of reducing the pump loss, that is, the improvement of fuel consumption becomes insufficient. That is, as shown in FIG. 12, the pump loss becomes the largest when the closing timing of the intake valve is in the vicinity of the bottom dead center (BDC). Therefore, the pump loss cannot be sufficiently reduced with the limited advance amount.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been devised in view of the above-mentioned conventional problems, and the invention of
[0010]
The invention according to
[0011]
The invention according to
[0012]
[Action]
According to the invention of
[0013]
Also,When the engine is running at low engine speed, the phase of the small operating angle is controlled to the advanced angle side so that the closing timing of the intake valve is sufficiently earlier than the bottom dead center position, thus reducing the pump loss of the engine. Is possible. At the same time, since the opening timing of the intake valve is also advanced, the overlap with the exhaust valve is increased, and the ratio of hot residual gas in the cylinder is increased to warm the intake air-fuel mixture. Therefore, as described above, even when the effective compression ratio decreases due to the large advance angle control of the intake valve closing timing, the mixture temperature at the start of combustion (end of the compression stroke) rises and good combustion is obtained.
[0014]
Moreover, when the engine is heavily loaded, the intake valve closing timing is delayed so that it is close to bottom dead center, so that the effective intake stroke can be lengthened, thereby improving the intake charge efficiency and increasing the output torque. Can do.
[0015]
According to the second aspect of the present invention, the advance angle control is performed only when the engine temperature (oil temperature, water temperature, etc.) is equal to or higher than a predetermined temperature, and the retard angle side control is maintained without being performed below the predetermined temperature. Combustion deterioration due to early closing of the intake valve and large overlap can be prevented.
[0016]
According to the invention of
[0017]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described below in detail with reference to the drawings. In this embodiment, the present invention is applied to an engine having two intake valves per cylinder.
[0018]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the overall configuration of the present embodiment, in which A is a valve lift control mechanism provided on the
[0019]
The valve lift control mechanism A is configured as shown in FIGS. That is, each cylinder is provided with a single
[0020]
As shown in FIG. 4, the
[0021]
Further, as shown in FIG. 4, the
[0022]
In the figure,
[0023]
The
[0024]
The
[0025]
The
[0026]
The low-
[0027]
Therefore, according to this valve lift control mechanism A, the
[0028]
At this time, although the
[0029]
On the other hand, when the operating hydraulic pressure pumped from the
[0030]
On the other hand, when the engine operating state shifts from the high rotation range to the low rotation range again, the hydraulic pressure guided to the
[0031]
As a result, as shown in FIG. 9, the valve lift characteristic (small operating angle) X1 based on the profile of the
[0032]
On the other hand, the valve timing control mechanism B is provided between a
[0033]
The
[0034]
This
[0035]
The
[0036]
The control unit C controls the hydraulic switching valve E on and off using not only the engine speed but also the load and cooling water temperature as control elements, and the valve lift control mechanism A operates in the engine low speed range. The hydraulic switching valve E is controlled when the small operating angle X1 control is performed.
[0037]
Hereinafter, the control of the hydraulic switching valve E by the control unit C will be described with reference to the flowchart of FIG.
[0038]
First, in
[0039]
On the other hand, if it is determined in
[0040]
That is, when idling or near idleNo load orIn the low load range, the supply passage is closed, so that the hydraulic pressure is not supplied from the
[0041]
Therefore, the closing timing Y1 of each
[0042]
Further, since the opening timing of the
[0043]
On the other hand, in the low rotation and middle load region, the supply passage is opened as described above, so that the operating hydraulic pressure is supplied to the
[0044]
That is, if the closing timing of each
[0045]
However, if the closing timing of each
[0046]
Further, since the residual gas is increased, the negative pressure during the intake stroke in the cylinder is reduced correspondingly (the pressure is increased), and the pump loss can be reduced from this point.
[0047]
Next, in the low rotation high load region, the low rotation no load regionOr low load rangeThe same control as above is performed, and the closing timing of the
[0048]
Further, since the opening timing of each
[0049]
In addition, in the present embodiment, as described above, the advance angle control in the low rotation and middle load range is not performed when the cooling water temperature TW is equal to or lower than a predetermined value (for example, 60 ° C.), so that deterioration of combustion can be prevented. .
[0050]
Further, since the opening timing of each
[0051]
In the low-rotation middle load rangeLeave, For high speed shown in FIG.LargeWhen the valve lift characteristic X2 is controlled,The closing timing of each
[0052]
On the other hand, in the present embodiment, since the low-speed valve lift characteristic X3 is selected, the air-fuel mixture is throttled by the small openings of the
[0053]
FIG. 10 shows the valve lift characteristics when the present invention is applied to an exhaust valve. The one-dot chain line shows the high-speed valve lift characteristic XE3, the solid line shows the low-speed valve lift characteristic XE4, and the two-dot chain line shows the low-speed valve lift characteristic. The advanced side low valve lift characteristic XE1 with the valve closing timing controlled to the advanced side (advance side), and the broken line the retarded side low valve with the valve closing timing of the low speed valve lift characteristic controlled to the retarded side (delayed side) The lift characteristics XE2 are shown respectively. That is, in the low speed and low load range (valve lift control) of the engine near idling or idling, the mechanism A switches to the low speed valve lift characteristic XE4 based on the profile of the low speed cam, and further the XE4 is further controlled by the valve timing control mechanism B. As shown by XE1, control is made to the advance side (advance side). Therefore, the exhaust valve opens near the bottom dead center position and closes near the top dead center position, so that the expansion stroke is lengthened and the overlap amount with the
[0054]
Next, in a low-rotation middle load region of the engine, the low-speed valve lift characteristic XE4 is controlled to the retard side (delay side) as indicated by XE2 by the valve timing control mechanism B. Therefore, the closing timing of the exhaust valve can be delayed from the closing timing of the high-speed valve lift characteristic XE3 based on the cam profile of the high-speed cam, so the burned gas (residual gas) flowing back to the intake pipe is The action of sucking back is increased. For this reason, the air-fuel mixture is warmed by the heating action of the residual gas, and the combustion efficiency is improved.
[0055]
The residual gas can be heated by advancing the valve closing timing of the exhaust valve to the position before top dead center (advance side). That is, in this case, burned gas (residual gas) is contained in the combustion chamber (see XE1 in FIG. 10). The containment action and the suction action described above can reduce or reduce the HC because the exhaust having a high HC concentration at the end of the exhaust stroke of the engine can be contained or sucked back into the combustion chamber and recombusted in the next stroke. Further, the valve drive loss is reduced by the small valve lift, and the output torque can be improved.
[0056]
The present invention is not limited to the above embodiment, and the engine temperature as the control element may be the lubricating oil temperature in addition to the cooling water temperature. Further, the upper limit value of the engine speed of the control element can be arbitrarily set according to the engine specifications and the like.
[0057]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the invention of
[0058]
In addition, when the engine is running at low speed, the phase of the small operating angle is controlled to the advanced side so that the closing timing of the intake valve is sufficiently earlier than the bottom dead center position, reducing engine pump loss. It becomes possible to make it. At the same time, since the opening timing of the intake valve is also advanced, the overlap with the exhaust valve is increased, and the ratio of hot residual gas in the cylinder is increased to warm the intake air-fuel mixture. Therefore, even if the effective compression ratio decreases due to a large advance control of the intake valve closing timing, the mixture temperature at the start of combustion (end of the compression stroke) rises and good combustion can be obtained.
[0059]
Moreover, when the engine is heavily loaded, the intake valve closing timing is delayed so that it is close to bottom dead center, so that the effective intake stroke can be lengthened, thereby improving the intake charge efficiency and increasing the output torque. Can do.
[0060]
According to the second aspect of the present invention, when the engine temperature is equal to or lower than the predetermined value, the advance control of the intake valve is not performed, so that deterioration of combustion can be prevented.
[0061]
Further, according to the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall configuration diagram showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a plan view showing a valve lift control mechanism of the present embodiment.
3 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
4 is a sectional view taken along line JJ of FIG.
5 is a cross-sectional view taken along the line KK in FIG.
FIG. 6 is a sectional view showing a valve timing control mechanism of the present embodiment.
FIG. 7 is a flowchart showing a control mode of the embodiment.
FIG. 8 is a characteristic diagram showing the relationship between the throttle opening and the load.
FIG. 9 is a view showing valve lift and valve timing characteristics in the present embodiment.
FIG. 10 is a diagram showing valve lift and valve timing characteristics in an embodiment applied to the exhaust valve side.
FIG. 11 is a conventional valve lift characteristic diagram.
FIG. 12 is an explanatory diagram showing the relationship between the crank angle and the pump loss.
[Explanation of symbols]
A ... Valve lift control mechanism
B ... Valve timing control mechanism
C ... Control unit (controller)
D · E ... Hydraulic switching valve
3 ... Intake valve
11 ... Camshaft
Claims (3)
機関低回転時において前記バルブリフト制御機構により小作動角に制御された位相を、機関の無負荷あるいは低負荷時には、前記バルブタイミング制御機構によって吸気弁の閉時期を下死点近傍の遅角側に変換すると共に、中負荷時には、吸気弁の開閉時期を進角側に変換し、さらに、高負荷時には、吸気弁の閉時期を前記下死点近傍の遅角側に変換したことを特徴とする内燃機関の動弁装置。A valve lift control mechanism for switching the valve lift characteristic of the intake valve to a small valve operating angle in the low engine speed range and a large valve operating angle in the high engine speed range based on an output signal from the controller that detects the engine operating state; A valve timing control mechanism comprising: a valve timing control mechanism that converts a phase of the valve operating angle based on an output signal from a controller and switches an opening / closing timing of the intake valve to an advance side or a retard side;
The phase controlled to a small operating angle by the valve lift control mechanism at the time of low engine rotation is set to the retard side near the bottom dead center by the valve timing control mechanism at the time of no load or low load of the engine. In addition , the intake valve opening / closing timing is converted to the advance side during medium load, and the intake valve closing timing is converted to the retard side near the bottom dead center during high load. A valve operating apparatus for an internal combustion engine.
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