JP3888431B2 - Wire harness protective material and wire harness using the same - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネスに関し、更に詳しくは、ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆されたハロゲンフリー絶縁電線（単に「ＨＦ電線」ともいう）からなる電線束（単に「ＨＦ単独電線束」ともいう）又はその一部を塩化ビニル樹脂材料により電気導体が被覆されたＰＶＣ絶縁電線（単に「ＰＶＣ電線」ともいう）に代えてなる電線束（単に「混在電線束」ともいう）の周囲に被覆して用いられる粘着剤付きテープ状、チューブ状又はシート状のワイヤハーネス保護材及び、これをＨＦ単独電線束又は混在電線束の周囲に被覆して得られるワイヤハーネスに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車その他の車両用配線に使用されるワイヤハーネスは、組立電線とも云われ、適切な仕様と太さの電線を選定して切って束ねて電線束としたものを、チューブに通したりシートでくるんだりしてテーピングしてまとめ、各種部品を取り付けてひとまとめの部品にしたものである。電線としては、一般的に、銅線を何本か束ねてポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）樹脂の被覆をかぶせたＰＶＣ電線が使用され、銅線としては、やきなましをした軟銅のほか、すずめっき軟銅線が用いられる。また、テープとしては、ＰＶＣ樹脂からなる基材に粘着剤の層（粘着層）を設けたＰＶＣテープが、その他外装保護材としてはＰＶＣチューブ及びＰＶＣシートが広く使用されている。すなわち、電線の絶縁被覆材の他、テープ、チューブ、シートその他の電線保護材並びにワイヤハーネス保護材にもＰＶＣ樹脂が一般的に使用されている。
【０００３】
ところが、絶縁電線として広く使用されてきたＰＶＣ電線について、最近、環境問題対策の一環として代替品の検討がなされており、例えば、ノンハロゲンのポリオレフィンに難燃剤として無機の充填剤を多量に添加したようなハロゲンフリー電線が提案されている。
【０００４】
そこで、発明者らは、ＨＦ単独電線束にＰＶＣチューブ、シートを装着し、粘着剤付きＰＶＣテープでＰＶＣチューブ、シートの両端を結束したワイヤハーネスや、混在電線束にＰＶＣチューブ、シートを装着し、粘着剤付きＰＶＣテープでＰＶＣチューブ、シート（単に「ＰＶＣ保護材」ともいう）の両端を結束したワイヤハーネス（図１〜図３参照）を作製し、各ワイヤハーネスについて熱老化性能を調べた。その結果、混在電線束のワイヤハーネスの熱老化性能は、ＨＦ単独電線束のワイヤハーネスの熱老化性能と比べて著しく劣ることが判明した。発明者らは、その熱老化性能の違いの原因を調査したところ、可塑剤の移行が原因ではないかと見当をつけるに至った。
【０００５】
第一に、ＨＦ電線は初めから所定量の老化防止剤が含有されているが、この老化防止剤は、ＰＶＣ保護材から可塑剤が移行してくるとこれに溶け、可塑剤は、老化防止剤をのせた状態で、ＨＦ電線から老化防止剤の濃度勾配の低いＰＶＣ保護材へ戻る。そのため、ＨＦ電線から老化防止剤が減少し、ＨＦ電線の老化が促進されると考えられる。従って、老化防止剤の拡散を阻止する必要があるが、そのためには、担体としての可塑剤の移行を阻止することが有効であると考えられる。
【０００６】
第二に、ＰＶＣ保護材に含有されている可塑剤は、ＨＦ電線へ移行すると銅線と反応して銅のイオン化を促進させるため、銅害の原因の一つとなる。銅イオンは、触媒となって電線被覆ポリマーの化学結合を切断し、電線被覆ポリマーを劣化させると考えられるからである。従って、銅のイオン化を抑制する必要があるが、そのためには、銅と反応する可塑剤の移行を阻止することが有効であると考えられる。
【０００７】
第三に、ＰＶＣ保護材に含有されている可塑剤は、上述したようにＨＦ電線へ移行すると銅線と反応して銅のイオン化を促進させるため、ＨＦ電線に初めから所定量含有されている銅害防止剤の消費過多の原因となる。ＨＦ電線に初めから所定量含有されている銅害防止剤は、「ＰＶＣ保護材を通ってＨＦ電線に入り込んだ空気中の水分が銅線と反応することにより発生した銅イオンを安定化させるためのもの」であって、可塑剤の影響による銅イオンを安定化させるためのものではないからである。従って、銅害防止剤の消費量を減らす必要があるが、そのためには、銅のイオン化を抑制すること、ひいては、可塑剤の移行を阻止することが有効であると考えられる。
【０００８】
第四に、ＨＦ電線に含有されている銅害防止剤は、ＰＶＣ保護材から可塑剤が移行してくるとこれに溶け、可塑剤は、銅害防止剤をのせた状態で、ＨＦ電線から銅害防止剤の濃度勾配の低いＰＶＣ保護材へ戻る。そうすると、銅害防止剤は、空気中の水分及び可塑剤の影響により発生した銅イオンの安定化に消費されるうえに、可塑剤にのってＨＦ電線からＰＶＣ保護材へ拡散するため、相乗効果的に減少すると考えられ、ますます、ＨＦ電線の老化が促進される。従って、銅害防止剤の拡散・減少を阻止する必要があるが、そのためには、担体としての可塑剤の移行を阻止することが有効であると考えられる。
【０００９】
更に、発明者らは、電線束にノンハロゲンのポリエチレンやポリプロピレン等を用いたチューブ、シート（単に「ＨＦ保護材」ともいう）を装着し、ノンハロゲンの粘着剤付きテープ（ＨＦ保護材）で当該チューブ、シートを結束したワイヤハーネスの場合についても熱老化試験を行った。この場合にも、混在電線束からなるワイヤハーネスの熱老化性能は、ＨＦ単独電線束からなるワイヤハーネスの熱老化性能と比べて著しく劣ることが判明した。その原因は、混在電線束の場合には、ＰＶＣ電線とＨＦ電線との間で上記と同様の可塑剤の移行等が起こるためと考えられる。この場合においてもやはり老化防止剤や銅害防止剤の拡散を阻止したり、可塑剤の移行を阻止したりすることが必要になる。
【００１０】
そこで、発明者らは試行錯誤を重ねた結果、ＰＶＣ保護材の基材に吸着剤を含有させるようにすれば、可塑剤を吸着剤で吸着することができ、可塑剤の移行を阻止できるのではないかとの結論に達した。また、老化防止剤や銅害防止剤の拡散については、ＨＦ電線とＰＶＣ保護材との間又はＨＦ電線とＰＶＣ電線との間における老化防止剤や銅害防止剤の適度な濃度平衡を保てば、可塑剤の移行を阻止し得ないその若干の移行を許したとしてもＨＦ電線からＰＶＣ保護材やＰＶＣ電線へ老化防止剤や銅害防止剤が拡散するのを阻止できるのではないかとの結論に達した。
【００１１】
本発明の解決しようとする課題は、ＨＦ単独電線束又はその一部をＰＶＣ電線に代えてなる混在電線束が用いられるワイヤハーネスにおいて、ワイヤハーネス保護材として粘着剤付きテープ状、チューブ状又はシート状の保護材が用いられた時に、可塑剤の移行を阻止することにより及び、ＨＦ電線からＰＶＣ保護材若しくはＰＶＣ電線への老化防止剤や銅害防止剤の拡散を阻止することにより、熱老化性能に優れたワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネスを提供することにある。これにより、ワイヤハーネスの電線品質の安定化と恒久的使用を達成しようとするものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材は、ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆され、かつ、その被覆材中に老化防止剤及び／又は銅害防止剤を含んだハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を塩化ビニル樹脂材料により電気導体が被覆されたＰＶＣ絶縁電線に代えてなる電線束の周囲に被覆して用いられる粘着剤付きテープ状、チューブ状又はシート状のワイヤハーネス保護材であって、当該粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状物の基材は、塩化ビニル樹脂材料からなり、当該基材には、吸着剤と、老化防止剤及び／又は銅害防止剤とが含有されていることを要旨とするものである。
【００１３】
本発明では、「ハロゲンフリー絶縁電線」の電線被覆材に使用されるベースポリマーとしては、オレフィン系のプロピレンポリマー（ホモポリマー及びプロピレンランダム又はブロックコポリマー）、ポリエチレン（高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等）、ポリブテンポリマー、エチレン共重合体（エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等）、オレフィン系エラストマー（ポリプロピレン−エチレン／プロピレン共重合体等）又はこれら共重合体中の不飽和二重結合を水素添加により飽和した共重合体等が好適なものとして挙げられる。これらポリマーは、単独で又は２種以上の混合物として用いることができる。これに難燃剤として水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水和物等のハロゲンを全く含まない難燃剤を添加する。そして、銅害防止剤、老化防止剤、更に必要に応じて加工助剤等を添加したり、更には架橋を施し耐熱性を向上させることもある。また、低ハロゲンのものとしては、難燃性として臭化物系のもの、あるいはＰＶＣ樹脂よりはハロゲン化率の低いハロゲン含有の樹脂を用いて難燃性を付与するものも概念的には含まれる。
また、「ＰＶＣ絶縁電線」の場合は、ＰＶＣ樹脂に柔軟性を付与し材料の加工性を改善したり、あるいは材料コストを下げるために、樹脂との混合性も良く、耐水性や電気絶縁性等にも優れた可塑剤が配合される。これに更に老化防止剤を添加してもよい。
更に、ハロゲンフリー絶縁電線及びＰＶＣ絶縁電線の「電気導体」としては、やきなましをした軟銅のほか、すずめっき軟銅線が好適なものとして挙げられるが、タングステン線等でもよく、これらに限定されるものではない。
また、「基材」としては、塩化ビニル樹脂材料からなるものを用いる。「塩化ビニル樹脂材料」としては、ＰＶＣ樹脂に柔軟性を付与し材料の加工性を改善したり、あるいは材料コストを下げるために、樹脂との混合性も良く、耐水性や電気絶縁性等にも優れた可塑剤を配合したものが望ましい。
また、「吸着剤」としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー等が好適なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【００１４】
上記構成を有するワイヤハーネス保護材によれば、当該粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状物の基材には吸着剤が含有されているため、当該ワイヤハーネス保護材は、優れた熱老化性能が維持される。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【００１５】
また、塩化ビニル樹脂材料からなる当該基材に吸着剤が含有されているものであるから、当該吸着剤により可塑剤が吸着され、当該粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状物からハロゲンフリー絶縁電線への可塑剤の移行が阻止される。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【００１６】
また、当該基材には、老化防止剤及び／又は銅害防止剤が含有されているので、ハロゲンフリー絶縁電線の電線被覆材中の老化防止剤及び／又は銅害防止剤がワイヤハーネス保護材へ拡散することが阻止されて、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
また、電気導体が銅線の場合には、ハロゲンフリー絶縁電線の電線被覆材中の銅害防止剤は、「空気中の水分が銅線と反応することにより発生した銅イオン」を安定化させるべく有効に消費されることになり、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【００１７】
ここで、前記吸着剤は、とりわけ、カーボンブラック又はシリカのいずれかであるとよい。
前記吸着剤をカーボンブラックとした場合には、少なくとも当該基材の耐久性が向上するし、また、前記吸着剤をシリカとした場合には、少なくとも当該基材の耐熱性や耐酸性が向上する。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【００１８】
また、前記吸着剤の含有量は、前記基材のベースポリマー１００重量部に対して１重量部〜１５０重量部の範囲とされていることが望ましい。１重量部未満だと効果がなく、１５０重量部を超えると作業性がよくないからである。更に好ましくは、５重量部〜１００重量部の範囲とされていることが望ましい。５重量部を下回るとやや効果が弱くなり、１００重量部を超えるとやや作業性が悪くなるからである。
【００１９】
また、前記基材の老化防止剤の含有量は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の老化防止剤の有機ポリマーに対する割合量とほぼ等しくされており、及び／又は、前記基材の銅害防止剤の含有量は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポリマーに対する割合量若しくはその二分の一相当量とほぼ等しくされていることが望ましい。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線とワイヤハーネス保護材との間で老化防止剤及び／又は銅害防止剤の「拡散を生じさせるような濃度勾配」がほぼなくなり、老化防止剤及び／又は銅害防止剤の拡散が阻止される。そのため、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
ここで、「基材の老化防止剤の割合量」とは、基材中における老化防止剤の有機ポリマーに対する割合（％）をいい、「電線の老化防止剤の割合量」とは、電線中における老化防止剤の有機ポリマーに対する割合（％）をいう。同様に、「基材の銅害防止剤の割合量」とは、基材中における銅害防止剤の有機ポリマーに対する割合（％）をいい、「電線の銅害防止剤の割合量」とは、電線中における銅害防止剤の有機ポリマーに対する割合（％）をいう。
【００２０】
一方、本発明の二つめに係るワイヤハーネス保護材は、ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆され、かつ、その被覆材中に老化防止剤及び／又は銅害防止剤を含んだハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を塩化ビニル樹脂材料により電気導体が被覆されたＰＶＣ絶縁電線に代えてなる電線束の周囲に被覆して用いられる粘着剤付きテープ状のワイヤハーネス保護材であって、当該粘着剤付きテープ状物の基材は、塩化ビニル樹脂材料からなり、当該基材及び／又は粘着剤には、吸着剤と、老化防止剤及び／又は銅害防止剤とが含有されていることを要旨とするものである。
【００２１】
ここで、前記吸着剤は、とりわけ、カーボンブラック又はシリカのいずれかであるとよい。
また、前記吸着剤の含有量は、前記基材のベースポリマー１００重量部に対して１重量部〜１５０重量部の範囲とされていることが望ましい。
また、前記基材及び／又は粘着剤の老化防止剤の含有量は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の老化防止剤の有機ポリマーに対する割合量とほぼ等しくされており、及び／又は、当該基材及び／又は粘着剤の銅害防止剤の含有量は、その有機ポリマーに対する割合量が前記ハロゲンフリー絶縁電線の銅害防止剤の有機ポリマーに対する割合量若しくはその二分の一相当量とほぼ等しくされていることが望ましい。
【００２２】
この本発明の二つめに係るワイヤハーネス保護材は、主に、吸着剤と、老化防止剤及び ／又は銅害防止剤とを、粘着剤中に含有しうる点で、本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材と異なっているだけである。そのため、上述した本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材と同等のことがいえる。
【００２３】
また、本発明の三つめに係るワイヤハーネスは、ハロゲン元素を全く含まないかハロゲン元素の含有量が少なくとも塩化ビニル樹脂よりも低いハロゲンフリー樹脂材料により電気導体が被覆され、かつ、その被覆材中に老化防止剤及び／又は銅害防止剤を含んだハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を塩化ビニル樹脂材料により電気導体が被覆されたＰＶＣ絶縁電線に代えてなる電線束の周囲が上述したワイヤハーネス保護材により被覆されていることを要旨とするものである。
【００２４】
上記構成を備えたワイヤハーネスによれば、電線束の周囲に被覆される上記ワイヤハーネス保護材には、吸着材が含有されているため、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。また、このワイヤーハーネスは、当該基材が塩化ビニル樹脂材料からなるが、当該吸着剤により可塑剤が吸着されるので、当該ワイヤハーネス保護材からハロゲンフリー絶縁電線への可塑剤の移行が阻止される。そのため、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【００２５】
ここで、前記ハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部を前記ＰＶＣ絶縁電線に代えてなる電線束の各電線の電線被覆材には銅害防止剤及び／又は老化防止剤が含有されているとよい。ハロゲンフリー絶縁電線から塩化ビニル絶縁電線又はワイヤハーネス保護材へ当該銅害防止剤及び／又は当該老化防止剤が拡散することがないからである。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下が阻止される。
【００２６】
尚、各電線及びワイヤハーネス保護材に含有される銅害防止剤や老化防止剤は、同種であることが望ましい。銅害防止剤や老化防止剤としては各種のものがあるが、お互いに同種類のものを用いることにより適度な濃度平衡の維持が一層効果的になされるからである。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図１〜図３は、本発明の一実施形態に係るワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネスの外観を示したものであり、図１がワイヤハーネス保護材としての粘着剤付きテープ１０を電線束１２の周囲に巻き付けて被覆したワイヤハーネス１４の外観を示し、図２がワイヤハーネス保護材としてのチューブ１６に電線束１２を通すことにより電線束１２を被覆したワイヤハーネス１８と、ワイヤハーネス保護材としてのチューブ１６に電線束１２を通すことにより電線束１２を被覆し、更に当該チューブ１６の端縁の周囲をテープ２２で巻き付けて結束したワイヤハーネス１９の外観を示し、図３がワイヤハーネス保護材としてのシート２０を電線束１２の周囲に被覆し、更にその周囲をテープ２２で巻き付けて結束したワイヤハーネス２４と、ワイヤハーネス保護材としてのシート２６に予め粘着剤２８を付与したものを電線束１２に被覆し、粘着剤２８を付与した部分で結束したワイヤハーネス３０を示している。
【００２８】
粘着剤付きテープ１０、チューブ１６及びシート２０、２６の基材には、ＰＶＣ樹脂が用いられる。また、電線束１２は、ＨＦ電線のみからなるＨＦ単独電線束又はその一部をＰＶＣ電線に代えてなるＨＦ電線とＰＶＣ電線とが混在した混在電線束からなり、電線３２の電気導体３４は７本の軟銅線からなる。これらの図ではいずれも３０本の電線からなる電線束をワイヤハーネス保護材によって被覆している。
【００２９】
以下に説明する実施例において作製されたワイヤハーネス保護材及びワイヤハーネスは、図１〜図３のいずれか若しくはその一部分によって示された形態によってその外観を概略的に示すことができるものである。
【００３０】
【実施例】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
初めに本実施例に係るワイヤハーネス保護材が適用された各種電線束に用いられる絶縁材料被覆電線として以下の三種類のものを用意することとした。一つめは、表Ａに示したもので、電線被覆材にハロゲン元素を全く含まないＨＦ電線である。このＨＦ電線としては、表Ａに示したように、その電線被覆材がポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂を主成分とし、このポリプロピレン樹脂１００重量部に対して難燃剤として水酸化マグネシウムが８０重量部、老化防止剤（フェノール系）が３重量部、そして銅害防止剤が１重量部配合されたものを用いた。老化防止剤の配合量は、全体重量に対して、１．６３ｗｔ％（３÷１８４×１００＝１．６３ｗｔ％）と、その割合量は、ＨＦ電線に配合される老化防止剤の有機ポリマー（ポリプロピレン）に対する含有率で表すと３％（３÷１００×１００＝３％）となっている。また、銅害防止剤の配合量は、全体重量に対して、０．５４ｗｔ％（１÷１８４×１００＝０．５４ｗｔ％）と、その割合量は、ＨＦ電線に配合される老化防止剤の有機ポリマー（ポリプロピレン）に対する含有率で表すと１％（１÷１００×１００＝１％）となっている。
【００３１】
【表Ａ】
二つめは、表Ｂに示したもので、ＰＶＣ電線であって電線被覆材に老化防止剤が全く含有されていないものである。このＰＶＣ電線としては、表Ｂに示したように、その電線被覆材がポリ塩化ビニル樹脂（重合度Ｐ＝１３００）１００重量部に対して可塑剤としてＤＩＮＰ（ジイソノニルフタレート）４０重量部、充填剤として炭酸カルシウム２０重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のものが５重量部配合されたものを用いた。
【００３３】
【表Ｂ】
三つめは、表Ｃに示したもので、ＰＶＣ電線であって電線被覆材に老化防止剤が含有されているものである（単に「ＰＶＣ老防電線」ともいう）。このＰＶＣ老防電線としては、表Ｃに示したように、その電線被覆材がポリ塩化ビニル樹脂（重合度Ｐ＝１３００）１００重量部に対して可塑剤としてＤＩＮＰ（ジイソノニルフタレート）４０重量部、充填剤として炭酸カルシウム２０重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のものが５重量部のほか、老化防止剤が４．５重量部配合されたものを用いた。老化防止剤の配合量は、全体重量に対して、２．６５ｗｔ％（４．５÷１６９．５×１００＝２．６５ｗｔ％）と、その割合量は、ＰＶＣ老防電線に配合される老化防止剤の有機ポリマー（ＰＶＣとＤＩＮＰ）に対する含有率で表すと３．２１％（４．５÷１４０×１００＝３．２１％）となっている。
【００３５】
【表Ｃ】
そしてこれら三種類の絶縁電線は、いずれも直径０．３２ｍｍの軟銅線を７本撚り合わせて外径約１．０ｍｍの銅撚線に形成した電気導体の周囲に表Ａ〜表Ｃに示したそれぞれの絶縁材料により被覆したものである。例えば、一つめのＨＦ電線は、表Ａに示した樹脂組成物を２軸混練機で混合温度２５０℃で混合してペレタイザにてペレット状の組成物としたものを押し出し機を用いて０．３ｍｍ厚さに押し出し加工し、これを電線被覆層として７本の撚線からなる電気導体の周囲に形成したものである。その際の押し出し温度は、２５０℃である。また、二つめのＰＶＣ電線及び三つめのＰＶＣ老防電線は、表Ｂ又は表Ｃに示した樹脂組成物を２軸混練機で混合温度１８０℃で混合してペレタイザにてペレット状の組成物としたものを押し出し機を用いて０．３ｍｍ厚さに押し出し加工し、これを電線被覆層として７本の撚線からなる電気導体の周囲に形成したものである。その押し出し温度は、１８０℃である。
【００３７】
次に、本実施例に係るワイヤハーネス保護材が適用された各種電線束として以下の五種類のものを用意することとした。一つめは、表ＡのＨＦ電線３０本からなるＨＦ単独電線束であり、あとの四つは、表ＡのＨＦ電線と表ＢのＰＶＣ電線又は表ＣのＰＶＣ老防電線とからなる混在電線束である。各種電線束は、いずれも電線総数は３０本としているが、混在電線束については、混在比率（「ＰＶＣ電線又はＰＶＣ老防電線の本数：ＨＦ電線の本数」）をそれぞれ、「２５本：５本」、「２０本：１０本」、「１０本：２０本」および「５本：２５本」とした
。
【００３８】
次に、各種実施例に供したワイヤハーネス保護材の組成及び試験結果について説明する。まず、表１〜表６は、ＰＶＣ粘着剤付きテープ、チューブ及びシート（単に「ＰＶＣ保護材」ともいう）の組成及び試験結果を示したものであり、表１〜表２がＰＶＣ保護材に吸着剤及び老化防止剤が含有されているものに、表３〜表４がＰＶＣ保護材に吸着剤及び銅害防止剤が含有されているものに、そして、表５〜表６がＰＶＣ保護材に吸着剤並びに老化防止剤及び銅害防止剤が含有されているものに該当する。
【００３９】
【表１】
【表２】
【表３】
【表４】
【表５】
【表６】
各種組成について説明する。表１〜表６に掲げた実施例１〜実施例６のＰＶＣ粘着剤付きテープ、チューブ及びシートは、いずれもポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）樹脂（重合度Ｐ＝１３００）をベースポリマーとした基材を用いており、その基材としては、ＰＶＣ樹脂１００重量部に対して可塑剤としてＤＯＰ（ジオクチルフタレート）６０重量部、充填剤として炭酸カルシウム２０重量部、安定剤として亜鉛・カルシウム系のもの５重量部を配合した配合物を用い、表１〜表２に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの（各従来品）、当該配合物に適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤とが配合されているもの（実施例品１−１〜１−６及び２−１〜２−６）、当該配合物に過剰量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤とが配合されているもの（比較例品１−１〜１−２及び２−１〜２−２）を用意し、表３〜表４に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの（各従来品）、当該配合物に適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の銅害防止剤とが配合されているもの（実施例品３−１〜３−６及び４−１〜４−６）、当該配合物に過剰量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の銅害防止剤とが配合されているもの（比較例品３−１〜３−２及び４−１〜４−２）を用意し、表５〜表６に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの（各従来品）、当該配合物に適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とが配合されているもの（実施例品５−１〜５−６及び６−１〜６−６）、当該配合物に過剰量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とが配合されているもの（比較例品５−１〜５−２及び６−１〜６−２）を用意した。
【００４６】
すなわち、表１〜表６に掲げた実施例１から実施例６は、いずれも、ＰＶＣ粘着剤付きテープ、チューブ及びシートの基材に吸着剤を含有させた例についてのものである点については同じであるが、実施例３及び４は、それぞれ実施例１及び２における老化防止剤を銅害防止剤に代えたものに相当し、実施例５及び６は、それぞれ実施例１及び２（又は実施例３及び４）の老化防止剤（銅害防止剤）を老化防止剤及び銅害防止剤に代えたものに相当している。
【００４７】
尚、ＰＶＣ保護材の基材の老化防止剤の配合量は、上述したＨＦ電線の老化防止剤の割合量３％とほぼ同等となるように調整されている。ここでは有機ポリマー（ＰＶＣ及びＤＯＰ）に対する含有率を割合量として定義し、その割合量は、３．１２％（５÷１６０×１００＝３．１２％）に調整されている。また、ＰＶＣ保護材の基材の銅害防止剤の配合量は、上述したＨＦ電線の銅害防止剤の割合量１％の二分の一相当量とほぼ同等となるように調整されている。ここでも有機ポリマー（ＰＶＣ及びＤＯＰ）に対する含有率を割合量として定義し、その割合量は、０．６３％（１÷１６０×１００＝０．６３％）に調整されている。
【００４８】
そして、表１、表３及び表５に示した実施例１、３及び５のＰＶＣ粘着剤付きテープは、いずれも、上記基材の片側表面全体にスチレンブタジエンゴム（ＳＢＲ）やＮＲ等のゴム系材料による粘着剤を付与したものであり、上記基材の表面に付与される粘着剤としては、ＳＢＲ（スチレンブタジエンゴム）７０重量部に対してＮＲ（天然ゴム）３０重量部、亜鉛華２０重量部、ロジン系樹脂８０重量部を配合した配合物を用い、表１に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの（従来品）、適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤とを配合したもの（実施例品１−１〜１−６）、過剰量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤とを配合したもの（比較例品１−１〜１−２）を用意し、表３に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの（従来品）、適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の銅害防止剤とを配合したもの（実施例品３−１〜３−６）、過剰量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の銅害防止剤とを配合したもの（比較例品３−１〜３−２）を用意し、表５に示したものにあっては、当該配合物をそのまま用いたもの（従来品）、適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とを配合したもの（実施例品５−１〜５−６）、過剰量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤及び銅害防止剤とを配合したもの（比較例品５−１〜５−２）を用意した。ここで、粘着剤層の厚さは、０．０２ｍｍとし、基材と粘着剤層とのトータルの厚さは、０．１３ｍｍとした。
【００４９】
すなわち、表１、表３及び表５に掲げた実施例１、３及び５は、いずれも、ＰＶＣ粘着剤付きテープの基材表面に付与される粘着剤にも吸着剤を含有させた例についてのものである点については同じであるが、実施例３は、実施例１における老化防止剤を銅害防止剤に代えたものに相当し、実施例５は、実施例１（又は実施例３）の老化防止剤（銅害防止剤）を老化防止剤及び銅害防止剤に代えたものに相当している。
【００５０】
尚、ＰＶＣ粘着剤付きテープの粘着剤の老化防止剤の配合量もまた、上述したＨＦ電線の老化防止剤の割合量３％とほぼ同等となるように調整されている。ここでは有機ポリマー（ＳＢＲ、ＮＲ及びロジン系樹脂）に対する含有率を割合量として定義し、その割合量は、３．３％（６÷１８０×１００＝３．３％）に調整されている。また、ＰＶＣ粘着剤付きテープの粘着剤の銅害防止剤の配合量もまた、上述したＨＦ電線の銅害防止剤の割合量１％の二分の一相当量とほぼ同等となるように調整されている。ここでも有機ポリマー（ＳＢＲ、ＮＲ及びロジン系樹脂）に対する含有率を割合量として定義し、その割合量は、０．５６％（１÷１８０×１００＝０．５６％）に調整されている。
【００５１】
次に、上記のようにして作製された表１〜表６に掲げた従来品、各実施例品及び比較例品について試験及び評価を行った。まず、試験方法について説明する。試料としては、各表に示したＰＶＣ粘着剤付きテープ、チューブ及びシートを、それぞれ、上述した合計五種類のＨＦ単独電線束及び混在電線束の周りに巻き付けたものを用いた（図１〜図３参照）。試験は次のようにして行った。すなわち、これらの試料を１５０℃の恒温槽に９６時間放置し、その後、ＨＦ電線を取り出し、１０φマンドレル巻き付けにより、その被覆部分の亀裂の有無と巻付作業性とを確認した。
【００５２】
次に、試験結果について説明する。表１〜表６の試験結果は、いずれも樹脂組成物の配合量によってのみ区別し電線束の種類には言及していない。電線束の種類や混在比率の違いは試験結果に影響しなかったからである。従って、試験結果は、ＰＶＣ粘着剤付きテープ、チューブ及びシートは、各従来品では巻付作業性は良好であったがＨＦ電線に亀裂が入り不良（×）と判定され、また、比較例品１−１〜１−２、２−１〜２−２、３−１〜３−２、４−１〜４−２、５−１〜５−２、６−１〜６−２では電線に亀裂が生じなかったが巻付作業性が悪く不良（×）と判定された。そして、実施例品１−１〜１−６、２−１〜２−６、３−１〜３−６、４−１〜４−６、５−１〜５−６、６−１〜６−６はいずれも電線に亀裂が生じることはなく巻付作業性も良好である（○）との判定が得られ、総合評価として良好である（○）との結果が得られた。
【００５３】
以上から、軟銅線を被覆するＨＦ単独電線束又は混在電線束の周りに、適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤及び／又は銅害防止剤とを配合したＰＶＣ樹脂材料を主成分としたワイヤハーネス保護材（粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状物）を巻き付ける等すれば、ＨＦ電線に亀裂が生じずＨＦ電線の熱老化性能の低下が阻止されることが判明した。 その理由は次のように考えられる。第一に、ＰＶＣ保護材に含有されている可塑剤が吸着剤により吸着されたことにより、ＰＶＣ保護材からＨＦ電線への可塑剤の移行が阻止されたためであると考えられる。
第二に、可塑剤の移行が阻止されたことにより、ＨＦ電線に予め含有されている老化防止剤及び銅害防止剤がその可塑剤に溶出してＨＦ電線からＰＶＣ保護材へ抽出される現象が起こらなくなったためであると考えられる。
第三に、ＰＶＣ保護材に老化防止剤若しくは銅害防止剤又はこれらの両者を所定の割合量で含有させたことで、ＰＶＣ保護材における老化防止剤若しくは銅害防止剤又はこれらの両者それぞれの割合量がＨＦ電線に予め含有されている老害防止剤及び銅害防止剤それぞれの割合量と所定の関係となるため、ＨＦ電線とＰＶＣ保護材との間で老化防止剤及び／又は銅害防止剤の「拡散を生じさせるような濃度勾配」がほぼなくなり、ＨＦ電線からＰＶＣ保護材への老化防止剤及び／又は銅害防止剤の拡散が阻止されるからであると考えられる。
第四に、可塑剤の移行阻止と、老化防止剤及び／又は銅害防止剤の拡散阻止とが相乗効果的に作用しているからと考えられる。
【００５４】
また、軟銅線を被覆するＨＦ単独電線束又は混在電線束の周りに、適当量の吸着剤（カーボンブラック又はシリカ）と所定量の老化防止剤及び／又は銅害防止剤とをＰＶＣ樹脂材料を主成分としたワイヤハーネス保護材（粘着剤付きテープ状物、チューブ状物及びシート状物）に含有させるようにすれば、ＰＶＣ保護材そのものの優れた熱老化性能が維持されることも導かれる。ＰＶＣ保護材に含有されている可塑剤が吸着剤により吸着されたことにより、ＰＶＣ保護材からＨＦ電線への可塑剤の移行が阻止されるからである。ＰＶＣ保護材そのものの優れた熱老化性能の維持は、過剰量の可塑剤を配合すると、巻付作業性が不良になったことからも示唆される。
【００５５】
本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記各種の実施例では、ワイヤーハーネス保護材としてＰＶＣ樹脂系のものを示したが、その組成は各実施例のものに限定されるものではない。
【００５６】
要するに本発明の趣旨は、ワイヤハーネス保護材としてのこれらの粘着剤付きテープ状物、チューブ状物又はシート状物に吸着剤と、老化防止剤及び／又は銅害防止剤とを含有させることにより、ＨＦ単独電線で使用される状態においても、ＰＶＣ電線と混在させて使用される状態においても、ＨＦ電線とワイヤハーネス保護材又はＰＶＣ電線との間の悪影響を回避し、ワイヤハーネスとしての電線品質の安定及び電線寿命の延長による恒久的使用を達成することにある。
【００５７】
【発明の効果】
本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材は、その粘着剤付きテープ状物、チューブ状物又はシート状物の基材に吸着剤が含有されているものであるから、当該ワイヤハーネス保護材の優れた熱老化性能を維持することができるという効果がある。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下を阻止することができるという効果がある。
【００５８】
また、上記ワイヤハーネス保護材は、塩化ビニル樹脂材料からなる当該基材に吸着剤が含有されているものであるから、ハロゲンフリー絶縁電線への可塑剤の移行を阻止することができるという効果がある。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下を阻止することができるという効果がある。
【００５９】
また、上記ワイヤハーネス保護材は、当該基材に老化防止剤及び／又は銅害防止剤が含有されているものであるから、ハロゲンフリー絶縁電線の電線被覆材中の老化防止剤及び／又は銅害防止剤がワイヤハーネス保護材へ拡散することを阻止することができるという効果がある。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下を阻止することができるという効果がある。
【００６０】
ここで、上記ワイヤハーネス保護材において、当該基材中の吸着剤として、カーボンブラック又はシリカのいずれかが含有されている場合、とりわけ、カーボンブラックが含有されているときには、少なくとも当該基材の耐久性を向上させるという効果があり、シリカが含有されているときには、少なくとも当該基材の耐熱性や耐酸性を向上させるという効果がある。従って、当該ワイヤハーネス保護材の優れた熱老化性能を維持することができるという効果がある。これにより、ハロゲンフリー絶縁電線が保護され、ハロゲンフリー絶縁電線の熱老化性能の低下を阻止することができるという効果がある。
【００６１】
また、当該基材に当該基材のベースポリマー１００重量部に対して１重量部〜１５０重量部の範囲で吸着剤が含有されている場合には、上記効果を確実に発現させることができる。
【００６２】
一方、本発明の二つめに係るワイヤハーネス保護材は、主に、吸着剤と、老化防止剤及び／又は銅害防止剤とを、粘着剤中に含有しうる点で、本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材と異なっているだけである。そのため、上述した本発明の一つめに係るワイヤハーネス保護材と同等の作用効果を奏する。
【００６３】
また、本発明に係るワイヤハーネスは、ハロゲンフリー絶縁電線からなる電線束又はその一部をＰＶＣ絶縁電線に代えてなる電線束の周囲を、上記ワイヤハーネス保護材により被覆したものであるから、優れた熱老化性能を維持することができ耐用年数が長くなるという効果がある。
【００６４】
また、各電線の電線被覆材に、銅害防止剤及び／又は老化防止剤が含有されている場合には、ハロゲンフリー絶縁電線から塩化ビニル絶縁電線又はワイヤハーネス保護材へ当該銅害防止剤及び／又は当該老化防止剤が拡散することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施形態に係る粘着剤付きテープ及びこれを用いたワイヤハーネスの外観図である。
【図２】 本発明の一実施形態に係るチューブ及びこれを用いたワイヤハーネスの外観図である。
【図３】 本発明の一実施形態に係るシート及びこれを用いたワイヤハーネスの外観図である。
【符号の説明】
１０、２２ 粘着剤付きテープ
１２ 電線束
１４、１８、１９、２４、３０ ワイヤハーネス
１６ チューブ
２０、２６ シート
２８ 粘着剤
３２ 電線
３４ 電気導体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wire harness protective material and a wire harness using the same, and more particularly, HaDoes not contain any rogen elements or has a lower halogen content than at least vinyl chloride resinhalogen freeA bundle of electric wires (also simply referred to as “HF electric wire bundle”) or a part thereof, which is a halogen-free insulated electric wire (also referred to as “HF electric wire”) covered with an electric conductor by a resin materialThe saltVinyl chlorideLe TreeFatmaterialAdhesive tape and tube used around the wire bundle (simply referred to as “mixed wire bundle”) instead of PVC insulated wire (simply referred to as “PVC wire”) coated with an electrical conductor by The present invention relates to a wire harness protective material in the form of a sheet or a sheet, and a wire harness obtained by coating this around the HF single wire bundle or the mixed wire bundle.
[0002]
[Prior art]
Wire harnesses used for wiring for automobiles and other vehicles are also referred to as assembled wires. Wires of appropriate specifications and thickness are selected, cut and bundled into a bundle of wires and wrapped in a tube or sheet. It is made by rolling and taping together, and various parts are attached to form a batch. As an electric wire,,A PVC electric wire in which several copper wires are bundled and covered with a polyvinyl chloride (PVC) resin coating is used. As the copper wire, tin-plated annealed copper wire is used in addition to annealed annealed copper. Moreover, as a tape, the PVC tape which provided the layer (adhesion layer) of the adhesive to the base material which consists of PVC resin, and a PVC tube and a PVC sheet are used widely as another exterior protection material. That is, PVC resin is generally used not only for electric wire insulation coating materials, but also for tape, tube, sheet and other electric wire protection materials and wire harness protection materials.
[0003]
However, for PVC wires that have been widely used as insulated wires, recently, alternatives have been studied as part of measures against environmental problems. For example, a large amount of inorganic filler as a flame retardant added to non-halogen polyolefins. Halogen-free electric wires have been proposed.
[0004]
Therefore, the inventors attach a PVC tube and a sheet to an HF single electric wire bundle, and attach a PVC tube and a sheet to a wire harness that binds both ends of the PVC tube and the sheet with an adhesive-attached PVC tape, or a mixed electric wire bundle. A wire harness (see FIGS. 1 to 3) in which both ends of a PVC tube and a sheet (also simply referred to as “PVC protective material”) are bonded with a PVC tape with an adhesive was prepared, and the heat aging performance of each wire harness was examined. . As a result, it was found that the heat aging performance of the wire harness of the mixed electric wire bundle is significantly inferior to the heat aging performance of the wire harness of the HF single electric wire bundle. The inventors have investigated the cause of the difference in the heat aging performance and have come to the idea that the migration of the plasticizer may be the cause.
[0005]
First, the HF electric wire contains a predetermined amount of anti-aging agent from the beginning, but this anti-aging agent dissolves when the plasticizer migrates from the PVC protective material, and the plasticizer is anti-aging. In a state where the agent is placed, the HF electric wire returns to the PVC protective material having a low concentration gradient of the anti-aging agent. Therefore, it is considered that the anti-aging agent decreases from the HF electric wire and the aging of the HF electric wire is promoted. Therefore, it is necessary to prevent the diffusion of the anti-aging agent. To that end, it is considered effective to prevent the migration of the plasticizer as the carrier.
[0006]
Secondly, the plasticizer contained in the PVC protective material reacts with the copper wire and promotes the ionization of copper when transferred to the HF electric wire, which causes one of copper damages. This is because it is considered that the copper ion becomes a catalyst and breaks the chemical bond of the wire covering polymer to deteriorate the wire covering polymer. Therefore, it is necessary to suppress the ionization of copper. To that end, it is considered effective to prevent the migration of the plasticizer that reacts with copper.
[0007]
Thirdly, as described above, the plasticizer contained in the PVC protective material reacts with the copper wire to promote the ionization of copper when transferred to the HF electric wire, so that a predetermined amount is contained in the HF electric wire from the beginning. This causes excessive consumption of copper damage inhibitors. The copper damage inhibitor contained in the HF wire from the beginning is “to stabilize copper ions generated by the reaction of moisture in the air that has entered the HF wire through the PVC protective material with the copper wire. This is because it is not for stabilizing copper ions due to the influence of the plasticizer. Therefore, it is necessary to reduce the consumption of the copper damage preventive agent, and for that purpose, it is considered effective to suppress the ionization of copper and thus to prevent the migration of the plasticizer.
[0008]
Fourth, the copper damage inhibitor contained in the HF electric wire dissolves when the plasticizer moves from the PVC protective material, and the plasticizer is removed from the HF electric wire with the copper damage inhibitor placed thereon. Return to PVC protective material with low concentration of copper damage inhibitor. Then, the copper damage inhibitor is consumed for stabilizing copper ions generated by the influence of moisture in the air and the plasticizer and diffuses from the HF electric wire to the PVC protective material on the plasticizer. It is thought to be effectively reduced, and more and more, aging of HF electric wires is promoted. Therefore, it is necessary to prevent the diffusion and reduction of the copper damage inhibitor. To that end, it is considered effective to prevent the migration of the plasticizer as the carrier.
[0009]
Furthermore, the inventors attach a tube and sheet (also referred to simply as “HF protective material”) using non-halogen polyethylene or polypropylene to the wire bundle, and use the non-halogen adhesive tape (HF protective material) to attach the tube. A heat aging test was also conducted for the wire harness in which sheets were bound. Also in this case, it was found that the heat aging performance of the wire harness composed of the mixed electric wire bundle is significantly inferior to the heat aging performance of the wire harness composed of the HF single electric wire bundle. The cause is considered to be the same plasticizer transfer between the PVC wire and the HF wire in the case of the mixed wire bundle. Even in this case, it is necessary to prevent diffusion of the anti-aging agent and the copper damage preventing agent and to prevent the migration of the plasticizer.
[0010]
Therefore, as a result of repeated trial and error, the inventors have conducted PVC protection.MaterialIt was concluded that if the base material contains an adsorbent, the plasticizer can be adsorbed with the adsorbent and the migration of the plasticizer can be prevented. In addition, regarding diffusion of anti-aging agents and copper damage prevention agents, maintain an appropriate concentration equilibrium between the anti-aging agent and the copper damage prevention agent between the HF electric wire and the PVC protective material or between the HF electric wire and the PVC electric wire. For example, it may be possible to prevent the diffusion of the anti-aging agent and the copper damage inhibitor from the HF electric wire to the PVC protective material and the PVC electric wire even if the slight transfer that allows the plasticizer to be prevented is allowed. The conclusion has been reached.
[0011]
A problem to be solved by the present invention is a wire harness in which a HF single electric wire bundle or a mixed electric wire bundle in which a part of the HF single electric wire bundle is replaced with a PVC electric wire is used. Heat aging by preventing the migration of plasticizer when the protective material is used and by preventing the diffusion of the anti-aging agent and copper damage inhibitor from the HF wire to the PVC protective material or PVC wire It is providing the wire harness protective material excellent in performance, and a wire harness using the same. Thereby, it is going to achieve stabilization and permanent use of the electric wire quality of a wire harness.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve this problem, a wire harness protective material according to the first aspect of the present invention is, HaThe electrical conductor is covered with a halogen-free resin material that does not contain any rogen element or has a halogen element content that is at least lower than that of vinyl chloride resin.And an anti-aging agent and / or a copper damage inhibitor was included in the coating material.Wire bundle made of halogen-free insulated wire or a part of the wire bundle is replaced with a PVC insulated wire coated with an electric conductor with a vinyl chloride resin material. Sheet-like wire harness protective material, which is a tape-like material with adhesive, a tube-like material, and a base material for a sheet-like materialIs made of vinyl chloride resin material and the base materialThe adsorbentAnd anti-aging agent and / or copper damage inhibitorIt is the gist that it contains.
[0013]
In the present invention, olefin-based propylene polymer (homopolymer and propylene random or block copolymer), polyethylene (high density polyethylene, linear low density) are used as the base polymer used for the wire coating material of “halogen-free insulated wire”. Polyethylene, low density polyethylene, ultra-low density polyethylene, etc.), polybutene polymer, ethylene copolymer (ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-ethyl acrylate copolymer, etc.), olefin elastomer (polypropylene-ethylene / propylene copolymer) Polymers, etc.) or copolymers in which unsaturated double bonds in these copolymers are saturated by hydrogenation are preferred. These polymers can be used alone or as a mixture of two or more. To this, a flame retardant containing no halogen such as metal hydrates such as magnesium hydroxide and aluminum hydroxide is added as a flame retardant. In addition, copper damage inhibitors, anti-aging agents, and processing aids may be added as necessary, or further crosslinking may be performed to improve heat resistance.. MaLow halogen compounds conceptually include bromide-based flame retardants and those imparting flame retardancy using halogen-containing resins having a halogenation rate lower than that of PVC resins.
In addition, in the case of “PVC insulated wires”, in order to give flexibility to PVC resin and improve the workability of the material, or to lower the material cost, the resin can be mixed well with water resistance and electrical insulation. An excellent plasticizer is also blended. An anti-aging agent may be further added thereto.
Furthermore, as the “electrical conductor” of the halogen-free insulated wire and the PVC insulated wire, in addition to annealed annealed copper, tin-plated annealed copper wire is preferable, but tungsten wire or the like may be used and is not limited thereto. It is not something.
As the “base material”, a material made of a vinyl chloride resin material is used. As a “vinyl chloride resin material”, in order to give flexibility to PVC resin and improve the workability of the material, or to lower the material cost, it has good mixing with the resin, water resistance, electrical insulation, etc. It is also desirable to incorporate a superior plasticizer.
Examples of the “adsorbent” include, but are not limited to, carbon black, silica, calcium carbonate, magnesium carbonate, clay and the like.
[0014]
Has the above configurationRuwaAccording to the ear harness protective material, since the adsorbent is contained in the base material of the adhesive tape-like material, tube-like material and sheet-like material, the wire harness protective material has excellent heat aging performance. Maintained. As a result, the halogen-free insulated wire is protected and the deterioration of the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented.
[0015]
AlsoSince the adsorbent is contained in the base material made of the vinyl chloride resin material, the plasticizer is adsorbed by the adsorbent, and halogenated from the tape-like article, the tube-like article and the sheet-like article with the adhesive. Migration of plasticizer to free insulated wires is prevented. As a result, the halogen-free insulated wire is protected and the deterioration of the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented.
[0016]
Moreover, since the said base material contains an anti-aging agent and / or a copper damage preventing agent, the anti-aging agent and / or the copper damage preventing agent in the wire coating material of the halogen-free insulated wire is a wire harness protective material. The halogen-free insulated wire is protected and the deterioration of the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented.
Moreover, when the electrical conductor is a copper wire, the copper damage prevention agent in the wire coating material of the halogen-free insulated wire stabilizes “copper ions generated by the reaction of moisture in the air with the copper wire”. As a result, the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented from being lowered.
[0017]
Here, the adsorbent may be carbon black or silica, among others.
When the adsorbent is carbon black, at least the durability of the base material is improved, and when the adsorbent is silica, at least the heat resistance and acid resistance of the base material are improved. . As a result, the halogen-free insulated wire is protected and the deterioration of the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented.
[0018]
AlsoThe content of the adsorbent is preferably in the range of 1 to 150 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the base polymer of the base material. This is because if it is less than 1 part by weight, there is no effect, and if it exceeds 150 parts by weight, workability is not good. More preferably, it is desirable to be in the range of 5 to 100 parts by weight. This is because if the amount is less than 5 parts by weight, the effect is slightly weakened, and if it exceeds 100 parts by weight, the workability is slightly deteriorated.
[0019]
AlsoThe content of the anti-aging agent in the base material is such that the ratio of the organic polymer to the organic polymer is substantially equal to the ratio of the anti-aging agent of the halogen-free insulated wire to the organic polymer, and / or It is desirable that the content of the copper damage inhibitor is approximately equal to the ratio of the halogen-free insulated wire to the organic polymer of the halogen-free insulated wire or the equivalent of one-half thereof. As a result, there is almost no “concentration gradient causing diffusion” between the halogen-free insulated wire and the wire harness protective material, and the anti-aging agent and / or copper damage prevention. Agent diffusion is prevented. Therefore, the halogen-free insulated wire is protected and the deterioration of the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented..
Here, “amount of proportion of anti-aging agent for base material” means a proportion (%) of the anti-aging agent in the base material relative to the organic polymer, and “a proportion amount of anti-aging agent for electric wire” Refers to the ratio (%) of the antioxidant to the organic polymer. Similarly, the “proportion amount of copper damage inhibitor of the base material” means the ratio (%) of the copper damage inhibitor to the organic polymer in the base material, and “proportion amount of copper damage inhibitor of the wire” The ratio (%) with respect to the organic polymer of the copper damage inhibitor in an electric wire is said.
[0020]
on the other hand,The wire harness protective material according to the second aspect of the present invention is, HaThe electrical conductor is covered with a halogen-free resin material that does not contain any rogen element or has a halogen element content that is at least lower than that of vinyl chloride resin.And an anti-aging agent and / or a copper damage inhibitor was included in the coating material.Used by covering a wire bundle made of halogen-free insulated wires or a part of the wire bundle around a PVC insulated wire coated with an electric conductor with a vinyl chloride resin material.Adhesive tapeWire harness protective material,ConcernedAdhesive tapeThingBase materialIsVinyl chloride resin materialChargeThe base material and / or the pressure-sensitive adhesive includes an adsorbent andAnti-aging agent and / or copper damage inhibitorContainsPleaseThe gist of this is.
[0021]
Here, the adsorbent may be carbon black or silica, among others.
The adsorbent content is preferably in the range of 1 to 150 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the base polymer of the base material.
In addition, the content of the anti-aging agent of the base material and / or the pressure-sensitive adhesive is such that the proportion of the organic polymer is substantially equal to the proportion of the anti-aging agent of the halogen-free insulated wire to the organic polymer, and / or Alternatively, the content of the copper damage inhibitor of the base material and / or the pressure-sensitive adhesive is such that the proportion of the organic polymer is a proportion of the halogen-free insulated wire copper damage inhibitor relative to the organic polymer or a half of the amount. It is desirable to be approximately equal.
[0022]
The wire harness protective material according to the second aspect of the present invention mainly includes an adsorbent, an anti-aging agent, and It is only different from the wire harness protective material according to the first aspect of the present invention in that a copper damage inhibitor can be contained in the adhesive. Therefore, the same thing as the wire harness protective material according to the first aspect of the present invention described above can be said.
[0023]
Also,The wire harness according to the third aspect of the present invention is, HaThe electrical conductor is covered with a halogen-free resin material that does not contain any rogen element or has a halogen element content that is at least lower than that of vinyl chloride resin.And an anti-aging agent and / or a copper damage inhibitor was included in the coating material.Wire bundle made of halogen-free insulated wires or part of them is made of vinyl chloride resin material.PowerThe wire bundle around the PVC insulated wire covered with the air conductorMentioned aboveThe gist is that it is covered with a wire harness protective material.
[0024]
With the above configurationTawaAccording to the ear harness, the wire bundle is covered aroundthe aboveSince the wire harness protective material contains an adsorbent, the deterioration of the heat aging performance of the halogen-free insulated wire is prevented.In addition, this wire harnessThe base material is made of a vinyl chloride resin materialButThe plasticizer is adsorbed by the adsorbent.Because, The plasticizer migration from the wire harness protective material to the halogen-free insulated wire is prevented. for that reasonHalogen-free insulated wires are protected, and deterioration of the heat aging performance of halogen-free insulated wires is prevented.
[0025]
hereWhen the wire covering material of each wire of the wire bundle made of the halogen-free insulated wire or a part of the wire bundle in place of the PVC insulated wire contains a copper damage inhibitor and / or an anti-aging agent Good. This is because the copper damage inhibitor and / or the anti-aging agent do not diffuse from the halogen-free insulated wire to the vinyl chloride insulated wire or the wire harness protective material. Thereby, the fall of the heat aging performance of a halogen-free insulated wire is prevented.
[0026]
In addition, as for the copper damage prevention agent and anti-aging agent which are contained in each electric wire and wire harness protective material, it is desirable that it is the same kind. This is because there are various types of copper damage inhibitors and anti-aging agents, and the use of the same type of each other makes it possible to more effectively maintain an appropriate concentration equilibrium.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail.
1 to 3 show the appearance of a wire harness protective material according to an embodiment of the present invention and a wire harness using the same, and FIG. 1 shows a
[0028]
Base material of
[0029]
The wire harness protective material and the wire harness produced in the examples described below can be schematically shown in appearance by one of the forms shown in FIGS. 1 to 3 or a part thereof.
[0030]
【Example】
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail.
First, the following three types of insulating material-coated wires used for various wire bundles to which the wire harness protective material according to this example was applied were prepared. The first is shown in Table A, and is an HF electric wire that does not contain any halogen element in the electric wire covering material. As shown in Table A, the HF electric wire is composed mainly of a polyolefin-based polypropylene resin, and 80 parts by weight of magnesium hydroxide as a flame retardant with respect to 100 parts by weight of the polypropylene resin. A compound containing 3 parts by weight of an inhibitor (phenolic) and 1 part by weight of a copper damage inhibitor was used. The blending amount of the anti-aging agent is 1.63 wt% (3 ÷ 184 × 100 = 1.63 wt%) with respect to the total weight, and the proportion is the organic polymer of the anti-aging agent blended in the HF electric wire ( When expressed in terms of content relative to (polypropylene), it is 3% (3 ÷ 100 × 100 = 3%). Moreover, the blending amount of the copper damage preventing agent is 0.54 wt% (1 ÷ 184 × 100 = 0.54 wt%) with respect to the total weight, and the proportion amount thereof is that of the antiaging agent blended in the HF electric wire. When expressed in terms of content relative to the organic polymer (polypropylene), it is 1% (1 ÷ 100 × 100 = 1%).
[0031]
[Table A]
The second is shown in Table B, which is a PVC electric wire that does not contain any anti-aging agent in the wire covering material. As shown in Table B, this PVC electric wire is composed of 40 parts by weight of DINP (diisononyl phthalate) as a plasticizer with respect to 100 parts by weight of a polyvinyl chloride resin (polymerization degree P = 1300), and a filler. As a stabilizer, 20 parts by weight of calcium carbonate and 5 parts by weight of a zinc / calcium stabilizer as a stabilizer were used.
[0033]
[Table B]
The third one is shown in Table C, which is a PVC electric wire in which an anti-aging agent is contained in the wire covering material (also simply referred to as “PVC anti-aging wire”). As this PVC old electric wire, as shown in Table C, the wire covering material is 40 parts by weight of DINP (diisononyl phthalate) as a plasticizer with respect to 100 parts by weight of polyvinyl chloride resin (polymerization degree P = 1300), As the filler, 20 parts by weight of calcium carbonate and 5 parts by weight of zinc / calcium stabilizer as a stabilizer and 4.5 parts by weight of an anti-aging agent were used. The blending amount of the anti-aging agent is 2.65 wt% (4.5 ÷ 169.5 × 100 = 2.65 wt%) with respect to the total weight, and the ratio amount is the aging blended in the PVC old electric wire. The content of the inhibitor relative to the organic polymer (PVC and DINP) is 3.21% (4.5 ÷ 140 × 100 = 3.21%).
[0035]
[Table C]
These three types of insulated wires are shown in Tables A to C around the electric conductor formed by twisting seven annealed copper wires having a diameter of 0.32 mm into a copper stranded wire having an outer diameter of about 1.0 mm. Each is coated with an insulating material. For example, for the first HF electric wire, the resin composition shown in Table A was mixed with a twin-screw kneader at a mixing temperature of 250 ° C. and formed into a pellet-like composition with a pelletizer. Extruded to a thickness of 3 mm and formed as an electric wire covering layer around an electric conductor composed of seven stranded wires. The extrusion temperature at that time is 250 ° C. The second PVC electric wire and the third PVC old electric wire are prepared by mixing the resin composition shown in Table B or Table C with a biaxial kneader at a mixing temperature of 180 ° C. and pelletizing with a pelletizer. Was extruded to a thickness of 0.3 mm using an extruder, and this was formed as an electric wire covering layer around an electric conductor composed of seven stranded wires. The extrusion temperature is 180 ° C.
[0037]
Next, the following five types of wire bundles to which the wire harness protective material according to this example was applied were prepared. The first is a single HF wire bundle consisting of 30 HF wires from Table A. The other four are mixed wires consisting of HF wires from Table A and PVC wires from Table B or PVC old wires from Table C. It is a bunch. Each of the various wire bundles has a total number of 30 wires, but for the mixed wire bundle, the mixing ratio (“number of PVC wires or PVC old wires: number of HF wires”) is “25: 5”, respectively. “Book”, “20: 10”, “10: 20” and “5: 25”
.
[0038]
Next, the composition and test results of the wire harness protective material used in various examples will be described. First, Tables 1 to 6 show the compositions and test results of tapes, tubes, and sheets (also simply referred to as “PVC protective materials”) with PVC adhesive, and Tables 1 to 2 show PVC protective materials. Tables 3 to 4 include those in which the adsorbent and copper damage inhibitor are contained in the PVC protective material, and Tables 5 to 6 include the PVC protective material. Corresponds to those containing an adsorbent, an antioxidant and a copper damage inhibitor.
[0039]
[Table 1]
[Table 2]
[Table 3]
[Table 4]
[Table 5]
[Table 6]
Various compositions will be described. The tapes, tubes, and sheets with PVC adhesives of Examples 1 to 6 listed in Tables 1 to 6 are all base materials based on polyvinyl chloride (PVC) resin (degree of polymerization P = 1300) as a base polymer. The base material is 60 parts by weight of DOP (dioctyl phthalate) as a plasticizer, 20 parts by weight of calcium carbonate as a plasticizer and 100 parts by weight of PVC resin. For the compounds shown in Tables 1 and 2 using the blended parts by weight, those using the blends as they are (each conventional product), an appropriate amount of adsorbent (carbon black) Or silica) and a predetermined amount of an antioxidant (Example products 1-1 to 1-6 and 2-1 to 2-6), and an excessive amount of adsorbent (carbon black). Or silica And a predetermined amount of an antioxidant (comparative products 1-1 to 1-2 and 2-1 to 2-2) are prepared, and are shown in Tables 3 to 4. Is a product using the blend as it is (each conventional product), and a blend of a suitable amount of an adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of copper damage inhibitor (Example product). 3-1 to 3-6 and 4-1 to 4-6), in which an excessive amount of adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of copper damage inhibitor are blended in the blend (Comparative Example) Articles 3-1 to 3-2 and 4-1 to 4-2) are prepared, and those shown in Tables 5 to 6 are those using the blends as they are (each conventional product), A compound containing an appropriate amount of adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of anti-aging agent and copper damage inhibitor (actual Examples 5-1 to 5-6 and 6-1 to 6-6), an excessive amount of an adsorbent (carbon black or silica), a predetermined amount of an anti-aging agent and a copper damage preventing agent are blended in the blend. (Comparative Example Products 5-1 to 5-2 and 6-1 to 6-2) were prepared.
[0046]
In other words, Examples 1 to 6 listed in Tables 1 to 6 are all about examples in which an adsorbent is contained in a base material of a PVC adhesive tape, a tube, and a sheet. Although the same, Examples 3 and 4 correspond to those obtained by replacing the anti-aging agent in Examples 1 and 2 with a copper damage inhibitor, respectively, and Examples 5 and 6 are examples 1 and 2 (or This corresponds to an anti-aging agent (copper damage inhibitor) of Examples 3 and 4) replaced with an anti-aging agent and a copper damage inhibitor.
[0047]
In addition, the compounding quantity of the anti-aging agent of the base material of a PVC protective material is adjusted so that it may become substantially equivalent to 3% of the ratio amount of anti-aging agent of the HF electric wire mentioned above. Here, the content ratio with respect to the organic polymer (PVC and DOP) is defined as a proportion amount, and the proportion amount is adjusted to 3.12% (5 ÷ 160 × 100 = 3.12%). Moreover, the compounding quantity of the copper damage prevention agent of the base material of a PVC protective material is adjusted so that it may become substantially equivalent to the half equivalent amount of the ratio amount 1% of the copper damage prevention agent of the HF electric wire mentioned above. Here again, the content ratio with respect to the organic polymer (PVC and DOP) is defined as a proportion amount, and the proportion amount is adjusted to 0.63% (1 ÷ 160 × 100 = 0.63%).
[0048]
The tapes with PVC adhesive of Examples 1, 3 and 5 shown in Tables 1, 3 and 5 are all made of rubber such as styrene butadiene rubber (SBR) or NR on the entire surface of one side of the substrate. The pressure-sensitive adhesive applied to the surface of the base material is 30 parts by weight of NR (natural rubber) with respect to 70 parts by weight of SBR (styrene butadiene rubber), 20 parts of zinc oxide. Parts by weight and 80 parts by weight of rosin resin, and those shown in Table 1 are those using the same composition (conventional product), an appropriate amount of adsorbent (carbon black or Silica) and a predetermined amount of anti-aging agent (Example products 1-1 to 1-6), and an excessive amount of adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of anti-aging agent (Comparative example products 1-1 to 1-2 In the case of those shown in Table 3, the mixture is used as it is (conventional product), and an appropriate amount of adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of copper damage inhibitor are mixed. (Example products 3-1 to 3-6) and an excess amount of adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of copper damage inhibitor (Comparative example products 3-1 to 3-2) ), And those shown in Table 5 (the conventional product), an appropriate amount of adsorbent (carbon black or silica), a predetermined amount of anti-aging agent and copper damage A compound containing an inhibitor (Example products 5-1 to 5-6), a compound containing an excessive amount of an adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of an antioxidant and a copper damage inhibitor (comparison) Example products 5-1 to 5-2) were prepared. Here, the thickness of the pressure-sensitive adhesive layer was 0.02 mm, and the total thickness of the base material and the pressure-sensitive adhesive layer was 0.13 mm.
[0049]
That is, Examples 1, 3, and 5 listed in Table 1, Table 3, and Table 5 are all examples in which an adsorbent is contained in the adhesive applied to the base material surface of the tape with the PVC adhesive. Example 3 corresponds to the case where the anti-aging agent in Example 1 is replaced with a copper damage inhibitor, and Example 5 corresponds to Example 1 (or Example 3). ) Of the anti-aging agent (copper damage prevention agent) is replaced with an anti-aging agent and a copper damage prevention agent.
[0050]
In addition, the compounding quantity of the anti-aging agent of the adhesive of a tape with a PVC adhesive is also adjusted so that it may become substantially equivalent to 3% of the ratio amount of anti-aging agent of the HF electric wire mentioned above. Here, the content ratio with respect to the organic polymer (SBR, NR, and rosin resin) is defined as a proportion amount, and the proportion amount is adjusted to 3.3% (6 ÷ 180 × 100 = 3.3%). Moreover, the blending amount of the copper damage preventing agent of the adhesive of the tape with the PVC pressure sensitive adhesive is also adjusted so as to be substantially equal to a half equivalent amount of the ratio amount 1% of the copper damage preventing agent of the HF electric wire described above. ing. Here, the content rate with respect to the organic polymer (SBR, NR, and rosin resin) is defined as a ratio amount, and the ratio amount is adjusted to 0.56% (1 ÷ 180 × 100 = 0.56%).
[0051]
Next, tests and evaluations were performed on the conventional products, the examples, and the comparative examples listed in Tables 1 to 6 manufactured as described above. First, the test method will be described. As samples, tapes with PVC adhesive shown in each table, tubes, and sheets wound around the above-described total of five types of HF single electric wire bundles and mixed electric wire bundles were used, respectively (FIGS. 1 to 1). 3). The test was conducted as follows. That is, these samples were left in a thermostatic bath at 150 ° C. for 96 hours, and then the HF electric wire was taken out, and the presence or absence of cracks in the coated portion and winding workability were confirmed by winding with a 10φ mandrel.
[0052]
Next, test results will be described. The test results in Tables 1 to 6 are all distinguished only by the blending amount of the resin composition and do not mention the type of the wire bundle. This is because the difference in the type of wire bundle and the mixing ratio did not affect the test results. Therefore, the test results showed that the PVC adhesive tape, tube, and sheet had good winding workability in each conventional product, but the HF electric wire was cracked and judged to be defective (x). 1-1 to 1-2, 2-1 to 2-2, 3-1 to 3-2, 4-1 to 4-2, 5-1 to 5-2, 6-1 to 6-2 Although no crack was generated, the winding workability was poor and it was determined to be defective (x). And Example goods 1-1 to 1-6, 2-1 to 2-6, 3-1 to 3-6, 4-1 to 4-6, 5-1 to 5-6, 6-1 to 6 In all cases, it was determined that no crack was generated in the electric wire and the winding workability was good (◯), and the result that the overall evaluation was good (◯) was obtained.
[0053]
From the above, PVC in which an appropriate amount of an adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of an anti-aging agent and / or a copper damage preventing agent are blended around an HF single electric wire bundle or a mixed electric wire bundle covering an annealed copper wire. If a wire harness protective material (tape-like material with adhesive, tube-like material and sheet-like material) is wound around the resin material as the main component, the HF wire will not crack and the deterioration of the heat aging performance of the HF wire will be prevented. Turned out to be. The reason is considered as follows. First, it is considered that the plasticizer contained in the PVC protective material was adsorbed by the adsorbent, thereby preventing the migration of the plasticizer from the PVC protective material to the HF electric wire.
Secondly, the phenomenon that the anti-aging agent and the copper damage preventing agent previously contained in the HF electric wire are eluted into the plasticizer and extracted from the HF electric wire to the PVC protective material by preventing the migration of the plasticizer. It is thought that this is because no longer occurs.
Thirdly, by containing the anti-aging agent or copper damage preventing agent or both of them in a predetermined proportion in the PVC protecting material, the anti-aging agent or the copper damage preventing agent in the PVC protecting material or both of them. Since the ratio amount has a predetermined relationship with the respective ratio amounts of the antiaging agent and the copper damage preventing agent previously contained in the HF electric wire, the antiaging agent and / or copper damage prevention between the HF electric wire and the PVC protective material. This is probably because the “concentration gradient that causes diffusion” of the agent is almost eliminated and diffusion of the anti-aging agent and / or the copper damage preventing agent from the HF electric wire to the PVC protective material is prevented.
Fourthly, it is considered that the plasticizer migration inhibition and the anti-aging agent and / or the copper anti-diffusion agent diffusion inhibition act synergistically.
[0054]
In addition, an appropriate amount of an adsorbent (carbon black or silica) and a predetermined amount of an anti-aging agent and / or a copper damage inhibitor are placed around the HF single wire bundle or mixed wire bundle covering the annealed copper wire with a PVC resin material. If it is included in the wire harness protective material (tape-like material with adhesive, tube-like material and sheet-like material) as the main component, it is also possible to maintain the excellent heat aging performance of the PVC protective material itself. . This is because the plasticizer contained in the PVC protective material is adsorbed by the adsorbent, thereby preventing the migration of the plasticizer from the PVC protective material to the HF electric wire. The maintenance of the excellent heat aging performance of the PVC protective material itself is also suggested from the fact that the winding workability becomes poor when an excessive amount of plasticizer is blended.
[0055]
The present invention is not limited to the embodiments described above, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, in the various embodiments described above, a PVC resin-based material is used as the wire harness protective material.OfAlthough shown, the composition is not limited to that of each Example.
[0056]
In short, the gist of the present invention is that these adhering tape-like materials, tube-like materials or sheet-like materials as wire harness protective materialsAnd anti-aging agent and / or copper damage inhibitorIn the state where the HF electric wire is used alone or in the state where it is used in combination with the PVC electric wire, the adverse effect between the HF electric wire and the wire harness protective material or the PVC electric wire is avoided. It is to achieve permanent use by stabilizing the quality of the wire as a harness and extending the life of the wire.
[0057]
【The invention's effect】
The present inventionFirstIn chargeRuwaSince the ear harness protective material contains an adsorbent in the adhesive tape-like, tube-like or sheet-like base material, the excellent heat aging performance of the wire harness protective material is maintained. There is an effect that can be done. Thereby, a halogen-free insulated wire is protected and there exists an effect that the fall of the heat aging performance of a halogen-free insulated wire can be prevented.
[0058]
Also, aboveSince the wire harness protective material contains the adsorbent in the base material made of the vinyl chloride resin material, there is an effect that the plasticizer can be prevented from transferring to the halogen-free insulated wire. Thereby, there exists an effect that the fall of the heat aging performance of a halogen-free insulated wire can be prevented.
[0059]
Moreover, since the said wire harness protective material contains the anti-aging agent and / or copper damage prevention agent in the said base material, the anti-aging agent and / or copper in the wire coating material of a halogen-free insulated wire There is an effect that the harm preventing agent can be prevented from diffusing into the wire harness protective material. Thereby, a halogen-free insulated wire is protected and there exists an effect that the fall of the heat aging performance of a halogen-free insulated wire can be prevented.
[0060]
Where aboveWire harness protective materialIn, The base materialAs an adsorbent inContains either carbon black or silicaCase,Above all,Contains carbon blackWhenHas an effect of improving at least the durability of the substrate, and contains silica.WhenHas the effect of improving at least the heat resistance and acid resistance of the substrate. Therefore, there is an effect that the excellent heat aging performance of the wire harness protective material can be maintained. Thereby, a halogen-free insulated wire is protected and there exists an effect that the fall of the heat aging performance of a halogen-free insulated wire can be prevented.
[0061]
AlsoThe adsorbent is contained in the base material in the range of 1 to 150 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the base polymer of the base material.in case of,the aboveThe effect can be surely expressed.
[0062]
On the other hand, the wire harness protective material according to the second aspect of the present invention is mainly the first aspect of the present invention in that it can contain an adsorbent, an anti-aging agent and / or a copper damage inhibitor in the adhesive. It is only different from the wire harness protective material according to. Therefore, there exists an effect equivalent to the wire harness protective material which concerns on the 1st of this invention mentioned above.
[0063]
Further, according to the present inventionA wire harness is a wire bundle made of halogen-free insulated wires, or a wire bundle made by replacing some of them with PVC insulated wires.,the aboveSince it is coat | covered with the wire harness protective material, it has the effect that the outstanding heat aging performance can be maintained and a useful life becomes long.
[0064]
Also, For the wire covering material of each wire,Contains copper damage inhibitor and / or anti-aging agentin case ofThere is an effect that the copper damage inhibitor and / or the anti-aging agent does not diffuse from the halogen-free insulated wire to the vinyl chloride insulated wire or the wire harness protective material.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external view of a tape with an adhesive according to an embodiment of the present invention and a wire harness using the same.
FIG. 2 is an external view of a tube and a wire harness using the tube according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an external view of a seat and a wire harness using the seat according to one embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10, 22 Tape with adhesive
12 Wire bundle
14, 18, 19, 24, 30 Wire harness
16 tubes
20, 26 sheets
28 Adhesive
32 electric wires
34 Electric conductor
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