JP3887499B2 - Method for forming photocatalyst - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光の照射により光触媒活性が得られる光触媒体およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒にそのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射すると、光励起により伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生じる。この光励起により生じた電子の持つ強い還元力や正孔の持つ強い酸化力により光触媒は、有機物の分解・浄化、水の分解、窒素酸化物の除去、二酸化炭素の分解・固定化などへの利用が検討されており、抗菌・浄化の分野では一部で実用化が進められている。
【0003】
光触媒として最も代表的な材料は酸化チタンである。酸化チタンは、高活性であると同時に化学的な安定性に優れ、光触媒としての活性は半永久的に持続する。また、人体に無害、資源として豊富、安価という特徴を有する。
【0004】
n型半導体の一種である酸化チタンを触媒として活性化させるためには、バンドギャップを超える光エネルギーを照射する必要がある。酸化チタンの各種結晶構造のうち、大きな活性が得られるのはアナターゼ型結晶であり、バンドギャップは約3.2eVである。したがって、活性を得るためには、380nm以下の紫外光を照射する必要がある。例えば、酸化チタン光触媒を用いた空気清浄機には、空気中のタバコ等による臭気成分を脱臭するために、紫外光を照射するブラックライトや殺菌灯が組み込まれている。
【0005】
また、白色蛍光灯、昼光色蛍光灯、太陽光等の自然光を酸化チタンに照射しても、微量の紫外線によって僅かながら活性を得ることが可能であるので、抗菌・防汚の分野で徐々に実用化が進んでいる。また、NOxの浄化対策としても検討が進められている。
【0006】
そして、エネルギー問題の対応策の1つとして、水を光触媒で分解して水素と酸素を得る方法や、地球温暖化対策として、光触媒で二酸化炭素をアルコール等に変換する方法等も研究されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光触媒は、難分解の化学物質を分解できる強い酸化、還元力を持つが、その分解速度は小さいという欠点がある。また、酸化チタンを活性にするためには紫外領域の光を照射する必要があり、一般的にブラックライト、殺菌用の紫外線ランプ等の特殊な光源が用いられている。太陽光、蛍光灯など汎用光源を励起光源として用いた場合、ごく僅かに含まれる紫外光のみを利用することになり、活性が小さく、エネルギー効率が悪いという欠点がある。
【0008】
このような酸化チタンの欠点を解消すべく、可視光で光触媒活性を得るため、1970年代より各種検討が行われた。酸化チタン以外の可視光を吸収する材料として、Fe2 3 、CdS、CdSe、GaP等が検討されたが、Fe2 3 は活性がほとんど得られず、CdS、CdSe、GaPは初期的に活性が得られても安定性が悪いため、経時的な活性の低下、水への溶解の問題がある。また、ニオブ酸カリウム系の複合酸化物を用いる方法が検討されているが、可視光による活性はわずかで、実用化されていない。
【0009】
さらに、酸化チタンへ各種材料をドーピングする検討も行われたが、ドーピングを行うと可視光の吸収は得られるが、触媒活性が消失するという問題がある。ドーピングによって活性が消失することなく、可視光で活性を得る方法として、特開平9−262482号公報に開示されているイオン注入法によるドーピングが注目されている。これは、酸化チタンへ特定の金属イオンを打ち込むことによってなされるものであり、酸化チタンの活性を損なうことなく、可視光を吸収して可視光での活性が得られる。
【0010】
しかし、この方法はイオン注入法によるため、大面積の基板上に形成された光触媒体に対して連続的に処理するには適していない。そのため、量産性に乏しく、実用化が困難である。
【0011】
本発明は、上記に鑑み、可視光で活性が得られる光触媒体を提供するとともに、量産化が可能な形成方法で提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、ドーピング材料として窒素、アルミニウム、ホウ素といった3価の元素を用い、これを酸化チタンにドーピングして、光触媒とするものである。一般的に、酸化チタンに他元素をドーピングすると、添加する量が少量でも活性が消失することが知られている。本発明者らは、各種元素のドーピングを検討した結果、上記の3価の元素をドーピングすると、活性が消失しないことを見いだした。これにより、ドーピングを行わない酸化チタンよりも長波長の光を吸収することが可能となり、可視光での活性を得ることができる。
【0013】
特に、3価の元素として窒素を用いると、可視光吸収量が多くなり、可視光照射による光触媒活性を得ることができる。また、ドーピング材料に窒素ガスを利用することができるので、ガスを供給さえすればよく、容易にかつ安価に製造できるという利点がある。
【0014】
そして、窒素をドーピングしたドープ光触媒層(ドープ層)とドーピングしていない無ドープ光触媒層(無ドープ層)を交互に積層して、光触媒膜を形成することにより、窒素をドーピングした光触媒のみの場合に比べて、光触媒活性を大きくすることができる。
【0015】
このドープ層と無ドープ層を積層することで活性が増加する理由については未だ明らかではないが、次のメカニズムが考えられる。3価の元素である窒素は、他の価数の元素に比べるとドーピングしても活性を損ないにくい。しかし、窒素ドーピング量を多くすると活性が減少する傾向がある。したがって、ドープ層における窒素が、光照射によって生成する電子と正孔が再結合する際のキラーセンターとなり、活性種である電子と正孔のライフタイムが短くなると考えられる。しかし、無ドープ層とドープ層を積層している場合、ドープ層から無ドープ層に電子、正孔が拡散移動する。無ドープ層では不純物がないため、電子と正孔が再結合しにくく、ライフタイムがより長くなる。このため積層した構造の光触媒においては、活性種である電子、正孔の濃度が高くなり、高活性になるものと思われる。
【0016】
ここで、活性を大きくするためには、ドープ層/無ドープ層の積層構造における各層の膜厚を適当な範囲にする必要があり、活性とコストの両方を考慮すると、0.02〜1.0μmに限定することが望ましい。すなわち、層の厚みが厚くなると、活性が小さくなる。一方、層の厚みが薄すぎても活性が小さくなる。
【0017】
また、コストの観点から考えると、膜厚を厚くするのが望ましい。酸化チタン光触媒では、膜厚が約1μmになるまでは膜厚が増加するにつれて、ほぼ比例的に活性が大きくなる。したがって、単位面積当たりの触媒活性を大きくするためには、光触媒全体の膜厚を厚くする必要がある。ところが、各層を薄くすると、ある一定の膜厚を得るのに必要な層数が多くなり、成膜時のガスの切り替えの回数が多くなって手数がかかり、製造コストが高くなるという欠点がある。したがって、膜厚を上記の範囲にすることにより、活性とコストを両立させることができる。
【0018】
このような積層構造における膜厚が厚くなると活性が減少する原因は、明らかとなっていないが、以下のメカニズムが考えられる。ドープ層で生成した電子、正孔は、無ドープ層まである一定の距離のドープ層を通過することになる。このドープ層を電子、正孔が通過する過程で、窒素がキラーセンターとなって、電子、正孔が消失しやすい。ドープ層の膜厚が厚い場合、無ドープ層まで電子、正孔が移動しなければならない距離が大きくなる。このため、ドープ層が厚くなると電子、正孔の寿命が短くなり、活性種の量が減少する。
【0019】
また、無ドープ層では、ドープ層に比べて電子、正孔が長寿命であるが、無ドープ層での電子、正孔の移動距離が長くなると、再結合によって消失する割合が増加する。したがって、無ドープ層を厚くし過ぎると、ドープ層で生成した電子、正孔を無ドープ層を経由して効率よく膜表面に移動させることができなくなるため、活性が低下する。
【0020】
一方、積層構造における膜厚を薄くし過ぎた場合に、活性が減少する原因は明らかとなっていないが、以下の原因が考えられる。各層の界面で結晶状態が完全には連続しておらず、電子、正孔の移動が若干妨げられる。このため、各層における膜厚を薄くすると、トータルの膜厚を厚くするためには層数を増やす必要があり、界面でのロスが増加し、活性が減少するということが考えられる。また、別の原因として、次の点が考えられる。膜厚が極端に薄い場合、膜の結晶状態が不完全になり易く、結晶欠陥の多い膜となる。このため、活性種である電子、正孔の再結合が生じ易く、活性が小さくなるということが考えられる。
【0021】
上記の窒素がドーピングされた光触媒体の形成方法としては、スパッタ法を用いる。例えば、酸化チタンをスパッタリングのターゲット材料として用い、窒素ガスプラズマまたは窒素と不活性ガスの混合ガスプラズマにより、ドープ層の成膜を行う。ドーピング材料は、固まってある一定サイズの粒子になると電子、正孔が再結合するキラーセンターとなりやすい。したがって、できるだけ原子レベルで高分散化しているのが望ましい。本スパッタ法により、窒素を高分散化したドープ層を容易に得ることができる。
【0022】
この方法では、大型のスパッタリング装置を使用するので、大きな面積の基板上に容易に成膜することができる。なお、酸化チタン膜にイオン注入法を用いて窒素をドーピングすることによっても、同様に窒素を高分散した酸化チタン膜を得ることができる。ただし、イオン注入装置は高価であり、また大面積の基板を処理するのには適しておらず、スパッタ法を用いる場合に比べて、量産性、量産コストの点で劣る。
【0023】
また、金属チタンをスパッタリングのターゲット材料として用い、窒素と酸素の混合ガスプラズマまたは窒素と酸素と不活性ガスとの混合ガスプラズマにより、ドープ層の成膜を行うことによっても、同様に窒素を高分散化したドープ層を容易に得ることができる。そして、金属チタンをターゲット材料として用いているため、ターゲット中へ窒素がドーピングされにくく、形成されるドープ層においてドーピング量のばらつきが生じにくい。また、金属チタンターゲットは酸化チタンターゲットに比べて、割れにくく、熱伝導性が高い。このため、スパッタリング時にターゲット表面がプラズマに晒されて温度が高くなっても、熱膨張によるクラックが発生しにくい。したがって、酸化チタンターゲットを用いる場合に比べてメンテナンスが容易で、成膜時のパワーを大きくしてもクラックによる問題が発生しにくいという利点がある。
【0024】
他の光触媒体の形成方法としては、酸化チタンの光触媒膜を窒素ガスプラズマに晒すことによって、ドープ層を形成するものである。酸化チタンを窒素ガスプラズマで処理し窒素ドープを行った場合、膜表面は窒素ドープ量が多く、膜の内部に向かうにつれて、窒素ドープ量が少なくなる。このため、窒素の高ドープ層とほとんどドープされていない層が積層された状態になり、スパッタ法で形成した積層構造に近い膜が容易に得られる。
【0025】
また、酸化チタン粉に対しても、同様のプラズマ処理を行うことにより、表面で窒素濃度が高く、内部で窒素濃度が低い粒子が形成され、微視的にみると積層化された構造に近い形態になる。このような粒子をシリカ、アルミナ、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などのバインダーと混合し、基板上に固定することにより、光触媒膜が形成される。このように、窒素ドープされた酸化チタン粉を用い、光触媒膜を形成すると、膜状の酸化チタンに窒素プラズマ処理した場合に比べて次の利点がある。膜状になっている酸化チタンを窒素プラズマ処理した場合、膜表面近傍のみが窒素ドーピングされる。このため、窒素ドーピングによって可視光吸収が得られるのは、膜表面の極薄い部分のみであり、膜全体で可視光が吸収される量は少ない。膜全体で可視光吸収量を増加させるためには、薄い酸化チタン層を形成し、窒素プラズマ処理を行った後、再度酸化チタン層を形成し、窒素プラズマ処理を行うという操作を繰り返し、多層構造にする必要がある。ところが、表面が窒素ドープされた微細な酸化チタン粉をバインダーで膜状化した場合、膜の内部全体に窒素ドーピングされた酸化チタン粉が分布することになり、容易かつ安価に可視光吸収量の多い光触媒膜を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る光触媒体を図1に示す。これは、酸化チタンに3価の元素をドーピングしたドープ光触媒層(ドープ層)1と前記元素をドーピングしていない酸化チタンの無ドープ光触媒層(無ドープ層)2とを交互に積層することにより、光触媒膜を成すものである。この膜が基板3上に形成されて光触媒体となり、その強い酸化、還元力を利用して、抗菌、脱臭、浄化などの用途に供される。
【0027】
ここで、酸化チタンに対してドーピングしても活性を低下させず、かつ可視光を吸収して、活性を発揮させることができる3価の元素としては、窒素、アルミニウム、ホウ素があげられる。
【0028】
そして、酸化チタン光触媒の活性は、膜厚が約1μmまでほぼ比例的に大きくなることから、各層の膜厚を1.0μm以下にすれば、光触媒の機能を発揮させることができる。しかし、膜厚を厚くし過ぎると、ドーピングされた元素が内部まで入り込みにくくなり、ドープ量が低下して、高活性が得られなくなる。そこで、十分な活性を得るためには、各層の膜厚として1.0μm以下にすることが適している。
【0029】
また、光触媒の機能を十分に発揮させるためには、光触媒全体の膜厚を厚くする方がよい。ところが、各層の膜厚を薄くし過ぎると、必要な膜厚を得るのに層数が多くなり、それぞれの層を形成するための段取りに時間がかかり、製造コストが上昇してしまう。そこで、活性とコストの両方の観点から見ると、膜厚の下限として0.02μmにすることが適している。
【0030】
このように、酸化チタンに3価の元素をドーピングした光触媒にすると、本来の活性を損なうことなく、可視光吸収量を多くすることができ、可視光照射によって光触媒活性が得られる。特に、ドープ層と無ドープ層とを積層した光触媒では、ドープ層のみの場合に比べて活性を大きくすることが可能である。なお、ドープ層単独からなる光触媒であっても、十分実用に耐える活性が得られるとともに、可視光の照射によっても活性が得られる。
【0031】
次に、上記の積層構造の光触媒をスパッタ法によって形成する方法を説明する。成膜装置としてマグネトロンスパッタ装置を用い、ターゲットに酸化チタンあるいは金属チタンを用いる。まず、ガラス、表面を酸化したアルミニウム、あるいはポリエステル、ポリエチレン等の耐熱性フィルムといった基板を真空室内の保持体に固定し、真空室内を真空排気する。基板を所定温度に加熱後、導入ガスとしての窒素を含むガスを導入する。ターゲットに酸化チタンを用いる場合、混入ガスとしては、窒素ガス単独とする。また、ターゲットに金属チタンを用いる場合、混入ガスとしては、窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスとする。そして、ターゲットに高周波電圧あるいは直流電圧を印加し、基板上に酸化チタンの成膜を行う。このとき、窒素が酸化チタンにドーピングされ、ドープ層が形成される。
【0032】
続いて、混入ガスをアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスに変えて、同様にスパッタリングを行う。すると、ドープ層の上に、窒素がドーピングされていない酸化チタンのみからなる無ドープ層が形成される。これを交互に複数回繰り返して、ドープ層と無ドープ層とが交互に積層された所定の膜厚を有する光触媒膜を形成する。
【0033】
なお、窒素をドーピングする代わりに、他の3価の元素であるアルミニウムあるいはホウ素をドーピングする場合は、これらの粉末状酸化物を用いてターゲットとともに基板上にスパッタリングする。このとき、混入ガスとして、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いる。これにより、アルミニウムあるいはホウ素がドーピングされた酸化チタンの光触媒が得られる。
【0034】
また、他の形成方法について説明する。すなわち、スパッタ法に代わり、プラズマ処理装置を用いて、粉末あるいは膜状の酸化チタンを窒素ガスプラズマで処理して、窒素をドーピングする。膜状の酸化チタンでは、そのまま光触媒膜として利用できる。一方、酸化チタン粉では、そのままでは利用しにくいので、シリカ、アルミナ、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などのバインダーと混合し、基板上に固定して、光触媒膜を形成する。あるいは、酸化チタン粉を塩酸や硝酸などの強酸の溶媒中に均一に分散させてスラリー状にし、これを基板上に塗布して乾燥させ、500℃以上に加熱する、いわゆるゾルゲル法により光触媒膜を形成する。
【0035】
そして、上記のように形成した光触媒膜の上に、窒素をドーピングしていない酸化チタン膜を形成したり、あるいは窒素をドーピングしていない酸化チタン粉を用いてゾルゲル法により光触媒膜を形成することにより、積層構造の光触媒としてもよい。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。
【0037】
(実施例1)
成膜装置としてRFマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上の酸化チタンを用いた。90mmφのターゲット材料の上に、酸化アルミ(Al2 3 )粉末をプレス成形によって固めた10mmφ、厚さ7mmの円柱状タブレットを4個設置し、導入ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用い、表1の条件▲1▼で表面が平滑なバリウム硼珪酸系の無アルカリガラスの基板上に成膜を行って、アルミドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0038】
【表1】

Figure 0003887499
【0039】
(実施例2)
成膜装置としてRFマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上の酸化チタンを用いた。ターゲット材料の上に、酸化ホウ素(B2 3 )粉末をプレス成形によって固めた10mmφ、厚さ7mmの円柱状タブレットを4個設置し、導入ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用い、表1の条件▲1▼で基板上に成膜を行って、ホウ素ドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0040】
(実施例3)
成膜装置としてRFマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上の酸化チタンを用いた。導入ガスとして窒素ガスを用い、表1の条件▲2▼で基板上に成膜を行って、窒素ドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0041】
(実施例4)
成膜装置としてDCマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上のチタンを用いた。導入ガスとしてアルゴンと窒素の混合ガスを用い、表1の条件▲3▼で基板上に成膜を行って、窒素ドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0042】
(実施例5)
実施例3と同様の条件で、膜厚が0.4μmになるよう窒素ドープ酸化チタン膜を形成した。次に、アルゴンと酸素との窒素を含まない導入ガスに切り替えて、表1の条件▲1▼で窒素ドープ酸化チタン膜の上に、無ドープ酸化チタン膜を0.2μmの膜厚に成膜して、2層構造とした。
【0043】
(実施例6)
実施例3と同様の条件で、窒素ドープ酸化チタン膜を0.1μmに成膜後、この上に表1の条件▲1▼で無ドープ酸化チタン膜を0.1μmに成膜した。同様の操作を更に2回繰り返して、図1に示すような窒素ドープ酸化チタン膜と無ドープ酸化チタン膜が交互に積層された、全部で6層からなる光触媒膜を形成した。
【0044】
(実施例7)
実施例3と同様の条件で、窒素ドープ酸化チタン膜を0.033μmに成膜後、この上に表1の条件▲1▼で無ドープ酸化チタン膜を0.033μmに成膜した。同様の操作を更に8回繰り返して、窒素ドープ酸化チタン膜と無ドープ酸化チタン膜が交互に積層された、全部で18層からなる光触媒膜を形成した。
【0045】
(実施例8)
石英製直径8cmの皿に粒径約7nmの酸化チタン粉(石原産業製、ST−01)を0.5g入れて、ガラス棒で粉を押し固めた。次に、酸化チタン粉が入った皿を円筒形プラズマ処理装置に入れ、真空排気後窒素ガスを導入し、内部のガス圧が0.5Torrになるように調整した。そして、400WのRFパワーを印加し、窒素プラズマを内部に発生させて、窒素プラズマ処理を行った。60分間処理後、一旦RFパワーを止め、真空室から酸化チタン粉が入った皿を取り出し、粉をガラス棒で撹拌した後、再度ガラス棒で押し固め、円筒形プラズマ処理装置内に設置した。装置内部の真空引きを行い、1回目と同様窒素プラズマ処理を60分間行った。
【0046】
2回目の処理終了後、更に2回、酸化チタン粉の撹拌、窒素プラズマ処理を繰り返し、窒素プラズマ処理された酸化チタン粉0.5gを作製した。
【0047】
(比較例1)
成膜装置としてRFマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上の酸化チタンを用いた。導入ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用い、表1の条件▲1▼で基板上に成膜を行い、無ドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0048】
(比較例2)
成膜装置としてRFマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上の酸化チタンを用いた。ターゲット材料の上に、2〜6mmの破砕状クロムを4個設置し、導入ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用い、表1の条件▲1▼で基板上に成膜を行い、クロムドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0049】
(比較例3)
成膜装置としてRFマグネトロンスパッタ装置、ターゲット材料として純度99.9%以上の酸化チタンを用いた。ターゲット材料の上に、直径0.5mm長さ6cmのバナジウム線を1本設置し、導入ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用い、表1の条件▲1▼で基板上に成膜を行い、バナジウムドープ酸化チタン膜を形成した。膜厚が0.6μmになるように成膜時間を調節した。
【0050】
(比較例4)
石原産業製の酸化チタン粉(ST−01)0.5gを比較例4として、そのまま使用した。
【0051】
実施例1〜8および比較例1〜4で得た光触媒体サンプルを5リットルの容器に別個に入れ、悪臭物質の1つであるアセトアルデヒドを100ppmの濃度となるよう注入した。次に、6Wのブラックライトを用い、サンプル表面に紫外線を照射し、アセトアルデヒド濃度が1ppmまで減少する時間を測定した。なお、粉状の試料である実施例8および比較例4のサンプルは、各0.5gを8.4cm×5.4cm、深さ1.2cmの皿に入れ、他のサンプルと同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0003887499
【0053】
表2に示すように、アルミニウムをドーピングした酸化チタン膜(実施例1)およびホウ素をドーピングした酸化チタン膜(実施例2)は、無ドープ酸化チタン膜(比較例1)よりもアセトアルデヒドの分解時間が短くなっており、高い活性を有している。また、窒素をドーピングした酸化チタン膜(実施例3,4)は、無ドープ酸化チタン膜に比べ小さいながら活性を有している。
【0054】
一方、クロムをドーピングした酸化チタン膜(比較例2)およびバナジウムをドーピングした酸化チタン膜(比較例3)はほとんど活性がなく、クロムおよびバナジウムをドーピングすることによって活性が消失している。
【0055】
したがって、ドーピングしても活性が消失しなかったアルミニウム、ホウ素、窒素は、いずれも3価の元素であり、酸化チタンの活性を損なわないためには3価の元素が有効であることを示している。また、アルミニウム、ホウ素をドーピングすることによって活性が増加しており、適当な条件で成膜することにより、活性を増加させる効果がある。
【0056】
また、窒素ドープ層の上に無ドープ層を形成した2層構造の実施例5のサンプルは、窒素ドープ層のみの実施例4のサンプルと比べて、活性が大きく増加している。さらに、窒素ドープ層と無ドープ層を交互に成膜し、6層とした実施例6のサンプルは、2層構造の実施例5のサンプルよりも各層の膜厚が薄くなった結果、光触媒活性が増加しており、無ドープ酸化チタンである比較例1のサンプルとほぼ同じ光触媒活性となった。
【0057】
窒素ドープ層および無ドープ層の厚みを実施例6よりも薄くし層数を増やした実施例7のサンプルは、窒素ドープ層のみの実施例3,4のサンプルよりも活性が大きくなっているが、層数が6層で各層の厚みが0.1μmの実施例6のサンプルよりも活性が小さい。したがって、各層を薄くして層数を増加させた場合、活性が減少することを示している。
【0058】
酸化チタン粉を窒素プラズマ処理し、窒素ドープした実施例8のサンプルは、無ドープ酸化チタン粉である比較例4のサンプルとほぼ同じ光触媒活性を示しており、窒素ドーピングによる活性の低下はほとんどない。
【0059】
次に、励起光源として6W昼光色蛍光灯を用い、これを照射して同様の方法でアセトアルデヒドの分解速度を測定した。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
Figure 0003887499
【0061】
無ドープ酸化チタン膜のみの比較例1のサンプルでは、アセトアルデヒド分解に75時間と長時間を要したのに対し、窒素ドープ層と無ドープ層を交互に積層し、6層とした実施例6のサンプルは、20時間と1/3以下の時間で分解することができた。一方、クロムおよびバナジウムをドーピングした比較例2,3のサンプルは、ほとんど活性がなかった。
【0062】
また、粉末光触媒で比較すると、比較例4の無ドープ酸化チタン粉では、アセトアルデヒドの分解に15時間かかったのに対し、実施例8の窒素ドープを行った酸化チタン粉では、7時間と半分以下の時間でアセトアルデヒドを分解することができた。
【0063】
以上の結果から、窒素をドーピングした酸化チタンは、酸化チタンのみからなる光触媒に比べて、より長波長の光で活性化することが可能であり、特に無ドープ酸化チタンと積層構造にすることにより、高活性にすることができる。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、酸化チタンに3価の元素をドーピングすることによって、活性を損なうことなく、高活性化、可視光活性を得ることができる。特に、窒素ドーピングを行うことによって、可視光吸収量を多くでき、可視光照射による光触媒活性を得ることができる。
【0066】
さらに、ドープ層と無ドープ層とを交互に積層することにより、活性を大きく増加させることができる。このとき、各層の厚みを0.02〜1.0μmにすることによって、製造コストを増大させることなく、効率よく高活性な光触媒体を形成できる。
【0067】
また、このドーピングにスパッタ法を用いることにより、容易かつ安価にドープ層を形成することができる。そして、スパッタリングの際に、ターゲット材料はチタン、酸化チタンのいずれでも使用可能であるが、チタンを使用すると、一定のドーピング量を安定して得られるとともに、成膜時に高い電力をかけてもクラックが入りにくいという利点があり、高品質な光触媒体を得ることができる。しかも、大面積の基板に対してドーピングが可能となるので、量産化を図れ、製造コストを低減できる。
【0068】
特に、窒素ドーピングは、膜状あるいは粉末状の酸化チタンに対して窒素プラズマ処理することによって行うことも可能であり、容易かつ安価に光触媒体を製造することができる。
【0069】
このように、3価の元素、特に窒素をドーピングした酸化チタンでは、太陽光、蛍光灯等の自然光に微量に含まれる紫外光だけでなく、これらの自然光のうち可視光領域の光も触媒活性のエネルギー源として利用できるため、自然光で高い光触媒活性を得ることができる。したがって、従来活性化のために必要とされてきた特殊な光源を用いる必要がなくなり、低コストで高効率に脱臭、抗菌、NOxやCO2 の除去などを実現することができる光触媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る積層構造の光触媒の断面図
【符号の説明】
1 ドープ層
2 無ドープ層
3 基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photocatalyst that can obtain photocatalytic activity by irradiation with visible light and a method for forming the photocatalyst.
[0002]
[Prior art]
When the photocatalyst is irradiated with light having a wavelength having energy equal to or greater than the band gap, electrons are generated in the conduction band and holes are generated in the valence band by photoexcitation. The photocatalyst is used for decomposition and purification of organic matter, decomposition of water, removal of nitrogen oxides, decomposition and fixation of carbon dioxide, etc. due to the strong reducing power of electrons generated by this photoexcitation and the strong oxidizing power of holes. Are being put into practical use in some areas of antibacterial and purification.
[0003]
The most typical material for the photocatalyst is titanium oxide. Titanium oxide is highly active and has excellent chemical stability, and its activity as a photocatalyst lasts semipermanently. In addition, it is harmless to the human body, abundant as a resource, and inexpensive.
[0004]
In order to activate titanium oxide, which is a kind of n-type semiconductor, as a catalyst, it is necessary to irradiate light energy exceeding the band gap. Of the various crystal structures of titanium oxide, anatase-type crystals have a large activity and have a band gap of about 3.2 eV. Therefore, in order to obtain activity, it is necessary to irradiate ultraviolet light of 380 nm or less. For example, an air cleaner using a titanium oxide photocatalyst incorporates a black light or germicidal lamp that irradiates ultraviolet light in order to deodorize odor components from tobacco in the air.
[0005]
In addition, even when natural light such as white fluorescent light, daylight fluorescent light, or sunlight is irradiated to titanium oxide, it is possible to obtain a slight activity with a small amount of ultraviolet light, so it is gradually put into practical use in the antibacterial and antifouling fields. Is progressing. In addition, studies are being conducted as a NOx purification measure.
[0006]
And, as one of countermeasures for energy problems, a method of decomposing water with a photocatalyst to obtain hydrogen and oxygen, and a method of converting carbon dioxide into alcohol etc. with a photocatalyst as a countermeasure against global warming have been studied. .
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Photocatalysts have strong oxidizing and reducing power capable of decomposing difficult-to-decompose chemical substances, but have the disadvantage that the decomposition rate is small. Further, in order to activate titanium oxide, it is necessary to irradiate light in the ultraviolet region, and in general, a special light source such as black light or an ultraviolet lamp for sterilization is used. When a general-purpose light source such as sunlight or a fluorescent lamp is used as an excitation light source, only a very small amount of ultraviolet light is used, which has the disadvantages of low activity and poor energy efficiency.
[0008]
In order to eliminate such defects of titanium oxide, various studies have been conducted since the 1970s in order to obtain photocatalytic activity with visible light. As a material that absorbs visible light other than titanium oxide, Fe 2 O Three , CdS, CdSe, GaP, etc. have been studied, but Fe 2 O Three No activity is obtained, and CdS, CdSe, and GaP have poor stability even if the activity is initially obtained. Further, a method using a potassium niobate-based composite oxide has been studied, but its activity by visible light is very small and has not been put into practical use.
[0009]
Further, studies have been made on doping titanium oxide with various materials. However, when doping is performed, absorption of visible light is obtained, but there is a problem that catalytic activity is lost. As a method for obtaining activity with visible light without losing activity due to doping, doping by an ion implantation method disclosed in JP-A-9-262482 has attracted attention. This is done by implanting a specific metal ion into titanium oxide, and the visible light activity can be obtained by absorbing visible light without impairing the activity of titanium oxide.
[0010]
However, since this method is based on an ion implantation method, it is not suitable for continuously treating a photocatalyst formed on a large-area substrate. Therefore, mass productivity is poor and practical application is difficult.
[0011]
In view of the above, an object of the present invention is to provide a photocatalyst capable of obtaining activity with visible light and to provide a formation method capable of mass production.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The problem-solving means according to the present invention uses a trivalent element such as nitrogen, aluminum, or boron as a doping material, which is doped into titanium oxide to form a photocatalyst. It is generally known that when titanium oxide is doped with other elements, the activity disappears even if the amount added is small. As a result of studying doping of various elements, the present inventors have found that when the above trivalent element is doped, the activity is not lost. As a result, it becomes possible to absorb light having a longer wavelength than that of titanium oxide that is not doped, and activity in visible light can be obtained.
[0013]
In particular, when nitrogen is used as a trivalent element, the amount of visible light absorption increases, and photocatalytic activity by irradiation with visible light can be obtained. Further, since nitrogen gas can be used as the doping material, it is only necessary to supply the gas, and there is an advantage that it can be manufactured easily and inexpensively.
[0014]
In the case of only a photocatalyst doped with nitrogen by alternately laminating a doped photocatalyst layer doped with nitrogen (doped layer) and an undoped undoped photocatalyst layer (undoped layer) to form a photocatalyst film As compared with the above, the photocatalytic activity can be increased.
[0015]
Although the reason why the activity is increased by laminating the doped layer and the undoped layer is not yet clear, the following mechanism is conceivable. Nitrogen, which is a trivalent element, is less likely to lose its activity even when doped than other valence elements. However, the activity tends to decrease when the nitrogen doping amount is increased. Therefore, it is considered that nitrogen in the doped layer becomes a killer center when electrons and holes generated by light irradiation are recombined, and the lifetime of electrons and holes which are active species is shortened. However, when an undoped layer and a doped layer are stacked, electrons and holes diffuse from the doped layer to the undoped layer. Since there is no impurity in the undoped layer, it is difficult for electrons and holes to recombine, and the lifetime becomes longer. For this reason, in the photocatalyst having a laminated structure, it is considered that the concentration of electrons and holes, which are active species, becomes high and becomes highly active.
[0016]
Here, in order to increase the activity, it is necessary to make the film thickness of each layer in the laminated structure of the doped layer / undoped layer within an appropriate range, and considering both the activity and cost, 0.02-1. It is desirable to limit to 0 μm. That is, the activity decreases as the layer thickness increases. On the other hand, even if the thickness of the layer is too thin, the activity becomes small.
[0017]
From the viewpoint of cost, it is desirable to increase the film thickness. In the titanium oxide photocatalyst, the activity increases almost proportionally as the film thickness increases until the film thickness reaches approximately 1 μm. Therefore, in order to increase the catalytic activity per unit area, it is necessary to increase the film thickness of the entire photocatalyst. However, if each layer is made thinner, the number of layers required to obtain a certain film thickness increases, and the number of times of gas switching during film formation increases, which is troublesome and increases manufacturing costs. . Therefore, by making the film thickness within the above range, both activity and cost can be achieved.
[0018]
The reason why the activity decreases as the film thickness in such a laminated structure increases is not clear, but the following mechanism is conceivable. Electrons and holes generated in the doped layer pass through the doped layer at a certain distance to the undoped layer. In the process of passing electrons and holes through this doped layer, nitrogen becomes a killer center and electrons and holes are easily lost. When the thickness of the doped layer is thick, the distance that electrons and holes must move to the undoped layer increases. For this reason, when the dope layer is thick, the lifetime of electrons and holes is shortened, and the amount of active species is reduced.
[0019]
Further, in the undoped layer, electrons and holes have a longer lifetime than in the doped layer, but when the movement distance of electrons and holes in the undoped layer is increased, the rate of disappearance due to recombination increases. Therefore, if the undoped layer is too thick, electrons and holes generated in the doped layer cannot be efficiently transferred to the film surface via the undoped layer, resulting in a decrease in activity.
[0020]
On the other hand, when the film thickness in the laminated structure is made too thin, the cause of the decrease in activity is not clear, but the following causes are conceivable. The crystal state is not completely continuous at the interface of each layer, and the movement of electrons and holes is somewhat hindered. For this reason, if the film thickness in each layer is reduced, it is necessary to increase the number of layers in order to increase the total film thickness, increasing the loss at the interface and reducing the activity. Another cause is considered as follows. When the film thickness is extremely thin, the crystal state of the film tends to be incomplete and the film has many crystal defects. For this reason, it is conceivable that recombination of electrons and holes, which are active species, easily occurs and the activity becomes small.
[0021]
Sputtering is used as a method for forming the photocatalyst doped with nitrogen. For example, titanium oxide is used as a sputtering target material, and a dope layer is formed by nitrogen gas plasma or a mixed gas plasma of nitrogen and an inert gas. The doping material tends to become a killer center in which electrons and holes are recombined when solidified into particles of a certain size. Therefore, it is desirable that the dispersion be as high as possible at the atomic level. By this sputtering method, a doped layer in which nitrogen is highly dispersed can be easily obtained.
[0022]
In this method, since a large sputtering apparatus is used, a film can be easily formed on a substrate having a large area. Note that a titanium oxide film in which nitrogen is highly dispersed can be similarly obtained by doping the titanium oxide film with nitrogen using an ion implantation method. However, the ion implantation apparatus is expensive and is not suitable for processing a large-area substrate, and is inferior in terms of mass productivity and mass production cost as compared with the case of using a sputtering method.
[0023]
In addition, by using metallic titanium as a sputtering target material and forming a dope layer by using a mixed gas plasma of nitrogen and oxygen or a mixed gas plasma of nitrogen, oxygen and inert gas, the nitrogen is increased in the same manner. A dispersed dope layer can be easily obtained. In addition, since titanium metal is used as a target material, nitrogen is not easily doped into the target, and variations in doping amount are unlikely to occur in the formed doped layer. In addition, the titanium metal target is less likely to break and has higher thermal conductivity than the titanium oxide target. For this reason, even if the target surface is exposed to plasma during sputtering and the temperature rises, cracks due to thermal expansion hardly occur. Therefore, there are advantages that maintenance is easier than in the case of using a titanium oxide target, and that problems due to cracks are less likely to occur even when the power during film formation is increased.
[0024]
As another method for forming a photocatalyst, a doped layer is formed by exposing a photocatalytic film of titanium oxide to nitrogen gas plasma. In the case where titanium oxide is treated with nitrogen gas plasma and nitrogen doping is performed, the film surface has a large nitrogen doping amount, and the nitrogen doping amount decreases toward the inside of the film. For this reason, a highly doped layer of nitrogen and an almost undoped layer are stacked, and a film close to the stacked structure formed by sputtering is easily obtained.
[0025]
In addition, the same plasma treatment is performed on the titanium oxide powder to form particles with a high nitrogen concentration on the surface and a low nitrogen concentration inside, which are close to a laminated structure when viewed microscopically. Become a form. A photocatalytic film is formed by mixing such particles with a binder such as silica, alumina, fluororesin, or silicone resin and fixing the mixture on a substrate. Thus, when the photocatalytic film is formed using the nitrogen-doped titanium oxide powder, there are the following advantages over the case where the film-like titanium oxide is subjected to nitrogen plasma treatment. When the titanium oxide in film form is treated with nitrogen plasma, only the vicinity of the film surface is doped with nitrogen. For this reason, visible light absorption can be obtained by nitrogen doping only in a very thin portion of the film surface, and the amount of visible light absorbed by the entire film is small. In order to increase the amount of visible light absorption in the entire film, a thin titanium oxide layer is formed, a nitrogen plasma treatment is performed, then a titanium oxide layer is formed again, and a nitrogen plasma treatment is repeated. It is necessary to. However, when fine titanium oxide powder whose surface is nitrogen-doped is made into a film with a binder, the nitrogen-doped titanium oxide powder is distributed throughout the film, and the amount of visible light absorption can be easily and inexpensively. Many photocatalytic films can be obtained.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A photocatalyst according to an embodiment of the present invention is shown in FIG. This is because a doped photocatalyst layer (doped layer) 1 in which a trivalent element is doped in titanium oxide and an undoped photocatalyst layer (undoped layer) 2 in titanium oxide not doped with the element are alternately laminated. A photocatalytic film is formed. This film is formed on the substrate 3 to become a photocatalyst and is used for antibacterial, deodorizing, purification, and the like by utilizing its strong oxidation and reduction power.
[0027]
Here, nitrogen, aluminum, and boron are examples of trivalent elements that do not decrease the activity even when doped with titanium oxide and that can absorb visible light and exhibit the activity.
[0028]
Since the activity of the titanium oxide photocatalyst increases almost proportionally up to about 1 μm, the function of the photocatalyst can be exhibited if the thickness of each layer is 1.0 μm or less. However, if the film thickness is excessively increased, the doped element is difficult to penetrate into the interior, the amount of doping is reduced, and high activity cannot be obtained. Therefore, in order to obtain sufficient activity, it is suitable that the thickness of each layer is 1.0 μm or less.
[0029]
Moreover, in order to fully exhibit the function of the photocatalyst, it is better to increase the film thickness of the entire photocatalyst. However, if the film thickness of each layer is made too thin, the number of layers increases to obtain the required film thickness, and it takes time to set up each layer, resulting in an increase in manufacturing cost. Therefore, from the viewpoint of both activity and cost, it is suitable that the lower limit of the film thickness is 0.02 μm.
[0030]
As described above, when a photocatalyst obtained by doping titanium oxide with a trivalent element is used, the visible light absorption can be increased without impairing the original activity, and the photocatalytic activity can be obtained by irradiation with visible light. In particular, in a photocatalyst in which a doped layer and an undoped layer are laminated, the activity can be increased as compared with the case of only a doped layer. In addition, even if it is a photocatalyst which consists only of dope layers, the activity which can fully be used practically is acquired, and activity is acquired also by irradiation of visible light.
[0031]
Next, a method for forming the above-mentioned laminated structure photocatalyst by a sputtering method will be described. A magnetron sputtering apparatus is used as the film forming apparatus, and titanium oxide or metal titanium is used as the target. First, a substrate such as glass, aluminum whose surface is oxidized, or a heat-resistant film such as polyester or polyethylene is fixed to a holder in a vacuum chamber, and the vacuum chamber is evacuated. After heating the substrate to a predetermined temperature, a gas containing nitrogen as an introduction gas is introduced. When titanium oxide is used for the target, the mixed gas is nitrogen gas alone. In addition, when metallic titanium is used for the target, the mixed gas is a mixed gas of nitrogen gas and oxygen gas. Then, a high frequency voltage or a direct current voltage is applied to the target to form a titanium oxide film on the substrate. At this time, nitrogen is doped into the titanium oxide to form a doped layer.
[0032]
Subsequently, the mixed gas is changed to a mixed gas of an inert gas such as argon or helium and oxygen gas, and sputtering is similarly performed. Then, an undoped layer made of only titanium oxide not doped with nitrogen is formed on the doped layer. This is alternately repeated a plurality of times to form a photocatalyst film having a predetermined film thickness in which doped layers and undoped layers are alternately stacked.
[0033]
Note that, when doping with other trivalent elements such as aluminum or boron instead of doping with nitrogen, these powdered oxides are used to perform sputtering on the substrate together with the target. At this time, a mixed gas of an inert gas such as argon or helium and an oxygen gas is used as the mixed gas. Thereby, a photocatalyst of titanium oxide doped with aluminum or boron can be obtained.
[0034]
Another forming method will be described. That is, instead of sputtering, a powder or film-like titanium oxide is treated with nitrogen gas plasma using a plasma processing apparatus to dope nitrogen. Film-like titanium oxide can be used as it is as a photocatalytic film. On the other hand, since titanium oxide powder is difficult to use as it is, it is mixed with a binder such as silica, alumina, fluorine resin, or silicone resin and fixed on a substrate to form a photocatalytic film. Alternatively, titanium oxide powder is uniformly dispersed in a strong acid solvent such as hydrochloric acid or nitric acid to form a slurry, which is coated on a substrate, dried, and heated to 500 ° C. or higher, so that the photocatalytic film is formed by a so-called sol-gel method. Form.
[0035]
Then, a titanium oxide film not doped with nitrogen is formed on the photocatalyst film formed as described above, or a photocatalyst film is formed by a sol-gel method using titanium oxide powder not doped with nitrogen. Thus, a photocatalyst having a laminated structure may be used.
[0036]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to Examples and Comparative Examples.
[0037]
Example 1
An RF magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium oxide having a purity of 99.9% or more was used as the target material. On the target material of 90mmφ, aluminum oxide (Al 2 O Three ) Four columnar tablets of 10mmφ and 7mm thickness, which are solidified by press molding, are installed, and a mixed gas of argon and oxygen is used as the introduced gas. Barium borosilicate with a smooth surface under the condition (1) in Table 1 An aluminum-doped titanium oxide film was formed on a non-alkali glass substrate. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0038]
[Table 1]
Figure 0003887499
[0039]
(Example 2)
An RF magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium oxide having a purity of 99.9% or more was used as the target material. Boron oxide (B 2 O Three ) Four cylindrical tablets of 10mmφ and 7mm thickness made by press molding were installed, and a mixed gas of argon and oxygen was used as the introduced gas, and film formation was performed on the substrate under the conditions (1) in Table 1. Then, a boron-doped titanium oxide film was formed. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0040]
Example 3
An RF magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium oxide having a purity of 99.9% or more was used as the target material. Nitrogen gas was used as the introduced gas, and film formation was performed on the substrate under the condition (2) in Table 1 to form a nitrogen-doped titanium oxide film. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0041]
Example 4
A DC magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium having a purity of 99.9% or more was used as the target material. Using a mixed gas of argon and nitrogen as the introduced gas, a film was formed on the substrate under the condition (3) in Table 1 to form a nitrogen-doped titanium oxide film. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0042]
(Example 5)
Under the same conditions as in Example 3, a nitrogen-doped titanium oxide film was formed so as to have a film thickness of 0.4 μm. Next, switching to an introduced gas containing no nitrogen and argon and oxygen, an undoped titanium oxide film having a thickness of 0.2 μm is formed on the nitrogen-doped titanium oxide film under the condition (1) in Table 1. Thus, a two-layer structure was obtained.
[0043]
(Example 6)
A nitrogen-doped titanium oxide film was formed to a thickness of 0.1 μm under the same conditions as in Example 3, and then an undoped titanium oxide film was formed to a thickness of 0.1 μm on condition (1) in Table 1 thereon. The same operation was further repeated twice to form a photocatalyst film having a total of 6 layers in which nitrogen-doped titanium oxide films and undoped titanium oxide films were alternately laminated as shown in FIG.
[0044]
(Example 7)
A nitrogen-doped titanium oxide film was formed to 0.033 μm under the same conditions as in Example 3, and then an undoped titanium oxide film was formed to 0.033 μm on condition (1) in Table 1 on this. The same operation was further repeated eight times to form a photocatalytic film consisting of 18 layers in total, in which nitrogen-doped titanium oxide films and undoped titanium oxide films were alternately laminated.
[0045]
(Example 8)
0.5 g of titanium oxide powder (Ishihara Sangyo, ST-01) having a particle diameter of about 7 nm was put in a quartz dish having a diameter of 8 cm, and the powder was pressed and hardened with a glass rod. Next, the dish containing titanium oxide powder was put into a cylindrical plasma processing apparatus, and after evacuation, nitrogen gas was introduced and the internal gas pressure was adjusted to 0.5 Torr. And 400W RF power was applied, nitrogen plasma was generated inside, and nitrogen plasma processing was performed. After the treatment for 60 minutes, the RF power was stopped once, the dish containing the titanium oxide powder was taken out from the vacuum chamber, the powder was stirred with a glass rod, and then pressed again with a glass rod and placed in a cylindrical plasma processing apparatus. The inside of the apparatus was evacuated, and nitrogen plasma treatment was performed for 60 minutes as in the first time.
[0046]
After completion of the second treatment, stirring of the titanium oxide powder and nitrogen plasma treatment were repeated twice more to produce 0.5 g of titanium oxide powder treated with nitrogen plasma.
[0047]
(Comparative Example 1)
An RF magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium oxide having a purity of 99.9% or more was used as the target material. Using a mixed gas of argon and oxygen as the introduced gas, a film was formed on the substrate under the condition (1) in Table 1 to form an undoped titanium oxide film. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0048]
(Comparative Example 2)
An RF magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium oxide having a purity of 99.9% or more was used as the target material. Four pieces of crushed chromium of 2 to 6 mm are placed on the target material, and a mixed gas of argon and oxygen is used as the introduction gas, and film formation is performed on the substrate under the condition (1) in Table 1, and chromium-doped titanium oxide A film was formed. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0049]
(Comparative Example 3)
An RF magnetron sputtering apparatus was used as the film forming apparatus, and titanium oxide having a purity of 99.9% or more was used as the target material. One vanadium wire having a diameter of 0.5 mm and a length of 6 cm is placed on the target material, and a mixed gas of argon and oxygen is used as the introduction gas, and film formation is performed on the substrate under the condition (1) in Table 1, A vanadium-doped titanium oxide film was formed. The film formation time was adjusted so that the film thickness was 0.6 μm.
[0050]
(Comparative Example 4)
As Comparative Example 4, 0.5 g of titanium oxide powder (ST-01) manufactured by Ishihara Sangyo was used as it was.
[0051]
The photocatalyst samples obtained in Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 4 were separately placed in a 5 liter container, and acetaldehyde, which is one of malodorous substances, was injected to a concentration of 100 ppm. Next, a 6 W black light was used to irradiate the sample surface with ultraviolet rays, and the time for the acetaldehyde concentration to decrease to 1 ppm was measured. In addition, the samples of Example 8 and Comparative Example 4 which are powder samples are put in a dish of 8.4 cm × 5.4 cm and a depth of 1.2 cm, and evaluated in the same manner as other samples. went. The results are shown in Table 2.
[0052]
[Table 2]
Figure 0003887499
[0053]
As shown in Table 2, the decomposition time of acetaldehyde in the titanium oxide film doped with aluminum (Example 1) and the titanium oxide film doped with boron (Example 2) is longer than in the undoped titanium oxide film (Comparative Example 1). Is shortened and has high activity. Further, the titanium oxide film doped with nitrogen (Examples 3 and 4) is smaller than the undoped titanium oxide film but has activity.
[0054]
On the other hand, the titanium oxide film doped with chromium (Comparative Example 2) and the titanium oxide film doped with vanadium (Comparative Example 3) have almost no activity, and the activity disappears by doping with chromium and vanadium.
[0055]
Therefore, aluminum, boron, and nitrogen whose activity did not disappear even after doping are all trivalent elements, indicating that trivalent elements are effective in order not to impair the activity of titanium oxide. Yes. Further, the activity is increased by doping aluminum and boron, and there is an effect of increasing the activity by forming a film under an appropriate condition.
[0056]
Further, the activity of the sample of Example 5 having a two-layer structure in which an undoped layer is formed on the nitrogen-doped layer is greatly increased as compared with the sample of Example 4 having only the nitrogen-doped layer. Further, the sample of Example 6 in which nitrogen-doped layers and undoped layers were alternately formed to form six layers resulted in photocatalytic activity as a result of the thickness of each layer being thinner than the sample of Example 5 having a two-layer structure. The photocatalytic activity was almost the same as that of the sample of Comparative Example 1 which was undoped titanium oxide.
[0057]
Although the sample of Example 7 in which the thickness of the nitrogen-doped layer and the undoped layer was made thinner than that of Example 6 and the number of layers was increased, the activity was larger than the samples of Examples 3 and 4 having only the nitrogen-doped layer. The activity is smaller than the sample of Example 6 in which the number of layers is 6 and the thickness of each layer is 0.1 μm. Therefore, when each layer is thinned and the number of layers is increased, the activity decreases.
[0058]
The sample of Example 8 in which titanium oxide powder was treated with nitrogen plasma and doped with nitrogen showed almost the same photocatalytic activity as the sample of Comparative Example 4 which was undoped titanium oxide powder, and there was almost no decrease in activity due to nitrogen doping. .
[0059]
Next, a 6 W daylight fluorescent lamp was used as an excitation light source, and this was irradiated to measure the decomposition rate of acetaldehyde in the same manner. The results are shown in Table 3.
[0060]
[Table 3]
Figure 0003887499
[0061]
In the sample of Comparative Example 1 using only the undoped titanium oxide film, 75 hours and a long time were required for the acetaldehyde decomposition, whereas the nitrogen-doped layer and the undoped layer were alternately laminated to form 6 layers. The sample could be degraded in 20 hours and less than 1/3 time. On the other hand, the samples of Comparative Examples 2 and 3 doped with chromium and vanadium had almost no activity.
[0062]
Further, when compared with the powder photocatalyst, the undoped titanium oxide powder of Comparative Example 4 took 15 hours to decompose acetaldehyde, whereas the titanium oxide powder subjected to nitrogen doping of Example 8 was 7 hours and half or less. It was possible to decompose acetaldehyde in the time of
[0063]
From the above results, nitrogen-doped titanium oxide can be activated with light having a longer wavelength than a photocatalyst made of only titanium oxide. , Can be highly active.
[0064]
In addition, this invention is not limited to the said embodiment, Of course, many corrections and changes can be added to the said embodiment within the scope of the present invention.
[0065]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the present invention, high activation and visible light activity can be obtained without impairing the activity by doping titanium oxide with a trivalent element. In particular, by performing nitrogen doping, the amount of visible light absorption can be increased, and photocatalytic activity by irradiation with visible light can be obtained.
[0066]
Furthermore, the activity can be greatly increased by alternately laminating doped layers and undoped layers. At this time, by setting the thickness of each layer to 0.02 to 1.0 μm, a highly active photocatalyst can be efficiently formed without increasing the manufacturing cost.
[0067]
Also, by using a sputtering method for this doping, a doped layer can be formed easily and inexpensively. In sputtering, either titanium or titanium oxide can be used as a target material. However, when titanium is used, a constant doping amount can be stably obtained, and cracks can be generated even when high power is applied during film formation. There is an advantage that it is difficult to enter, and a high-quality photocatalyst can be obtained. In addition, since doping can be performed on a large-area substrate, mass production can be achieved and manufacturing costs can be reduced.
[0068]
In particular, nitrogen doping can be performed by performing nitrogen plasma treatment on a film-like or powdery titanium oxide, and a photocatalyst can be produced easily and inexpensively.
[0069]
Thus, titanium oxide doped with a trivalent element, particularly nitrogen, has catalytic activity not only in ultraviolet light contained in trace amounts of natural light such as sunlight and fluorescent lamps, but also in the visible light region of these natural lights. Since it can be used as an energy source, high photocatalytic activity can be obtained with natural light. Therefore, there is no need to use a special light source that has been required for activation in the past, and deodorization, antibacterial, NOx and COx are efficiently performed at low cost 2 It is possible to provide a photocatalyst that can realize the removal of the catalyst.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a photocatalyst having a laminated structure according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Dope layer
2 Undoped layer
3 Substrate

Claims (10)

酸化チタンに窒素、アルミニウム、ホウ素のうちいずれか1つをドーピングしたドープ光触媒層と前記元素をドーピングしていない無ドープ光触媒層とを交互に積層して、光触媒膜を形成することを特徴とする光触媒体の形成方法。A photocatalytic film is formed by alternately laminating a doped photocatalyst layer doped with any one of nitrogen, aluminum, and boron on titanium oxide and an undoped photocatalyst layer not doped with the element. A method for forming a photocatalyst. ターゲットに酸化チタンまたはチタンを用い、酸化チタンについては窒素を含むガス中で、チタンについては窒素及び酸素を含むガス中でスパッタリングを行い、窒素ドープ光触媒層を形成することを特徴とする請求項1記載の光触媒体の形成方法。Titanium oxide or titanium used in the target, in a gas containing nitrogen for titanium oxide according to claim 1, for titanium perform sputtering in a gas containing nitrogen and oxygen, and forming a nitrogen-doped photocatalyst layer The formation method of the photocatalyst body of description. 光触媒膜を窒素プラズマ処理して、窒素をドーピングすることを特徴とする請求項1記載の光触媒体の形成方法。 2. The method of forming a photocatalyst according to claim 1, wherein the photocatalyst film is treated with nitrogen plasma to be doped with nitrogen. 酸化チタン粉を窒素プラズマ処理して、窒素をドーピングし、この酸化チタン粉をバインダーにより基板上に固定することを特徴とする請求項1記載の光触媒体の形成方法。 2. The method of forming a photocatalyst according to claim 1, wherein the titanium oxide powder is treated with nitrogen plasma, nitrogen is doped, and the titanium oxide powder is fixed on the substrate with a binder. 酸化チタンに窒素をドーピングする光触媒体の形成方法であって、ターゲットに酸化チタンを用い、窒素を含むガス中でスパッタリングを行い、窒素ドープ光触媒層を形成することを特徴とする光触媒体の形成方法。A method for forming a photocatalytic body of doping nitrogen in titanium oxide, titanium oxide is used in the target and the sputtering process is effected in a gas containing nitrogen, formation of the photocatalyst, which comprises forming a nitrogen-doped photocatalyst layer Method. 酸化チタンに窒素をドーピングする光触媒体の形成方法であって、ターゲットにチタンを用い、窒素および酸素を含むガス中でスパッタリングを行い、窒素ドープ光触媒層を形成することを特徴とする光触媒体の形成方法。A method for forming a photocatalytic body of doping nitrogen in titanium oxide, a titanium targeting performs sputtering in a gas containing nitrogen and oxygen, the photocatalyst and forming a nitrogen-doped photocatalyst layer Forming method. 酸化チタンに窒素をドーピングする光触媒体の形成方法であって、光触媒膜を窒素プラズマ処理して、窒素をドーピングすることを特徴とする光触媒体の形成方法。A method for forming a photocatalytic body of doping nitrogen in titanium oxide, and a photocatalyst film with nitrogen plasma treatment method for forming a photocatalytic body characterized by doping the nitrogen. 酸化チタンに窒素をドーピングする光触媒体の形成方法であって、酸化チタン粉を窒素プラズマ処理して、窒素をドーピングし、この酸化チタン粉をバインダーにより基板上に固定することを特徴とする光触媒体の形成方法。A method for forming a photocatalytic body of doping nitrogen in titanium oxide, the titanium oxide powder was nitrogen plasma treatment, a nitrogen doped, photocatalyst of titanium oxide powder, characterized in that fixed on the substrate by the binder Body formation method. 酸化チタンの光触媒膜からなる光触媒体であって、光触媒膜は、窒素、アルミニウム、ホウ素のうちいずれか1つの元素をドーピングしたドープ光触媒層と前記元素をドーピングしていない無ドープ光触媒層とが交互に積層されてなることを特徴とする光触媒体。A photocatalyst comprising a photocatalyst film of titanium oxide, wherein the photocatalyst film comprises alternating doped photocatalyst layers doped with any one element of nitrogen, aluminum and boron and undoped photocatalyst layers not doped with said elements A photocatalyst that is laminated on the photocatalyst. 各光触媒層の厚さが0.02〜1.0μmであることを特徴とする請求項9記載の光触媒体。 10. The photocatalyst body according to claim 9, wherein the thickness of each photocatalyst layer is 0.02 to 1.0 [mu] m.
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