JP3887469B2 - ガスタービンプラント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンプラントに係り、特に、空気圧縮機で圧縮した高圧空気の一部を用いてタービン高温部を冷却し、冷却後の空気をガスタービン燃焼器に回収させてプラント熱効率の向上を図ったガスタービンプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電プラント等に適用されるガスタービンプラントは、例えば図22に示す構成のものが使用されている。
【0003】
ガスタービンプラントは、空気圧縮機1とガスタービン2とを一体結合させた構成になっている。この空気圧縮機1とガスタービン2とは、一つのケーシング3に軸結合させた圧縮機軸4とタービン軸5を収容し、ケーシング3内に圧縮機静翼6を固設し、圧縮機軸4に圧縮機動翼7を植設して圧縮機段落8を構成する一方、ケーシング3にタービン静翼9を固設し、タービン軸5にタービン動翼10を植設してタービン段落11を構成している。
【0004】
また、ガスタービンプラントは、圧縮機段落8とタービン段落11との間に複数個のガスタービン燃焼器12を環状に配置し、圧縮機段落8で圧縮した高圧空気ARをガスタービン燃焼器12に供給し、ここで燃料を加えて燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)FGを生成し、その高温燃焼ガスFGをトランジションピース13を介してタービン段落11に案内し、タービン静翼9で膨脹させた燃焼ガスFGの速度エネルギーを利用してタービン動翼10を回転駆動し、その回転力によりタービン軸5に回転トルクを発生させるようになっている。
【0005】
ところで、最近のガスタービンプラントでは、ガスタービン2の入口燃焼ガス温度を1300℃〜1500℃以上に高温化させプラント熱効率の向上を図る開発が行われている。ガスタービン2の入口燃焼ガス温度を高温化させると、ガスタービン構成部品の許容限界温度、具体的には800℃〜900℃を大幅に超えるため、ガスタービンプラントは、タービン軸5、タービン静翼9、タービン動翼10等に冷却構造を採用し、空気圧縮機1で圧縮した高圧空気ARの一部を冷却用として供給して高温化に対処させていた。
【0006】
しかし、空気圧縮機1で圧縮した高圧空気ARの一部を、タービン動翼10等のガスタービン高温部品に冷却用として供給する場合、その高圧空気AR自体は、タービン軸5の回転トルク発生に実質的に寄与しないため、燃焼ガス温度を高温化しても互いに相殺し、結果としてプラント熱効率を設計値通りに維持できない問題点があった。ガスタービン2の入口燃焼ガスを高温化すればするほど冷却用としての高圧空気ARは増加し、プラント熱効率を設計値以下に低下させるおそれがある。
【0007】
最近、燃焼ガス温度の高温化と相俟ってタービン動翼10等のガスタービン高温部品に冷却用として用いた空気圧縮機1からの高圧空気ARを、ガスタービン燃焼器12等に回収させ、プラント熱効率を設計値通りに維持させる技術が、例えば特公昭58−43575号公報、特開平5−86901号公報、特開平7−189740号公報、特開平9−60531号公報として数多く提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
燃焼ガスの高温化に伴って冷却を必要とするガスタービン高温部品には、ガスタービン燃焼器12、タービン静翼9、タービン動翼10等がある。これらの高温部品の冷却に用いる冷却空気は、可能な限り回収し、ガスタービン燃焼器12の燃焼用の空気に使用した方がプラント熱効率は向上する。また、タービン静翼9、タービン動翼10に関しても初段落のみならず後段落まで高圧空気(冷却空気)の回収範囲を拡げた方がプラント熱効率は向上する。このような観点から、上述の数多くの公報が開示されたものと考えられる。
【0009】
しかし、上述公報の場合、冷却部位を拡げるに従い高圧空気の流量も増加し、これに伴って昇圧装置の駆動力が増え、結果的にプラント熱効率の向上が望めなくなる。また、ガスタービン高温部品の圧力損失が大きいと、昇圧装置の昇圧力が増加し、これに伴って消費動力も増加する。特に、特開平9−60531号公報では、タービン静翼9およびタービン動翼10内を、上流段落から下流段落に直列状に順次冷却する構造を提案しているが、冷却経路が長くなるため各翼の圧力損失は増加することが懸念される。このため、プラント熱効率を向上させるには、各翼に供給する高圧空気を極力低く抑えて効果的な冷却を行わせるとともに、圧力損失を低く抑える高圧空気の供給手段が必要とされる。
【0010】
また、高圧空気を設計圧力に昇圧させて各高温部品に供給し、各高温部品を冷却後、その高圧空気をガスタービン燃焼器12が必要とする圧力にして回収させる場合、各高温部品の流量係数が異なるため、高圧空気は、各高温部品に対し、過大量であったり過少量であったりし、均等の冷却ができない問題点がある。このため、高圧空気を各高温部品に供給する場合、その分配流量は、各高温部品に対し適正値にコントロールする必要がある。
【0011】
また、2段落以降のタービン静翼では、燃焼ガス通路上に、ダイヤフラム内輪が配置されており、このダイヤフラム内輪と前後段落のタービンディスクとで形成される空間部分内に、燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)が巻き込まれることを防止するために、シール用空気を流している。このシール用空気は、タービン静翼9を冷却する高圧空気を用いていた。しかし、シール用空気と冷却用の高圧空気とは、もともと圧力が異なっており、冷却用の高圧空気を燃焼ガス巻込み防止用に用いると、燃焼ガスの流れに多くの乱れを与えて好ましくない。このため、タービン静翼9の2段落以降のものには、冷却用の系統とシール用の系統とを別々に区分けした構造のものが必要とされる。
【0012】
また、タービン動翼10に関しては、翼冷却後の高圧空気を回収させると、高圧空気のポンピング動力が低くなるので、プラント熱効率が向上する。翼冷却後の高圧空気を回収させた場合、特開平7−189739号公報に見られるように、タービン軸5の回転系から静止系のキャビティに流出させると、高圧空気は、周方向動圧成分が高いため、キャビティだけでは周方向動圧成分を回収しきれず、圧力損失の要因になる。このため、プラント熱効率をより一層向上させるには、高圧空気の周方向動圧成分を回収できる構造のものが必要とされる。
【0013】
本発明は、このような不都合、不具合の諸点を改善してなされたもので、空気圧縮機からの高圧空気を用いてガスタービン高温部品を冷却し、冷却後の高圧空気をガスタービン燃焼器に回収させる際、より少ない圧力損失でガスタービン高温部品を冷却し、かつより多くの高圧空気をガスタービン燃焼器に回収させてプラント熱効率のより一層の向上を図ったガスタービンプラントを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスタービンプラントは、上記目的を達成するために、請求項1に記載したように、空気圧縮機の空気圧縮機段落で圧縮した高圧空気をガスタービン燃焼器に供給する際、その一部の高圧空気を昇圧機で昇圧してタービン静翼に供給するタービン静翼用冷却空気供給系と、上記昇圧機で昇圧した高圧空気をタービン動翼に供給するタービン動翼用冷却空気供給系と、上記タービン静翼を冷却させた高圧空気をガスタービン燃焼器室に回収させるタービン静翼用冷却空気回収系と、上記タービン動翼を冷却させた高圧空気を上記ガスタービン燃焼器室に回収させるタービン動翼用冷却空気回収系とを備えたガスタービンプラントにおいて、上記タービン動翼用冷却空気回収系は、空気圧縮機の軸とタービン初段動翼のタービンディスクとを接続する中間軸に圧力回復装置を備えたものである。
【0028】
本発明に係るガスタービンプラントは、上記目的を達成するために、請求項2に記載したように、上記圧力回復装置は、上記中間軸の回転方向と反対方向に傾斜状に、かつ湾曲させた案内羽根であることを特徴とするものである。
【0029】
本発明に係るガスタービンプラントは、上記目的を達成するために、請求項3に記載したように、上記タービン動翼用冷却空気回収系は、上記中間軸に通路を設け、この通路から圧力回復装置を介して上記タービン燃焼器室に上記タービン動翼を冷却させた高圧空気を回収させるとともに、上記通路を上記中間軸の回転方向と反対方向に傾斜させて形成したものである。
【0030】
本発明に係るガスタービンプラントは、上記目的を達成するために、請求項4に記載したように、上記タービン動翼用冷却空気回収系は、上記中間軸に設けた通路に、上記タービン動翼を冷却させた高圧空気を供給する回収口を設け、この回収口を上記中間軸の回転方向と反対方向に傾斜させて上記圧力回復装置を形成したものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービンプラントの実施形態を添付図面および図中に付した符号を利用して説明する。
【0037】
図1は、本発明に係るガスタービンプラントの第1実施形態を示す概略系統図である。
【0038】
本実施形態に係るガスタービンプラントは、空気圧縮機14とガスタービン15とを一体結合させた構成になっている。この空気圧縮機14とガスタービン15とは、一つのケーシング16に軸結合させた圧縮機軸17とタービン軸18を収容し、ケーシング16に圧縮機静翼19を固設し、圧縮機軸17に圧縮機動翼20を植設して圧縮機段落21を構成する一方、ケーシング16にタービン静翼22を固設し、タービン軸18にタービン動翼23を植設してタービン段落24を構成している。なお、タービン段落24は、タービン初段落24a、タービン2段落24a、タービン3段落24c、タービン4段落24dになっている。
【0039】
また、ガスタービンプラントは、圧縮機段落21とタービン段落24との間に複数個のガスタービン燃焼器25を環状に配置し、圧縮機段落21で圧縮した高圧空気をガスタービン燃焼器25に供給し、ここで燃料を加えて燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)を生成し、その高温燃焼ガスをトランジションピース26を介してタービン段落24に案内し、タービン静翼22で膨脹させた燃焼ガスの速度エネルギを利用してタービン動翼23を回転駆動し、その回転力によりタービン軸18に回転トルクを発生させるようになっている。
【0040】
また、ガスタービンプラントは、圧縮機段落21で圧縮した高圧空気の一部を冷却用としてガスタービン燃焼器室27から抽気し、その冷却空気を昇圧機28で昇圧させ、各タービン段落24a,24b,24cの各タービン静翼22およびタービン動翼23のそれぞれに区分けして供給するタービン静翼用冷却空気供給系29とタービン動翼用冷却空気供給系30とを備えた構成になっている。
【0041】
また、ガスタービンプラントは、各タービン段落24a,24b,24cの各タービン静翼22およびタービン動翼23のそれぞれを冷却した後の冷却空気を、ガスタービン燃焼器室27に回収させるタービン静翼用冷却空気回収系31とタービン動翼用冷却空気回収系32とを備えた構成になっている。これら各冷却空気供給系29,30および各冷却空気回収系31,32は、母管に対し分岐管として並列状に区分けし、冷却空気の圧力損失を低く抑えるようになっている。
【0042】
このように、本実施形態は、ガスタービン燃焼器室27から抽気した圧縮機段落21の高圧空気を、冷却空気として各タービン段落24a,24b,24cの各タービン静翼22およびタービン動翼23毎に並列状に区分けして供給するタービン静翼用冷却空気供給系29およびタービン動翼用冷却空気供給系30と、各タービン静翼22およびタービン動翼23を冷却させた冷却空気を、各翼22,23毎にガスタービン燃焼器室27に回収させるタービン静翼用冷却空気回収系31およびタービン動翼用冷却空気回収系32とを並列状に設け、冷却空気の圧力損失を少なくさせたので、各タービン段落24a,24b,24cの各翼22,23を効果的に冷却・回収することができ、プラント熱効率を、従来に較べてより一層向上させることができる。なお、回収した冷却空気は、ガスタービン燃焼器25の燃焼用空気として利用される。
【0043】
図2は、本発明に係るガスタービンプラントの第1実施形態における変形例を示す概略系統図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0044】
本実施形態は、ガスタービン燃焼器室27から抽気した圧縮機段落21の高圧空気を、冷却空気としてタービン初段落24a、タービン2段落24b、タービン3段落24cの各タービン静翼22および各タービン動翼23に供給するタービン静翼用冷却空気供給系29およびタービン動翼用冷却空気供給系30のうち、タービン静翼用冷却空気供給系29をタービン初段落静翼用冷却空気供給系29aとタービン2段落・3段落静翼用冷却空気供給系29bとに区分けするとともに、タービン動翼用冷却空気供給系30もタービン初段落動翼用冷却空気供給系30aとタービン2段落・3段落動翼用冷却空気供給系30bとに区分けした構成になっている。なお、タービン2段落・3段落静翼用冷却空気供給系29bおよび2段落・3段落動翼用冷却空気供給系30bは、ともにタービン静翼用冷却空気供給系29およびタービン動翼用冷却空気供給系30からの冷却空気でタービン2段落24bの各翼22,23を冷却後、その冷却空気をタービン3段落24cの各翼22,23に供給するようになっている。
【0045】
また、本実施形態は、各段落24a,24b,24cの静翼22および動翼23の冷却後の冷却空気を、上述各冷却空気供給系29a,29bに対応させてガスタービン燃焼器室27に回収させるタービン静翼用冷却空気回収系31およびタービン動翼用冷却空気回収系32のうち、タービン静翼用冷却空気回収系31をタービン初段落静翼用冷却空気回収系31aとタービン2段落・3段落静翼用冷却空気回収系31bとに区分けするともに、タービン動翼用冷却空気回収系32もタービン初段落動翼用冷却空気回収系32aとタービン2段落・3段落動翼用冷却空気回収系32bとに区分けした構成になっている。
【0046】
すなわち、本実施形態は、各段落24a,24b,24cのうち、初段落24aの静翼22および動翼23が総冷却空気量の約60%を必要とし、また残りが2段落24bおよび3段落24cで必要となることを考慮して、初段落24aの冷却空気供給・回収系29a,30a,31a,32aと2段落・3段落24b,24cの冷却空気供給・回収系29b,30b,31b,32bとに区分けした、いわゆる並列状と直列状との組合せにしたものである。
【0047】
このように、本実施形態は、各段落24a,24b,24cが必要とする冷却空気量毎に冷却空気供給・回収系29a,29b,30a,…をきめ細かく区分けし、冷却空気の圧力損失を少なくさせたので、各段落24a,24b,24cの各翼22,23を確実かつ効果的に冷却することができる。
【0048】
図3は、各タービン段落のタービン静翼およびタービン動翼に供給する冷却空気の流量および圧力損失を、従来(冷却空気を各段落に対して直列状に供給)と、本発明に係るガスタービンプラントの第1実施形態および第1実施形態における変形例とで対比させたグラフである。本発明に係るガスタービンプラントは、冷却空気を各段落に対して並列状に供給(第1実施形態)するか、あるいは冷却空気を各段落に対して並列状と直列状とを組み合せて供給(第1実施形態における変形例)しているので、従来に較べ圧力損失を低くすることが認められた。
【0049】
図4は、本発明に係るガスタービンプラントの第2実施形態を示す概略系統図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0050】
本実施形態に係るガスタービンプラントは、ガスタービン燃焼器室27から抽気した高圧空気を冷却用として、昇圧機28、タービン静翼用冷却空気供給系29、タービン動翼用冷却空気供給系30を介してタービン初段落24a、タービン2段落24b、タービン3段落24cの各タービン静翼22およびタービン動翼23に並列状に案内し、各翼22,23を冷却後、タービン静翼用冷却空気回収系31およびタービン動翼用冷却空気回収系32を介してタービン燃焼器室27に回収させている点で、第1実施形態と基本的に同一構成を採っているが、タービン初段落24aのタービン静翼22の後縁側に冷却空気を案内するタービン初段落静翼用冷却空気供給系29aに、タービン初段落静翼用バイパス系33を設けている点、タービン2段落24bおよび3段落24cの各タービン静翼22,22に冷却空気を案内したタービン2段落静翼用冷却空気供給系29cおよびタービン3段落静翼用冷却空気供給系29dのそれぞれに、各タービン静翼の後縁およびダイヤフラム内輪34,34を介して前段落のタービンディスク35と後段落のタービンディスク35とで形成された空間部分36に冷却空気の一部をシール空気として案内するタービン2段落静翼用バイパス系37と、タービン3段落静翼用バイパス系38とを設けている点が異なっている。
【0051】
一般に、タービン初段落24aのタービン静翼22は、燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)の温度が最も高く、かつ翼面の熱伝達率分布も後縁で高くなっており、また翼内を冷却する際、後縁の冷却面積を大きく確保できず、メタル温度が高くなっている。このため、タービン静翼22は、翼内の冷却の際、冷却空気による対流冷却だけでは翼材の許容温度以下に抑えることが難しい。
【0052】
このような事情から、本実施形態は、図5に示すように、タービン静翼22に冷却空気を供給するタービン初段落静翼用冷却空気供給系29aにタービン初段落静翼用バイパス系33を設け、タービン初段落静翼用バイパス系33からの冷却空気を後縁39に供給し、翼内の冷却空気に合流させ、その合流空気を吹き出し口40から燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)に吹き出させ、タービン静翼22の翼材強度を高い状態に維持させたものである。
【0053】
また、従来、ガスタービンプラントは、燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)がタービン2段落24b、タービン3段落24cを通過する際、前段落と後段落との間の空間部分36にシール用空気を流し、燃焼ガスの空間部分36への巻込み防止を図るとともに、そのシール用空気を利用してタービン段落24b、タービン3段落24cのタービン動翼23,23を冷却していた。
【0054】
しかし、シール用空気の圧力損失が大きいと、燃焼ガスは空間部分36に巻き込まれることがあり、シール用空気の圧力を強化する必要があった。また、タービン動翼23,23は、シール用空気を冷却に利用し、翼内冷却後、燃焼ガスに吹き出させていたので、ポンピング損失が大きく何らかの対策を必要としていた。
【0055】
このような事情から、本実施形態は、図6に示すように、タービン2段落24bおよびタービン3段落24cのタービン静翼22,22に並列状に冷却空気を供給するタービン2段落静翼用冷却空気供給系29cおよびタービン3段落静翼用冷却空気供給系29dのそれぞれに、タービン2段落静翼用バイパス系37、タービン3段落静翼用バイパス系38を設け、タービン2段落静翼用バイパス系37、タービン3段落静翼用バイパス系38からの冷却空気を、後縁39,39を介してダイヤフラム内輪34,34に供給し、ここから排出口41,41を介して前段落および後段落のタービンディスク35,35とで形成した空間部分36,36に流出させ、シール用空気の圧力を強化し、燃焼ガスの空間部分36,36への巻込み防止を図っている。その際、排出口41,41から流出した冷却空気は、タービン2段落24b、タービン3段落24cのタービンディスク35,35に設けた空気入口42,42を介してタービン動翼23,23を冷却し、冷却後、燃焼ガスに合流させる。
【0056】
このように、本実施形態は、タービン2段落24bおよびタービン3段落24cのタービン静翼22,22に並列状に冷却空気を供給するタービン2段落静翼用冷却空気供給系29cおよびタービン3段落静翼用冷却空気供給系29dのそれぞれに、タービン2段落静翼用バイパス系37、タービン3段落静翼用バイパス系38を設け、タービン2段落静翼用バイパス系37、タービン3段落静翼用バイパス系38からの冷却空気を、タービン静翼22,22およびダイヤフラム内輪34,34の排出口41,41を介して空間部分36,36に供給し、空間部分36,36のシール用空気の圧力を強化したので、燃焼ガスの空間部分36,36への巻込みを確実に防止することができる。
【0057】
また、本実施形態は、ダイヤフラム内輪34,34の排出口41,41から流出した冷却空気を、タービン2段落24bおよびタービン3段落24cのタービン動翼23,23に冷却用として利用したので、従来に較べてポンピング損失を少なくさせることができる。なお、本実施形態は、タービン2段落24bおよびタービン3段落24cのタービン動翼23,23の空気入口42,42を、タービン静翼22,22側に設けているが、例えば図7に示すように、タービン動翼23,23の後縁43,43側に設け、ここから冷却空気を供給し、タービン動翼23,23の後縁43,43のみを冷却してもよい。この場合、タービン動翼用冷却空気供給系30から翼内に供給された冷却空気とは区分けされる。
【0058】
空気入口42,42を後縁43,43側に設けた場合、タービン動翼23,23は、図8に示すように、タービンディスク35,35とプラットフォーム44,44とで囲われた空間部分45,45に冷却空気を流すことができるので、翼植込み部46,46を冷却することができ、その強度を高く維持することができる。なお、空間部分45,45を流れる冷却空気は、その一部をプラットフォーム44,44の排出口47,47を介して燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)に合流させてもよい。
【0059】
また、タービン動翼23,23のうち、タービン3段落24cのタービン動翼23は、比較的長翼のため、翼内冷却通路が複雑な形状になりがちであるが、空気入口42を後縁43側に設けておけば、後縁43を流れる冷却空気の翼内の前縁や中央を流れる冷却空気と区分けでき、その分だけ冷却通路を簡素化でき、製造加工上、有利である。また、翼内は中子を収容しているが、上述の冷却通路を区分けしておくと、中子を確実に翼内に支持できる点で有利である。
【0060】
図9は、本発明に係るガスタービンプラントの第3実施形態を示す概略系統図である。なお、第2実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0061】
本実施形態に係るガスタービンプラントは、第2実施形態と基本的に同一構成を採っているが、タービン初段落24aのタービン静翼22の後縁側に冷却空気を案内するタービン初段落静翼用後縁側冷却空気供給系48を、ガスタービン燃焼器室27に接続する点、タービン2段落24bおよびタービン3段落24cの各静翼22,22の後縁側を冷却後、各ダイヤフラム内輪34,34を介して前段落のタービンディスク35と後段落のタービンディスク35とで形成された空間部分36,36に、シール用空気を案内するタービン2段落静翼用シール空気供給系49およびタービン3段落静翼用シール空気供給系50を、空気圧縮機14の空気圧縮機段落21の中間部に接続する点が異なっている。
【0062】
このように、本実施形態は、タービン初段落静翼用後縁側冷却空気供給系48をガスタービン燃焼器室27に接続し、ガスタービン燃焼器室27の高圧空気の一部をケーシング空気として利用し、タービン初段落24aのタービン静翼22の後縁側を冷却するので、冷却面積を確保できず、メタル温度の高い後縁であっても冷却能力を強化することができ、翼材強度を高い状態に維持させることができる。
【0063】
また、本実施形態は、タービン2段落静翼用シール空気供給系49およびタービン3段落静翼用シール空気供給系50を、空気圧縮機14の空気圧縮機段落21の中間部に接続し、翼内の前縁および中間部の冷却と後縁の冷却とを区分けし、後縁冷却後の冷却空気をダイヤフラム内輪34,34を介して空間部分36,36に供給し、燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)の空間部分36,36への巻込み防止を図ったので、昇圧機28の動力消費をより一層低くさせることができ、プラント熱効率を向上させることができる。
【0064】
図10は、本発明に係るガスタービンプラントの第4実施形態を示す概略系統図である。なお、第2実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0065】
本実施形態に係るガスタービンプラントは、ガスタービン15を外部ケーシング16aと内部ケーシング16bとの2重構造に形成し、内部ケーシング16b内にタービン初段落24a、タービン2段落24b、タービン3段落24c、タービン4段落24dを配置し、タービン初段落24a、タービン2段落24b、タービン3段落24cの各タービン静翼22,22,…にガスタービン燃焼器室27から抽気した高圧空気を、冷却用として、昇圧機28、タービン初段落静翼用冷却空気供給系29a、タービン2段落静翼用冷却空気供給系29cおよびタービン3段落静翼用冷却空気供給系29dを介して各タービン段落24a,24b,…の各タービン静翼22,22,…に供給し、各タービン静翼22,22,…を冷却後、ガスタービン燃焼器室27に回収させるとともに、空気圧縮機14の空気圧縮機段落21の中間部から抽気した高圧空気を、タービン2段落静翼用シール空気供給系49、タービン3段落・4段落静翼用シール空気供給系51、ダイヤフラム外輪52,52,52を介して各タービン静翼22,22,22の後縁側に供給し、各後縁側を冷却後、ダイヤフラム内輪34,34,34を介して空間部分36,36,36,…に供給したものである。
【0066】
タービン初段落24aは、タービン初段落静翼用冷却空気供給系29aのマニホールド部53aから供給された冷却空気でタービン静翼22の翼内前縁および中央を冷却後、通路54aを介してガスタービン燃焼器室27に回収させるようになっている。また、タービン初段落24aは、ガスタービン燃焼器室27から抽気した高圧空気を、ダイヤフラム内輪34を介してタービン静翼22の後縁側に案内して冷却し、一部を燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)に合流させるとともに、残りを内部ケーシング16bとダイヤフラム外輪52とで形成した外輪キャビティ55aに供給し、燃焼ガスの外輪キャビティ54aへの巻込み防止を図っている。
【0067】
また、タービン2段落24bは、タービン2段落静翼用冷却空気供給系29cのマニホールド部53bから供給された冷却空気でタービン静翼22の翼内前縁および中央を冷却後、通路54bおよび連通孔56を介してガスタービン燃焼器室27に回収させるとともに、タービン2段落静翼用シール空気供給系49から供給された高圧空気で外輪キャビティ55b内をシールさせ、その一部をタービン静翼22の後縁側、ダイヤフラム内輪34を介して空間部分36に供給してシールさせ、燃焼ガスの空間部分36および外輪キャビティ55bへの巻込み防止を図っている。
【0068】
一方、タービン3段落24cは、上述と同様に、タービン3段落静翼用冷却空気供給系29dのマニホールド部53cから供給された冷却空気でタービン静翼22の翼内前縁および中央を冷却後、通路54cおよび連通孔56を介してガスタービン燃焼器室27に回収させるとともに、タービン3段落・4段落静翼用シール空気供給系51から供給された高圧空気で外輪キャビティ55c,55d内をシールさせ、その一部をタービン静翼22の翼内、ダイヤフラム内輪34を介して空間部分36,36に供給してシールさせ、燃焼ガスの空間部分36,36および外輪キャビティ55c,55dへの巻込み防止を図っている。
【0069】
このように、本実施形態は、ガスタービン燃焼器室27から抽気した高圧空気で各タービン段落24a,24b,…の各タービン静翼22,22,…を冷却し、冷却後の高圧空気をガスタービン燃焼器室27に回収させる各冷却空気供給系29a,29c,29dを並列状に設けるとともに、空気圧縮機14の空気圧縮機段落21の中間部から抽気した高圧空気でタービン2段落24b以降の外輪キャビティ55b,55c,…、各タービン静翼22,22,…の後縁側、空間部分36,36,…をシールする各シール空気供給系49,51を設けたので、各タービン段落24a,24b,…の各タービン静翼22,22,…を冷却して確実にタービン燃焼器室27に回収することができ、燃焼ガスの外輪キャビティ55a,55b,…および空間部分36への巻込みを確実に防止することができ、プラント熱効率をより一層向上させることができる。
【0070】
図11は、本発明に係るガスタービンプラントの第4実施形態における変形例を示す概略系統図である。なお、第4実施形態の構成部品と同一部分には同一符号を付す。
【0071】
本実施形態は、ガスタービン燃焼器室27から抽気した高圧空気を、昇圧機28、タービン静翼用冷却空気供給系29、各並列状のタービン初段落静翼用冷却空気供給系29a、タービン2段落静翼用冷却空気供給系29c、タービン3段落静翼用冷却空気供給系29d、タービン4段落静翼用冷却空気供給系29eの各マニホールド部53a,53b,53cを介して各タービン段落24a,24b,…の外輪キャビティ55a,55b,…に案内する外輪キャビティ用導管57a,57b,…を設け、各外輪キャビティ55a,55b,…で高圧空気を一旦溜めた後、冷却空気として各タービン段落24a,24b,…の各タービン静翼22,22,…の翼内に供給して冷却させ、冷却後の高圧空気の一部を通路54a,54b,…および連通孔56を介してガスタービン燃焼器室27に回収させるとももに、冷却後の高圧空気の残りをダイヤフラム内輪34を介して空間部分36,36,…に供給し、燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)の空間部分36,36,…への巻込み防止を図ったものである。なお、タービン初段落24aは、外輪キャビティ54aからタービン静翼22に供給した高圧空気で翼内を冷却させ、その一部を後縁側から燃焼ガスに合流させる。
【0072】
このように、本実施形態は、各マニホールド部53a,53b,…から各外輪キャビティ56a,56b,…に高圧空気を案内する外輪キャビティ用導管57a,57b,…を設けて燃焼ガスの外輪キャビティ55a,55cへの巻込み防止と各タービン静翼22,22,…の翼内冷却とを同時に併用させ、高圧空気の圧力損失を低くさせたので、高圧空気をガスタービン燃焼器室27に確実に回収させることができる。
【0073】
図12〜図14は、タービン初段落24a、タービン2段落24b、タービン3段落24cの各タービン動翼23,23,…を冷却させた高圧空気を、一つにまとめてガスタービン燃焼器室27に回収させるタービン動翼用冷却空気回収系32における本発明に係るガスタービンプラントの第5実施形態を示す概略断面図である。なお、図12は、タービン初段落24aにおけるタービン動翼用冷却空気回収系32の部分拡大断面図を、図13は、図12のB−B矢視方向から見た切断断面図を、図14は、図12のC−C矢視方向から見た切断断面図をそれぞれ示している。また、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0074】
本実施形態に係るガスタービンプラントは、空気圧縮機軸17にタービンディスク35を接続する中間軸58に開設し、タービン初段落24a等のタービン動翼23を冷却させた高圧空気を、ガスタービン燃焼器室27に回収させるタービン動翼用冷却空気回収系32の通路60に、圧力回復装置59を設けたものである。
【0075】
この圧力回復装置59は、図13に示すように、中間軸58の回転方向と反対方向湾曲状に傾斜させ、かつその周方向に沿って列状に配置した案内羽根61になっている。圧力回復装置59は、タービン初段落24a等のタービン動翼23を冷却させた高圧空気を、タービン動翼用冷却空気回収系32の通路60を介してガスタービン燃焼器室27に回収させる際、図13に示すように、案内羽根61に流入する高圧空気の速度V1 を、その出口側から流出するとき速度V2 に低くして圧力を回復させるようになっている。高圧空気の圧力が回復できるのは、図14に示すように、高圧空気が通路60を流出する際、その相対速度Wとするとき、中間軸58の周速度Uを合成したのが静止場での高圧空気の流出速度Vであり、この流出速度Vが、案内羽根61を中間軸58の回転方向と反対方向に湾曲状に傾斜させないときの相対速度W′、流出速度V′に較べて小さくなるからである。
【0076】
このように、本実施形態は、タービン動翼用冷却空気回収系32の通路60に圧力回復装置59を設けてガスタービン燃焼器室27に回収させる高圧空気の圧力を回復させたので、高圧空気をガスタービン燃焼器室27に確実に回収させることができる。
【0077】
また、本実施形態は、圧力回復装置59としての案内羽根61を中間軸58の回転方向と反対方向に湾曲状に傾斜させたので、案内羽根61を中間軸58の回転方向と反対方向に傾斜させない場合に較べ中間軸58に回転力を与えることができる。
【0078】
図15は、本発明に係るガスタービンプラントの第5実施形態における第1変形例を示す概略断面図である。なお、第5実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0079】
本実施形態は、タービン動翼用冷却空気回収系32の通路60に圧力回復装置59を設けている点で第5実施形態と基本的に同一であるが、中間軸58に設けた高圧空気の回収口62を、図16に示すように、中間軸58の回転方向と反対方向に向って傾斜状に形成した点が異なっている。
【0080】
本実施形態は、中間軸58に設けた高圧空気の回収口62を、中間軸58の回転方向と反対方向に傾斜させ高圧空気の流出速度Vを低くさせたので、圧力回復装置59で高圧空気の圧力をより一層回復させることができる。
【0081】
図17は、本発明に係るガスタービンプラントの第5実施形態における第2変形例を示す概略断面図である。なお、第5実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0082】
本実施形態は、タービン動翼用冷却空気回収系32の通路60の下流側に圧力回復装置59を設けたものである。この通路60は、図18に示すように、中間軸58の回転方向と反対方向に傾斜状に形成し、高圧空気の流速を減速させた後、圧力回復装置59の案内羽根61を介してガスタービン燃焼器室27に回収させるようになっている。
【0083】
したがって、本実施形態によれば、通路60を、中間軸58の回転方向と反対方向に傾斜状に形成し、高圧空気の流速を減速させて圧力の回復を図ったので、高圧空気のガスタービン燃焼器室27への回収を良好に行わせることができる。
【0084】
図19は、本発明に係るガスタービンプラントの第6実施形態を示す概略断面図である。なお、第5実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0085】
本実施形態は、ケーシング16から中間軸58を介してタービン動翼23を支持するタービンディスク35に外部からの冷却空気を案内する冷却空気案内通路63を備えるとともに、途中に冷却空気を増速させる増速部64と冷却空気をタービンディスク35に向わせる中間通路65とを備えたものである。
【0086】
増速部64は、図20に示すように、入口から出口に向って開口面積を小さくする絞り通路64aに形成し、この絞り通路64aを中間軸58の回転方向と同一方向に向わせるように傾斜させている。この傾斜角度は、冷却空気の相対流入角度に一致させている。また、中間通路56は、中間軸58の回転方向と反対方向に傾斜状に形成している。
【0087】
このように、本実施形態は、冷却空気を増速部64で増速させ、その周方向速度成分を中間軸58の周速との差を小さくし、さらに中間通路65で冷却空気の相対流入速度を小さくしてタービンディスク35に供給するので、タービンディスク35に冷却空気を供給する際、圧力損失を低くして確実に供給することができる。
【0088】
図21は、本発明に係るガスタービンプラントの第7実施形態を示す概略系統図である。
【0089】
本実施形態は、空気圧縮機14で圧縮した高圧空気を、ガスタービン燃焼器25に供給する際、その一部を抽気した高圧空気を冷却空気として昇圧機28で昇圧させ、冷却空気供給系66を介してガスタービン燃焼器25の高温部67、例えば燃焼器ライナ、トランジションピース等、ガスタービン15のタービン静翼22、タービン動翼23、タービン軸18、タービンセグメント68(ガスタービン駆動ガス通路を形成する通路片)に供給するガスタービン燃焼器用冷却空気供給系69、タービン静翼用冷却空気供給系70、タービン動翼用冷却空気供給系71、タービンセグメント用冷却空気供給系72を備えるとともに、各構成部品67等を冷却後、高圧空気を燃焼用空気としてガスタービン燃焼器25に回収させる際、その各高圧空気の圧力レベルを一致させるオリフィス73a,73b,73c,73dを備えたものである。
【0090】
このように、本実施形態は、各冷却空気供給系69,70,…にオリフィス73a,73b,…を設け、各構成部品67等圧力に見合うように高圧空気の圧力を調整したので、各構成部品67等を冷却させた高圧空気をガスタービン燃焼器25の燃焼用空気として回収させる際、ほぼ同一圧力で回収することができ、ガスタービン燃焼器25の燃焼ガス(ガスタービン駆動ガス)を良好に生成することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明に係るガスタービンプラントは、空気圧縮機の空気圧縮機段落で圧縮した高圧空気の一部を冷却空気用として抽気し、その冷却空気を昇圧機で昇圧させ、各タービン段落の各タービン静翼およびタービン動翼に並列状に供給するタービン静翼用冷却空気供給系とタービン動翼用冷却空気供給系を備えるとともに、各タービン静翼およびタービン動翼を冷却させた冷却空気をガスタービン燃焼器室に燃焼用空気として回収させるタービン静翼用冷却空気回収系とタービン動翼用冷却空気回収系とを備える一方、このタービン動翼用冷却空気回収系に圧力回復装置を設けたので、圧力損失を低くさせた冷却空気をガスタービン燃焼器室に良好に回収させることができ、プラント熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービンプラントの第1実施形態を示す概略系統図。
【図2】本発明に係るガスタービンプラントの第1実施形態における変形例を示す概略系統図。
【図3】タービン静翼およびタービン動翼に供給する冷却空気の流量および圧力損失を、従来と本発明に係るガスタービンプラントの第1実施形態およびその変形例とで対比させたグラフ。
【図4】本発明に係るガスタービンプラントの第2実施形態を示す概略系統図。
【図5】図4で示したタービン静翼の部分拡大図。
【図6】本発明に係るガスタービンプラントの第2実施形態における第1変形例を示す概略部分拡大図。
【図7】本発明に係るガスタービンプラントの第2実施形態における第2変形例を示す概略部分拡大図。
【図8】図7のA−A矢視方向から見た切断断面図。
【図9】本発明に係るガスタービンプラントの第3実施形態を示す概略系統図。
【図10】本発明に係るガスタービンプラントの第4実施形態を示す概略系統図。
【図11】本発明に係るガスタービンプラントの第4実施形態における変形例を示す概略系統図。
【図12】本発明に係るガスタービンプラントの第5実施形態を示す概略断面図。
【図13】図12のB−B矢視方向から見た切断断面図。
【図14】図12のC−C矢視方向から見た切断断面図。
【図15】本発明に係るガスタービンプラントの第5実施形態における第1変形例を示す概略断面図。
【図16】図15のD−D矢視方向から見た切断断面図。
【図17】本発明に係るガスタービンプラントの第5実施形態における第2変形例を示す概略断面図。
【図18】図17のE−E矢視方向から見た切断断面図。
【図19】本発明に係るガスタービンプラントの第6実施形態を示す概略断面図。
【図20】図19のF−F矢視方向から見た切断断面図。
【図21】本発明に係るガスタービンプラントの第7実施形態を示す概略系統図。
【図22】従来のガスタービンプラントを示す一部切欠概略断面図。
【符号の説明】
1 空気圧縮機
2 ガスタービン
3 ケーシング
4 圧縮機軸
5 タービン軸
6 圧縮機静翼
7 圧縮機動翼
8 圧縮機段落
9 タービン静翼
10 タービン動翼
11 タービン段落
12 ガスタービン燃焼器
13 トランジションピース
14 空気圧縮機
15 ガスタービン
16 ケーシング
16a 外部ケーシング
16b 内部ケーシング
17 圧縮機軸
18 タービン軸
19 圧縮機静翼
20 圧縮機動翼
21 圧縮機段落
22 タービン静翼
23 タービン動翼
24 タービン段落
24a タービン初段落
24b タービン2段落
24c タービン3段落
24d タービン4段落
25 ガスタービン燃焼器
26 トランジションピース
27 ガスタービン燃焼器室
28 昇圧機
29 タービン静翼用冷却空気供給系
29a タービン初段落静翼用冷却空気供給系
29b タービン2段落・3段落静翼用冷却空気供給系
29c タービン2段落静翼用冷却空気供給系
29d タービン3段落静翼用冷却空気供給系
29e タービン4段落静翼用冷却空気供給系
30 タービン動翼用冷却空気供給系
30a タービン初段落動翼用冷却空気供給系
30b タービン2段落・3段落動翼用冷却空気供給系
31 タービン静翼用冷却空気回収系
31a タービン初段落静翼用冷却空気回収系
31b タービン2段落・3段落静翼用冷却空気回収系
32 タービン動翼用冷却空気回収系
32a タービン初段落動翼用冷却空気回収系
32b タービン2段落・3段落動翼用冷却空気回収系
33 タービン初段落静翼用バイパス系
34 ダイヤフラム内輪
35 タービンディスク
36 空間部分
37 タービン2段落静翼用バイパス系
38 タービン3段落静翼用バイパス系
39 後縁
40 吹出口
41 排出口
42 空気入口
43 後縁
44 プラットフォーム
45 空間部分
46 翼植込み部
47 排出口
48 タービン初段落静翼用後縁側冷却空気供給系
49 タービン2段落静翼用シール空気供給系
50 タービン3段落静翼用シール空気供給系
51 タービン3段落・4段落静翼用シール空気供給系
52 ダイヤフラム外輪
53a,53b,53c マニホールド部
54a,54b,54c 通路
55a,55b,55c 外輪キャビティ
56 連通孔
57a,57b,57c 外輪キャビティ用導管
58 中間軸
59 圧力回復装置
60 通路
61 案内羽根
62 回収口
63 冷却空気案内通路
64 増速部
64a 絞り通路
65 中間通路
66 冷却空気供給系
67 高温部
68 タービンセグメント
69 ガスタービン燃焼器用冷却空気供給系
70 タービン静翼用冷却空気供給系
71 タービン動翼用冷却空気供給系
72 タービンセグメント用冷却空気供給系
73a,73b,73c,73d オリフィス

Claims (4)

  1. 空気圧縮機の空気圧縮機段落で圧縮した高圧空気をガスタービン燃焼器に供給する際、その一部の高圧空気を昇圧機で昇圧してタービン静翼に供給するタービン静翼用冷却空気供給系と、上記昇圧機で昇圧した高圧空気をタービン動翼に供給するタービン動翼用冷却空気供給系と、上記タービン静翼を冷却させた高圧空気をガスタービン燃焼器室に回収させるタービン静翼用冷却空気回収系と、上記タービン動翼を冷却させた高圧空気を上記ガスタービン燃焼器室に回収させるタービン動翼用冷却空気回収系とを備えたガスタービンプラントにおいて、上記タービン動翼用冷却空気回収系は、空気圧縮機の軸とタービン初段動翼のタービンディスクとを接続する中間軸に圧力回復装置を備えたことを特徴とするガスタービンプラント。
  2. 上記圧力回復装置は、上記中間軸の回転方向と反対方向に傾斜状に、かつ湾曲させた案内羽根であることを特徴とする請求項記載のガスタービンプラント。
  3. 上記タービン動翼用冷却空気回収系は、上記中間軸に通路を設け、この通路から上記圧力回復装置を介して上記タービン燃焼器室に上記タービン動翼を冷却させた高圧空気を回収させるとともに、上記通路を上記中間軸の回転方向と反対方向に傾斜させて形成したことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  4. 上記タービン動翼用冷却空気回収系は、上記中間軸に設けた通路に、上記タービン動翼を冷却させた高圧空気を供給する回収口を設け、この回収口を上記中間軸の回転方向と反対方向に傾斜させて上記圧力回復装置を形成したことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
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