JP3887221B2 - 高温ガス用スライド弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高温ガス用スライド弁に関するものであり、例えば、400℃を超える高温ガスが流れるガス流路の開閉に使用される高温ガス用スライド弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
400℃を超える高温ガスになると、ガス流路の開閉に用いられる弁の材質も限られたものとなり、弁の構造も単純なものになってくる。図10及び図11はこのような高温ガス流路の開閉に用いられる弁の一例を示している。
【0003】
図10は、弁箱部201の内面に耐火物であるキャスタブルCが施工されているとともに、弁箱部201内の板状の弁体202が耐熱鋼で形成され、モータ203の作動により弁体202を回動させて、ガス流路を開閉するバタフライタイプの弁200を示している。
【0004】
また、図11の(a)は、内面にキャスタブルCが施工された弁箱部211内で、主要部がキャスタブルCで形成された弁体であるスライドゲート212を上下動させて、ガス流路を開閉するゲートタイプの弁210を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図10で示されるバタフライタイプの弁200は、弁体202を回動させればよいため、弁200の開閉は容易であるが、弁体202の回動上、弁箱201内面と弁体202との間に隙間Q1が必要となり、弁200を閉じた時の密閉度が充分に保てないという問題があった。また、このバタフライ形の弁200は、ガスの温度が750℃を超えると、弁体202の材質を市販のもの(例えばSUS310S)から特注のものに変える必要が生じ、大幅なコストアップを生じてしまうという問題があった。
【0006】
また、図11の(a)で示されるゲートタイプの弁210は、弁210の開閉に当たって、スライドゲート212を上下動させればよいため、弁210の開閉は容易であり、かつ、弁箱部211の内面側とスライドゲート212自体が耐火物で形成されているため、ガス温度が750℃を超えても大幅なコストアップは生じないが、図11の(b)で示されるように、スライドゲート212を不都合なく上下動させるために、スライドゲート212と弁箱部211間に、充分な隙間Q2が必要となり、弁210を閉じた時の密閉度が充分に保てないという問題があった。
【0007】
この発明は、以上の点に鑑み、高温ガスのガス流路を容易に密閉できるとともに、開閉も容易にでき、かつ、ガス温度の上昇によって大幅なコストアップも生じない高温ガス用スライド弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、ガス流路中のほぼ鉛直な仕切壁の下流側に設けられ、仕切壁に沿うように水平方向又は水平方向と一定の角度範囲にある方向に移動して、この仕切壁に設けられたガス流通用の開口を開閉するとともに、開口を閉じた状態において、少なくとも、この開口に臨む部分が耐火物にて形成されている弁体と、弁体の下面側に設けられ、上面でこの弁体を摺動自在に支持するとともに、上面を、開口周りの仕切壁にこの弁体を自重により密着させるように、傾斜させている弁体支持手段とを有することである。
【0009】
この発明では、弁体はガス流路中のほぼ鉛直な仕切壁に沿うように、例えば水平方向に移動して、仕切壁に設けられた開口を開閉する。この場合、弁体は下面側に設けられた弁体支持手段の上面上を摺動しつつ移動するが、この弁体支持手段の上面が傾斜され、弁体を開口周りの仕切壁側に自重により滑らせて、この仕切壁に密着させるため、仕切壁の開口は弁体によって容易に密閉されるとともに、弁体が開口の一部を開いた場合でも、この開口の開かれた部分以外に、隙間は生ぜず、この弁体によって開口の開閉制御を正確に行うことができる。
【0010】
また、この発明では、弁体支持手段の上面の傾斜角を適正な範囲(例えば、水平と40度の角度までの範囲)に定めれば、弁体の仕切壁側への加圧力も大きくならず、この弁体を弁体支持手段上を摺動させつつ容易に移動させることができる。
【0011】
さらに、この発明では、ガス流路の仕切壁上流側のガスの温度が高い場合に、開口を閉じた弁体の開口に臨む部分を耐火物にて形成しているので、弁体が開口を閉じているときには、弁体に材質的な問題は生じず、材料に起因して著しいコスト高を生じることはない。この場合、弁体の仕切壁側全体を耐火物で形成し、弁体が開口を開けたときにも、弁体に材質的な問題が生じないようにしてもよい。また、仕切壁の上流側と下流側とを含めたガス流路全体のガス温度が高い場合には、弁体のほぼ全体を耐火物で形成してもよいし、弁体支持手段の全部又は一部を耐火物で形成してもよい。なお、耐火物とは、耐火性や耐火断熱性を有する、キャスタブルや煉瓦を意味する。
【0012】
ここで、ほぼ鉛直とは、鉛直な状態以外に、仕切壁が鉛直な状態から一定角度だけ傾斜していても、この角度が、弁体を自重により倒してしまわない範囲(弁体の重心から鉛直に下した線が弁体の下面を通過する範囲)のものも含む意味である。また、水平方向と一定の角度範囲にある方向とは、弁体が水平方向から一定角度だけ傾斜した方向に移動する場合に、弁体が自重により倒れてしまわない角度範囲(弁体の重心から鉛直に下した線が弁体の下面を通過する角度範囲)の方向を意味する。
【0013】
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、弁体支持手段に、上面上にたまる粉塵を下方に落下させる複数の落下孔を形成していることである。
【0014】
この発明では、弁体支持手段の上面側に下降したガス中の粉塵は、落下孔から下方へ落下して、この上面上には溜まりにくくなるとともに、この上面上に粉塵が溜まっても、この粉塵は弁体の移動とともに近くの落下孔に落とされるため、ガス中の粉塵によって弁体の移動に支障が生じるのを防止できる。なお、粉塵には、クリンカー、スケール等が砕けて、破片、粉状、粒状になったものや、煤塵などの粒子を含むものとする。
【0015】
この発明の請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の場合において、弁体の上部側が仕切壁から離れるのを防止するガイドを有していることである。
【0016】
この発明によれば、仕切壁を境としたガス流路中の圧力の違いにより、弁体の上部側には、仕切壁から離れようとする力が働き、弁体と仕切壁間に隙間を作ったり、弁体を転倒させようとするが、弁体のこのような働きを、ガイドによって抑えることができる。また、この発明では、弁体が移動する場合の弁体の揺れをガイドにより抑えることができ、弁体をスムースに移動させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
実施形態1.
図5はこの発明の一実施の形態に係るスライド弁を備えた、熱交換器を示している。
【0019】
この熱交換器100は、脱臭炉から出た、例えば温度が750〜950℃で圧力が数百mmAqの高温ガスG1を、例えば180℃の温度の低温ガスG2まで冷却して、この低温ガスG2中の粉塵等をバグフィルター等を使用して集塵できるようにするためのものである。この熱交換器100は、図5で示されるように、上部に、上流側ガス流路となる高温ガス室101と下流側ガス流路となる低温ガス室102とが鉛直な仕切壁103を介して形成されているとともに、下部に、冷却ガスG3の向きを変える中間ガス室104が形成され、かつ、中間部に、高温ガス室101及び低温ガス室102と、中間ガス室104とを多数のパイプ105aで連通し、パイプ105a中を流れる高温ガスG1を冷却ガスG3に、冷却ガスGを低温ガスG2に、それぞれ水で冷却する熱交換部105が設けられたものである。
【0020】
なお、熱交換器100の下端には、水冷式のスクリューコンベヤ110が取り付けられていて、このスクリューコンベヤ110により冷却ガスG3中の降下粉塵を外部に搬送できるようになっている。また、熱交換部105には、外壁105b上部に給水ノズル105cが取り付けられ、外壁105b下部に加熱水ノズル105dが取り付けられている。
【0021】
高温ガス室101には、図5中左端にガス入口部100aが形成されているとともに、低温ガス室102には、図5中右端にガス出口部100bが形成され、かつ、仕切壁103には、高温ガスG1の一部を低温ガス室102に流すためのガス流通用の開口Nが形成されている。そして、低温ガス室102側の仕切壁103側方に、この開口Nを開閉して、低温ガス室102内のガス温度を調整するスライド弁1が設けられている。
【0022】
ここで、高温ガス室101及び低温ガス室102とも、図3で示されるように、外壁は金属ケーシング101a,102aで形成されているが、高温ガス室101の金属ケーシング101a内面には、耐火物である耐火断熱キャスタブルC1が例えば100mmの厚さで施工されている。また、仕切壁103も低温ガス室102側は金属ケーシング103aで形成されているが、この金属ケーシング103aの高温ガス室101に臨む面側には、高温ガス室101と同じキャスタブルC1が例えば100mmの厚さで施工されている。
【0023】
なお、開口N周りには金属ケーシング103aが設けられておらず、キャスタブルC1のみが施工されており、金属ケーシング103aの熱による保護が図られている。また、仕切壁103の低温ガス室102側の外面Bは、キャスタブルC1の外面が金属ケーシング103aの外面と面一に形成されていて、精度のよい平面となっている。
【0024】
つぎに、スライド弁1について詳細に説明する。
このスライド弁1は、図2で示されるように、弁体であるゲート2と、弁体支持手段である支持部3と、ガイドである案内部4と、駆動源5と、連結バー6と、軸シール部7と、支持架台8とから構成されている。
【0025】
ゲート2は、厚肉の板状形状に形成されていて、立った状態で、仕切壁103の外面Bに沿いつつ、低温ガス室102内を横切るように左右に水平移動して、仕切壁103の開口Nを開閉するものである。このゲート2は、図3で示されるように、仕切壁103側が開放した凹状の金属ケーシング20内に、キャスタブルC1を約100mmの厚さとなるように充填施工することにより形成されている。この場合、仕切壁103側のキャスタブル外面Aは、ケーシング20よりやや突出する平面に仕上げられており、仕切壁103側の外面Bに密着できるようになっている。また、ゲート2の下部は、ケーシング20の下面であるゲート2の下面2aを、仕切壁103側に傾斜角αで下るように傾斜させて形成されている。
【0026】
なお、ケーシング20の内面には、キャスタブルC2を保持するための複数のVアンカー21が取り付けられている。また、ゲート2には、図2中の右側面2bに、連結バー6取付用の連結部22が設けられている。
【0027】
支持部3は、ゲート2を摺動自在に支持するとともに、ゲート2のキャスタブル外面Aを仕切壁103側に加圧させて、ゲート2に仕切壁103の開口N周りを隙間なく覆わせる働きを有するものである。この支持部3は、図3で示されるように、ゲート2の下面2a側に、このゲート2の移動範囲に亘って設けられる水平なスライド板30と、スライド板30を仕切壁103側に支持させる2枚の垂直な支持板31とから構成されている。
【0028】
スライド板30は、仕切壁103側に、上面Dの傾斜角がαとなった、ゲート2の下面2aと平行な主要部30aが形成され、低温ガス室102側に、上方への屈曲部30bが形成されていて、主要部30aにて、ゲート2の下面2aと接しつつ、ゲート2を摺動自在に支持するとともに、屈曲部30bにて、ゲート2の落下を防止している。このスライド板30は、主要部30a側に長手方向に一定の間隔で切欠部30cが形成されていて、仕切壁103の外面Bとの間で、スライド板30上にたまった粉塵を下方に落下させる落下孔Kを形成している。なお、落下孔Kはスライド板30のみに形成されていてもよい。
【0029】
案内部4は、ゲート2の上部が仕切壁103の外面Bから離れるのを防止するためのものであり、図3で示されるように、仕切壁103の外面Bと一定距離を保ちつつ、ゲート2の上端側角部を囲むように、ゲート2の移動範囲全体に設けられるL形の案内板40と、仕切壁103に一端側が固定され、他端側で案内板40を支持する支持板41と、案内板40を支持板41に間隔を調整可能に固定する固定具42とから構成されている。案内板40の水平部40aには、仕切壁103側に向かって長孔Rが形成されており、支持板41に固定された固定具42のボルト42aをこの長孔Rに差し込んだ後、このボルト42aに固定具42のナット42bを締め付けることにより、案内板40は支持板41に固定される。この場合、固定具42の位置を長孔Rに沿ってずらすことにより、案内板40の垂直部40bと仕切壁103の外面B間の距離が調整され、仕切壁103の外面Bに対するゲート2の上部の密着度が適正に定めることができる。
【0030】
駆動源5は、連結バー6を介して、ゲート2を水平移動させるためのものである。この駆動源5は、図2で示されるように、シリンダー50と、モーター部51と、移動部52と、支持部53とから構成されていて、モーター部51における回転量を、ネジ等を使用する移動部52で水平移動量に変換し、これをシリンダー50のロッド50aの水平移動量に変えるものであり、ロッド50aの水平移動量がポテンショメータを使用して精度よく出力できるようになっている。この駆動源5は、低温ガス室102の金属ケーシング102aに取り付けられた支持架台8上に、ピボットタイプの支持部53を介して、両端部側が上下に回動可能な状態で取り付けられている。
【0031】
なお、連結バー6は、一端側が低温ガス室102内のゲート2の連結部22に回動自在に取り付けられ、他端側が低温ガス室102外の駆動源5のロッド50aに回動自在に取り付けられている。また、軸シール部7は、連結バー6が貫通する低温ガス室102の金属ケーシング102a周りをシールするものであり、グランドケース70内のグランドパッキンをグランド押え71で加圧して、連結バー6周りのシールを行う。
【0032】
つぎに、このスライド弁1の作用効果について説明する。
支持部3のスライド板30の上面Dは、水平ラインHに対して、仕切壁103側に傾斜角αだけ傾いているので、図4の(a)で示されるように、ゲート2には、自重Wの傾斜角分力W1だけの滑り力が作用する。この実施の形態では、傾斜角αが15度に設定されているため、この滑り力は、ゲート2とスライド板30間の摩擦抵抗力に打ち勝つこととなり、ゲート2は、仕切壁103側に滑って、キャスタブル外面Aを仕切壁103の外面Bに加圧状態で密着させる。このため、このスライド弁1では、ゲート2が仕切壁103の開口Nを閉じている場合には、この開口Nを充分に密閉でき、高温ガス室101から低温ガス室102への高温ガスG1の漏れ込みを充分に防止できる。
【0033】
また、例えば、冬場の気温の低下により、低温ガス室102の低温ガスG2の温度が下がりすぎると、ガス中の水分がバグフィルターで結露し、集塵性能が低下することを防止するために、駆動源5が作動してゲート2が移動し、開口Nを開くことにより、適正な低温側温度を維持する。この場合でも、このスライド弁1では、傾斜角αが適正(例えば、15度)に選定され、ゲート2の仕切壁103側への加圧力は大きなものとはならないため、ゲート2は支持部3のスライド板30上を容易に摺動しつつ移動し、開口Nの開閉も容易にできる。
【0034】
さらに、このスライド弁1では、ゲート2が、キャスタブル外面Aを仕切壁103の外面Bに接しつつ移動するため、ゲート2の移動に当たっても、高温ガス室101と低温ガス室102間で開口N以外に余分な隙間(開口)は生じず、ゲート2の移動によって開口Nの開度を正確にコントロールできる。したがって、このスライド弁1では、ポテンショメータを使用して、精度のよいゲート2の開閉制御ができ、低温ガス室102内の低温ガスG2の温度を精度よく制御できる。
【0035】
一方、高温ガス室101と低温ガス室102間の圧力差により、ゲート2には、下部が傾斜によって移動を拘束されることにより、下部を中心として上部が低温ガス室102内方に倒れ込むような力を受けるが、ゲート2の上部は、案内部4により支持されているため、ゲート2の倒れ込みは生じない。また、案内部4の案内板40は、ゲート2の移動範囲全体に設けられて、ゲート2の移動時の上部側の揺れを防止するため、この点でも、ゲート2の開閉の容易化を達成できる。また、案内板40と仕切壁103間の距離が容易に調整できるので、ゲート2の仕切壁103に対する密着度も容易に調整することができる。
【0036】
また、支持部3のスライド板30上には、粉塵(例えば、高温ガスG1が冷却されることにより生じるクリンカー、スケール等が砕けて、破片、粉状、粒状になったものや、煤塵などの粒子)が、時間の経過とともに下降して溜まることとなるが、この粉塵はスライド板30の落下孔Kから下方に落下して、スライド板30上にたまりにくくなっているとともに、スライド板30上にたまった粉塵も、ゲート2の移動によって、近くの落下孔Kに落とされるため、この粉塵によって、ゲート2の移動に支障をきたすこともない。
【0037】
ここで、支持部3のガイド板30の傾斜角αは、大きすぎれば、ゲート2が仕切壁103側に加圧されすぎ、ゲート2の開閉に支障をきたすとともに、小さすぎれば、ゲート2の滑り力が小さくなって、ゲート2を仕切壁103に密着させることができなくなるので、その値には適正値がある。ゲート2と支持部3との静止摩擦力を考慮すれば、傾斜角αは、15度プラスマイナス2度程度がベターであり、40〜10度の範囲にあってもよい。
【0038】
また、仕切壁103の鉛直ラインVからの倒れ角βは、図4の(b)、(c)で示されるように、ゲート2の重心Gから下方へ延びる自重Wのベクトルの延長線Sが、ゲート2の下面2aを通り、ゲート2が転倒しない範囲にあればよい。同様に、ゲート2の移動方向の水平ラインHからの傾斜角γは、図4の(d)で示されるように、ゲート2の重心Gから下方へ延びる自重Wのベクトルの延長線Sが、ゲート2の下面2aを通り、ゲート2が転倒しない範囲にあればよい。
【0039】
なお、ゲート2の厚さを充分に厚くして、下面2aの面積を大きくするとともに、ゲート2の重量を大きくすれば、ゲート2が安定して倒れにくくなるため、ゲート2の倒れ込みを防止するという意味での案内部4は設けなくてもよい場合がある。
【0040】
また、上記実施の形態では、脱臭炉から排出される高温ガス用のスライド弁1について説明したが、このスライド弁1は、例えば、焼却炉、溶融炉、再溶融炉から排出される高温ガスに対しても使用できる。
【0041】
実施形態2
図6から図8はこの発明の他の実施の形態に係るスライド弁1Aを示している。なお、実施形態1で説明したものと同一機能を有するものには、同一符号を付して、その説明を省略している。
【0042】
この実施の形態2では、スライド弁1Aは、図6で示されるように、例えば650℃の高温ガスG1が流れる上流側の高温ガス室101と、この高温ガス室101と同一温度の高温ガスG1が流れる下流側の第二高温ガス室106との仕切壁107に形成された、ガス流通用の開口Nを開閉するために設けられるものである。
【0043】
なお、第二高温ガス室106は、高温ガス室101と同様に、金属ケーシング106aの内面にキャスタブルC1が約100mm施工されており、仕切壁107は、耐火物である耐火又は耐火断熱キャスタブルC2のみによって形成されている。
【0044】
弁体であるゲート2Aは、図7で示されるように、第二高温ガス室106内の仕切壁107側方に配置され、仕切壁107に沿って支持部3のスライド板30上をこの第二高温ガス室106を横切るように移動する。このゲート2Aは、キャスタブルC2と、このキャスタブルC2内に埋め込まれたU状パイプ23とから形成されている。
【0045】
U状パイプ23の両端部には、図8で示されるように、U状パイプ23と同サイズの一対のエアパイプ9A,9Bが接続され、このエアパイプ9A,9Bの第二高温ガス室106の金属ケーシング106aを貫通した部分に、エア供給口AIとエア排出口ADとが形成されている。エア供給口AIとエア排出口ADには、図示しないフレキシブルホースが接続されており、このエア供給口AIからは、常温の冷却用エアが供給され、このエアによりエアパイプ9A,9BとU状パイプ23とが冷却されて、強度を保てるようになっている。なお、このエアパイプ9A,9Bの第二高温ガス室106外の端部は連結具Mで連結された後、駆動源5(図示せず)につながる連結バー6に接続されている。また、エアパイプ9A,9Bの第二高温ガス室106の貫通部には、一対の軸シール部7が設けられている。
【0046】
支持部3と案内部4の支持板31,41は、図6で示されるように、第二高温ガス室106のキャスタブルC1内に埋め込まれた後、金属ケーシング106aに接合されている。なお、支持部3、案内部4、U状パイプ23、エアパイプ9A,9Bには、750℃の温度まで使用できる市販の金属材料(例えば、SUS310S)が用いられている。
【0047】
このスライド弁1Aでも、スライド板30の上面Dが傾斜角αで傾斜され、滑り力によりゲート2Aのキャスタブル外面Aが仕切壁107の外面Bに密着するように加圧されるため、実施形態1のスライド弁1と同様な効果を得ることができる。この場合、ゲート2Aは、内部に冷却用のエアが流されるU状パイプ23を有しているため、キャスタブルC2のみで形成される場合に比べ、充分な強度を持つことができるとともに、ゲート2Aの連結バー6との連結も容易になすことができる。
【0048】
ここで、高温ガスG1の温度が750℃を超えた場合には、市販の金属材料(SUS310S)は使用できなくなるので、図9で示されるように、支持部3を、上面Dが傾斜角αとなるキャスタブルC2にて形成する。この場合、支持部3には、一定ピッチで粉塵落下用の落下孔Kを形成しておく。なお、案内部4はキャスタブルC2のみで形成した場合、充分な強度は得にくいが、例えば、キャスタブルC2の内部にSUS310S製の空冷パイプ等を通したものであれば、強度も充分に得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
この発明によれば、高温ガスのガス流路を(弁体により)容易に密閉できるとともに、開閉(弁体の開閉移動)も容易にでき、かつ、ガス温度の上昇によって、スライド弁に大幅なコストアップが生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施の形態に係るスライド弁の弁体周りの斜視図である。
【図2】低温ガス室側に設置されたスライド弁の側面図である。
【図3】スライド弁の弁体周りの断面図である。
【図4】弁体の作用説明図であり、(a)は仕切壁が垂直な場合を示し、(b)及び(c)は仕切壁が垂直(鉛直)な状態から一定角度だけ傾斜している場合を示し、(d)は弁体が水平以外の方向に移動する場合を示している。
【図5】スライド弁を備えた熱交換器の断面図である。
【図6】この発明の第二の実施の形態に係るスライド弁の弁体周りの断面図である。
【図7】図6で示されるスライド弁の弁体周りの平面図である。
【図8】図6で示されるスライド弁の弁体周りの側面図である。
【図9】第二の実施の形態の変更実施形態に係るスライド弁の弁体周りの断面図である。
【図10】第一の従来技術の説明図である。
【図11】第二の従来技術の説明図であり、(a)はスライド弁の側断面図を示し、(b)は(a)のXX矢視断面図である。
【符号の説明】
1 スライド弁
2,2A 弁体
3 支持部(弁体支持手段)
4 案内部(ガイド)
101 高温ガス室(ガス流路)
102 低温ガス室(ガス流路)
103,107 仕切壁
106 第二高温ガス室(ガス流路)
D 上面
F 下面
K 落下孔
N 開口

Claims (3)

  1. ガス流路中のほぼ鉛直な仕切壁の下流側に設けられ、前記仕切壁に沿うように水平方向又は水平方向と一定の角度範囲にある方向に移動して、この仕切壁に設けられたガス流通用の開口を開閉するとともに、前記開口を閉じた状態において、少なくとも、この開口に臨む部分が耐火物にて形成されている弁体と、
    前記弁体の下面側に設けられ、上面でこの弁体を摺動自在に支持するとともに、前記上面を、前記開口周りの仕切壁にこの弁体を自重により密着させるように、傾斜させている弁体支持手段とを有することを特徴とする高温ガス用スライド弁。
  2. 前記弁体支持手段に、前記上面上にたまる粉塵を下方に落下させる複数の落下孔を形成していることを特徴とする請求項1記載の高温ガス用スライド弁。
  3. 前記弁体の上部側が前記境界壁から離れるのを防止するガイドを有していることを特徴とする請求項1又は2記載の高温ガス用スライド弁。
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