JP3887070B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの潤滑装置に関し、特に、油溜の潤滑油を吸い上げて吐出するオイルポンプと、このオイルポンプの吐出ポートからクランク軸の内部を通ってクランクピン外周面に至る潤滑油路とを備え、この潤滑油路に、クランク軸11と共に回転する遠心フィルタを介裝したものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のかゝるエンジンの潤滑装置では、例えば、実公昭58−8884号公報に開示されているように、遠心フィルタとして、内部を遠心濾過室としたカップ体をクランク軸の一端に連結している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのような従来の潤滑装置では、構造上、遠心フィンタがクランク軸の端部から張出すことを余儀なくされるため、エンジンの軸方向のコンパクト化が困難である。
【0004】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、遠心フィルタによりエンジンの軸方向のコンパクト化が妨げられず、しかも部品点数が少なく構造が簡単な、前記エンジンの潤滑装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、油溜の潤滑油を吸い上げて吐出するオイルポンプと、このオイルポンプの吐出ポートからクランク軸の内部を通ってクランクピン外周面に至る潤滑油路とを備え、この潤滑油路に、クランク軸と共に回転する遠心フィルタを介裝した、エンジンの潤滑装置において、クランクピンを支持するクランクウェブの、該クランクピン一端面と面一に連なる平坦な外側面に、クランク軸に固着される駆動ギヤの一側面を密着させると共に、その駆動ギヤの一側面に、クランク軸の軸部を囲繞する環状の凹部を設けて、該凹部と、クランクウェブ外側面及びクランクピン一端面との対向面間に、遠心フィルタの環状をなす遠心濾過室を形成し、前記潤滑油路のうち、駆動ギヤの前記凹部よりも径方向内方側を通る部分と、クランクピン内を通る部分とを遠心濾過室を介して相互に接続したことを第1の特徴とする。
【0006】
この特徴によれば、エンジンの動力伝達に不可欠なクランクウェブ及び駆動ギヤにより遠心フィルタが構成されるので、その遠心フィルタに存在でエンジンの軸方向長さが長くなることもない。しかも、遠心濾過室を形成する専用のカップ体も不要であるから、部品点数の削減と構造の簡素化を図ることができる。また特に遠心濾過室を駆動ギヤ側にのみ凹設したことで、クランクウェブの必要強度の確保、及び駆動ギヤの軽量化の両立を図る上で有効である。
【0007】
また本発明は、上記特徴に加えて、クランクウェブ及び駆動ギヤを、遠心濾過室を囲繞するシール部材を介して相互に密着させたことを第2特徴とする。
【0008】
この特徴によれば、遠心濾過室内で発生する遠心油圧によるも、クランクウェブ及び駆動ギヤ間からの漏油を確実に阻止することができる。
【0009】
さらに本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、遠心濾過室を、その外周面の半径がクランク軸のクランク長さより大となるように形成したことを第3の特徴とする。
【0010】
この特徴によれば、遠心濾過室を大径に形成できて、潤滑油の遠心濾過効果を高めることができる。
【0011】
さらにまた本発明は、第1、第2又は第3の特徴に加えて、クランク軸を支承するクランクケースに、クランクケースの外側面に開放していてクランク軸の一端が臨むポンプハウジングを形成し、このポンプハウジングに収容されるオイルポンプをクランク軸の前記一端に嵌合、連結すると共に、該ポンプハウジングの開放面を覆うポンプカバーをクランクケースに取り外し可能に固着し、そのポンプカバーには、オイルポンプの吐出ポートを前記潤滑油路に連通する第1連通溝と、同吐出ポートを前記潤滑油路から独立した第2潤滑油路に連通する第2連通溝とを形成し、クランクケースの外側面とポンプカバーとの間に挟持されたオリフィス板には、前記潤滑油路の入口と第1連通溝間を連通するオリフィスを設けたことを第4の特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、オイルポンプの駆動手段が簡単になり、それを効率良く駆動することができる。またクランクケースからポンプカバーを取り外しさえすれば、クランクケースのポンプハウジングへのポンプの着脱を容易に行うことができる。
【0013】
さらにまた本発明は、第4の特徴に加えて、前記エンジンが、そのエンジン頭部がクランクケースの一側より水平に延びていると共に該エンジンの上側に変速機が連設されており、前記第2潤滑油路は、その入口より下流側でエンジン頭部潤滑油路と、変速機潤滑油路とに分岐していることを第5の特徴とする。
【0014】
さらにまた本発明は、第5の特徴に加えて、ポンプカバーに、オイルポンプの低圧部及び高圧部にそれぞれ連なる溝状の吸入ポート及び吐出ポートと、その吸入ポートを、クランクケース底部の油溜に連なる吸い上げ油路に連通する連通溝と、吐出ポートを前記潤滑油路に連通する連通溝とを設けたことを第6の特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、ポンプカバーがオイルポンプへの吸入潤滑油の誘導と、オイルポンプから潤滑油路への吐出潤滑油の供給とを行う分配板を兼ねることになり、専用の分配板が不要である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0017】
先ず図1において、原動機付き二輪車1の車体フレーム2は、前下がりに傾斜して配置されるヘッドチューブ部2hと、このヘッドチューブ部2hの下端から後下がりに傾斜して延びるダウンチューブ部2dと、このダウンチューブ部2dの下端から後方へ略水平に延びるボトムチューブ部2bと、このボトムチューブ部2bの後端から後上がりに傾斜して延びるリアチューブ部2rとからなる、溶接部の無い略U字状をなすもので、1本の鋼管をそのように曲げて構成される。ヘッドチューブ部2hには前輪3fを支持するフロントフォーク4が、ボトムチューブ部2bにはステップ5がそれぞれ取付けられる。またリアチューブ部2rの下部には、後輪3rを支持し且つ駆動する揺動型のパワーユニット6と、このパワーユニット6を緩衝的に支持するクッション7とが取付けられる。またリアチューブ部2rの上端にはサドル8の支持ポスト8aが挿入され、クランプされる。
【0018】
図2ないし図4により、上記パワーユニット6及び後輪3rについて説明する。
【0019】
パワーユニット6は、クランク軸11の両端を車体の左右方向に向けて配置するエンジン10と、このエンジン10の上側でクランクケース12と一体に成形されたミッションケース13に収容される変速機14とから構成され、エンジン10は、そのエンジン頭部がクランクケース12の一側より水平に延びている。変速機14の入力軸15及び出力軸16は、クランク軸11と平行に配置される。
【0020】
一方、後輪3rのリム17及びハブ18間は、リム17の一側方に膨出した椀状スポーク19を介して一体に連結されており、この椀状スポーク19及びリム17により画成される収容部20にパワーユニット6が収容され、そして出力軸16にハブ18がスプライン嵌合され、ナット21で固着される。
【0021】
エンジン本体、即ちエンジン10のシリンダブロック22、シリンダヘッド23又はクランクケース12に、リム17の一側を迂回して前方へ延びるリアフォーク24が一体に形成され、このリアフォーク24がピボット軸25により前記リアチューブ部2rに上下揺動自在に支持される。またエンジン10の、後輪ハブ18との反対側にクランク軸11により駆動される発電機26と、クランク軸11をクランキングし得るキックスタータ27とが設けられ、特に、発電機26は、後輪3rの外側方へ突出するように配置される。このようにすると、後輪3rに邪魔されることなく発電機26の放熱を促進させることができる。尚、図中の符号28は燃料タンク、29は排気マフラを示す。
【0022】
さて、図5ないし図9により、エンジン10の潤滑装置について説明する。
【0023】
図6及び図7に示すように、クランクケース12には、クランク軸11の、前記発電機26と反対側の端部で駆動されるオイルポンプ30が設けられる。このオイルポンプ30は、クランクケース12に形成されたポンプハウジング31に回転自在に嵌合される、内歯を有するアウタロータ30iと、クランク軸11に一端に回り止め嵌合してアウタロータ30iの内歯に偏心位置で外歯を噛み合わせるインナロータ30oとからなるトロコイド型で、ポンプハウジング31の開放面を覆うオリフィス板32及びポンプカバー33がクランクケース12の外側面に重ねられてボルト35により固着される。
【0024】
図8に示すように、オリフィス板32には、両ロータ30o,30i間の低圧部及び高圧部にそれぞれ連通する一対の円弧状長孔37a,37bと、クランクケース12の側壁に設けられる吸い上げ油路38の出口38oに連通する通孔39と、クランク軸11に設けられる第1潤滑油路41の入口41iに連通する第1オリフィス431 と、クランクケース12の側壁に設けられる第2潤滑油路42の入口42iに連通する第2オリフィス432 とが穿設され、これらを囲繞する領域で、一対のOリング45,45がクランクケース12とオリフィス板32、オリフィス板32とポンプカバー33の各間にそれぞれ介装される(図6参照)。
【0025】
また、図9に示すように、ポンプカバー33の、オリフィス板32に対向する内側面には、前記一対の長孔37a,37bにそれぞれ合致する円弧溝状の吸入ポート44a及び吐出ポート44bと、この吐出ポート44bを前記第1オリフィス431 及び第2オリフィス432 にそれぞれ連通する第1連通溝471 及び第2連通溝472 と、吸入ポート44aを前記通孔39に連通する第3連通溝473 とが刻設される。
【0026】
吸い上げ油路38の入口は、クランクケース12の底部に形成される油溜48の油面下に配置され、その入口にストレーナ(図示せず)が付設される。
【0027】
再び図5及び図6において、第1潤滑油路41は、クランク軸11のクランクピン11a、及びそれに支承されるコンロッド50の大端部50aを潤滑すべくクランク軸11に設けられるもので、その途中に介入する遠心フィルタ51がクランク軸11に次のように設けられる。
【0028】
即ち、クランクピン11aの両端を支持する一対のクランクウェブ11b,11cのうち、オイルポンプ30側のクランクウェブ11bの、クランクピン11a一端面と面一に連なる平坦な外側面に駆動ギヤ52の一側面を密着させるようにして、駆動ギヤ52がクランク軸11の軸部11mに圧入される。また駆動ギヤ52の一側面には、クランク軸軸 線を同心に囲繞する環状の凹部が形成されており、従って、これらクランクウェブ11b外側面及びクランクピン11a一端面と、駆動ギヤ52の一側面(前記環状の凹部)との対向面間に環状の遠心濾過室53が形成されると共に、この遠心濾過室53を囲繞するようにしてOリング54(シール部材)がクランクウェブ11b及び駆動ギヤ52の密着面間に介裝される。こうしてクランクウェブ11b及び駆動ギヤ52により遠心フィルタ51が構成される。このように遠心濾過室53を駆動ギヤ52側にのみ凹設することは、クランクウェブ11bの必要強度の確保、及び駆動ギヤ52の軽量化の両立を図る上に有効である。
【0029】
この遠心濾過室53は、その外周面の半径r1 がクランクアーム長さr2 より大となるように形成される。
【0030】
前記第1潤滑油路41は、この遠心濾過室53と、クランク軸11の軸部11mに設けられて前記入口41iから遠心濾過室53の内周面に至る上流油路411 と、クランクピン11aに設けられて遠心濾過室53の中間部内側面からクランクピン11aの、コンロッド50を支承する部分に至る下流油路412 とから構成される。
【0031】
前記第2潤滑油路42は、その入口42iの直後から二手に分岐するエンジン頭部潤滑油路421 と、変速機潤滑油路422 とを備える。エンジン頭部潤滑油路421 は、クランクケース12、シリンダブロック22及びシリンダヘッド23の側壁を順次貫通して、シリンダヘッド23内の動弁機構34(図4参照)に連通し、また変速機潤滑油路422 は、クランクケース12及びミッションケース13の側壁を順次貫通して、前記入力軸15の中空部15aに連通する。この入力軸15には、中空部15aから入力軸15上の伝動部材に給油する多数の油孔55が穿設される。
【0032】
前記駆動ギヤ52は、変速機14の入力軸15上の被動ギヤ56に噛合し、これを駆動するようになっている。
【0033】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0034】
エンジン10の作動中、その動力は、クランク軸11から駆動ギヤ52を介して被動ギヤ56に伝達し、変速機14の選択されたギヤを経て後輪3rへと伝達して、それを駆動する。
【0035】
これと同時にクランク軸11の一端部によりオイルポンプ30が作動され、その吸入作用により油溜48の潤滑油が吸い上げ油路38から吸入ポート44aに吸入され、次いで吐出作用を受けて、吐出ポート44bから第1オリフィス431 を経て第1潤滑油路41と、吐出ポート44bから第2オリフィス432 を経て第2潤滑油路42とに分配される。その分配比率は第1及び第2オリフィス431 ,432 により設定される。
【0036】
第1潤滑油路41に分配された潤滑油は、先ずクランク軸11の上流油路411 を経て遠心濾過室53に流入する。この遠心濾過室53はクランク軸11と共に回転しているから、該室53に流入した潤滑油に回転を与え、その油中に混入した切粉、摩耗粉等を遠心分離する。こうして濾過された潤滑油は下流油路412 を経てクランクピン11aの外周面に流出し、コンロッド50の大端部周りを潤滑する。
【0037】
一方、第2潤滑油路42に分配された潤滑油は、エンジン頭部潤滑油路421 と変速機潤滑油路422 とに分流し、前者を流れる潤滑油はシリンダヘッド23内に達して動弁機構34を潤滑し、後者を流れる潤滑油は変速機14の入力軸15の中空部15aを経て多数の油孔55から噴出し、各種伝動部材を潤滑する。
【0038】
ところで、上記遠心濾過室53は、クランク軸11において、最も大径のクランクウェブ11bと、クランク軸11の軸部11mに固着されてクランクウェブ11bの外側面に密着する、それと略同径の駆動ギヤ52との対向面間に形成されるので、比較的大径の遠心濾過室53が容易に得られ、潤滑油の遠心濾過効果を高めることができる。特に、遠心濾過室53を、その外周面の半径r1 がクランク軸11のクランクアーム長さr2 より大となるように形成する場合は、その効果が大きい。
【0039】
しかも遠心濾過室53の形成に当たってはそれ専用のカップ体を用いず、動力伝動に不可欠なクランクウェブ11b及び駆動ギヤ52を利用しているので、部品点数の削減により遠心フィルタ51の構造の簡素化を図ると共に、クランク軸11の軸端からの遠心フィルタ51の張出をなくしてエンジン10の軸方向のコンパクト化を図ることができる。
【0040】
さらに、クランクウェブ11b及び駆動ギヤ52間には、遠心濾過室53を囲繞するようにしてOリング54が介裝されるので、遠心濾過室53の潤滑油が遠心油圧を受けるもクランクウェブ11b及び駆動ギヤ52間からの漏油を防ぐことができる。
【0041】
また、クランクケース12の外側面に凹設されたポンプハウジング31には、クランク軸11に嵌合連結したオイルポンプ30を収容し、ポンプハウジング31の開放面を覆うポンプカバー33をクランクケース12の外側面に取り外し可能に固着したので、オイルポンプ30の駆動手段が簡単となり、またポンプカバー33を外すことによりオイルポンプ30の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス上、有利である。
【0042】
しかもポンプカバー33には、オイルポンプ30の低圧部及び高圧部にそれぞれ連通する吸入ポート44a及び吐出ポート44bと、吐出ポートを第1及び第2潤滑油路41,42にそれぞれ連通する第1及び第2連通溝471 ,472 と、吸入ポート44aをクランクケース12の吸い上げ油路38に連通する第3連通溝473 とを設け、このポンプカバー33を通して、オイルポンプ30への吸入潤滑油の誘導と、オイルポンプ30から第1、第2潤滑油路41,42への潤滑油の供給とを行うようにしたので、このポンプカバー33はオイルポンプ30の分配板を兼ねることになり、専用の分配板が不要である。
【0043】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば、クランクピンを支持するクランクウェブの、該クランクピン一端面と面一に連なる平坦な外側面に、クランク軸に固着される駆動ギヤの一側面を密着させると共に、その駆動ギヤの一側面に、クランク軸の軸部を囲繞する環状の凹部を設けて、該凹部と、クランクウェブ外側面及びクランクピン一端面との対向面間に、遠心フィルタの環状をなす遠心濾過室を形成し、前記潤滑油路のうち、駆動ギヤの前記凹部よりも径方向内方側を通る部分と、クランクピン内を通る部分とを遠心濾過室を介して相互に接続したので、遠心フィルタのクランク軸端からの張出しをなくし、エンジンの軸方向のコンパクト化を図ることができ、しかも遠心濾過室を形成する専用のカップ体も不要であるから、部品点数の削減と構造の簡素化をも図ることができる。また特に遠心濾過室を駆動ギヤ側にのみ凹設したことで、クランクウェブの必要強度の確保、及び駆動ギヤの軽量化の両立を図る上で有効である。
【0045】
また本発明の第2の特徴によれば、クランクウェブ及び駆動ギヤを、遠心濾過室を囲繞するシール部材を介して相互に密着させたので、遠心濾過室内で発生する遠心油圧によるも、クランクウェブ及び駆動ギヤ間からの漏油を確実に阻止することができる。
【0046】
さらに本発明の第3の特徴によれば、遠心濾過室を、その外周面の半径がクランク軸のクランク長さより大となるように形成したので、遠心濾過室を大径に形成できて、潤滑油の遠心濾過効果を高めることができる。
【0047】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば、クランク軸を支承するクランクケースに、クランク軸の一端が臨むポンプハウジングを形成し、このポンプハウジングに収容されるオイルポンプをクランク軸の前記一端に嵌合、連結したので、オイルポンプのクランク手段が簡素化され、それを効率良く駆動することができる。またポンプハウジングをクランクケースの外側面に開放し、この開放面を覆うポンプカバーをクランクケースに取り外し可能に固着したので、クランクケースからポンプカバーを取り外しさえすれば、ポンプの着脱が可能であり、そのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0048】
さらにまた本発明の第6の特徴によれば、ポンプカバーに、オイルポンプの低圧部及び高圧部にそれぞれ連なる溝状の吸入ポート及び吐出ポートと、その吸入ポートを、クランクケース底部の油溜に連なる吸い上げ油路に連通する連通溝と、吐出ポートを前記潤滑油路に連通する連通溝とを設けたので、ポンプカバーがオイルポンプの分配板を兼ねることになり、構造の簡素化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る原動機付き二輪車の側面図。
【図2】 図1の2部拡大図
【図3】 図2の3矢視図。
【図4】 図2の4−4線断面図。
【図5】 図4の5−5線断面図。
【図6】 図4の6部拡大縦断面図。
【図7】 図6の7−7線断面図。
【図8】 図6の8−8線断面図。
【図9】 図6の9−9線断面図。
【符号の説明】
10・・・エンジン
11・・・クランク軸
11a・・クランクピン
11b・・クランクウェブ
12・・・クランクケース
14・・・変速機
30・・・オイルポンプ
31・・・ポンプハウジング
32・・・オリフィス板
33・・・ポンプカバー
38・・・吸い上げ油路
41・・・潤滑油路
41i・・入口
42・・・第2潤滑油路
42 1 ・・エンジン頭部潤滑油路
42 2 ・・変速機潤滑油路
42i・・入口
43 1 ・・オリフィス
46a・・吸入ポート
46b・・吐出ポート
47 1 ・・第1連通溝
47 2 ・・第2連通溝
51・・・遠心フィルタ
52・・・駆動ギヤ
53・・・遠心濾過室
54・・・Oリング(シール部材)
Claims (6)
- 油溜(48)の潤滑油を吸い上げて吐出するオイルポンプ(30)と、このオイルポンプ(30)の吐出ポート(47b)からクランク軸(11)の内部を通ってクランクピン(11a)外周面に至る潤滑油路(41)とを備え、この潤滑油路(41)に、クランク軸(11)と共に回転する遠心フィルタ(51)を介裝した、エンジンの潤滑装置において、
クランクピン(11a)を支持するクランクウェブ(11b)の、該クランクピン(11a)一端面と面一に連なる平坦な外側面に、クランク軸(11)に固着される駆動ギヤ(52)の一側面を密着させると共に、その駆動ギヤ(52)の一側面に、クランク軸(11)の軸部を囲繞する環状の凹部を設けて、該凹部と、クランクウェブ(11b)外側面及びクランクピン(11a)一端面との対向面間に、遠心フィルタ(51)の環状をなす遠心濾過室(53)を形成し、
前記潤滑油路(41)のうち、駆動ギヤ(52)の前記凹部よりも径方向内方側を通る部分と、クランクピン(11a)内を通る部分とを遠心濾過室(53)を介して相互に接続したことを特徴とする、エンジンの潤滑装置。 - 請求項1記載のものにおいて、
クランクウェブ(11b)及び駆動ギヤ(52)を、遠心濾過室(53)を囲繞するシール部材(54)を介して相互に密着させたことを特徴とする、エンジンの潤滑装置。 - 請求項1又は2記載のものにおいて、
遠心濾過室(53)を、その外周面の半径(r1 )がクランク軸(11)のクランク長さ(r2 )より大となるように形成したことを特徴とする、エンジンの潤滑装置。 - 請求項1、2又は3記載のものにおいて、
クランク軸(11)を支承するクランクケース(12)に、クランクケース(12)の外側面に開放していてクランク軸(11)の一端が臨むポンプハウジング(31)を形成し、このポンプハウジング(31)に収容されるオイルポンプ(30)をクランク軸(11)の前記一端に嵌合、連結すると共に、該ポンプハウジング(31)の開放面を覆うポンプカバー(33)をクランクケース(12)に取り外し可能に固着し、そのポンプカバー(33)には、オイルポンプ(30)の吐出ポート(46b)を前記潤滑油路(41)に連通する第1連通溝(47 1 )と、同吐出ポート(46b)を前記潤滑油路(41)から独立した第2潤滑油路(42)に連通する第2連通溝(47 2 )とを形成し、クランクケース(12)の外側面とポンプカバー(33)との間に挟持されたオリフィス板(32)には、前記潤滑油路(41)の入口(41i)と第1連通溝(47 1 )間を連通するオリフィス(43 1 )を設けたことを特徴とする、エンジンの潤滑装置。 - 請求項4記載のものにおいて、
前記エンジン(10)は、そのエンジン頭部がクランクケース(12)の一側より水平に延びていると共に該エンジン(10)の上側に変速機(14)が連設されており、前記第2潤滑油路(42)は、その入口(42i)より下流側でエンジン頭部潤滑油路(42 1 )と、変速機潤滑油路(42 2 )とに分岐していることを特徴とする、エンジンの潤滑装置。 - 請求項4又は5記載にものにおいて、
ポンプカバー(33)に、オイルポンプ(30)の低圧部及び高圧部にそれぞれ連なる溝状の吸入ポート(46a)及び吐出ポート(46b)と、その吸入ポート(46a)を、クランクケース(12)底部の油溜(48)に連なる吸い上げ油路(38)に連通する連通溝(473 )と、吐出ポート(46b)を前記潤滑油路(41)に連通する連通溝(471 )とを設けたことを特徴とする、エンジンの潤滑装置。
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1997
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