JP3886406B2 - 多連液体クロマトグラフ - Google Patents

多連液体クロマトグラフ Download PDF

Info

Publication number
JP3886406B2
JP3886406B2 JP2002111197A JP2002111197A JP3886406B2 JP 3886406 B2 JP3886406 B2 JP 3886406B2 JP 2002111197 A JP2002111197 A JP 2002111197A JP 2002111197 A JP2002111197 A JP 2002111197A JP 3886406 B2 JP3886406 B2 JP 3886406B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid chromatograph
liquid
column
manifold
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002111197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002340876A5 (ja
JP2002340876A (ja
Inventor
宗雄 斎藤
ベイヤ− ケヴィン
敏彦 宮路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jasco Corp filed Critical Jasco Corp
Priority to JP2002111197A priority Critical patent/JP3886406B2/ja
Publication of JP2002340876A publication Critical patent/JP2002340876A/ja
Publication of JP2002340876A5 publication Critical patent/JP2002340876A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3886406B2 publication Critical patent/JP3886406B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/26Conditioning of the fluid carrier; Flow patterns
    • G01N30/38Flow patterns
    • G01N30/46Flow patterns using more than one column
    • G01N30/466Flow patterns using more than one column with separation columns in parallel
    • G01N30/467Flow patterns using more than one column with separation columns in parallel all columns being identical

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多連カラムを構成するカラムの流路抵抗が変化しても、当該カラムを流れる溶媒の流量を一定に保てる多連液体クロマトグラフの送液技術に関し、より具体的には、多数回の分析又は長期の分析を行っても、溶出成分ピークの保持時間の再現性を維持することができる多連液体クロマトグラフに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医薬品等の開発に、合成反応を素反応に分解して組み合わせるコンビナトリアルケミストリーの手法が用いられるようになっている。このコンビナトリアルケミストリーは、例えば「平成11年度 コンビナトリアルケミストリーの分野で必要とされる分析機器・技術の調査研修報告書」(平成12年3月 社団法人日本機械工業連合会,社団法人日本分析機器工業会発行)で詳しく報告されている。
【0003】
コンビナトリアルケミストリーでは、質量分析計(MS)は高感度の構造解析ツールとしてライブラリーの品質管理からハイスループットスクリーニングまで様々なプロセスで利用されている。特に、液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)は、オートインジェクタにより多検体の連続分析にも対応でき、その利用頻度は非常に高い。
【0004】
係るコンビナトリアルケミストリーにおける分析では、液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)が最も重要なシステムの一つとも言える。この液体クロマトグラフ−質量分析計における基本構成は、液体クロマトグラフの後段に質量分析計を連結し、液体クロマトグラフで分離された試料を質量分析計に設けたイオン化室に供給し、そこにおいてイオン化し、質量分析部にて分析する。
【0005】
そして、この基本構成によると、1本のカラム,1つの検出器からなるシリアルな分析であり、パラレルに進行するコンビナトリアル合成と比較して試料処理能力に限界がある。もちろん、複数台の液体クロマトグラフ−質量分析計を用意すれば全体のスループットを向上させることもできるが、設備コストが増大高価してしまうし、設置空間も拡大せざるを得なくなる。
【0006】
一方、コンビナトリアルケミストリー分析は短時間で行わなければならないという要求がある。そして、質量分析計による分析は、1秒或いはそれ以下の短時間で行われるが、液体クロマトグラフによる分析には、数分ないし数十分の時間を要する。このため、液体クロマトグラフ−質量分析計では、質量分析計の稼働率は、液体クロマトグラフの処理速度で規定されてしまい、低くならざるを得なかった。
【0007】
このような不都合は、液体クロマトグラフを多連とすることで解消できる。液体クロマトグラフを多連とした液体クロマトグラフ−質量分析計では、溶媒をひとつの送液系から複数の流路系に分配し、試料注入装置,分離カラム,検出器を備えた分離系に送液する。そして、各分離系にて分離された試料を質量分析計のイオン化室の入口に設けた切替えバルブに導入する。切替えバルブを動作させ、各分離系を構成するラインを順次切替えることにより、各ラインからのカラム溶出液を順次イオン化室に供給し、イオン化して試料の検出,分析を行う。
【0008】
係る構成にすると、質量分析計における分析処理は、秒或いはそれ以下の短時間で終了するので、複数の液体クロマトクラフから順次供給されるカラム溶出液を、1つの質量分析計で分析が行える。よって、擬似的に液体クロマトグラフ−質量分析計を複数台用いたようなシステム構成にしつつ、質量分析計は1台で済むため、上記した設備コストが増大したり、設置空間が拡大したりするといった問題も解決できる。
【0009】
係る多連液体クロマトグラフを用いた液体クロマトグラフ−質量分析計としては、従来、送液系に、図1に示すような低圧混合のグラジエント方式を採用したものや、図2に示す高圧混合のグラジエント方式を採用したものが知られている。
【0010】
図1の液体クロマトグラフ−質量分析計では、送液系32は、デガッサー32a,グラジエントバルブ32b,グラジエントポンプ32cから構成される。つまり、溶媒槽群31の溶媒槽T,T,Tの溶媒A,B,Cのうち、適宜の溶媒が、グラジエントバルブ32bを切り替えることでグラジエントポンプ32cにより吸引されて混合される。そして、その混合された溶媒は、マニホールド33により複数の流路に分配された後、多連オートサンプラー34に送られる。
【0011】
多連オートサンプラー34では、各流路系ごとに試料がサンプリングされ、試料は溶媒とともにカラム群35(CLM〜CLM)に注入される。各カラムからの溶出液は、検出器群36(D〜D)により検出される。この後、各カラムから送出された溶出液は、質量分析計5に設けられた切替えバルブ51aにより順次切り替えられ、イオン化室51に送られてイオン化される。そして、イオン化後に質量分析部52に導入された試料は、データ処理部53により検出処理演算が行われる。
【0012】
図2の液体クロマトグラフ−質量分析計では、送液系42は、3つのポンプMP,MP,MPから構成される。つまり、溶媒槽群41の溶媒槽T,T,Tの溶媒A,B,Cのうち、適宜の溶媒が、ポンプP,P,Pにより吸引されて混合される。そして、混合された溶媒は、マニホールド43により複数の流路系に分配された後、多連オートサンプラー44に送られる。多連オートサンプラー44では、各流路系ごとに試料がサンプリングされ、試料は溶媒は試料とともにカラム群45(CLM〜CLM)に注入される。各カラムの溶出液は、検出器群46(D〜D)により検出される。この後、溶出液は、質量分析計5に設けられた切替えバルブ51aにより順次切り替えられて、イオン化室51にてイオン化され、質量分析部52に導入された試料は、データ処理部53により検出処理演算が行われる。
【0013】
ところで、多連液体クロマトグラフでは、カラムに流れる溶媒の流量は、すべて同一であることが望ましい。しかし、この流量はカラム(CLM〜CLM)の流路抵抗に影響を受けるため、単に送液系からの溶媒をマニホールドで複数流路に分配する方法では、カラムに流れる溶媒の流量は必ずしも同一になるとは限らない。さらに、仮に、カラムの固定相の充填当初においては、各カラムの流路抵抗が同一であったとしても、繰り返しの使用により流路抵抗に差が出できてしまう。この流路抵抗の違いに起因して、各分岐流路を流れる溶媒の流量は、必ずしも同一にはならない。
【0014】
例えば、送液系の流量が10mL/minで、流路数が10(すなわち、N=10)である場合、各々の分岐流路に流れる流量は、理想的には1mL/minである。しかし、現実には、各カラムの流路抵抗の違いに影響されて流量が異なってしまう。もちろん、全く同一の流路抵抗のカラムを多数用意することで、この問題は解決されるが、実際には至難である。
【0015】
さらに、たとえ最初は、全てのカラムの流路抵抗が同一であったとしても、繰り返しカラムを使用するうちに、流路抵抗が変化してしまうことは避けることができない。このため、カラムに流れる流量が変化してしまう。
【0016】
従って、多連カラムを使用している限り、全く同一構成のカラムを使用したとしても、各流路ごとに溶出時間が異なってしまい、ピーク保持時間に変動が生じる等不都合が生じる。
【0017】
このような不都合を解消するために、各流路に独立の送液系を備えた溶出システム、すなわち、各分岐流路に独立のポンプを備えた溶出システムも提案されている。
【0018】
しかし、低圧混合型のグラジエント溶出システムの各分岐流路に独立のポンプ(図1のグラジエントポンプ32bに相当するポンプ)を設ける場合には、さらに各流路ごとにグラジエントバルブ(溶出用比例バルブ)を用いる必要がある。
【0019】
また、高圧混合型のグラジエント溶出システムの各流路に独立のポンプを設ける場合には、各流路に複数個のポンプ(図2のポンプMP,MP,MPに相当するポンプ)を用いる必要がある。しかし、このようなシステムでは、装置が大型化し、配置も困難となり、さらに価格も非常に高価となるので実用的な解決策とは言えない。
【0020】
なお、ピーク保持時間の補正を行う多連液体クロマトグラフとしては、例えば、実開平2−21554号公報に記載のものも知られている。この公報に記載された液体クロマトグラフでは、(1)各カラムに送られる移動相(溶媒)の流量を測定することで、溶出時間の補正を行う。或いは、(2)試料に標準物質を添加することにより溶出時間の補正を行っている。
【0021】
しかし、上記公報に開示された従来技術において、(1)の補正を行う場合には、移動相(溶媒)の流量測定を測定する装置が必要となるばかりでなく、データ処理が複雑になるという問題を有する。また、(2)の補正を行う場合には、適切な標準物質がないことも多く、さらに、標準物質があったとしても、データ処理が複雑になるし、サンプル処理も複雑になるという問題を有する。
【0022】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、多連カラムを構成するカラムの流路抵抗が変化しても、当該カラムを流れる溶媒の流量を一定に保てる多連液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明は、多数回の分析又は長期の分析を行っても、溶出成分ピークの保持時間の再現性を維持することができる多連液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の多連液体クロマトグラフは、複数の溶媒槽と、各溶媒槽の溶媒をポンプ吸引して前記各溶媒を混合する、単一の親ポンプ又は複数の親ポンプを備えた送液主装置と、前記送液主装置の下流側に設けられたマニホールドと、前記マニホールドのさらに下流側に設けた多連サンプラーと、前記多連サンプラーのさらに下流側に設けた多連カラムとからなるもので、前記マニホールドの分岐流路ごとに子ポンプが設けられてなることを特徴とする。
【0025】
本発明では、多連カラムを構成するカラムの流路抵抗が変化しても、当該カラムを流れる溶媒の流量は一定であり、多数回の分析又は長期の分析を行っても、溶出成分ピークの保持時間の再現性が損なわれることはない。さらに、保守やカラム交換のために一部の流路の停止も可能である。この場合には、親ポンプの流量と、子ポンプの流量を適宜設定することで、カラムを流れる溶媒の流量を一定に保てる。
【0026】
本発明の多連液体クロマトグラフでは、送液主装置とマニホールドとの間の送液路に、背圧制御手段(背圧制御弁や抵抗管等)を設けることができる。また、前記送液主装置とマニホールドとの間に、オーバーフロー管を設けることができる。なお、送液主装置とマニホールドとの間の送液路に、背圧制御機能付きのオーバーフロー管を設けてもよい。
【0027】
本発明は、低圧混合型の多連液体クロマトグラフ及び高圧混合型の多連液体クロマトグラフの双方に適用される。低圧混合型の多連液体クロマトグラフでは、送液主装置は、各溶媒槽側に設けたデガッサーと、デガッサーの下流側に設けたグラジエントバルブと、前記グラジエントバルブのさらに下流側に設けた、単一の親ポンプとから構成できる。また、高圧混合型の多連液体クロマトグラフでは、送液主装置は、各溶媒槽側に設けた、複数の親ポンプから構成することができる。
【0028】
上記した多連液体クロマトグラフと、質量分析計とにより、コンビナトリアルケミストリー対応の液体クロマトグラフ−質量分析計が構成できる。ここで、質量分析計や、質量分析計との間のインターフェイスは、その種類,方式に限定されることはない。
【0029】
更に、本発明によれば、低圧混合のグラジエント方式の場合、N個の流路ごとに、送液系32(デガッサー32a,グラジエントバルブ32b,グラジエントポンプ32c)を設けるものに比べると、送液系は1つで済むので装置全体の大型化も抑制できる。同様に、高圧混合のグラジエント方式の場合、N個の流路ごとに、3つのポンプからなる送液系42を設けるもの(すなわち、全体では、N×3個のポンプを設けるもの)に比べると、ポンプの総設置数を少なくできる。従って、何れの場合も、さほど装置の大型化を招くことなく高精度な測定が可能となる。
【0030】
なお、上記した各多連液体クロマトグラフを用いたグラジエント溶出方法では、前記送液主装置の流量が、前記マニホールドの分岐流路ごとに設けた子ポンプの流量の合計よりも大きくなるように、前記子ポンプ及び前記送液主装置に備えられた単一の親ポンプまたは複数の親ポンプの送液量を制御することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。図3は、送液主装置に単一の親ポンプを備えた、本発明の多連液体クロマトグラフの実施の形態を示す説明図である。
【0032】
図3に示す実施の形態では、多連液体クロマトグラフ1は、低圧混合型であり、溶媒槽群11と、送液主装置12と、背圧制御弁13と、マニホールド14と、子ポンプ群15と、多連オートサンプラー16と、カラム群17と、検出器群18とを含んで構成されている。
【0033】
そして、溶媒槽群11は、溶媒A,B,Cが入った、3つの溶媒槽T,T,Tからなる。送液主装置12は、溶媒取込み口側に設けたデガッサー12aと、グラジエントバルブ12bと、単一の親ポンプ12cとから構成される。グラジエントバルブ12bは、グラジエント溶出を行うために、溶媒A,B,Cのうち所望の溶媒を、それぞれ所定量吸引して混合する。これらデガッサー12a並びにグラジエントバルブ12bは、基本的に従来と同様の構成をとる。そして、本発明の要部の一つである親ポンプ12cは、混合された溶媒をマニホールド14に送液する。
【0034】
マニホールド14は、送液主装置12の下流側に設けられ、背圧制御弁13は、送液主装置12と、マニホールド14との間の送液路から、分岐して設けられる。この背圧制御弁13により、親ポンプの脈動が小さくなるように所定の背圧をかけるようになっている。なお、この背圧制御弁13に代えて、送液主装置12とマニホールド14との間に抵抗管を設けるとともに、抵抗管の下流側にオーバーフロー管を設けることもできる。
【0035】
本発明の要部の一つである子ポンプ群15は、N個の子ポンプSP〜SPからなり、各子ポンプSP〜SPは、マニホールド14の各分岐流路ごとに設けられている。
【0036】
多連オートサンプラーでは、周知の手法により試料をサンプリングする。また、カラム群17は、N個のカラムCLM〜CLMからなり、導入された試料の分離を行う。さらに、検出部群18は、N個の検出部D〜Dからなり、紫外線吸収を利用した試料の検出を行うことができる。
【0037】
図3では、多連液体クロマトグラフ1の後段(すなわち、検出器群18の後段)に、質量分析計5が設けられている。多連液体クロマトグラフ1並びに質量分析計5により、液体クロマトグラフ−質量分析計が構成されている。
【0038】
質量分析計5の入力側に配置された切替えバルブ51aは、切り替え操作により検出部群18の検出部D〜Dから送出された溶出液の流路を択一的に選択する。そして、その一系統を流れる溶出液が、次段のイオン化室51に導かれ、そこにおいてイオン化され、質量分析部52に供給されて分析され、データ処理部53により検出処理演算が行われる。
【0039】
以下、図3の多連液体クロマトグラフ1のグラジエント溶出動作を説明する。たとえば、マニホールド14の分岐流路が10個、すなわち子ポンプ群15は10個の子ポンプからなるものとし、親ポンプ12cの流量は10mL/minよりやや多目の量(ここでは、10.5mL/min)であり、子ポンプSP〜SPの流量は1mL/minであるとする。このように親ポンプ12cの流量を、子ポンプSP〜SPの総流量よりも多くすることにより、確実に各子ポンプSP〜SPに所望の流量が流れるようにしている。そして、余剰分は、背圧圧制御弁13を経由して廃棄される。
【0040】
係る構成において、グラジエントバルブ12bが切り替えられ、親ポンプ12cが動作し、溶媒槽T,T,Tの溶媒A,B,Cが適宜組み合わされて吸引される。
【0041】
溶媒A,B,Cの組み合わせは、時間経過とともに適宜変更され、各溶媒はデガッサー12a及びグラジエントバルブ12bを介して混合される。そして、親ポンプ12cは、係る混合された溶媒を吸引し、これをマニホールド14に供給する。
【0042】
マニホールド14の分岐流路側(下流側)に設けられた子ポンプSP〜SPは、1mL/minの流量で、混合溶媒を多連オートサンプラー16を介して各カラムCLM〜CLMに供給している。
【0043】
カラムCLM〜CLMからの溶出液は、検出部D〜Dにおいて紫外線吸収を利用した試料の検出がなされた後、質量分析計5に送られる。質量分析計5では、周知の手法による質量分析が行われる。
【0044】
本実施の形態では、カラムCLM〜CLMを繰り返し使用することで、カラムの流路抵抗が変化したとしても、子ポンプSP〜SPが、マニホールド14の分岐流路ごとに(すなわち、各カラムごとに)設けられているので、各流路の流量は変化しない。したがって、溶出成分ピークの保持時間に変動が生じる等の問題は生じない。
【0045】
図4は、送液主装置に複数の親ポンプを備えた本発明の多連液体クロマトグラフ、及びコンビナトリアルケミストリー対応の液体クロマトグラフ−質量分析計の実施の形態を示す説明図である。
【0046】
図4において、多連液体クロマトグラフ2は、高圧混合型であり、溶媒槽群21と、送液主装置22と、背圧制御弁23と、マニホールド24と、子ポンプ群25と、多連オートサンプラー26と、カラム群27と、検出器群28とを含んで構成されている。図4の多連オートサンプラー26は、図3の多連オートサンプラー16と同様の、複数のサンプラー(図4では符号26で示す)により構成される。
【0047】
そして、溶媒槽群21は、図3に示した実施の形態におけると同様、溶媒A,B,Cが入った、3つの溶媒槽T,T,Tからなる。一方、送液主装置22は、3つの親ポンプMP,MP,MPからなる。これらの親ポンプMP,MP,MPは、吸引した溶媒を合流点において混合し、これをマニホールド24に送液する。
【0048】
マニホールド24、子ポンプ群25、多連オートサンプラー26、カラム群27、検出部群28の構成は、図3に示した実施の形態のマニホールド14,子ポンプ群15,多連オートサンプラー16,カラム群17並びに検出部群18と同様である。
【0049】
この図4に示すシステムにおいても、多連液体クロマトグラフ2の後段には、図3で示した、質量分析計5が設けられている。そして、多連液体クロマトグラフ2並びに質量分析計5により、液体クロマトグラフ−質量分析計が構成される。
【0050】
以下、図4の多連液体クロマトグラフ2のグラジエント溶出動作を説明する。図4に示すシステムにおいて、マニホールド24の分岐流路が10個、すなわち子ポンプ群25は10個の子ポンプからなるものとし、MP,MP,MPの流量の合計は10mL/minよりやや多目の量(ここでは、10.5mL/min)であり、子ポンプSP〜SPの流量は1mL/minであるとする。
【0051】
まず、3つの親ポンプMP,MP,MPが動作し、溶媒槽T,T,Tの溶媒A,B,Cの溶媒が適宜組み合わされて吸引される。そして、溶媒A,B,Cの組み合わせは、時間経過とともに適宜変更され、親ポンプMP,MP,MPの出口側で混合され、マニホールド24に送られる。
【0052】
図3に示す実施の形態の場合と同様に、子ポンプSP〜SPは、1mL/minの流量で溶媒を、多連オートサンプラー26を介して各カラムCLM〜CLMに供給し、親ポンプMP,MP,MPの流量(10.5mL/min)と、子ポンプSP〜SPの合計流量(10mL/min)の差分(0.5mL/min)は、背圧制御弁23を介して廃棄される。また、カラムCLM〜CLMからの溶出液は、検出部D〜Dにおいて紫外線吸収を利用した試料の検出がなされた後、質量分析計5に設けられた切替えバルブ51aに入り、イオン化室51にてイオン化される。その後、質量分析部52に導入されデータ処理部53により検出処理演算が行われる。
【0053】
本実施の形態においても、多数回の分析又は長期の分析を行うことで、カラムの流路抵抗が変化したとしても、子ポンプSP〜SPが、マニホールド24の分岐流路ごとに(すなわち、各カラムごとに)設けられているので、各流路の流量は変化しない。したがって、溶出成分ピークの保持時間に変動が生じる等の問題は生じない。
【0054】
上記したように、本発明では、低圧溶媒混合型並びに高圧溶媒混合型のいずれの多連液体クロマトグラフにも適用でき、これらを用いた溶出成分ピークの保持時間の安定を長期にわたって保つことができるコンビナトリアルケミストリー対応の液体クロマトグラフ−質量分析計を提供することができる。
【0055】
次に、多連オートサンプラーについて図5,図6に基づいて説明する。これら図5,図6に示した多連オートサンプラーは、図1,図2を前提とする多連オートサンプラーの一例を示す概略構成であり、便宜上2分割して示している。すなわち、図5は、試料等を吸引する側を示し、図6は、係る吸引した試料等をカラムに供給する側を示している。そして、それら図5,図6では、共通の流路切り替えバルブ(六方弁)を共に描いている。また、この多連オートサンプラー16は、基本的には、通常のオートサンプラーを複数並列に配置したものと略同様の構成をとり、1流路当たりの構成は、通常のオートサンプラーと同じである。以下、実際の動作に従って構成を説明する。
【0056】
すなわち、図5に示すように、試料を貯留するサンプルラック60の上方には、ライン数に応じた複数のニードル61が昇降移動可能に配置される。この各ニードル61は、同期して動作する。つまり、同時に同一の動きをする。また、各ニードル61には、それぞれ配管を介してシリンジ62が接続されており、このシリンジ62も複数が同期して作動する。これにより、各ニードル61が下降してサンプルラック60に納められた容器内に挿入され、その状態でシリンジ62を動作させて容器内の試料を、ニードル61を介して吸引する。
【0057】
次に、各ニードル61は上昇し、隣接する注入ポート63上へ移動する。その状態でシリンジ62を上記と逆の動作を行い、ニードル61を介して吸引した試料を注入ポート63内に吐出する。注入ポート63は、それぞれ試料導入ルートと試料導出ルートを切替えるための六方弁からなるバルブ64の1つのポートに接続されている。
【0058】
バルブ64は、6つのポートAからFを備えており、「A−B,C−D,E−F」のポートが接続される流路と、「B−C,D−E,F−A」のポートが接続される流路に切替えることができる。そして、注入ポート63がバルブ64のポートAに接続される。さらに、ポートF,Cにサンプルループ65が接続される。また、ポートEは、マニホールド68を介して溶離液67aを収容する貯槽67に連携されている。そしてマニホールド68と貯槽67を接続するライン中にポンプ66が挿入配置され、そのポンプ66により溶離液67aをそれぞれのマニホールド68によって所定の割合に分割しバルブ64に供給する。
さらに、ポートDは図6に示すようにカラム17(27)に接続される。そして、各バルブ64は、それぞれ独立して動作する。
【0059】
係る構成によると、バルブ64を適宜切替えることにより、注入ポート63(ポートA)を介して供給される試料を一旦サンプルループ65内に押し出し、その後、係る試料をカラム17(27)へ送る。なおまた、係るカラム17(27)への供給後、ニードル61は、図示省略する洗浄瓶へ移動され、洗浄処理される。
【0060】
そして、上記したカラム17(27)への試料の供給は、各系統毎に独立して制御される。なお、一系統における上記した試料のカラムへの供給処理は、例えば特開平5−34328号公報その他のオートサンプラーについての発明において開示される手順を実行することができる。
【0061】
一方、図6に示すように、各カラム17(27)へ供給された試料は、それぞれ検出器18(28)を経由し、質量分析計5の切替えバルブ51aに供給される。つまり、各検出器18(28)の出力側は、切替えバルブ51aの複数の入力ポートにそれぞれ接続される。切替えバルブ51aは、複数の入力ポートと1つの出力ポートを有し、それら複数の入力ポートの内の1つを択一的に出力ポートと選択するようになっている。そして、その出力ポートをイオン化室に接続する。これにより、切替えバルブ51aを順次切替えることにより、各検出器18(28)からの試料が、逐次イオン化室に供給されることになる。なお、イオン化室へ供給されない入力ポートからの試料は、イオン化室に導入されずに廃棄される。
【0062】
図5,図6に示した多連オートサンプラーは、上記した通り、図1,図2の従来例に適用したものであるが、これは図示の便宜であり、図3,図4に示す本発明の実施の形態の多連オートサンプラーにおいても同様の構成を採る。なお、その場合に、実際には多連オートサンプラーに接続する周辺機器を適宜交換することなる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、多連カラムを構成するカラムの流路抵抗が変化しても、当該カラムを流れる溶媒の流量を一定に保てる。したがって、多数回の分析又は長期の分析を行っても、溶出成分ピークの保持時間の再現性を維持することができる。
【0064】
また、親ポンプの流量と、子ポンプの流量を適宜設定することで、一部の流路の停止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】送液主装置に単一の親ポンプを備えた、従来の多連液体クロマトグラフ、及び液体クロマトグラフ−質量分析計の説明図である。
【図2】送液主装置に複数の親ポンプを備えた、従来の多連液体クロマトグラフ、及び液体クロマトグラフ−質量分析計の説明図である。
【図3】送液主装置に単一の親ポンプを備えた、本発明の多連液体クロマトグラフ、及び液体クロマトグラフ−質量分析計の実施の形態を示す説明図である。
【図4】送液主装置に複数の親ポンプを備えた、本発明の多連液体クロマトグラフ、及び液体クロマトグラフ−質量分析計の実施の形態を示す説明図である。
【図5】多連オートサンプラーの構成を示す図(その1)である。
【図6】多連オートサンプラーの構成を示す図(その2)である。
【符号の説明】
1,2 液体クロマトグラフ
5 質量分析計
11,21 溶媒槽群
12,22 送液主装置
13,23 背圧制御弁
14,24 マニホールド
15.25 子ポンプ群
16,26 多連オートサンプラー
17,27 カラム群
18,28 検出器群
12a デガッサー
12b グラジエントバルブ
12c グラジエントポンプ
51 イオン化室
51a 切替えバルブ
52 質量分析部
53 データ処理部
CLM〜CLM カラム
〜D 検出器
MP,MP,MP 親ポンプ
SP〜SP 子ポンプ
,T,T 溶液槽

Claims (5)

  1. 複数の溶媒槽と、
    前記各溶媒槽の溶媒を吸引して前記各溶媒を混合する単一の親ポンプ又は複数の親ポンプを備えた送液主装置と、
    前記送液主装置の下流側に設けたマニホールドと、
    前記マニホールドのさらに下流側に設けた多連サンプラーと、
    前記多連サンプラーのさらに下流側に設けた多連カラムとからなる多連液体クロマトグラフにおいて、
    前記マニホールドの分岐流路ごとに子ポンプが設けられてなることを特徴とする多連液体クロマトグラフ。
  2. 前記送液主装置と前記マニホールドとの間の送液路に、背圧制御手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の多連液体クロマトグラフ。
  3. 前記送液主装置と、前記マニホールドとの間に、オーバーフロー管が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の多連液体クロマトグラフ。
  4. 前記送液主装置は、
    低圧混合グラジェント方式の送液機構を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の多連液体クロマトグラフ。
  5. 前記送液主装置は、
    高圧混合グラジェント方式の送液機構を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の多連液体クロマトグラフ。
JP2002111197A 2002-04-12 2002-04-12 多連液体クロマトグラフ Expired - Fee Related JP3886406B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111197A JP3886406B2 (ja) 2002-04-12 2002-04-12 多連液体クロマトグラフ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111197A JP3886406B2 (ja) 2002-04-12 2002-04-12 多連液体クロマトグラフ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002340876A JP2002340876A (ja) 2002-11-27
JP2002340876A5 JP2002340876A5 (ja) 2005-09-22
JP3886406B2 true JP3886406B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=19193917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002111197A Expired - Fee Related JP3886406B2 (ja) 2002-04-12 2002-04-12 多連液体クロマトグラフ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3886406B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMI20040399A1 (it) * 2004-03-03 2004-06-03 Thermo Finnigan Italia S P A Campionatore automatico associabile a strumenti per l'analisi cromatografica
JP5924113B2 (ja) 2012-05-15 2016-05-25 株式会社島津製作所 ニードル洗浄機構
WO2015063886A1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 株式会社島津製作所 液体クロマトグラフ装置
CN113474647B (zh) * 2019-03-13 2024-01-23 株式会社岛津制作所 色谱仪用自动进样器
JP2023011436A (ja) * 2021-07-12 2023-01-24 株式会社日立ハイテク 質量分析システム、処理装置及び異常検出方法
CN117571897B (zh) * 2023-11-15 2024-04-30 青岛惠安康生物工程有限公司 一种液相色谱-质谱联用仪及切换装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002340876A (ja) 2002-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10209229B2 (en) Mixer bypass sample injection for liquid chromatography
EP2329258B1 (en) Parallel screening supercritical fluid chromatography
US10641746B2 (en) Sample injection with fluidic connection between fluid drive unit and sample accommodation volume
EP2689244B1 (en) Valve and splitting system for multi-dimensional liquid analysis
US9945762B2 (en) Apparatus and method for introducing sample into a separation unit of a chromatography system without disrupting a mobile phase
US8343774B2 (en) Chromatography-based monitoring and control of multiple process streams
US20070134808A1 (en) Simultaneous multi-column liquid chromatograph for direct sampling of an array of liquid samples
EP3452820B1 (en) Method and apparatus for injecting a chromatographic sample
US6743356B1 (en) High throughput high performance chromatography system
EP2201359B1 (en) Device for generating micro- and nanoflow mobile phase gradients for high-performance liquid chromatography.
JP6437005B2 (ja) 多次元液体分析システムにおける体積フローの調整
JP3886406B2 (ja) 多連液体クロマトグラフ
JP5735065B2 (ja) 液体クロマトグラフィー用の移動相調整装置
CN113396328A (zh) 分析装置
WO2021202187A1 (en) Large volume sample injection for liquid chromatography
WO2017122261A1 (ja) 液体クロマトグラフ分析装置
JP2001165922A (ja) クロマトグラフ質量分析装置
GB2588635A (en) Sample injector with fluidic sample mixing
US20240011957A1 (en) Testing a sampling unit fluidically coupled to a source
JP2002365272A (ja) 液体クロマトグラフ及び分析システム
JP2002071657A (ja) グラジェント液体クロマトグラム測定装置および測定方法
CN112740030A (zh) 具有液相色谱仪的分析装置以及液相色谱仪的分析方法
JP2000266738A (ja) 液体クロマトグラフ質量分析装置
CN116507910A (zh) 自动分析装置的控制方法
JPH0694693A (ja) 試料の分析方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050412

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3886406

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111201

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121201

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131201

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees