JP3886399B2 - 定着制御装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いる定着制御装置及びこれを用いた画像形成装置に関し、詳細にはヒータの頻繁な点消灯を防ぐ温度制御を行えるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
熱ローラ定着装置は、周知のように、定着ローラに加圧ローラを押し当て、ニップ部と呼ばれる一定幅の押し付け領域を形成し、さらに定着ローラをヒータにより加熱し、トナーを載せた転写紙をニップ部に通過させることでトナーを溶融させ、転写紙内に圧力で押し込むことにより画像として定着させる装置である。
【0003】
このような熱ローラ定着装置の定着ローラの温度は、定着ローラ近傍に設けたサーミスタ等の温度検知手段の出力により制御する。このような制御では、一般的に設定温度に幅がある。例えば、検知温度が予め設定した温度まで低下するとヒータを点灯させ、検知温度が予め設定した温度まで高くなるとヒータを消灯させることにより、定着に適した温度(温度領域)に制御する。
【0004】
このような制御では、待機状態(画像形成の準備段階)では、5秒から120秒間隔程度でヒータが点、消灯を繰り返し、定着ローラ温度は、設定温度範囲(ヒータを点灯する温度と消灯する温度の範囲)内を上下動しており、熱を奪われるのは、空気中への放熱のみで安定しているため、必要電力を設定しやすい。またユニットとしての部品構成(熱容量や熱伝達量)が固定しているので、計算もしくは実験によって待機中の必要電力を求めておけば、適切な電力量を得るために予め点灯するヒータの本数や電力量を設定しやすい。
【0005】
しかしながら画像形成中は、画像形成条件(転写紙のサイズ、画像量、画像形成スピード)がさまざまで、必要電力が画像形成条件によって大きく異なり、各画像形成条件ごとに、所要ヒータ本数や電力量を予め設定するのが不可能なこともある。従って一般的には、画像形成中において最も電力が必要な場合を想定し、その場合の必要電力量を求め、それに対応する構成(ヒータ本数、電力量)を選定するようにしている。このように選定しておけば、画像形成中も、温度が下降すれば、ヒータを点灯し、十分加熱した温度でヒータを消灯する制御を行えば、適切な定着温度が得られるからである。
【0006】
ところが、画像形成が最大電力で行われるとは限らないのが通常であり、普段の使用では、ヒータの点灯により温度が回復、それによりヒータを消灯、ヒータ消灯中に温度が低下し、またヒータ点灯という動作を繰り返すことになる。その度にヒータ電極間にはON/OFFの負荷が掛かり、電源電圧を変化させ、画像形成装置を設置した部屋の他の電気製品に影響を出す可能性がある。例えば、画像形成装置の動作に起因する突入電流の発生で、電源電圧が降下し、蛍光燈などが一時的に電力不足になってちらつくこと等がある。
【0007】
そこで、突入電流の低減及び、ヒータの点灯、消灯回数の低減を目的として、複数本のヒータを設け、電力を分散させ、画像形成装置の動作条件によって点灯本数を変更したり、点、消灯のタイミングをずらしたりする方法が提案されている。
【0008】
ところが、定着ローラの温度を測定するためには、サーミスタを定着ローラに接触させる必要があり、その一方で定着ローラは回転するため、サーミスタと接触する箇所の離型層が経時的に摩耗したり、傷付いたり、最悪の場合には離型層が無くなったりすることがある。このような状態になると、形成される画像に光沢むらや画像抜けといった不具合が生じる。この方法では、サーミスタの設置位置(測温位置)を、通紙範囲の中央部とすることが一般的であるため、上述のような不具合は非常に大きな問題となる。また、サーミスタ接触部には、オフセットトナーや紙粉等の汚れが経時的に堆積し、貯えられた汚れは接触部で保持できなくなった時点から脱落し始め、ニップ部を通過する転写紙が汚れるという不具合が発生する。
【0009】
そのため、サーミスタの設置位置を定着ローラ端部もしくは通紙範囲外に設けることが提案された。ただし、この設置形態では通紙範囲での定着ローラ温度を直接検知することができないため、測温位置を通紙範囲中央とする場合より応答性が当然に劣る。例えば、通紙範囲が最大でA4横通紙である場合、A4横(大サイズ)通紙時に対し、小サイズ通紙(B5横、A4縦、B5縦等)になればなる程、通紙位置とサーミスタの設置位置が離れるので温度応答性が劣ることになる。
【0010】
すなわち、小サイズ連続通紙時、サーミスタ設置位置での定着ローラ温度は設定温度に保たれていても、ニップ部を通過する転写紙やトナーによって熱を奪われることで通紙範囲の定着ローラ温度が低下し、定着性が劣化する。特に、単位時間当たりの通紙枚数が多い場合に前記温度低下が顕著になる。
【0011】
ところで、近年の画像入力装置(スキャナ、デジタルカメラ等)、画像記録/編集装置(コンピュータ)、画像出力装置(プリンタ、MFP)が広範囲のユーザーに普及(反映)し始めたことに伴い、出力画像の高品質化の要求が高まってきている。
【0012】
出力画像品質を向上させるため、まず未定着画像について考察してみると、未定着画像、すなわち転写紙上にのっているトナーは、トナー粒径のバラツキ、感光体表面の帯電量のバラツキ、エッジ効果(画像の縁のトナー付着量が多くなる)、画像濃度等により、転写紙面に垂直な方向(トナーの付着高さ)で付着量がばらついている。
【0013】
従来の定着ローラ(ハードタイプローラ)は、アルミ系、鉄系金属材の芯金表面に10〜30μm程度の離型層を設けた構成が一般的である。離型層の材質はPFA、PTFE等のフッ素樹脂が用いられる。このような構成の定着ローラ表面の硬さは、芯金表面の硬さとほぼ等しい。そのため、ニップ部でトナーを均一な高さまで潰すことができるが、上述のようにトナー付着高さにはむらがあるため、トナーの付着高さが低い部分と高い部分で、画像の潰れ方に差が生じる。具体的には、付着高さが高い部分の画像は、低い部分に比べて紙面上でより広がることになる。
【0014】
このような画像(トナー)を均一な高さに潰すことによって生じる紙面方向の画像広がりむらを防止するため、芯金表面に弾性層を設けた定着ローラが提案されている。弾性層には、フッ素ゴム、シリコーンゴム、樹脂とゴムの混合体等を用いている。
【0015】
さらに、高生産性(高速プリント)の要求に対応し、かつ定着ローラの寿命向上や定着ローラ表面の離型性向上を目的として、弾性層の表面に離型層(PFAチューブ被覆、PFA塗装)を設けることも提案されている。このような定着ローラ(ソフトタイプローラ)は、離型層が厚かったり、弾性層が存在したりするため、ハードタイプローラに比べて熱応答性能が劣り、定着性劣化や転写紙巻付きが発生しやすい。そのため、ハードタイの定着ローラよりもきめ細かな温度制御を行ってローラ温度の低下を防止する必要がある。
【0016】
本発明は、ヒータの点消灯による温度制御を改良することによりこのような課題を解決できる定着制御装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る定着制御装置は、上記目的を達成するために、定着部材、該定着部材の通紙幅方向端部もしくは通紙領域外の温度を検知するサーミスタ、及び前記定着部材を加熱するための複数の加熱手段を備える定着装置と、前記複数の加熱手段の動作を制御する制御手段とを備える定着制御装置であって、前記複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、前記サーミスタが一つで前記定着部材の温度を検知するものであって、前記制御手段が、前記複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、前記サーミスタの検知温度に基づいて、前記複数の加熱手段のうち通紙範囲の中央部に配熱量が集中している加熱手段から順に非動作状態から動作状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする。
【0018】
この請求項1の発明は、例えば芯金と離型層の中間に弾性層を持つ定着ローラの温度を検知するため、サーミスタを定着ローラ長手方向端部に設置し、定着ローラを加熱するために複数本のヒータを設け、これら複数のヒータを同時に点灯、消灯させないようにし、各ヒータの配熱(配光)分布を異ならせ、ヒータ点灯時は、通紙中にサーミスタの検知温度に基づいて、通紙範囲の中央部に配熱量が集中しているヒータから順に点灯させることにより、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下を低減させようとするものである。
【0019】
同請求項2に係るものは、上記目的を達成するために、定着部材、該定着部材の通紙幅方向端部の端部もしくは通紙領域外を検知するサーミスタ、及び前記定着部材を加熱するための複数の加熱手段を備える定着装置と、前記複数の加熱手段の動作を制御する制御手段とを備える定着制御装置であって、前記複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、前記サーミスタが一つで前記定着部材の温度を検知するものであって、前記制御手段が、前記複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、前記サーミスタの検知温度に基づいて、前記複数の加熱手段のうち前記定着部材の通紙範囲の端部もしくは通紙領域外に配熱量が集中している加熱手段から順に動作状態から非動作状態させる制御を行うことを特徴とする。
【0020】
この請求項2の発明は、例えば芯金と離型層の中間に弾性層を持つ定着ローラの温度を検知するため、サーミスタを定着ローラ長手方向端部に設置し、定着ローラを加熱するために複数本のヒータを設け、これら複数のヒータを同時に点灯、消灯させないようにし、各ヒータの配熱(配光)分布を異ならせ、サーミスタの検知温度に基づき、通紙中でヒータ消灯時は、通紙範囲の中央部に対し定着ローラの端部に配熱量が集中しているヒータから順に消灯させることにより、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下を低減させる制御を行うことを特徴とする。
【0021】
同請求項3に係るものは、上記目的を達成するために、定着部材、該定着部材の通紙幅方向端部もしくは通紙領域外の温度を検知するサーミスタ、及び前記定着部材を加熱するための複数の加熱手段を備える定着装置と、前記複数の加熱手段の動作を制御する制御手段とを備える定着制御装置であって、前記複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、前記サーミスタが一つで前記定着部材の温度を検知するものであって、前記制御手段が、前記複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、前記サーミスタの検知温度に基づいて、前記複数の加熱手段のうち通紙範囲の中央部に配熱量が集中している加熱手段から順に非動作状態から動作状態へ移行させる制御と、前記複数の加熱手段のうち前記定着部材の通紙範囲の端部もしくは通紙領域外に配熱量が集中している加熱手段から順に動作状態から非動作状態させる制御を行うことを特徴とする。
【0022】
この請求項3の発明は、例えば芯金と離型層の中間に弾性層を持つ定着ローラの温度を検知するため、サーミスタを定着ローラ長手方向端部に設置し、定着ローラを加熱するために複数本のヒータを設け、これら複数のヒータは同時に点灯、消灯させないようにし、各ヒータの配熱(配光)分布を異ならせ、サーミスタの検知温度に基づき、通紙中でヒータ点灯時は、通紙範囲の中央部に配熱量が集中しているヒータから順番に点灯させ、通紙中でヒータ消灯時は、通紙範囲の中央部に対し定着ローラの端部に配熱量が集中しているヒータから順に消灯させることにより、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下を低減させる制御を行うことを特徴とする。
【0023】
同請求項3に係るものは、上記目的を達成するために、請求項1ないし3のいずれかの画像形成装置において、前記制御手段が、通紙サイズに応じて前記複数の加熱手段の動作タイミング及び非動作タイミングを変更させる制御を行うことを特徴とする。
【0024】
同請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの定着制御装置において、前記制御手段が、通紙サイズに応じて前記複数の加熱手段の動作タイミング及び非動作タイミングを変更させる制御を行うことを特徴とする
【0025】
同請求項5に係る画像形成装置は、上記目的を達成するために、請求項1ないし4のいずれかの定着制御装置を備えたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る定着制御装置及びこれを備えた画像形成装置の要部となる定着装置を示す断面図である。図中1は定着ローラ、2は加圧ローラ、3はサーミスタ、4a〜4cは赤外線ヒータ、5は入口ガイド板、6は転写紙、7は未定着トナー、Nは定着ローラ1と加圧ローラ2のニップである。
【0027】
この装置では、定着ローラ1内には赤外線ヒータ4a〜4cを内蔵し、定着ローラ1の表面に当接させたサーミスタ3により測定した温度を、図示を省略したマイクロコンピュータ等を用いて構成する制御部で判断し、赤外線ヒータ4a〜4cの点灯と消灯を制御し、定着ローラ1の表面温度を定着に適した温度範囲に保つよう構成している。
【0028】
図2は、定着ローラ1の構造例を示す断面図である。図示の定着ローラ1は、アルミ系または鉄系の芯金10上に弾性層としてシリコーンゴム層11、さらにその表面に離型層としてPFAチューブ12を被覆してある。弾性層であるシリコーンゴム層11の厚さは0.1〜0.5(mm)で、熱伝導率は0.25(W/m・K)以上、離型層であるPFAチューブ12の厚さは30〜50(μm)である。離型層としては、PFA塗装も採用されるが、その場合の離型層の厚さは6〜30(μm)が望ましい。
【0029】
すなわちこのような定着装置では、予め設定した温度と比較してサーミスタ3が測定した定着ローラ1の温度が高ければ、赤外線ヒータ4a〜4cへの通電を止めて定着ローラ1の温度が上昇することを抑制し、低ければ赤外線ヒータ4a〜4cへ通電して定着ローラ1の温度低下を防ぎ、適切な温度範囲に定着ローラ1を保つ。また定着ローラ1には、表面をシリコーンゴムで被覆した加圧ローラ2が圧接し、定着ローラ1とともに回転するように設置してあり、転写紙6上に形成された未定着トナー7は、定着ローラ1と加圧ローラ2により形成されるニップNを通過するときに熱を与えられ、溶融し、圧力を加えられることで転写紙6に押し込まれ、定着する。
【0030】
3本の赤外線ヒータ4a〜4cの配熱(配光)分布は、ヒータ4aは配光分布が通紙範囲中央に集中し、ヒータ4bは配光分布が端部に集中し(あるいはヒータ4aに比べて通紙範囲中央に集中していない)、ヒータ4cは配光分布がヒータ4bに比べて端部に集中している。
【0031】
図3は、本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移(A4縦通紙)の例を示す図である。上述のように配光分布が異なる3本の赤外線ヒータ4a〜4cを装備した定着装置で、通紙中に定着ローラ1の温度が低下し、サーミスタ3の位置での定着ローラ1の温度が下限設定温度Lに達した時点で赤外線ヒータ4a〜4cを、赤外線ヒータ4a→赤外線ヒータ4b→赤外線ヒータ4cの順序で点灯させる。ヒータ点灯間隔は、転写紙サイズによらず1秒、同じくヒータ消灯間隔は1秒としている。すなわちこの制御は、配光分布が異なる赤外線ヒータ4a〜4cを、通紙範囲の中央部に配熱量が集中している赤外線ヒータ4aから順に点灯させ、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ1の中央部における温度低下を防いでいる。なお、図の上段に従来の制御例を併せて示すが、もちろんこのような従来の制御を行って最上段に示す温度推移を得られるということではない。
【0032】
図4は、本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移(A4縦通紙)の他の例を示す図である。上述のように配光分布が異なる3本の赤外線ヒータ4a〜4cを装備した定着装置で、通紙中に定着ローラ1の温度が上昇し、サーミスタ3の位置での定着ローラ1の温度が上限設定温度Hに達した時点で赤外線ヒータ4a〜4cを、赤外線ヒータ4c→赤外線ヒータ4b→赤外線ヒータ4aの順序で消灯させる。ヒータ点灯間隔は、転写紙サイズによらず1秒、同じくヒータ消灯間隔は1秒としている。すなわちこの制御は、配光分布が異なる赤外線ヒータ4a〜4cを、定着ローラ1の端部に配熱量が集中している赤外線ヒータ4cから順に消灯させ、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ1の中央部における温度低下を防いでいる。
【0033】
図5は、本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移(A4縦通紙)のさらに他の例を示す図である。上述のように配光分布が異なる3本の赤外線ヒータ4a〜4cを装備した定着装置で、通紙中に定着ローラ1の温度が低下し、サーミスタ3の位置での定着ローラ1の温度が下限設定温度Lに達した時点で赤外線ヒータ4a〜4cを、赤外線ヒータ4a→赤外線ヒータ4b→赤外線ヒータ4cの順序で点灯させる(図3の例と同じ制御)。また、通紙中に定着ローラ1の温度が上昇し、サーミスタ3の位置での定着ローラ1の温度が上限設定温度Hに達した時点で赤外線ヒータ4a〜4cを、赤外線ヒータ4c→赤外線ヒータ4b→赤外線ヒータ4aの順序で消灯させる(図4の例と同じ制御)。図には本発明の制御例A〜Cとともに、従来と同様の制御を行った制御例Dを示す。ヒータ点灯間隔は、やはり、転写紙サイズによらず1秒、同じくヒータ消灯間隔は1秒としている。この制御では、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ1の中央部における温度低下をさらに効率良く防いでいる。
【0034】
図6は、本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移(A4横通紙及び縦通紙、B5縦通紙)のまたさらに他の例を示す図である。基本的な制御動作は図2の例と同様であるが、転写紙のサイズが小さくなるに連れてヒータ点灯間隔を長くしている。例えば、A4縦通紙(小サイズ)中のヒータ点灯間隔は2秒、同じくヒータ消灯間隔は2秒としている。この制御では、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ1の中央部における温度低下を通紙サイズの違いがあっても非常に効率良く防いでいる。
【0035】
なお以上説明してきた実施形態は赤外線ヒータを採用した例についてのみであるが、例えば加熱源が誘導加熱で、定着ローラ等の定着部材の中央部と両端部に対応したコイルを内蔵したものや、加熱源が誘導加熱で定着部材の中央部と両端部に対応したコイルを内蔵する弾性層付き無端ベルトのようなものを対象とすることもできる。もちろんこのような例では、加熱源の非動作と動作移行はコイルへの通電のオン、オフによる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に係る定着制御装置は、以上説明してきたように、定着部材を加熱するための複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、一つのサーミスタで前記定着部材の温度を検知するものであって、これら複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、定着部材の通紙幅方向端部もしくは通紙領域外の温度を検知する温度検知手段の検知温度に応じて、複数の加熱手段のうち通紙範囲の中央部に配熱量が集中している加熱手段から順に非動作状態から動作状態へ移行させる制御を行うようにしたので、端部もしくは通紙領域外配置の温度検知手段は中央部配置の温度検知手段より応答性は劣るが、本願発明では、通紙方向端部にサーミスタを用いても、定着性の劣化を効率良く防止でき、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下を低減させ、定着性の劣化を効率良く防止できるようになるという効果がある。
【0037】
請求項2に係る定着制御装置は、以上説明してきたように、基体上に弾性層を持つ定着部材を加熱するための複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、一つのサーミスタで前記定着部材の温度を検知するものであって、これら複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、定着部材の通紙幅方向端部の温度を検知する温度検知手段の検知温度に応じて、通紙中に、複数の加熱手段のうち通紙範囲の端部に配熱量が集中している加熱手段から順に動作状態から非動作状態させる制御を行うようにしたので、端部もしくは通紙領域外配置の温度検知手段は中央部配置の温度検知手段より応答性は劣るが、本願発明では、通紙方向端部にサーミスタを用いても、定着性の劣化を効率良く防止でき、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下を低減させ、定着性の劣化を効率良く防止できるようになるという効果がある。
【0038】
請求項3に係る定着制御装置は、以上説明してきたように、基体上に弾性層を持つ定着部材を加熱するための複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、一つのサーミスタで前記定着部材の温度を検知するものであって、これら複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、定着部材の通紙幅方向端部の温度を検知する温度検知手段の検知温度に応じて、通紙中に、複数の加熱手段のうち通紙範囲の中央部に配熱量が集中している加熱手段から順に非動作状態から動作状態へ移行させる制御を行い、また複数の加熱手段のうち通紙範囲の端部に配熱量が集中している加熱手段から順に動作状態から非動作状態させる制御を行うようにしたので、端部もしくは通紙領域外配置の温度検知手段は中央部配置の温度検知手段より応答性は劣るが、本願発明では、通紙方向端部にサーミスタを用いても、定着性の劣化を効率良く防止でき、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下をさらに低減させ、定着性の劣化をいっそう効率良く防止できるようになるという効果がある。
【0039】
請求項4に係る定着制御装置は、以上説明してきたように、通紙サイズに応じて前記複数の加熱手段の動作タイミング及び非動作タイミングを変更させる制御を行うようにしたので、前記各請求項と共通の効果をさらに向上させることができ、定着性劣化を確実に防止できるようになるという効果がある。
【0040】
請求項5に係る画像形成装置は、以上説明してきた本発明に係る定着制御装置を用いて、熱応答性が劣るために起こる定着ローラ中央部の温度低下を低減させ、定着性の劣化をいっそう効率良く防止して画像形成を行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着制御装置及びこれを備えた画像形成装置の要部となる定着装置を示す断面図である。
【図2】図1の定着装置の定着ローラの構造例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移例を示す図である。
【図4】本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移の他の例を示す図である。
【図5】本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移のさらに他の例を示す図である。
【図6】本発明に係る定着制御装置の実施形態における制御動作を行った際の定着ローラ温度の推移のまたさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 サーミスタ
4a〜4c 赤外線ヒータ
5 入口ガイド板
6 転写紙
7 未定着トナー
10 芯金
11 シリコーンゴム層
12 PFAチューブ
N 定着ローラと加圧ローラのニップ
Claims (5)
- 定着部材、該定着部材の通紙幅方向端部もしくは通紙領域外の温度を検知するサーミスタ、及び前記定着部材を加熱するための複数の加熱手段を備える定着装置と、前記複数の加熱手段の動作を制御する制御手段とを備える定着制御装置であって、前記複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、前記サーミスタが一つで前記定着部材の温度を検知するものであって、前記制御手段が、前記複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、前記サーミスタの検知温度に基づいて、前記複数の加熱手段のうち通紙範囲の中央部に配熱量が集中している加熱手段から順に非動作状態から動作状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする定着制御装置。
- 定着部材、該定着部材の通紙幅方向端部の端部もしくは通紙領域外を検知するサーミスタ、及び前記定着部材を加熱するための複数の加熱手段を備える定着装置と、前記複数の加熱手段の動作を制御する制御手段とを備える定着制御装置であって、前記複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、前記サーミスタが一つで前記定着部材の温度を検知するものであって、前記制御手段が、前記複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、前記サーミスタの検知温度に基づいて、前記複数の加熱手段のうち前記定着部材の通紙範囲の端部もしくは通紙領域外に配熱量が集中している加熱手段から順に動作状態から非動作状態させる制御を行うことを特徴とする定着制御装置。
- 定着部材、該定着部材の通紙幅方向端部もしくは通紙領域外の温度を検知するサーミスタ、及び前記定着部材を加熱するための複数の加熱手段を備える定着装置と、前記複数の加熱手段の動作を制御する制御手段とを備える定着制御装置であって、前記複数の加熱手段の配熱分布を異ならせ、前記サーミスタが一つで前記定着部材の温度を検知するものであって、前記制御手段が、前記複数の加熱手段を同時には非動作状態から動作状態へ移行させず、また同時には動作状態から非動作状態へ移行させず、通紙中に、前記サーミスタの検知温度に基づいて、前記複数の加熱手段のうち通紙範囲の中央部に配熱量が集中している加熱手段から順に非動作状態から動作状態へ移行させる制御と、前記複数の加熱手段のうち前記定着部材の通紙範囲の端部もしくは通紙領域外に配熱量が集中している加熱手段から順に動作状態から非動作状態させる制御を行うことを特徴とする定着制御装置。
- 請求項1ないし3のいずれかの定着制御装置において、前記制御手段が、通紙サイズに応じて前記複数の加熱手段の動作タイミング及び非動作タイミングを変更させる制御を行うことを特徴とする定着制御装置。
- 請求項1ないし4のいずれかの定着制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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