JP3886387B2 - 液体吸引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は液体吸引装置に関し、特に液体試薬を容器から定量吸引して分析する分析装置に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
この発明に関連する従来技術としては、次のようなものが知られている。
所要の試料容器をサンプリング位置に送る容器移送制御手段と、サンプリング位置でサンプリングプローブに被分析試料を吸引させる試料吸引分注手段と、前記サンプリングプローブをサンプリング位置と分注位置との間で移送させるプローブ駆動制御手段と、前記容器移送制御手段、試料吸引分注手段およびプローブ駆動制御手段の作動制御を行うとともに中央演算機能とデータ記憶機能を備えた統合制御手段と、この統合制御手段に試料容器の形状の必要データを入力する入力手段とを有し、前記統合制御手段は測定項目毎の必要試料量からサンプリングプローブへの被分析試料吸引量を算出するようにしたもの(例えば、特開平7−174766号公報参照)。
【0003】
分注器による試薬吸引量及び、ノズルの移動量とを用いて演算し試薬残量計算式を自動的に設定する演算・制御回路を設け、装置で予定されている試薬容器以外の試薬容器を使う場合でも適正に試薬残量を算出して残量表示でき、適正な分析作業を実施できるようにしたもの(例えば、特開平8−304411号公報参照)。
【0004】
容器に入った液体を採取する液体採取手段と、その容器中の液面位置を検知する液面位置検知手段と、採取する液体の入った容器種類を入力する容器種類入力手段と、各容器種類における液面位置と残液量との関係式を予め記憶する関係式記憶手段とを備え、液面検知手段により検知された液面位置と、容器種類入力手段により入力された容器種類に対応する前記関係式とにより容器内の残液量を検出することを特徴とする分析装置(例えば、特開2000−46624号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に血液分析装置のような自動分析装置に用いる液体吸引装置では、液体試薬を収容した容器にピペットを挿入し、ピペットから吸引した試薬を血液試料容器に供給するという操作を自動的に行うようにしている。そして、試薬を有効に利用し、試薬をタイミングよく補充するため、上記従来技術のように、試薬容器の形状を予め記憶しておき、その形状と液面高さとの関係から試薬の残量を監視するという方法が採られてきた。
【0006】
しかしながら、容器内に収容される試薬の物理的性質、つまり粘性や容器壁面に対する表面張力、ぬれ性が異なると、同じ残量でも液面高さが異なる。
従って、容器形状と液面高さを把握するだけでは、正確な残量を監視することが難しいという問題がある。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、容器形状と液面高さから得られる残量を、試薬の種類、つまり試薬の物理的性質に応じて補正し、高精度に残量を検知することを可能にした液体吸引装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、容器に収容された液体を吸引する吸引部と、容器内の液体の液面高さを検出する液面センサと、液面高さと容器の収容容積との相関関係を予め格納する格納部と、液体の種類を入力する入力部と、入力された液体の種類に応じて前記相関関係を補正する補正部と、検出された液面高さと補正された相関関係から容器内の液体残量を算出する演算部と、算出結果を出力する出力部を備える液体吸引装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明において、吸引部は、液体吸引用のピペットと、ピペットに接続された吸引ポンプと、ピペットを容器内へ挿入して上下移動させるピペット移動部と、吸引ポンプとピペット移動部を駆動制御する制御部を備え、制御部は所望の吸引量に対応するピペット移動量を補正された相関関係から算出する演算部を有し、算出された移動量だけピペットを下降させて吸引ポンプを駆動してもよい。
ピペット移動部はピペットを昇降させるステッピングモータを備え、ピペットの昇降距離がステッピングモータの駆動用パルス数によって決定されてもよい。
【0010】
また、この発明は、別の観点から、容器に収容された液体を吸引する吸引部と、容器内の液体の液面高さを検出する液面センサと、複数種類の容器および液体についてそれぞれの液面高さと容器の収容容積との相関関係を予め格納する格納部と、容器および液体の種類を入力する入力部と、検出された液面高さと入力された容器および液体の種類に対応する前記相関関係から容器内の液体残量を算出する演算部と、算出結果を出力する出力部を備える液体吸引装置を提供するものである。
【0011】
ここで、吸引部とは、例えば、ピペットと、ピペットを垂直および水平に移動させる装置と、ピペットに接続される吸引ポンプなどから構成できる。
容器は、例えば、ガラスや樹脂で作られ、形状が筒状で、底部が、平坦なもの、半球状のもの、又は円錐状のものなどを含む。
また、液面センサには、公知の静電容量検知型のものを用いることができる。入力部には、キーボードやバーコードリーダ、その他公知のものを用いることができる。
格納部,補正部および演算部は、CPU,ROM,RAMからなるマイクロコンピュータにより一体的に構成できる。
出力部には、CRT,LCD,ELDのような表示装置,インクジェットプリンタやレーザプリンタのような印刷装置などを用いることができる。
【0012】
実施例
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによって、この発明が限定されるものではない。
第1実施例
液体吸引装置の構成
図1は、この発明の液体吸引装置の第1実施例の構成を示す構成説明図である。
同図において、ピペット1はピペット保持部材2にその基端が保持され、ピペット保持部材2に設けられた貫通孔2aを介して吸引チューブ3に接続されている。ピペット1は導電材料、例えばステンレス鋼で作られている。
【0013】
ピペット保持部2は昇降装置4に搭載され、昇降装置4は水平移動装置5に搭載されている。昇降装置4はフレーム6に設置された垂直方向のスクリューシャフト7およびガイドシャフト8と、スクリューシャフト7を回転させるステッピングモータ9と、スクリューシャフト7の回転により矢印Z方向に昇降する昇降ブロック10を備える。
【0014】
なお、昇降ブロック10は垂直に貫通するネジ穴を有しスクリューシャフト7とそのネジ穴で係合し、ガイドシャフト8は昇降ブロック10を垂直に貫通している。そして、ピペット保持部材2はアーム11を介して昇降ブロック10に固定されている。アーム11は絶縁物で作られている。
【0015】
また、水平移動装置5は、フレーム12に設置された水平方向にスクリューシャフト13およびガイドシャフト14と、スクリューシャフト13を回転させるステッピングモータ15と、スクリューシャフト13の回転により矢印X方向に往復移動する水平移動ブロック16を備える。そして昇降装置4のフレーム6は水平移動ブロック16に固定されている。
なお、水平移動ブロックは水平に貫通するネジ穴を有しスクリューシャフト13とそのネジ穴で係合し、ガイドシャフト14は水平移動ブロック16を水平に貫通している。
【0016】
また、フレーム12には、定量される液体試薬を収容した試薬容器17と、定量された液体試薬を受入れる試薬容器18と、ピペット1を洗浄する洗浄容器30とが、ピペット1の下方に設置されている。
【0017】
液体吸引装置の電気回路
図2は図1に示す実施例の電気回路を示すブロック図である。同図に示すように、制御部20は、液面検知部21と、入力部22からの出力を受けて、ポンプ23用のステッピングモータ24と、ピペット1の移動用ステッピングモータ9,15とを駆動する駆動部25へ各ステッピングモータの駆動命令を出力すると共に、出力部26に各種情報の表示内容を出力するようになっている。ここで、入力部22は試薬やその容器の種類および各種定量条件を入力するためのキーボードからなり、出力部26は試薬残量や各種情報を表示するためのLCDからなる。
【0018】
また、ポンプ23はシリンジポンプであり吸引チューブ3に接続される。吸引チューブ3はシリコンゴム製である。駆動部25は、ステッピングモータ9,15,24を駆動するためのドライバー回路からなる。制御部20は、データ格納部20aおよび演算部20bを備え、CPU,ROM,RAMからなるマイクロコンピュータにより構成される。
【0019】
液面検知部21では、ピペット1に接続された導体113に34kΩの抵抗Rを介して発振周波数650kHzの高周波発振器300が接続されると共に帯域通過フィルタ302が接続されている。フィルタ302の出力側に検波器304,微分器306,比較器308が直列に接続されている。
【0020】
試料容器17は接地された金属面上に載置されており、ピペット1の先端が試料容器17内の液面に接するか否かによりピペット1と接地面間の静電容量Cが変化する。よって、抵抗Rと容量Cにより形成されたRC形積分回路の出力すなわちフィルタ302の入力側には容量Cに応じた振幅の高周波信号が得られる。
【0021】
この高周波信号を帯域通過フィルタ302に通し、検波器304によって検波することにより、直流信号に変換される。さらにこの直流信号は微分器306により直流信号のレベル変化がとらえられ、比較器308により所定値と比較される。
【0022】
つまり、ピペット1が液面に接触した時には静電容量Cがピペット1と液により短絡されて直流信号レベルが所定値より低くなるので、ピペット1が液面に接触したことが検知され、比較器308はその検知信号を出力する。
【0023】
液面高さと液体残量との関係
図3は全体が円筒形の容器Aについて、収容された液量Qに対する液面高さYの実測値から得られた関係を表す。液面高さYは、ピペット1の最大上昇高さを原点とし、ピペット1の先端が原点からフレーム12に接触するまでに要するステッピングモータ9の駆動パルス数を最大移動距離Ymとし、ピペット1が原点からパルス数Yp分だけ下降するとき、
Y=Ym−Yp ……(1)
としている。つまり、Yはフレーム12からの液面高さをステッピングモータ9の駆動パルスで表したものである。
【0024】
図3において、直線(A−a)は容器Aに収容される液体が最も使用頻度の高い試薬aである場合を表す。直線(A−b)は容器Aに収容される液体が試薬bである場合を、直線(A−c)は容器Aに収容される液体が試薬cである場合をそれぞれ表す。
【0025】
図4は先端が円錐状の円筒形容器Bについて、QとYの実測値から得られた関係を表す。図4において、曲線(B−a)は容器Bに収容される液体が試薬a,曲線(B−b)は容器Bに収容される液体が試薬b,曲線(B−c)は容器Bに収容される液体が試薬cである場合をそれぞれ表す。
【0026】
図3から分かるように、直線(A−a)を左へΔQ1だけ平行移動させると直線(A−b)となり、右へΔQ2だけ平行移動させると直線(A−c)となる。また、図4から分かるように、曲線(B−a)を左へΔQ3だけ平行移動させると曲線(B−b)となり、右へΔQ4だけ平行移動させると曲線(B−c)となる。
【0027】
そこで、この実施例では、図2のデータ格納部20aに、直線(A−a)を表す数値テーブルおよびΔQ1,ΔQ2の値と、曲線(B−a)を表す数値テーブルおよびΔQ3,ΔQ4とが予め格納される。
【0028】
液体吸引装置の動作
このような構成における動作を図5〜図7に示すフローチャートを用いて説明する。まず、図1のフレーム12上に試薬容器17として試薬の入った容器が設置され、入力部22から容器の種類UとしてA又はBが、試薬の種類Vとしてa,b又はcが入力設定され、さらに、所望の吸引量QSと試薬残量QRが入力設定される(ステップS1)。入力された試薬容器がA,B以外の場合や試薬の種類がa,b,c以外の場合、「入力ミス」という警告が出力部26により表示される(ステップS2,S3,S43)。また、現時点の残量QRから所望吸引量QSを引いた値が、デッドボリュームQ0よりも小さい場合は「試薬残量なし」という警告が表示される(ステップS4,S43)。ここで、デッドボリュームとは吸引不能な最小残量を意味する。そして、「起動」が入力されると、ピペット1は一旦最高位置(原点)まで上昇する(ステップS5,S6)。次に、ピペット1は液面が液面検知部21により検知されるまで下降し(ステップS7)、液面が検知されると(ステップS8)、原点から液面検知までにステッピングモータ9へ印加された駆動パルス数から式(1)を用いて液面高さYが算出される(ステップS9)。なお、ステップS8において液面が検知されない場合は、ピペット1が原点へ引き戻され、「液面検知不能」という警告が表示される(ステップS44,S43)。
【0029】
ステップS1で容器の種類Uとして容器Aが入力設定され(ステップS10)、試薬の種類Vとして試薬aが入力設定された場合には(ステップS11)、データ格納部20aに格納されている図3の直線(A−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され、所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS13)。
次に、残量QRがデッドボリュームQ0以上であることが確認された後(ステップS14)、図3の関係から所望吸引量に対する液面高さY、つまり必要なピペット下降距離が算出される(ステップS15)。次に、ピペット1が下降し(ステップS16)、算出された値まで下降すると(ステップS17)、ポンプ23が作動して試薬が吸引される(ステップS18)。
【0030】
そして、所望量の試薬が吸引されると(ステップS19)出力部26に試薬残量QRが表示され、ピペット1は上昇し、試料容器18の上へ移動し、吸引している試薬を試料容器18へ吐出する(ステップS20〜S23)。次に、ピペット1は洗浄容器30の上まで移動した後、下降して洗浄容器30内で洗浄される(ステップS24〜S26)。次にピペット1は上昇し、試薬容器17の上まで移動し、吸引動作は終了する(ステップS27〜S29)。
なお、ステップS14において残量QRがQ0より小さい場合、ステップS17においてピペット1が算出値まで下降しない場合、およびステップS19において所望量の試薬が吸引されない場合には、動作は停止し、ピペット1は原点に引き戻され、「故障発生」という警告が表示される(ステップS45,S46,S47)。
【0031】
次に、ステップS11において、試薬の種類Vがaでなく、bである場合には(ステップS30)、図3の直線(A−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され、演算部20bによりQ−ΔQ1が算出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS31,S32)。そして、ルーチンはステップS14へ戻る。
【0032】
次に、ステップS11,S30において、試薬の種類Vがaでも、bでもなく、cである場合には、図3の直線(A−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対する液量Qが読み出され、演算部20bによりQ+ΔQ2が算出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS33,S34)。そして、ルーチンはステップS14へ戻る。
【0033】
次に、ステップS10において容器の種類UがAでなく、Bである場合には、試薬Vがaであると(ステップS35)データ格納部20aに格納されている図4の曲線(B−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS36,S37)。そして、ルーチンはステップS14へ戻る。
【0034】
次に、ステップS35において、試薬の種類Vがaでなく、bである場合には(ステップS38)、データ格納部20aに格納されている図4の曲線(B−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され、演算部20bによりQ−ΔQ3が算出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS39,S40)。そして、ルーチンはステップS14へ戻る。
【0035】
次に、ステップS35,S38において、試薬の種類Vがaでも、bでもなく、cである場合には、図4の曲線(B−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対する液量Qが読み出され、演算部20bによりQ+ΔQ4が算出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS41,S42)。そして、ルーチンはステップS14へ戻る。
以上のようにして、試薬の残量が適正に表示されると共に、所望量の試薬の吸引定量が行われる。
【0036】
第2実施例
第2実施例の構成
この実施例では液体吸引装置および電気回路の構成は第1実施例(図2,図2)と同等である。
そして、図2のデータ格納部20に予め格納されるデータと動作(プログラム)とが第1実施例と異なる。
つまり、この実施例では、ΔQ1とΔQ2の値の代わりに、直線(A−b)を表す数値テーブルと直線(A−c)を表す数値テーブルが格納され、また、ΔQ3とΔQ4の値の代わりに、曲線(B−b)を表す数値テーブルと曲線(B−c)を表す数値テーブルが格納される。
【0037】
第2実施例の動作
第2実施例における動作を図8〜図10に示すフローチャートを用いて説明する。まず、図1のフレーム12上に試薬容器17として試薬の入った容器が設置され、入力部22から容器の種類UとしてA又はBが、試薬の種類Vとしてa,b又はcが入力設定され、さらに所望の吸引量QSと試薬残量QRが入力設定される(ステップS101)。入力された試薬容器A,B以外の場合や、試薬の種類がa,b,c以外の場合、「入力ミス」という警告が出力部26により表示される(ステップS102,S103,S143)。また、現時点の残量QRから所望吸引量QSを引いた値がデッドボリュームQ0よりも小さい場合は、「試薬残量なし」という警告が表示される(ステップS104,S143)。そして、「起動」が入力されると、ピペット1は一旦最高位置(原点)まで上昇する(ステップS105,S106)。次に、ピペット1は液面が液面検知部21により検知されるまで下降し(ステップS107)、液面が検知されると(ステップS108)、原点から液面検知までにステッピングモータ9へ印加された駆動パルス数から式(1)を用いて液面高さYが算出される(ステップS109)。
なお、ステップS108において液面が検知されない場合は、ピペット1が原点へ引き戻され、「液面検知不能」という警告が表示される(ステップS144,S143)。
【0038】
ステップS1で容器の種類Uとして容器Aが入力設定され(ステップS110)、試薬の種類Vとして試薬aが入力された場合には(ステップS111)、データ格納部20aに格納されている図3の直線(A−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS113)。
次に、残量QRがデッドボリュームQ0以上であることが確認された後(ステップS114)、図3の関係から所望吸引量に対する液面高さYつまりピペット下降距離が算出される(ステップS115)。次に、ピペット1が下降し(ステップS116)、算出された値まで下降すると(ステップS117)、ポンプ23が作動して試薬が吸引される(ステップS118)。
【0039】
そして、所望量の試薬が吸引されると(ステップS119)出力部26に試薬残量QRが表示され、ピペット1は上昇し、試料容器18の上へ移動し、吸引している試薬を試料容器18へ吐出する(ステップS120〜S123)。次に、ピペット1は洗浄容器30の上まで移動した後、下降して洗浄容器30内で洗浄される(ステップS124〜S126)。次にピペット1は上昇し、試薬容器17の上まで移動し、吸引動作は終了する(ステップS127〜S129)。
なお、ステップS114において残量QRがQ0より小さい場合、ステップS117においてピペット1が算出値まで下降しない場合、およびステップS119において所望量の試薬が吸引されない場合には、動作は停止し、ピペット1は原点に引き戻され、「故障発生」という警告が表示される(ステップS145,S146,S147)。
【0040】
次に、ステップS111において、試薬の種類Vがaでなく、bである場合には(ステップS130)、図3の直線(A−b)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS131,S132)。そして、ルーチンはステップS114へ戻る。
【0041】
次に、ステップS111,S130において、試薬の種類Vがaでも、bでもなく、cである場合には、図3の直線(A−c)を表す数値テーブルから液面高さYに対する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS133,S134)。そして、ルーチンはステップS114へ戻る。
【0042】
次に、ステップS110において容器の種類UがAでなく、Bである場合には、試薬がaであると(ステップS135)データ格納部20aに格納されている図4の曲線(B−a)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS136,S137)。そして、ルーチンはステップS114へ戻る。
【0043】
次に、ステップS135において、試薬の種類Vがaでなく、bである場合には(ステップS138)、データ格納部20aに格納されている図4の曲線(B−b)を表す数値テーブルから液面高さYに対応する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS139,S140)。そして、ルーチンはステップS114へ戻る。
【0044】
次に、ステップS135,S138において、試薬の種類Vがaでも、bでもなく、cである場合には、図4の曲線(B−c)を表す数値テーブルから液面高さYに対する液量Qが読み出され所望吸引量QSを引いた値を吸引後の残量QRとする(ステップS141,S142)。そして、ルーチンはステップS114へ戻る。
以上のようにして、試薬の残量が適正に表示されると共に、所望量の試薬の吸引定量が行われる。
【0045】
なお、第1および第2実施例において入力部22がバーコードリーダを備え、試薬容器17に貼り付けられた「容器の種類と試薬の種類」を表すバーコードをそれによって読み取るようにすれば、キーボードからこれらを入力する操作は不要となる。
さらに、図1に示す試薬容器17および試料容器18は、コンベアのような搬送装置によって、フレーム12の各所定位置へ搬入・搬出されるようにしてもよい。
また、第1実施例は、容器の液量と液面高さとの相関関係が図3,図4に示すように試薬の種類によって平行移動によって変化する場合に好適であり、第2実施例は、上記相関関係が試薬の種類によって平行に変化しない場合に好適である。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、液面高さに対する容器の収容容積との相関関係が液体の種類に応じて補正されるので、液面高さから残量を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の液体吸引装置を示す構成説明図である。
【図2】この発明の第1実施例の電気回路を示すブロック図である。
【図3】この発明に用いる容器の液量と液面高さの関係を表すグラフである。
【図4】この発明に用いる容器の液量と液面高さの関係を表すグラフである。
【図5】この発明の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第2実施例の動作を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第2実施例の動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の第2実施例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ピペット
2 ピペット保持部
2a 貫通孔
2b 横孔
3 吸引チューブ
4 昇降装置
5 水平移動装置
6 フレーム
7 スクリューシャフト
8 ガイドシャフト
9 ステッピングモータ
10 昇降ブロック
11 アーム
12 フレーム
13 スクリューシャフト
14 ガイドシャフト
15 ステッピングモータ
16 水平移動ブロック
17 試薬容器
18 試薬容器
Claims (6)
- 容器に収容された液体を吸引する吸引部と、容器内の液体の液面高さを検出する液面センサと、液面高さと容器の収容容積との相関関係を予め格納する格納部と、液体の種類を入力する入力部と、入力された液体の種類に応じて前記相関関係を補正する補正部と、検出された液面高さと補正された相関関係から容器内の液体残量を算出する演算部と、算出結果を出力する出力部を備える液体吸引装置。
- 吸引部が、液体吸引用のピペットと、ピペットに接続された吸引ポンプと、ピペットを容器内へ挿入して上下移動させるピペット移動部と、吸引ポンプとピペット移動部を駆動制御する制御部を備え、制御部は所望の吸引量に対応するピペット移動量を補正された相関関係から算出する演算部を有し、算出された移動量だけピペットを下降させて吸引ポンプを駆動する請求項1記載の液体吸引装置。
- ピペット移動部はピペットを昇降させるステッピングモータを備え、ピペットの昇降距離がステッピングモータの駆動用パルス数によって決定される請求項2記載の液体吸引装置。
- 容器に収容された液体を吸引する吸引部と、容器内の液体の液面高さを検出する液面センサと、複数種類の容器および液体についてそれぞれの液面高さと容器の収容容積との相関関係を予め格納する格納部と、容器および液体の種類を入力する入力部と、検出された液面高さと入力された容器および液体の種類に対応する前記相関関係から容器内の液体残量を算出する演算部と、算出結果を出力する出力部を備える液体吸引装置。
- 吸引部が、液体吸引用のピペットと、ピペットに接続された吸引ポンプと、ピペットを容器内へ挿入して上下移動させるピペット移動部と、吸引ポンプとピペット移動部を駆動する制御部を備え、制御部は所望の吸引量に対応するピペット移動量を容器および液体の種類に対応する相関関係から算出する演算部を有し、算出した移動量だけピペットを下降させて吸引ポンプを駆動する請求項4記載の液体吸引装置。
- ピペット移動部はピペットを昇降させるステッピングモータを備え、ピペットの昇降距離がステッピングモータの駆動用パルス数によって決定される請求項5記載の液体吸引装置。
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Publications (2)
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