JP3886174B2 - 熱輸送装置およびその制御方法 - Google Patents

熱輸送装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱輸送媒体の相変化を利用して熱の輸送を行なう熱輸送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱を輸送する媒体として、水の温度差(顕熱)が用いられている。冷凍機の凝縮器からの排熱を冷却塔を使って大気中に放出する際の冷却水もその一例である。
【0003】
しかし、顕熱を利用するよりも潜熱(相変化)を利用した方が、熱輸送媒体の循環量を少なくできることから、最近では、熱輸送媒体の相変化を利用した熱輸送システムが導入されてきている。
【0004】
熱輸送媒体たとえば冷媒(フロンなど)の相変化により熱を輸送するシステムとして、蒸発器を凝縮器よりも低い位置に設置し、液と蒸気の密度差を利用した自然循環による熱輸送方法が知られている。しかし、この方法は、蒸発器を凝縮器よりも必ず低い位置に設置しなければならないという制約条件が存在する。
【0005】
この制約条件を受けない汎用的な方法としては、凝縮器出口にポンプを設けて熱輸送の駆動力を得る方法と、蒸発器出口に圧縮機等を設けて熱輸送の駆動力を得る方法がある。
【0006】
ただし、圧縮機による方法は、ポンプによる方法に比べて運転動力が大きくなり、有効な手段とは言えない。
ポンプによる方法は、圧縮機による方法に比べて運転動力は少ないが、ポンプ吸入口で冷媒がガス化することがある。冷媒がガス化すると、ポンプが空回り運転し、熱輸送を継続できなくなる。ポンプに損傷が生じることもある。
【0007】
このガス化を防ぐためには、凝縮器の位置とポンプの位置との高低差をポンプ固有の許容NPSH値以上に設定する必要がある。別の手段として、ポンプ吸入口に小型の冷凍機を設置し、その冷凍機で冷媒を冷却することにより、ポンプ吸入口の冷媒を常に液状態に保つ例も見られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように冷凍機を用いてガス化を防ぐ例は、コストの上昇を招き、得策とはいえない。
凝縮器の位置とポンプの位置との高低差をポンプ固有の許容NPSH値以上に設定する例でも、凝縮器での凝縮能力が急増した場合には、冷媒のガス化が避けられない状況となる。
【0009】
これは、凝縮能力の急増により、冷媒の圧力が急激に低下し、それに伴って飽和冷媒温度も急激に低下するのに対し、ポンプ吸入口での冷媒の温度は圧力よりも伝達速度が遅いことに起因して低下の速さが鈍いからである。図6に示すように、凝縮能力の急増から数秒後には冷媒の温度よりも飽和冷媒温度が低くなり、冷媒がガス化してしまう。
【0010】
この発明は上記の事情を考慮したもので、
第1ないし第5の発明の熱輸送装置は、コストの上昇を招くことなく、ポンプ吸入口での熱輸送媒体のガス化を未然に防止することができ、これにより適切な熱輸送を継続するとともにポンプの損傷を防ぎ、信頼性および安全性の向上が図れることを目的とする。
【0011】
第6の発明の熱輸送装置の制御方法は、コストの上昇を招くことなく、ポンプ吸入口での熱輸送媒体のガス化を未然に防止することができ、これにより適切な熱輸送を継続するとともにポンプの損傷を防ぎ、信頼性および安全性の向上が図れることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の熱輸送装置は、蒸発器、凝縮器、およびポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なうものであって、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さ、量、圧力損失を求め、これら求めた液面高さ、量、圧力損失とそれぞれ基準値との差を求め、これら求めた差にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和からポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断し、ガス化しそうな場合にポンプの送出量を抑制して凝縮器での凝縮能力の増加割合を抑制する制御手段、を備えている。
【0013】
第2の発明の熱輸送装置は、蒸発器、凝縮器、およびポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なうものであって、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さを検知する液面高さ検知手段と、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管長および配管径を記憶した記憶手段と、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の量を、上記液面高さ検知手段の検知結果および上記記憶手段の記憶内容から演算して求める第1演算手段と、蒸発器、凝縮器、およびポンプを通して循環する熱輸送媒体の量を測定する循環量測定手段と、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の圧力損失を、上記循環量測定手段の測定結果および上記記憶手段の記憶内容から演算して求める第2演算手段と、上記液面高さ検知手段の検知結果、上記第1演算手段の演算結果、および上記第2演算手段の演算結果にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和からポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断し、ガス化しそうな場合にポンプの送出量を抑制して凝縮器での凝縮能力の増加割合を抑制する制御手段と、を備えている。
【0014】
第3の発明の熱輸送装置は、蒸発器、凝縮器、およびポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なうものであって、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の標準の液面高さおよび量を記憶し、かつ凝縮器とポンプの吸入口との間の配管長および配管径を記憶した記憶手段と、蒸発器、凝縮器、およびポンプを通して循環する熱輸送媒体の量を測定する循環量測定手段と、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の圧力損失を、上記循環量測定手段の測定結果および上記記憶手段内の配管長と配管径から演算して求める演算手段と、上記記憶手段内の液面高さ、上記記憶手段内の量、および上記演算手段の演算結果にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和からポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断し、ガス化しそうな場合にポンプの送出量を抑制して凝縮器での凝縮能力の増加割合を抑制する制御手段と、を備えている。
【0015】
第4の発明の熱輸送装置は、第2または第3の発明における循環量測定手段が、ポンプの送出口と蒸発器との間の配管に設けられ、配管中の熱輸送媒体の流量を循環量として測定する。
【0016】
第5の発明の熱輸送装置は、第2または第3の発明における循環量測定手段が、ポンプの運転周波数を検出する検出手段と、ポンプの吸入圧力および吐出圧力を検知する圧力検知手段と、この圧力検知手段の検知結果および上記検出手段の検出結果を演算することにより循環量を求める演算手段と、からなる。
【0017】
第6の発明の熱輸送装置の制御方法は、蒸発器、凝縮器、および冷媒のポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なう熱輸送装置の制御方法において、上記熱輸送装置は、凝縮器へ冷凍機で製造した冷水を供給する冷水のポンプと、凝縮器と冷媒のポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さ、量、圧力損失を求め、これら求めた液面高さ、量、圧力損失とそれぞれ基準値との差を求めてこれら求めた差にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和から冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断して、冷水のポンプを制御する制御部とを有し、上記制御部は、凝縮器と冷媒のポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さが低いときに冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化し易いと判断し、また該配管に存する熱輸送媒体の量が多いときに冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化し易いと判断し、さらに該配管に存する熱輸送媒体の圧力損失が大きい時に冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化し易いと判断して、冷水のポンプによる冷水循環の流量を制御して凝縮能力の増加割合を制御し、熱輸送媒体のガス化を阻止する
【0018】
【発明の実施の形態】
[1]以下、この発明の第1実施例について図面を参照して説明する。
図1に示すように、蒸発器1、凝縮器2、タンク3、およびポンプ4が配管5で順次に接続される。配管5内には熱輸送媒体として冷媒(たとえばフロン)が封入されている。
【0019】
凝縮器2の位置およびポンプ4の位置については、両者の高低差がポンプ固有の許容NPSH値以上に設定される。
凝縮器2に対する冷熱供給用に冷凍機6が設けられ、その冷凍機6と凝縮器2との間に冷水循環用の配管7が設けられる。そして、配管7に、冷水の循環および量を制御するためのポンプ8および開閉弁9が設けられる。冷凍機6としては、蒸気圧縮式冷凍機、吸収式冷凍機、氷蓄熱槽など、種々の適用が可能であり、すべての冷熱源を指す。
【0020】
すなわち、ポンプ4の送出口から送り出される液状の冷媒は、蒸発器1で外部から熱を奪って蒸発する。このガス冷媒は、次に凝縮器2に流れ、そこで冷凍機6からの冷水に熱を放出して液化する。この液冷媒は、タンク3を介してポンプ4の吸入口に取込まれ、そのポンプ4の送出口から蒸発器1に向けて再び送り出される。
【0021】
こうして、冷凍機6から放出される冷熱が、蒸発器1側へ輸送される。
タンク3は凝縮器2からの液冷媒を一旦収容するためのものである。このタンク3と並列に、液面高さ検知器11が連通接続される。液面高さ検知器11は、凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5に存する冷媒(液状)の液面高さHを検知する。
【0022】
ポンプ4の送出口と蒸発器1との間の配管5に、循環量測定器12が設けられる。この循環量測定器12は、配管5中の冷媒の流量、つまり蒸発器1、凝縮器2、タンク3、およびポンプ4を通して循環する冷媒の量を測定する。
【0023】
一方、制御部20が設けられる。この制御部20に、上記ポンプ8、開閉弁9、液面高さ検知器11、および循環量測定器12が接続されるとともに、記憶手段たとえばメモリ21が接続される。メモリ21には、凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5の長さおよび径が予め記憶されるとともに、タンク3の容量が予め記憶される。記憶される配管長、配管径、およびタンク容量は、設計時のデータである。
【0024】
そして、制御部20は、次の機能手段を備える。
(1)凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5に存する冷媒の量Mを、液面高さ検知器11の検知結果Hおよびメモリ21の記憶内容(配管長、配管径、タンク容量)から演算して求める第1演算手段。
【0025】
(2)凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5に存する冷媒の圧力損失Pを、循環量測定器12の測定結果およびメモリ21の記憶内容(配管長、配管径)から演算して求める第2演算手段。
【0026】
(3)液面高さ検知器11の検知結果H、第1演算手段の演算結果M、および第2演算手段の演算結果Pに基づき、凝縮器2での凝縮能力の増加割合を制御する制御手段。具体的には、ポンプ8の送水量、つまり冷凍機6から凝縮器2に流れる冷水の量を制御する。
【0027】
つぎに、上記の構成の作用を説明する。
ポンプ4が運転されると、そのポンプ4から液冷媒が送出される。この液冷媒は蒸発器1に流れ、そこで外部から熱を奪って蒸発する。蒸発器1から流出するガス冷媒は凝縮器2に流れ、そこで冷凍機6からの冷水に熱を放出して液化する。この液冷媒は、タンク3を介してポンプ4の吸入口に取込まれ、そのポンプ4の送出口から蒸発器1に向けて再び送り出される。
【0028】
ところで、凝縮器2の位置とポンプ4の位置との高低差がたとえポンプ固有の許容NPSH値以上に設定されていても、凝縮器2での凝縮能力が急増したとき、たとえば冷凍機6から凝縮器2に供給される冷水の温度が急激に下がった場合、あるいは冷凍機6から凝縮器2に供給される冷水の量が急激に増えた場合には、ポンプ4の吸入口で液冷媒がガス化する虞れがある。
【0029】
ポンプ4の吸入口で液冷媒がガス化するかどうかを決める因子としては、凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5に存する冷媒の▲1▼液面高さH、▲2▼量M、▲3▼圧力損失Pの三つがある。
【0030】
▲1▼冷媒の液面高さHは、液面高さ検知器11で検知される。
▲2▼冷媒の量Mは、液面高さ検知器11で検知される液面高さH、およびメモリ21の記憶内容(配管長、配管径、タンク容量)、から演算して求められる。
【0031】
▲3▼冷媒の圧力損失Pは、配管抵抗に対応するもので、循環量測定器12で測定される循環量、およびメモリ21の記憶内容(配管5の長さおよび径)、から演算して求められる。
これら三つの因子H、M、Pがどのような状態のときにガス化が生じるかをまとめたのが下記表である。
【0032】
【表1】
Figure 0003886174
【0033】
すなわち、冷媒の液面高さHが低いとき、ガス化し易い。冷媒の量Mが多いとき、ガス化し易い。冷媒の圧力損失Pが大きいとき、ガス化し易い。
これらガス化し易い条件を考慮し、三つの因子H、M、Pに対してそれぞれ基準値Hs 、Ms 、Ps が定められ、これら基準値が制御部20の内部メモリに予め記憶されている。
【0034】
制御部20では、液面高さH、量M、圧力損失Pとそれぞれ基準値Hs 、Ms 、Ps との差ΔH、ΔM、ΔPが求められ、その差ΔH、ΔM、ΔPにそれぞれ固有の重み係数が乗算される。各重み係数も、制御部20の内部メモリに予め記憶されている。
【0035】
そして、それぞれ重み係数の乗算がなされた差ΔH、ΔM、ΔPの総和が求められ、その総和に従ってポンプ8の送水量が制御される。すなわち、ポンプ4の吸入口で冷媒がガス化しそうな状況になると、ポンプ8の送水量が抑制され、これにより凝縮器2での凝縮能力の増加割合が抑制される。
【0036】
たとえば、冷凍機6から凝縮器2に供給される冷水の温度が12.5℃から 7.5℃に急激に下がった場合、そのまま何もしなければ、図6に示したように、冷水温度の急激な低下から数秒後には、ポンプ吸入口における冷媒の温度よりも飽和冷媒温度が低くなり、冷媒がガス化してしまう。
【0037】
これに対し、上記のようにポンプ8の送水量を抑制すれば、ポンプ吸入口における冷媒圧力の低下速度が遅くなり、それに伴って飽和冷媒温度の低下速度も遅くなる。したがって、図2に示すように、飽和冷媒温度が冷媒温度よりも低下する事態が回避され、よってポンプ吸入口での冷媒のガス化を防止することができる。
【0038】
図2において、冷媒の液面高さHの影響および冷媒の圧力損失Pの影響は、図示A部分の温度差(飽和冷媒温度と冷媒温度との差)に現われる。液面高さHが高いほど、また圧力損失Pが小さいほど、図示A部分の温度差が大きくなり、ポンプ吸入口での冷媒のガス化を防ぐことができる。
【0039】
冷媒の量Mの影響は、図示B部分の時間(冷媒温度の低下にかかる時間)に現われる。量Mが少ないほど、図示B部分の時間が短くなり、ポンプ吸入口での冷媒のガス化を防ぐことができる。
【0040】
このように、ポンプ4の吸入口において冷媒がガス化しそうな状況にあるかどうかを冷媒の液面高さH、量M、圧力損失Pから判断し、ガス化しそうな場合は凝縮器2での凝縮能力の増加割合を抑制して冷媒のガス化を未然に防止することにより、ポンプ1の空回り運転が回避される。よって、適切な熱輸送を継続できるとともにポンプ4の損傷を防止でき、信頼性および安全性の向上が図れる。しかも、従来のように小型の冷凍機を用いる必要がないので、コストの上昇は生じない。
【0041】
[2]第2実施例について説明する。
第2実施例は、液面高さ検知器11の取付けができない場合に対処しており、配管構成は、液面高さ検知器11がない点を除き、第1実施例と同じである。
【0042】
メモリ21には、凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5の長さおよび径が予め記憶され、かつタンク3の容量が予め記憶されるとともに、凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5に存する冷媒の標準の液面高さHa および量Ma が予め記憶される。標準の液面高さHa は、設計時のデータ、あるいは通常運転時の実測データである。標準の量Ma は、標準の液面高さHa 、配管長、配管径、タンク容量から演算して求めることができる。
【0043】
制御部20は、次の機能手段を備える。
(1)凝縮器2とポンプ4の吸入口との間の配管5に存する冷媒の圧力損失Pを、循環量測定器12の測定結果およびメモリ21の記憶内容(配管長、配管径)から演算して求める演算手段。
【0044】
(2)メモリ21内の液面高さHa と量Ma 、および演算手段の演算結果Pに基づき、凝縮器2での凝縮能力の増加割合を制御する制御手段。具体的には、ポンプ8の送水量、つまり冷凍機6から凝縮器2に流れる冷水の量を制御する。
【0045】
作用については、液面高さHに代えて標準の液面高さHa を用い、量Mに代えて標準の量Ma を用いるほかは、第1実施例と同じである。
液面高さおよび量が定数として扱われることになり、凝縮器2の能力増加の割合は、循環量測定器12で測定される循環量の関数として表わされる。
【0046】
この場合も、冷媒のガス化を未然に防止してポンプ1の空回り運転を回避することができ、適切な熱輸送が継続し、かつポンプ4の損傷を防止できる。
[3]第3実施例について説明する。
【0047】
この第3実施例では、図4に示すように、循環量測定器12に代えて周波数検出器13が設けられる。周波数検出器13は、ポンプ4の運転周波数fを検出する。運転周波数fは、ポンプ4の駆動モータ(図示しない)に供給される駆動電力の周波数のことであり、高いほどポンプ4の回転数が増大し、送出される冷媒の量が増大する。
【0048】
さらに、ポンプ4の吸入口に圧力センサ31、ポンプ4の送出口に圧力センサ32が取付けられる。圧力センサ31は、ポンプ4の吸入圧力を検知する。圧力センサ32は、ポンプ4の吐出圧力を検知する。
【0049】
周波数検出器13の検出結果、圧力センサ31の検知結果、圧力センサ32の検知結果は、制御部20に送られる。
制御部20は、圧力センサ31の検知結果と圧力センサ32の検知結果との差を求め、その圧力差と周波数検出器13の検出結果との演算により、蒸発器1、凝縮器2、タンク3、およびポンプ4を通して循環する冷媒の量を求める。すなわち、制御部20の演算手段、周波数検出器13、および圧力センサ31,32により、循環量測定手段が構成される。
【0050】
このように周波数検出器13を用いて循環量を測定する以外は、第2実施例と同じ構成および作用である。
[4]変形例
なお、上記各実施例では、凝縮器2とポンプ4との間にタンク3を設けたが、タンク3がない場合にも同様に実施可能であり、その場合は演算式からタンク3の容量データが除外される。
【0051】
各実施例では、凝縮器2での凝縮能力として、ポンプ8の送水量を制御したが、図1、図3、図4にそれぞれ破線矢印で示すように冷凍機6の冷凍能力を制御し、ポンプ8の送水量は常に一定としてもよい。
【0052】
各実施例では、冷凍機6から凝縮器2に冷水を供給する構成としたが、図5に示すように、冷凍機6内の凝縮器をそのまま凝縮器2として用いる構成としてもよい。この場合、凝縮器2での凝縮能力として、冷凍機6の冷凍能力を制御することになる。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、
第1ないし第5の発明の熱輸送装置は、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さ、量、圧力損失に基づき、凝縮器での凝縮能力の増加割合を制御する構成としたので、コストの上昇を招くことなく、ポンプ吸入口での熱輸送媒体のガス化を未然に防止することができ、これにより適切な熱輸送を継続するとともにポンプの損傷を防ぎ、信頼性および安全性の向上を図ることができる。
【0054】
第6の発明の熱輸送装置の制御方法は、凝縮器とポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さ、量、圧力損失に基づき、凝縮器での凝縮能力の増加割合を制御するようにしたので、コストの上昇を招くことなく、ポンプ吸入口での熱輸送媒体のガス化を未然に防止することができ、これにより適切な熱輸送を継続するとともにポンプの損傷を防ぎ、信頼性および安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成を示す図。
【図2】各実施例における冷媒温度と飽和冷媒温度との関係を示す図。
【図3】第2実施例の構成を示す図。
【図4】第3実施例の構成を示す図。
【図5】各実施例の変形例の構成を示す図。
【図6】従来装置における冷媒温度と飽和冷媒温度との関係を示す図。
【符号の説明】
1…蒸発器、2…凝縮器、3…タンク、4…ポンプ、5…配管、6…冷凍機、7…配管、8…ポンプ、9…開閉弁、11…液面高さ検知器、12…循環量測定器、13…周波数検出器、20…制御部、21…メモリ(記憶手段)、31…圧力センサ、32…圧力センサ。

Claims (6)

  1. 蒸発器、凝縮器、およびポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なう熱輸送装置において、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さ、量、圧力損失を求め、これら求めた液面高さ、量、圧力損失とそれぞれ基準値との差を求め、これら求めた差にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和から前記ポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断し、ガス化しそうな場合に前記ポンプの送出量を抑制して前記凝縮器での凝縮能力の増加割合を抑制する制御手段、
    を具備したことを特徴とする熱輸送装置。
  2. 蒸発器、凝縮器、およびポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なう熱輸送装置において、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さを検知する液面高さ検知手段と、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管長および配管径を記憶した記憶手段と、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の量を、前記液面高さ検知手段の検知結果および前記記憶手段の記憶内容から演算して求める第1演算手段と、
    前記蒸発器、前記凝縮器、および前記ポンプを通して循環する熱輸送媒体の量を測定する循環量測定手段と、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の圧力損失を、前記循環量測定手段の測定結果および前記記憶手段の記憶内容から演算して求める第2演算手段と、
    前記液面高さ検知手段の検知結果、前記第1演算手段の演算結果、および前記第2演算手段の演算結果にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和から前記ポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断し、ガス化しそうな場合に前記ポンプの送出量を抑制して前記凝縮器での凝縮能力の増加割合を抑制する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする熱輸送装置。
  3. 蒸発器、凝縮器、およびポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なう熱輸送装置において、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の標準の液面高さおよび量を記憶し、かつ前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管長および配管径を記憶した記憶手段と、
    前記蒸発器、前記凝縮器、および前記ポンプを通して循環する熱輸送媒体の量を測定する循環量測定手段と、
    前記凝縮器と前記ポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の圧力損失を、前記循環量測定手段の測定結果および前記記憶手段内の配管長と配管径から演算して求める演算手段と、
    前記記憶手段内の液面高さ、前記記憶手段内の量、および前記演算手段の演算結果にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和から前記ポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断し、ガス化しそうな場合に前記ポンプの送出量を抑制して前記凝縮器での凝縮能力の増加割合を抑制する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする熱輸送装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の熱輸送装置において、
    前記循環量測定手段は、前記ポンプの送出口と蒸発器との間の配管に設けられ、配管中の熱輸送媒体の流量を循環量として測定することを特徴とする熱輸送装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載の熱輸送装置において、
    前記循環量測定手段は、前記ポンプの運転周波数を検出する検出手段と、前記ポンプの吸入圧力および吐出圧力を検知する圧力検知手段と、この圧力検知手段の検知結果および前記検出手段の検出結果を演算することにより循環量を求める演算手段と、からなることを特徴とする熱輸送装置。
  6. 蒸発器、凝縮器、および冷媒のポンプを順次に配管接続し、配管内に封入した熱輸送媒体の相変化により熱の輸送を行なう熱輸送装置の制御方法において、
    前記熱輸送装置は、凝縮器へ冷凍機で製造した冷水を供給する冷水のポンプと、凝縮器と冷媒のポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さ、量、圧力損失を求め、これら求めた液面高さ、量、圧力損失とそれぞれ基準値との差を求めてこれら求めた差にそれぞれ固有の重み係数を乗算し、これら乗算結果の総和から冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化しそうな状況にあるかどうかを判断して、冷水のポンプを制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、凝縮器と冷媒のポンプの吸入口との間の配管に存する熱輸送媒体の液面高さが低いときに冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化し易いと判断し、また該配管に存する熱輸送媒体の量が多いときに冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化し易いと判断し、さらに該配管に存する熱輸送媒体の圧力損失が大きい時に冷媒のポンプの吸入口で熱輸送媒体がガス化し易いと判断して、冷水のポンプによる冷水循環の流量を制御して凝縮能力の増加割合を制御し、熱輸送媒体のガス化を阻止するようにしたことを特徴とする熱輸送装置の制御方法。
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