JP3885615B2 - 埋設拡管用鋼管および油井用鋼管の埋設方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、油井戸またはガス井戸(以下、これらを総称して単に油井という)内に埋設される鋼管、およびその鋼管を油井管として埋設する方法に関する。
【従来の技術】
【0002】
油井管を地表から地下の油田まで埋設する場合、先ず掘削して所定の深さの坑井を設けてその中にケーシングと呼ばれる油井管を埋設し、坑井の壁の崩落を防止する。その後、ケーシングの先端からさらに地下を掘削してより深い坑井として、先に埋設したケーシング内を通して新たなケーシングが埋設される。このような作業を繰り返して最終的に油田に到達する油井管(チュービング)が埋設される。
【0003】
図1は、従来の油井管の埋設方法を説明するための図である。従来、油井管を埋設するには、図1に示すように先ずケーシング1aの直径より大径の坑井を地表6から深さH1まで掘削し、ケーシング1aを埋設し、次いでケーシング1aの先端部の地下を深さH2まで掘削してケーシング1bを埋設する。このようにして、ケーシング1c、1dを埋設し、最後に油やガスを通す油井管(チュービング)2を埋設する。
【0004】
この場合、油やガスを通す油井管2の径が定められているので、油井の深さに比例して直径の異なる多種類のケーシングが必要になる。それは、先に埋設されたケーシングの後に埋設される同心円状のケーシングを挿入する際、鋼管の曲がり等の形状不良を考慮し、先に埋設したケーシングの内径と次に埋設するケーシングの外径との間にある程度のクリアランスCが必要になるからである。従って、深い井戸を掘削して油井管を埋設するには、坑井の径方向における掘削面積を広くしなければならず、掘削に要する費用が嵩むことになる。
【0005】
近年、油井の掘削費を低減するために、油井管を地中に埋設した後、その内径を一様に拡大させる拡管方法が提案されている(特表平7-507610号公報)。また、W098/00626号国際公開公報には、ネッキングや延性破壊を起こすことなく歪硬化を生ずる可鍛性の鋼種からなる鋼管を、先に埋設されたケーシング内に挿入し、非金属材料からなるテーパ面を有するマンドレルを用いてケーシングを拡管する方法が開示されている。
【0006】
図2は、拡管による埋設方法を説明するための図である。この埋設方法では、図2に示すように、掘削した坑井に鋼管1を埋設し、次いで鋼管1の先端を掘削して坑井を深くし、埋設した鋼管1内に鋼管3を挿入する。次いで鋼管3内に挿入した工具4を、例えば鋼管3の下部からの油圧により上昇せしめて拡管する。この作業を順次繰り返し、最終的に油やガスを汲み上げる鋼管(チュービング)2が埋設される。
【0007】
図3は、拡管法によりチュービング2が埋設された状態を示す図である。この拡管埋設方法を採用することにより、図3に示すように、鋼管同士のクリアランスを埋設後に小さくすることができるので掘削面積を少なくすることができ、掘削費を大幅に縮減できる。
【0008】
しかし、上記の拡管法には下記のような問題点がある。一つは、埋設して拡管された鋼管は、地中の外圧に対する耐コラプス性能、すなわち圧潰強度が著しく低下するということである。もう一つは、拡管した鋼管に曲がりが生じることである。
【0009】
鋼管には偏肉がほぼ不可避的に存在する。偏肉とは、管の横断面における肉厚の不均一である。偏肉のある鋼管を拡管すると、薄肉部は厚肉部よりも加工率が大きくなって偏肉率が拡大する。これが圧潰強度の低下をまねくのである。また、拡管加工によって厚肉部と薄肉部では周方向の拡大量に差が生じ、これが長さ方向の収縮量の差になるため、鋼管が曲がる。ケーシングやチュービングに曲がりが生じると鋼管同士の接合部であるネジ部に不均一な応力がかかり、ガスが漏洩する。
【0010】
上記の理由から、埋設拡管法という新しい技術を導入する場合、拡管しても圧潰強度が低下せず、曲がりの小さい鋼管が要求される。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の目的は、坑井に挿入された状態で拡管しても圧潰強度の低下の小さい鋼管を提供することにある。より具体的には、拡管後の油井管の実測圧潰強度(C1)が、偏肉のない管の拡管後の圧潰強度(C0)を1としたとき、0.8以上となるような、即ち、C1/C0≧0.8となるような鋼管を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、坑井に挿入された状態で拡管しても曲がりの小さい鋼管を提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、上記の鋼管を用いる油井管の埋設方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、鋼管を埋設して拡管した場合に圧潰強度が低下する原因および曲がりが生じる原因を調査した結果、以下の知見を得た。
【0015】
a) 偏肉のある鋼管を拡管すると、偏肉が一層拡大する。この偏肉の拡大が圧潰強度の低下の原因となる。この理由は、拡管により管周方向に材料が引っ張られることにより減肉化が生じ、薄肉部がさらに薄くなることにある。
【0016】
b) 拡管前の偏肉率E0が下記の式(1)を満足する鋼管であれば、拡管後の圧潰強度の低下は問題とならない。
【0017】
E0≦30/(1+0.018α) ・・・(1)
この式(1)のαは管の拡管率(%)で、下記の式(2)で計算される。
α=[(拡管後の管の内径−拡管前の管の内径)/拡管前の管の内径]×100・・・(2)
E0は拡管前の偏肉率(%)で下記の式(3)で計算される。
【0018】
E0=[(拡管前の管の最大肉厚-拡管前の管の最小肉厚)/拡管前の管の平均肉厚]×100 ・・・(3)
なお、拡管後の偏肉率E1(%)は、下記の式(4)で計算される。
【0019】
E1=[(拡管後の管の最大肉厚-拡管後の管の最小肉厚)/拡管後の管の平均肉厚]×100 ・・・(4)
c) 拡管加工を行うと、元々存在していた管の偏肉により、鋼管に曲がりが生じる。拡管により管が周方向に引っ張られると薄肉部は厚肉部よりも周方向により大きく伸び、そのために長さが厚肉部よりも大きく減少する。これが、管の曲がりが発生する原因である。この拡管による管の曲がりを小さくするためには、管の単純な偏肉率ではなく、後述する偏芯偏肉を小さくすることが重要である。
【0020】
本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、その要旨は下記(1)および(2)の鋼管、ならびに(3)の鋼管の埋設方法にある。
【0021】
(1) 坑井内に挿入された状態で拡管される鋼管であって、拡管前の偏肉率E0(%)が下記の(1)式を満たすことを特徴とする鋼管。
E0≦30/(1+0.018α) ・・・(1)
ただし、αは前記の(2)式で算出される拡管率(%)である。
【0022】
(2) 坑井内に挿入された状態で拡管される鋼管であって、偏芯偏肉率が10%以下であることを特徴とする鋼管。
【0023】
上記(1)または(2)の鋼管は、下記(a)、(b)または(c)の化学組成の鋼管であることが望ましい。以下、成分含有量に関する%は質量%である。
【0024】
(a) C:0.1〜0.45%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.1〜3%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ca:0〜0.005%、残部がFeおよび不純物からなる鋼管。
【0025】
(b) C:0.1〜0.45%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.1〜3%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ca:0〜0.005%、ならびにCr:0.2〜1.5%、Mo:0.1〜0.8%およびV:0.005〜0.2%のうちの1種または2種以上、残部がFeおよび不純物からなる鋼管。
【0026】
(c) Feの一部に代えて、Ti:0.005〜0.05%およびNb:0.005〜0.1%の一方または両方を含有する上記(a)または(b)の鋼管。
【0027】
(3) 掘削した坑井内に鋼管を埋設し、埋設した鋼管の先端部の地下をさらに掘削し坑井を深くし、埋設した鋼管内にその内径よりも小さい外径の鋼管を挿入して深くした坑井内に埋設し、その鋼管を管内に挿入した工具により拡管して直径を大きくし、さらに拡管した鋼管の先端部の地下を掘削して坑井をより深くし、拡管した鋼管内にその内径よりも小さい外径の鋼管を挿入してより深くした坑井に埋設して拡管することを繰り返し行い、順次より直径の小さい鋼管を埋設する方法において、拡管する鋼管として、上記(1)または(2)の鋼管を用いる油井用鋼管の埋設方法。
【0028】
1.圧潰強度の低下防止
図7は、偏肉率を説明するための図で、図7の(a)は油井管の側面図、図7の(b)は横断面図である。図7の(a)および(b)に示すように、管の長手方向の或る位置の横断面を22.5度の間隔で16等分し、各位置における管の肉厚を超音波法等により測定する。その測定結果から、その横断面の最大肉厚、最小肉厚および平均肉厚をそれぞれ求め、下記の式(5)によって偏肉率(%)を算出する。
【0029】
偏肉率(%)=[(最大肉厚−最小肉厚)/平均肉厚]×100 ・・・(5)
前記のE0およびE1はそれぞれ拡管前の鋼管および拡管後の鋼管について式(5)によって求めた拡管率である。図7の(a)に示すように、1本の管の管端から長手方向に500mm間隔で10ケ所の横断面について上記の偏肉率を求め、その中の最大の偏肉率をその管の偏肉率とする。
【0030】
前記の式(1)は、以下に示す実験により求めたものである。
【0031】
質量%で、C:0.24%、Si:0.31%、Mn:1.35%、P:0.011%以下、S:0.003%、sol.Al:0.035%以下、N:0.006%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、外径139.7mm、肉厚10.5mm、長さ10mの継目無鋼管(API-L80グレード相当品)を用いて拡管試験を行った。
【0032】
各油井管を試験機によるプラグ引き抜きにより拡管した。拡管率は素管内径の拡大率にして10%、20%および30%の3種とした。
【0033】
拡管前および拡管後に超音波測定器(UST)によって管の肉厚分布を測定し、測定した肉厚から偏肉率を求めた。次いで、拡管加工後の油井管の圧潰強度を測定した。圧潰強度(PSI)は、API規格のRP37に準じて測定した。
【0034】
図5は、拡管前の偏肉率と拡管後の偏肉率の関係を示す。図5から拡管前の管の偏肉率よりも拡管後の偏肉率の方が大きいことが分かる。また、拡管後の管の偏肉率は拡管前の管の偏肉率に対してほぼ比例関係にあり、その比例係数は拡管率によって異なることが分かる。各拡管率におけるE1とE0の関係(図5中の実線)を一つの式で表すと、下記の式(6)となる。
【0035】
E1=(1+0.018α)E0 ・・・(6)
ただし、E0は拡管前の管の偏肉率(%)、E1は拡管後の管の偏肉率(%)、αは管の拡管率(%)である。この式(6)により拡管後の管の偏肉率は拡管前に予測することができる。
【0036】
図6に上記の試験によって得られた「実測圧潰強度/計算で求めた拡管後の偏肉のない管の圧潰強度」と、拡管後の偏肉率との関係を示す。計算で求めた拡管後の偏肉のない管の圧潰強度(C0)とは、次の式(7)により求めた計算値である。
CO=2σy[{(D/t)-1)}/(D/t)2][1+{1.47/(D/t)-1}] ・・・(7)
式(7)のσyは管の周方向降伏強度(単位:MPa)、Dは拡管後の管の外径(単位:mm)、tは拡管後の管の肉厚(単位mm)である。なお、式(7)については、塑性と加工、第30巻、第338号(1989)、第385〜390頁に説明されている。
【0037】
図6から明らかなように、拡管率が10%および20%の場合、拡管後の管の偏肉率が30%以上になると、圧潰強度は著しく低下し、偏肉のない管の圧潰強度に比して2割以上低下する。また、拡管率が30%の場合、拡管後の偏肉率が25%以上になると、圧潰強度は偏肉のない鋼管の圧潰強度に比して2割以上低下する。
【0038】
上記のように圧潰強度が低下する理由は、拡管により大きくなった偏肉率が25〜30%を超えると、管の真円度も著しく悪くなり、この偏肉と真円度悪化の相乗効果が圧潰強度に悪影響を与えることにある。 また30%以上という高拡管率で拡管を行った場合は、拡管後の偏肉率が10%を超えると、圧潰強度の低下が大きくなる。しかし、「実測圧潰強度/偏肉のない管の圧潰強度」を0.80以上に保つには、拡管後の偏肉率を30%以下にすればよい。
【0039】
前記のとおり、拡管後の管の偏肉率E1は式(6)で予測することができる。従って、このE1 を30%以下にする条件は、下記の式(8)を満たすことである。
【0040】
E1=(1+0.018α)E0≦30 ・・・(8)
上記の式(8)から、次の式(1)が得られる。
【0041】
E0≦30/(1+0.018α) ・・・(1)
図6から明らかなように、E1の値は小さいほど望ましい。従って、E0は、下記の式(1)-1を満たすのが好ましく、下記の式(1)-2を満たすのがさらに好ましい。
E0≦25/(1+0.018α) ・・・(1)-1
E0≦10/(1+0.018α) ・・・(1)-2
2.拡管による管の曲がりの防止
鋼管の偏肉と拡管後の曲がりの関係を詳細に調査するため、拡管前の鋼管の偏肉の形態に着目した。鋼管は、様々な工程で製造されるものであるため、それぞれの工程で種々の偏肉が生じる。図8の(b)に例示するように、360度周期の偏肉(1次偏肉という)以外にも180度周期の偏肉(2次偏肉という)、120度周期の偏肉(3次偏肉という)、90度周期の偏肉(4次偏肉という)、および60度周期の偏肉(6次偏肉という)の偏肉がある。これらの偏肉は、正弦波の関数で数式的に表すことができる。
【0042】
図8の(a)に示すように、鋼管の実際の断面形状は上記の種々の偏肉が重なってものである。即ち、鋼管の実際の偏肉は、正弦波で表される各次元の偏肉を足し合わせたものである。従って、例えばk次の偏肉量を取り出すには、管断面の肉厚を一定間隔で測定して、その肉厚プロファイルを下記の式(9)に従ってフーリエ変換すればよい。ここでk次偏肉量は、k次偏肉成分における最大肉厚とk次偏肉成分における最小肉厚の差と定義する。
【0043】
【数1】
ここでNは管断面の肉厚測定点数、WT(i)は測定された肉厚プロフィールで、i=1,2,・・・,Nである。
【0044】
後述の[実施例2]で説明するように、鋼管の偏肉率と拡管によって生じる曲がりとの関係を調べた。そのとき、拡管前の鋼管の偏肉をそれぞれの次元の偏肉に分離して、それぞれの偏肉率が拡管後の曲がりに及ぼす影響を確認した。その結果、図9、10および11に示すような関係が確認された。これらの図は、拡管前の鋼管の偏芯偏肉率と拡管後の鋼管の「1/曲率半径」で表した曲がり量との関係を示している。図10と図11から明らかなように、鋼管に元々存在していた偏肉の中でも2次以上の偏肉は拡管による鋼管の曲がりに及ぼす影響が小さい。一方、図9に示すように、図8の(b)に示した偏芯偏肉、即ち、1次偏肉が最も拡管加工後の曲がりを助長する。
【0045】
鋼管の偏芯偏肉(1次偏肉)は、鋼管の製造工程において、例えば穿孔機などでの圧延における穿孔工具であるプラグが円柱形鋳片の中心からはずれた位置に当てられて穿孔が行われたとき生じる。即ち、偏芯偏肉は、薄肉部と厚肉部がそれぞれ360度周期で存在するような偏肉である。従って、偏芯偏肉率(%)は次の式(10)で定義できる。
【0046】
偏芯偏肉率={(偏芯偏肉成分における最大肉厚−偏芯偏肉成分における最小肉厚)/平均肉厚}×100 ・・・(10)
図9に示すように、偏芯偏肉率が大きければ大きいほど「1/曲率半径」が大きくなる。即ち、曲がりが大きくなる。油井管として使用する場合、ネジ部の信頼性を確保するために「1/曲率半径」は0.00015以下であることが必要であり、0.0001以下が好ましく、0.00005以下がさらに好ましい。図9から、拡管前の鋼管の偏芯偏肉率として10%以下、好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下であれば、30%の拡管率で拡管しても油井管として使用できることがわかる。
【0047】
以上、本発明の鋼管について、偏肉率と偏芯偏肉率とに分けて説明した。偏肉率は図8の(a)に示すような実際の管横断面の最大肉厚と最小肉厚とから求められる。一方、偏芯偏肉は図8の(b)に示す一次偏肉の偏肉率である。従って、偏肉率が前記の式(1)を満たすことと、偏芯偏肉率が10%以下であることのいずれか一方を満たすだけでもよい。しかし、その両方を満たせば、拡管後の鋼管は、圧潰強度が高く、しかも曲がりの少ないものとなる。
【0048】
3.鋼管の埋設方法
本発明の埋設方法は、これまでに述べた本発明の鋼管を用いて行うことを特徴とする。具体的には、下記の手順による埋設方法である。
【0049】
1) 掘削した坑井内に鋼管を埋設し、埋設した鋼管の先端部の地下をさらに掘削し坑井を深くし、埋設した鋼管内にその内径よりも小さい外径の第2の鋼管を挿入して深くした坑井内に埋設する。
【0050】
2) 第2の鋼管を管内に挿入した工具により拡管して直径を大きくし、この拡管した第2の鋼管の先端部の地下をさらに掘削して坑井をより深くし、拡管した第2の鋼管内にその内径よりも小さい外径の第3の鋼管を挿入してより深くした坑井に埋設して拡管する。
【0051】
3) 上記の埋設と拡管を繰り返し行い、順次より直径の小さい油井管を埋設する。
【0052】
このとき、拡管する鋼管として前記の本発明の鋼管を用いるのである。拡管加工の方法としては、プラグやテーパ付きマンドレルを液圧による引き上げたり、機械的に引き抜いたりする種々の方法が選択できる。
【発明の実施の形態】
【0053】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0054】
本発明方法において、埋設した鋼管内に、その埋設管の内径よりも小さい外径の鋼管を挿入して拡管するのは、前記のとおり、先に埋設した鋼管と後に埋設した鋼管との隙間を小さくすることにより油井管を埋設するための掘削面積を小さくするためである。
【0055】
拡管して鋼管の直径を大きくする手段は特に限定されるものでないが、最も好ましいのは図2に示したように管内にテーパを設けた工具(プラグ)を挿入し、油井管の下端から油を注入して圧力を負荷し、油圧により工具を押し上げて拡管加工する手段である。その他、機械的に工具を引き抜く手段も用いることができる。
【0056】
このとき、拡管する油井管として本発明の鋼管を使用することが重要である。そうすることによって、拡管後の鋼管の圧潰強度の低下と曲がりが抑えられるのである。
【0057】
鋼管の拡管は、ケーシングとなる鋼管のすべてにおいて行う必要はない。1サイズまたは2サイズのケーシング用鋼管だけを拡管しても油田掘削面積を減らす効果はある。すべてのサイズの鋼管を拡管するには多種類の拡管用工具の準備と拡管作業の増大を要するから、これらの所要コストを考慮して拡管すべき鋼管を限定すればよい。
【0058】
本発明の鋼管は、新規の油田開発のときだけでなく、既存の油田の補修にも使用できる。即ち、ケーシングの一部が破損または腐食した場合、そのケーシングを抜き取り、代わりの鋼管を挿入して拡管することにより補修ができる。
【0059】
本発明の鋼管は、鋼板の突き合わせ部分を溶接した電縫鋼管(ERW鋼管)でもよく、ビレットから製造されたシームレス鋼管であってもよい。製管した後、焼入れ、焼戻し等の熱処理、冷間抽伸などの形状矯正を施したものでもよい。化学組成にも何ら制約はない。例えば、C-Mn鋼やCr-Mo鋼のいうな低合金鋼、13Cr鋼、高Ni鋼のようなフェライト系、マルテンサイト系、2相系およびオーステナイト系のステンレス鋼等であってもよい。
【0060】
先に示した(a)、(b)および(c)の鋼管は、望ましい鋼管の代表例である。以下、この望ましい鋼管の各成分の作用効果と含有量について説明する。
【0061】
C:
Cは、鋼の強度を確保し、また十分な焼入れ性を得るために必要な元素である。これらの効果を得るためには、含有量を0.1%以上とするのが好ましい。含有量が0.1%未満では、必要とされる強度を得るためには低温で焼戻しする必要が生じ、硫化物応力腐食割れ(以下SSCと記す)の感受性が大きくなるので好ましくない。一方、Cの含有量が0.45%を超えると、焼入れ時の焼割れ感受性が増大し、また靭性も劣化する。従って、C含有量は0.1〜0.45%とするのが好ましい。より好ましい範囲は、0.15〜0.3%である。
【0062】
Si:
Siは、鋼の脱酸剤としての効果および、焼戻し軟化抵抗を高めて強度を上昇させる効果を有する。その含有量が0.1%未満ではこれらの効果が十分に得られない。一方、Siの含有量が1.5%を超えると鋼の熱間加工性が著しく劣化する。従って、Si含有量は0.1〜1.5%とするのが好ましい。より好ましい範囲は、0.2〜1%である。
【0063】
Mn:
Mnは、鋼の焼入れ性を増して鋼管の強度を確保するのに有効な元素である。含有量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、強度および靭性がともに低下する。一方、Mnの含有量が3%を超えるとその偏析が多くなって靭性を低下させる。従って、Mn含有量の範囲は0.1〜3%とするのが好ましい。より好ましい範囲は、0.3〜1.5%である。
【0064】
P:
Pは、鋼中に不純物として含まれる元素であり、その含有量が0.03%を超えると粒界に偏析して靭性を低下させるので、P含有量は0.03%以下とするのが好ましい。含有量は少なければ少ないほどよく、より好ましいのは0.015%以下である
S:
Sは、鋼中に不純物として含まれる元素である。MnやCaなどの元素と硫化物系の介在物を形成し、靭性を劣化させるので、その含有量は少なければ少ないほどよい。含有量が0.01%を超えると靭性の劣化が著しくなるから、0.01%以下とするのが好ましい。より好ましいのは、0.005%以下である。
【0065】
sol.Al:
Alは、鋼の脱酸剤として使用される元素である。sol.Al含有量が0.05%を超えると脱酸効果が飽和するばかりでなく、鋼の靭性の低下を招く。従って、sol.Alの含有量は0.05%以下とするのが好ましい。sol.Alは、実質的に含有されていなくてもよいが、上記の効果を十分に得るためには、含有量は0.01%以上とすることが好ましい。
【0066】
N:
Nは、鋼中に不純物として含まれる元素であり、AlやTiなどの元素と窒化物を形成する。特に、AlNやTiNが多量に析出すると鋼の靭性が劣化する。そこで、N含有量は0.01%以下とするのが好ましい。N含有量は、少なければ少ないほどよく、より好ましいのは、0.008%以下である。
【0067】
Ca:
Caは必要により含有させる元素で、硫化物の形態を変えて靭性を向上させるのに有効である。従って、特に鋼管の靱性を重視する場合に含有させるのがよい。この効果を十分に得るには0.001%以上を含有させるのがよい。一方、Ca含有量が0.005%を超えると、介在物が多量に生成し、孔食の起点となるなど耐食性の面で悪影響が現れる。従って、含有させる場合のCa含有量の範囲は0.001〜0.005%とするのがよい。より好ましい範囲は、0.002〜0.004%である。
【0068】
上記の化学組成を有する油井管において、さらに強度を高めたい場合にはCr、MoおよびVのうちの1種以上を含有させるのがよい。また、高温域における結晶粒の粗大化を防止して靭性を確保するためにはTiおよびNbの1種以上含有させるのがよい。以下、各元素の好ましい範囲について説明する。
【0069】
Cr、MoおよびVの1種以上:
これらの元素は、適正量を含有させることにより、鋼の焼入れ性を向上させ、強度を上げるのに有効である。これらの効果を得るには、上記元素のうちの1種または2種以上を下記に示す含有量の範囲で含有させることが好ましい。一方、含有量が適正量を超えると、これらの元素は粗大な炭化物を形成しやすく、かえって靭性や耐食性の劣化をきたすことが多い。
【0070】
なお、Crは、上記の効果に加えて、高温炭酸ガス環境中における腐食速度を小さくするのにも有効である。同様に、Moは、Pなどの粒界偏析による脆化を抑制する効果を有し、Vは、焼戻し軟化抵抗を高める効果も有する。
【0071】
Cr:0.2〜1.5%。より好ましい範囲は0.3〜1%
Mo:0.1〜0.8%。より好ましい範囲は0.3〜0.7%
V:0.005〜0.2%。より好ましい範囲は0.008〜0.1%。
【0072】
TiおよびNb:
これらの元素は、適量を含有させることにより、TiNまたはNbCを形成し、結晶粒の粗大化を防止して靭性を高める効果を有する元素である。結晶粒の粗大化防止の効果を得たい場合には、これらの元素のうちの1種または2種を下記に示す含有量の範囲で含有させるのがよい。一方、含有量が適正量を超えと、TiCまたはNbCの生成量が過剰になって鋼の靭性を劣化させる。
【0073】
Ti:0.005〜0.05%。より好ましい範囲は0.009〜0.03% Nb:0.005〜0.1%。より好ましい範囲は0.009〜0.07%。
【実施例】
【0074】
[実施例1]
表1に示す4種の化学組成の鋼を溶製し、通常のマンネスマン−マンドレル製管法によって外径139.7mm、肉厚10.5mm、長さ10mの継目無鋼管を製造した。その鋼管に焼入れ−焼戻しの熱処理を施してAPI-L80グレード(降伏強度:570MPa)相当品とした。
【0075】
鋼A、鋼Bおよび鋼Cの鋼管の拡管前の偏肉率をUSTにより測定し、測定後管内にプラグを挿入し機械的に引き抜き拡管加工した。拡管率は、素管内径の拡大率にして10%、20%および30%の3種とした。
【0076】
図4は拡管加工中のプラグ周辺の断面図である。同図に示すように、素管5は拡管開始側の端部を固定し、プラグ4を機械的に引き抜くことで拡管を行った。プラグ先端部のテーパの角αは20度とした。拡管率は、前記の式(2)で求めた。図4の符号を用いれば、下記のようになる。
【0077】
拡管率=[(拡管後の内径d1−拡管前の内径d0)/d0]×100
拡管前の鋼管と拡管後の鋼管の肉厚分布をUSTによって測定した。測定した肉厚から偏肉率を求めた。拡管加工後の鋼管の圧潰強度をAPI規格のRP37に準じて測定した。なお、肉厚分布の測定は、図7によって説明したように、管の長手方向に500mmピッチで10ヶ所の横断面につき、それぞれ22.5度間隔の16ヶ所で行った。その測定結果の中で最大の偏肉率を表2に示す。表2中のC1/COは、拡管後の鋼管の実測圧潰強度(C1)と前記(7)式により計算で求めた偏肉のない鋼管の圧潰強度(CO)の比である。
【0078】
表2から明らかなように、式(1)、即ち、E0≦30/(1+0.018α)を満足している本発明例では、全ての拡管率において圧潰強度が高く、C1/COが0.8以上であった。一方、(1)式を満足していない偏肉率の鋼管を用いて拡管した比較例は、全ての拡管率で圧潰強度が低く、C1/COが0.8未満であった。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
[実施例2]
表1のD鋼を用いて、実施例1と同様に外径139.7mm、肉厚10.5mm、長さ10mの継目無鋼管を製造し、焼入れ−焼戻しの熱処理を施してAPI-L80グレード相当品とした。
【0081】
拡管前の鋼管の肉厚プロファイルをUSTによって確認した。肉厚プロファイルは、図7に示すように、鋼管長手方向の500mm間隔で10ヶ所の横断面を円周方向に16等分した測定位置で肉厚を測定して求めた。その肉厚プロファイルから偏芯偏肉(1次偏肉)、2次偏肉および3次偏肉の成分をフーリエ解析により抽出し、各成分の偏肉率を求めた。その結果を表3に示す。表3の測定No.は管の長手方向の測定個所の番号である。
【0082】
【表3】
上記の素管を用いて、実施例1と同じ方法で拡管を行った。拡管率は10%、20%および30%である。
【0083】
素管の長手方向の最も偏芯偏肉率が大きかった部位(表3の測定No.1の位置)において、拡管後の鋼管の曲がりの曲率半径を測定した。その他の部位の曲率半径も測定したが、その値が大きく、実用上障害になる曲がりではなかった。
【0084】
図9、図10および図11に、素管の1次偏肉(偏芯偏肉)、2次偏肉および3次偏肉の偏肉率と拡管後の鋼管の曲率半径の逆数との関係をそれぞれ示す。図9に示すように、偏芯偏肉率が10%を超える素管では拡管による曲がりが著しく大きい。図10および図11に示すように、2次や3次の偏芯していない偏肉と曲がり量との相関は小さい。これらのことから拡管後の曲がりを抑制するためには、素管の偏芯偏肉率を10%以下に抑えることが肝要であることがわかる。
【発明の効果】
本発明の鋼管は、拡管後にも高い圧潰強度を有する。また、拡管による曲がりも小さい。この鋼管を埋設拡管法に用いることによって、井戸掘削面積を小さくし、かつ油井管の信頼性を高めるという大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】従来の油井掘削方法を説明する図である。
【図2】拡管法による油井掘削方法を説明する図である。
【図3】拡管法で埋設された油井管を示す図である。
【図4】拡管の態様を示す縦断面図である。
【図5】試験によって求めた拡管前の鋼管の偏肉率と、拡管後の鋼管の偏肉率との関係を示す図である。
【図6】拡管後の鋼管の偏肉率と圧潰強度の低下との関係を示す図である。
【図7】偏肉率を求めるための管の肉厚の測定位置を示す図である。
【図8】鋼管の偏肉の形態を説明する横断面図である。
【図9】拡管前の鋼管の偏芯偏肉率(1次偏肉率)と拡管後の鋼管の曲がり量との関係を示す図である。
【図10】拡管前の鋼管の2次偏肉率と拡管後の鋼管の曲がり量との関係を示す図である。
【図11】拡管前の鋼管の3次偏肉率と拡管後の鋼管の曲がり量との関係を示す図である。
Claims (6)
- 坑井内に挿入された状態で拡管される鋼管であって、拡管前の偏肉率E0(%)が下記の(1)式を満たすことを特徴とする鋼管。
E0≦30/(1+0.018α) ・・・(1)
ただしαは下記の(2)式で算出される拡管率(%)である。
α=[(拡管後の管の内径−拡管前の管の内径)/拡管前の管の内径]×100・・・(2) - 坑井内に挿入された状態で拡管される鋼管であって、偏芯偏肉率が10%以下であることを特徴とする鋼管。
- 鋼管が、質量%で、C:0.1〜0.45%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.1〜3%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ca:0〜0.005%、残部がFeおよび不純物からなる鋼管である請求項1または2の鋼管。
- 鋼管が、質量%で、C:0.1〜0.45%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.1〜3%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Ca:0〜0.005%、ならびにCr:0.2〜1.5%、Mo:0.1〜0.8%およびV:0.005〜0.2%のうちの1種または2種以上、残部がFeおよび不純物からなる鋼管である請求項1または2の鋼管。
- Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.005〜0.05%およびNb:0.005〜0.1%の一方または両方を含有する請求項3または4の鋼管。
- 掘削した坑井内に鋼管を埋設し、埋設した鋼管の先端部の地下をさらに掘削し坑井を深くし、埋設した鋼管内にその内径よりも小さい外径の鋼管を挿入して深くした坑井内に埋設し、その鋼管を管内に挿入した工具により拡管して直径を大きくし、さらに拡管した鋼管の先端部の地下を掘削して坑井をより深くし、拡管した鋼管内にその内径よりも小さい外径の鋼管を挿入してより深くした坑井に埋設して拡管することを繰り返し行い、順次より直径の小さい鋼管を埋設する方法において、拡管する鋼管として請求項1から5までのいずれかの鋼管を用いることを特徴とする油井用鋼管の埋設方法。
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