JP3885229B2 - 回胴式遊技機用試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回胴式遊技機が所定の規格に適合するものであるか否かを試験するための回胴式遊技機用試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回胴式遊技機が有する機能は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、風営適正化法という。)に基づく「風俗営業等の規則および業務の適正化等に関する法律施行規則」(以下、施行規則という。)において、「著しく客の射幸心をそそるおそれのない遊技機を使用するものであること。」と定められている。
【0003】
また、風営適正化法では遊技機の型式に関して「遊技機の認定および型式の検定等に関する規制」(以下、遊技機の基準という。)を定めて遊技機の技術上の規格統一が図られている。
【0004】
回胴式遊技機を製造するメーカは、回胴式遊技機を製造後、その回胴式遊技機の認定及び型式の検定を受けるに当たって、風営適正化法に定められる「指定試験機関」(以下、単に試験機関という。)において、回胴式遊技機の所定の動作が、風営適正化法に定められている条件に合致するか否かの各種の試験を受ける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
回胴式遊技機の性能に係る試験では、例えば、17500ゲームを行って、出球率、役物比率、ビッグボーナス(BB)回数等の各種の検査を行うことが規定されている。また、回胴式遊技機の動作時間の試験には、例えば、回胴が回転を始めてから停止ボタンを操作しないでおいたときに、回胴が自動的に停止するまでの最短時間である回胴自動停止時間を測定する試験がある。
【0006】
ところで、従来、係る回胴式遊技機の性能の試験には、各メーカ毎に独自の方法で、例えばストップウオッチ等を用いて行っていた。このため、正確な測定ができないという問題があった。また、各性能の試験毎に、個別に試験を行っていたので、多数の項目について試験のために多くの労力と時間とを必要としていた。
【0007】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、回胴式遊技機の各種の性能に係る試験を一度にまとめて自動で行うことができる回胴式遊技機用試験装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る回胴式遊技機用試験装置は、回胴式遊技機を試験するための検査用プログラムを搭載する回胴式遊技機用試験装置であって、
乱数値を生成して出力する乱数発生手段と、
回胴式遊技機を動作させるために、回胴式遊技機が出力する遊技状態を示す遊技状態信号を取得して、回胴式遊技機の各遊技状態に応じて遊技者が行う操作に対応する制御信号を生成して出力する制御信号出力手段と、
前記遊技状態信号のうち回胴を回転駆動するステッピングモータの位相信号以外の遊技状態信号及び前記制御信号出力手段が出力する制御信号を受信し、受信した信号のうち何れか1つの信号の状態が変化したタイミングで、受信した全ての信号の状態を、経過時間データを付して第1検査データとして記憶する第1データ取得手段と、
前記ステッピングモータの位相信号の入力が一定時間なかったときに、前記ステッピングモータの回転が停止したと判断して回胴停止信号を出力する停止検出手段と、
各回胴ごとに、各回胴が一回転する毎に1個出力される回胴式遊技機からのインデックス信号が入力すると、カウンタ値をクリアすると共に回胴式遊技機が出力する前記ステッピングモータの位相信号の数をカウントし、前記制御信号出力手段が出力する回胴の回転を停止するための停止スイッチ信号が入力するとカウントを停止する第1カウンタと、前記インデックス信号が入力するとカウンタ値をクリアすると共に回胴式遊技機が出力する前記ステッピングモータの位相信号の数をカウントし、前記停止検出手段からの前記回胴停止信号を受けたときにカウントを停止する第2カウンタとを有し、前記タイミングで前記第1カウンタの値及び前記第2カウンタの値を、経過時間データを付し、さらに第1カウンタのデータであるのか第2カウンタのデータであるのかを識別するためのカウンタ識別情報、及び、どの回胴のデータであるのかを識別する回胴識別情報を付与して第2検査データとして記憶する第2データ取得手段と、
前記第1検査データに基づいて検査対象項目の回数や率等を解析し、前記第2検査データのうちの前記第1カウンタが停止したときの値と前記第2カウンタが停止したときの値の差から、前記回胴停止スイッチ信号のオンにより回胴が停止したときの図柄を解析する解析手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成] 以下に、本発明の1実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の1実施形態である回胴式遊技機用試験装置の概略ブロック図である。図1に示すように、本実施形態の回胴式遊技機用試験装置は、検査用プログラムが搭載された試験装置本体11と、解析用プログラム等が搭載された集計用パーソナルコンピュータ12と、回胴式遊技機51と試験装置本体11との間で送受されるデータを一時的に蓄えるバッファユニット13とを備える。
【0010】
なお、本実施形態では、一台の試験装置で4台の回胴式遊技機51(以下、単に遊技機とも称する。)の試射試験を行うことができる。このため、各遊技機51毎にバッファユニット13が設けられている。各遊技機51の遊技状態を示す遊技状態信号は、型式試験用のインタフェースボード52を介して出力される。インタフェースボード52は、各遊技機メーカが型式試験のために用意しているものであり、3つのコネクタを備え、各コネクタのピンアサインが決まっている。本実施形態の試験装置は4台の遊技機をリアルタイムにマルチタスク処理する。したがって、各遊技機はお互いに他の遊技機と関係なく、試験、処理される。
【0011】
なお、図1では、遊技機の試射試験を高速で行うために、検査データの収集及び解析のために専用の集計用パーソナルコンピュータ12を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、試験装置本体11に集計用パーソナルコンピュータの機能を持たせるようにしてもよい。
【0012】
集計用パーソナルコンピュータ12は、試験装置本体11と集計用パーソナルコンピュータ12との間のデータの送受を制御するインタフェース基板31と、乱数値を生成する乱数発生基板32と、試験装置本体11が取得した検査データを記憶するハードディスク33とを備える。集計用パーソナルコンピュータ12は、試験装置本体11から送られた検査データを、出球率、役物比率等の検査対象項目に応じて解析し、その結果をリアルタイムで項目毎に数値として画面に表示する。
【0013】
また、集計用パーソナルコンピュータ12は、試験装置本体11が遊技機を動作させるのに必要な乱数値を、乱数発生基板32から取得して試験装置本体11に転送する。なお、乱数発生基板としては、東芝製のRMH−2Lを使用している。この乱数発生基板は、大量の乱数値を生成することができるので、1枚で4台分の遊技機を試験するのに必要な乱数値を生成して供給することができる。
【0014】
試験装置本体11は、試験装置本体の全体を制御するCPU基板21と、試験装置本体11と集計用パーソナルコンピュータ12と間のデータの送受を制御するインタフェース基板22と、遊技機の試射試験を行って得た検査データを取得して一時的に記憶する入力基板23と、遊技機を動作させるために、遊技機が出力する遊技状態信号を取得して、遊技機の各遊技状態に応じて遊技者が行う操作に対応する制御信号を出力する入出力基板24とを備えている。
【0015】
図2は、CPU基板21の概略ブロック図である。CPU基板21は、図2に示すように、試験装置本体11の全体の制御を司るCPU211と、遊技機の性能試験を行うための試験用プログラム等の各種プログラム及び各種データを不揮発的に格納するROM212と、CPU211の処理に利用される作業領域やデータの一時記憶領域として利用されるRAM213と備える。CPU基板21は、試験装置本体11が実装するインタフェース基板22、入力基板23及び入出力基板24を制御し、遊技機51の試験を行って取得した検査データを定期的に集計用パーソナルコンピュータ12に転送する。CPU211は、ISAバスインタフェース214、バスドライバ215及びISAバス60を介して入力基板23及び入出力基板24とデータの送受を行うまた、CPU211は、遊技者が行う操作に対応する制御信号を生成する際に、規則性を排除するために乱数発生基板32からの乱数値を用いて制御信号を生成する。生成した制御信号は、入出力基板24を介して遊技機に出力される。
【0016】
回胴式遊技機の試験の場合、メダルを全く使用しない空打ち試験と、メダルを使用する実射試験とがある。遊技者が遊技機に実際にメダルを投入すると、例えば数十msのパルスが遊技機の制御部に送られる。空打ち試験では、実際にメダルを投入することなく、メダルを投入した状況を実現するために、CPU基板は遊技機に実際に遊技者がメダルを投入したときに発せられるパルス信号と同等の信号を生成して入出力基板を介して遊技機に出力する。また、遊技の結果、当たりになると、実際には、メダルが払い出されるが、空打ち試験のときには、遊技機が本試験装置に対応するパルス信号を送信するのみで、メダルの払い出しは行われない。これに対して実射試験というのは、メダルの投入は、CPU基板で生成し入出力基板から出力された制御信号でおこなうが、当たりの状態になったときには、実際に遊技機がホッパーからメダルを排出する試験をいう。本実施形態の試験装置は、試験を行う前に、予めどちらの試験を行うかを設定する。
【0017】
図3は、入力基板の概略ブロック図である。入力基板は、図3に示すように、バッファユニット13と接続するためのコネクタ231と、入力信号を内部回路から絶縁するための入力絶縁回路232と、出玉率、役物比率、ビッグボーナス(BB)等を解析するのに必要なデータを取得するために、ステッピングモータの位相信号を除く入力信号及び制御信号(以下、検査対象信号とも称する。)の変化点を検出して各変化点毎に検査対象信号の状態をサンプリングする第1入力サンプリング回路234と、停止要求図柄及び停止図柄を解析するために必要なデータを取得するために、各回胴(以下、リールとも称する。)毎に各リールを駆動するステッピングモータの位相信号を2つのカウンタを用いてカウントする第2サンプリング回路235と、一のリールについてリール停止時間が規定値(190ms)を超えたか否かを判断するために、リールストップスイッチ信号がオンしてから、リールが停止するまでの間、ステッピングモータの位相信号の変化点毎に、リールストップスイッチ信号及びそのリールの全ての位相信号の状態を、試験開始からの経過時間データを付して仮データとして一時記憶し、リール停止時間が規定値(190ms)を越えた場合だけ、第3検査データとして記憶する停止時間エラーデータ取得回路236と、第1サンプリング回路234及び第2サンプリング回路235が取得した検査データを記憶する第1メモリ回路237と、第1メモリ回路237への書き込みを制御すると共に試験開始からの経過時間データを生成し第1メモリ回路237及び停止時間エラーデータ取得回路236に出力するメモリコントロール回路238と、停止時間エラーデータ取得回路236が取得した検査データを記憶する第2メモリ回路239とを備える。
【0018】
第1サンプリング回路234は、遊技機51が出力する遊技状態を示す遊技状態信号のうちリールを回転駆動するステッピングモータの位相信号以外の遊技状態信号及び入出力基板24が出力する制御信号(検査対象信号)を受信し、受信した信号のうち何れか1つの信号の状態が変化したタイミングで、受信した全ての検査対象信号の状態を、データとして取得すると共に、変化したタイミイグで変化点検出信号をメモリコントロール回路238に出力する。メモリコントロール回路238は、第1サンプリング回路234からの変化点検出信号を受けると、第1サンプリング回路234が取得したデータに経過時間データを付し、第1検査データとして第1メモリ回路237に書き込む。本実施形態では、検査対象信号を10μsでサンプリングし、サンプリングしたデータに経過時間データを10μs単位で付加している。本発明の第1検査データ取得手段は、第1サンプリング回路234とメモリコントロール回路238と第1メモリ回路237とを含むものである。
【0019】
第2サンプリング回路235は、各リールごとに、各リールが一回転する毎に1個出力される遊技機からのインデックス信号がオンになると、カウンタ値をクリアすると共に遊技機が出力する前記位相信号の数をカウントし、入出力基板24が出力するリールの回転を停止するためのリールストップスイッチ信号がオンになるとカウントを中止する第1カウンタと、インデックス信号がオンになるとカウンタ値をクリアすると共に遊技機が出力する位相信号の数をカウントし、後述する停止検出回路331が出力する、リールがストップしたことを示すリールストップ信号を受信すると、カウントを中止する第2カウンタとを有する。メモリコントロール回路238は、第1サンプリング回路234からの変化点検出信号を受けると、第2サンプリング回路235が取得したデータ(2つのカウンタのカウンタ値)に経過時間データを付し、第2検査データとして第1メモリ回路237に書き込む。本発明の第2検査データ取得手段は、第2サンプリング回路235とメモリコントロール回路238と第1メモリ回路237とを含むものである。
【0020】
図4は、停止時間エラーデータ取得回路236の概略ブロック図である。停止時間エラーデータ取得回路236は、図4に示すように、入出力基板24が出力するリールストップスイッチ信号がオンとなった後、ステッピングモータの位相信号の入力が一定時間なかったときに、そのステッピングモータの回転がストップしたと判断してリールストップ信号を生成して出力する停止検出回路331と、入出力基板24が出力するリールの回転を停止するためのリールストップスイッチ信号がオンになってから、リールの回転が停止するまでの時間を計測する時間測定手段332aを有し、リールストップスイッチ信号が入力すると、位相信号のうち何れか1つの位相信号の状態が変化したときに、リールストップスイッチ信号及び全ての位相信号の状態を経過時間データと共に第2メモリ回路239に仮データとして記憶し、時間測定手段が計測した時間が予め定めた規定値(190ms)内であるときに、一時記憶した仮データを破棄し、時間測定手段が計測した時間が予め定めた規定値を越えたときに、一時記憶した仮データを第3検査データとして第2メモリ回路に記憶する停止時間エラー検出回路332とを備える。なお、経過時間データはメモリコントロール回路238から送られてくるものである。本発明の停止時間エラーデータ取得手段は、停止時間エラーデータ取得回路236と第2メモリ回路239とを含むものである。
【0021】
図5は、入出力基板24の概略ブロック図である。入出力基板24は、CPUインタフェース回路と時間測定回路を含む主回路241と、出力信号を内部回路と絶縁するための出力絶縁回路242と、バッファユニット13に信号を出力する出力回路243と、バッファユニット13からの信号を受信する入力回路245と、入力信号と内部回路とを絶縁するための入力絶縁回路244と、バッファユニット13と接続するためのコネクタCN1とを有する。主回路241は、ISAバス60を介してCPU211とデータの送受を行う。
【0022】
図6は、入出力基板24の主回路241の概略ブロック図である。主回路241は、図6に示すように、CPU基板との間のデータの送受を制御するCPUインタフェース341と、バッファユニット13との間のデータの送受を制御するIOインタフェース342と、4つの時間測定回路343〜346と、時間カウンタ347とを備える。CPUインタフェース341は、遊技機の試験に用いる制御信号を生成するのに必要な遊技機の遊技状態信号を取得して、CPU211に送出すると共に、CPU211が生成した制御信号を遊技機に出力する。本発明の制御信号出力手段は、CPU基板21と入出力基板24とを含むものである。
【0023】
4つの時間測定回路343〜346のうち、リール停止測定回路343、自動停止時間測定回路344及びゲーム間隔時間測定回路345は、本発明者が出願した特許出願(特願平11−179860号)と略同一であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0024】
回胴回転時間測定回路346は、時間カウンタ347を用いてリールが一回転する時間を測定する。リールの回転時間は法により1回転の時間が750ms以上と規定されている。これ以上速いと、遊技者が図柄を確認することが難しくなるからである。回胴回転時間測定回路346は、リールのストップ可能ランプ信号がオンになった後に、遊技機から出力されるインデックス信号のオンを検出したときにカウンタ347を動作させてカウントを開始し、次のインデックス信号がオンしたときにカウンタ347のカウントを終了する。これによりリールの回転時間を計測する。なお、遊技機のメーカの中には、リールが一回転する間に複数のインデックス信号を出力するものがある。例えばリールが有する図柄の分だけインデックス信号を出力するものがある。かかる遊技機の場合でも、真のインデックス信号のパルス幅が他のインデックス信号のパルス幅に比べて大きいので、所定のパルス幅に満たないインデックス信号は偽のインデックス信号と判断し、所定のパルス幅以上のインデックス信号を真のインデックス信号として採用することにより、かかる遊技機の回胴回転時間を測定することが可能となる。
【0025】
図7は、バッファユニットの概略ブロック図である。バッファユニット13は図7に示すように、遊技機51のインタフェースボード52に接続するための3つの入力用のコネクタCN1〜CN3と、入力基板23と接続するためのコネクタCN4と、入出力基板24と接続するためのコネクタCN5と、遊技機51から送られてくる入力信号のデータを蓄えるTTLバッファ131と、TTLバッファ131が蓄えるデータを分岐するとともに、減衰を押さえて入力基板及び入出力基板に出力する出力ドライブ132と、入出力基板からの制御信号のデータを蓄えるTTLバッファ133と、TTLバッファ133が蓄えるデータを分岐すると共に、減衰を押さえてコネクタCN3を介して遊技機51に出力すると共にTTLバッファ131等を介して入力基板に出力する出力ドライブ134とを備える。
【0026】
バッファユニット13は、遊技機51から送られてくる信号が十分な強度をもっていない場合を考慮し、遊技機が出力する信号を一時的に蓄えると共に入力基板23用と入出力基板24用に分ける機能を有する。また、入出力基板24が出力する制御信号を入力基板23用と遊技機51用とに分ける機能を有する。
【0027】
[実施形態の動作]次に、本実施形態の回胴式遊技機用試験装置の動作について説明する。本実施形態の回胴式遊技機用試験装置を用いて検査を行うときには、インタフェースボード52を介して予め4台の遊技機51を本試験装置のバッファユニット13に接続する。検査担当者は、集計用パーソナルコンピュータ12を用いて、回胴式遊技機のメーカ名等の設定事項を入力する。設定事項の一つとして、各遊技機が備えるリール数の設定がある。現在流通している遊技機が備えるリールの数は3台であるが、将来、リールの数が増えることも予想されるので、本実施形態の試験装置では、5台分のリールを試験することが出来るように設計されている。したがって、各遊技機ごとに備えるリール数を設定する。また、遊技機の中にはインデックス信号の出力の仕方が異なるものがあるので、インデックス数及び真のインデックスパルス幅も設定する。更に、設定事項には、空打ち試験か実射試験かの設定もある。設定を終えたら、検査の開始を指示する。
【0028】
これにより、集計用パーソナルコンピュータ12から試験装置本体11へ設定内容が送られる。CPU211は、その設定事項に基づいて遊技機の試験を行う。以下では、説明を簡略化するために、1台の遊技機をテストする場合について説明する。
【0029】
まず、CPU211は、遊技者が行うメダルの投入、スタートボタンの押圧、停止ボタンの押圧等の操作に対応する制御信号を生成し、入出力基板24を介して遊技機51に出力する。また、同時に、CPU211は入力基板23に検査の開始を指示する。入力基板23は、CPU211からの検査開始の指示を受けると、バッファユニット13を介して遊技機51からの遊技状態信号及び制御信号を受信し、検査データを取得する。本実施形態の装置では、17500回の試験を行って、第1検査データ、第2検査データ及び第3検査データの3種類データを取得する。第1検査データは、検査対象信号のデータに経過時間データを付したものである。第2検査データは、2つのカウンタの値に経過時間データを付したものである。第3検査データは、リール停止時間が規定値(190ms)を超えた場合に取得するデータであり、位相信号のデータに経過時間データを付加したものである。
【0030】
[第1検査データ] まず、第1検査データについて詳述する。第1検査データは、遊技機の出玉比率、役物比率、ビッグボーナス(BB)回数等の各種の検査項目を解析するために用いるデータである。第1検査データにより検査する項目には、総遊技回数、一般遊技回数(BB中を含む)、一般遊技回数(BB中を含まない)、一般遊技回数(BB中、再遊技を除く)、再遊技回数、RB(レギュラーボーナス)回数、SB(スモールボーナス)回数、メダル総投入枚数、メダル総払い出し枚数、一般遊技投入枚数、一般遊技払い出し枚数、一般遊技期待値、役物連続作動装置による払い出し枚数、連続役物比率、役物による払い出し枚数、BB中の一版遊技投入枚数、BB中の払い出し枚数、BB中の一般遊技期待値、BB確率、RB確率、SB確率、再遊技確率、CT期間の投入枚数、CT期間の払い出し枚数、CT期間の総遊技回数、CT期間の期待値、BB中の純増枚数の平均、BB中の純増枚数の最大、RBの作動停止条件、RB中の役物回数、RB中の役物が入賞した回数等がある。
【0031】
入力基板23の第1サンプリング回路234は、遊技機51が出力する遊技状態を示す遊技状態信号のうちリールを回転駆動するステッピングモータの位相信号以外の遊技状態信号及び入出力基板24が出力する制御信号(検査対象信号)を受信し、受信した信号のうち何れか1つの信号の状態が変化したタイミング(以下変化点タイミングとも称する。)で、受信した全ての検査対象信号の状態を、データとして取得すると共に、変化したタイミイグで変化点検出信号をメモリコントロール回路238に出力する。メモリコントロール回路238は、第1サンプリング回路234からの変化点検出信号を受けると、第1サンプリング回路234が取得したデータに経過時間データを付し、第1検査データとして第1メモリ回路237に書き込む。
【0032】
図8は、第1検査データを説明するためのタイミングチャートである。図8では、説明を簡略化するために、1のメダルを投入し、第1リールが停止するまでの、簡単なモデル信号を示している。a時点では、遊技機のメダル投入要求ランプ信号がオン(負論理)となっている。b時点では、入出力基板24から1枚目のメダル投入の制御信号が遊技機及び入力基板に送られ、メダル投入スイッチ信号がオンとなっている。c時点では、1枚目のメダル投入スイッチ信号のオフに応じて、スタート可能ランプ信号がオンしている。d時点では、入出力基板24からリールスタート信号が出力され、リールスタート信号がオンとなり、リールスタート信号のオンでメダル投入要求ランプ信号とスタート可能ランプ信号がオフとなっている。e時点では、リールスタート信号がオフとなっている。f時点では、第1リールストップ可能ランプ信号がオンしている。g時点では、入出力基板24から第1リールストップ信号が出力され、第1リールストップ信号がオンし、第1リールストップ可能ランプ信号がオフになっている。h時点では、第1リールストップ信号がオフとなっている。
【0033】
上述した図8に示す動作の場合、第1検出データは以下のように記憶される。
【0034】
LSB MSB
a時点 011111+経過時間データ(10μs単位のカウンタ値)
b時点 011011+経過時間データ
c時点 001111+経過時間データ
d時点 111101+経過時間データ
e時点 111111+経過時間データ
f時点 110111+経過時間データ
g時点 111110+経過時間データ
h時点 111111+経過時間データ
なお、上記では、メダル投入要求ランプ信号をLSBとしてバイナリー表記している。
【0035】
本実施形態では、上述したように、検査対象信号のうちの何れか一つでも変化すれば、全ての検査対象信号の状態(”H”又は”L”)を、経過時間データ(カウンタ値)を付して入力基板の第1メモリ回路237に記憶する。第1メモリ回路237に記憶した第1検査データは、所定時間ごとに、CPU211により集計用パーソナルコンピュータ12のハードディスク33に転送される。集計用パーソナルコンピュータでは、取得した第1検査データに基づいて、出玉比率、役物比率、BB回数、総遊技回数等の各解析項目に必要なデータを取り出して解析し、その結果を数値で、画面に表示する。例えば、総遊技回数は、スタート可能ランプ信号とリール停止可能ランプ信号を解析することにより、画面に数値で表示することができる。BB回数は、役物連続作動増加装置中信号を解析することにより、画面に数値で表示することができる。出玉率は投入メダルスイッチ信号と払出メダルスイッチ信号を解析することにより、画面に数値で表示することができる。また、役物比率は、投入メダルスイッチ信号と払出メダルスイッチ信号と役物・役物連続作動装置中信号を解析することにより、画面に数値で表示することができる。更に、一般遊技期待値は、投入メダルスイッチ信号と払出メダルスイッチ信号と役物・役物連続作動装置中信号と役物連続作動増加装置中信号を解析することにより、画面に数値で表示することができる。
【0036】
[第2検査データ] 次に、第2検査データについて詳述する。第2検査データは、遊技機の各リールの停止図柄を判定するためのデータである。リールストップスイッチを押圧すると、このときに遊技機の正面に位置する図柄がある。実際にリールが停止するのは、リールストップスイッチを押圧してから直ぐにリールの回転が停止するのではなく、すべりがあるので、リールストップスイッチを押圧してからリールが若干回転してから停止する。以下では、最初にリールストップスイッチを押圧したときに、遊技機の正面に位置している図柄を停止要求図柄と称し、リールが実際に停止したときに、遊技機の正面に位置している図柄を停止図柄と称する。また、説明を簡略化するために、一つのリールの停止図柄をどのようにして取得し、解析するかを説明する。
【0037】
遊技機からは、試験のために、リールを回転駆動するステッピングモータの位相信号が出力されている。一般的な遊技機では、リールが1回転する間に、約400個のパルス信号が出力される。すなわち、リールを1回転するのに、リールを駆動しているステッピングモータの4相の信号の合計数が400個位必要となる。また、遊技機からはリールが1回転する間に、必ず1個のインデックス信号が出力される。第2入力サンプリング回路235の第1カウンタは、ステッピングモータの位相信号の数をカウントするものであり、インデックス信号が出力されたときに、カウンタ値をクリアすると共に、新たにカウントを再開する。また、第1カウンタは、リールストップスイッチが押圧されたとき、すなわちリールストップスイッチ信号がオンになったときに、カウントを停止する。
【0038】
また、第2のカウンタも、遊技機が出力するステッピングモータの位相信号をカウントする点及びインデックス信号が出力されたときに、カウンタ値をクリアすると共に、新たにカウントを再開する点では第1カウンタと同じである。しかしながら、第2カウンタはリールストップスイッチ信号がオンになっても、カウントを中止せずに、さらにカウントを続ける。そして、リールの回転が実際に停止したときに、すなわちリールストップ信号がオンになったときに第2のカウンタはカウントを停止する。第2カウンタは、第1カウンタが停止した後にインデックス信号を検出しても、カウンタ値をクリアしない。
【0039】
インデックス信号は、どの図柄が正面に位置したときに出力されるものであるかが分かっており、また、一つ分の図柄を回転するのに何パルスを要するかが分かっている。したがって、リールストップスイッチ信号がオンしたときの図柄である停止要求図柄は、インデックス信号がオンになってから第1カウンタの値だけリールが回転したときの図柄であるから、第1カウンタの値から解析することができる。また、実際にリールが停止したときの図柄である停止図柄は、リールストップスイッチ信号がオンしてからのリールの回転により分かる。この場合のリールの回転、すなわち滑り量は、第1カウンタの値と第2カウンタの値の差から分かるので、停止図柄は、第1カウンタの値と第2カウンタの値の差から解析することができる。
【0040】
図9は、第2検査データを説明するためのタイミングチャートである。以下、図9を参照して、停止要求図柄及び停止図柄のカウンタの値を具体的にどのようにして記憶するかを説明する。なお、図9のモーター位相A、位相B、位相Aバー、位相Bバーは、一つのリールを駆動するステッピングモータの4相の各巻線に供給される励磁用位相信号である。図9の左下部の数値が第1カウンタのカウンタ値であり、右下部の数値が第2カウンタのカウンタ値である。図9では、第1カウンタのカウンタ値が13のときに、リールストップスイッチがオンになっている。このため、第1カウンタは、ここでカウントを停止し、そのカウンタ値を保持する。
【0041】
一方、第2カウンタは、このリールストップスイッチ信号がオンしても、カウントを中止することなく、カウントを続行する。そして、4つの位相信号が送出されなくなってから、一定時間経過すると、停止検出回路331はステッピングモータが停止したと判断して、リースストップ信号を第2カウンタに出力し、第2カウンタはこの停止信号を受けてカウントを停止する。図9では、第2カウンタのカウンタ値が62でカウンタを停止している。
【0042】
図9に示すデータの場合、インデックス信号から13パルス目のリールの図柄を解析すれば、停止要求図柄が分かる。また、滑り量は、62−13=49パルスであるから、停止図柄がどの図柄であるかも解析すれば分かる。集計用パーソナルコンピュータは、停止要求図柄及び停止図柄を解析し、各リールについて、その結果を数値で画面に表示する。
【0043】
図10は、第2検査データのビット構成を示す図である。第2検査データは、図10に示すように16ビットのデータとして第1メモリ回路に記憶する。なお、図10では説明を簡略化するために、経過時間データは省略している。0〜11ビット目までは、カウンタのカウンタ値を示すデータであり、したがってカウンタ値の最大は4095パルスである。通常、リールが1回転するのは、モーターに400パルス位を供給したときであるから、4095パルスというのは、これの約10倍に相当し、本実施形態のカウンタ値を記憶するのに十分な数値であるといえる。12〜14ビットは、どのリールであるのかを識別するためのデータである。現行の遊技機は3個のリールを備えているが、本実施形態では、リールが増える場合を考慮して、5リールまでのデータを取得することができるようにしている。なお、リールを識別するためのデータである12〜14ビットのデータにすべて0が入力されているときには、無効のデータであることを示している。
【0044】
第1カウンタ及び第2カウンタの値は、リールが回転を開始し定速度で回転するようになったときに、遊技機から出力されるストップ可能信号がオンしてからリールが停止するまでの間、上述した変化点タイミング毎に、全ての位相信号の状態を、経過時間データを付して第2検査データとして第1メモリ回路237に記憶する。しかしながら、リールストップスイッチがオンしたときに取得したデータである停止要求図柄データ及びリールの停止を検出したときのデータである停止図柄データ以外のデータのときには、この12〜14ビット目のデータを0とすることにより、無効のデータであることを識別できるようにしている。15ビット目は、停止要求図柄データか停止図柄データかを識別するためのものである。15ビット目が0のときは、停止要求図柄データであり、1のときは停止図柄データであることを示す。
【0045】
ステッピングモータに供給する位相信号は膨大な量であるので、ステッピングモータの位相信号の変化データを検査データとして取得するのではなく、カウンタの値を検査データとして取得することにより、データ量を減少することができる。
【0046】
[第3検査データ] 次に、第3検査データについて詳述する。第3検査データは、リール停止時間が規定値(190ms)を超えたか否かを判断するためのデータである。遊技機のリールが定回転しているときにリールストップスイッチを押圧してから、実際にリールが停止するまでの時間が法により規定値(190ms)以下であることが決められている。このリール停止時間は、ステッピングモータの位相信号を取得していれば解析できる。しかしながら、17500回の試験ではこの位相信号は膨大な量になる。したがって、この位相信号を取得するのは現実的でない。そこで、本実施形態では、以下のような工夫をしている。
【0047】
リール停止時間が190msを超えたときだけ、位相信号を取得する。すなわち、遊技機のリールストップスイッチ信号がオンしてからリールが停止するまでの間、ステッピングモータの位相信号の状態が変化する毎に、リールストップスイッチ信号及び全ての位相信号の状態を、経過時間データを付して仮データとして一時記憶する。そして、リール停止時間が190msを超えなかった場合、取得した仮データを破棄する。リール停止時間が190msを超えたときだけ、取得した仮データを正規のデータ(第3検査データ)として記憶する。取得した全ての仮データは、一旦、第2メモリ回路239に書き込まれる。そして、書き込んだ仮データが不要なものであるときには、次の仮データを書き込むときに、その不要な仮データの領域に上書きする。取得した仮データのうち正規のデータとして残すときには、次の仮データを書き込むときに、その正規のデータが書き込まれた領域の次の記憶領域(次の行)にデータを格納する。本実施形態では、第2メモリ回路239を2次元メモリ(画像用フレームメモリ)として使用し、ここに位相信号のデータを記憶している。この第2メモリ回路239は本来、フレーム用、すなわち映像用のメモリである。このメモリに位相信号のデータを記憶する。取得した仮データを破棄するときには、今、書き込んだデータの先頭の行に戻る復帰命令を出す。これにより、重ねが書きを行うことができ、不要な仮データを消去することができる。取得した仮データが必要なデータであるときには、改行命令を出す。これにより、次の仮データは、前回記憶した仮データの次の行に書き込まれる。本実施形態の2次元メモリ(画像用フレームメモリ)である第2メモリ回路239では、1152信号×2ラインを一つの記憶単位として扱う。本実施形態のこのメモリの一行が1152の信号データを記憶する容量を持っているので、このメモリの2ライン分を用いて仮データを記憶することとしている。通常、リールが1回転するのに約500パルスを要する遊技機の場合、リールストップスイッチ信号がオンしてから約4.5回転停止しなくても、モーターの位相信号の変化点のデータを記憶できる。通常のリールの滑りの場合、約1/4回転であるから、4.5回転の滑りまで、記憶できる容量を備えていれば、十分である。
【0048】
図11は、第3検査データを説明するためのタイミングチャートである。第3検査データは、リールストップスイッチ信号のオン時点を起点として、ステッピングモータの位相信号が変化する毎(変化点毎)に、リールストップスイッチ信号及び全ての位相信号のデータに経過時間データを付して記憶する。図11に示すタイミングチャートの場合、リールストップスイッチ信号がオンになったとき(a時点)からリールの停止を検出するまで(s時点)の位相信号の変化点データを取得する。各変化点で取得するデータは下記のようになる。
【0049】
LSB MSB
a時点 00111+経過時間データ(10μs)
b時点 11011+経過時間データ
c時点 11101+経過時間データ
d時点 11110+経過時間データ
e時点 10111+経過時間データ
f時点 11011+経過時間データ
g時点 11101+経過時間データ
h時点 11110+経過時間データ
i時点 10111+経過時間データ
但し、上記では、リールストップスイッチ信号をLSBとしてバイナリー表記している。また、経過時間データは、10μs単位を36ビットで記憶する。したがって、連続した最大記憶時間は、約190時間となる。
【0050】
上記のようにして取得した第3検査データは、リールが190msを超えて停止したとき、すなわち回胴停止時間エラーが発生したときの証拠資料として使用することができる。なお、集計用パーソナルコンピュータは、第3検査データであるリールストップスイッチ信号及び位相信号のデータに基づいて、回胴停止時間エラーが発生した回数を解析して、その回数を画面に表示する。
【0051】
[動作時間に関する性能試験] 本実施形態の装置は、上記の包括的な試験だけでなく、動作時間に関する性能試験を個別に行うことができる。動作時間に関する性能試験には、リールの自動停止時間(30秒を越える)の測定、リール停止時間(190ms)の測定、ゲーム時間の測定及びリールの回転時間(750ms以上)の測定がある。ここでは、リールの回転時間の測定について説明する。リールの回転時間は法により1回転の時間が750ms以上と規定されている。したがって、試験対象となる遊技機のリールの回転時間がこの時間以上であるか否かを試験する必要がある。
【0052】
入出力基板24の回胴回転時間測定回路346は、リールのストップ可能ランプ信号がオンした後のインデックス信号のオンを検出して時間カウンタ347を動作させて測定を開始し、次のインデックス信号がオンを検出したときに、時間カウンタ347の動作を停止することにより測定を終了する。時間カウンタ347の計測値は、集計用パーソナルコンピュータに送られる。集計用パーソナルコンピュータは、この計測値のデータに基づいて、リール回転時間を画面に表示する。
【0053】
ところで、上述したように、インデックス信号が一つでない場合もある。例えば、図柄の数分だけ、インデックス信号を出力する遊技機がある。この場合、他の通常の遊技機の測定方法では、リールの回転時間を測定することはできない。このような遊技機の場合、本来のインデックス信号のパルス幅は、他のインデックス信号のパルス幅より広くしている。したがって、リールが一回転する間に送出される複数のインデックス信号の中から、フィルタ回路により、幅の広いパルス信号だけ、取得するようにすれば、真のインデックス信号のみを抽出できる。このようにして抽出した真のインデックス信号を用いて上記のリール回転時間の測定を行う。
【0054】
[実施形態の効果] 上記の本実施形態によれば、複数の検査対象信号のうちの何れか1つの信号の状態が変化したときに、全ての検査対象信号の状態を、経過時間データを付加して第1検査データとして記憶し、この記憶した検査データを解析することにより、従来、風営適正化法に定められた各検査項目毎に個別に行っていた回胴式遊技機の性能試験を、一度にまとめて行うことができ、回胴式遊技機の性能試験のための労力及び時間を節減することがきる。
【0055】
また、上記の本実施形態によれば、第1カウンタの値と第2カウンタの値の差から各回胴式遊技機の各回胴の停止図柄を解析することができ、更に予め各図柄を識別するための数値を決めておくことにより、停止図柄の解析結果を数値でリアルタイムに画面に表示することができる。
【0056】
また、上記の本実施形態によれば、第3検査データを解析することにより、回胴停止時間が法で規定された規定値190msを超えて停止したときの回数を、リアルタイムに画面に表示することができる。また、回胴停止時間が法で規定された規定値190msを超えて停止したことを裏付ける証拠として、第3検査データを使用することもできる。
【0057】
更に、上記の本実施形態によれば、インデックス信号を用いて、回胴の回転時間が法で定められている所定時間(750ms)以上であるか否かを測定し、測定時間をリアルタイムに画面に表示することができる。また、本実施形態によれば、リールが一回転する間に、複数のインデックス信号を出力する回胴式遊技機でも、回胴の回転時間を測定することができる。
【0058】
[他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、回胴式遊技機の性能を検査するための検査対象信号を挙げているが、本発明は前述した検査対象信号に限定されるものではなく、前述した検査対象信号より少なくても良いし、多くても良い。
【0059】
また、上記の実施形態では、第1メモリ回路及び第2メモリ回路に、ある程度の検査データを溜め込んでから、これらの検査データを集計用コンピュータに転送する場合について説明したが、検査データを取得する毎に、その検査データを集計用コンピュータに転送するようにしてもよい。
【0060】
また、10μsのサンプリングクロックは、基準クロックを分周して得ている。本発明は、この10μsに限定されるものではない。
【0061】
また、上記の実施形態では、4台の遊技機を試験することができる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検査する遊技機は3台以下であっても良いし、5台以上であっても良い。また、1台の遊技機を試験する場合には、他の3組の入力基板と入出力基板は省略することも可能である。
【0062】
更に、上記の実施形態では、リール停止時間の規定値が190msである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、この値は変更可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1検査データ取得手段が取得した第1検査データと第2検査データ取得手段が取得した第2検査データに基づいて解析を行うことにより回胴式遊技機の性能試験を一度にまとめて行うことができ、したがって回胴式遊技機の性能試験のための労力及び時間を節減することがきる回胴式遊技機用試験装置を提供することができる。
【0064】
また、停止時間エラーデータ取得手段が取得した第3検査データに基づいて、回胴停止時間エラーが発生した回数を解析することができ、したがって回胴式遊技機の性能試験のための労力及び時間を更に節減することがきる回胴式遊技機用試験装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施形態である回胴式遊技機用試験装置の概略ブロック図である。
【図2】 CPU基板21の概略ブロック図である。
【図3】 入力基板の概略ブロック図である。
【図4】 停止時間エラーデータ取得回路236の概略ブロック図である。
【図5】 入出力基板24の概略ブロック図である。
【図6】 入出力基板24の主回路241の概略ブロック図である。
【図7】 バッファユニットの概略ブロック図である。
【図8】 第1検査データを説明するためのタイミングチャートである。
【図9】 第2検査データを説明するためのタイミングチャートである。
【図10】 第2検査データのビット構成を示す図である。
【図11】 第3検査データを説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
11: 試験装置本体、 12: 集計用パーソナルコンピュータ、
13: バッファユニット、 21: CPU基板、
22: インタフェース基板、 23: 入力基板、
24: 入出力基板、 31: インタフェース基板、
32: 乱数発生基板、 33: ハードディスク、
60: ISAバス、 211: CPU、 212: ROM、
213: RAM、 234: 第1入力サンプリング回路、
235: 第2入力サンプリング回路、
236: 停止時間エラーデータ取得回路、 237: 第1メモリ回路、
238: メモリコントロール回路、 239: 第2メモリ回路、
331: 停止検出回路、 332: 停止時間エラーデータ検出回路、
346: 回胴回転時間測定回路

Claims (6)

  1. 回胴式遊技機を試験するための検査用プログラムを搭載する回胴式遊技機用試験装置であって、
    乱数値を生成して出力する乱数発生手段と、
    回胴式遊技機を動作させるために、回胴式遊技機が出力する遊技状態を示す遊技状態信号を取得して、回胴式遊技機の各遊技状態に応じて遊技者が行う操作に対応する制御信号を生成して出力する制御信号出力手段と、
    前記遊技状態信号のうち回胴を回転駆動するステッピングモータの位相信号以外の遊技状態信号及び前記制御信号出力手段が出力する制御信号を受信し、受信した信号のうち何れか1つの信号の状態が変化したタイミングで、受信した全ての信号の状態を、経過時間データを付して第1検査データとして記憶する第1データ取得手段と、
    前記ステッピングモータの位相信号の入力が一定時間なかったときに、前記ステッピングモータの回転が停止したと判断して回胴停止信号を出力する停止検出手段と、
    各回胴ごとに、各回胴が一回転する毎に1個出力される回胴式遊技機からのインデックス信号が入力すると、カウンタ値をクリアすると共に回胴式遊技機が出力する前記ステッピングモータの位相信号の数をカウントし、前記制御信号出力手段が出力する回胴の回転を停止するための停止スイッチ信号が入力するとカウントを停止する第1カウンタと、前記インデックス信号が入力するとカウンタ値をクリアすると共に回胴式遊技機が出力する前記ステッピングモータの位相信号の数をカウントし、前記停止検出手段からの前記回胴停止信号を受けたときにカウントを停止する第2カウンタとを有し、前記タイミングで前記第1カウンタの値及び前記第2カウンタの値を、経過時間データを付し、さらに第1カウンタのデータであるのか第2カウンタのデータであるのかを識別するためのカウンタ識別情報、及び、どの回胴のデータであるのかを識別する回胴識別情報を付与して第2検査データとして記憶する第2データ取得手段と、
    前記第1検査データに基づいて検査対象項目の回数や率等を解析し、前記第2検査データのうちの前記第1カウンタが停止したときの値と前記第2カウンタが停止したときの値の差から、前記回胴停止スイッチ信号のオンにより回胴が停止したときの図柄を解析する解析手段と、
    を具備することを特徴とする回胴式遊技機用試験装置。
  2. 前記回胴停止スイッチ信号がオンになってから、回胴の回転が停止するまでの時間を計測する時間測定手段を備え、一の回胴について前記回胴停止スイッチ信号がオンになってから回胴の回転が停止するまでの間、前記ステッピングモータの位相信号のうち何れか1つの位相信号の状態が変化したときに、前記回胴停止スイッチ信号及びその回胴の全ての位相信号の状態を、経過時間データを付して仮データとして一時記憶し、前記時間測定手段が計測した時間が予め定めた一定の時間内であるときに、前記仮データを破棄し、前記時間測定手段が計測した時間が予め定めた一定の時間を越えたときに、前記仮データを第3検査データとして記憶する停止時間エラーデータ取得手段を備え、
    前記解析手段は、前記第3検査データに基づいて回胴停止時間が規定値を超えた回数を解析するものであることを特徴とする請求項1記載の回胴式遊技機用試験装置。
  3. 前記第2カウンタは、前記第1カウンタがカウントを停止した後にインデックス信号が入力しても、カウンタ値をクリアしないことを特徴とする請求項1又は2記載の回胴式遊技機用試験装置。
  4. 前記第2データ取得手段は、前記第1カウンタがカウントを停止したときに取得した前記第2検査データ、及び前記第2カウンタがカウントを停止したときに取得した前記第2検査データには有効である旨の識別情報を、並びに前記有効とした第2検査データ以外の第2検査データには無効である旨の識別情報を付加することを特徴とする請求項1、2又は3記載の回胴式遊技機用試験装置。
  5. 回胴が一回転する間に複数のインデックス信号を出力する回胴式遊技機を試験するときには、予め定めた所定のパルス幅を有するインデックス信号を真のインデックス信号として抽出すると共に、他のインデックス信号は偽のインデックス信号として破棄する信号抽出手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の回胴式遊技機用試験装置。
  6. 前記試験は、予め定めた所定回数のゲームを行うものであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の回胴式遊技機用試験装置。
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