JP3885123B2 - Zn−Al合金線の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は構造用鋼材の防食用溶射材、フィルムコンデンサーの電極導出材、およびAl製熱交換器中におけるAl管体表面への防食等の用途に使用される溶射材等に適用可能なZn−Al合金線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、Zn−Al合金線の製造には金型鋳造や半連続鋳造によりZn−Al合金インゴットを製造後、熱間溝ロール圧延法や熱間押し出し法によって熱間加工し、ついで冷間加工で仕上げるバッチ式加工法(特開平6−228686、特開平11−181562)が用いられてきた。しかし、バッチ式加工法では得られた線材の品質が不均一で表面品質も悪い。加えて単重が大きく長尺な製品を製造するためには、さらにバッチ式加工法で得られた合金線を溶接して長尺化する工程が必要となり、生産性が低く製造コストが高かった。
【0003】
一方、純Znまたは添加成分1質量%以下のZn合金においては、プロペルジ式鋳造機と連続圧延機を組み合わせた連続鋳造圧延法による線材の製造も試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の連続鋳造圧延法を2質量%以上のAlを含有するZn−Al合金に適用すると、圧延工程の際に線材にクラックが発生して線材が破断し良好なZn−Al合金線を製造することは出来ていない。そこで、本発明は、Zn−Al合金の合金組成の検討、圧延工程でのZn−Al合金鋳塊温度の検討により、品質が均一で表面品質の良い2〜35質量%のAlを含有するZn−Al合金線の製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
の発明は、
Znと、不可避不純物と、2〜4.7質量%または5.7〜35質量%のAlと、からなるZn−Al合金溶湯を製造する工程と、
当該Zn−Al合金溶湯を、温度120〜280℃のZn−Al合金鋳塊とする工程と、
当該温度120〜280℃のZn−Al合金鋳塊を圧延してZn−Al合金線とする工程とを、有することを特徴とするZn−Al合金線の製造方法である。
【0006】
第2の発明は、
前記Zn−Al合金鋳塊は、線状の鋳塊であることを特徴とする、請求項1に記載のZn−Al合金線の製造方法である。
【0007】
第3の発明は、
前記Zn−Al合金溶湯温度が400℃〜650℃であることを特徴とする、請求項1または2に記載のZn−Al合金線の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態にかかるZn−Al合金線製造装置の構成の一例を示す図であり、図2はZn−Al合金線製造装置の他例の構成を示す図である。これらZn−Al合金線製造装置、およびこの装置を用いた該合金線の製造方法について説明する。なお、図1、2において共通する部分は同一の符号を付しまとめて説明する。
【0009】
図1に示すZn−Al合金線製造装置は、連続して鋳塊を鋳造する鋳造装置としてロータリーストリップキャスティング機2を用いた例で、給湯炉1、ロータリーストリップキャスティング機2、連続圧延機3、及び巻き取り機4より構成される。給湯炉1は、図示されていない合金調合炉で調合されたZn−Al合金溶湯を受け入れて溶湯の状態のまま保持し、所定時間毎に一定量のZn−Al合金溶湯をロータリーストリップキャスティング機2へ供給するものである。供給された合金溶湯はロータリーストリップキャスティング機2によって連続的に線状の鋳塊へと鋳造される。この鋳塊は連続圧延機3へ送られ、横型のローラーダイス33A〜Hと縦型のローラーダイス34A〜Gを通過するうち所望の線径を有するZn−Al合金線材となり、巻き取り機4に巻き取られて製品となる。
【0010】
図2は連続して鋳塊を鋳造する鋳造装置として横型連続鋳造装置5を用いた例である。この例において、Zn−Al合金線製造装置は横型連続鋳造装置5、連続圧延機3、及び巻き取り機4より構成される。横型連続鋳造装置5は、図示されていない合金調合炉で調合されたZn−Al合金溶湯を樋52よりルツボ53に受け入れて溶湯の状態のまま保持する。保持された溶湯は所定時間毎に一定量が鋳型54を通過して横型連続鋳造装置5の外へ導出されるが、この鋳型54通過の際に冷却されて線状のZn−Al合金鋳塊へと鋳造される。鋳造された線状のZn−Al合金鋳塊は、前述のロータリーストリップキャスティング装置の場合と同様に連続圧延機3へ送られ線材化の後、巻き取り機4に巻き取られて製品となる。
【0011】
以下、図1、2に基づいてZn−Al合金線製造装置の詳細を説明し併せてZn−Al合金線製造方法を説明する。
【0012】
1)溶湯炉1 溶湯炉1は炉体11と樋12から構成されている。炉体11の外周には図示されない加熱装置が設置されており、炉体内部の金属溶湯を所定の温度に保持できる。この保持された金属溶湯は樋12を通じて、所定時間毎に一定量がロータリーストリップキャスティング機2へ供給される。
【0013】
Zn−Al合金線製造の際は合金調合炉(図示されていない)で調合された2〜4.7質量%または5.7〜35質量%のAlを含有するZn−Al合金を炉体11中に受け入れ、400〜650℃で保持するのが好ましい。この炉体11に保持されたZn−Al合金溶湯は樋12を通じて、所定時間毎に一定量がロータリーストリップキャスティング機2へ供給される。そして、その供給量は後工程の製造処理能力によって適宜決定される。
【0014】
2)ロータリーストリップキャスティング機2 ロータリーストリップキャスティング機2は、鋳造ホイール21、ロール22、23、24とこれらのホイール、ロールの間を回転する鋼帯25、および鋳造ホイール内に冷却用水噴射装置26、ロータリーストリップキャスティング機2に隣接して冷却用水噴射装置27から構成されている。鋳造ホイール21には中央に鋳型溝が切られており、樋12から供給される金属溶湯がこの鋳型溝と鋼帯25の間に挟まれ、さらに冷却水噴射装置26により冷却され線状の鋳塊へと鋳造される。得られた鋳塊は冷却用水噴射装置27で冷却し適宜な温度範囲内に制御され次工程の連続圧延機3へ送られる。
【0015】
Zn−Al合金線製造の際は鋳造ホイール21の鋳型溝断面の形状を容易に鋳塊が取り出せるように台形状とした。得られる鋳塊の断面積は100〜350mm2となる。鋳造速度は1〜10m/minとするのが好ましい。またその際、冷却水噴射装置27を制御して、次工程の連続圧延機3の入り口におけるZn−Al合金鋳塊温度の好ましい範囲は120〜280℃、さらに好ましい範囲は180〜260℃である。
【0016】
3)連続圧延機3 連続圧延機3はサイドトリミングカッター31とアンダーエッジカッター32および横型のローラーダイス33A〜33H、縦型のローラーダイス34A〜34Gから構成されている。ロータリーストリップキャスティング機2で鋳造された金属鋳塊は、前述のホイール21の鋳型溝と鋼帯25の間に挟まれて鋳造される際にはみ出しが発生して不規則な断面形状を有しているので、圧延工程へ入る前にサイドトリミングカッター31とアンダーエッジカッター32で整形し、断面を台形とする。整形された金属鋳塊は横型のローラーダイス33A〜33Hと縦型のローラーダイス34A〜34Gを交互に通過するが、これらを通過する度に線径が絞られ線材化していく。ローラーダイスの数、ローラーダイスの径、およびローラーダイスの形状や圧延スケジュール(減面率)は金属鋳塊の性質や線材に求められる線径により適宜決定される。図1、2に示す連続圧延機3は横型のローラーダイス33A〜33Hを8段、縦型のローラーダイス34A〜34Gを7段備える15段連続圧延機の例である。
【0017】
Zn−Al合金線製造の際はロータリーストリップキャスティング機2で鋳造された断面積100〜350mmの台形状のZn−Al合金鋳塊をサイドトリミングカッター31とアンダーエッジカッター32で整形し、断面を六〜八角の多角形とする。この整形されたZn−Al合金鋳塊を5段以上の多段圧延機を用い、前述した鋳造速度と同期をとった速度で連続圧延をおこなうことが好ましい。また、前述したように連続圧延機3の入り口におけるZn−Al合金鋳塊温度は好ましくは120〜280℃さらに好ましくは180〜260℃とする。これはZn−Al合金鋳塊温度が高すぎる場合、Zn−Al合金鋳塊とローラーダイスとの間で焼き付きが発生し、ローラーダイスが破損してしまうのを防ぐためである。一方、Zn−Al合金鋳塊温度が低すぎる場合、Zn−Al合金鋳塊の変形抵抗が大きくなり過ぎ、ローラーダイスを通過する際、合金線にクラックが発生して断線してしまうためである。このようにして、線径3〜15mmφを有し2〜4.7質量%または5.7〜35質量%のAlを含有するZn−Al合金線材を連続鋳造法により得ることができた。
【0018】
4)巻き取り機 所望の線径となった線材は巻き取り機4で巻き取られ製品となる。なお、さらに細い線径の線材が必要な場合は一般的な伸線機を用いてさらに伸線することも可能である。
【0019】
5)横型連続鋳造機5 横型連続鋳造機5にはルツボ53と鋳型54があり、樋52からルツボ53へ金属溶湯が供給される。ルツボ53の外周には図示されない加熱装置が設置されており、ルツボ53内部の金属溶湯を所定の温度に保持できる。鋳型54はルツボ側をヒーター55で加熱され、圧延機側を水冷ジャケット56により冷却されている。ルツボ53より鋳型54へ導出された金属溶湯は鋳型中で冷却され固体化し線状の金属鋳塊となる。得られた金属鋳塊は冷却用水噴射57で適宜な温度に冷却され、前述の連続圧延機3へ送られる。送られた金属鋳塊はローラーダイスを通過して所望の線径を有する線材となり、巻き取り機4に巻き取られて製品となる。
【0020】
Zn−Al合金線製造の際は合金調合炉(図示されていない)で調合された2〜4.7質量%または5.7〜35質量%のAlを含有するZn−Al合金をルツボ53に受け入れ、400〜650℃で保持するのが好ましい。鋳型54に付設されたヒーター55は400〜650℃に設定するのが好ましく、水冷ジャケット56は冷却水量を適宜制御して30〜80℃に設定するのが好ましい。得られるZn−Al合金鋳塊は略円形の断面を有し径は8〜30mmφとなる。鋳造速度はピンチロール58の調整により50〜500m/minとするのが好ましい。またその際、冷却水噴射装置57を適宜に制御して、次工程の連続圧延機3の入り口におけるZn−Al合金鋳塊温度を好ましくは120〜280℃さらに好ましくは180〜260℃とする。横型連続鋳造機5で鋳造されたZn−Al合金鋳塊は連続圧延機3に入るが、断面形状は略円形なのでサイドトリミングカッター31とアンダーエッジカッター32を用いることなく、前述のようにローラーダイスを通過して所望の線径を有する線材となり、巻き取り機4に巻き取られて製品となる。
【0021】
ここで、本発明者がZn−Al合金線材を製造するにあたり、2〜4.7質量%および5.7〜35質量%の好ましいAl含有量を見出すに至った試験研究について説明する。
【0022】
まず横型連続鋳造機5を用いてAl含有量を3〜8%迄変化させたZn−Al鋳塊試料を調製した。次にこの試料に対しマイクロビッカースによる硬度測定、20mm/minと100mm/minの速度による引っ張り強度と伸びの測定、及び顕微鏡による断面組織の観察EPMAによる合金組織の観察をおこなった。
【0023】
マイクロビッカース法による硬度測定の結果を図3に示す。Zn−Al合金鋳塊試料はAl含有量2.8質量%、3.9質量%、4.9質量%、6.4質量%、8.0質量%、の5種類を調製した。ここでAl含有量はZn−Al合金鋳塊試料をICPで分析して得た実測値である。この結果からAl含有量2.8〜8質量%の範囲で硬度(mHv)を測定した結果は、Al含有量にかかわらず81.8〜85.2でほぼ一定であることが判明した。
【0024】
引っ張り強度と伸びの測定結果を図4に示す。横軸はZn−Al合金鋳塊試料をICPで分析して得たAlの含有量の実測値である。縦軸は試料の引っ張り強度(×10N/mm)及び伸び(%)の値である。尚この引っ張り強度及び伸びの試験は引っ張り速度20mm/min及び100mm/minの2点でおこなった。Zn−Al鋳塊試料は横型連続鋳造機で調製し、その際の鋳造速度は105mm/min及び200mm/minの2点でおこなった。図4における試験条件A、B、C、Dは各々、A:引っ張り速度20mm/min、鋳造速度105mm/min、B:引っ張り速度100mm/min、鋳造速度105mm/min、C:引っ張り速度20mm/min、鋳造速度200mm/min、D:引っ張り速度100mm/min、鋳造速度200mm/min、である。この結果からZn−Al合金鋳塊試料の20mm/minと100mm/minの速度による引っ張り強度と伸びは、Al含有量4.7〜5.7質量%の範囲で両速度において両者とも大きく低下しており、この範囲にZn−Al合金鋳塊の脆化域が存在していることが判明した。
【0025】
ICPによるAl含有量の実測値が2.8質量%、3.9質量%、4.9質量%、6.4質量%、8.0質量%であるZn−Al合金鋳塊試料断面の顕微鏡による50倍、200倍、1000倍の組織写真を図5に示す。この結果からAlの含有量4.9質量%の共晶組成において、ほとんどデンドライトが存在していないことが判明した。一方、Alの含有量2〜4.7質量%の亜共晶側、5.7〜35質量%の過共晶側はいずれの組成においてもAlの含有量5質量%の共晶組成から離れるに従って微細なデンドライトが増加していることが判明した。
【0026】
ICPによるAl含有量の実測値が3.9質量%、4.9質量%、6.4質量%、であるZn−Al合金鋳塊試料の中心部と表面部の断面のEPMAによる40倍、400倍、4000倍の組成像と4000倍のAl特性X線像を図6に示す。この結果からもAlの含有量4.9質量%の共晶組成では、中心部においても表面部においてもデンドライトがほとんど存在しないことが判明した。一方、Alの含有量3.9及び6.4質量%では、中央部においても表面部においても微細なデンドライトが析出していることが判明した。さらに、Al特性X線像より、Alの含有量3.9質量%の組織に析出しているデンドライトは、中央部においても表面部においてもZn内部にAlをわずかに固溶したβ相であり、Alの含有量6.4質量%の組織に析出しているデンドライトは、Al内部にZnをわずかに固溶したα相であることが確認できた。これらのことより、Zn−Al合金鋳塊の脆化域外において、組織中に微細に分散したα相またはβ相のデンドライトが、組織に応力が加わった際にピン止め効果を発揮することで引っ張り強度、伸びの向上に寄与しているのではないかと考えられる。
【0027】
以上の結果よりZn−Al合金鋳塊において、Al含有量4.7質量%を超え5.7質量%未満の範囲に脆化域が存在しており、この組成範囲のZn−Al合金鋳塊は圧延工程において要求される引っ張り強度、伸びを有していないことが判明した。そして、この組成範囲のZn−Al合金鋳塊は鋳造速度や冷却条件を変化させて結晶粒を微細化し、強度の向上を目論んだが圧延工程において必要な強度を得ることは困難なことが判明した。
【0028】
【実施例】
(実施例1)合金調合炉にてJISH2107に規定する電気Zn(純度99.995%以上)とJISH2102に規定するAl(純度99.90%以上)を溶解してAl4質量%のZn−Al合金溶湯を調製し給湯炉へ移送した。この該合金溶湯を給湯炉で440℃に保ちながら、ロータリーストリップキャスティング機へ10Kg/minで供給する。このロータリーストリップキャスティング機において、鋼帯の回転速6m/min、鋳造ホイールの鋳造溝の断面積225mm2、鋳造温度440℃、鋳造速度6m/minで鋳造をおこない、台形断面(上底13mm、下底17mm、高さ15mm)の鋳塊を得た。次に水冷を実施して圧延機入り口における鋳塊の温度を180〜260℃に制御した後、15段連続圧延機により、圧延温度250〜120℃、圧延速度6〜43m/min、で連続的に圧延を実施したところ、クラックの発生もなく良好な直径6mmφのZn−Al合金線を製造することができた。この直径6mmφのZn−Al合金線を一般的な伸線機を用いて1.6mmφの細線に伸線した後、アーク溶射機による溶射をおこなったところ、溶射特性および溶射された製品の品質特性に問題は発生しなかった。
【0029】
(実施例2)Zn−Al合金溶湯中のAl含有量を6.4質量%とし、他は実施例1と同様の条件で合金線を製造したところ、圧延工程においてクラックの発生もなく良好な直径6mmφのZn−Al合金線を製造することができた。この直径6mmφのZn−Al合金線を一般的な伸線機を用いて1.6mmφの細線に伸線した後、アーク溶射機による溶射をおこなったところ、溶射特性および溶射された製品の品質特性に問題は発生しなかった。
【0030】
(実施例3)JISH2107に規定する電気Zn(純度99.995%以上)とJISH2102に規定するAl(純度99.90%以上)を溶解してAl4質量%のZn−Al合金溶湯を調製した。この合金溶湯を横形連続鋳造装置装置へ移送し、鋳造温度450℃、引き抜き速度0.3m/minで鋳造をおこない、直径約16mmφのZn−Al合金鋳塊を作成する。次に水冷を実施して圧延機入り口における鋳塊の温度を180〜260℃に制御した後、15段連続圧延機により、圧延温度250〜120℃、圧延速度0.3〜3m/min、で連続的に圧延を実施したところ、クラックの発生もなく良好な直径5mmφのZn−Al合金線を製造することができた。
【0031】
この直径5mmφのZn−Al合金線を一般的な伸線機を用いて1.6mmφの細線に伸線した後、アーク溶射機による溶射をおこなったところ、溶射特性および溶射された製品の品質特性に問題は発生しなかった。また、得られたZn−Al合金線を用いて金属化プラスチックフィルムコンデンサーの電極導出用金属溶射をおこなったところ、溶射特性および溶射された製品の品質特性に問題は発生しなかった。さらに、得られたZn−Al合金線を用いて鉄鋼製品の防食用の溶射をおこなったところ、溶射特性および溶射された製品の品質特性に問題は発生しなかった。
【0032】
(比較例)Zn−Al合金溶湯中のAl含有量を5.2質量%とし、他は実施例1と同様の条件で合金線を製造したところ、圧延工程においてクラックが発生し、良好なZn−Al合金線を製造することができなかった。
【0033】
【発明の効果】
Zn−Al合金線の製造において、Alの含有量が2質量%を超えるものはバッチ式製造法により製造され、品質特性が不均一で表面品質も悪く製造コストも高かった。ところが本発明によりZn−Al合金において2〜4.7質量%および5.7〜35質量%のAlを含有する範囲で、Zn−Al合金線を品質特性が均一で表面品質が良く製造コストも低い連続鋳造圧延法で製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に係るロータリーストリップキャスティング機を用いたZn−Al合金線連続鋳造圧延プロセスの概要を示す図である。
【図2】本発明の実施に係る横型連続鋳造機を用いたZn−Al合金線連続鋳造圧延プロセスの概要を示す図である。
【図3】本発明の、Zn−Al合金におけるAl添加量と合金マイクロビッカースにより測定した硬度との関係である。
【図4】本発明の、Zn−Al合金におけるAl添加量と合金の引っ張り強度および伸びとの関係である。
【図5】本発明の、横形連続鋳造装置によりAl添加量を変化して鋳造したZn−Al合金鋳塊の断面組織写真である。
【図6】本発明の、横形連続鋳造装置によりAl添加量を変化して鋳造したZn−Al合金鋳塊のEPMA分析による組成像およびAl特性X線像である。

Claims (3)

  1. Znと、不可避不純物と、2〜4.7質量%または5.7〜35質量%のAlと、からなるZn−Al合金溶湯を製造する工程と、
    当該Zn−Al合金溶湯を、温度120〜280℃のZn−Al合金鋳塊とする工程と、
    当該温度120〜280℃のZn−Al合金鋳塊を圧延してZn−Al合金線とする工程とを、有することを特徴とするZn−Al合金線の製造方法。
  2. 前記Zn−Al合金鋳塊は、線状の鋳塊であることを特徴とする、請求項1に記載のZn−Al合金線の製造方法。
  3. 前記Zn−Al合金溶湯温度が400℃〜650℃であることを特徴とする、請求項1または2に記載のZn−Al合金線の製造方法。
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