JP3884945B2 - 眼鏡用レンズの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡用レンズの製造方法の改良に関し、更に詳しくは、対物側の前面部分は硬度が高くて形状変化の小さい光学ガラスで構成し、矯正屈折力を付与する接眼側の部分には緩衝性樹脂層を挟んで研磨容易な透視性合成樹脂を接合一体化させ、この合成樹脂層に対し、研磨加工を施して要求される矯正屈折率のレンズを無段階的に自由かつ安価に削り出すことができて、屈折異常ないしは調節異常を原因とする視力異常者の視力矯正に正確に適合した高性能の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、眼球の屈折異常ないし調節異常による人の視力障害には、毛様体の緊張を休めた状態のときに水晶体を通過した平行光線が網膜の前方に結像してしまう近視(Myopia)、毛様体の緊張を休めた状態のときに水晶体を通過した平行光線が網膜の後方で結像する遠視(Hypermetropia) 、眼球における経線方向と緯線方向との屈折力が一様を欠いた乱視(Astigmatismus) 、加齢老化による水晶体の弾力性が減退し近接視力が劣化する老視(Presbyopia)、更には近視又は遠視と乱視とが複合した形態、その上に老視が複合した形態の視力障害がある。
【0003】
しかして、近視には裸眼で網膜の前方にある結像位置を網膜上に補正せしめるマイナス度数の凹レンズ、遠視には裸眼で網膜の後方にある結像位置を網膜上に補正せしめるプラス度数の凸レンズ、乱視には裸眼で経緯不均衡な屈折力を一様な状態に補正するシリンダーレンズ、近視又は遠視と乱視とが併在している場合には凹レンズ又は凸レンズとシリンダーレンズとを複合させたトーリック・レンズ(Toric lens)を用いて視力の矯正を図る。また、老視にあっては、約33〜25cmの近接位置で明瞭視力が確保できる度数の凸レンズを用いて近接作業(例えば、読書、筆記、裁縫など)に供するようにしている。
【0004】
ところで、近視又は遠視矯正用の凹レンズや凸レンズは既製品として市販されており、通常、0.5 dを最低度数として0.25d(凹レンズは「−」、凸レンズは「+」)刻みにて段階的に屈折力が上る序列体系で提供されている(こゝにいうdとは、レンズの屈折率の単位 [ジオプター=diopter]であって、メートル単位で表わした焦点距離の逆数(1/f) を意味する)。しかしながら、このように規格化された序列体系で提供される眼鏡レンズは、量産化のメリットとして製造コストを低減化できるのであるが、その最大の欠点は視力矯正を必要とする人に眼鏡レンズがピッタリしないことが多いということである。例えば、近視者の視力矯正に必要とされる理想の凹レンズが 0.85 dとすると、既製品では0.75d又は1.00dのものしか得られないため、これら何れかの度数のレンズで妥協しなければならず、結局、理想的な矯正視力を得ることができない。このような場合、通常は大きい度数(d)のレンズを選ばされるのであり、お客は眼精疲労を我慢させられる。眼鏡に目を合わせよという不合理が罷り通っているのである。
【0005】
これに対し、オーダーメイドの眼鏡レンズにあっては、上記のような不合理を味わわなくて済む。しかし、眼鏡レンズをオーダーメイドで購入する場合には、非常に高額の出費が必要となる。例えば、合成樹脂製の眼鏡レンズをオーダーメイドすると、その人にピッタリの度数の只一対のレンズを成形するために特別の成形型を準備しなければならず、成形型の費用負担が重く伸し掛かる。左右の目が不同視の場合には、更に負担が大きい。
【0006】
もっとも、光学ガラスの眼鏡レンズを研磨加工により製造する場合には成形型は不要であり、一見安く得られるように思えるかも知れない。ところが、その人にピッタリの眼鏡レンズを光学ガラスの研磨加工で製造するには、光学ガラスは硬度が高いために高精度の設備と高度の技術、それに時間を要するのであって、決して安価に得られるものではなくて、非常にコスト高となる。そして、高価なコストを掛けて得たガラス製の眼鏡レンズの何よりの欠点は、眼鏡として掛けたときに大変重いということである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の眼鏡レンズにおける前述のごとき欠点を改善しようとして為されたものであって、その人の屈折異常の視力矯正に必要な度数(d)にピッタリしたオーダーメイド的な眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを従来周知のオーダーメイド品に比較して驚くほど安価に作ることができる合理的な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、全体が光学ガラスから成るガラス製眼鏡レンズのように重たくなく、また全体が合成樹脂にて組成されたプラスチック製眼鏡レンズのように変形したり劣化したりすることもない眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズの製造方法を提供するにある。
【0009】
さらに、本発明の他の目的は、簡素な研磨装置により研磨加工を施すことにより顧客にピッタリした矯正度数の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを簡易かつ安価に製造することができ、かつ、そのような眼鏡用レンズを高能率で製造することができる方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するために採用した手段】
本発明者が上記の目的を達成するために採用した手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0011】
【0012】
即ち、本発明は、外面カーブを有する光学ガラスレンズ1 ' の内面側に透明性の接着剤を塗布して当該光学レンズ1 ' の内面に緩衝性樹脂層3を設けるか、この緩衝性樹脂層3上に透視性合成樹脂板2 ' を接着させるか、もしくは、光学レンズ1 ' の内面に透視性合成樹脂フィルム3 ' を貼着し、こうして貼着された合成樹脂フィルム3 ' 面に透明な接着剤を塗布することによって緩衝性樹脂層3を設けるかしたうえで、こうして形成された緩衝性樹脂層3の上に透視性合成樹脂板2 ' を接着させることにより緩衝性樹脂層3を挟んでガラス層1と前記透視性合成樹脂板2 ' が接合一体化した合成樹脂層2から成るレンズブロック B を得た後、
あるいはまた、外面カーブを有する光学ガラスレンズ1 ' の内面側に伸縮性のある透視性合成樹脂フィルム3 ' を貼着してキャスティング・ダイDに配置し、前記合成樹脂フィルム3 ' 上にキャスティング・レジンを流し込んで硬化させることにより、前記合成樹脂フィルム3 ' の介在によって形成された緩衝性樹脂層3を挟んでガラス層と前記透視性合成樹脂板2 ' が接合一体化した合成樹脂層2から成るレンズブロック B を得た後、こうして緩衝性樹脂層3を挟んで形成されたレンズブロックBにおける合成樹脂層2に対し曲面研磨加工を施して、装用者の屈折異常視力の矯正に適合する度数(d)の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを製造するという方法的手段を逐次的に施すことによって前述の目的を達成した点に特徴がある。
【0013】
そこで、本発明を構成する技術要素について注釈すれば、次のとおりである。
1) 本発明において対物側のガラス層1の素材として用いる光学ガラスは、クラウン系 ガラス、フリント系ガラス、あるいはクラウン・フリント系ガラスなど、従来周知の光 学ガラスが採択可能である。この場合において、形成されるガラス層1の外面には凸面 カーブを形成しておくのがよい。このガラス層1は、薄ければ薄いほど完成品となった 際の眼鏡レンズを軽量にできるが、0.5 mm〜1.2 mm程度のものを用いれば十分に役立つ 。
2) また、このガラス層1を構成する素材としては、一部に凸レンズ作用を有するバイフ ォーカル(byfocal) 部11が一体に埋込み成形された光学ガラス板を用いるならば、ガラ ス層1部分に多焦点レンズ機能を分担させることができ凸凹のない遠近両用の眼鏡レン ズを得ることができる。この場合、ガラス層1の厚さは1.3 mm〜2.9 mmのものを用いる ものとする。
3) また、接眼側の合成樹脂層2は、チオールアクリレート樹脂、チオールメタアクリレ ート樹脂、チオールウレタン樹脂、臭素化ビスフェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂 などのごとき合成樹脂材料を射出成形して製した透視性合成樹脂板を上記ガラス層1の 内面に後述の緩衝性樹脂層を挟んで張り合わせてもよく、また、上記ガラス層1の内面 に設けた緩衝樹脂層上にジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂などを主剤 とするキャスティング・レジンを用い注型法によって層着させてもよい。
4) 緩衝性樹脂層3を形成する素材としては高透明性のポリビニル・ブチラール(polyvin yl butyral) 樹脂やポリビニル・アルコール(polyvinyl alcohol)など透明度が高くて 伸縮性のある合成樹脂フィルムを採択できるが、フィルム形態ではなく、これらの樹脂 液を塗布することによっても緩衝性樹脂層3を形成することができる。そして、これら の樹脂をフィルム形態でガラス層1の内面に張り合わせる場合には、透明で液状のウレ タン・プライマー、デービーボンド、エポキシ系接着剤などを塗布するものとする。
5) レンズブロックBにおける接眼側の合成樹脂層2に必要とする矯正屈折力を付与する 手段としては、当該レンズブロックBを保持して回転制御しつゝ、NC制御により摺削 ツールを3次元動作(X・Y・Z方向に駆動)せしめるNC荒摺り機(curve generator ) と、荒摺りされた前記合成樹脂層2の表面に研磨液を懸けながら研磨パッドを当て擦 って当該面を平滑な曲面に仕上げる仕上げ研磨機(buffing machines)とを用いればよい 。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な適用例である好ましい実施の形態を添附図面に基き、さらに詳しく説明する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1〜図7において、本発明における第1実施形態の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを製造するプロセスを示した説明図である。
【0016】
図1および図2において符号1′で指示するものは、厚さ 0.5mmの外側が凸面内側が凹面に成形されたクラウン・フリント系光学ガラスのウェハー(wafer) である。この光学ガラス1′の内面にポリビニル・ブチラール樹脂を主成分とする接着剤を塗布して、その上にチオールアクリレート樹脂を射出成形して得た周縁部の厚さが10mm、中心部の厚さが 15mm の外面側が凸面で内面側がフラット面の透視性合成樹脂板2′を重ね合わせる。この場合、接着剤を塗布した光学ガラス1′の凹状内面と透視性合成樹脂板2′の凸状外面とは同一曲率に成形してあるので接着剤が介在した状態で両者1′・2′はピッタリと適合することになる。そして、こうした状態で接着剤が硬化すると、ポリビニル・ブチラール樹脂から成る層厚 0.05mm の緩衝性透明樹脂層3が形成されて、光学ガラス層1と緩衝性透明合成樹脂3と合成樹脂層2は、全体として、直径が 70mm で周縁部の厚さが11.05mm 、中心部の厚さが 15.55mmの透明レンズブロックB(図3参照)を形成する。
【0017】
こうして作製されるブロックBはストックしておき、顧客から注文があると、当該顧客の視力矯正に必要とされる度数(d)の矯正屈折力を付与するために、まず 図4に示すような摺削ツールTを備えたNC荒摺り機の受け台Gに動かないようにセットする。前記摺削ツールTには先端部に微細なダイヤモンド砥粒が付着されており、32,000rpm の速度で回転しつゝ数値制御によりX軸・Y軸およびZ軸方向に精緻に運動する一方、受け台Gは一分間に2回転ほどの速度でユックリと連続回転する。
【0018】
こうして荒摺り加工されたレンズブロックB(1・2・3)は、仕上げ研磨機Aによって仕上げ研磨処理が施される。仕上げ研磨機Aの研磨加工部には、上記荒摺り処理が施された合成樹脂層2の内面を精密に研磨するバフを備えており、図示しない研磨液を懸けながら仕上げ研磨して、当該合成樹脂層2の内面を平滑な曲面に仕上げる(図5参照)。仕上げの研磨加工が終了したならば、研磨機Aからレンズを取り外して中性洗剤溶液の中で超音波洗浄を施すと、透視性の秀れた眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズが得られる(図6参照)。この図6に図示する眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズは、直径70mmで周辺部の厚さが10.8mm、中心部の厚さが7.5mm の近視用矯正レンズとして眼鏡フレームの左右両リム(図示せず)に装着されて、顧客の用に供される。
【0019】
なお、図6の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズは、近視用の眼鏡レンズとして曲面研磨加工が施されたものであるが、摺削ツールTを数値制御で3次元的に精密に荒摺り加工を施せるNC荒摺り機を用いる上記第1実施形態にあっては、遠視矯正用の凸レンズや老眼鏡用の凸レンズ、乱視矯正用のシリンダーレンズ、あるいは近視又は遠視と乱視とが併在する人の屈折異常を矯正するためのトーリック・レンズ、さらには遠近両用の累進焦点レンズや2重焦点レンズでも、制御数値の入力設定次第で自由に簡単に荒摺り加工を施すことができる。
【0020】
〔第2実施形態〕
図7および図8において符号1′で指示するものは、直径が70mmで厚さ 0.8mmの外側が凸面に成形されたクラウン・フリント系光学ガラスのウェハー(wafer)である。本第2実施形態では、光学ガラス1′の内面にポリビニル・ブチラール樹脂を主成分とする接着剤を塗布して、その上に厚さ 0.2mmのポリビニル・アルコール樹脂から成るフィルム3′を貼着する(図8参照)。
【0021】
ついで、光学ガラス・ウェハー1′に貼着されたポリビニル・アルコール樹脂フィルム3′の上に再びポリビニル・ブチラール接着剤を塗布してから、その上にポリカーボネート樹脂を射出成形して得た周縁部の厚さが12mm、中心部の厚さが12mmの外面凸で内面が凹の湾曲状の透視性合成樹脂板2′を重ね合わせて互いに接着させると、直径70mm、全体の厚さが一様に 13.02mmの湾曲面状のレンズブロックBが得られる(図9参照)。この場合、フィルム3′を貼着したウェハー1′の内面と透明合成樹脂板2′の外面とが同一形状で、接着面に隙間が空かないことは第1実施形態の場合と同様である。
【0022】
こうして得られたレンズブロックBは、NC荒摺り機の受け台Gにセットされて、摺削ツールTの数値制御による精密な荒摺り曲面加工が施されて顧客の異常視力矯正に必要な矯正屈折率を持った曲面が与えられる(図10参照)。こうして荒摺り処理により所要の曲面に形成されたレンズは、第1実施形態と同様の仕上げ研磨機にセットされて仕上げ研磨加工処理が施され、所定の洗浄処理を施して完成される。こうして得られた眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズは、直径 70mm で周辺部の厚さが12mm、中心部の厚さが7mmの凹レンズ機能を有しており、近視用矯正レンズとして顧客に供される。その他の遠視矯正用の凸レンズや老眼鏡用の凸レンズ、乱視矯正用のシリンダーレンズ、あるいは近視又は遠視と乱視とが併在する人の屈折異常を矯正するためのトーリック・レンズ、さらには遠近両用の累進焦点レンズや2重焦点レンズをも作製できることも、第1実施形態の場合と同様である。
【0023】
〔第3実施形態〕
図11において、符号bは上面が凹球面状の円盤形の下型、符号gは内部に成形キャビティーを形成する円筒形ガスケット、符号hは下面が凸面状の円盤形の上型であり、この上型hを円筒形ガスケットgの上部口縁に嵌合させ、前記下型bを円筒形ガスケットgの底部口縁に嵌合させることにより、キャスティング・ダイDが構成され、上型と下型との間にはキャスティング・レジンを注入するための成形空間が作出される。
【0024】
第3実施形態においては、直径が70mmで厚さが 2.9mm、中心を離れた周縁寄りの部分には度数4dの凸レンズ作用を有するバイフォーカル部11が一体に埋込み成形されたクラウン系光学ガラスのウェハーの内側凹面部にポリビニル・ブチラール樹脂を主成分とする接着剤を塗布して、その上に厚さ 0.4mmのポリビニル・ブチラール樹脂のフィルム3′を貼着して成るガラス・ウェハー(1′・2′)を作っておき、こうして準備されたガラス・ウェハーを下型b上に載置しガスケットgの点部口縁に嵌合させることによりキャスティング・ダイDの内部にセットする。
【0025】
他方、図12において、符号Mはモノマー・タンク、符号Cは触媒タンク、符号Pは混合器、符号Fは濾過器、符号Hはキャスティング・レジンを溜めるホッパーであり、このホッパーHは上記キャスティング・ダイDとパイプを介して連通しており、一定の圧力にてキャスティング・レジンをダイDの成形空間に注入することができる。
【0026】
本第3実施形態においては、モノマー・タンクM内にジエチレングリコールビスアリルカーボネート、触媒タンクCにはラジカル重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドが収容されており、これら両材料は混合器Pで適当な割合に混合されてキャスティング・レジンを組成し濾過器Fを通ってホッパーHに収容されることになる。そして、ホッパーHに収容された前記キャスティング・レジンは、キャスティグ・ダイDの成形空間内に注入されるのである。
【0027】
キャスティング・ダイDの成形空間に注入されたレジンは、そのまゝ初期重合温度条件として30〜45℃で2〜8時間保持し、初期重合が進んだ段階で10〜50時間ほどかけて、80〜100 ℃まで昇温させて重合させる。この段階でキャスティング・ダイDの中では、光学ガラス1と合成樹脂層2との間に緩衝性透明樹脂層3が介在した透視性のあるレンズブロックBが形成されている。かくして、重合が完了したところで、ガスケットgから前記レンズブロックBを取り外し、これを洗浄処理すると、図13に示すような形態の湾曲円盤状のレンズブロックBが完成する。第3実施形態において得られたレンズブロックBは、直径が 70mm 、厚さが14.9mmのサイズに成形されていた。
【0028】
こうして得られたレンズブロックBは、第1実施形態および第2実施形態の研磨加工を施すことによってバイフォーカル部11以外の部分が遠視用凸レンズ作用を呈し、バイフォーカル部11が老視用凸レンズとして作用する遠近両用の眼鏡レンズが得られる。なお、当該レンズの荒摺り研磨と仕上げ研磨については重複的説明を避けるものとする。
【0029】
本明細書に具体的に例示する本発明の実施形態は概ね上記のとおりであるが、本発明は前述の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更実施が可能であり、次のような変更実施は、何れも本発明の技術的範囲に属する。
1) 前述の各実施形態においては、ガラス層1を形成する光学ガラスはクラウン系あるい はクラウン・フリント系のガラスを用いる例だけしか例示してないけれども、これら の光学ガラスには合成樹脂レンズには混合できない種々の元素(例えば、ネオジウム などのレアメタル)や、そのまゝでは人体に有害な化合物でも混入して、様々な機能 を発揮させることが可能である。
2) 前述の各実施形態においては、接眼側の合成樹脂層2を形成する合成樹脂材料は何れ も無色透明の材料を用いているけれども、適宜の顔料を混入して色付にしたり調光作 用を付加したりすることも、またフォトクロミクス剤を混入して入射する光の波長に 応じて瞬間変色する機能を付加することも、更に紫外線吸収剤又は赤外線吸収剤を混 入して有害光線除去機能を付加することも可能である。
3) また、緩衝性透明樹脂層3を形成する素材として前述の各実施形態では完全に 無色透明の合成樹脂フィルムを用いる例を挙げているが、完全に無色透明でなくとも 、前方を透視できる程度の透視性で足り、例えば偏光フイルムや赤外線又は紫外線吸 収剤を含有したフィルムを採用することも当然に可能である。そして、上記合成樹脂 層2に紫外線吸収剤を含有させる一方、緩衝性透明樹脂層3を構成するフィルムには 赤外線吸収剤を含有させて両者を組み合わせると、紫外線および赤外線の両方とも除 去できる高機能の眼鏡レンズが得られる。
4) ガラス層1、合成樹脂層2、および緩衝性透明樹脂層3に各々別々の機能を発揮する 物質を混入して、これらの機能を相互補完的に、あるいは相乗的に作用させることに よって従来の単一組成の眼鏡レンズには保有させ得なかった機能を持たせることが可 能である。
【0030】
【発明の効果】
以上、実施の形態例を挙げて説明したとおり、本発明によれば、その人の異常視力の矯正に必要な度数(d)にピッタリしたオーダーメイド的な眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを従来周知のオーダーメイド品に比較して驚くほど安価に提供することが可能となるのであり、従来苦痛を余儀なくされていた既成レンズと実際視力の不一致を完全に解消することができ、正に理想的な眼鏡レンズの製造を可能したのである。
【0031】
また、本発明により製造される眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズは、全体が光学ガラスから成るガラス製眼鏡レンズのように重たくなく、また全体が合成樹脂にて組成されたプラスチック製眼鏡レンズのように外面が傷付き易くなく、またガラス層と合成樹脂層との間には薄い緩衝性樹脂層が介在しているので温度変化を履歴することがあったとしても、この緩衝性樹脂層がガラス層と合成樹脂層の膨張差を吸収して層間の辷りによる剥離を防ぐことができるのであって、使用性の面でも品質安定性の面でも頗る有利である。
【0032】
また、本発明方法にあっては、簡素な研磨装置を用いて研磨加工が施せるので顧客にピッタリした矯正度数の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを簡易かつ高能率に、そして安価に製造することが可能になる。
【0033】
このように本発明によれば、従来の眼鏡レンズにおいて不満とされていた問題点の多くを解決することができるにも拘わらず、実施化に伴う設備費も然程に大きくはないので、経済的にも実用的にも利点の多いものであり、その産業上の利用価値は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1実施形態において光学ガラス・ウェハーの内面に接着剤を塗布する工程を表わした工程説明図である。
【図2】 図2は、第1実施形態において透視性合成樹脂板を重ね合わせて接合する工程を表わした工程説明図である。
【図3】 図3は、第1実施形態で中間的に作製されるレンズブロックの端面説明図である。
【図4】 図4は、第1実施形態で中間的に作製されたレンズブロックをNC荒摺り機の受け台にセットし、摺削ツールによって荒摺り処理する工程を表わした工程説明図である。
【図5】 図5は、第1実施形態の荒摺り処理されたレンズブロックを仕上げ研磨機にセットして仕上げ研磨する工程を表わした工程説明図である。
【図6】 図6は、第1実施形態として作製された眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズの端面説明図である。
【図7】 図7は、第2実施形態において光学ガラス・ウェハーの内面に接着剤を塗布して透視性合成樹脂フィルムを貼着する工程を表わした工程説明図である。
【図8】 図8は、光学ガラス・ウェハーの内面に貼着したフィルムに接着剤を塗布して透視性合成樹脂板を接合する工程を表わした第2実施形態の工程説明図である。
【図9】図9は、第2実施形態で中間的に作製されるレンズブロックの断面図である。
【 図10】 図10は、第2実施形態で中間的に作製されたレンズブロックをNC荒摺り機の受け台にセットし、摺削ツールによって荒摺り処理する工程を表わした工程説明図である。
【図11】 図11は、第3実施形態に使用するキャスティング・ダイの分解斜視図であり、光学ガラス・ウェハーをセットする状態を表わしたものである。
【図12】 図12は、キャスティング・ダイにキャスティング・レジンを注入する工程を表わした第3実施形態の説明図である。
【図13】 図13は、第3実施形態で中間的に作製されるレンズブロックの断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス層
11 バイフォーカル部
1′ 光学ガラス・ウェハー
2 合成樹脂層
2′ 透視性合成樹脂板
3 緩衝性透明樹脂層
3′ 透明合成樹脂フィルム
A 仕上げ研磨機
B レンズブロック
C 触媒タンク
D キャスティング・ダイ
F 濾過器
G NC荒摺り機の受け台
H ホッパー
b 円盤状の下型
g ガスケット
h 円盤状の上型

Claims (3)

  1. 外面カーブを有する光学ガラスレンズ1'の内面側に透明性の接着剤を塗布して当該光学レンズ1 ' の内面に緩衝性樹脂層3を設け、この緩衝性樹脂層3上に透視性合成樹脂板2'を接着させることにより、前記緩衝性樹脂層3を挟んでガラス層1前記透視性合成樹脂板2 ' 接合一体化した合成樹脂層2から成る透視可能なレンズブロックBを得、こうして緩衝性樹脂層3を挟んで形成されたレンズブロックBの合成樹脂層2に対し、曲面研磨加工を施すことによって装用者の屈折異常視力の矯正に適合する度数 ( )の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを作製することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  2. 面カーブを有する光学ガラスレンズ1'の内面側に伸縮性のある透視性合成樹脂フィルム3'を貼着した後、こうして貼着された合成樹脂フィルム3'には透明の接着剤を塗布して緩衝性樹脂層3を形成し、この緩衝性樹脂層3上に当該緩衝性樹脂面にフィットする形状に成形された透視性合成樹脂板2'を接着させることにより、前記緩衝性樹脂層3を挟んでガラス層1に前記透視性合成樹脂板2 ' 接合一体化した合成樹脂層2から成るレンズブロックBを得、こうして緩衝性樹脂層3を挟んで形成されたレンズブロックBの合成樹脂層2に対し、曲面研磨加工を施すことにより装用者の屈折異常視力の矯正に適合する度数 ( )の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを作製することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  3. 外面カーブを有する光学ガラスレンズ1'の内面側に伸縮性のある透視性合成樹脂フィルム3'を貼着してキャスティング・ダイDに配置し、前記合成樹脂フィルム3'上にキャスティング・レジンを流し込んで硬化させることにより、前記透視性合成樹脂フィルム3 ' の介在によって形成された緩衝性樹脂層3を挟んでガラス層1に前記透視性合成樹脂板2 ' 接合一体化した合成樹脂層2から成るレンズブロックBを得、こうして緩衝性樹脂層3を挟んで形成されたレンズブロックBの合成樹脂層2に対し、曲面研磨加工を施すことにより装用者の屈折異常視力の矯正に適合する度数 ( )の眼鏡用ガラス−樹脂積層レンズを作製することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
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