JP3884372B2 - 回転センサ及びこれを用いた移動量検出装置並びに移動量検出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、被測定物の回転角度やこれに対応する直線的な変位量を検出するのに適した回転センサ及びこれを用いた移動量検出装置及び移動量検出方法に関する。
【0002】
【発明が属する技術分野】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車に装着されたパワーウィンドウ装置や電動シート装置等、車両搭載物のスライド量を測定するのに回転センサが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来型回転センサの一例として、回転センサ5は、図7に示すように、上部が開口した筐体51と、筐体51の開口部に被着されたカバー52と、筐体51の底部及びカバー52の中央部で支承されたシャフト61とを備えている。また、シャフト61は筐体内において円板状のプレート部62と結合され、プレート部62の周縁部には一定範囲にわたって導電性の導電板64が備わっている。そして、かかるシャフト61、プレート部62、及び導電板64とで回転センサ5のロテータ60を構成している。
【0004】
一方、ロテータ60の内側にはステータ70が配置されている。ステータ70は、プリント基板53及びスペーサ54を介して筐体に固定されている。そして、ステータ70は、コイル71及びコイル71が巻回されたボビン72からなるコイルコア73と、コイルコア73の周囲一定範囲に固着された導電板74とから構成されている。すなわち、ステ−タの導電板74はロテータの導電板64と一定の間隙を備えた状態で対向し合っている。そして、ロテータ60の回転に応じてステ−タ70とロテータ60の導電板同士の対向し合う面積が変化するようになっている。
【0005】
一方、ロテータのプレート部62とカバー52との間にはO−リング55が介装され、これによってシャフト61の軸支部分からコイルコア73や導電板64,74に液体等が侵入しないようにシールされている。
【0006】
また、カバー52から突出したシャフト端部にはプーリ65が結合され、プーリ65には金属製のワイヤ66が巻回されている。そして、ワイヤ66と連結されたシート等被測定物(図7には図示せず)のスライド量に応じてワイヤ66が引っ張られ(図7中、矢印A参照)、これに対応してプーリ65が回転し、これに応じてロテータの導電板64及びステータの導電板74によってコイルコア周囲を取り囲む面積が変化する。
【0007】
そして、ロテータの導電板64とステータの導電板74とで形成される遮蔽部分の面積の変化とコイルコア73で発生される磁束とから、導電板64,74に生じる渦電流が変化し、これに伴いコイルインダクタンスが変化する。このコイルインダクタンスの変化量を図示しない検出回路で検出することでシートのスライド量等、被測定物の移動量を検出するようになっている。
【0008】
なお、図7中、プーリ65とカバー52との間にはプーリ原点復帰用弾性体67が装着され、ワイヤ66の引っ張りが無くなると、弾性部材自体の弾性力によりプーリ65、即ちロテータ60が原点に復帰するようになっている。
【特許文献1】
特開2002−90177号公報(図5)
【0009】
この点についてより詳細に説明すると、従来型回転センサ5は、図8のシャフト端部の位置でシャフト61を軸支しており、このシャフト両端位置近傍部分がロテータ60の摺動部となる。
【0010】
そして、ロテータ60を摺動させるためには、シャフト61と筐体軸受部との間にある程度のクリアランスが必要になる。しかし、このクリアランスが大きすぎると、図8に示すようにシャフト61が筐体51に対して傾いてしまい、シャフト61に固定されたセンシング部と筐体51に固定されたコイルコア73(図7)との平行度が保たれなくなってしまう。その結果、センシング部とコイルコア73との距離が変動することになり、出力信号も変動し、回転センサ5の信頼性が低下する。
【0011】
一方、回転センサ5を取り付けるに当たってその周辺の他の部材間との干渉の問題もある。
【0012】
具体的には、上述の回転センサ5によって被測定対象物の変移を検出しようとする場合、上述のとおりセンサ部に防水機能をもたせるO−リング55をロテータ60と筐体51との間に配置すると共に、プーリ65を介してワイヤ66が巻回されかつワイヤ66の他端が被検出対象物に結合した構造をとる。ここで、ワイヤに固定されている変位部及びワイヤ自体は回転センサ5の筐体外部に露出しており、かかるワイヤ66が巻回してあるプーリ65も回転センサ5の筐体外部に露出している。それ故、回転センサ5を例えば車体に取り付けるに当たっては、プーリ65に他の部材等が干渉しないように検討する必要があり手間がかかる。一方、このような他の部材との干渉を防止するために、プーリ65の外側に特別な保護壁を付加的に設ける構造も考えられるが、部品点数が増大し、コストが上がってしまう。
【0013】
また、かかる回転センサ5を例えば自動車のシートスライド量の検出に用いる場合、車両走行中の振動等によってロテータ60が円滑に回転しなくなるという問題もある。
【0014】
本発明の目的は、上述の課題をすべて解決しかつロテータが常に円滑に回転することで被測定物の回転角度変位量を正確に検出できる回転センサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の回転センサは、ステータと、ステータの周囲に当該ステータに対して回転可能に配置され、ステータとの重なり具合に応じて被検出物の回転角度変位量を検出するロテータと、ロテータを収容する筐体とを備えた回転センサであって、ロテータ外周面において当該ロテータの軸線方向に離間した2箇所に大径部が形成され、当該大径部が筐体内面に対して摺動可能になっている。
【0016】
従来の回転センサのように、ステータの周囲に配置されたロテータがシャフトで筐体内に回動可能に支持されている構成を有しておらず、かかるロテータの外周面において当該ロテータの軸線方向に離間した2箇所に大径部が形成され、当該大径部が筐体内面に対して摺動可能な構成を有している。そのため、ロテータ自体の傾きを小さくし、シャフトのたおれによってロテータの円滑な回転が阻害されることはない。
【0017】
従って、被検出対象物の回転角度変位量を正確に検出することができ、安定した検出出力を得ることができる。
【0018】
また、本発明の請求項2に記載の回転センサは、当該ロテータを回転させるシャフトがロテータに突出形成されている。
【0019】
シャフトに検出対象物を連結することで被検出対象物の回転角度変位量を正確かつ容易に検出することができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載の回転センサは、ロテータの所定位置にプーリ部分が形成され、当該プーリ部分に一端が接続されると共に巻回されかつ他端が筐体外部に導出されたワイヤを介してロテータを回転させる。
【0021】
ワイヤに被検出対象物を連結することで、検出対象物が直線移動する場合の移動量を正確に検出することができる。また、プーリ部分がロテータに形成され、当該プーリ部分が筐体内に収容されているので、プーリ部分が回転センサ近傍に配置された部材と干渉してプーリ部分の回転が阻害されることがない。
【0022】
また、本発明の請求項4に記載の回転センサは、請求項1乃至請求項3に記載の回転センサにおいて、ロテータが導電性の導電板を備え、ステータが導電性の導電板及びコイルコアを備え、筐体とロテータとの間には、ステータの導電板とロテータの導電板及びコイルコアとを筐体外部から液密にシールするシール部材が介装されている。
【0023】
シール部材によって導電性の導電板及びコイルコアからなる回転角度変位量検出部を筐体外部からシールすることができ、回転センサの信頼性を高める。
【0024】
また、本発明の請求項5に記載の移動量検出装置及び本発明の請求項6に記載の移動量検出方法は、請求項3に記載の回転センサにおけるワイヤの他端を被測定対象物に接続し、当該被測定対象物の移動量に応じてワイヤを介してロテータを回転させ、当該ロテータの回転量から被測定対象物の移動距離を検出する、請求項3に記載の回転センサを用いて被測定物の移動量を検出する装置及び方法である。
【0025】
かかる移動量検出装置及び方法を用いることで、装置自体の取り付け状態に影響を受けることなく被測定物の移動量を正確に検出することができる。
【0026】
また、本発明の請求項7に記載の移動量検出装置は、ワイヤがロテータのプーリ部分外周面の少なくとも一部に沿って巻回されると共に、ロテータのプーリ部分を貫通する溝又は孔でできた経路に沿っても巻回されている。
【0027】
ワイヤがロテータのプーリ部分外周面にのみ巻回されておらずロテータのプーリ部分を貫通する溝又は孔でできた経路に沿っても巻回されているので、回転センサの回転角度に対応したワイヤ導出量よりも大きいワイヤ導出量を得ることができる。従って、回転センサ自体を小型化したまま従来よりも大きな直線移動量の検出を可能とする。
【0028】
また、本発明の請求項8に記載の移動量検出装置は、ロテータのプーリ部分が、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態で筐体のワイヤ導出部近傍に位置する第1のロテータ外周域と、これに続いてロテータ内部を直径方向に貫通する貫通路と、当該貫通路の他方の開口部から筐体のワイヤ導出部と離間する位置に形成されたワイヤ端部固定部までの第2のロテータ外周域を有し、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態で、ロテータの第1のロテータ外周域、貫通路、及び第2のロテータ外周域にワイヤが連続して巻回されている。
【0029】
直線運動を回転運動に変換するワイヤが筐体内部に引き込まれた状態でロテータの第1のロテータ外周域と、これに続くロテータ内部の貫通路と、当該貫通路出口からワイヤ端部固定部までの第2のロテータ外周域に沿って巻回されているので、ワイヤが回転センサの外周面にのみ巻回されている場合に比べて回転センサの回転角度に対応したワイヤ導出量よりも大きいワイヤ導出量を得ることができる。従って、回転センサ自体を小型化したまま従来よりも大きな直線移動量の検出を可能とする。
【0030】
また、本発明の請求項9に記載の移動量検出装置は、ロテータのプーリ部分が円筒状をなし、当該ロテータのプーリ部分の内側空間に当該ロテータとの間にワイヤ巻回用の隙間を残して配置される凸部が筐体の一部に設けられ、ワイヤの一方の端部が前記ロテータに代えて筐体の凸部に接続され、ロテータが、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態で筐体のワイヤ導出部近傍に位置する第1のロテータ外周域と、これに続いてロテータを直径方向に貫通する貫通路と、当該貫通路の他方の開口部からロテータの内部空間に位置する凸部のワイヤ端部固定部までの第2のロテータ内周域を有し、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態で第1のロテータ外周域、貫通路、及び第2のロテータ内周域にワイヤが連続して巻回されている。
【0031】
ロテータのプーリ部分が円筒状をなし、当該ロテータのプーリ部分の内側空間に配置される凸部が筐体の一部に設けられ、ワイヤの一方の端部が筐体の凸部に接続され、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態で、直線運動を回転運動に変換するワイヤが、第1のロテータ外周域と、これに続くロテータ貫通路と、貫通路の出口からの第2のロテータ内周域まで連続して巻回されているので、ワイヤが回転センサの外周面にのみ巻回されている場合に比べて回転センサの回転角度に対応したワイヤ導出量よりも大きいワイヤ導出量を得ることができる。従って、回転センサ自体を小型化したまま従来よりも大きな直線移動量の検出を可能とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係る回転センサを図面に基づいて説明する。
【0033】
本発明の第1の実施形態に係る回転センサ1は、図1に示すように、ステータ10と、ステータ10の周囲にこれと相対回転可能に配置され、ステータ10との重なり具合に応じて測定対象物の移動量を検出するロテータ20と、ロテータ20を収容する筐体30とを備えている。そして、回転センサ1は更に、ロテータ外周の一部が筐体内面において摺動可能な構成を有している。
【0034】
筐体30はPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂材でできており、かつ上部が開口した有底円筒形状のボディ31と、ボディ31の開口部に被着されたアルミニウム等の金属や導電性プラスチック等の導電性材料製のカバー32とからなる。そしてボディ31の周面の一部には図2に示すようにワイヤ導出孔30aが形成されている。また、筐体30の下方段部には、図1に示すように、ステ−タ10を支持すると共に図示しない電子部品を実装するプリント板33が収容載置されている。そして、筐体内部から外部へはコイル11に電力を供給する電力線34及びコイル11のインダクタンス変化を検出する信号線35が導出されている。
【0035】
また、プリント板33上にはPBT等のプラスチック材料からなる基台37が固定載置されている。尚、基台37はコイルコア13の高さ調整のためのスペーサとしての役割を果たしている。
【0036】
ロテータ20はPBTからなり下部に開口部を備え上部が塞がれた円筒形状のロテータ本体21と、ロテータ本体21の内周面に密着嵌合した磁性材からなる円柱状のサブコア22と、サブコア22の内周面にほぼ半周に亘って固着された湾曲プレート状の導電板24とからなる。また、ロテータ本体外周面の上部側には全周に亘って溝部21aが形成され、当該溝部21a及びその近傍はワイヤ26を巻回するプーリ25としての役目を果たしている。そして、溝部21aには金属製のワイヤ26が巻回され、当該ワイヤ26は一端がロテータ20に接続され、他端が筐体のワイヤ導出孔30a(図2)から外部に導出され、図5に示す車両シート等の変位量を検出すべき被測定対象物に連結されている。
【0037】
なお、筐体30の側壁部はプーリ外周を覆うように延在形成されているので、筐体30の当該延在部をそのままプーリ25の保護壁として使用することができ、プーリ保護のための部材を新たに増やす必要がない。
【0038】
一方、溝部の近傍には筐体30とロテータ20との間を液密に保つO−リング27が介装されている。このO−リング27によって、ステータの導電板14とロテータの導電板24及びコイルコア13とを筐体外部から液密にシールすることができる。
【0039】
さらに、ロテータ外周面の両端部21b,21cは若干大径に形成され、この部分においてのみロテータ20が筐体内周面と接触可能なようになっている。従って、ロテータ20は、ロテータ回転時にロテータ外周面の両端部においてのみ筐体内周面と摺動可能となっている。
【0040】
一方、ロテータ内周に密嵌された円筒状のサブコア22及び後述するボビン12は本実施形態では、プラスチックマグネット等の磁性樹脂材でできている。しかしながら、例えば、電気絶縁性を有する熱可塑性合成樹脂(ナイロン、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、ABS樹脂等)に、軟磁性材粉(Ni−ZnやMn−Zn系のフェライト等)を混合した絶縁磁性材であれば他の材質であってもかまわない。
【0041】
そして、サブコア22の内周面にほぼ半周に亘って固着された端面視半円弧状の導電板24は、銅やアルミニウム、黄銅等の導電性材料からなり、後述するコイルで発生した磁束が通過するごとに渦電流が発生するようになっている。
【0042】
また、カバー32とロテータ20との間には円環状の空間36が形成され、当該空間36内にはロテータ20を回転させて初期状態に戻すための弾性部材28が収容されている。なお、弾性部材28の一端はカバー32に固定され、他端はロテータ20に固定され、弾性力が作用しない状態を初期状態として組み付けている。
【0043】
一方、ステータ10は、上述の通りプリント板33を介して筐体30の下方部分に備わった基台37上に固定されている。なお、ステータ10は、磁束を発生するコイル11と、断面I字型を有しかつコイル11が巻回されプラマグ等の磁性材からなるボビン12とを備えている。そして、コイル11及びボビン12からなる円柱形状のコイルコア13の外周面周囲には、端面視半円弧状の導電板14がほぼ半周に亘って固着されている。なお、この導電板14も銅、アルミニウム、黄銅や導電性プラスチック等の導電性材料でできている。
【0044】
以上の構成によって、被測定対象物の変位をこれと一体に連結されたワイヤ26を介してロテータのプーリ25に伝え、これをロテータ20の回転角度変位量に変換する。そして、コイルコア13が発生する磁界をロテータとステータの導電板14,24が遮ることで、この導電板14,24に渦電流が生じ、この渦電流に起因するコイルインダクタンスの変化量を検出することで、位置変位部のリニア方向の移動距離を検出するようになっている。
【0045】
図4は、この検出方法を説明する図である。励磁コイル11に交流電流が流されるのに伴い、磁束がコイル11とサブコア22との間に形成される磁気回路に沿って流れる。これにより、各導電板14、24の表面には渦電流が誘起され、導電板14、24が存在する部分では磁気抵抗が大きい領域が形成され、導電板14、24が存在しない部分では磁気抵抗が小さい領域が形成される。サブコア22とコイルコア13とを相対的に回転させると、磁気抵抗が大きい領域と小さい領域との重なり具合が変化して、サブコア22とコイルコア13との間の空間を横切るトータルの磁束の量が変化する。これに伴い、コイル11に自己誘導される磁束が変化し、コイル11のインダクタンスが変動する。よって、このインダクタンスの変動量を測定すれば、サブコア22とコイルコア13との相対回転角度変位量を正確に検出することができる。
【0046】
以上説明したように、ロテータ外周面の両端部21b,21cは他のロテータ外周面より若干大径に形成され、この部分においてロテータ20が筐体内周面と接触可能なようになっている。従って、ロテータ20は、ロテータ回転時にロテータ外周面の両端部においてのみ筐体内周面と摺動する。そして、筐体30とロテータ20との摺動部位は、従来の回転センサ5と異なりロテータ中心軸線からかなり離れた距離にあるため、ロテータ20が筐体30に対して傾いたとしても、その傾きは図3に示す程度にとどまり、図8に示す従来型回転センサ5のシャフト61の傾きに比べて格段に小さいことが分かる。これによって、ロテータ20が筐体内を常に円滑に回転することができ、回転センサ1の信頼性を高める。
【0047】
また、プーリ25がロテータ20に形成され筐体内に収容されているので、プーリ25が回転センサ1近傍に配置された部材と干渉してその回転が阻害されることがない。
【0048】
更には、O−リングによって導電性の導電板14,24及びコイルコア13を筐体外部からシールしているので、液密性の点でも回転センサ1の信頼性を高めている。
【0049】
このように構成された回転センサ1は、一例として、図5に示す車両のシート下部に取り付けられてシートのシートレールに対するスライド量検知に利用される。
【0050】
以下、かかるシートのスライド量検知の方法及び装置について説明する。
【0051】
図5に概略的に示すシートスライド量検知装置100において、シートSは車体フロアパネルのシートレールR上にスライド可能に取り付けられている。そして、車体のフロアパネルには回転センサ101が取り付けられ、回転センサ101からワイヤWが導出されてシートレールRと平行に延在している。また、シート下部とワイヤとは金属ブラケット等の剛体Bで連結されており、シートSのスライド量に応じてワイヤWが回転センサ101から導出されるようになっている。
【0052】
回転センサ101には上述した本発明の第一の実施形態に係る回転センサ1と同一の回転センサが使用されている。この回転センサ101は、上述した通りロテータ自体の傾きを小さく抑えているので、従来型の回転センサ5のようなシャフトのたおれによるロテータの円滑な回転が阻害されるという欠点はない。従って、車両走行中の振動が回転センサ101に伝わってもシートSのスライド量を正確に検出することができる。
【0053】
一方、回転センサは、シート下部の限られたスペースに装着する必要上、回転センサ101の一部がシートスライド駆動装置(図示せず)やこれらに接続されたワイヤハーネス(図示せず)と干渉する可能性がある。
【0054】
ここで、従来型の回転センサ5ではこのような干渉によりプーリ部分が動かなくなり、回転センサ本来の機能を果たさなくなることがあったが、本実施形態にかかる回転センサ101の場合、プーリがロテータに形成されかつ筐体内に収容されているので、回転センサ101がこれら周囲の部材と干渉してプーリの回転が阻害されるという恐れはない。
【0055】
即ち、上述の実施形態にかかるシートスライド量検知装置100は、ロテータが常に円滑に回転するようになっており、車両の振動やシート周辺の部品との干渉等による悪影響を受けることなく常に正確なワイヤ導出量、即ちシートSのスライド量を検出することができる。
【0056】
続いて本発明の第2の実施形態に係る回転センサ2について説明する。
【0057】
尚、第1の実施形態に係る回転センサ1と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
図6に示す本発明の第2の実施形態に係る回転センサ2は、上述の回転センサ1と異なり、ロテータ40がプーリ部を有さず、その代わりにロテータ中央部からカバー32のシャフト導出孔32aを通して回転シャフト45が筐体外部に突出している。そして、回転シャフト45の回転角度変位量に応じて、ロテータ40が回転し、上述した回転角度検出原理と同様な検出原理で回転シャフト45の回転角度変位量を検出するようになっている。従って、回転シャフト45を被検出対象物(図示せず)に連結すれば、被検出対象物の回転角度を正確に検出することが可能となる。
【0059】
即ち、本発明の第2の実施形態にかかる回転センサ2は、ロテータ外周の一部(両端部)41b,41cが全周に亘って若干大径に形成されている点では上述の実施状態にかかる回転センサ1と共通する。そして、この大径部41b,41cのみが筐体内周面に摺動可能となっているので、ロテータ40自体の傾きを小さくし、従来型回転センサ5のようなシャフトのたおれによってロテータの円滑な回転が阻害されるということはない。従って、被検出対象物の回転角度変位量を正確に検出することができ、安定した検出出力を得ることができる。
【0060】
なお、上述の2つの実施形態では、ロテータはその周面の一部で筐体内面と摺動するようになっているが、必ずしもこれに限定されずロテータ周面全体が筐体内面と摺動する構成となっていても良い。
【0061】
また、上述の実施形態ではかかる回転センサを車両のシート装置のスライド量検出に用いる場合について説明した。しかしながら、回転センサのアプリケーションはこれに限定されることはなく、例えば、パワーウインドウレギュレータの動作量検出やチルトステアリング昇降検出にも利用可能である。
【0062】
続いて、本発明の第3の実施形態にかかる移動量検出装置について説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
この実施形態にかかる移動量検出装置300を説明するに当たり、第3の実施形態にかかる移動量検出装置特有の効果の理解を容易化するために本発明の第1の実施形態にかかる回転センサ1と同等の構造を有する移動量検出装置200について説明する。
【0064】
移動量検出装置200に使用される回転センサ201は、図9に示すようにプーリを兼用したロテータ220と、これに固定されたセンシング部221と、筐体230と、下カバー235及びプリント板236を介して固定された基台237及びセンシング部231と、筐体230に固定された上カバー232とから構成されている。
【0065】
ロテータ220は、筐体230の内壁を摺動面として筐体230内を回転し、ロテータ220に固定されたセンシング部221と筐体230に固定されたセンシング部231により、ロテータ220の回転角度変位量を検出している。
【0066】
なお、センシング機構は、この実施形態にかかる具体的構造には限定されず回転角度変位量を検出できるものであれば何でも使用でき、例えば電磁誘導式などでも良い。
【0067】
かかる回転センサ201を使用して直線移動量を測定する場合、図10に示すように直線移動をする被検出物にワイヤWの端末(図示せず)を固定し、ワイヤWのもう一方の端末を回転センサ201のロテータ220の固定部220aに固定する。そして、被検出物が移動すると、ワイヤWが回転センサ201から引き出されて、その移動量に応じた分だけロテータ220が回転するようになっている。
【0068】
以上の構造により、回転角度変位量を検出する回転センサ201を使用して、ワイヤWの移動量を回転角度変位量に変換することで被検出物の直線移動量を測定するようになっている。
【0069】
なお、ロテータ220とカバー232との間には、図9に示すようにばね228が介装されており、ばね228の一端をロテータ220に固定するとともに他端をカバー232に固定し、回転センサ201から引き出されたワイヤWを初期位置の状態に戻せるようになっている。
【0070】
なお、単なる直動式ストロークセンサの場合、センサ自体の大きさは、一般的に被検出物の直線移動量分と検出機構分の合計寸法を少なくとも必要とするが、回転式センサの場合は、直線移動量を円弧に置換するので、寸法を縮小することができるメリットがある。しかしながら、上述の回転センサ201を用いた被検出物の直線移動量を検出するに当たって更に長い移動量を検出したい場合、ロテータ220の回転角度を大きくする方法と、プーリ部分の径を大きくする方法の2通りの方法がある。
【0071】
しかし、回転センサ201は、一般的に回転角度の検出範囲が決まっており、センサ性能の上限以上の回転角度を検出することはできないため、ロテータ220の回転角度を大きくする方法には限度がある。
【0072】
また、回転センサ201のプーリ部分の径を大きくして円弧の長さを長くすればより長い移動量を検出することができるが、搭載する車両によっては回転センサ201を配置するスペースが限られており、プーリ径を大きくすることができない場合がある。
【0073】
本発明の第3の実施形態にかかる回転センサ301を用いた移動量検出装置300は、センサ自体の小型化を達成しつつこれらの点を全て解決したものであり以下の構成を有している。
【0074】
以下、本発明の移動量検出装置300に用いる回転センサ301の具体的構成について説明する。本発明の移動量検出装置300に用いる回転センサ301は、図11に示すように、センシング部314を有しているステータ310とステータ310の周囲にこれと相対回転可能に配置され、ステータ310との重なり具合に応じて被検出物の移動量を検出するセンシング部を有しているロテータ320と、ロテータ320を収納する筐体330とを備えている。そして、回転センサ301はさらに、ロテータ320の外周の一部が筐体内面において摺動可能な構成を有している。
【0075】
筐体330は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂材でできており、かつ上下部が開口したケース331と開口部に被着された上下カバー332,333とからなる。そして、ケース331の周面の一部には、ワイヤ導出孔331aが形成されている。また、ケース331の下方部には、ステータ310を支持すると共に図示しない電子部品を実装するプリント板336が収容載置されている。そして、筐体内部から外部へはコイル311に電力を供給する電力線334及びコイル311のインダクタンス変化を検出する信号線335が導出されている。
【0076】
また、プリント板336上にはPBT等の樹脂材からなる基台337が固定載置されている。なお、基台337はコイルコアの高さ調整のためのスペーサとしての役割を果たしている。
【0077】
ロテータ320はPBT等の樹脂材からなり、下部に開口部を備え上部が塞がれた円筒形状のロテータ本体321とロテータ本体321の内周面に密着嵌合した磁性材からなる円柱状のサブコア322と、サブコア322の内周面の一部に固着された湾曲プレート状の導電板324とからなる。また、ロテータ本体外周面の上部側には、図12に示すように外周部及びロテータ320を湾曲して横断する形状の溝部320sが形成され、当該溝部320s及び溝部320sが形成されたロテータ外周部はワイヤWを巻回するプーリ部分325としての役目を果たしている。そして、溝部320sには金属製のワイヤWが巻回され、当該ワイヤWは一端が筐体330に接続され、他端がケース331のワイヤ導出孔331aから外部に導出され、車両のシート等の直線変位量を検出すべき被測定物(図示せず)に連結されている。
【0078】
すなわち、溝部320sをロテータのプーリ部分325に形成することでプーリ部分325の上部を2つの相補的形状を有する半円に分け、その半円の間にワイヤWが湾曲して配索されるようになっている。
【0079】
続いて、回転センサ301へのワイヤWの巻回のしかたについて説明する。
【0080】
まず、ワイヤWの端末をケース331のワイヤ端部固定部331bに固定し、プーリ上部に位置する2つの半円外周のうち、一方の半円の円弧(第1のロテータ外周域320c)にワイヤWを沿わせたのち、両半円の間の溝部320sに通し、さらに、もう一方の半円外周の円弧(第2のロテータ外周域320d)に沿わせ、その円弧の終点位置からケースのワイヤ導出孔331aを介して回転センサ301の外側へ導出し、ワイヤ端末を被検出物(図示せず)に固定する。
【0081】
ワイヤWをこのように配置することにより、被検出物が移動して、ワイヤWが回転センサ301から引き出された時、プーリ部分325を介してロテータ320を回転させることができる。
【0082】
一方、ロテータ320の外周面の所定部分は、図11に示すように若干大径に形成され、この部分においてのみロテータ320が筐体330の内周面と接触可能なようになっている。従って、ロテータ320はロテータ320の回転時にロテータ外周面の大径部320a,320bにおいてのみ筐体330の内周面と摺動可能となり、第1の実施形態及び第2の実施形態にかかる回転センサのロテータと同様にロテータ自体の倒れを防止している。
【0083】
なお、ロテータ320の内部に密嵌された円筒状のサブコア322及び後述するボビン312は、本実施形態ではプラスチックマグネット等の磁性樹脂材でできている。しかしながら、例えば、電気絶縁性を有する熱可塑性樹脂(ナイロン,PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、ABS樹脂等)に、軟磁性材粉(Ni−ZnやMn−Zn系のフェライト等)を混合した絶縁磁性材であれば他の材質であってもかまわない。
【0084】
一方、サブコア322の内周面の一部に固着された端面視円弧状の導電板324は銅やアルミニウム、黄銅等の導電性材料からなり、後述するコイル311で発生した磁束が通過するごとに渦電流が発生するようになっている。
【0085】
また、カバー332とロテータ320との間には円環状の空間が形成され、当該空間内にはロテータ320を回転させて初期状態に戻すための弾性部材328が収容されている。なお、弾性部材328の一端はカバー332に固定され、他端はロテータ320に固定され、弾性力が作用しない状態を初期状態として組み付けられている。
【0086】
一方、ステータ310は上述の通りプリント板336を介して筐体330の下方部に備わった基台337上に固定されている。なお、ステータ310は図13に示すように磁束を発生するコイル311と、断面I字型を有しかつコイル311が巻回されプラマグ等の磁性材からなるボビン312とを備えている。そして、コイル311及びボビン312からなる円柱状コイルコアの外周面周囲の一部には、端面視円弧状の導電板314が固着されている。なお、この導電板314も銅、アルミニウム、黄銅等や導電性プラスチック等の導電性材料でできている。
【0087】
以上の構成によって、被測定物の変位をこれと一体に連結されたワイヤWを介してロテータ320のプーリ部分325(図11参照)に伝え、これをロテータ320の回転角度変位量に変換する。そして、コイルコア313が発生する磁界をロテータの導電板324とステータの導電板314が遮ることで、この導電板314,324に渦電流が生じ、この渦電流に起因するコイルインダクタンスの変化量を介して位置変位部のリニア方向の移動距離を検出するようになっている。
【0088】
図13は、この検出方法を説明する図である。励磁コイル311に交流が流されるのに伴い、磁束がコイル311とサブコア322との間に形成される磁気回路に沿って流れる。これにより、各導電板314,324の表面には渦電流が誘起され、導電板314,324が存在する部分では磁気抵抗が大きい領域が形成され、導電板314,324が存在しない部分では磁気抵抗が小さい領域が形成される。サブコア322とコイルコア313とを相対的に回転させると、磁気抵抗が大きい領域と小さい領域との重なり具合が変化して、サブコア322とコイルコア313との間の空間を横切るトータルの磁束の量が変化する。これに伴い、コイル311に自己誘導される磁束が変化し、コイル311のインダクタンスが変動する。よって、このインダクタンスの変動量を測定すれば、サブコア322とコイルコア313との相対角度変位量を正確に検出することができる。
【0089】
続いて、本実施形態にかかる回転センサ301におけるワイヤWの特別な巻回構造の作用について説明する。
【0090】
ワイヤWは、上述の第1実施形態にかかる回転センサのように単に回転センサの外周の一部に巻回されているのではなく、ロテータ320を貫通する溝部320sを介して巻回配索している。第1実施形態にかかる回転センサの場合、ワイヤWを回転センサ内から導出すると、図14に示すように、例えばプーリが90°回転したとき、a点からb点間の距離、つまり、プーリの直径を2rとすると、2πr×90°/360°の距離しかワイヤWを引き出せない。
【0091】
しかしながら、本発明にかかる第3の実施形態の回転センサ301の場合、図15に示すように、a点からb点間、及び、c点からd点間の距離分ワイヤを引き出せるので、同じ90°回転時でも2πr×90°/360°×2と、図14の場合に較べて2倍の長さワイヤを引き出すことができる。
【0092】
これは、ワイヤWを回転センサ301から導出するとき、図15に示すようにb点からc点の間の距離はプーリ325が回転しても変化しないが、a点からb点の間、及び、c点からd点の間の距離が回転角度に応じて変化し、プーリ325の径が同じ場合、ロテータ320(プーリ325)の回転角度に比べてワイヤWの導出量がプーリの外周に単にワイヤを巻回している場合よりも大きいためである。
【0093】
つまり、本発明の第3の実施形態にかかる回転センサ301の構造を用いれば、回転センサ301のプーリ径を変えずに、すなわち回転センサ自体の大きさを大きくすることなく図14に示すプーリ構造の回転センサに較べて2倍分の直線移動距離を検出することができる。
【0094】
従って、小型の回転センサ301を用いながら移動量検出距離の大きい移動量検出装置とすることが可能となる。
【0095】
なお、第3の実施形態にかかる回転センサ301の変形例として図16に示すように磁気抵抗素子361を用いてステータ360に対するロテータ370の相対回転角度を検出する構造のものも考えられる。
【0096】
すなわち、一方のセンシング部として永久磁石371をロテータ370に接続固定し、他方のセンシング部としてステータ360に磁石の回転角度を検出する磁気抵抗素子361を接続固定する。なお、磁気抵抗素子361には、MR素子やホール素子などを使用することができる。
【0097】
その他の構成部品の形状は第3の実施形態にかかる回転センサ301と同等であり、ロテータ本体外周面の上部側には本発明の第3の実施形態にかかる回転センサ301の溝部320sと同様の湾曲した溝部370sが形成されている。
【0098】
本変形例はこのような構成によって被測定物の変位をこれと一体に連結されたワイヤWを介してロテータ370のプーリ部分375に伝え、これをロテータ370の回転角度変位量に変換する。ロテータ370が回転することに伴って、ロテータ370に接続固定してある永久磁石371が回転し、この回転角度変位量はステータ360に接続固定された磁気抵抗素子361によって検出される。 続いて、第4の実施形態にかかる回転センサ401を用いた移動量検出装置400について説明する。なお、第3の実施形態にかかる回転センサ301を用いた移動量検出装置300と同一の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0099】
第4の実施形態にかかる回転センサ401を用いた移動量検出装置400は、第3の実施形態にかかる回転センサ301とプーリ部分425の構造が異なる。すなわち、図17及び図18に示すようにプーリ部分425は有底円筒形状を有し、内側の空間部分にはカバー432の内側凸部が配置されると共にカバー432にワイヤ端末を接続固定するようになっている。
【0100】
すなわち、プーリ425が90°回転する場合を考えたとき、ワイヤWの導出のしかたは以下の通りである。まず、図18に示すようにカバー432に固定されたワイヤWをプーリ425の有底円筒部内壁に90°分だけ沿わせる。そして、ワイヤ固定部から90°内周方向に離れたプーリ425の壁部にプーリ内側から外側へ貫通するガイド溝425sを形成し、ワイヤWを当該ガイド溝425sに通してプーリ425の外周に導出し、この導出部で向きを反転させてプーリ外周に沿って再び90°分だけ外周を沿わせる。なお、カバー432は筐体430と固定されており、ワイヤ端末は移動しないようになっている。
【0101】
ここで、プーリ外側の径をr1,内側の径をr2とすると、図19に示すように、ワイヤWを引き出してロテータ420を90°分回転させたとき、a点からb点及びc点からd点の距離分の、2πr1×90°/360°+2πr2×90/360°分のワイヤWが引き出されることになる。つまり第1の実施形態にかかる回転センサに較べてロテータの大きさが同一であるにも係わらず、ワイヤWを介して2πr2×90/360°分だけ長い直線移動距離を検出することができるようになる。
【0102】
以上説明した第3の実施形態にかかる移動量検出装置300や第4の実施形態にかかる移動量検出装置400は、その回転センサ301,401において第1の実施形態にかかる回転センサのプーリをそれぞれ第3の実施形態にかかるプーリや第4の実施形態にかかるプーリにそのまま置き換えるだけで良いので、回転センサ301,401自体の大きさを変えることなくより長い被検出物の移動量を検出することができるようになる。
【0103】
なお、上述のようにワイヤWが引き出されることで回転センサの回転量を検出する構造においては、電磁誘導方式、MR素子やホール素子等様々な検出素子が使用可能である。
【0104】
また、溝部320sやガイド溝425sの部分は溝形状に限定されず、貫通孔であっても良い。
【0105】
また、第4実施形態のロテータ420は有底円筒形状であっても単なる円筒形状であっても良い。
【0106】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載の回転センサは、従来の回転センサのように、ステータの周囲に配置されたロテータがシャフトで筐体内に回動可能に支持されている構成を有しておらず、かかるロテータの外周面において当該ロテータの軸線方向に離間した2箇所に大径部が形成され、当該大径部が筐体内面に対して摺動可能な構成を有している。そのため、ロテータ自体の傾きを小さくし、シャフトのたおれによってロテータの円滑な回転が阻害されることはない。従って、被検出対象物の回転角度変位量を正確に検出することができ、安定した検出出力を得ることができる。
【0107】
また、本発明の請求項2に記載の回転センサは、シャフトに検出対象物を連結することで被検出対象物の回転角度変位量を正確かつ容易に検出することができる。
【0108】
また、本発明の請求項3に記載の回転センサは、ワイヤに被検出対象物を連結することで、被検出対象物が直線移動する場合の移動量を正確に検出することができる。また、プーリがロテータに形成されるか当該ロテータかプーリとしての役目を果たし、当該プーリやロテータが筐体内に収容されているので、プーリやロテータが回転センサ近傍に配置された部材と干渉してプーリやロテータの回転が阻害されることがない。
【0109】
また、本発明の請求項4に記載の回転センサは、シール部材によって導電性の導電板及びコイルコアからなる回転角度変位量検出部を筐体外部からシールすることができ、回転センサの信頼性を高める。
【0110】
また、本発明の請求項5に記載の移動量検出装置及び本発明の請求項6に記載の移動量検出方法は、請求項3に記載の回転センサにおけるワイヤの他端を被測定対象物に接続し、当該被測定対象物の移動量に応じてワイヤを介してロテータを回転させ、当該ロテータの回転量から被測定対象物の移動距離を検出する請求項3に記載の回転センサを用いた移動量検出装置を用いることで、装置自体の取り付け状態に影響を受けることなく被測定物の移動量を正確に検出することができる。
【0111】
また、本発明の請求項7に記載の移動量検出装置は、ワイヤがロテータの外周面にのみ巻回されておらずロテータの内部を貫通する溝又は孔でできた経路に沿っても巻回されているので、回転センサの回転角度に対応したワイヤ導出量よりも大きいワイヤ導出量を得ることができる。従って、回転センサ自体を小型化したまま従来よりも大きな直線移動量の検出を可能とする。
【0112】
また、本発明の請求項8に記載の移動量検出装置は、直線運動を回転運動に変換するワイヤが、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態でロテータの第1のロテータ外周域と、これに続くロテータ内部の貫通路と、当該貫通路出口からワイヤ端部固定部までの第2のロテータ外周域に沿って巻回されているので、ワイヤが回転センサの外周面にのみ巻回されている場合に比べて回転センサの回転角度に対応したワイヤ導出量よりも大きいワイヤ導出量を得ることができる。従って、回転センサ自体を小型化したまま従来よりも大きな直線移動量の検出を可能とする。
【0113】
また、本発明の請求項9に記載の移動量検出装置は、ロテータのプーリ部分が円筒状をなし、当該ロテータのプーリ部分の内側空間に配置される凸部が筐体の一部に設けられ、ワイヤの一方の端部がロテータに代えて筐体の凸部に接続され、ワイヤ一端側が筐体内部に引き込まれた状態で、直線運動を回転運動に変換するワイヤが、第1のロテータ外周域と、これに続くロテータ貫通路と、貫通路の出口からの第2のロテータ内周域まで連続して巻回されているので、ワイヤが回転センサの外周面にのみ巻回されている場合に比べて回転センサの回転角度に対応したワイヤ導出量よりも大きいワイヤ導出量を得ることができる。従って、回転センサ自体を小型化したまま従来よりも大きな直線移動量の検出を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る回転センサの軸線方向断面図である。
【図2】図1の回転センサの側面図である。
【図3】図1の回転センサの筐体内におけるロテータ本体の収容状態を、他の要素を省略して示す軸線方向断面図である。
【図4】図1の回転センサの作動状態及び回転角度検出原理を説明する平面図である。
【図5】図1の回転センサを用いて自動車のシートスライド量を検出する場合の概略説明図である。
【図6】図1の回転センサとは別の実施形態に係る回転センサの軸線方向断面図である。
【図7】従来の回転センサの軸線方向断面図である。
【図8】図7の回転センサのシャフトが筐体内でたおれている状態を、他の要素を省略して示す軸線方向断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態にかかる回転センサと同等の構成を有する回転センサの断面図である。
【図10】図9に示す回転センサのワイヤ巻回構造を示すX-X断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態にかかる回転センサの断面図である。
【図12】図11に示す回転センサのXII-XII断面図である。
【図13】図11に示す回転センサのXIII-XIII断面図である。
【図14】図9に示す回転センサのセンサ内からのワイヤ導出過程を説明する図である。
【図15】本発明の第3の実施形態にかかる回転センサのセンサ内からのワイヤ導出過程を説明する図である。
【図16】本発明の第3の実施形態にかかる回転センサの変形例の断面図である。
【図17】本発明の第4の実施形態にかかる回転センサの断面図である。
【図18】図17に示す回転センサのXVIII-XVIII断面図である。
【図19】本発明の第4の実施形態にかかる回転センサのセンサ内からのワイヤ導出過程を説明する図である。
【符号の説明】
1,2,5 回転センサ
10 ステータ
11 コイル
12 ボビン
13 コイルコア
14 導電板
20 ロテータ
21 ロテータ本体
21a 溝部
21b,21c 端部
22 サブコア
24 導電板
25 プーリ
26 ワイヤ
27 O−リング
28 弾性部材
30 筐体
30a ワイヤ導出孔
31 ボディ
32 カバー
32a シャフト導出孔
33 プリント板
34 電力線
35 信号線
37 基台
40 ロテータ
41b,41c 大径部
45 回転シャフト
100 シートスライド量検知装置
101 回転センサ
B 剛体
S シート
R シートレール
W ワイヤ
200 移動量検出装置
201 回転センサ
220 ロテータ
220a 固定部
221 センシング部
225 プーリ
228 ばね
230 筐体
231 センシング部
232 カバー
237 基台
300 移動量検出装置
301 回転センサ
310 ステータ
311 コイル
312 ボビン
313 コイルコア
314 センシング部
314 導電板
320 ロテータ
320a,320b 大径部
320c 第1のロテータ外周域
320d 第2のロテータ外周域
320s 溝部
321 ロテータ本体
322 サブコア
324 導電板
325 プーリ
328 弾性部材
330 筐体
331 ケース
331a ワイヤ導出孔
331b ワイヤ端部固定部
332,333 カバー
334 電力線
335 信号線
336 プリント板
360 ステータ
361 磁気抵抗素子
370 ロテータ
371 永久磁石
375 プーリ部
401 回転センサ
425 プーリ
425s ガイド溝
430 筐体
432 カバー
Claims (9)
- 被測定物の回転角度変位量を検出する回転センサにおいて、
ステータと、
前記ステータの周囲に当該ステータに対して回転可能に配置され、前記ステータとの重なり具合に応じて被検出物の回転角度変位量を検出するロテータと、
前記ロテータを収容する筐体とを備えた回転センサであって、
前記ロテータ外周面において当該ロテータの軸線方向に離間した2箇所に大径部が形成され、当該大径部が筐体内面に対して摺動可能になっていることを特徴とする回転センサ。 - 前記ロテータに当該ロテータを回転させるシャフトが突出形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の回転センサ。
- 前記ロテータの所定位置にプーリ部分が形成され、当該プーリ部分に一端が接続されると共に巻回されかつ他端が筐体外部に導出されたワイヤを介して前記ロテータが回転可能であることを特徴とする、請求項1に記載の回転センサ。
- 前記ロテータは導電性の導電板を備え、前記ステータは導電性の導電板及びコイルコアを備え、前記筐体と前記ロテータとの間には、前記ステータの導電板と前記ロテータの導電板及びコイルコアとを筐体外部から液密にシールするシール部材が介装されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載の回転センサ。
- 請求項3に記載の回転センサにおけるワイヤの他端を被測定対象物に接続し、当該被測定対象物の移動量に応じて前記ワイヤを介して前記ロテータを回転させ、当該ロテータの回転量から前記被測定対象物の移動距離を検出することを特徴とする、請求項3に記載の回転センサを用いた移動量検出装置。
- 請求項3に記載の回転センサにおけるワイヤの他端を被測定対象物に接続し、当該被測定対象物の移動量に応じて前記ワイヤを介して前記ロテータを回転させ、当該ロテータの回転量から前記被測定対象物の移動距離を検出することを特徴とする、請求項3に記載の回転センサを用いた移動量検出方法。
- 前記ワイヤが前記ロテータのプーリ部分外周面の少なくとも一部に沿って巻回されると共に、前記ロテータのプーリ部分を貫通する溝又は孔でできた経路に沿っても巻回されていることを特徴とする、請求項5に記載の移動量検出装置。
- 前記ロテータのプーリ部分が、前記ワイヤ一端側が前記筐体内部に引き込まれた状態で前記筐体のワイヤ導出部近傍に位置する第1のロテータ外周域と、これに続いてロテータ内部を直径方向に貫通する貫通路と、当該貫通路の他方の開口部から前記筐体のワイヤ導出部と離間する位置に形成されたワイヤ端部固定部までの第2のロテータ外周域を有し、前記ワイヤ一端側が前記筐体内部に引き込まれた状態で前記ロテータの第1のロテータ外周域、貫通路、及び第2のロテータ外周域に前記ワイヤが連続して巻回されていることを特徴とする、請求項5に記載の移動量検出装置。
- 前記ロテータのプーリ部分が円筒状をなし、当該ロテータのプーリ部分の内側空間に当該ロテータとの間にワイヤ巻回用の隙間を残して配置される凸部が前記筐体の一部に設けられ、前記ワイヤの一方の端部が前記ロテータに代えて前記筐体の凸部に接続され、前記ロテータのプーリ部分が、前記ワイヤ一端側が前記筐体内部に引き込まれた状態で前記筐体のワイヤ導出部近傍に位置する第1のロテータ外周域と、これに続いてロテータを直径方向に貫通する貫通路と、当該貫通路の他方の開口部から前記ロテータの内部空間に位置する前記凸部のワイヤ端部固定部までの第2のロテータ内周域を有し、前記ワイヤ一端側が前記筐体内部に引き込まれた状態で前記第1のロテータ外周域、貫通路、及び第2のロテータ内周域に前記ワイヤが連続して巻回されていることを特徴とする、請求項5に記載の移動量検出装置。
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