JP3882215B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーバヒートを防止するようにした燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のエンジンは、車両の機動性を向上させるべく、高出力化される傾向にある。特に、トラックは、車両総重量に対する出力の割合が乗用車より低いので、高出力化の要望が強い。ところで、エンジンを高出力化させると、冷却水損失も略同率で上昇するので、ラジエータの大容量化が必要となる。
【0003】
乗用車の場合、高出力が必要なのは車両高速時であり、ラジエータを通過する冷却風の速度が速いため、ラジエータ容量を出力増加分程増やす必要はない。しかし、トラックの場合、荷物満載時などでは登坂時の速度が30Km/h以下でも全負荷状態となることがあり、この程度の車速では冷却風の走行分の効果が殆ど期待できない。
【0004】
他方、ラジエータの前投影面積を拡大することは、車体フレーム幅や車高等により制限を受けるため、現在の設計の延長線上では成立が困難である。また、熱交換面積を増やすべく、ラジエータの厚さを厚くしたりフィンピッチを狭くすると、冷却風通路の抵抗が増して冷却効率が悪化してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、メインラジエータの他にサブラジエータ及びその電動ファンを設け、冷却水温度が所定温度以上になるとサブラジエータをも作動させ、冷却能力を向上させてオーバヒートを防止するようにした技術が知られている。しかし、常に必要となるシステムではないにも拘らず高価な装置を備える必要があり、コストが嵩むという問題がある。さらに、現実には狭隘なエンジンルーム内にサブラジエータの取付スペースを確保することは困難である。
【0006】
そこで、冷却水の温度が所定温度以上になると燃料噴射量を制限して、オーバヒートを防止するようにしたものが開発された(特開平4-91345 号公報,特開平4-58040 号公報等)。しかし、冷却水は温度変化が激しいため、坂道等でアクセルを踏み込んだときに水温が急上昇すると急に出力が落ちることとなり、運転者が故障と勘違して不安感を感じてしまう。また、状況によっては水温が一気にオーバヒート温度にまで達することもあるため、それに対応すべく制御速度を速めなければならない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、アクセルの開度を検出するアクセル開度センサと、エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサと、基本的には上記各センサで検出したエンジン回転数及びアクセル開度に応じて燃料噴射量を決定する制御部とを備えた燃料噴射制御装置であって、大気温度を検出する大気温度センサと、車両速度を検出する車両速度センサとを更に備え、上記制御部は、上記大気温度センサで検出した大気温度が所定温度以上のとき、上記アクセル開度センサで検出したアクセル開度が全開であり且つ上記車両速度センサで検出した車両速度が所定速度以下の状態が所定時間継続した場合、燃料噴射量を全開のアクセル開度及びそのときのエンジン回転数によって決定された全負荷燃料噴射量Qomaxよりも所定量減量し、エンジンの発熱量を抑えるものである。
【0008】
アクセル全開時の全負荷燃料噴射量Qomaxに応じて発熱するエンジンの全負荷時発熱量を、オーバヒートが発生し易い所定の条件(大気温度が所定温度以上且つ車両速度が所定速度以下の状態が所定時間継続)下では、アクセルが全開であるにも拘わらず上記全負荷燃料噴射量Qomaxから所定量減量した量の燃料を噴射することで、抑えるようにした。こうして、全負荷時のエンジンの発熱量を制限し、高負荷・高気温・低車速の状態が所定時間継続したときに発生するオーバヒートを未然に回避する。
【0009】
ここで、大気温度は、冷却水温と異なり急激な変化をしないので、運転フィーリング上も急な変化がなく、運転者が不安を感じることはない。また、急な変化がないので計算速度も遅くてよく、容易に燃料噴射の減量補正を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0011】
図2に示すように、ディーゼルエンジン1には、各気筒の燃料噴射ノズルへ燃料を圧送するための燃料噴射ポンプ2が設けられている。燃料噴射ポンプ2には、制御部3(ECU)からの噴射量Qの信号に基づき、燃料噴射量を制御する電子制御ガバナ4が設けられている。
【0012】
制御部3には、時間経過をカウントするタイマが内蔵されていると共に、アクセル5の開度L(負荷状態)を検出するアクセル開度センサ6と、大気温度Taを検出する大気温度センサ7と、車両速度Vaを検出する車両速度センサ8と、エンジン回転数Nを検出するエンジン回転センサ9とが接続されている。この制御部3は、基本的にはエンジン回転数Nとアクセル開度Lとから図3に示すマップに基づいて噴射量Qを決定し、その噴射量Qの信号を電子制御ガバナ4に送信するものである(通常の噴射量制御)。
【0013】
本実施形態に係る制御部3は、上述の通常の噴射量制御に加え、Lが所定開度以上かつTaが所定温度以上かつVaが所定速度以下の状態が所定時間以上継続したとき、エンジン回転数Nとアクセル開度Lとから決定された上記噴射量Qを減量補正する制御を行い、その補正後の噴射量Q´の信号を電子制御ガバナ4に送信する機能も備えている。この機能により、高負荷・高気温・低車速の状態が所定時間継続したときに発生するオーバヒートを、未然に防止しているのである。かかるオーバヒート防止のための制御フローを図1を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、エンジン1が始動すると制御部3(ECU)内に設けられたタイマが作動する(ST1)。次に、大気温度センサ7により大気温度Taを検出し(ST2)、Taが予め設定された所定温度(本実施形態では33℃)より高いか否かを判断する(ST3)。Ta>33℃でないなら、ラジエータにより十分放熱できオーバヒートの虞はないため、そのときのエンジン回転数Nとアクセル開度Lとから図3に示すマップに基づいて噴射量Qを決定する通常の噴射量制御を行う(ST12)。これらエンジン回転数Nとアクセル開度Lとは、別途検出されていることは勿論である。Ta>33℃なら、アクセル開度Lを検出し(ST4)、Lが予め定められた開度(本実施形態では100 %)以上か否かを判断する(ST5)。
【0015】
L=100 でないなら、負荷が小さくオーバヒートの虞はないため、前述したST12に示す通常の噴射量制御を行う。L=100 なら、車両速度Vaを検出し(ST6)、Vaが予め定められた速度(本実施形態では60Km/h)以下か否かを判断する(ST7)。Va≦60Km/hでないなら、走行風によりラジエータを通過する冷却風量を十分確保できオーバヒートの虞はないため、前述したST12に示す通常の噴射量制御を行う。Va≦60Km/hなら、高温Ta>33℃・高負荷L=100 ・低車速Va≦60Km/hの状態が所定時間(本実施形態ではt=5分間)以上継続したか否かを判断する(ST8)。
【0016】
t≧5でないなら、すなわち高温・高負荷・低車速の状態の継続が5分以内なら、オーバヒートの虞はないため、図示はしないが前述したST12に示す通常の噴射量制御を行い、ST1とST2の間にリターンする。t≧5なら、高温・高負荷・低車速の状態の蓄積によるオーバヒートの虞があるため、エンジン1の発熱量を抑えるべく燃料噴射量を減量補正する次のステップ(ST9以降)に向かう。
【0017】
この場合、まず、そのときのエンジン回転数Nを検出し(ST9)、そのエンジン回転数N(そのときどきで異なる)とアクセル開度L(ST5よりL=100 と決まっている)とから図3に示すマップに基づいて噴射量Qomaxを決定する(ST10)。このQomaxは、ST12の通常の噴射量制御において、L=100 としたものと実質的に同様である。そして、Qmax =Qomax−K(Ta−33℃)により、実際に噴射すべき噴射量Qmax を算出する(ST11)。この式によれば、実際に噴射すべき噴射量Qmax は、通常の噴射量制御により決定された噴射量QomaxからK(Ta−33℃)を引いた分だけ減量補正される。
【0018】
ここで、K(Ta−33℃)は、その時の大気温度Taが設定温度(本実施形態では33℃)を超えた分に、ある減量係数Kを掛けたものを示す。このように、通常の噴射量制御により決定された噴射量Qomaxから、その時の大気温度Taが設定温度(33℃)を超えた分にある減量係数Kを掛けて得られる量を引くことにより、実際に噴射すべき噴射量Qmax を算出しているのである。大気温度Taは、オーバヒートの発生と密接に関係しているため、このTaに基づいてTaに比例させて噴射燃料の減量補正量を決定すれば、オーバヒートの発生を的確に防止できる。
【0019】
大気温度Taは、冷却水温と異なり急激な変化をしない。よって、冷却水温に基づいて減量補正を行うものと比べると、本実施形態のものは急激に減量補正がなされることはない、すなわち、本実施形態のものは、運転フィーリング上も急な変化がなく、運転者が不安を感じることはない。
【0020】
例えば、ST12に示す減量補正中に、大気温度Taが33℃から35℃に上昇したとしても、現実には大気温度が 2℃も不連続に上昇することはありえず、厳密には一定時間かけて33℃→34℃→35℃と徐々に変化するため、減量補正量はその上昇分すなわち 1℃ずつ増やされる。よって、エンジンの出力が徐々に絞られることとなって、運転者に不快感を与えることなくオーバヒートの発生を未然に防止することができる。
【0021】
また、ST12に示す通常の噴射量制御の状態からST11に示す減量補正制御に切り替わるときであっても、減量係数Kを小さめに設定しておけば、減量補正量が少なくなって急激にエンジン出力が絞られることがなくなるため、運転者に不快感を与えることを回避できる。あるいは、Kを時間tの経過にともない徐々に大きくなって一定値に飽和する関数(例えば、K=1−e-t)としてもよい。
【0022】
また、大気温度Taは冷却水温のように急な変化がないので、減量補正のための計算速度も遅くてよく、安価な装置で容易に燃料噴射の減量補正を行うことができる。
【0023】
なお、前述した設定温度(33 ℃) や設定速度(60Km/h)や設定時間(5min)はあくまで例示であり、エンジンの出力やラジエータの容量等により適宜変更されるものであることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る燃料噴射制御装置によれば、運転者に不快感を与えることなくオーバヒートの発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置の減量補正制御を示すフローチャートを示す図である。
【図2】上記燃料噴射制御装置の構成図である。
【図3】エンジン回転数Nとアクセル開度Lとにより噴射量Qを決定するためのマップを示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 タイマが内蔵された制御部(ECU)
6 アクセル開度センサ
7 大気温度センサ
8 車両速度センサ
L アクセル開度
Ta 大気温度
Va 車速
t 時間
Claims (3)
- アクセルの開度を検出するアクセル開度センサと、エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサと、基本的には上記各センサで検出したエンジン回転数及びアクセル開度に応じて燃料噴射量を決定する制御部とを備えた燃料噴射制御装置であって、
大気温度を検出する大気温度センサと、車両速度を検出する車両速度センサとを更に備え、
上記制御部は、上記大気温度センサで検出した大気温度が所定温度以上のとき、上記アクセル開度センサで検出したアクセル開度が全開であり且つ上記車両速度センサで検出した車両速度が所定速度以下の状態が所定時間継続した場合、燃料噴射量を全開のアクセル開度及びそのときのエンジン回転数によって決定された全負荷燃料噴射量Qomaxよりも所定量減量し、エンジンの発熱量を抑えるものであることを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 上記制御部は、上記所定量を、そのときの大気温度から上記所定温度を減じた値に減量係数Kを乗じて決定するものである請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
- 上記減量係数Kは、K=1−e-t(t:時間)である請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
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JP28998795A JP3882215B2 (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 燃料噴射制御装置 |
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1995
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