JP3882204B2 - 脈波検出装置 - Google Patents

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Description

[技術分野]
本発明は、操作者の熟練度などによらず安定な脈波の検出を可能とするとともに、動脈または動脈周辺の血管を流れる血液流に基づく脈波波形を検出するのに好適な、脈波検出方法、動脈位置検出方法、および脈波検出装置に関する。
[背景技術]
脈波検出装置の一つとして、橈骨動脈脈波を検出するものがある。この種の装置においては、橈骨動脈近傍の表皮の圧力の変化を圧力センサによって検出し、これにより脈波を測定する。この場合、橈骨動脈上の表皮に置いたセンサに加わる圧力の変化を検出しているので、安定した脈波検出を行うためには、30mmHgから80mmHgの押圧力を加える必要があり、被験者にとって圧迫感が強いという問題があった。
例えば、米国特許No.4951679に示される発明においては、橈骨動脈の近傍に配置させた圧力センサを腕に対して押圧し、さらに、この押圧力を順次変化させて、検出信号の振幅が最大になる押圧力を検出する。そして、その押圧力において、脈波の検出を行っている。この場合、最適な押圧力を設定することができ、必要以上の圧力がかかることを防止することはできるが、いずれにしても、腕に所定の圧力をかけることには変わりなく、圧迫感が強いという問題は解消しない。
これに対して、強い押圧力を加える必要のない脈波検出装置として、超音波を用いるものや、光(赤外線、レーザ光など)を用いるものがある。超音波の反射波を用いる脈波検出装置にあっては、超音波を出射するプローブを被検者の腕の外側方向より当て、動脈血管などで反射した超音波をそのプローブで受信して脈波の測定を行う。
一方、光を用いて脈波を検出する脈波検出装置においては、例えば、発光ダイオードから体内に向けて光を送出し、その反射光(皮下組織などによる反射光)の光量を検出する。この場合、発光ダイオードから放射された光の一部は、血管内のヘモグロビンに吸収されるため、その反射光量は血管内の血液容量に関係したものとなり、脈波として検出される。
ところで、超音波を用いた従来の脈波検出装置では、超音波を送波および受波するプローブと血流のなす角度に応じて反射波の検出値が変化する。そして、プローブの操作においては、血流に対し一定角度を維持するのが難しく、安定した脈波の測定が困難であった。例えば、プローブを被験者の腕の掌側に当てた場合は、そのプローブの位置が動脈血管に対して数ミリずれただけで、脈波の検出が困難となってしまう。また、そのプローブを被験者の腕の背側に当てた場合は、脈波の検出に必要なSN比を確保することができない。
また、レーザや発光ダイオードを用いる装置においても、照射光が動脈に照射されなければ、脈波波形の検出に必要なSN比を確保することができなかったり、あるいは、安定した脈波波形を検出することができない。
また、従来、脈波波形は、動脈の内部を流れる血液流等に基づいて検出されており、東洋伝承医学によれば、この脈波波形のありようによって生体の状態を知ることができるとされている。ところで、平滑筋等から構成される動脈は、脈動によって血液を末梢組織に供給するが、動脈自体も生体の組織であるため、そこに血液を供給する必要がある。この役割を担うのが細動脈であり、これによって動脈組織に血液が供給される。細動脈は動脈自体に血液を供給するものであるから、細動脈の血液流に基づいて脈波波形を検出することによって、動脈そのものの状態を知ることもできる。しかしながら、従来の脈波検出方法では、動脈の内部を流れる血液流に基づいて脈波波形を検出しており、細動脈の血液流に基づく脈波波形の検出は行われていなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、被験者に圧迫感を強いることなく、操作者の熟練度などによらず安定な脈波の検出を可能とするとともに、動脈または動脈周辺の血管を流れる血液流に基づく脈波波形を検出するのに好適な、脈波検出方法、動脈位置検出方法、および脈波検出装置を提供することを目的としている。
[発明の開示]
(1) 本発明に係る脈波検出方法は、
動脈周辺の血管を流れる血液流から脈波波形を検出する脈波検出手段を用いて脈波を検出する方法であって、
前記脈波検出手段により複数の位置で脈波波形を検出し、
前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の極性を検知し、
前記極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲において検出された前記脈波波形を、動脈周辺の血管からの脈波波形として検出する。
本発明によれば、複数の位置で検出された動脈周辺の血管における脈波波形の極性を検知し、その極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲、すなわち動脈による圧迫に起因する極性反転が認められる位置範囲において、動脈周辺の血管における脈波波形を検出する。これによって、動脈の周囲を取り巻く血管である細動脈を流れる血液流からの脈波波形を確実かつ高いSN比で検出することができる。
(2) 本発明に係る脈波検出方法は、
動脈周辺の血管を流れる血液流から脈波波形を検出する脈波検出手段により複数の検出位置で脈波波形を検出し、
前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の極性を検知し、
前記極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲において、前記動脈周辺の血管のほぼ中央に位置する前記動脈の脈波を検出する。
本発明によれば、複数の位置で検出された動脈周辺の血管における脈波波形の極性を検知し、その極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲、すなわち動脈による圧迫に起因する極性反転が認められる位置範囲において、動脈周辺の血管のほぼ中央に位置する動脈における脈波波形を検出する。これによって、ほぼ確実に特定された位置において、動脈の脈波を検出することができるため、動脈からの脈波波形を確実かつ高いSN比で検出することができる。
(3) 本発明に係る動脈位置検出方法は、
動脈周辺の血管を流れる血液流から脈波波形を検出する脈波検出手段を用いて、前記動脈の位置を検出する方法であって、
前記脈波検出手段により複数の位置で脈波波形を検出し、
前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の極性を検知し、
前記極性が反転または反転過程にある位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲に前記動脈があることを検出する。
本発明によれば、複数の位置で検出された動脈周辺の血管における脈波波形の極性を検知し、その極性が反転または反転過程にある位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲、すなわち動脈による圧迫に起因する極性反転またはその過程にあることが認められる位置範囲に動脈があることを検出する。これによって、動脈に近接して周囲を取り巻く細動脈のほぼ中央に位置する動脈の位置を確実に検出することができる。
(4) 本発明に係る脈波検出装置は、
生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
前記脈波波形を表示する脈波波形表示手段と、
を備える。
本発明によれば、脈波検出手段によって検出された、複数の位置における動脈周辺の血管の脈波波形を、脈波波形表示手段を介して監視することができる。したがって、脈波波形の極性反転を認識することによって、動脈の周囲に近接する細動脈からの脈波波形を容易に検出することができる。
(5) 本発明に係る脈波検出装置は、
生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
前記極性検出手段の検出結果を告知する告知手段と、
を備える。
本発明によれば、脈波検出手段によって検出された複数の位置における動脈周辺の血管の脈波波形について、極性検出手段が検出した極性を、告知手段を介して監視することができる。したがって、脈波波形の極性反転を容易に認識することができ、動脈の周囲に近接する細動脈からの脈波波形を確実に検出することができる。
(6) 上記脈波検出装置において、
前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更する位置変更手段を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、位置変更手段によって脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更することによって、動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置において容易に検出することができる。
(7) 上記脈波検出装置において、
前記位置変更手段は、前記極性検出手段によって検出される極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲内にあるように、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更することが好ましい。
本発明によれば、その極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲、すなわち動脈による圧迫に起因する極性反転が認められる位置範囲となるように、脈波検出手段と検出部位との相対位置を位置変更手段が変更する。したがって、脈波検出手段は、動脈の周囲を取り巻く血管である細動脈を流れる血液流からの脈波波形を確実かつ高いSN比で検出することができる。
(8) 上記脈波検出装置において、
前記脈波検出手段によって検出される脈波波形から体動による成分を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、
前記極性検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて極性を検出することが好ましい。
本発明によれば、体動除去手段によって体動による成分が脈波波形から除去された体動除去脈波波形に基づいて、極性検出手段が極性を検出する。したがって、極性検出手段は体動がある場合でも正確に極性を検出することができる。
(9) 本発明に係る脈波検出装置は、
生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
前記脈波検出手段から出力される脈波波形の振幅を検出する振幅検出手段と、
前記極性検出手段の検出結果と前記振幅検出手段の検出結果を告知する告知手段と、
を備える。
本発明によれば、脈波検出手段によって検出された、複数の位置における動脈周辺の血管の脈波波形について、極性検出手段が検出した極性と振幅検出手段が検出した脈波波形の振幅とを、告知手段を介して監視することができる。したがって、脈波波形の極性反転と振幅の変化とを容易に認識することができ、動脈の周囲に近接する細動脈からの脈波波形を高いSN比で確実に検出することができる。
(10) 本発明に係る脈波検出装置は、
生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
前記極性検出手段によって検出される極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲のぼぼ中央位置に、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更する位置変更手段と、
を備える。
本発明によれば、脈波検出手段によって検出された複数の位置における動脈周辺の血管の脈波波形について、極性検出手段が検出した極性に基づいて、その極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲の中央位置、すなわち動脈による圧迫に起因する極性反転が認められる位置範囲の中央位置となるように、脈波検出手段と検出部位との相対位置を位置変更手段が変更する。したがって、脈波検出手段は、動脈の周囲を取り巻く血管である細動脈を流れる血液流からの脈波波形を確実かつ高いSN比で検出することができる。
(11) 本発明に係る脈波検出装置は、
生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
前記脈波検出手段から出力される脈波波形の振幅を検出する振幅検出手段と、
前記極性検出手段によって検出される極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲にあり、かつ、前記振幅検出手段によって検出される振幅がほぼ最大となるように、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更する位置変更手段と、
を備える。
本発明によれば、脈波検出手段によって検出された複数の位置における動脈周辺の血管の脈波波形について、極性検出手段が検出した極性に基づいて、その極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲すなわち動脈による圧迫に起因する極性反転が認められる位置範囲内で、しかも振幅検出手段が検出する振幅が最大となるように、脈波検出手段と検出部位との相対位置を位置変更手段が変更する。したがって、脈波検出手段は、動脈の周囲を取り巻く血管である細動脈を流れる血液流からの脈波波形を確実かつ高いSN比で検出することができる。
(12) 上記脈波検出装置において、
前記脈波検出手段によって検出される脈波波形から体動による成分を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、
前記極性検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて極性を検出し、
前記振幅検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて振幅を検出することが好ましい。
本発明によれば、体動除去手段によって体動による成分が脈波波形から除去された体動除去脈波波形に基づいて、極性検出手段が極性を検出し、振幅検出手段が振幅を検出する。したがって、体動がある場合でも、極性検出手段は正確に極性を検出することができ、振幅検出手段は振幅を正確に検出することができる。
(13) 上記脈波検出装置において、
前記体動除去手段は、
前記生体の体動を検出する体動検出部と、
前記体動検出部によって検出された体動波形の周波数解析を行う第1の周波数解析部と、
前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の周波数解析を行う第2の周波数解析部と、
前記第1の周波数解析部によって解析された周波数解析結果と、前記第2の周波数解析部によって解析された周波数解析結果とを比較して、前記体動除去脈波波形を生成する体動除去部と、
を備えることが好ましい。
本発明によれば、体動検出部が検出した体動波形の周波数解析を第1の周波数解析部で行い、脈波検出手段によって検出された脈波波形の周波数解析を第2の周波数解析部が行い、それらの解析結果の比較によって、体動除去部は体動除去脈波波形を正確に導出することができる。
(14) 上記脈波検出装置において、
前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、FFTを用いて周波数解析を行うことが好ましい。
(15) 上記脈波検出装置において、
前記位置変更手段は、少なくともFFTが行える最小単位時間以上の停止時間をもって移動することが好ましい。
本発明によれば、位置変更手段が変更する各位置において、確実にFFTを行うことができる。
(16) 上記脈波検出装置において、
前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、ウエーブレット変換を用いて周波数解析を行うことが好ましい。
(17) 上記脈波検出装置において、
前記位置変更手段は、少なくともウエーブレット変換が行える最小単位時間以上の停止時間をもって移動することが好ましい。
本発明によれば、位置変更手段が変更する各位置において、確実にウエーブレット変換を行うことができる。
(18) 上記脈波検出装置において、
前記体動除去手段は、
前記脈波検出手段からの脈波波形の周波数解析を行う周波数解析部と、
前記周波数解析部によって解析された周波数解析結果のうち低域成分を除去した周波数成分に基づいて、前記体動除去脈波波形を生成する体動分離部と、
を備えることが好ましい。
本発明によれば、体動除去手段は、周波数解析部が解析した周波数解析結果から、体動分離部が低域成分を除去することによって、脈波波形の基本波成分より低い周波数領域にある確率が高い体動による成分をほぼ取り除いた体動除去脈波波形を生成することができる。したがって、前述の体動除去手段が必要とした、体動検出部、および第1の周波数解析部を用いることなく、簡単な構成で体動除去脈波波形を生成することができる。
(19) 上記脈波検出装置において、
前記体動分離部は、前記低域成分の周波数上限を前記脈波検出手段が検出した脈波波形の基本周波数に基づいて決定することが好ましい。
本発明によれば、運動などによって脈拍が上昇すると、それに伴って脈波波形の基本波成分の周波数が上昇し、運動中は体の動きも活発であることから体動の周波数成分も上昇することに着目して、体動分離部においては除去する低域成分の周波数上限が脈波検出手段によって検出された脈波波形の基本周波数に基づいて決定される。これによって運動などによって体動による成分の周波数が上昇している場合でも、高い確率で体動成分を除去することができる。
(20) 上記脈波検出装置において、
前記周波数解析部は、FFTまたはウエーブレット変換を用いて周波数解析を行うことが好ましい。
(21) 上記脈波検出装置において、
前記脈波検出手段は、動脈周辺の血管を流れる血液流の光吸収特性に基づいて、動脈周辺の血管の脈波を検出する光学式の脈波検出手段であることが好ましい。
本発明によれば、光学式の脈波検出手段が用いられているため、圧力センサ式の脈波検出手段の場合のように検出部位に対して圧力を加える必要がないため、被験者に圧迫感を与えることなく脈波を検出することができるとともに、複数位置において脈波を検出するために脈波検出手段を移動させることも容易である。
(22) 上記脈波検出装置において、
前記脈波検出手段は、その検出波長が、300nmから700nmの波長領域中に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、光学式の脈波検出手段の検出波長が、血液に含まれるヘモグロビンなどによって吸収率の高い300nmから700nmの波長領域中に設定されているため、脈波検出手段が検出する光の吸収量が血管内の血液量によって大きく変化する。したがって、脈波波形を精度よく検出することができる。
また、波長が700nm以下の光は生体の組織を透過しにくいため、動脈より浅い部分にある動脈周囲の血管からの脈波を検出することができ、しかも、外光による影響を受けにくい。
(23) 上記脈波検出装置において、
前記動脈周辺の血管のほぼ中央に位置する動脈の脈波を検出する動脈脈波検出手段を更に備え、
前記動脈脈波検出手段は、前記脈波検出手段とほぼ同位置に設けられ、前記位置変更手段によって前記検出部位との間の相対位置が変更されることが好ましい。
本発明によれば、動脈周辺の血管のほぼ中央に位置する動脈の脈波を検出する動脈脈波検出手段が、脈波検出手段とほぼ同位置に設けられ、位置変更手段によって検出部位との間の相対位置が変更される。したがって、位置変更手段によって脈波検出手段が動脈周囲に位置する細動脈の脈波波形を検出する位置に移動されると、動脈脈波検出手段は、細動脈のほぼ中心にある動脈の脈波を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、橈骨動脈の立体模型図である。
図2は、橈骨動脈、細動脈および毛細血管の位置を模式的に示す断面図である。
図3は、橈骨動脈の脈動を示す模式図である。
図4は、毛細血管、細動脈、および境界領域の脈波波形を示す図である。
図5は、第1実施例の脈波検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図6は、第1実施例の脈波検出部の回路図である。
図7は、第1実施例に係る極性検出部の回路図である。
図8は、第1実施例に係る脈波検出装置の外観を示す斜視図である。
図9は、第1実施例に係る脈波検出装置を腕に装着した状態を示す斜視図である。
図10は、第1実施例において脈波波形と極性検出信号の関係を示す図である。
図11は、第2実施例に係る脈波検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図12は、第2実施例に係る自動位置変更機構の外観を示す正面図である。
図13は、脈波検出部の変形例を示す模式図である。
図14は、第3実施例に係る脈波検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図15は、第3実施例の脈波検出部と動脈脈波検出部とを示す模式図である。
図16は、第4実施例に係る脈波検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図17は、第4実施例に係る体動除去手段の構成例1を示すブロック図である。
図18は、第4実施例に係る第1の周波数解析部の詳細な構成を示すブロック図である。
図19は、第4実施例に係る体動除去手段の構成例1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図20は、第4実施例において、期間Tcにおける脈波解析データMKDを示す図である。
図21は、第4実施例において、期間Tcにおける体動解析データTKDを示す図である。
図22は、第4実施例において、体動除去脈波解析データMKDjを示す図である。
図23は、第4実施例に係る体動除去手段の構成例2を示すブロック図である。
図24は、人体の動脈を示す図である。
図25は、変形例に係る脈波検出装置の外観構成を示す図である。
図26は、変形例に係る自動位置変更機構10の機械的な構成を示す図である。
図27は、光電反射型の脈派検出装置を腕に装着した状態における断面図である。
[発明を実施するための最良の形態]
A.原理
まず、本発明に係る細動脈の脈波検出方法について説明する。なお、この例にあっては、橈骨動脈を取り巻く細動脈の脈波を検出する。図1は、橈骨動脈24の立体模型図である。血液は内皮100の中を流れる。内皮100は内膜101に覆われており、その外側には内弾性板102が形成されている。内弾性板102と外弾性板104の間には、中膜103が形成されている。中膜103は密に並んだ平滑筋で構成されている。外弾性板104の外側には外膜105が形成されており、外膜105の内部に細動脈ARが形成されている。橈骨動脈24が収縮すると、内弾性板102,外弾性板104は強く波うち、それが拡張すると平板状に伸びる。こうした脈動によって橈骨動脈24は血液を組織に供給するが、橈骨動脈24自体にも血液を供給する必要がある。この役割を担うのが、細動脈ARである。
また、図2は、橈骨動脈24、細動脈ARおよび毛細血管CA,CApの位置を模式的に示す断面図である。橈骨動脈24の内壁RAは、内皮100と内膜101からなる。この図に示すように、橈骨動脈24の内壁RAの外側には細動脈ARが形成されており、また、皮膚Sの内部には多数の毛細血管CA,CApが形成されている。この例では、橈骨動脈24の内壁RAと皮膚Sの間にある毛細血管CApと、橈骨動脈24の内壁RAから離れた位置にある毛細血管CAとを区別して示してある。
毛細血管CA,CApは網目状になっており、橈骨動脈24によって運ばれた血液を組織の隅々にまで供給している。このため、橈骨動脈24から検出される脈波波形と毛細血管CAから検出される脈波波形は、多少の時間遅れがあるものの、その極性は一致している。
ところで、橈骨動脈24には、心臓の収縮拡張によって送り出される血液流が流れるので、図3に示すような脈動が末梢部に向けて8〜16m/sで進行していく。ここで、位置X1のように橈骨動脈24の内壁RAが脈動によって拡張すると、その近傍にある細動脈ARと毛細血管CApは橈骨動脈24の内壁RAに圧迫されて虚血状態となる。一方、位置X2のように橈骨動脈24の内壁RAが拡張していない状態にあっては、細動脈ARと毛細血管CApは橈骨動脈24の内壁RAに圧迫されないので、通常の血液流が流れる。
このため、橈骨動脈24の脈波波形と細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形は、その極性が反転したものとなる。一方、上述したように橈骨動脈24の脈波波形と毛細血管CAの脈波波形では、極性が一致したものとなる。したがって、図4に脈波波形を示したように、毛細血管CAの脈波波形と細動脈ARの脈波波形とは、その極性が反転したものとなる。
手腕の周りの皮膚Sの上から、ごく浅い内部の脈波波形を計測すると、図2に示すように毛細血管CAの脈波波形が計測される領域W1,W3と、細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形が計測される領域W2がある。ここで、位置Xsから位置Xeに向けて(周方向に)脈波波形を計測していくと、領域W2において脈波波形の極性が反転することとなる。したがって、脈波波形の極性が反転する位置を検知することによって、橈骨動脈24の位置を特定することができる。
なお、実際の脈波波形の検出においては、毛細血管CAの脈波波形が検出される領域と、細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形が検出される領域との境界領域付近、すなわちW1とW2との境界領域付近およびW2とW3との境界領域付近においては、ほぼ同位相で(正確には細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形は毛細血管CAに対して幾分遅れがある)極性が逆の脈波波形が合成されて互いに打ち消しあった波形となる。したがって、図4に示したように、これらの境界領域では、振幅が非常に小さい微弱信号として反転過程にある脈波波形が観察される。この状態も含めて考えると、手腕の周りの皮膚Sの上からごく浅い内部の脈波波形の検出において、この境界領域における波形、または極性が反転した波形が得られる領域に、動脈周囲の血管に取り巻かれた動脈が位置するとの特定を行うことができる。
また、このような位置範囲で検出された脈波波形は、細動脈ARや周辺の毛細血管CApの血液流に基づいて検出される。ここで、細動脈ARは上述したように橈骨動脈24に血液を供給する役割を果たすものであるから、その脈波波形を解析することにより、橈骨動脈24の状態を正確に把握することができ、例えば、動脈硬化の診断や、精神的な影響をうけて動脈が緊張する度合いを知るのに役立てることが可能である。
本発明者らは、以上説明したように医学的な見地から毛細血管CA,CAp、橈骨動脈24の内壁RA、および細動脈ARを考察した結果に着目して、細動脈の脈波波形を簡易に検出する脈波検出法を開発した。この脈波検出法の要点は、移動可能な脈波検出手段を用いて生体の検出部位から脈波波形を検出する際に、特定の波長の光を検出光として用い、検出された脈波波形の極性が反転するように脈波検出手段と検出部位との相対的な位置関係を変更するものである。
B.第1実施例
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施例に係る脈波検出装置を説明する。
B1.脈波検出装置の構成
B1−1:電気的構成
図5は、第1実施例に係る脈波検出装置の電気的構成を示すブロック図である。この図に示した脈波検出手段としての脈波検出部1は、毛細血管CA,CApおよび細動脈ARの脈波波形MHを検出する。脈波検出部1は、図6に示すようにLED32(発光部)、フォトトランジスタ33(受光部)などから構成される。この図において、スイッチSWがon状態となり、電源電圧が印加されると、LED32から光が照射され、血管や組織によって反射された後に、フォトトランジスタ33によって受光され、脈波波形MHが検出される。ここで、LEDの発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選ばれる。このため、受光レベルは血流量に応じて変化する。したがって、受光レベルを検出することによって、脈波波形を検出できる。
また、LED32としては、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDが好適である。青色LEDの発光スペクートルは、例えば450nmに発光ピークを有し、その発光波長域は、350nmから600nmまでの範囲にある。このような発光特性を有するLEDに対応するフォトトランジスタ33の一つとして、本実施例で用いるGaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタがある。このフォトトランジスタ33の受光波長領域は、例えば、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にあって、300nm以下にも感度領域がある。このような青色LEDとフォトトランジスタ33とを組み合わせると、それらの重なり領域である300nmから600nmまでの波長領域において、脈波が検出される。この場合には、以下の利点がある。
まず、図2を示して前述したように、細動脈ARは橈骨動脈24の血管壁を外側から取り巻くように形成されており、また、橈骨動脈24の内壁RAと皮膚Sの間に毛細血管CApが形成されている。このため、仮に細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形MHを検出する目的で照射した光が橈骨動脈24の内壁RAの内部まで届くと、その血液流を検出してしまう。橈骨動脈24の脈波波形と毛細血管CAの脈波波形の極性は、上述したように同一であるから、照射光が橈骨動脈24の内部まで届くと、腕の周方向に脈波検出部1を移動させても、橈骨動脈24の位置で脈波波形MHの極性の反転せず、橈骨動脈24の位置を特定することができない。しかし、波長が700nm以下の光は、生体の組織を透過しにくい傾向があり、皮膚表面から2mm〜3mm程度までしか届かない。また、橈骨動脈24は、皮膚の表面から3mm以上深い所にあるのが通常である。したがって、検出光の範囲(照射光と受光感度が重複する範囲)を300nmから600nmまでの波長領域に設定すると、橈骨動脈24の血液流の影響を受けることなく毛細血管CAと細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形MHを検出することができる。
また同様に、外光に含まれる光のうち、波長が700nm以下の光は、生体の組織を透過しにくい傾向があるため、外光が遮光部分(後述するバンド)で覆われていない皮膚に照射されても、生体の組織を介してフォトトランジスタ33まで到達せず、検出に影響を与えない波長領域の光のみがフォトトランジスタ33に達する。一方、300nmより長い波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。したがって、検出部位を大掛かりに覆わなくとも、外光の影響を抑圧することができる。
また、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。したがって、この例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光特性が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に応じて感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波波形MHのSN比を高めることができる。
次に、位置変更手段としての手動位置変更機構2は、脈波検出部1の橈骨動脈24に対する相対的な位置関係を手動によって変更可能とする機構である。この例における手動位置変更機構2は機械的な構成であるので、この点については後述する。
そして、極性検出手段としての極性検出部3は脈波波形MHの極性を検出して極性検出信号KSを出力する。図7は、極性検出部3の回路図である。図に示すように極性検出部3は、+V,−Vの電源電圧が供給されるオペアンプ30、抵抗R1,R2から構成されている。オペアンプ30の正入力には、その出力が抵抗R1,R2を介して正帰還されており、これによりヒシテリシスコンパレータが構成される。ヒシテリシスコンパレータは2つの閾値L1,L2(L1>L2)を持ち、その出力信号は入力信号がL1を越えるとハイレベルとなり、L2を下回るとローレベルとなる。この例において、抵抗R1,R2の抵抗値をR1,R2とすれば、L1,L2は以下の式で与えられる。
L1=+V・R2/(R1+R2)
L2=−V・R2/(R1+R2)
したがって、脈波波形MHが閾値L1を上回れば極性検出信号KSはハイレベルとなり、脈波波形MHが閾値L2を下回れば陰性検出信号KSはローレベルとなる。
告知手段としての表示部4は、液晶表示装置によって構成される。そこには、極性検出部2で検出された極性、また、橈骨動脈24の脈波波形MHの振幅値、脈拍数等の生体情報が表示される。極性は、例えば、「+」「−」といった記号で表示される。これにより、手動位置変更機構2を被験者が操作すると、脈波検出部1で検出された脈波波形MHの極性が表示部4に表示されるので、被験者は、陰性が反転した位置、すなわち、橈骨動脈24の位置を知ることができる。また、8は生体情報生成部であって脈波波形MHに基づいて、その振幅値、脈拍数等の生体情報を生成する。
以上の構成によって、被験者が手動位置変更機構2を操作すると、脈波検出部1によって検出された脈波波形MHの極性が極性検出部3によって検出され、これが表示部4に表示される。橈骨動脈24の内壁RAの周辺にある細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形は、毛細血管CAの脈波波形MHとその極性が反転したものとなるので、被験者は、表示部4に表示される極性が反転した位置を橈骨動脈24の位置として認識することができる。これにより、脈波検出部1を橈骨動脈24の上部に位置決めすることができる。また、より正確に位置決めを行う場合には、表示部4に表示される脈波波形MHの振幅値が最大になるように位置決めを行うことも可能である。
B1−2:機械的構成
次に、図8は、本実施例に係る脈波検出装置の外観を示す斜視図である。この図に示すように、本実施例の脈波検出装置は腕時計の形態をとっている。この図に示した本体18は、前述した極性検出部3と表示部4を収納している。また、本体18には、図示せぬ時計ICが設けられており、表示部4は図8に示すように、時計ICが出力する時刻情報を表示する。また、各種操作を行うための操作ボタン11は、例えば、脈波を測定する測定モードと時刻を表示する時計モードの切り替えなどを行う。
また、本体18には、一対のバンド13a、13bが取り付けられており、図9に示すように、これらを腕に巻き付け、所定の止め金具12で止めることにより、腕に装着される。14は、バンド13a,13bに沿って移動可能な矩形断面の筒状の摺動体であり、この摺動体14内に脈波検出部1が設けられている。したがって、摺動体14を移動させると、脈波検出部1が移動する。この脈波検出部1は光学式センサで構成されているので、圧力センサのように突起がない。したがって、位置決めを行う際に摺動体14を円滑に移動させることができ、被験者が圧迫感を受けることもない。また、脈波検出部1と本体18との間には、図示せぬケーブルが設けられており、これにより、検出された脈波波形MHが伝達されるようになっている。
B2.脈波検出装置の動作
次に、第1実施例の脈波検出装置の動作について説明する。まず、バンド13a,13bを腕に巻き、止め金具12によって固定する。そして、操作ボタン11を操作することによって、位置決めモードに設定する。この結果、脈波検出部1の発光部(LED32)から光が被験者の腕に照射され、その反射光が受光部(フォトトランジスタ33)で受光される。血管を流れる血液は、上述したように光を吸収する吸光特性を持っているから、受光部が受光する反射光は、毛細血管CA,CApや細動脈ARを流れる血液によって吸収され、その光量は減衰する。その減衰量は、その血管における照射光が貫く部位の血液容量の関数となり、すなわち、毛細血管CA,CApや細動脈ARを流れる血液の脈波に対応したものとなる。
ここで、摺動体14が図2に示す位置Xsにあり、これを位置Xeまで移動させるものとする。この場合、脈波検出部1によって検出される脈波波形MHは、摺動体14の移動速度にもよるが、十分低速で移動させたとすると、図10にMHと付した脈波波形MHとなる。なお、図10に示すL1,L2は、極性検出部3に用いられるヒシテリシスコンパレータの閾値である。
ヒシテリシスコンパレータの出力は、脈波波形MHの振幅が閾値L1を越えるとハイレベルとなり、閾値L2を下回るとローレベルになるから、極性検出信号KSは図10にKSを付して示した波形となる。ここで、極性検出信号KSがハイレベルの期間T1,T3は図2に示す領域W1,W3に対応し、一方、ローレベル期間T2は図2に示す領域W2に対応する。
この場合、期間T1,T3においては表示部4に「+」が、期間T2においては表示部4に「−」が表示されるが、摺動体14の移動距離に対して橈骨動脈24の太さは小さいから、期間T2はごく短い期間となる。したがって、被験者は表示部4に表示される極性を見ながら摺動体14を移動させることによって、橈骨動脈24の位置を知ることができる。
このようにして、橈骨動脈24の上に摺動体14を移動させた後、操作ボタン11を操作することによって、脈波検出モードに設定される。すると、表示部4には脈波検出部1によって検出された脈波波形MHの振幅値が表示される。ここで、被験者は脈波波形MHの振幅が最大となるように、摺動体14の位置を微調整することによって、より正確な細動脈ARの脈波波形MHを検知することができる。
B3.第1実施例の変形例
(1)告知手段の一例
前述のように、本実施例によれば、表示によって脈波検出部1と細動脈ARとの位置関係(脈波検出部1と橈骨動脈24との位置関係)を操作者に告知するようにしたが、これに代えて音によって告知するように構成してもよい。すなわち、極性検出部3の極性検出信号KSに基づいて発音を行う発音手段VOを設けてもよい。そして、発音手段においては、例えば、極性検出信号KSのレベルに応じて、音量、音高、音色、などの音の属性を変えることによって、脈波検出部1と細動脈ARの位置関係を告知するように構成する。また、音の発音間隔、例えば、ピッピッピという電子音の発音間隔などを変化させることによって告知してもよい。
(2)脈波検出部1の位置決め方法の一例
前述のように、本実施例によれば、表示部4の表示を見ながら、脈波検出部1の位置を良好に設定することができるが、腕に装着した際の当初の位置決めにおいても、できるだけ橈骨動脈24付近を貫通するようにした方が好適である。そこで、一応の目安として、バンド13aにマークを付けるとよい。すなわち、図9に示すように、バンド13aに所定の間隔で目盛り13m、13m……を付けておき、摺動体14がどの目盛りの位置で当初位置決めされたかを覚えておく。そして、バンド13a,13bを腕に装着した直後に、摺動体14の位置をその目盛り位置に調整する。このようにすれば、測定モードに移行した後の摺動体14の調整量が少なくて済み、測定が迅速に行える。
C.第2実施例
C1.脈波検出装置の構成
図11は、第2実施例に係る脈波検出装置の電気的構成を示すブロック図である。本実施例は、前述の第1実施例の構成における摺動体14(手動位置変更機構2)に代えて、自動位置変更機構10と制御部6を設けたものである。
位置変更手段としての自動位置変更機構10は、脈波検出部1を腕の周方向(橈骨動脈24に対して直交する方向)に駆動するものであり、制御部6によって駆動される。制御部6は、極性信号KSに基づいて、その極性が反転する区間の中央に脈波検出部1が位置するようにパルス駆動信号DSを生成する。
ここで、図12は、自動位置変更機構10の外観を示す正面図(皮膚側)であり、図示のようにバンド13bが貫通している。自動位置変更機構10の内部は、リニアパルスモータの構成になっており、図示の10bはそのスライダである。このリニアパルスモータは、パルス駆動信号DSによって内部コイルの励磁条件を変更し正確に一定ピッチづつ直線的に歩進するようになっている。スライダ10bには、皮膚側に可動部10cが設けられており、この可動部10cに脈波検出部1が取り付けられている。可動部10cは、溝10aに沿って図面左右方向に1cm程度のストロークで移動自在である。
C2.脈波検出装置の動作
以上の構成において、位置決めモードが設定されると、制御部6は、自動位置変更機構10を初期化するように駆動信号DSを出力する。具体的には、図12に示す可動部10cをみぞ10aの右端に移動させる。
この後、制御部6は可動部10cを右から左へ一定の速度で移動させるように自動位置変更機構10を制御する。この場合、可動部10cの移動速度は、脈波波形MHの反転を検出できるように設定される。可動部10cが移動を開始すると、脈波検出部1からの脈波波形MHに基づいて、極性検出部3はその極性を検出し、極性信号KSを生成する。
極性信号KSが制御部6に供給されると、制御部6は極性信号KSが反転するまで、可動部10cを左方向へ移動させるように制御する。橈骨動脈24の内壁RAの血管径は、可動部10cのストローク(1cm)に対して小さく、また、バンド13bに対する自動位置変更機構10の取り付け位置は、自動位置変更機構10の中心が橈骨動脈24と略一致するように設定される。このため、可動部10cの初期化時に脈波検出部1が橈骨動脈24の上部に位置することはごく稀であり、可動部10cは初期化時に図2に示す位置Xsに位置する。したがって、初期化位置から可動部10cが移動を開始すると、まず、毛細血管CAの脈波波形MHが脈波検出部1によって検出される。そして、さらに可動部10Cが移動すると、細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形MHが検出される。ここで、毛細血管CAの脈波波形MHと細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形MHとの極性は反転するから、極性信号KSが反転した時、可動部10cは橈骨動脈24の左端上部に位置している。
制御部6は極性信号KSの反転を検知すると、パルス駆動信号DSのパルス数のカウントを開始し、極性信号KSの極性が再反転するまでカウントを行う。極性信号KSが再反転するのは、脈波検出部1によって検出される脈波波形MHが、細動脈ARおよび毛細血管CApから毛細血管CAに切り替わった時である。すなわち、このタイミングにおいて、可動部10cは橈骨動脈24の右端上部に位置している。
この後、制御部6は、カウントされたパルス駆動信号DSのパルス数を半分にし、このパルス数だけ可動部10cを逆方向に移動させるようにパルス駆動信号DSを生成する。これにより、可動部10cを橈骨動脈24の真上に移動させることができ、細動脈ARからの脈波波形MHを精度良く検出することができる。る。
以上の動作の結果、脈波検出部1は、脈波波形MHが最大になる位置に制御される。本実施例においては、圧力センサによって位置決めする装置(例えば、米国特許No.4951679)と異なり、位置決めを行う際には、脈波検出部1を表皮に押しつけていないので、可動部10cを腕の表皮に沿って移動させる力は少なくて済む。したがって、一般的なリニアパルスモータのトルクで十分にサーボ制御が可能である。また、動脈血管の径から、可動部10cの移動距離すなわちストロークは1cm程度あれば、十分に脈波検出部1の最適位置を見つけることができる。
C3.第2実施例の変形例
(1)第2実施例においては、表示部4における振幅値の表示を省略してもよい。これは、装置がサーボ機構によって自動的に脈波検出部1を最適位置にするので、利用者が振幅値をモニタしなくてもよいからである。ただし、表示部4で振幅値を表示すれば、サーボ機構の動作状況を知ることができ、また、仮にサーボ機構が故障した場合には、手動によって脈波検出部1の位置を最適化することができる。
(2)第2実施例において、脈波検出部1で検出される脈波波形MHの振幅値を制御部6に供給し(図11中の点線を参照)、この振幅値と極性信号KSに基づいてパルス駆動信号DSを生成してもよい。この場合、制御部6は極性信号KSの反転を検知すると、橈骨動脈24の血管組織の内部に形成される細動脈ARの脈波波形MHが検出される。この後、制御部6は、可動部10cを右に1ピッチ移動させ、脈波波形MHの振幅値が大きくなるか否かを判定する。仮に大きくなっていたら、さらに、1ピッチ右に移動させ、振幅値が大きくなるか否かを測定する。以後同様にして、右に移動させて行き、振幅値が小さくなったときは、1ピッチ左に戻って移動を終了する。以上の動作の結果、脈波検出部1は、脈波波形MHの振幅が最大になる位置に制御される。
ところで、ランニング等の運動中にあっては、腕に巻き付けたベルトが腕の振りよってずれることがある。このような場合、脈波検出部1の位置が橈骨動脈24の真上からずれてしまい、脈波波形MHのSN比が劣化することが起こりうる。そこで、制御部6において、脈波波形MHの振幅値が過去の平均した振幅値からある値を越えて低下したこと検知し、これをトリガとして、再度、上述した振幅値に基づく脈波検出部1の位置変更を行うようにしてもよい。
(3)上記においては、自動位置変更機構10によって検出部位に対して脈波検出部1を移動させることによって、複数の位置における脈波波形を脈波検出部1によって検出していた。しかしながら、図12に対応する変形例として図13に示すように、発光素子と受光素子の複数の対がアレイ状に形成されたものとして脈波検出部46を形成し、どの発光素子と受光素子の対が使用されるかを制御可能とすることによって、複数の位置における脈波波形を検出することができる。この場合、自動位置変更機構10は不要であり、脈波検出部46に設けられた複数の発光素子と受光素子の対のいずれを選択するかを制御する機能を、制御部6が備えていればよい。
D.第3実施例
D1.脈波検出装置の構成
図14は、第3実施例に係る脈波検出装置60の電気的構成を示すブロック図である。本実施例は、脈波検出部1に加えて動脈脈波検出部62が設けられ、生体情報生成部8は動脈脈波検出部62からの情報を取り入れて生態情報を生成し、表示部4はその生体情報を表示する点が第2実施例の脈波検出装置40とは異なる。それら以外については第2実施例と同様であるのでその説明を省略する。また、図面において第2実施例に対応する部分については同一の符号を付す。
本実施例の脈波検出部1と動脈脈波検出部60とは、第2実施例において図12に示した脈波検出部1の位置に設けられ、図15に示すように互いに隣接してほぼ同位置に設けられている。これら脈波検出部1と動脈脈波検出部60は、いずれも第2実施形態の場合と同様に可動部10cに取り付けられている。したがって、脈波検出部1および動脈脈波検出部60は、自動位置変更機構10によって、検出しようとする部位との間の相対位置が第2実施例において脈波検出部1を移動させた場合と同様に変更される。
動脈脈波検出部62は、細動脈ARのほぼ中央に位置する動脈例えば橈骨動脈24の脈波波形MHaを検出する(図2参照)。動脈脈波検出部62は、例えばLEDまたはELなど(発光部)と、フォトトランジスタ(受光部)とを含んで構成される。動脈脈波検出部62においては、発光部の発光波長領域と受光部の感度領域とが重なる領域である動脈脈波検出部62としての感度領域は、皮膚からの深さが例えば橈骨動脈24の位置に対応する深さの動脈中のヘモグロビンによる光吸収を主に検出できるように選ばれる。このため、受光レベルは動脈例えば橈骨動脈24の血流量に応じて変化する。したがって、受光レベルを検出することによって、動脈例えば橈骨動脈の脈波波形を検出できる。
D2.脈波検出装置の動作
上記の構成を有する脈波検出装置60が、位置決めモードに設定されると、制御部6は、自動位置変更機構10を初期化するように駆動信号DSを出力する。具体的には、図12に示した可動部10cをみぞ10aの右端に移動させる。
この後、制御部6は可動部10cを右から左へ一定の速度で移動させるように自動位置変更機構10を制御する。この場合、可動部10cの移動速度は、脈波検出部1が検出する脈波波形MHの反転を検出できるように設定される。可動部10cが移動を開始すると、脈波検出部1からの脈波波形MHに基づいて、極性検出部3はその極性を検出し、極性信号KSを生成する。
極性信号KSが制御部6に供給されると、制御部6は極性信号KSが反転するまで、可動部10cを左方向へ移動させるように制御する。橈骨動脈24の内壁RAの血管径は、可動部10cのストローク(1cm)に対して小さく、また、バンド13bに対する自動位置変更機構10の取り付け位置は、自動位置変更機構10の中心が橈骨動脈24とほぼ一致するように設定される。このため、可動部10cが初期化されてみぞ10aの右端に位置したときに、脈波検出部1または動脈脈波検出部62が橈骨動脈24の上部に位置することはごく稀である。したがって、可動部10cは初期化時に図2に示す位置Xsに位置し、初期化位置から可動部10cが移動を開始すると、まず、毛細血管CAの脈波波形MHが脈波検出部1によって検出される。そして、さらに可動部10cが移動すると、脈波検出部1によって細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形MHが検出され、動脈脈波検出部60によって橈骨動脈24の脈波が検出される。前述したように、毛細血管CAの脈波波形MHと、細動脈ARおよび毛細血管CApの脈波波形MHとは反転した極性を有するため、極性信号KSが反転するときに、可動部10cは橈骨動脈24の右端上方に位置している。
制御部6は極性信号KSの反転を検知すると、パルス駆動信号DSのパルス数のカウントを開始し、極性信号KSの極性が再反転するまでカウントを行う。極性信号KSが再反転するのは、脈波検出部1によって検出される脈波波形MHが、細動脈ARおよび毛細血管CApのものから、毛細血管CAのものに切り替わった時である。すなわち、このタイミングにおいて、可動部10cは橈骨動脈24の左端上方に位置している。
この後、制御部6は、カウントされたパルス駆動信号DSのパルス数を半分にし、このパルス数だけ可動部10cを逆方向に移動させるようにパルス駆動信号DSを生成する。これにより、可動部10cは橈骨動脈24の真上に移動する。動脈脈波検出部62は、この位置において、橈骨動脈24からの脈波波形MHaを確実にしかも高いSN比で検出することができる。
E:第4実施例
上述した各実施例は、脈波検出部1で検出された脈波波形MHの極性を検出し、この検出結果に基づいて脈波検出部1の位置決めを行うものであった。ところで、運動時には毛細血管CA,CApや細動脈ARを流れる血液流は体動の影響を受けるため、脈波波形MHに体動成分が重畳し、脈波波形MHの振幅が脈動とは無関係に大きく変動する。このような場合、脈波検出部1の出力に基づいて極性を判定すると、体動の影響を受けて極性を正確に判定できないこともある。そこで、第4実施例にあっては、体動成分を除去した後に極性を検出することにより、体動がある場合であっても正確に脈波検出部1の位置決めを行うようにしている。
第4実施例に係る脈波検出装置65の電気的構成を図16に示す。この脈波検出装置65の構成は、脈波検出部1と極性検出部3との間に体動除去手段7を設けた点を除いて、上述した第2実施例の脈波検出装置と同様である。体動除去手段7は、脈波波形MHから体動波形を除去して体動除去脈波波形MHjを生成する。体動除去手段7の具体的な構成としては、以下の構成例がある。
E1.体動除去手段の構成例1
図17は、体動除去手段7の構成例1を示すブロック図である。この図に示した体動検出部70は、本体18(図8参照)の内部に設けられ、加速度センサ等で構成される。体動検出部70によって、生体の体動を示す体動波形THが検出される。
また、第1の周波数解析部71は、体動波形THに周波数解析を施して、体動解析データTKDを生成する。一方、第2の周波数解析部72は、脈波波形MHに周波数解析を施して、脈波解析データMKDを生成する。周波数解析の手法には、FFT(高速フーリエ変換)の他、ウエーブレット変換等がある。この例にあっては、ウエーブレット変換を一例として説明する。
一般に、信号を時間と周波数の両面から同時に捉える時間周波数解析において、ウエーブレットは信号の部分を切り出す単位となる。ウエーブレット変換は、この単位で切り出した信号各部の大きさを表している。ウエーブレット変換を定義するために基底関数として、時間的にも周波数的にも局在化した関数ψ(x)をマザー・ウエーブレットとして導入する。ここで、関数f(x)のマザー・ウエーブレットψ(x)によるウエーブレット変換は次のように定義される。
Figure 0003882204
式(1)においてbは、マザー・ウエーブレットψ(x)をトランスレート(平行移動)する際に用いるパラメータであり、一方、aはスケール(伸縮)する際のパラメータである。したがって、式(1)においてウエーブレットψ((x−b)/a)は、マザー・ウエーブレットψ(x)をbだけ平行移動し、aだけ伸縮したものである。この場合、スケールパラメータaに対応してマザー・ウエーブレットψ(x)の幅は伸長されるので、1/aは周波数に対応するものとなる。
ここで、第1の周波数解析部71の詳細な構成について説明する。図18は第1の周波数解析部71の詳細な構成を示すブロック図である。なお、第2の周波数解析部72も第1の周波数解析部71と同様に構成される。この第1の周波数解析部71は、上記した式(1)の演算処理を行う構成であって、クロックCKが供給され、クロック周期で演算処理が行われるようになっている。図示するように第1の周波数解析部71は、マザー・ウエーブレットψ(x)を記憶する基底関数記憶部W1、スケールパラメータaによる変換を行うスケール変換部W2、バッファメモリW3、トランスレートを行う平行移動部W4、および乗算部W5から構成される。なお、基底関数記憶部W1に記憶するマザー・ウエーブレットψ(x)としては、ガボールウエーブレットの他、メキシカンハット、Haarウエーブレット、Meyerウエーブレット、Shannonウエーブレット等が適用できる。
まず、基底関数記憶部W1からマザー・ウエーブレットψ(x)が読み出されると、スケール変換部W2はスケールパラメータaによる変換を行う。ここで、スケールパラメータaは周期に対応するものであるから、aが大きくなると、マザー・ウエーブレットψ(x)は時間軸上で伸長される。この場合、基底関数記憶部W1に記憶されるマザー・ウエーブレットψ(x)のデータ量は一定であるので、aが大きくなると単位時間当たりのデータ量が減少してしまう。スケール変換部W2は、これを補うように補間処理を行うとともに、aが小さくなると間引き処理を行って、関数ψ(x/a)を生成する。このデータはバッファメモリW3に一旦格納される。
次に、平行移動部W4はバッファメモリW3からトランスレートパラメータbに応じたタイミングで関数ψ(x/a)を読み出すことにより、関数ψ(x/a)の平行移動を行い関数ψ((x−b)/a)を生成する。
次に、乗算部W5には、図示せぬA/D変換器を介して体動波形THをA/D変換して得た体動波形データTHDが供給される。乗算部W4は、変数1/a1/2、関数ψ((x−b)/a)および体動波形データTHDを乗算してウエーブレット変換を行い、体動解析データTKDを生成する。この例において、体動波形データTKDは、0Hz〜0.5Hz、0.5Hz〜1.0Hz、1.0Hz〜1.5Hz、1.5Hz〜2.0Hz、2.0Hz〜2.5Hz、2.5Hz〜3.0Hz、3.0Hz〜3.5Hz、3.5Hz〜4.0Hzといった周波数領域に分割されて出力される。なお、第2の周波数解析部72も、第1の周波数解析部71と同様に構成される。
次に、図17に示した体動除去部73は、脈波解析データMKDから体動解析データTKDを減算して、体動除去脈波解析データMKDjを生成し、これに逆ウエーブレット変換、D/A変換を施して体動除去脈波波形MHjを生成する。逆ウエーブレット変換は、上述したウエーブレット変換と相補的な関係にあり、そこでは以下に示す式(2)の演算がなされる。
Figure 0003882204
ここで、体動除去手段の構成例1の動作を図面を参照しつつ説明する。この例では、使用者が手でコップを持ち上げた後、これを元の位置に戻した場合を想定する。この場合、図19に示す脈波波形MHが脈波検出部1によって検出され、また、同時に図19に示す体動波形THが体動検出部70によって検出されたものとする。
ここで、体動波形THは、時刻T1から増加しはじめ、時刻T2で正のピークとなり、その後、次第に減少して時刻T2でレベル0を通過し、時刻T3で負のピークに達し、時刻T4でレベル0に戻っている。ところで、体動波形THは加速度センサ等によって検出されるため、時刻T3は使用者がコップを最大に持ち上げた時刻に対応し、時刻T1は持上開始時刻に対応し、また、時刻T4は持上終了時刻に対応する。したがって、時刻T1から時刻T4までの期間が体動の存在する期間となる。なお、脈波波形MHjは仮に体動がなかったとした場合の脈波波形である。また、この例において、脈波波形MHの基本波周波数は、1.3Hzとなっている。
次に、図20〜図22を参照して、図19に示す期間Tcにおける脈波検出装置の動作を説明する。図20は期間Tcにおける脈波解析データMKDを示し、図21に期間Tcにおける体動解析データTKDを示す。この図から、体動波形THには、0.0Hz〜1.0Hzの周波数領域において比較的大きなレベルの周波数成分が存在していることが判る。
脈波解析データMKDと体動解析データTKDが、体動除去部73に供給されると、体動除去部73は、脈波解析データMKDから体動解析データTKDを減算して、図22に示す体動除去脈波解析データMKDjを生成する。これにより、体動がある場合でもその影響をキャンセルして体動除去脈波解析データMKDjを得ることができる。この後、体動除去部73は体動除去脈波解析データMKDjに逆ウエーブレット変換を施して、図21に示す体動除去脈波波形MHjを生成する。
このように構成例1にあっては、体動検出部70で検出された体動波形THに基づいて、脈波波形MHに重畳している体動成分を除去し体動除去脈波波形MHjを生成したので、腕の振り等の体動がある場合であっても、正確に橈骨動脈24の位置を検出することが可能となる。この例は、脈波検出中に脈波波形MHの振幅値が最大となるように、自動位置変更機構10をフィードバック制御する場合に好適である。
E2.体動除去手段の構成例2
構成例1においては、体動検出部70によって体動波形THを検出し、体動波形THにウエーブレット変換を施した。そして、脈波波形MHのウエーブレット変換の結果と、体動波形THのウエーブレット変換の結果とを比較して、脈波波形MHの周波数成分に含まれている体動成分をキャンセルし体動除去脈波波形MHjを生成した。しかし、構成例1では、体動検出部70および第1の周波数解析部71が必要になるので、構成が複雑になる。構成例2は、この点に鑑みてなされたものである。なお、以下の説明では、ウエーブレット変換を周波数解析の一例として説明するが、構成例1と同様にウエーブレット変換の替わりにFFTを用いてもよいことは勿論である。
図23は、体動除去手段7の構成例2を示すブロック図である。この例にあっては、体動除去手段7は、第2の周波数解析部72と体動分離部74から構成される。第2の周波数解析部72については構成例1と同一である。体動分離部74は、脈波解析データMKDから体動成分を分離除去して体動除去脈波波形MHjを生成する。体動分離部74は、以下に述べる体動の性質を利用している。
体動は、腕の上下動や走行時の腕の振り等によって生じるが、日常生活においては、人体を瞬間的に動かすことはほとんどない。このため、日常生活では、体動波形THの周波数成分はそれほど高くなく、0Hz〜1Hzの範囲にあるのが通常である。また、脈波波形MHの基本波周波数は、1Hz〜2Hzの範囲にあることが多い。したがって、日常生活において、体動波形THの周波数成分は脈波波形MHの基本波周波数よりも低い周波数領域にある。
一方、ジョギング等のスポーツ中にあっては、腕の振り等の影響があるため、体動波形THの周波数成分が幾分高くなるが、運動量に応じて心拍数が増加するため、脈波波形MHの基本波周波数も同時に高くなる。このため、スポーツ中においても、体動波形THの周波数成分は脈波波形MHの基本波周波数よりも低い周波数領域にあるのが通常である。
体動分離部74は、この点に着目して体動成分を分離するものであり、脈波波形MHの基本波成分よりも低い周波数領域を無視するように構成されている。この場合には、脈波波形MHの基本波成分より高い周波数領域に体動成分が存在すると脈象の検出精度が低下する。しかしながら、上述したように体動成分は脈波波形MHの基本波成分よりも低い周波数領域にある確率が高いので、高い精度で体動による成分を除去することが可能である。すなわち、体動分離部74は、周波数解析結果のうち低域成分を除去した周波数成分に基づいて、体動除去脈波波形MHjを生成するものである。
図23において、波形整形部741は脈波波形MHに波形整形を施して、脈波波形MHと同期したリセットパルスを生成する。カウンタ742は図示せぬクロックパルスを計数し、前記リセットパルスによってカウント値がリセットされるようになっている。また、平均値算出回路743は、カウンタ742のカウント値の平均値を算出する。この平均値は、脈波波形MHの平均周期に対応する。したがって、平均値を参照すれば、脈波波形MHの基本波周波数を検知できる。
次に、置換回路744は、前記平均値に基づいて、脈波波形MHの基本波周波数を含む周波数領域を特定する。例えば、前記平均値が0.71秒を示す場合には、基本波周波数は1.4Hzとなるので、特定される周波数領域は1Hz〜1.5Hzとなる。この後、置換回路744は、特定周波数領域未満の周波数領域について、脈波解析データMKDを「0」に置換して体動分離脈波データTBDを生成する。これにより、脈波波形MHの基本波周波数より低い周波数領域の成分は無視される。この場合、体動成分とともに脈波成分も「0」に置換されてしまうが、脈波波形MHの特徴的な部分は基本波周波数よりも高城の周波数領域に存在するため、「0」に置換しても最終的に得られる体動除去脈波波形MHjにほとんど影響を与えない。次に、逆変換部745は体動分離脈波データTBDに逆ウエーブレット変換を施して体動除去脈波波形MHjを生成する。
このように構成例2にあっては、体動検出部70および第1の周波数解析部71を用いることなく、体動分離部74によって体動除去脈波波形MHjを生成したので、簡易な構成で正確に橈骨動脈24の位置を検出することが可能となる。この例は、構成例1と同様に脈波検出中に脈波波形MHの振幅値が最大となるように、自動位置変更機構10をフィードバック制御する場合に好適である。
E3.第4実施例の変形例
(1)上述した第4実施例にあっては、第2実施例と同様に自動位置変更機構10を有する脈波検出装置を一例として説明したが、第1実施例で説明した手動位置変更機構2を有する脈波検出装置に、体動除去手段7を適用してもよいことは勿論である。
(2)上述した第4実施例にあって、ウエーブレット変換の出力は、各周波数領域と時間領域との間に一定の関係があるので、分割する周波数領域に応じて検出時間が定まる。このため、自動位置変更部10を検出時間単位毎に間欠駆動するのが好適である。また、周波数解析の手法としてFFTを用いる場合には、自動位置変更部10をFFTが行える検出時間単位毎に間欠駆動するのが好適である。
F.変形例
本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、以下に述べる各種の変形が可能である。
(1)上述した各実施例においては、脈派を検出する生体の部位として、手首の橈骨動脈を一例として説明したが、本発明は動脈の血管組織の内部に形成される細動脈の脈波波形を検出することを目的とするから、脈波を検出する生体の部位はこれに限定されるものではない。すなわち、人の動脈には、図24に示すように各種のものがあるが、上述した脈派検出装置の形態を検出部位に合わせて変形すれば、各種の動脈またはその動脈を取り巻く細動脈の位置決めを行うことができ、正確な脈波波形の検出が可能である。
例えば、首の頚動脈から脈波波形MHを検出する場合にあっては、図25に示すように構成すればよい。この図において、アーチ状の装着部80は、洋服のカラーの内側部分に装着できるようになっている。この装着部80の内側には、自動位置変更機構10が取り付けられている。自動位置変更機構10からはコードが引き出され、制御ボックス35に接続されている。制御ボックス35には、表示部4や極性検出部3が設けられている。制御ボックス35は、例えば、洋服のポケットなどに入る大きさに設定されている。上述した構成によるこの実施例の動作は、前述した第2実施例と同様である。
また、自動位置変更機構10に代えて、第1実施例のように、手動で脈波検出部1を動かす構成にしてもよい。また、頚動脈から脈波を検出するための装着部80としては、上述したタイプのみならず、ネックレスの輪のような形状にしても、ネクタイのループ部分の形状にしても、あるいは、首輪のような形にしてもよい。
(2)上述した各実施例は、脈波検出部1の一例として光学式センサを取り上げたが、皮膚からの深さ位置が所定範囲にある血管の脈波を検出できるのであれば、本発明はこれに限定されることなく、例えば、超音波を用いたセンサや、圧力センサを使用してもよい。また、光学式センサとしては、反射型のものに限らず、透過型のセンサを使用することもできる。
(3)上述した各実施例は、脈波検出部1によって検出される脈波波形MHの極性に基づいて細動脈の位置を検知したが、脈波検出部1とは別に細動脈の位置を検出するためのセンサを別個用意してもよい。
(4)第2、第4実施例で用いた自動位置変更機構10は、リニアパルスモータの構成を採用していたが、これに代えて、機械的な構成によって可動部10cを駆動してもよい。この場合の一例を図26に示す。図26において、ボールネジ50はモータMの軸に、軸心を共通にして取り付けられている。ベース部材10fは、受光部2が取り付けられ、ボールネジ50と螺合している。ベース部材10fは、ボールネジが回転すると、その回転方向に応じて図面左右方向に移動する。また、その移動量はボールネジ50の回転量に比例する。また可動部10cには、脈波検出部1が設けられている。以上の構成により、自動位置変更機構10は、可動部10cを腕の周方向(橈骨動脈24に対して直交する方向)に駆動する。
この場合も、第2実施例と同様に、可動部10cを表皮に押しつけていないので、腕の表皮に沿って移動させる力は少なくて済む。したがって、一般的な超小型モータのトルクで十分にサーボ制御が可能である。また、可動部10cの移動距離は1cm程度あれば、十分に最適位置を見つけることができる。
(5)上述した各実施例および変形例において、摺動体14の端部に図27に示した押圧脚部84a,84bを設けるようにしても良い。なお、図27は光電反射型の脈派検出装置を腕に装着した状態における断面図である。この図において、本体18の両端に取り付けられたリストバンド13a,13bは、被験者の手首に巻き付けられて、止め金具12によって互いに締結されている。なお、止め金具12により、リストバンド13a,13bの周長の調節が可能なように、すなわち手首への締め付け力を調節可能なようにされている。
リストバンド13aの裏面(手首に対向する面)には光学式の脈波検出部1が固定されている。脈波検出部1は送信部と受信部が一体となって構成されている。脈波検出部1は、リストバンド13a,13bの締め付け力を受けて橈骨動脈24の真上の表皮を押圧する。
リストバンド13aには、裏側に突出する押圧脚部84a,84bが取り付けられており、押圧脚部84a,84bの少なくとも一方はリストバンド13aの周方向に沿って移動可能、かつ移動した位置で停止可能に形成されている。
この場合、押圧脚部84a,84bは橈骨動脈24の両側の弾性の高い(軟らかい)表面を凹ませるから、脈波検出部1を容易に橈骨動脈24の真上に位置決めすることが可能である。また、可動部10cの先端は、押圧脚部84a,84bの先端同士よりも、上方に位置しているため、他の組織よりも弾性の低い(硬い)橈骨動脈24が、押圧脚部84a,84bの間に簡単に位置決めされるようになっている。
したがって、このような押圧脚部84a,84bを摺動体14(図8参照)の端部に設けることによって概略の位置決めを行い、この後、摺動体14によって精密な位置決めを行うことにより、正確な位置決めを容易に行うことができ、脈派信号のSN比を向上することができる。
なお、橈骨動脈24は皮膚の下3mm程度の位置にあるのが通常であるから、押圧脚部84a,84bのみを用いて皮膚を押圧して位置決めを行っても良い。この場合は、摺動体14と押圧脚部84a,84bを使用する場合と比較して脈派信号のSN比は多少劣化するが、実用上問題は少ない。
(6)上述した第1実施例あっては、脈波検出部1からの脈波波形MHの極性を極性検出部3で検出して、これを表示部4に表示するようにしたが、脈波波形MHを直接、脈波波形表示手段としての表示部4に表示してもよい。この場合、脈波検出部1が橈骨動脈24の上に位置すると、表示部4に表示される脈波波形MHの極性が反転するので、被験者は脈波検出部1の位置決めを行うことができる。また、この場合、生体情報生成部8で脈波波形MHの振幅を検出し、この振幅値を数値または棒グラフ等によって表示部4に表示させるようにしてもよい。

Claims (19)

  1. 生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
    前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
    前記極性検出手段の検出結果を告知する告知手段と、
    を備え、
    前記極性検出手段は、第1閾値を超える極大値を含む脈波波形の第1極性と、前記第1閾値よりも低い第2閾値を下回る極小値を含む脈波波形の第2極性とを区別して検出する極性検出信号を出力することを特徴とする脈波検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更する位置変更手段を更に備えることを特徴とする脈波検出装置。
  3. 請求項2において、
    前記位置変更手段は、前記極性検出手段によって検出される極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲内にあるように、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更することを特徴する脈波検出装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
    前記脈波検出手段によって検出される脈波波形から体動による成分を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、
    前記極性検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて極性を検出することを特徴とする脈波検出装置。
  5. 生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
    前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
    前記脈波検出手段から出力される脈波波形の振幅を検出する振幅検出手段と、
    前記極性検出手段の検出結果と前記振幅検出手段の検出結果を告知する告知手段と、
    を備えることを特徴とする脈波検出装置。
  6. 生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
    前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
    前記極性検出手段によって検出される極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲のほぼ中央位置に、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更する位置変更手段と、
    を備えることを特徴とする脈波検出装置。
  7. 生体の検出部位から動脈周辺の血管の脈波波形を複数の位置で検出する脈波検出手段と、
    前記脈波検出手段から出力される脈波波形の極性を検出する極性検出手段と、
    前記脈波検出手段から出力される脈波波形の振幅を検出する振幅検出手段と、
    前記極性検出手段によって検出される極性が反転する位置から元の極性に戻る位置までの位置範囲にあり、かつ、前記振幅検出手段によって検出される振幅がほぼ最大となるように、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置を変更する位置変更手段と、
    を備えることを特徴とする脈波検出装置。
  8. 請求項5または請求項7において、
    前記脈波検出手段によって検出される脈波波形から体動による成分を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、
    前記極性検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて極性を検出し、
    前記振幅検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて振幅を検出することを特徴とする脈波検出装置。
  9. 請求項4または請求項8において、
    前記体動除去手段は、
    前記生体の体動を検出する体動検出部と、
    前記体動検出部によって検出された体動波形の周波数解析を行う第1の周波数解析部と、
    前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の周波数解析を行う第2の周波数解析部と、
    前記第1の周波数解析部によって解析された周波数解析結果と、前記第2の周波数解析部によって解析された周波数解析結果とを比較して、前記体動除去脈波波形を生成する体動除去部と、
    を備えたことを特徴とする脈波検出装置。
  10. 請求項9において、
    前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、FFTを用いて周波数解析を行うことを特徴とする脈波検出装置。
  11. 請求項2において、
    前記脈波検出手段によって検出される脈波波形から体動による成分を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、
    前記体動除去手段は、
    前記生体の体動を検出する体動検出部と、
    前記体動検出部によって検出された体動波形の周波数解析を行う第1の周波数解析部と、
    前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の周波数解析を行う第2の周波数解析部と、
    前記第1の周波数解析部によって解析された周波数解析結果と、前記第2の証端数解析部によって解析された周波数解析結果とを比較して、前記体動除去脈波波形を生成する体動除去部と、
    を備え、
    前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、FFTを用いて周波数解析を行い、
    前記位置変更手段は、少なくともFFTが行える最小単位時間以上の停止時間をもって移動することを特徴とする脈波検出装置。
  12. 請求項9において、
    前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、ウエーブレット変換を用いて周波数解析を行うことを特徴とする脈波検出装置。
  13. 請求項2において、
    前記脈波検出手段によって検出される脈波波形から体動による成分を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、
    前記体動除去手段は、
    前記生体の体動を検出する体動検出部と、
    前記体動検出部によって検出された体動波形の周波数解析を行う第1の周波数解析部と、
    前記脈波検出手段によって検出された脈波波形の周波数解析を行う第2の周波数解析部と、
    前記第1の周波数解析部によって解析された周波数解析結果と、前記第2の周波数解析部によって解析された周波数解析結果とを比較して、前記体動除去脈波波形を生成する体動除去部と、
    を備え、
    前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、ウエーブレット変換を用いて周波数解析を行い、
    前記位置変更手段は、少なくともウエーブレット変換が行える最小単位時間以上の停止時間をもって移動することを特徴とする脈波検出装置。
  14. 請求項4または請求項8において、
    前記体動除去手段は、
    前記脈波検出手段からの脈波波形の周波数解析を行う周波数解析部と、
    前記周波数解析部によって解析された周波数解析結果のうち低域成分を除去した周波数成分に基づいて、前記体動除去脈波波形を生成する体動分離部と、
    を備えたことを特徴とする脈波検出装置。
  15. 請求項14において、
    前記体動分離部は、前記低域成分の周波数上限を前記脈波検出手段が検出した脈波波形の基本周波数に基づいて決定することを特徴とする脈波検出装置。
  16. 請求項14または請求項15において、
    前記周波数解析部は、FFTまたはウエーブレット変換を用いて周波数解析を行うことを特徴とする脈波検出装置。
  17. 請求項1ないし請求項16のいずれかにおいて、
    前記脈波検出手段は、動脈周辺の血管を流れる血液流の光吸収特性に基づいて、動脈周辺の血管の脈波を検出する光学式の脈波検出手段であることを特徴とする脈波検出装置。
  18. 請求項17において、
    前記脈波検出手段は、その検出波長が、300nmから700nmの波長領域中に設定されていることを特徴とする脈波検出装置。
  19. 請求項2ないし請求項4,請求項6,および請求項7のいずれかにおいて、
    前記動脈周辺の血管のほぼ中央に位置する動脈の脈波を検出する動脈脈波検出手段を更に備え、
    前記動脈脈波検出手段は、前記脈波検出手段とほぼ同位置に設けられ、前記位置変更手段によって前記検出部位との間の相対位置が変更されることを特徴とする脈波検出装置。
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