JP3880036B2 - タンパク質の濃縮方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は重力濾過によるタンパク質の濃縮方法に関し、詳しくは塩析によって沈殿させたタンパク質を含む溶液から該タンパク質を濃縮回収するにあたり、膜を利用した濾過方法によって安価に、簡便に、短時間に、かつ高収率で濃縮、回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タンパク質を含む溶液中にリン酸塩や硫酸塩等の塩類が大量に溶解しているとき、溶液中のタンパク質は不溶化して沈殿となる。この原理を利用して、溶液中のタンパク質を回収することを目的として、該溶液に多量の硫酸アンモニウム等を溶解させ、タンパク質を沈殿させることがよく行われる。この方法を、塩析という。塩析によって沈殿させたタンパク質を溶液から分離し、沈殿物であるタンパク質の濃度を高めて回収することは、タンパク質の精製における一般的な方法となっている。
【0003】
塩析によって沈殿させたタンパク質を溶液から分離回収する方法として、従来より行われてきたものに、遠心分離による方法及び分離膜を用いる方法等がある。このうち、遠心分離法は、まず溶液中に沈殿したタンパク質を上清と完全に分離させるために、高い遠心力を長時間かけて遠心分離を行わなければならない。
この遠心力と時間の設定条件は、遠心分離器や回収しようとするタンパク質の種類によって異なるが、通常の試験室で用いられている遠心分離器を使用した場合の一般的な設定値は10000〜15000Gで20〜30分間程度である。このとき、1時間で処理できる(遠心分離できる)溶液量は5L程度である。
【0004】
さらに、遠心分離による方法においては、1回の遠心分離を行う毎に、容器底面に沈殿を付着させた状態で上清を捨てる作業を行わなければならない。このため、処理量が多いときはその回数が多くなり、きわめて煩雑な作業になる。
また、遠心分離を行う際に遠心力が十分にかからなかったために、一部のタンパク質が沈殿しないで上清部に残ったままの状態で存在することがある。この場合、上清に残ったタンパク質はそのまま捨てられるため、その分だけタンパク質の回収率が低下するという問題を抱えている。
【0005】
一方、分離膜を利用した方法も提案されている。例えば、図1に示すような装置を用いて、沈殿状態のタンパク質を含む溶液を上方より供給すると、溶液のみが膜を通過して下方に流れ、沈殿は膜上に残存する。溶液を全部通過させた後、膜上に残存した沈殿を回収することで、沈殿状態のタンパク質を濃縮して回収することができる。
しかしながら、この方法では溶液と分離した沈殿の回収が問題となる。すなわち、膜上に残存した沈殿を回収するための手段として、膜面を掻き取る手段を採用すると、膜を傷つけてしまう。また、膜上方より吸引する手段を採ることも考えられるが、この場合は、膜内部にまで浸入した沈殿を完全に回収することができず、回収率が低下することが考えられる。
【0006】
分離膜を利用した方法の別の態様として、クロスフロー濾過による方法も知られている。この場合は、膜モジュールとポンプを組み合わせた比較的スケールの大きな装置が必要になることから、濃縮終了時の残液量(濃縮液量)が多量になる。したがって、大量の被処理液を準備しなければ高濃度の濃縮ができず、その上残液が配管やポンプ等の至るところに残留するため、回収もれによって収率が低下する恐れがある。
発酵工業などの分野において、大量に発生する微生物菌体を分離する場合と異なり、タンパク質は、例えば酵素で代表されるように、高価であるため、その回収率を高めることは極めて重要なことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたことから、塩析によって沈殿状態となったタンパク質を濃縮、回収する際に、安価で、簡便で、短時間に、高濃度かつ高収率となるように実施できる新規な方法の開発が要望されていた。
そこで、これらの課題を解決すべく、本発明においては、沈殿状態のタンパク質を濃縮、回収する際の煩雑さをなくすだけでなく、濃縮に要する時間を短縮し、かつ従来の方法に比べて設備費用を軽減でき、しかも高濃度、高収率で回収できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、塩析によって沈殿させたタンパク質を含む溶液を、フィルター及び該フィルターを囲むケーシングで構成された膜分離装置の上方より導管を経て供給し、該導管を囲む該フィルターで毛細管現象によりケーシング側に濾過された液体をケーシングに設けた排出口より系外に排出した後、該タンパク質を含む残液を回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法である。
請求項2に記載の本発明は、塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解させない液体を、フィルター及び該フィルターを囲むケーシングで構成された膜分離装置の上方より供給して装置系を該液体で置換した後、該膜分離装置の上方より、塩析によって沈殿させたタンパク質を含む溶液を導管を経て供給して、該導管を囲む該フィルターで毛細管現象によりケーシング側に濾過された液体をケーシングに設けた排出口より系外に排出した後、該タンパク質を含む残液を回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法である。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の方法において、タンパク質を含む残液を回収する前及び/又は回収後に膜分離装置内へ気体を導入し、ケーシング側から該タンパク質を含む残液の側へ通気させることによって、フィルターの膜面に付着しているタンパク質を回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の方法において、タンパク質を含んだ残液を回収後に、塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解し得る液体を膜分離装置の上方より供給し、該膜分離装置内に該液体が満たされた状態で、装置内へ気体を導入して膜内に残留したタンパク質を溶出させて、該タンパク質を含む残液の排出手段より回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法である。
請求項5に記載の本発明は、塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解し得る液体が、塩析時に塩類を溶解させるために用いた溶液である請求項4記載の重力濾過によるタンパク質の濃縮方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の方法が適用できるタンパク質は、単純タンパク質、複合タンパク質、誘導タンパク質のいずれでもよく、その起源、種類などによって制限されることもない。しかしながら、本発明は分離膜を用いる濾過によるタンパク質の濃縮方法であることから、タンパク質の一般的な分離、回収方法である塩析によって沈殿させたタンパク質が対象としては好ましい。具体的には、例えばカゼイン、アルブミン、コラーゲンや各種の酵素、ホルモン、糖蛋白質等が挙げられる。本発明の方法は、量的に少なく、高価なタンパク質の処理に特に有効である。
【0011】
塩析によって沈殿させたタンパク質を、本発明の方法によって処理して濃縮する場合、タンパク質が変性しない温度で濾過を行う必要があり、通常は0℃以上30℃以下、望ましくは5〜10℃の温度に保持して行う。
本発明の方法によるタンパク質の濃縮方法を図面によって詳しく説明する。
図2は、本発明の方法を実施するために好適な膜分離装置の1態様を示したものである。この装置は、沈殿状態にあるタンパク質を含む溶液を収容する頂部容器1と該容器の下方に設置された膜分離装置2、濃縮されたタンパク質を含む残液の排出手段3を主要な構成要素としている。頂部容器1には導管4が接続されており、該導管を囲むように膜分離装置2が設置されている。また、残液排出手段3は、導管4の末端部に取り付けられている。
【0012】
膜分離装置2は、主に導管4の周りを囲むフィルター5、該フィルターの外周を囲むように設置されたケーシング6から構成されている。ケーシング6には、フィルターで濾過された液体を系外に排出するための濾過液排出手段7が取り付けられている。濾過液排出手段7は、導管を介して濾過液回収容器8と接続している。また、残液排出手段3及び濾過液排出手段7は、バルブや弁が一般的である。
一方、送気手段(コンプレッサーなど)9は、送気用配管10を介して頂部容器1と接続し、さらに通気弁11を経てケーシング6内に通じている。
【0013】
フィルター5の材質は有機膜、無機膜のいずれでもよいが、洗浄時の耐薬品性が強い多孔質のセラミックが好ましい。セラミックフィルターは、多層構造のものが好適に用いられる。その場合、孔径が10〜15μmの中空円筒状の多孔質支持体と、該支持体の内面に設置され、孔径が0.05〜0.4μm程度、好適には0.05〜0.2μm程度の多孔質膜層とから構成される。
フィルターの孔径については、沈殿物であるタンパク質を効率よく捕捉できること及び適切な濾過速度を保持できること等の要求を満足させるため、上記の如く0.05〜0.4μm程度のものを選択して用いる。なお、多孔質膜層の厚さは、1〜300μm程度が適当であり、1〜50μm程度が好ましい。
【0014】
次に、フィルターの形状としては、図3Aに示したように、頂部容器1から供給されたタンパク質含有溶液との接触面に多数の小孔を設けたものや、図3Bに示したように、筒状のものが考えられる。タンパク質は、一般に溶液中に占める割合が少ないので、図3Aのような、膜内容積あたりの濾過面積が大きいフィルターを用いることが好ましい。一方、処理すべき溶液において、膜内に残存する物質の濃度が高い場合は、図3Bに示したように、膜内の容積を広くした形状のものが適している。
【0015】
すなわち、塩析によって沈殿させたタンパク質の濃度は通常、体積として約0.1〜1%であり、酵素やホルモン等の有用なタンパク質の場合は、溶液中における含有率はさらに低く、通常は溶液全体に対して0.1%以下である。一方、微生物菌体の培養物の場合、菌体量の少ない乳酸菌等であっても、体積として約1〜10%程度の高い濃度を示すので、係る微生物培養液から微生物菌体を濃縮して回収する方法とは状況が全く相違する。
微生物菌体を濃縮、回収する操作では、液体と分離された微生物菌体が短時間のうちに分離膜内部に充満するので、上記図3Bのように、膜内の容積を広くしたものが好適であるが、タンパク質の場合は、その濃度が低いため、液体と分離して濃縮されたタンパク質が短時間で分離膜内に充満することはなく、図3Aのような構造が適している。
【0016】
図2に示した膜分離装置を用いて実施する本発明の方法について説明する。
請求項1記載の方法では、頂部容器1に収容した沈殿状態にあるタンパク質を含む溶液は、重力により導管4を経て膜分離装置2に供給される。ここで、フィルター5により該溶液の分離が行われ、沈殿物を含まない大部分の液体はケーシング6側に濾過され、排出手段7を経て系外に排出され、濾過液回収容器8に収容される。
一方、沈殿物であるタンパク質とこれに随伴する微量の溶液は、濾過されずにフィルター5内に残る。フィルター5内に残る液体の量は、供給した溶液量に比べて極めて少量であるので、その分だけタンパク質は濃縮されている。とりわけ、図3Aのような形状のフィルターを使用すると、膜内の容積が小さくなり、フィルター5内に残る液体の量はさらに少量化され、その分タンパク質が濃縮される。
このようにして濾過処理が終了した後に、残液排出手段3を開くことにより、タンパク質の濃縮液を容易に回収することができる。
【0017】
ところで、本発明に使用する装置全体の形状は、通常は図2に示したように、膜分離装置2を頂部容器1の下方に垂直となるように配置し、その下部に残液の排出手段を設けるが、所望により様々な変更が可能であり、例えば頂部容器1と膜分離装置2を接続する導管4を途中で折り曲げて膜分離装置2を横置させてもよく、膜分離装置2と残液排出手段3を接続する導管を途中で折り曲げて残液を横方向に抜き出させることもできる。
【0018】
本発明の方法は、フィルターおよび該フィルターを囲むケーシングで構成された膜分離装置を利用し、被処理液である沈殿状態にあるタンパク質を含む溶液の重力と、フィルター5の毛細管現象、すなわち多孔質膜への液体の浸透現象を利用する重力濾過法と呼ばれる濾過方法でタンパク質の濃縮を行うものである。
【0019】
本発明の方法では、本来、クロスフロー濾過法などでは必要となる動力を全く使わないので、ランニングコストがかからない上に、膜面にかかる圧力が低いので、膜洗浄や膜能力の復帰を容易に行えるといった種々の効果が奏される。しかも、本発明の方法では、クロスフロー濾過法のようにポンプなどの付帯装置を必要としないので、装置スケールを小さくできる。
この結果、濃縮終了時の残液量が少なくなるので、非常に高濃度の濃縮を容易に実施できる。さらに、濃縮されたタンパク質を含む残液の回収も、残液排出手段3を開くことによって極めて容易に実施できる。
【0020】
請求項2記載の方法では、予め塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解させない液体を、フィルター及び該フィルターを囲むケーシングで構成された膜分離装置2の上方より供給して装置系を該液体で置換した後、塩析によって沈殿させたタンパク質を含む溶液を導入して濃縮操作を行う。すなわち、膜分離装置2、導管4、残液排出手段3等を含む装置系を予め、上記の液体で置換しておく。この前処理は、被処理液の濾過を行う前に、膜の乾燥による影響を防いだり、膜孔に気泡が入り込んで濾過の妨げとなることを防止する目的で行うものである。
このときに用いる液体が水や緩衝液などの塩を全く含まないか低濃度である溶液の場合、それらの液体により被処理液である沈殿状態のタンパク質含有溶液が希釈されて塩濃度が低下してしまい、沈殿していたタンパク質が溶出して濾過側へ透過してしまう。そのため、該タンパク質を溶解させない液体を使用する。具体的には、塩濃度の高い溶液、例えば塩析に用いた溶液と同じもの(必要量の硫酸アンモニウムを溶解した緩衝液など)を使用する。このようにして、分離装置から残液回収手段までの導管部を含むすべてを置換した後に、被処理液を導入する。
【0021】
沈殿させたタンパク質を含む液体を少量化してタンパク質の濃度を高めることは、タンパク質の精製における下流の工程、すなわち透析膜を使用して行うさらなる精製や、ゲル濾過クロマトグラフィー等を用いたタンパク質の分画での作業効率が向上するという点で非常に有用である。
さらに、本発明においては、被処理液に若干の圧力をかけることで、回収率を低下させることなしに、より効率よく短時間で濃縮を行うことができる。この場合、圧力が大きくなると、沈殿物であるタンパク質が膜を通過して透過側へ濾過され、また膜洗浄や膜能力の復帰も困難になる。そのため、加圧する場合は、0.05〜0.4MPa程度の加圧が適当であり、0.1〜0.2MPa程度の加圧が好ましい。
加圧の方法は、例えば頂部容器1に適当な加圧手段を設けて、該容器に入れた沈殿状態のタンパク質を含む溶液の表面を加圧する方法や、圧縮空気やガスなどを適用する方法などが挙げられる。
【0022】
次に、本発明の方法のメリットについて検討してみると、本発明に用いる装置は、遠心分離装置と比較して、装置構成を簡便にすることができるため、設備費用を軽減できる。しかも、膜面積を増加させることによって、所望の程度に処理能力を高めることができる。
以上のことから、本発明の方法は遠心分離法と比較して時間的、コスト的に著しく優れていることが明らかである。
【0023】
さらに、濃縮操作の簡便性について考察すると、頂部容器1に溶液を満たしておくだけで、フィルター5によって濾過された液量と同量の溶液が重力によって下降し、引き続いて濾過がなされる。つまり、運転開始後は特別な作業なしに濾過による濃縮が進行するので、操作は非常に簡便である。
【0024】
また、本発明の方法においては、濃縮されたタンパク質の回収前又は/及び回収後に、濾過された液体の側からフィルター5の膜面に通気することによって、膜面に付着したタンパク質の大部分を回収することができ、その回収効率を向上させることができる。これが、請求項3記載の方法である。
ここで、濾過された液体の側からタンパク質を含む残液の側へ通気することについて説明すると、例えば図2において、濾過液排出手段7の側より通気してフィルター5の内側に気体を通過させることを意味する。通気によって膜面から剥落したタンパク質は、該タンパク質を含む残液に懸濁されて一緒に回収できる。なお、このとき用いる気体としては、回収されるタンパク質に悪影響を与えないものであればよく、例えば滅菌空気(圧縮空気)等が好適である。
通気は、気体供給手段(図示していない)よりフィルターの膜面に対して垂直方向、又は垂直及び平行の両方向から行うことができる。通気条件は、0.1〜0.5MPa、好ましくは0.1〜0.2MPa程度の圧力で、数秒ないし数分間の通気でよく、これによってタンパク質の回収を効率よく行うことができる。
【0025】
さらに、本発明の方法においては、上記の請求項1〜3 のいずれかに記載の方法において、濃縮されたタンパク質を含む残液を回収した後に、塩を全く含まないか、あるいは極めて低い濃度で含む溶液を頂部容器1より投入し、膜分離装置2内に満たした後、再度上記と同じ方法により通気を行うことによって、タンパク質の回収率を一層向上させることができる。これが、請求項4記載の方法である。
すなわち、これは、請求項1〜3のいずれかに記載の方法で濃縮されたタンパク質を、塩を全く含まないか、極めて低い濃度で含む溶液に再度溶解させる方法であり、この現象を溶出という。この方法によれば、膜内に最後まで残存していたタンパク質はもれなく溶出され、前記溶液に溶解した状態で残液排出手段3より回収することができる。
この目的で使用する溶液は、タンパク質を変性させない種類のものであればよく、通常はトリス緩衝液、リン酸緩衝液等の各種の緩衝液が用いられ、とりわけ塩析時に用いた塩含有溶液と同種の緩衝液を用いることが好ましい。
【0026】
このようにして溶出されたタンパク質を含む溶液の量は、濃縮操作を実施する前の沈殿状態にあるタンパク質を含む溶液の量よりはるかに少ない。そのため、この溶液に再度硫酸アンモニウム等の塩析用の塩を溶解させることで、再び塩析を行ってタンパク質を沈殿させる。これを、そのまま次工程に送って利用することができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
(1)タンパク質を含む溶液の調製
この例では、微生物アエロモナス・キャビアエ(Aeromonas caviae)によって生産された酵素アミノペプチダーゼを含む1.3M 塩化ナトリウム−5mM トリス緩衝液(pH8.0)を調製し、これをタンパク質含有溶液とした。
(2)塩析
上記のタンパク質含有溶液に、硫酸アンモニウムを70%飽和となるように溶解した。続いて、5℃で12時間以上静置して沈殿を生成させ、これを塩析溶液とした。
【0028】
(3)濾過操作
膜分離装置2の構造は、図2に示したものと同じものを用いた。なお、フィルターとして、孔径0.2μm、膜面積0.2m2 のセラミック膜を用いた。膜の種類については、洗浄時の耐薬品性が強いセラミック膜が望ましい。
塩析に用いた硫酸アンモニウム 70%飽和−1.3M 塩化ナトリウム−5mM トリス緩衝液(pH8.0)溶液を別に調製し、膜分離装置2において、セラミック膜が水に浸漬されている状態で、上記の塩析に用いた高塩濃度の溶液を導入し、濾過液排出手段7を開いて液体を透過させ、膜を浸漬する液体を水から高塩濃度の溶液に置換した。
置換後、さらに残液排出手段3を開いて、膜分離装置2から残液排出手段3までの導管部の液体も完全に置換した。その後、頂部容器1に被処理液(塩析溶液)を2.2L投入し、残液排出手段3を閉じた状態で、濾過液排出手段7を開いて濾過を開始した。
【0029】
このとき、被処理液の大部分の液体はフィルター5を通じてフィルター5とケーシング6の間隙に透過して濾過され、沈殿状態のタンパク質は膜分離装置2のフィルター5の内側に残存している。頂部容器1に満たした液体がなくなり、濾過液排出手段7からの液体の排出がなくなった時点で濾過を終了し、残液排出手段3を開いてタンパク質の濃縮液(残液)を回収した。
この後、一度残液排出手段3を閉じ、濾過側(濾過液排出手段7の側)から圧縮空気による通気逆洗浄(圧力0.2MPa)を1分間行い、フィルター5に付着したタンパク質をフィルター5内の液体に懸濁させてから再度残液排出手段3を開いて回収したタンパク質含有残液をエアー排出液とした。
さらに、エアー排出液を回収後、再度残液排出手段3を閉じ、頂部容器1に5mM トリス緩衝液(pH8.0)を400ml投入し、濾過側(濾過液排出手段7の側)から圧縮空気による通気逆洗浄(圧力0.2MPa)を1分間行い、フィルター5に残存したタンパク質をフィルター5内の緩衝液で溶出してから再度残液排出手段3を開いて回収した溶液を洗浄液とした。
【0030】
結果
2.2Lの被処理液(塩析溶液)を上記方法により濃縮したときの被処理液、濃縮液、エアー排出液、洗浄液、濾過液のそれぞれについて、液量とアミノペプチダーゼ活性の測定結果を第1表に示す。なお、アミノペプチダーゼ活性は、ロイシン−p−ニトロアニリド(Leu−pNA)を基質として測定した。アミノペプチダーゼ活性1Uは、1分間に1マイクロモルのpNAを遊離する酵素量を1Uとして定義し、波長405nmにおける吸光度の増加速度から算出した。
アミノペプチダーゼ活性について、濃縮液、エアー排出液、洗浄液が被処理液と比べてどの程度まで濃縮されたかについても計算した。さらに、各液において、液量とアミノペプチダーゼ活性の積から総活性量を求め、さらに濃縮液、エアー排出液、洗浄液、濾過液の各液中の総活性量の、被処理液における総活性量に対する割合を求めた。本実施例においては、塩析溶液からのアミノペプチダーゼ沈殿の回収を目的としているので、アミノペプチダーゼ以外のタンパク質の回収の是非については無視した。
【0031】
【表1】
第 1 表
【0032】
第1表から、被処理液を濾過した後にフィルター5内に残った液体を回収して得られた濃縮液と、その後濾過側からエアーを送り込んで沈殿を膜面からそぎ落としてから回収したエアー排出液とを比較すると、後者の方がはるかに多くのアミノペプチダーゼ活性をもっており、沈殿タンパク質がエアー排出液に偏っていることを示している。したがって、濾過を行った後の通気による逆洗浄が、沈殿を効率良く回収のためには重要であることが明らかとなった。
また、洗浄液にも被処理液と比べて2.7倍のアミノペプチダーゼ活性が認められることから、エアーによる逆洗浄だけでなく、その後に塩を含まない液体を投入して洗浄し、タンパク質を溶出させて回収することが回収率の向上に重要であることが明らかとなった。
【0033】
さらに、被処理液中のアミノペプチダーゼが、どの液体にどの程度回収されたかについては、表中に示した各液体の総活性とその被処理液に対する割合によって示される。すなわち、被処理液中のアミノペプチダーゼの総量を100%としたとき、濃縮液、エアー排出液、洗浄液、濾過液にはそれぞれ6.5%、35.8%、48.6%、5.1%のアミノペプチダーゼが含まれていることになる。濾過液を除いた3種の液体中の含量を合計すると90.9%となり、濃縮に供したアミノペプチダーゼのうち9割以上が濃縮されて回収できた。
【0034】
実施例2
次に、本発明の効果をさらに確認するため、被処理液の量を26.5Lまで増加したこと以外は実施例1と同様に実施し、沈殿状態のタンパク質の濃縮、回収を行った。そのときの被処理液、濃縮液、洗浄液、濾過液について、実施例1と同様に評価した。結果を第2表に示す。なお、このときは、濾過終了後に濃縮液を回収せず、液体が残っている状態でエアーを濾過側(濾過液排出手段7の側)から送り込み、濃縮液とエアー逆洗浄排出液を混合して濃縮液として回収した。
【0035】
【表2】
第 2 表
【0036】
第2表より明らかなように、酵素活性をもとに濃縮倍率を算出すると、被処理液と比べて濃縮液では54.7倍、洗浄液では8.4倍のアミノペプチダーゼが濃縮されていることが分かった。また、各液体の液量とアミノペプチダーゼ活性から求めた総活性の比較から、被処理液中の全アミノペプチダーゼのうち、濃縮液と洗浄液とを合計すれば93.1%が回収されたことになる。両液体の合計は790mlであることから、被処理液26500mlと比べて液量として33.5倍に濃縮されており、アミノペプチダーゼが高濃度に濃縮されていることが分かる。
このことから、被処理液の量を増加させれば、タンパク質の濃縮をさらに高濃度に行うことができることが明らかである。なお、本実施例において、26.5Lの濃縮に2時間40分を要し、1時間あたりの平均処理量は10.0Lであった。
【0037】
比較例1(遠心分離法)
実施例1と同一の塩析溶液を用いて、遠心分離法によるタンパク質の濃縮を行った。すなわち、微生物アエロモナス・キャビアエ(Aeromonas caviae)によって生産された酵素アミノペプチダーゼを含んだ1.3M 塩化ナトリウム−5mMトリス緩衝液(pH8.0)タンパク質を含む溶液に、硫酸アンモニウムを70%飽和となるように溶解させたものを、5℃で12時間以上静置して沈殿を生成させた塩析溶液を、RS−20型遠心分離器(トミー精工社製)による沈殿の濃縮、回収を行った。なお、遠心分離条件は、4℃、毎分9000回転(14000G)、20分間、No.16ローターとした。
1回目の遠心分離終了後に上清を集めて、これを上清1とした。遠沈管内に沈殿物が残った状態で、再度上記の塩析溶液を遠沈管内に注いで、同様に遠心分離を行い、終了後に上清を集めて、これを上清2とした。
遠沈管を倒立させて乾燥させた後、5mLのトリス緩衝液(pH8.0)を加えて沈殿を溶出させ、これを濃縮液とした。各液について、液量とアミノペプチダーゼ活性を、実施例1と同様に測定した。結果を第3表に示す。
【0038】
【表3】
第 3 表
【0039】
遠心分離法による沈殿の回収では、次工程以降に利用できるのは濃縮液のみであるが、表から明らかなように、濃縮液中の総アミノペプチダーゼ活性は被処理液の78%に留まっている。
このように、従来から用いられている遠心分離法によってタンパク質を濃縮した場合、次工程以降に利用できる分画での回収率が低くなっていることは明らかである。
【0040】
比較例2
この例では、被処理液の濃縮前の膜分離装置内の液体を高塩濃度溶液に置換せずに、膜分離装置内が蒸留水で満たされている状態で被処理液の濃縮、回収を行ったこと以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第4表に示す。
【0041】
【表4】
第 4 表
【0042】
表から明らかなように、膜分離装置内の液体を高塩濃度の溶液に置換しなかった場合、濾過液中のアミノペプチダーゼ活性が高くなり、沈殿状態のタンパク質が溶出し、膜を透過したことを示唆している。それ故、タンパク質の回収率は当然に低くなる。
【0043】
実施例3
この例では、タンパク質を含む溶液として、卵白アルブミン水溶液(タンパク質濃度は約2g/L)を用いた。この溶液に、硫酸アンモニウムを90%飽和となるように溶解し、5℃で12時間以上静置して沈殿を生成させ、これを塩析溶液とした。
濾過操作は、次の手順で実施した。
図2に示した膜分離装置2内を90%飽和硫酸アンモニウム水溶液で満たした状態で頂部容器1に被処理液(塩析溶液)を1.4L投入し、残液排出手段3を閉じた状態で、濾過液排出手段7を開いて濾過を開始した。
【0044】
このとき、被処理液の大部分の液体はフィルター5を通じてフィルター5とケーシング6の間隙に透過して濾過され、沈殿状態のタンパク質は膜分離装置2のフィルター5の内側に残存している。頂部容器1に満たした液体がなくなり、濾過液排出手段7からの液体の排出がなくなった時点で濾過を終了し、残液排出手段3を開いてタンパク質の濃縮液(残液)を回収した。
この後、一度残液排出手段3を閉じ、濾過側(濾過液排出手段7の側)から圧縮空気による通気逆洗浄(圧力0.2MPa)を1分間行い、フィルター5に付着したタンパク質をフィルター5内の液体に懸濁させてから再度残液排出手段3を開いて回収したタンパク質含有残液をエアー排出液とした。
さらに、エアー排出液を回収後、再度残液排出手段3を閉じ、頂部容器1に蒸留水を130ml投入し、濾過側(濾過液排出手段7の側)から圧縮空気による通気逆洗浄(圧力0.2MPa)を1分間行い、フィルター5に残存したタンパク質をフィルター5内の緩衝液で溶出してから再度残液排出手段3を開いて回収した溶液を洗浄液とした。
【0045】
1.4Lの被処理液(塩析溶液)を上記方法により濃縮したときの被処理液、濃縮液、エアー排出液、洗浄液、濾過液のそれぞれについて、液量とタンパク質濃度の測定結果を第5表に示す。なお、タンパク質濃度は、280nmの波長における吸光度から算出した。タンパク質濃度について、濃縮液、エアー排出液、洗浄液が被処理液と比べてどの程度まで濃縮されたかについても計算した。さらに、各液において、液量とタンパク質濃度の積から総タンパク質量を求め、さらに濃縮液、エアー排出液、洗浄液、濾過液の各液中の総タンパク質量の、被処理液における総タンパク質量に対する割合を求めた。
【0046】
【表5】
第 5 表
【0047】
第5表から明らかなように、エアー排出液と洗浄液中には相当濃度のタンパク質が含まれており、濃縮後に通気による逆洗浄及びその後の溶出液による洗浄がタンパク質の回収に有効な手段である。
さらに、表中に示した各液体の総タンパク質量とその被処理液に対する割合から、被処理液中のタンパク質がどの液にどの程度回収されたかが分かる。すなわち、被処理液中のタンパク質の総量を100%としたとき、濃縮液、エアー排出液、洗浄液、濾過液にはそれぞれ18.1%、67.8%、10.4%、5.4%のタンパク質が含まれていることになる。濾過液を除いた3種の液体中の含量を合計すると96.3%となり、濃縮に供したタンパク質のうち95%以上が濃縮されて回収できたことになる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、タンパク質の精製において、塩析によって沈殿状態となったタンパク質を濃縮、回収する際の煩雑さをなくし、濃縮に要する時間を短縮できるばかりでなく、従来の方法に比べて設備費用を大幅に軽減できる。しかも、目的とするタンパク質を高度に濃縮でき、回収率を高めることができる。
特に、請求項2、3、4記載の方法によって奏される効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の分離膜を用いたタンパク質の濃縮方法に用いられる装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 頂部容器
2 膜分離装置
5 フィルター
【図2】 本発明のタンパク質の濃縮方法に用いることができる膜分離装置の1態様を示したものである。
【符号の説明】
1 頂部容器
2 膜分離装置
3 残液排出手段
4 導管
5 フィルター
6 ケーシング
7 濾過液排出手段
8 濾過液回収容器
9 送気手段
10 送気用配管
11 通気弁
【図3】 膜分離装置に使用するフィルターの態様を示す説明図である。図中、Aは本発明の方法を実施するために好適な多孔質フィルターの態様を示すものであり、Bは一般的な容積の広い構造のフィルターの態様を示すものである。
【符号の説明】
5 フィルター
6 ケーシング
Claims (5)
- 塩析によって沈殿させたタンパク質を含む溶液を、フィルター及び該フィルターを囲むケーシングで構成された膜分離装置の上方より導管を経て供給し、該導管を囲む該フィルターで毛細管現象によりケーシング側に濾過された液体をケーシングに設けた排出口より系外に排出した後、該タンパク質を含む残液を回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法。
- 塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解させない液体を、フィルター及び該フィルターを囲むケーシングで構成された膜分離装置の上方より供給して装置系を該液体で置換した後、該膜分離装置の上方より、塩析によって沈殿させたタンパク質を含む溶液を導管を経て供給して、該導管を囲む該フィルターで毛細管現象によりケーシング側に濾過された液体をケーシングに設けた排出口より系外に排出した後、該タンパク質を含む残液を回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法。
- 請求項1又は2に記載の方法において、タンパク質を含む残液を回収する前及び/又は回収後に膜分離装置内へ気体を導入し、ケーシング側から該タンパク質を含む残液の側へ通気させることによって、フィルターの膜面に付着しているタンパク質を回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法において、タンパク質を含んだ残液を回収後に、塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解し得る液体を膜分離装置の上方より供給し、該膜分離装置内に該液体が満たされた状態で、装置内へ気体を導入して膜内に残留したタンパク質を溶出させて、該タンパク質を含む残液の排出手段より回収することを特徴とする重力濾過によるタンパク質の濃縮方法。
- 塩析によって沈殿させたタンパク質を溶解し得る液体が、塩析時に塩類を溶解させるために用いた溶液である請求項4記載の重力濾過によるタンパク質の濃縮方法。
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