JP3879210B2 - 半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサ - Google Patents

半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気検出あるいは磁気回転検出等に使用される半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサは特開平8−201016号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
以下に従来の磁気抵抗素子を図面を参照しながら説明する。
図11は従来の磁気抵抗素子の斜視図、図12は同回路図である。
【0004】
図11において、1は基板である。2はこの基板1の上面に搭載された前記基板1と別体の第1の磁気抵抗素子チップである。この第1の磁気抵抗素子チップ2の一端には電源電極3が設けられるとともに他端には出力電極4が設けられ、前記第1の磁気抵抗素子チップ2と電気的に接続されている。5は前記基板1の上面に前記第1の磁気抵抗素子チップ2と異なる箇所に搭載された前記基板1と別体の第2の磁気抵抗素子チップである。この第2の磁気抵抗素子チップ5の一端には前記出力電極4が設けられるとともに他端にはGND電極6が設けられている。そして、図12に示すように、前記第1の磁気抵抗素子チップ2と前記第2の磁気抵抗素子チップ5と前記電源電極3と前記出力電極4と前記GND電極6とによりハーフブリッジが形成されている。
【0005】
以上のように構成された従来の磁気抵抗素子について、以下にその動作を図面を参照しながら説明する。
【0006】
図13は従来の磁気抵抗素子チップが搭載された回転数センサが動作する状態を示す側断面図である。
【0007】
図13に示すように、ギア7に対向するように磁気抵抗素子8を配置し、この磁気抵抗素子8の後ろにマグネット9を配置する。前記ギア7が回転することにより前記第1の磁気抵抗素子チップ2および前記第2の磁気抵抗素子チップ5に加わる磁束密度が変化し、この第1の磁気抵抗素子チップ2および前記第2の磁気抵抗素子チップ5の抵抗値が変化することにより磁束の変化を電気信号に変換し、前記ギア7の回転速度を検出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成においては、基板1と第1の磁気抵抗素子チップ2および第2の磁気抵抗素子チップ5とは別体であるので、基板1と第1の磁気抵抗素子チップ2および第2の磁気抵抗素子チップ5との温度膨脹係数の差により、温度が変化すると、基板1から第1の磁気抵抗素子チップ2および第2の磁気抵抗素子チップ5とが剥がれ落ちてしまうという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、温度が変化しても、磁気抵抗素子が剥がれ落ちるということのない特性の向上した半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサは、基台と、この基台の上面に設けられた第1のSi基板と、この第1のSi基板の上面に第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子を設けるとともに、前記基台の上面に前記第1のSi基板の近傍に設けられた第2のSi基板と、この第2のSi基板の上面に設けられた第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子とからなる構成としたものである。
【0011】
この構成によれば、温度が変化しても半導体磁気抵抗素子が剥がれ落ちるということのない特性の向上した半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、基台と、この基台の上面に設けられた第1のSi基板と、この第1のSi基板の上面に設けられた第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と、この第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の一端に設けられるとともにこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と電気的に接続された電源電極と、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の他端に設けられるとともに前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と電気的に接続された第1の出力電極と、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面に設けられた多数の第1の短絡電極と、前記基台の上面に前記第1のSi基板の近傍に設けられた第2のSi基板と、この第2のSi基板の上面に設けられた第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつこの第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の一端に設けられるとともにこの第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子および前記第1の出力電極と電気的に接続された第2の出力電極と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつ前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の他端に設けられるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と電気的に接続されたGND電極と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面に設けられた多数の第2の短絡電極とを備え、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記電源電極から前記第1の出力電極に電流を流した方が前記第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記第2の出力電極から前記GND電極に電流を流した方が前記GND電極から前記第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるかまたは、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記電源電極から前記第1の出力電極に電流を流した方が前記第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記第2の出力電極から前記GND電極に電流を流した方が前記GND電極から前記第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるかのいずれかであるので、温度が変化しても、磁気抵抗素子が剥がれ落ちるということがないという作用を有するものである。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、電源電極と第1の出力電極と第2の出力電極とGND電極には、抵抗値の極性を識別できるような突出部を設けられているので、磁気抵抗素子の抵抗値の極性の識別が容易であるという作用を有するものである。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、回転数センサに請求項1または2記載の半導体薄膜磁気抵抗素子を搭載したので、温度が変化しても、出力電圧が変動しにくいという作用を有するものである。
【0015】
(実施の形態1)
以下に本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の斜視図、図2は同側断面図である。
【0017】
図1、図2において、31はフレキシブル配線板からなる樹脂製の基台である。32はこの基台31の上面に設けられた第1のSi基板である。33はこの第1のSi基板31の上面に設けられた第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子である。34はこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の上面の一端に前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33と電気的に接続されるように設けられた2個の第1の突出部35を有するZnからなる電源電極である。36は前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の上面の他端に前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33と電気的に接続されるように設けられた1個の第2の突出部37を有するZnからなる第1の出力電極である。前記2個の第1の突出部35および前記1個の第2の突出部37により、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の抵抗値の極性を識別できるようになっている。この抵抗値の極性は、図2に示すように、例えば第1の出力電極36が前記第1のSi基板32と接触することにより発生する。38は前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の上面に前記電源電極34と前記第1の出力電極36との間に設けられた多数の第1の短絡電極である。39は前記基台31の上面に前記第1のSi基板32と異なる箇所でかつ近傍に設けられた第2のSi基板である。40はこの第2のSi基板39の上面に設けられた第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子である。41はこの第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40の上面の一端に設けられるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40と電気的に接続されている2個の第1の突出部35を有するZnからなる第2の出力電極である。この第2の出力電極41は前記第1の出力電極36と外部回路により電気的に接続されている。42は前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40の上面の他端に設けられるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40と電気的に接続されている1個の第2の突出部37を有するZnからなるGND電極である。43は前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40の上面に前記第2の出力電極41と前記GND電極42との間に設けられた多数の第2の短絡電極である。
【0018】
以上のように構成されている本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子について、以下にその組立方法を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図3は本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の要部である半導体磁気抵抗素子を多数個取りで作成する状態を示す上面図、図4は同半導体薄膜磁気抵抗素子の組立斜視図である。
【0020】
まず、図3に示すように多数個取りのSi基板32を準備し、前記第1のSi基板32の表面を洗浄し(図示せず)た後、希HF水溶液(図示せず)に浸漬し、前記第1のSi基板32の酸化膜の除去を行い、酸化膜の除去の行われた前記第1のSi基板32を純水(図示せず)ですすぐ。
【0021】
次に、図4(a)に示すように、前記第1のSi基板32を真空装置(図示せず)に挿入し、約300℃の雰囲気中で、前記第1のSi基板32にInSbエピタキシャル成長薄膜層51を蒸着により形成する。
【0022】
次に、図4(b)に示すように、前記Si基板32の上面に設けられたInSbエピタキシャル成長薄膜層51を、ホトリソ工程(図示せず)により所望の形状に加工し、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33および前記電源電極34と前記第1の出力電極36との下地部52を形成する。この下地部52の一端側には前記2個の第1の突出部35を形成するとともに他端側には、前記1個の第2の突出部37を形成する。
【0023】
次に、図4(c)に示すように、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の上面にホトリソ工程(図示せず)により、前記第1の短絡電極38と前記電源電極34と前記第1の出力電極36とを形成する。このとき、例えば、図5に示すように、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の上面に前記第1の出力電極36がはみ出すことのないように、形成されれば、前記第1のSi基板32を伝わる電気伝導は、必ず前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33と第1のSi基板32との境界面を通るので、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33に極性を生じない。しかしながら、図2に示すように、ホトリソ工程(図示せず)のパターンずれにより、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の上面に前記第1の出力電極36がずれて作成され、前記第1の出力電極36と前記第1のSi基板32とが直接に接続されることがある。このような場合には直接に前記第1のSi基板32と前記第1の出力電極36とが接続されることにより、前記第1のSi基板32を伝わる電気伝導は前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33と前記第1のSi基板32との界面を通ることがなくなるので、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33に抵抗値の極性差が生じる。そして、前記電源電極34に前記2個の第1の突出部35を設けるとともに、前記第1の出力電極36に1個の第2の突出部37を設けることにより、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33の抵抗値の極性を識別できるという作用を有するものである。
【0024】
次に、図4(a),(b),(c)と同様の工程にて、前記第2のSi基板39の上面に前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40と前記第2の出力電極41と前記GND電極42とを形成した後、ホトリソ工程(図示せず)によりこの第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40の上面に、前記第2の短絡電極43と前記第2の出力電極41と前記GND電極42とを形成する。
【0025】
最後に、図6に示すように、上面に前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33と前記第1の短絡電極38と前記電源電極34と前記第1の出力電極36とを設けられた第1のSi基板32と、上面に前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40と前記第2の短絡電極43と前記第2の出力電極41と前記GND電極42とを設けられた第2のSi基板39とを、予め前記第1の出力電極36と前記第2の出力電極41とが電気的に接続するように電気配線パターン44を設けられた例えば可とう性の樹脂からなる前記基台31の上面に半田付けにより形成する。
【0026】
以上のように、構成、組立られた本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の要部であるInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の極性について、以下に電流を流す方向を変化させて比較する。
【0027】
比較方法として、電源電極34側から第1の出力電極36側に電流を流した方が逆に流した場合よりも、抵抗値が大である場合に前記電源電極34側から定電流10[mA]を流したときの抵抗値Rmax[Ω]の平均値と、第1の出力電極36側から定電流10[mA]を流したときの抵抗値Rmin[Ω]の平均値とを、図7に示すように電圧計45で各n=25ずつ測定した電圧値Vを、電流値I=10mAで、除算して算出した。
【0028】
【表1】
Figure 0003879210
【0029】
(表1)に示すように、InSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の抵抗値は定電流を流す方向により全抵抗値の約4.5%程変動した。
【0030】
ここで、図6に示すように樹脂製の基台31に前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33を設けられた前記第1のSi基板32と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40を設けられた前記第2のSi基板39とを実装した状態を考える。従来の薄膜磁気抵抗素子においては、前記電源電極34から前記第1の出力電極36に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が大であるとともに、前記第2の出力電極41から前記GND電極に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が小であるように組立られる場合があった。このような場合には、前記第1の出力電極36および前記第2の出力電極41の出力電圧Vは次式
【0031】
【数1】
Figure 0003879210
【0032】
で表せられる。この(数1)に、電源電圧E=5Vおよび(表1)に示すInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の抵抗値を代入すると、出力電圧は約2.45Vとなる。同様にして、周囲の温度を−50℃から150℃まで変化させると、出力電圧は図8に示す値に変化した。
【0033】
次に、図1に示すように、本発明の実施の形態1における薄膜磁気抵抗素子のように、前記電源電極34から前記第1の出力電極36に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が大であるとともに、前記第2の出力電極41から前記GND電極42に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が大である場合には、前記第1の出力電極36および前記第2の出力電極41の出力電圧Vは次式
【0034】
【数2】
Figure 0003879210
【0035】
で表せられる。この(数2)に、電源電圧E=5Vおよび(表1)に示すInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の抵抗値を代入すると、出力電圧は約2.5Vとなる。同様にして、周囲の温度を−50℃から150℃まで変化させると、出力電圧は図9に示す値に変化し、高温時にも出力電圧が安定するという作用を有するものである。
【0036】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2における半導体薄膜磁気抵抗素子を搭載した回転数センサについて、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図10は、本発明の実施の形態2における回転数センサの側断面図である。
図10において、61は上部にコネクタ端子62を設けられたコネクタ部63を有する有底円筒状の樹脂ケースである。64は前記ケース61の内側に載置された樹脂製の取付台で、この取付台64の底部には磁石65が固定されている。また取付台64に設けられた平面部66には樹脂製の基台31が実装されている。この樹脂製の基台31には図6に示すごとく、その一端側に配線パターン44が設けられるとともに中央部には実装パターン67が設けられ、かつ他端側には出力端子部68が設けられている。そして、この状態において、前記実装パターン67には、処理回路(図示せず)が実装され、また、前記配線パターン44には、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33を設けられた前記第1のSi基板32と前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40を設けられた第2のSi基板39とを実装されたものが図9に示すように折曲げられ、前記磁石65に固定されている。前記出力端子部68は、前記取付台64の一端側で折曲げられ、前記ケース61のコネクタ部63の前記コネクタ端子62と電気的に接続されている。69は樹脂製の上蓋であり、前記ケース61の上面開放部を閉塞している。
【0038】
以上のように、構成、組立られている本発明の実施の形態2における回転数センサについて、以下にその動作を説明する。
【0039】
前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33および前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40に対向して相手側の車のギア(図示せず)が設けられている。このギアの凹凸により、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子33および第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子40に対する磁束密度が変化し、前記第1の出力電極36および前記第2の出力電極41に正弦波形が発生する。この正弦波形を処理回路(図示せず)で矩形波に変換し、前記コネクタ端子62から相手側コンピュータ等(図示せず)に出力し、回転数を検出するものである。
【0040】
なお、本発明の実施の形態2における回路数センサにおいては、第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は電源電極から第1の出力電極に電流を流した方が第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるとともに第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は第2の出力電極からGND電極に電流を流した方がGND電極から第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が大である構成としたが、第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は電源電極から第1の出力電極に電流を流した方が第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるとともに第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は第2の出力電極からGND電極に電流を流した方がGND電極から第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が小である構成としても同様の効果を有するものである。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明は、基台と、この基台の上面に設けられた第1のSi基板と、この第1のSi基板の上面に第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子を設けるとともに、前記基台の上面に前記第1のSi基板の近傍に設けられた第2のSi基板と、この第2のSi基板の上面に設けられた第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子とを設けることにより、第1のSi基板と第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子および第2のSi基板と第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子とが一体に形成されているので、温度が変化しても半導体磁気抵抗素子が剥がれ落ちるということのない特性の向上した磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサが得られるという効果を有するものである。
【0042】
第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は電源電極から第1の出力電極に電流を流した方が第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるとともに第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記第2の出力電極からGND電極に電流を流した方が前記GND電極から前記第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるか、または、第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は電源電極から第1の出力電極に電流を流した方が第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるとともに第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記第2の出力電極からGND電極に電流を流した方が前記GND電極から前記第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるかのいずれかの構成とすることにより、温度が上昇しても出力電圧が変動しないので、特性の向上した半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサを提供することができるという効果を有するものである。
【0043】
また、電源電極と第1の出力電極と第2の出力電極とGND電極とに突出部を設けることにより、InSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の抵抗値の極性の識別ができるので、温度が上昇しても出力電圧が変動しにくい特性の向上した半導体薄膜磁気抵抗素子およびそれを用いた回転数センサを容易に提供することができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の斜視図
【図2】同側断面図
【図3】本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の要部である素子を多数個取りで作成する状態を示す上面図
【図4】本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の製造方法を示す工程図
【図5】本発明の実施の形態1におけるInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面に第1の出力電極がはみ出すことのないように形成された半導体薄膜磁気抵抗素子の側断面図
【図6】本発明の実施の形態1における回転数センサの要部である基台の上面図
【図7】本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の電源電極側から定電流を流したときの抵抗値Rmax[Ω]および、第1の出力電極側から定電流を流したときの抵抗値Rmin[Ω]とを測定する状態を示す図
【図8】本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の電源電極から第1の出力電極に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が大であるとともに、第2の出力電極からGND電極に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が小であるように組立られた場合において、周囲の温度を−50℃から150℃まで変化させたときの、出力電圧を示す図
【図9】本発明の実施の形態1における半導体薄膜磁気抵抗素子の電源電極から第1の出力電極に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が大であるとともに、第2の出力電極からGND電極に電流を流した方が逆方向に電流を流す場合よりも抵抗値が大であるように組立られた場合において、周囲の温度を−50℃から150℃まで変化させたときの、出力電圧を示す図
【図10】本発明の実施の形態2における回転数センサの側断面図
【図11】従来の磁気抵抗素子の斜視図
【図12】従来の磁気抵抗素子の回路図
【図13】従来の磁気抵抗素子を搭載した回転数センサの動作する状態を示す側断面図
【符号の説明】
31 基台
32 第1のSi基板
33 第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子
34 電源電極
35 第1の突出部
36 第1の出力電極
37 第2の突出部
38 第1の短絡電極
39 第2のSi基板
40 第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子
41 第2の出力電極
42 GND電極
43 第2の短絡電極

Claims (3)

  1. 基台と、この基台の上面に設けられた第1のSi基板と、この第1のSi基板の上面に設けられた第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と、この第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の一端に設けられるとともにこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と電気的に接続された電源電極と、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつこの第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の他端に設けられるとともに前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と電気的に接続された第1の出力電極と、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面に設けられた多数の第1の短絡電極と、前記基台の上面に前記第1のSi基板の近傍に設けられた第2のSi基板と、この第2のSi基板の上面に設けられた第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつこの第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の一端に設けられるとともにこの第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子および前記第1の出力電極と電気的に接続された第2の出力電極と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面でかつ前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の他端に設けられるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子と電気的に接続されたGND電極と、前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子の上面に設けられた多数の第2の短絡電極とを備え、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記電源電極から前記第1の出力電極に電流を流した方が前記第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記第2の出力電極から前記GND電極に電流を流した方が前記GND電極から前記第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が大であるかまたは、前記第1のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記電源電極から前記第1の出力電極に電流を流した方が前記第1の出力電極から前記電源電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるとともに前記第2のInSbエピタキシャル成長薄膜磁気抵抗素子は前記第2の出力電極から前記GND電極に電流を流した方が前記GND電極から前記第2の出力電極に電流を流すよりも抵抗値が小であるかのいずれかである半導体薄膜磁気抵抗素子。
  2. 電源電極と第1の出力電極と第2の出力電極とGND電極とには、抵抗値の極性を識別できるような突出部を設けられている請求項1記載の半導体薄膜磁気抵抗素子。
  3. 請求項1または2記載の半導体薄膜磁気抵抗素子を搭載した回転数センサ。
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