JP3879205B2 - 汚泥導入管の清掃装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は汚泥導入管の清掃装置、詳しくはプレヒータの下部からセメント原料焼成用の乾式セメントキルンの窯尻部までの間に連結されて、この内部へ、例えば乾燥、添加剤添加といった前処理が施されていない下水汚泥などの含水汚泥を導入する汚泥導入管を清掃するための、汚泥導入管の清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場から排出される下水汚泥は、古来、肥料として利用される場合もあった。しかし、汚泥に重金属類が含有されていること、および、肥料としての利用では処理量が少ないことなどの理由から、最近では、陸上埋立てや海上投棄が主流となっている。
しかしながら、下水処理場からの汚泥排出量は、近年、首都圏を中心に増加傾向にあり、陸上埋立てや海上投棄のための処理場の不足、さらには環境汚染防止上の制約を受けて、汚泥処理は焼却処分に移行しているのが現状である。この汚泥の焼却設備としては、既にいくつかのものが提案されている。
ところが、従来の焼却炉による汚泥焼却装置では、焼却に先立って汚泥を乾燥させる必要がある。また、乾燥排ガスの脱臭もしなければならない。これにより、乾燥コスト、脱臭コストおよび焼却コストが嵩み、全体としての処理コストが高くなるという問題点があった。
また、汚泥の乾燥に生石灰を用いる方法も提案されている。これは、生石灰を汚泥中に含まれる水分と反応させて消石灰を生成させ、そのときの反応熱により残留水分を蒸発し、汚泥を空気圧送可能な乾燥物としてセメント原料に利用するものである。しかしながら、この方法でも、汚泥乾燥時に生石灰を添加しなければならないという不具合がある。
【0003】
そこで、このような問題を解消する従来技術として、本願特許出願人が先に特許出願して出願公開された特開平8−276199号公報の「汚泥処理方法」が知られている。
このものは、汚泥タンク内の含水汚泥を、直接、乾式セメントキルン(以下、乾式キルンまたは単にキルンという場合がある)の窯尻部またはプレヒータに導入して焼却するという汚泥処理技術である。この技術によれば、含水汚泥を、乾燥したり添加剤を添加したりする前処理を行うことなく、直接、既存の乾式セメントキルンへ汚泥導入管から圧送ポンプにより流し込み、セメントクリンカの通常の製造と同時に、効率的に含水汚泥を焼却処理することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、乾式セメントキルンは、キルンシェルの内周面に張られた耐火物が、セメントクリンカの焼成時の熱や衝撃などによって損傷するので、定期的に耐火物の張り替えを行っている。この作業は、乾式セメントキルンの運転を一時停止し、キルン内温度を所定温度まで下げた後、作業者が乾式キルン内に入って行う作業である。
この際、乾式セメントキルンの窯尻部やプレヒータには、前述したように汚泥導入管が連結されている。これにより、管端から露出する含水汚泥の表面から揮発した硫化水素やメタンガスなどがキルン内に流入し、作業の進捗を損ねるおそれがある。しかも、このキルン内にメタンガスなどが多量に溜まると、例えば作業中の静電気で発生した火花により、このキルン内でガス爆発が起きるおそれもある。
そこで、通常、この耐火物の張り替え時には、予め、汚泥導入管の内部の清掃を行う必要がある。なお、この管内清掃は、汚泥導入管内に残った多量の含水汚泥を管外へ押し出す工程を伴うので、通常、乾式セメントキルンを運転しながら行っている。
【0005】
すなわち、セメントクリンカの焼成中に、まず汚泥タンクから汚泥導入管への含水汚泥の供給を停止する。その後、汚泥導入管内に水を圧送し、この水による背圧の作用により、汚泥導入管内に残った含水汚泥を、その管端からプレヒータの下部内やキルンの窯尻部内へ押し出しながら、管内を清掃する。なお、管内に溜まった含水汚泥は、乾式キルン内に投入後、セメント原料の焼成熱で焼却される。
しかしながら、汚泥導入管内の含水汚泥が、この管端から全部押し出されてしまうと、その後、多量の水洗用の水が乾式セメントキルン内へ流れ込んでしまう。この結果、乾式キルン内でのセメント原料の焼成温度が一気に低下し、上記キルン内に張られた耐火物が大きな温度差によって破損したり、中間製造されたセメントクリンカの品質が低下するおそれがあるという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、汚泥導入管の清掃に伴う、キルン内温度の急激な低下による乾式セメントキルンの損傷およびセメントクリンカの品質低下を防止することができ、しかもこの管内清掃の自動化をも図ることができ、管内清掃部材の汚泥導入管内への出し入れを円滑にすることができ、しかも前進用の線状部材の導管内に含水汚泥が侵入しにくい汚泥導入管の清掃装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、セメント原料仮焼用のプレヒータの下部からセメント原料焼成用の乾式セメントキルンの窯尻部までの間に、一端が連結されて含水汚泥を導入させる汚泥導入管を清掃する汚泥導入管の清掃装置であって、上記汚泥導入管の管外から管内に挿入される管内清掃部材と、この管内清掃部材を、この管内清掃部材のキルン側の端部に結ばれた前進用の線状部材を引っ張ることで、上記汚泥導入管の一端側の管端付近まで移動させる前進用の巻き取り装置と、上記管内清掃部材を、この管内清掃部材のキルン側とは反対側の端部に結ばれた後退用の線状部材を引っ張ることで、上記管外まで引き戻す後退用の巻き取り装置とを備え、上記管内清掃部材を、その外周面にシール材が周設された金属製の中空円柱体で構成した汚泥導入管の清掃装置である。
請求項2に記載の発明は、上記汚泥導入管の途中部には、上記管内清掃部材を収納し、かつ上記後退用の線状部材の導管となる管外収納管が連結され、上記汚泥導入管の一端付近には、この汚泥導入管より小径な上記前進用の線状部材の導管が連結され、上記管外収 納管の先端開口部には、裏面に上記後退用の線状部材の先端部を結び止め可能な蓋体が取り付けられ、上記導管の先端開口部には、裏面に上記前進用の線状部材の先端部を結び止め可能な蓋体が取り付けられた請求項1に記載の汚泥導入管の清掃装置である。
【0008】
ここでいう含水汚泥は、下水汚泥、活性汚泥、浚渫汚泥などを示す。
含水汚泥は汚泥処理施設からパイプラインなどで、直接、供給してもよいし、密閉タンクを搭載したトラックで輸送して、いったん、汚泥タンクに投入した後、この汚泥タンクより供給してもよい。
乾式キルンへの含水汚泥の添加量には特に制限がないものの、通常、セメント原料の品質や使用量、焼成温度などの各種処理条件により適宜決定される。ただし、既存の乾式キルンに、その運転条件を特に変更することなく含水汚泥を投入することができる量が好ましい。
例えば、セメントクリンカ生産量が90〜100t/hの乾式キルンを用いた場合、含水汚泥の添加量は9〜10.0t/hとし、製造されるセメントクリンカの重量に対して1/10以下の含水汚泥を投入することが好ましい。セメント原料に対する含水汚泥の添加量が10.0t/hを超えると、汚泥からの水分によってキルンでの焼成が不安定になり、セメントクリンカの品質に悪影響を及ぼすおそれが大きくなるからである。
【0009】
また、ここでいうセメント原料仮焼用のプレヒータの下部からセメント原料焼成用の乾式セメントキルンの窯尻部までの間(以下、キルン窯尻側という場合がある)とは、プレヒータの下部域や、乾式キルンの窯尻部域に限らず、両者の連結部分でもよい。なお、プレヒータの下部域と、乾式キルンの窯尻部域との両方に、含水汚泥を導入してもよい。
キルン窯尻側における含水汚泥の導入部の温度は800〜1000℃、好ましくは900℃前後である。800℃未満では含水汚泥の燃焼が不十分になりやすく、また1000℃を超えると炉の運転に支障をきたすという不具合が生じる。含水汚泥のキルン窯尻側への圧送には、各種のスラリーポンプを採用することができる。
【0010】
管内清掃部材としては、例えば外周面にゴム製のシール材が周設された金属製の中空円柱体が挙げられる。この管内清掃部材の大きさは、汚泥導入管の内周面に密着状態で移動することができる大きさが、清掃後の仕上がりが良くて好ましい。ただし、これに限定されない。
【0011】
前進用および後退用の線状部材としては、例えばワイヤ,ロープなどが挙げられる。これらは、含水汚泥に対して耐蝕性を有する素材である方が好ましい。これらの線状部材の長さは、それぞれ管内清掃部材を汚泥導入管の一端付近に到達させたり、汚泥導入管の管外まで引き戻すことができる長さであればよい。
前進用または後退用の巻き取り装置としては、例えばウインチなどが挙げられる。なお、巻き取り装置は、前進用または後退用の線状部材専用であっても、両線状部材を兼用するものでもよい。
管内清掃部材が汚泥導入管の一端付近に到達したかどうかは、巻き取り装置のドラム回転数,回転トルク,電流値の変化によって検出する他、例えば前進用の線状部材が所定長さまで巻き取られたかどうか、または後退用の線状部材が所定長さまで送り込まれたかどうかなどにより、検出することがすることができる。その外、例えばリミットスイッチを汚泥導入管の一端付近に設けるようにしてもよい。
【0012】
ここでいう管外収納管が連結される汚泥導入管の途中部とは、この汚泥導入管内に残った含水汚泥の一部または全部を清掃可能な管長方向の任意位置でよい。
【0013】
管外収納管の直径は、管内清掃部材を収納することができるように、汚泥導入管と略同じか、それ以上である。汚泥導入管の一端付近に連結される導管は、前進用の線状部材の移動に支障のない直径であれば限定されない。例えば直径20〜25cmである。
なお、管外収納管および導管の先端側の開口部は、それぞれ含水汚泥の臭気が漏れないように、蓋止めする方が好ましい。この場合、それぞれの蓋に、前進用の線状部材または後退用の線状部材の端を結んでおけば、その後、管内清掃部材を移動させて汚泥導入管を清掃する際に都合がよい。
【0014】
また、上記管内清掃部材が上記汚泥導入管の一端付近に到達したことを、上記前進用の線状部材の巻き取り装置のドラム回転数または回転トルクもしくは電流値の変化によって検出するようにしてもよい。
ここで使用される各種の検出装置は、含水汚泥の当接時にはセンサ機能が働かず、管内清掃部材の当接時にだけセンサ機能が働くように設計された機械的または電気的な検出装置である。
【0015】
さらに、上記管内清掃部材は、外周面にシール材が周設された金属製の中空円柱体であり、上記前進用および後退用の線状部材がワイヤであるようにしてもよい。
シール材の素材としては、天然ゴム,合成ゴム,可撓性を有する各種合成樹脂,さらには布帛を所定厚さにしたものなどが挙げられる。
また、中空円柱体の素材としては、ステンレス,真鍮,硬質アルミニウムなどが挙げられる。
【0016】
そして、セメント原料仮焼用のプレヒータの下部からセメント原料焼成用の乾式セメントキルンの窯尻部までの間に、一端が連結されて含水汚泥を導入させる汚泥導入管を清掃する汚泥導入管の清掃方法であって、上記汚泥導入管の管外から管内に挿入された管内清掃部材を、この管内清掃部材のキルン側の端部に結ばれた前進用の線状部材を引っ張ることで、上記汚泥導入管の一端側へ移動させながら、この管内に残った含水汚泥を管端より押し出しつつこの管内を清掃するようにしてもよい。
前進用の線状部材を引っ張るのは、手動であっても、例えば請求項1の巻き取り装置であってもよい。
また、汚泥導入管内の清掃後の管内清掃部材は、元の管外の位置まで引き戻してもよいし、この汚泥導入管の一端の管端から排出したり、または、この汚泥導入管の途中部から外部へ取り出してもよい。
【0017】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、汚泥導入管の管外から管内に挿入された管内清掃部材を、前進用の線状部材を引っ張ることで、汚泥導入管のキルン窯尻側へ移動する。これにより、管内に残った含水汚泥がこの管端から押し出されつつ、この汚泥導入管内が清掃される。
具体的には、前進用の線状部材によって移動する管内清掃部材が含水汚泥を背後から押す。汚泥導入管の管端より押し出された含水汚泥は、通常運転時の乾式セメントキルン内で発生したセメント原料の焼成熱により焼却される。洗浄水は使用しない。これにより、汚泥導入管の清掃に伴う、キルン内温度の急激な低下による乾式セメントキルンの損傷を防ぐとともに、セメントクリンカの品質低下を防ぐことができる。また、巻き取り装置により、前進用の線状部材または後退用の線状部材を巻き取って管内清掃部材を進退させるので、管内清掃部材による汚泥導入管の管内清掃の自動化を図ることができる。
なお、管内清掃部材が汚泥導入管の一端付近に到達したなら、後退用の巻き取り装置により、後退用の線状部材を引っ張って、管内清掃部材を汚泥導入管の管外まで引き戻す。
【0018】
そして、管内清掃部材の汚泥導入管内への出し入れは、この汚泥導入管の途中部に連結された管外収納管を介して行われる。これにより、管内清掃部材の汚泥導入管内への出し入れが円滑になる。
また、前進用の線状部材の繰出しや巻き取りは、汚泥導入管の一端付近に連結された導管を通して行われる。この際、この導管は汚泥導入管に比べて小径に設計されているので、前進用の線状部材の導管内に含水汚泥が侵入しにくい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る汚泥導入管の清掃装置が適用されたセメント焼成設備の模式断面図である。図2は、この発明の一実施例に係る汚泥導入管の清掃装置の模式断面図である。
図1において、10はこの発明の一実施例に係る汚泥導入管の清掃装置(以下、清掃装置という場合がある)であり、この清掃装置10は、汚泥導入管16の管内を、管内清掃部材20を用いて清掃する装置である。汚泥導入管16の一端は、セメント焼成設備のプレヒータ11の下部からセメント原料焼成用の乾式セメントキルン12の窯尻部12aまでの間(キルン窯尻側)に接続、連結されている。汚泥導入管16の他端は、汚泥導入装置25に接続、連結されている。
【0020】
セメント焼成設備は、プレヒータ11内で仮焼されたセメント原料を、乾式セメントキルン12内で焼成してセメントクリンカを中間製造する設備である。なお、ここで用いられる乾式セメントキルン12は、90〜100t/hでセメントクリンカを生産するものとする。
プレヒータ11は、図外の原料ミルにより粉砕されたセメント原料を、下流の乾式セメントキルン12により焼成しやすいように、所定温度まで予熱するものである。プレヒータ11は、多数のサイクロンを、数階建ての鉄骨架台に搭載して設けられている。また、通常、最上段のサイクロンには、ファンを有して仮焼時に生じたガスを図外のガス処理設備へ導くガス排出系が接続されている。
乾式セメントキルン12は、若干下流側へ下方傾斜した横向き円筒状のキルンシェルを有している。キルンシェルの内周面には、耐火物が張られている。
このシェルをその中心軸線回りに回転させながら、重油や微粉石炭を燃料にしてバーナーで加熱することで、プレヒータ11からのセメント原料を焼成し、セメントクリンカを中間製造する。その後、クリンカは、乾式セメントキルン12の下流部に連結されたクリンカクーラにより冷却され、仕上げ工程へ送られる。
【0021】
上記汚泥導入装置25は、下水処理場の沈降汚泥などの含水汚泥aをスラリー状態のまま、プレヒータ11の下部から乾式セメントキルン12の窯尻部12aまでの間に、汚泥導入管16を介して、直接、導入する装置である。すなわち、外設された図外の汚泥受入設備からの含水汚泥aは、いったん圧送ポンプ13によって汚泥タンク14に貯留され、そこから随時、圧送ポンプ15により汚泥導入管16を通して乾式セメントキルン12の窯尻部12aへ導入される。なお、汚泥導入管16は、乾燥、添加剤添加などの前処理が施されていない下水汚泥などの含水汚泥aを、この窯尻部12aへ導入するパイプである。窯尻部12aにおける含水汚泥aの導入箇所の温度は約1000℃である。
【0022】
管内清掃部材20は、両端部が徐々に細くて、その外周面の両端部にそれそれゴム製のシール材20aが周設されたステンレス製の中空円柱体である(図2も参照)。管内清掃部材20のキルン窯尻側12aの端部には、この管内清掃部材20の前進用の線状部材21の元部が2本結ばれている。また、管内清掃部材20のキルン窯尻側12aとは反対側の端部には、後退用の線状部材22の元部が2本結ばれている。両線状部材21,22は金属製のワイヤで構成されている。
【0023】
図1,図2に示すように、汚泥導入管16の上流側の中途部には、管内清掃部材20を収納し、かつ後退用の線状部材22の導管となる管外収納管30が、汚泥導入管16の下流方向へ向かって斜め(約45°)に連結されている。このように、管外収納管30を斜めに連結したことで、管内清掃部材20を、汚泥導入管16内にスムーズに出し入れすることができる。
また、この管外収納管30の先端開口部には、蓋体30aが、ボルト・ナット構造により着脱可能に取り付けられている。蓋体30aの裏面には、後退用の線状部材22の先端部が結ばれている。この管外収納管30の先端部の周囲には、線状部材22を巻き取る巻き取り装置31が配置されている。この装置のドラムには、管内清掃部材20が管外収納管30内に引き戻されたのをドラムの回転で検出するためのエンコーダが取り付けられている。
【0024】
汚泥導入管16のキルン窯尻側12a付近には、汚泥導入管16より小径で、しかも前進用の線状部材21を案内する導管32が連結されている。導管32の先端開口部には、蓋体32aが、ボルト・ナット構造により着脱可能に取り付けられている。この蓋体32aの裏面には、線状部材21の先端部が締結されている。また、導管32の先端部の周囲には、前進用の線状部材21を巻き取る巻き取り装置33が配置されている。なお、巻き取り装置33のドラムには、管内清掃部材20が、汚泥導入管16のキルン窯尻側12a付近に到達したことを、ドラムの回転数で検出するためのエンコーダが取り付けられている。
なお、図2において、34は、汚泥導入管16と管外収納管30との連結部に抜き差し可能に挿着された管内清掃部材20のストッパである。35は、汚泥導入管16のキルン窯尻側12aに設けられた水平分岐部である。36は、汚泥導入管16の水平分岐部35より若干上流部に配置された開閉バルブである。
【0025】
次に、この一実施例に係る汚泥導入管の清掃装置10を用いた汚泥導入管の清掃方法を説明する。
図1に示すように、セメント焼成設備において、セメント原料は、プレヒータ11の各サイクロンを流下中に仮焼される。その後、セメント原料は、乾式セメントキルン12の窯尻部12aへ流れ込み、バーナーの熱により焼成されて、セメントクリンカとなる。
この際、乾式セメントキルン12の窯尻部12a内には、汚泥タンク14内の含水汚泥aが、汚泥導入装置21により、汚泥導入管16を介して4t/hの導入量で、この乾式セメントキルン12内に流し込まれる。
具体的な含水汚泥aの窯尻部12a内への導入は、図外の汚泥受入設備から圧送ポンプ13により、いったん、汚泥タンク14に貯留され、その後、随時、汚泥タンク14の下部に連結された圧送ポンプ15によって、汚泥導入管16を介して、乾式セメントキルン12の窯尻部12aへと投入される。このとき、管内清掃部材20は、ストッパ34により管外収納管30内に止められている。投入後の含水汚泥aは、あらかじめ高いコストがかかる脱臭、乾燥、添加物添加といった前処理を施さなくても、セメント原料の焼成時のバーナー熱により、経済的に焼却することができる。
【0026】
汚泥導入管16の管内清掃時には、まず乾式セメントキルン12の運転を維持しながら、汚泥導入管16内に残った含水汚泥aを除去する。すなわち、キルン運転状態において、まずストッパ34を抜き取り、導管32の蓋体32aを取り外す。次いで、蓋体32aの裏面に結ばれていた前進用の線状部材21の先端を、巻き取り装置33のドラムに連結し、このドラムを回転して前進用の線状部材21を所定速度で巻き取る。これにより、管外収納管30に収納されていた管内清掃部材20が汚泥導入管16の上流側へ侵入してくる。その後も線状部材21の巻き取りを続行することで、この管内清掃部材20が、汚泥導入管16内に残った含水汚泥aを背後から押す。この結果、この残存した含水汚泥aは、汚泥導入管16のキルン窯尻側12aの管端からキルン窯尻側12a内へ押し出される。この際、汚泥導入管16の内周面に付着した若干の含水汚泥aをも、管内清掃部材20の外周面に周設されたシール材20aが掻き取って行く。これにより、汚泥導入管16内は仕上がり良く清掃される。なお、管端から押し出された含水汚泥aは、通常運転中の乾式セメントキルン12内で、セメント原料の焼成熱(約1000℃)により焼却される。
【0027】
管内清掃の終了は、一方の巻き取り装置33のエンコーダによる、あらかじめ登録されていたドラムの回転数によって検出される。この所定回転数に達した際には、管内清掃部材20が汚泥導入管16のキルン窯尻側12a付近に到達しており、巻き取り装置33の作動を停止する。その後、この巻き取り装置33のドラムの回転をフリー状態とするとともに、管外収納管30の蓋体30aを取り外して、この蓋体30aの裏面に結ばれた後退用の線状部材22の先端部を、他方の巻き取り装置31のドラムに固着する。それから、この巻き取り装置31を作動すると、後退用の線状部材22が巻き取られる。これにより、管内清掃部材20が管外収納管30内に引き戻される。
管内清掃部材20の引き戻し後は、ストッパ34を管外収納管30の元部内に差し込んで固定する。それから、他方の巻き取り装置31のドラムより後退用の線状部材22の先端部を外し、これを再び蓋体30aに結んで、蓋体30aを管外収納管30にボルト・ナット構造で固着する。
一方、導管32側の巻き取り装置33に固着された前進用の線状部材21もドラムから取り外し、それからこの取り外した先端部を、蓋体32aの裏面に結び直す。そうして、この蓋体32aを導管32の先端開口部に締着する。これにより、従来の洗浄水を用いて、汚泥導入管16に残った含水汚泥aを押し出す技術の欠点であった、汚泥導入管16の清掃に伴う、キルン内温度の急激な低下による乾式セメントキルン12の損傷を防ぐことができるとともに、この温度低下などに基づいてセメントクリンカの品質が低下することを防ぐことができる。
【0028】
また、汚泥導入管16の途中部に管内清掃部材20を収納する管外収納管30を設けたので、管内清掃部材20の汚泥導入管16内への出し入れが円滑になる。しかも、前進用の線状部材21の繰出しや巻き取りは、汚泥導入管16の一端付近に連結された導管32によって行い、かつこの導管32は汚泥導入管16に比べて小径であるので、前進用の線状部材21の導管32内に含水汚泥aが侵入しにくい。
さらに、巻き取り装置31,33を用いて、前進用または後退用の線状部材21,22を巻き取って管内清掃部材20を進退させるとともに、管内清掃が終わったことを、前進側の巻き取り装置33のドラムの回転数によって検出するようにしたので、汚泥導入管16内の清掃の自動化を図ることができる。
【0029】
さらにまた、管内清掃部材20として金属製(ステレンス製)ではあるものの、比較的軽量な中空円柱体を採用したので、含水汚泥aを押し出す際に変形することもなく、かつ比較的小さな力で管内清掃部材20を前進させたり、後退させたりすることができる。その上、前進用および後退用の線状部材21,22として金属ワイヤを採用したので、安価で、かつ管内清掃部材20の移動途中に、線状部材21,22が断線するおそれが少ない。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、前進用の線状部材を引っ張って汚泥導入管内の管内清掃部材をキルン窯尻側へ移動させ、管内に残った含水汚泥を管端から押し出しつつ、この管内を清掃するようにしたので、洗浄水を用いた管内洗浄の欠点であった汚泥導入管の清掃に伴う、キルン内温度の急激な低下による乾式セメントキルンの損傷を防ぐとともに、セメントクリンカの品質低下を防ぐことができる。なお、巻き取り装置を使って、前進用の線状部材または後退用の線状部材を巻き取って管内清掃部材を移動させるようにしたので、管内清掃部材による汚泥導入管の管内清掃の自動化を図ることができる。
【0031】
管内清掃部材の汚泥導入管内への出し入れは、この汚泥導入管の途中部に連結された管外収納管を用いて行うようにしたので、管内清掃部材の汚泥導入管内への出し入れを円滑化することができる。
また、前進用の線状部材の繰出しや巻き取りを案内する導管を、汚泥導入管に比べて小径にしたので、前進用の線状部材の導管内に含水汚泥が侵入しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る汚泥導入管の清掃装置が適用されたセメント焼成設備の模式断面図である。
【図2】 この発明の一実施例に係る汚泥導入管の清掃装置の模式断面図である。
【符号の説明】
10 汚泥導入管の清掃装置、
11 プレヒータ、
12 乾式セメントキルン、
12a キルン窯尻側、
16 汚泥導入管、
20 管内清掃部材、
21 前進用の線状部材、
22 後退用の線状部材、
30 管外収納管、
31 巻き取り装置、
32 導管、
33 巻き取り装置、
a 含水汚泥。

Claims (2)

  1. セメント原料仮焼用のプレヒータの下部からセメント原料焼成用の乾式セメントキルンの窯尻部までの間に、一端が連結されて含水汚泥を導入させる汚泥導入管を清掃する汚泥導入管の清掃装置であって、
    上記汚泥導入管の管外から管内に挿入される管内清掃部材と、
    この管内清掃部材を、この管内清掃部材のキルン側の端部に結ばれた前進用の線状部材を引っ張ることで、上記汚泥導入管の一端側の管端付近まで移動させる前進用の巻き取り装置と、
    上記管内清掃部材を、この管内清掃部材のキルン側とは反対側の端部に結ばれた後退用の線状部材を引っ張ることで、上記管外まで引き戻す後退用の巻き取り装置とを備え
    上記管内清掃部材を、その外周面にシール材が周設された金属製の中空円柱体で構成した汚泥導入管の清掃装置。
  2. 上記汚泥導入管の途中部には、上記管内清掃部材を収納し、かつ上記後退用の線状部材の導管となる管外収納管が連結され、上記汚泥導入管の一端付近には、この汚泥導入管より小径な上記前進用の線状部材の導管が連結され、
    上記管外収納管の先端開口部には、裏面に上記後退用の線状部材の先端部を結び止め可能な蓋体が取り付けられ、
    上記導管の先端開口部には、裏面に上記前進用の線状部材の先端部を結び止め可能な蓋体が取り付けられた請求項1に記載の汚泥導入管の清掃装置
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