JP3878185B2 - 低合金鋼 - Google Patents

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Description

本発明は金型を製造するために使用される低合金鋼に関し、特に、プラスチック又はゴム材料を成形する金型用の低合金鋼に関する。
プラスチックの成形においては、金型により溶融したプラスチックの熱を奪って、即ち、金型により溶融したプラスチックを冷却して、所定の形状に成形するため、金型表面の温度が上昇する。このようなプラスチック成形に鋼製の金型を使用した場合、鋼材は熱伝導率が低いため、その形状及び構造によっては、金型内の熱が抜熱できず、金型に大きな温度むらが発生して成形品が変形することがある。よって、プラスチック樹脂成形用金型には、樹脂の変形を防止し、成形サイクル時間を短縮するため、成形品を速く且つ均一に冷却することが求められる。
金型の温度むらは、金型鋼内部の熱物性が変化して、各部で放熱性が異なることにより発生する。各部の放熱性は、冷却水を流すための孔の位置等にも影響されるが、特に、金型材料の放熱性能による影響が大きい。よって、より放熱性が高い材料により金型を形成することにより、成形サイクル時間を短縮し、成形効率を向上させることができる。
このように、金型材料の放熱性を高めるためには、その熱伝導率を向上させることが有効である。その方法としては、例えば、熱伝導率が高い銅合金、アルミニウム合金及び亜鉛合金等により金型を形成すると、金型の熱導電率が向上させることができる。しかしながら、銅合金、アルミニウム合金及び亜鉛合金は、合金鋼に比べて高価であり、金型の製造コストが増加する。また、これらの合金は合金鋼に比べて硬さが低いため、使用中に金型が変形するという問題点もある。
そこで、フェライト及びパーライトを含まず、マルテンサイト及び/又はベーナイトを有するプラスチック樹脂成形用金型向けの低合金鋼が提案されている(特許文献1及び2参照)。特許文献1及び2に記載の低合金鋼は、C、Si、Mn、P、Ni、Cr及びMo+(W/2)の含有量を下記数式1の範囲内にすることにより、その熱伝導率を40W/m・K以上にしている。なお、下記数式1において、[C]はCの含有量(質量%)であり、[Si]はSiの含有量(質量%)であり、[Mn]はMnの含有量(質量%)であり、[P]はPの含有量(質量%)であり、[Ni]はNiの含有量(質量%)であり、[Cr]はCrの含有量(質量%)であり、[Mo]はMoの含有量(質量%)であり、[W]はWの含有量(質量%)である。
Figure 0003878185
特開平8−209298号公報 特開平10−36938号公報
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。鋼材の組織は、マルテンサイト、ベーナイト、フェライト及びパーライトと種々に変化し、これらの組織が鋼材中に混在している。一般に、鋼材は表面と内部とでは組織が異なるため、同一成分により形成されていても、金型の表面と内部とでは熱伝導率が異なることがある。よって、特許文献1及び2に記載の低合金鋼のように、鋼材の成分を制限しただけでは熱伝導率を向上すると共にそのばらつきを抑えることはできないという問題点がある。金型鋼材の熱伝導率が不均一であると、金型の放熱性能にむらが生じる原因となるため、特許文献1及び2に記載の低合金鋼では、成形品を均一に冷却できず、成形サイクル時間の短縮は望めない。
また、特許文献1及び2に記載の低合金鋼は、合金成分が少ない程その熱伝導率は高くなるが、例えば、この低合金鋼を使用して厚さが200mmを超える大きな金型を製造すると、表面の組織がマルテンサイト又はベーナイトとなり、内部の組織がパーライト及びフェライトとなる。フェライト量が多くなると、硬度が低下して金型として使用できなくなるという問題点がある。また、各組織に含まれるフェライトの形状を制御していないため、熱伝導率が40W/m・K以上にならないという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、熱伝導率を向上すると共にそのばらつきを抑制し、放熱性能を高めたプラスチック又はゴム材料を成形する金型用の低合金鋼を提供することを目的とする。
本発明に係る低合金鋼は、C:0.35乃至0.45質量%、Si:0.02乃至0.30質量%、Cr:0.5乃至0.8質量%、Mn:0.05乃至0.60質量%、Al:0.01乃至0.40質量%及びN:0.0010乃至0.0030質量%を含有し、Ni:0.05質量%以下、Mo:0.05質量%未満、W:0.05質量%未満、V:0.05質量%未満、Ti:0.05質量%未満及びO:0.0050質量%未満に規制すると共に、Mo、W、V及びTiの総量を0.10質量%以下に規制し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、フェライト及びパーライトを含む低合金鋼であって、任意の断面において、マルテンサイト及びベーナイトの総面積率が40%以下で、初析フェライトの面積率が30%以上であり、前記初析フェライトのうち面積が2000μm以上で且つアスペクト比が10以上である初析フェライトの面積率が10%以上であり、炭化物量が任意の断面における面積率で3%以下であると共に、非金属介在物量が任意の断面における面積率で0.3%以下であり、20℃における熱伝導率が200℃における熱伝導率以上であり、ロックウェル硬さが86HRB以上であることを特徴とする。
本発明においては、鋼材の組織を主にフェライト及びパーライトとしているため、鋼材の熱伝導率を向上することができる。また、パーライトに含まれるフェライトを除いたフェライト成分、即ち、初析フェライトの任意の断面における面積率を30%以上とし、この初析フェライトのうち面積が2000μmで且つアスペクト比が10以上である初析フェライトを任意の断面における面積率で10%以上にすることにより、フェライト粒子が連続して存在するようになるため、熱の流路を形成され、放熱性が向上する。
この低合金鋼は、炭化物量が任意の断面における面積率で3%以下であると共に、非金属介在物量が任意の断面における面積率で0.3%以下であるので、更に熱伝導率を向上することができる。
また、20℃における熱伝導率が200℃における熱伝導率以上であるので、金型中に温度勾配が生じて、熱が伝達されやすくなり、効率的に抜熱することができる。更に、この低合金鋼は、ロックウェル硬さを86HRB以上にすることにより、金型の耐久性が向上する。
本発明によれば、鋼材の組織をフェライト及びパーライトを主体に構成することにより、従来の低合金鋼よりも熱伝導率向上させることができると共に、任意の断面における初析フェライトの面積率を30%以上にし、面積が2000μmで且つアスペクト比が10以上である初析フェライトの面積率を10%以上にすることにより、フェライト粒子が連続して存在するようになるため、優れた放熱性が得られる。その結果、本発明の低合金鋼を使用したプラスチック及びゴム材料成形用金型は、従来の低合金鋼を使用した金型よりも、成形サイクル時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施形態に係る低合金鋼について、具体的に説明する。本実施形態の低合金鋼は、パーライト及びフェライトを含み、プラスチック又はゴム材料を成形する金型を製造するための低合金鋼である。本発明者等は、前述の問題点を解決するために、鋭意実験研究を行った結果、組織がマルテンサイト及びベーナイトである鋼材よりも、組織がパーライト及びフェライトである鋼材の方が、熱伝導率が高いことを見出した。熱伝導率は、フェライト、パーライト、ベーナイト、マルテンサイトの順に低下する。このため、理想的には、フェライトを中心とした組織により鋼材が構成されていることが好ましいが、鋼材を硬くするためには、パーライト、ベーナイト又はマルテンサイトを混在させる必要がある。例えば、硬さが86乃至94HRBであるプラスチック成形金型用鋼の場合、フェライト及びパーライト組織により構成するか、又は、フェライト、マルテンサイト及びベーナイト組織により構成することが望ましい。熱伝導率が低いマルテンサイト及びベーナイトは、任意の断面における面積率が40%以下であれば、熱伝導率に与える影響が少ない。このため、本実施形態の低合金鋼においては、マルテンサイト及びベーナイトの含有量を、任意の断面における面積率で40%以下にする。なお、本実施形態の低合金鋼においては、マルテンサイト及びベーナイトを含まないことがより好ましい。鋼材の組織をパーライト及びフェライトにすると、鋼材の組織がマルテンサイト及びベーナイトの場合よりも熱伝導率を高くすることができる。
また、鋼材の熱伝導率を高くするためには、フェライトの分散状況が重要である。熱の流れ道をつくるフェライトがあっても、熱流方向のフェライトの途中にパーライト等の熱伝導率が低い層があると、熱の流れが対流する。また、モザイク状にフェライトが細かく分散していると、パーライトによってフェライトが分断され、良好な熱伝導率が得られない。このため、熱流と平行な層状又はハニカム状にフェライトを分散させると、熱を容易に移動させることができるようになり、熱伝導率が向上する。よって、フェライトは鋼材中に碁盤の目のような格子状又は層状に切れ目なく分散していることが好ましい。そのフェライト幅は、均一で、広いことが好ましい。
例えば、鋼中にハニカム状に連続したフェライトを形成するには、2種類の工法がある。第1の工法は、加熱温度を、A3変態点よりも150℃以上高い温度、例えば、860乃至900℃にすることで、オーステナイト中の化学組成を均一化して、過冷オーステナイトの安定化を増し、任意に冷却する。これにより、細かいフェライトとセメンタイトとに分離し、フェライトを交互に連続させる方法である。また、第2の工法は、A3変態点よりも10乃至20℃低い温度、例えば、770乃至780℃にて加熱し、任意に冷却することにより、前組織のオーステナイト粒に優先的にフェライトを生成させる方法である。
以下、本実施形態の低合金鋼における数値限定理由について説明する。
C:0.35乃至0.45質量%
Cは、鋼材の硬さ及び強度を高めるために有効な元素である。C含有量が0.35質量%未満では、鋼材の硬さが86HRB未満になり、硬さを高める効果が得られず、更に、熱伝導率が低下する。また、C含有量が0.45質量%を超えると、鋼材におけるフェライトの面積率が30%以下に減少し、硬いFe炭化物が増加するため、機械加工する際に工具刃先が摩減する等被削性が劣化すると共に熱伝導率が低下する。よって、C含有量は0.35乃至0.45質量%とする。
Si:0.02乃至0.30質量%
Siは、熱伝導率を向上するために重要な元素である。Siを0.30質量%以下にすると、熱伝導率が向上する。しかしながら、Siはフェライトを固溶強化する効果があるため、その含有量を少なくすると、熱伝導率は向上するが、硬度が低下する。そこで、硬度及び熱伝導率を低下させずにフェライトを固溶強化する効果があるCrを、Siと同時に添加することにより、熱伝導率を低下させずに熱伝導率を向上させることができる。一方、Si含有量が0.02質量%未満であると、溶製時における脱酸効果がなくなり、鋼材中に酸化物が生成して熱伝導率が低下する。よって、Si含有量は、0.02乃至0.30質量%とする。なお、Siを低減するためには、炉外精錬を行い、O含有量を少なくすることが有効である。
Cr:0.5乃至0.8質量%
Crは、Siと同様に、熱伝導率を向上するために重要な元素である。Cr含有量が0.5質量%未満の場合及びCr含有量が0.8質量%を超えた場合は、熱伝導率が低下し、特に、室温における熱伝導率が大幅に低下する。
Mn:0.05乃至0.60質量%
Mnは、焼入れ性を向上させる効果がある。但し、Mn含有量が0.05質量%未満であると、焼き入れ性改善の効果が得られない。また、Mn含有量が0.60質量%を超えると、熱伝導率が低下する。
Al:0.01乃至0.40質量%
Alは、AlNとなりオーステナイト結晶粒を微細化し、熱伝導率が良好なフェライトの生成を制御する上で重要な元素である。熱処理温度を高温にすることにより、フェライトをハニカム構造にすることができるが、Alを添加せずに高温で加熱すると、結晶粒が粗大化し、靱性が低下する。このため、Alは少なくとも0.01質量%以上添加する。また、AlNは熱伝導率が著しく低いため、その上限は0.040質量%とする。Al含有量が0.01質量%未満であると、結晶粒を微細化する効果が得られず、熱伝導率が低下する。また、Al含有量が0.40質量%を超えると、Oの含有量を0.0050質量%未満に規制しても、熱伝導率が低下する要因である酸化物が多量に生成して、熱伝導率が低下する。
N:0.0010乃至0.0030質量%
Nは、Alと同様に、AlNとなりオーステナイト結晶粒を微細化し、熱伝導率が良好なフェライトの生成を制御する上で重要な元素である。但し、N含有量が0.0030質量%を超えると、TiN等の有害な窒化物が生成する。また、N含有量が0.0010質量%未満であると、AlNが析出しなくなる。従って、N含有量は0.0010乃至0.0030質量%とする。
Ni:0.05質量%以下
Niは、フェライト生成量を制御する効果があるが、フェライトに固溶して熱伝導率を低下させる。このため、鋼中にNiが含まれていると、フェライト量を増加させても熱伝導率が向上しない。よって、Ni含有量は0.05質量%以下に規制する。なお、Niが含まれていないことがより好ましい。
Mo、W、V及びTi:夫々0.05質量%未満で且つ総量が0.10質量%以下
Mo、W、V及びTiは炭化物となり、熱伝導率を低下させる元素である。熱伝導率が低い炭化物が多量に生成すると、鋼材の熱伝導率が低下するため、その含有量を夫々0.05質量%未満に規制する。また、これらの元素を複合添加した場合の影響を抑制するため、Mo、W、V及びTiの総含有量は0.10質量%以下とする。なお、これらの元素は含まれていないことがより好ましい。
O:0.0050質量%未満
鋼材中にOが多量に含まれていると、熱伝導率を著しく低下させる酸化物系介在物が増加する。よって、O含有量は0.0050質量%以下に規制する。
初析フェライト:面積率で30%以上
パーライト中に含まれるフェライト以外のフェライト成分(以下、初析フェライトという)は、鋼材に任意の断面における面積率で30%以上含有させることにより、方向性がない安定した熱伝導性が得られる。フェライト量が面積率で30%未満であると、フェライトが連続的に形成されないため熱伝導率が低下する。この初析フェライトは、鋼材の表面をナイタール腐食液等により腐食させ、100倍の倍率で光学顕微鏡観察したときに、白く見える部分である。また、初析フェライトは、含有量が同じであるならば、細長い粒子が分散している方が、熱が流れる経路が形成されるため、熱伝導率が高くなる。
しかしながら、フェライトの含有量が多くなりすぎると、アルミニウム合金等と同様に硬さが低下し、樹脂成形時の圧力に耐える強度及び硬さが得られない。具体的には、初析フェライトの含有率が面積率で40%を超えると、硬さが86HRB未満となり、金型寿命が低下する。よって、厚さが200乃至400mmである樹脂成形金型用鋼においては、表面から内部までほぼ同一組織とし、初析フェライト含有量を任意の断面における面積率で30%以上とすることが好ましく、初析フェライト含有量を面積率で30乃至40%とすることがより好ましい。
このとき、下記数式2で表される合金成分の炭素当量は0.73未満であることが好ましい。なお、下記数式2において、[C]はCの含有量(質量%)であり、[Si]はSiの含有量(質量%)であり、[Mn]はMnの含有量(質量%)であり、[Cr]はCrの含有量(質量%)であり、[V]はVの含有量(質量%)である。下記数式2で表される合金成分の炭素当量を0.73未満にすることにより、マルテンサイト及びベーナイトの総含有量を面積率で40%以下にすることができると共に、初析フェライト量を面積率で30%以上にすることができる。
Figure 0003878185
断面積が2000μm 以上で且つアスペクト比が10以上である初析フェライト:面積率で10%以上
前述したように、抜熱するためには、鋼中にフェライトが連続した状態で分散していることが好ましい。図1(a)はフェライトがハニカム状に存在している低合金鋼を示す断面図であり、図1(b)はフェライトが層状に存在している低合金鋼を示す断面図である。鋼材の抜熱量には、図1(a)及び(b)に示す初析フェライトの最小幅Wが関係している。フェライトは、鋼中で伝熱する組織であるため、フェライトの幅が一部狭くなると、熱がその狭い部分で滞留してしまう。また、フェライトの幅が10μm以下で長さが200μm以下であると、フェライト量が多くても伝熱に殆ど寄与しない。このため、本実施形態の低合金鋼においては、任意の切断面において、1個当たりの面積が2000μmであり、アスペクト比(=長さL/最小幅W)が10以上である初析フェライトを、面積率で10%以上含有する。このような初析フェライトの面積率が10%未満の場合、熱伝導率が著しく低下する。
炭化物:面積率で3%以下
Fe系の炭化物であれば熱伝導率に対する影響は少ないが、V系及びCr系の炭化物の熱伝導率は、フェライト等の純鉄の(1/18)乃至(1/3)程度であり、著しく低い。但し、任意の切断面における面積率が3%以下であれば、その影響はほとんどないため、炭化物の含有量は面積率で3%以下に規制することが好ましい。また、これらの炭化物を含まないことがより好ましい。
非金属介在物:面積率で0.3%以下
鋼材に含まれる非金属介在物のうち、アルミナ等の熱伝導率は、炭化物の中でも比較的熱伝導率が良好なVC系炭化物とほぼ同等であるが、AlN及びTi系酸化物の熱伝導率は、VC系炭化物の熱伝導率の(1/30)程度と低い。よって、非金属介在物は、任意の切断面における面積率で0.3%以下に規制することが好ましく、鋼材中に非金属介在物が含まれていないことがより好ましい。
20℃における熱伝導率が200℃における熱伝導率以上
プラスチック及びゴム等の樹脂成形において、金型の冷却速度を速め、成形サイクル時間を短縮するためには、例えば、樹脂を200℃程度まで加熱して成形する場合、室温乃至200℃における金型の温度勾配及び熱伝導率を改善することが重要である。従来は、鋼材中の熱伝導率が一定であれば、金型中の温度勾配も一定であるとされていた。しかしながら、鋼材の熱伝導率を高くしても、金型中の温度勾配が小さいために伝熱量が増加せず、成形サイクル時間を短縮できないことがあった。そこで、本発明者等は、前述の課題を解決するために、鋭意実験研究を行った結果、鋼材の熱伝導率は、合金成分を添加すると、必ずしも温度が高くなるに従い熱伝導率が下がらなくなるため、室温の熱伝導率が低く、200℃における熱伝導率が高いことがあり、このような場合、溶融した樹脂が金型表面に接触する初期は熱伝達が速いが、樹脂の温度が100℃以下に低下すると、熱伝達が遅くなって、温度勾配が得られなくなり、実質的な放熱性が低下することを見出した。
また、本発明者等は、従来の金型用鋼材は、室温における熱伝導率よりも200℃における熱伝導率の方が高く、即ち、温度が高い金型表面よりも温度が低い内部の水冷孔付近の方が熱伝導率が低いために、金型内に温度勾配が生じず、金型表面において樹脂の熱を抜熱しても、その熱が内部に伝達されにくく、金型内に熱が滞留してしまということを見出した。よって、樹脂成形用の金型は、溶融した樹脂が金型表面に接触しているときの200℃程度における熱伝導から、その後、樹脂が冷えて室温程度になるまでの熱伝導を考慮しなければならない。
更に、本発明者等は、鋼材の室温における熱導電率を200℃における熱伝導率以上にすることにより、200℃程度の金型表面の高温部から、金型内部の30℃程度の低温部へ、熱が伝達されやすくなり、金型の冷却速度が速くなることを見出した。これは、金型内の温度勾配が大きくなるためであり、室温における熱伝導率と200℃における熱伝導率との差が大きい鋼材ほど、温度勾配が大きくなり、抜熱量が多くなる。このように、金型内に温度勾配を設けることは、熱伝導率を向上させることと同等の効果が得られ、金型内に温度勾配が生じないと、抜熱量が少なくなる。金型における熱伝導率は、非定常熱伝導として取り扱うことができる。即ち、非定常温度分布となっている金型は、あらゆる温度分布状態において、温度勾配を大きくすることが重要である。
上述の如く、鋼材の熱伝導率は、鋼材の冷却時間に大きく影響する。20℃における熱伝導率が200℃における熱伝導率以上であると、20℃における熱伝導率により鋼材の冷却時間が決まるため、熱が滞留することなく、金型が均一に冷却される。一方、20℃における熱伝導率が200℃における熱伝導率よりも低いと、その温度域では抜熱することができなくなり、金型が冷却されないことがある。このため、20℃における熱導電率は200℃における熱伝導率以上であることが好ましく、より好ましくは、20℃における熱導電率と200℃における熱伝導率との差が、5.4W/m・K以上である。これにより、金型が均一に冷却されやすくなり、成形サイクルを短縮することができる。
硬さ:86HRB以上
プラスチック成形用金型に使用する場合、鋼材のロックウェル硬さが86HRB未満であると、使用中に金型が変形したり、摩耗したりすることがある。なお、94HRBを超える硬さを得るためには、合金量を多くしなければならず、熱伝導率が低下することがある。よって、硬さは86HRB以上であることが好ましく、より好ましくは、86乃至94HRBである。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。下記表1及び表2に本発明の実施例及び比較例の低合金鋼の組成を示す。なお、下記表1において、残部はFe及び不可避的不純物である。また、比較例33はJIS G4105 SCM440鋼材である。
Figure 0003878185
Figure 0003878185
上記表1及び表2に示す組成の実施例1乃至14及び比較例1乃至33の鋼材は、通常の製鋼法で溶製し、鍛錬比が4以上で鍛造したものを放冷して得た。そして、これらの鋼材を、800乃至900℃の温度から、100乃至400℃/分の冷速度で室温まで冷却する焼きならし処理を行い、ロックウエル硬度で82乃至99HRB又は20乃至34HRCにした。下記表3及び4にこれらの鋼材の焼きならし処理条件(加熱温度及び冷却速度)、組織構成、初析フェライトの面積率、断面積が2000μmで且つアスペクト比が10以上である初析フェライトの面積率、熱伝導率、介在物の面積率、炭化物の面積率及び硬さを示す。
Figure 0003878185
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上記表3及び表4に示す初析フェライトの面積率は、ナイタール腐食液にて腐食させた鋼材表面を、100倍の倍率で光学顕微鏡観察し、白く見える部分(初析フェライト)の面積を、画像解析により求めた。また、面積が2000μmで且つアスペクト比が10以上であるフェライトの面積率は、各鋼材をナイタール腐食液で腐食させた後、光学顕微鏡により400倍の倍率で160視野を写真撮影し、画像解析によりフェライトの面積を求めた。例えば、図1(a)に示すハニカム状のフェライトにおいては、パーライト粒間の距離が10μm以下の箇所は、フェライトが切断されているとみなした。そして、1つのフェライト粒子について、最小幅W、最小幅Wに対して垂直な方向における長さLを求め、この最小幅Wに対する長さLの比(長さL/最小幅W)をアスペクト比とした。そして、フェライト全体の面積から、面積が2000μm以下の粒子及びアスペクト比が10以下の粒子の面積を除いて、面積率を求めた。同様に、図1(b)に示す層状のフェライトにおいても、フェライト全体の面積から、面積が2000μm以下の粒子及びアスペクト比が10以下の粒子の面積を除いて、面積率を求めた。
熱伝導率は、レーザフラッシュ法により測定した。レーザフラッシュ法は、熱拡散率の非定常測定法の代表的な方法であると共に熱容量の精密測定の方法である。具体的には、先ず、厚さがLである試料(鋼材)にレーザを照射して、試料背面の温度上昇が最高到達温度の(1/2)になるまでの時間(ハーフタイム)Tを測定し、下記数式3から熱拡散率αを求めた。
Figure 0003878185
そして、この熱拡散率αを使用し、下記数式4から熱伝導率λを求めた。なお、下記数式4において、Cは試料の比熱であり、ρは試料の密度である。
Figure 0003878185
介在物及び炭化物の面積率は、介在物を測定する際は腐食させずに、炭化物を測定する際には、ピク燐酸と硝酸(3質量%)との混合溶液で鋼材の表面を腐食させた後、夫々1000倍で顕微鏡写真を撮影し、その1mmを画像解析することにより求めた。
硬さは、ロックウェル硬さ試験により測定した。その際、圧子には、Bスケールで、直径が1.5875mmの鋼球を使用した。測定値は、5点を測定し、最高値及び最低値の2点を除いた3点の平均値を採用した。なお、圧子の大きさは、実施例及び比較例の鋼材に含まれるフェライト及びパーライトの粒の大きさに比べて十分に大きいもので実施した。
次に、これら実施例及び比較例の鋼材の冷却性能を評価した。図2(a)は評価に使用した純銅材を示す斜視図であり、図2(b)及び(c)は冷却性能評価方法をその工程順に示す斜視図である。先ず、図2(a)に示す縦が30mm、横が30mm、厚さが10mmである純銅材11の全面を研磨した後、200℃で1時間保持した。そして、図2(b)に示すように、縦が30mm、横が30mm、厚さが10mmで全面が研磨された鋼材10を、水冷銅板12上に配置し、更に、鋼材10の上に純銅材11を20秒間載せた。その後、図2(c)に示すように、純銅材11を取り除き、鋼材10の表面温度を熱電対13により測定し、水冷銅板12と同じ温度になるまでの時間を測定した。その結果を下記表5及び表6に示す。
Figure 0003878185
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上記表6に示すように、冷却速度を速くしたために組織がマルテンサイトになった比較例27乃至29の鋼材は、硬さは増すが、フェライトを全く含まないため、冷却性能が劣っており、比較例1乃至26の鋼材に比べて20%程度低下し、冷却時間は、実施例1乃至14の鋼材の2倍以上であった。また、比較例30の鋼材は、初析フェライトを面積率で12%含んでいるため、初析フェライトを含まない比較例27乃至29の鋼材に比べて熱伝導率が若干向上した。更に、比較例31及び32の鋼材は、初析フェライトを面積率で20%以上含有しているため、熱伝導率は良好であった。しかしながら、これらの鋼材は、20℃における熱伝導率が200℃における熱電率よりも低いため、冷却性能が劣っていた。更に、比較例11乃至22の鋼材は、Niを多量に添加しているため、フェライト量は増加しているが、熱伝導率が劣っている。一方、実施例1乃至14の鋼材は、Niを多量に添加せずに、比較例11乃至22の鋼材と同等のフェライト量にしているため、これらの鋼材よりも熱伝導率を高くすることができた。
Mo、Ti、V及びWの総含有量が0.1質量%を超える比較例1乃至6、8、10乃至33の鋼材は、熱伝導率が22.4乃至43.0W/m・Kと低かった。一方、実施例1乃至14の鋼材は、Mo、Ti、V及びWの含有量が0.1質量%以下であるため、57.3W/m・K以上の良好な熱伝導率が得られた。また、比較例6乃至10の鋼材は、比較的20℃における熱伝導率が高いが、20℃における熱伝導率よりも200℃における熱伝導率が高いため、冷却時間は他の比較例の鋼よりも若干短くなる程度であった。これに対して、実施例1乃至14の鋼材は、アスペクト比が10以上のフェライトを面積率で10%以上含むため、熱流が良好になり、鋼材の冷却時間を比較例33のSCM440鋼材の1/2程度に短縮することができた。
(a)はフェライトがハニカム状に存在している低合金鋼を示す断面図であり、(b)はフェライトが層状に存在している低合金鋼を示す断面図である。 (a)は冷却性能評価に使用した純銅材を示す斜視図であり、(b)及び(c)は冷却性能評価方法をその工程順に示す斜視図である。
符号の説明
1;フェライト
2;パーライト
10;鋼材
11;純銅材
12;水冷銅板
13;熱電対

Claims (1)

  1. C:0.35乃至0.45質量%、Si:0.02乃至0.30質量%、Cr:0.5乃至0.8質量%、Mn:0.05乃至0.60質量%、Al:0.01乃至0.40質量%及びN:0.0010乃至0.0030質量%を含有し、Ni:0.05質量%以下、Mo:0.05質量%未満、W:0.05質量%未満、V:0.05質量%未満、Ti:0.05質量%未満及びO:0.0050質量%未満に規制すると共に、Mo、W、V及びTiの総量を0.10質量%以下に規制し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、フェライト及びパーライトを含む低合金鋼であって、任意の断面において、マルテンサイト及びベーナイトの総面積率が40%以下で、初析フェライトの面積率が30%以上であり、前記初析フェライトのうち面積が2000μm以上で且つアスペクト比が10以上である初析フェライトの面積率が10%以上であり、炭化物量が任意の断面における面積率で3%以下であると共に、非金属介在物量が任意の断面における面積率で0.3%以下であり、20℃における熱伝導率が200℃における熱伝導率以上であり、ロックウェル硬さが86HRB以上であることを特徴とする低合金鋼。
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