JP5565696B2 - 孔加工性に優れた金型用鋼およびその製造方法 - Google Patents

孔加工性に優れた金型用鋼およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた被切削性を有した上では、特に孔加工性を向上した、主としてプラスチック成形用途に最適な金型用鋼と、その製造方法に関するものである。
従来、プラスチック成形金型用鋼には、主に、
(1)鏡面仕上性が良く、ピンホールやその他微細ピットの発生傾向が小さいこと、
(2)シボ加工性が良いこと、
(3)耐食、耐発錆性が良いこと、
(4)強度、耐摩耗性、靭性が良いこと、
(5)被切削性が良いこと、
などが要求される。
なかでも、優れた被切削性、すなわち切削工具寿命の向上は、近年の金型作製コストの削減要求にとっては、重要な改善特性である。そこで、本願出願人は、上記の被切削性の向上を目的として、Cr、Mo(1/2W)、Cu、およびVの最適調整による析出強化を採用した低C−Mn−Ni−Cr−Mo(W)−V−Cu−Fe系の金型用鋼を開発した(特許文献1参照)。
特開2007−146278号公報
組織を下部ベイナイト主体に制御した特許文献1の金型用鋼は、被切削性に優れるものである。そして、この被切削性の向上には、NiとCuの相互調整による組織の下部ベイナイト化に加えて、快削元素であるSの微量添加によって生成されるMnS系介在物の存在も寄与している。
しかし、鋼材の被切削性には、上記のミクロ組織やMnS系介在物等の因子が各々単独で作用しているのではなく、その他の、鋼材の硬さや旧オーステナイト平均結晶粒径といった鋼材因子も相まって複合的に作用する。すなわち、金型用鋼に要求される被切削性を再現性よく達成するには、それに及ぼす個々の鋼材因子の影響度を明確にした上では、それら因子の複合作用を考慮した総合的手段の提供が必要である。そして、各種の切削加工のなかでも、特にドリル等による孔加工は、それがφ5mm以下の小径孔加工ともなると加工時に生成される切屑の排出がスムーズに行われず、これが工具の早期寿命の要因であったことから、改善が強く求められる。
本発明の目的は、優れた被切削性を達成し、特にはφ5mm以下の小径孔加工にも対応し得る、孔加工性を向上した金型用鋼と、その製造にとって好ましい方法を提供することである。
本発明者は、金型作製にかかる孔加工の形態には、その金型用鋼が有する多くの因子が相互的に作用していることを知見した。そして、その因子のなかでも特に影響度の大きい因子を抽出できたと共に、例えば、本願出願人が提案済みの特許文献1の金型用鋼においては、それらの因子間には孔加工性を向上させるための最適な関係があることを突き止めた。その結果、特に特許文献1の成分組成を有した金型用鋼にとっては、それが有する各因子と工具寿命の関係を精度よく定式化できたことから、その優れた被切削性を再現性よく発現し得る手法に到達した。
すなわち本発明は、質量%で、C:0.1〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.6〜1.5%、Cr:1.0%を超え2.5%以下、MoとWは単独または複合でMo+1/2W:1.0%以下、V:0.03〜0.15%、Cu:0.3〜2.0%、S:0.05%以下を含有し、Alは0.1%以下、Nは0.06%以下、Oは0.005%以下に規制され、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼において、下記の式1による値が150以上、好ましくは250以上であり、硬さが34〜45HRCであることを特徴とする、孔加工性に優れた金型用鋼である。
式1:−59.9×(硬さ)+12666.8×(S量)+7.58×(下部ベイナイ
トの面積率)+11.4×(旧オーステナイト平均結晶粒径)+1531.1
ここで、硬さ:ロックウェル硬さ(HRC)
S量:硫黄の含有量(質量%)
下部ベイナイトの面積率:断面組織中に占める下部ベイナイト量(面積%)
旧オーステナイト平均結晶粒径:ASTM−E112による粒度番号
なお、上記の式1においては、
(1)硬さが34〜45HRCであることを満たした上で
(2)旧オーステナイト平均結晶粒径が粒度番号1.0以上であること、
(3)下部ベイナイトの面積率が75面積%以上であること、
のうちの1つ以上の要件を満たすことが望ましく、全ての要件を満たすことが、なお望ましい。また、金型用鋼が含有するCuは、質量%で、0.5〜2.0%であることが好ましい。
そして、本発明は、質量%で、C:0.1〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.6〜1.5%、Cr:1.0%を超え2.5%以下、MoとWは単独または複合でMo+1/2W:1.0%以下、V:0.03〜0.15%、Cu:0.3〜2.0%、S:0.05%以下を含有し、Alは0.1%以下、Nは0.06%以下、Oは0.005%以下に規制され、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼を焼入れ焼戻しする金型用鋼の製造方法において、前記焼入れ焼戻し後の金型用鋼は、下記の式1による値が150以上であり、硬さが34〜45HRCであって、前記焼入れは、その冷却過程での450〜400℃の範囲を3℃/分以上とすることを特徴とする、孔加工性に優れた金型用鋼の製造方法である。上記の焼入れは、その加熱温度を850〜1050℃とすることが好ましい。また、金型用鋼が含有するCuは、質量%で、0.5〜2.0%であることが好ましい。
式1:−59.9×(硬さ)+12666.8×(S量)+7.58×(下部ベイナイ
トの面積率)+11.4×(旧オーステナイト平均結晶粒径)+1531.1
ここで、硬さ:ロックウェル硬さ(HRC)
S量:硫黄の含有量(質量%)
下部ベイナイトの面積率:断面組織中に占める下部ベイナイト量(面積%)
旧オーステナイト平均結晶粒径:ASTM−E112による粒度番号
本発明であれば、成分組成が適切に調整された特許文献1の金型用鋼等について、その組織や機械的特性にかかる因子の最適化も達成できたことから、それが有する優れた被切削性を最大限かつ高い再現性をもって実現することができる。
本発明鋼の組織断面の一例を示す顕微鏡写真と、その模式図である。 本発明によって定義された式1の値に対する、ドリル寿命の変化を示したグラフであり、本発明の効果の一例を説明する図である。
本発明の特徴は、まず成分組成については、優れた被切削性と硬さのバランスを有する特許文献1の金型用鋼のそれを主体に踏襲して、それ以外の材料因子を見直すことで、さらなる被切削性の向上、特に切削時の切屑の排出能が鍵となる孔加工性の向上を達成したところにある。すなわち、被切削性に大きな影響を及ぼす材料因子は、鋼のS含有量と硬さ、そして該組織の旧オーステナイト粒径と基地形態(ベイナイト)である。そして、これらの複合的な影響度を定量化できたことで、本因子の最適な調整目標もが明確となるから、本発明の金型用鋼は、その一段と向上した被切削性を再現できるのである。
最初に、本発明は、所定の調質硬さで供給され(一般には、焼入れ後、550℃以上の焼戻しによる状態)、その調質状態のままで型彫加工の後、研磨仕上げを施して使用される、いわゆるプリハードン鋼を想定している。そして、その時の調質硬さは、金型製品の特性として必要不可欠な鏡面仕上げ性を得るための高硬度と、一方では靭性および被切削性を得るための低硬度を両立させる観点から、34〜45HRCの範囲であることが好ましい。そして、このプリハードン鋼としての成立には、第一に、それを構成する成分組成が基本かつ重要な要件となる。そこで、本発明の金型用鋼では、その成分組成の主体には特許文献1のものを適用したことで、基本的は被切削性に優れた鋼に仕上がっている。以下、本発明鋼の成分限定の理由について述べておく。
Cは、焼入れ組織を被切削性の良好な下部ベイナイト組織に保ち、かつ焼戻しにおいては、Cr、Mo(W)、V炭化物の析出による強化をもたらすために必要な、基本的添加元素である。多すぎると基地をマルテンサイト組織化して被切削性を減じ、かつ過度の炭化物を形成して被切削性を低下させるので、0.25質量%(以下、単に%と表記)以下とする。一方、低すぎるとフェライトの析出を招くので、0.1%以上とする。好ましくは、0.13%以上および/または0.2%以下とする。
Siは、金型使用時の雰囲気に対する耐食性を高める元素であるが、多すぎるとフェライトの生成をまねくので、1.0%以下とする。また、Siを低減すると機械的特性の異方性が軽減され、また縞状偏析が低減されて、優れた鏡面加工性が得られるため、好ましくは0.6%以下とする。なお、上記の耐食性を付与するにおいては、0.1%以上、さらには0.2%以上の添加を行うことが好ましい。
Mnは、本発明鋼の下部ベイナイト焼入性を高め、またフェライトの生成を抑制し、適度の焼入れ、焼戻し硬さを付与する元素である。しかし、多すぎると下部ベイナイト組織を維持するための熱処理管理が厳しくなり、マルテンサイト変態化を促進させる。また基地の粘さを上げて被切削性を低下させるので、2.0%以下とする。なお、上記の焼入性を付与するにおいては、1.0%以上、さらには1.2%以上の添加を行うことが好ましい。
Crは、焼戻し処理において微細炭化物を析出、凝集させ、本発明鋼の強度を形成するために添加される。また、本発明鋼の耐食性を高め、また研磨加工時あるいは金型保管時の発錆を抑制する。更には、窒化処理を行う場合には、窒化層の硬さを高める効果を有する。しかし、多すぎると下部ベイナイト組織を微細化させる作用から、マルテンサイト変態化を促進し、基地の粘さを上げて被切削性を低下させるので、その範囲は1.0%を超え2.5%以下とした。好ましくは1.4%以上および/または2.2%以下、更に好ましくは1.6%以上および/または2.0%以下である。
ここで上記のように、金型の強度を向上させるのであれば、Crは多目に添加すればよい。しかし、Cr量が多くなる程、被切削性は低下することから、Crの添加量には限度がある。よって、Crの添加にのみ頼らない手法を導入して、金型の強度を向上させる必要がある。また、金型に窒化処理を施して使用することを考えると、550℃以上の焼戻し軟化抵抗性を保証する必要があり、この点においてはCr添加のみでの対応は不十分である。そこで、本発明鋼においては、上記の両課題を解決するための、MoやWの含有が重要となる。
本発明のMo、Wは、焼戻し処理時に微細炭化物を析出、凝集させて、本発明鋼の強度を向上する。そして、焼入れ焼戻しにおける軟化抵抗を大きくすることから、単独または複合で含有する。さらには、MoやWの一部は、金型表面の酸化皮膜中に一部固溶することで、金型使用中の、例えばプラスチックから発生する腐食性ガスに対しての耐食性を向上する作用効果もある。本用途の場合、多量の含有は必要なく、多すぎると被切削性の低下を招くので、(Mo+1/2W)で1.0%以下とした。好ましくは0.1%以上および/または1.0%以下である。さらに好ましくは0.1%以上および/または0.7%以下である。
Vは、焼戻し軟化抵抗を高めるとともに、結晶粒の粗大化を抑制して、靭性の向上に寄与する。また、硬質の炭化物を微細に形成して、耐摩耗性を向上させる効果がある。このためには少なくとも0.03%以上を必要とするが、多すぎると被切削性の低下を招くので0.15%以下とした。好ましくは0.05%以上および/または0.12%以下である。
Cuは、本発明鋼の焼戻し処理において、Fe−Cu固溶体を析出、凝集させる。そして特筆すべきは、後述のNiとの適切な添加量の調整により、組織を下部ベイナイトに制御する。これら固溶体の析出・凝固と、下部ベイナイトへの組織制御とが相まって、本発明鋼には優れた被切削性が付与される。また、Cuは、優れた耐食性をもたらす効果もある。しかし多すぎると、熱間加工性を低下させることに加えては、組織のマルテンサイト変態化にも働いて、かえって被切削性を低下させる。よって、Cuは0.3〜2.0%とする。好ましくは0.5%以上である。そして、さらに好ましくは0.6%以上および/または1.5%以下である。
Niは、本発明鋼の下部ベイナイト焼入性を高め、またフェライトの生成を抑制する元素である。そして上記の通りの、Cuとの適切な添加量の調整による下部ベイナイトへの組織制御に重要な元素であって、これは本発明鋼に優れた被切削性を付与する。しかし多すぎると、下部ベイナイト組織を過度に微細化させ、マルテンサイト変態化を促進し、基地の粘さを上げて被切削性を低下させる。よって、Niは0.6〜1.5%とする。好ましくは1.2%以下とする。
Sは、非金属介在物MnSとして存在させることで、被切削性の向上に大きな効果がある。しかし、多量のMnSの存在は、機械的特性、特に靭性の異方性を助長するなど、金型自体の性能を低下させる要因ともなる。そのため、被切削性の向上のためには0.005%以上の含有が好ましくはあるが、優れた靭性および被切削性と硬さを有し、かつ優れた研磨仕上性をも達成するためには、0.05%以下に限定する必要がある。
Alは、通常、溶製時の脱酸元素として用いられるが、調質後の状態にある本発明鋼においては、その鋼中に存在するAlが鏡面加工性を低下させるので、0.1%以下に規制する必要がある。好ましくは0.05%以下である。そして、より好ましくは0.01%以下、そして更に好ましくは0.005%以下である。
O(酸素)は、鋼中において酸化物を形成する元素であり、冷間塑性加工性および磨き性を著しく劣化させる要因となる。特に本発明においては、上記のAlの形成を抑えることが重要であることから、上限を0.005%とする。好ましくは、0.003%以下である。なお、磨き性の向上にとっては、更に低く、例えば0.001%以下にまで規制管理することも望ましい条件ではあるが、Alの低減を狙う本発明においては既に低量管理のされたAlに加えて、O量そのものの低量管理までは特に厳しく求めない。よって、0.001%を超えることは十分に許容されるものでもある。
Nは、鋼中において窒化物を形成する元素である。窒化物は過多に形成されると、金型の靭性、被削性および磨き性を著しく劣化する。したがって、鋼中のNを低く規制することは好ましく、本発明では0.06%以下に規定する。望ましくは0.02%以下、更に望ましくは0.015%以下である。
本発明においては、上述の作用効果を損なわない範囲として、更なる靭性改善元素や被切削性改善元素の添加が可能である。例えば、靱性改善元素としては、
Nb:0.5%以下(好ましくは0.01%以上および/または0.1%以下)、
Ti:0.15%以下、
Zr:0.15%以下、
Ta:0.15%以下のうちの、いずれか1種以上を添加することができる。被削性改善元素としては、
Zr:0.2%以下(好ましくは0.003%以上)、
Ca:0.01%以下(好ましくは0.0005%以上)、
Pb:0.2%以下(好ましくは0.03%以上)、
Se:0.2%以下(好ましくは0.03%以上)、
Te:0.15%以下(好ましくは0.01%以上)、
Bi:0.2%以下(好ましくは0.01%以上)、
In:0.5%以下(好ましくは0.005%以上)、
Ce:0.1%以下(好ましくは0.01%以上)のうちの、いずれか1種以上を添加することができる。更には、Y、La、Nd、Smおよびその他のREM(希土類)元素を、全体で0.3%以下(好ましくは0.0005%以上)含有させることもできる。
そして、上記の成分組成を有する金型用鋼にとってこそ、本発明の特徴となるのは、それが有する材料因子(S添加量、調質硬さ、旧オーステナイト粒径、基地形態)の調整である。つまり、たとえ成分組成が最適に調整された金型用鋼であっても、以下の材料因子のバランスが適格でないと、本発明の十分な被切削性の向上効果、具体的には小径孔加工性の向上効果は期待し難い。
例えばドリル等によって金属材料を孔加工する際には、その工具寿命を向上させるポイントは、加工時に生成される切屑を加工孔に詰まらせずに、如何にしてスムーズに排出させるかにある。そして、この切屑の詰まりは、加工孔(ドリル径)が小さくなる程、顕著になる。そこで、この孔加工中に生成される切屑が自ずと細かく破砕・分断されれば、この切屑はスムーズに排出され、ドリルの寿命は格段に向上する。そして、切屑の分断性を高める方法としては、切削される金属材料の低靭性化が挙げられる。しかしながら、本発明においては、被切削材(つまり、金型用鋼)の靭性を低下させることは、その用途である金型製品としての性能低下、特には型寿命の低下に繋がるため、最善の手法とは言えない。
そこで、本発明者が検討したところ、切屑を細かく破砕する別の方法としては、その被切削材の組織が有する“破壊単位”の微細化が挙げられ、この微細化機構の利用こそが本発明の金型という用途にとっては最適な手法であることを知見した。つまり、金型作製にかかる一般的な孔加工条件においては、その生成過程にある切屑中に生じる歪速度は10の4乗から10の5乗にも達する。よって、左記の環境において切屑内部には破壊の起点となり得る箇所が多ければ、それが多いほど微細な亀裂が生じやすく、切屑の破砕性は高まる。本手法によれば、本発明の金型用鋼は、その靱性を犠牲にせずに(例えば室温での2mmUノッチシャルピー衝撃試験で50J/cm以上の衝撃値を確保でき)、優れた孔加工性を達成できる。以下、その手法について説明する。
まず、上記の破壊単位の微細化のためには、本発明鋼の基地形態を下部ベイナイト主体の組織に調整することが望まれる。これは、以下に述べる被切削性の向上に加えては、優れた靭性および硬さと、さらには研磨仕上性および耐摩耗性の兼備の上でも望ましい組織形態である。そして、この下部ベイナイト組織の場合、上記の破壊単位はベイナイトの下部組織である“パケット”や“ブロック”である。よって、本発明鋼の組織を下部ベイナイト主体に制御した上では、その下部組織のサイズを微細化することで、該鋼の被切削性はさらに向上する。
次に、本発明者は、焼入れ焼戻し後の組織において、上記のパケットおよびブロックのサイズ挙動を調査した。その結果、パケットおよびブロックのサイズは、それを包含する下部ベイナイト自体の面積率と、そして旧オーステナイトの粒径に対し、ほぼ比例の関係をもって変化することを突きとめた。つまり、金型用鋼の焼入れ時においては、その組織に占める下部ベイナイトの面積率は高く、そして旧オーステナイトの粒径は小さく(粒径番号であれば大きく)なるように制御すれば、それに伴って上記のパケットおよびブロックのサイズは微細に制御することができる。
よって、上記の比例関係に従っては、その相関係数(パケットおよびブロックのサイズに対する影響の度合い)を解明することで、所定の成分組成を有する金型用鋼に最適な下部ベイナイト面積率および/または旧オーステナイト粒径が明確になるから、その結果として、従来の被切削性をさらに向上させることができる。また、実際の焼入れ時においては、その下部ベイナイト面積率および/または旧オーステナイト粒径に何らかの制約が生じた場合でも、相互補完ができるから、優れた被切削性を再現性をもって得ることが可能となる。
しかしながら、金型用鋼の被切削性に影響を及ぼす因子は、破壊単位の制御にかかる上記の下部ベイナイト面積率と旧オーステナイト粒径だけではない。つまり、従来より知られる鋼のS含有量と、そして調質硬さである。そこで、本発明の成分組成を有する金型用鋼においては、その下部ベイナイト面積率と旧オーステナイト粒径に付される上記の相関係数に加えて、被切削性に対するS含有量および硬さの相関係数(影響の度合い)をも解明することで、金型用鋼の被切削性は総合的に調整することが可能となり、従来の被切削性をさらに向上した金型用鋼が完成される。
以上の知見をして達成された本発明の金型用鋼は、その総合的な被切削性を目的変数とし、金型用鋼のS添加量、調質硬さ、旧オーステナイト粒径、下部ベイナイト面積率を説明変数としたときの重回帰分析によって得られた、的確な係数による下記の関係式を満たすものである。下記式1による値を150以上とすることで、本発明の被切削性、特にはそのφ5mm以下にも及ぶ小径孔の加工性が向上する。好ましくは、該値が250以上である。
式1:−59.9×(硬さ)+12666.8×(S量)+7.58×(下部ベイナイ
トの面積率)+11.4×(旧オーステナイト平均結晶粒径)+1531.1
ここで、硬さ:ロックウェル硬さ(HRC)
S量:硫黄の含有量(質量%)
下部ベイナイトの面積率:断面組織中に占める下部ベイナイト量(面積%)
旧オーステナイト平均結晶粒径:ASTM−E112による粒度番号
さらに、上記の式1を満たすにおいては、それぞれの材料因子(硬さ、S量、下部ベイナイト面積率、旧オーステナイト粒径)には、特に孔加工性を向上させるための好ましい領域が存在する。つまり、硬さおよびS量については既述の通りである。そして、旧オーステナイト粒径については、上記による粒度番号をNo.1.0以上、好ましくは3.0以上の細粒とすることである。本効果を得るにおいて、この粒度番号には特段の上限は要しない。しかしながら、製造条件等から来る現実的な達成限度を鑑みれば、その上限はおおよそNo.9.0である。No.8.0以下が望ましい。
旧オーステナイト粒径を上記の粒度番号に制御するためには、焼入れ時の加熱温度を850〜1050℃とすることが好ましい。そして、好ましい下部ベイナイトの面積率は低くても75%である。好ましくは85%以上である。下部ベイナイトの面積率を上記に制御するためには、焼入れは、その冷却過程での450〜400℃の範囲を3℃/分以上の速い冷却速度とすることが好ましい。
すなわち、本発明の金型用鋼を達成するに好ましい製造方法は、質量%で、C:0.1〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.6〜1.5%、Cr:1.0%を超え2.5%以下、MoとWは単独または複合でMo+1/2W:1.0%以下、V:0.03〜0.15%、Cu:0.3〜2.0%、S:0.05%以下を含有し、Alは0.1%以下、Nは0.06%以下、Oは0.005%以下に規制され、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼を焼入れ焼戻しする金型用鋼の製造方法において、焼入れは、その冷却過程での450〜400℃の範囲を3℃/分以上、好ましくは6℃/分以上、更に好ましくは10℃/分以上の速い冷却速度とすることである。焼入れは、その加熱温度を850〜1050℃とすることが好ましい。さらに好ましくは900℃以上および/または1000℃以下である。また、金型用鋼が含有するCuは、質量%で、0.5〜2.0%であることが好ましい。
つまり、被切削性を左右する下部組織(パケット、ブロック)のサイズ、すなわち、それに通ずる下部ベイナイト面積率や旧オーステナイト粒径は、焼入れ時の加熱温度や冷却速度によって可変する。すなわち、本発明の成分組成を有する金型用鋼においては、その固有の焼入れ特性(等温変態線図)に従って、旧オーステナイト粒径の微細化に有効な焼入温度や、下部ベイナイトの生成(上部ベイナイトの生成回避)に有効な冷却速度を決定する必要がある。その結果、焼入温度は850〜1050℃のオーステナイト域とする一方では、上部ベイナイトノーズが位置する450〜400℃の範囲こそは速い冷却速度で通過することが重要である。
図1は、本発明鋼の組織断面の一例を示す顕微鏡写真と、その模式図である。図1の場合、その断面組織中に占める下部ベイナイトの面積率は96%であって(残部は上部ベイナイトである)、旧オーステナイト平均結晶粒径はASTM−E112による粒度番号でNo.4.5である。そして、その中には、破壊単位となる微細な下部組織が確認できる(本写真では、パケットとブロックを確認しやすいよう400倍に拡大してある)。この通りの、下部ベイナイト組織中の破壊単位の微細化は、被切削性の向上に寄与する以外には、本発明の金型製品として使用する環境下においては、その靭性を高める方向にも働くため、製品寿命も向上する。
最初に、アーク溶解炉にて所定の成分組成に調整した鋼を溶解し、32種の5〜10tの鋼塊でなる供試鋼を鋳造した。各種供試鋼の成分組成は表1に示す(但し、S量については、鋼塊の部位によって若干のバラツキが生じるので、下記のドリル加工試験後の試料から分析用の試験片を1g採取して、それを分析した)。表1の供試鋼は、いずれも本発明の成分範囲内にある特許文献1の金型用鋼であって、本発明の各種材料因子の調整による被切削性の向上効果を評価するには最適な試料である。
次に、これらの供試鋼を鍛伸して、各々の断面積が140〜7000cmの角材とした後、それらに焼入れ焼戻しを施して、試料No.1〜32を作製し、下記の評価に供した。焼入れについては、その加熱・保持温度は850〜1050℃のオーステナイト領域から選択した。そして、冷却過程における450〜400℃の範囲の冷却速度は、その試料の断面積によって様々であるが、全て1℃/分以上に制御した(試料No.1〜26については3〜12℃/分とした)。焼戻しについては、硬さを37〜41HRCに調整するために、520℃から590℃の適正温度で4〜8時間加熱後、空冷した。なお、この焼入れ焼戻し後の各試料No.1〜32については、その全ての2mmUノッチシャルピー衝撃値は室温で50〜80J/cmの範囲であり、十分な靭性を維持していたことを確認済みである。
そして、調質後の各試料に対しては、下記のドリル加工試験を実施することで、それらの被切削性を評価した。すなわち、切削速度:20m/min、送り速度:31.83mm/min、加工孔深さ:10mmの条件にて、高速度鋼製のφ1mmドリルによる穿孔加工を実施した。そして、ドリルが折損するまでの孔数を工具寿命として定義し、その値を計測した。
その後、ドリル加工試験を行った試料の、そのドリル入射面の硬さ測定とミクロ組織観察、そして旧オーステナイト平均結晶粒径の測定を行った。ミクロ組織観察は、ドリル入射面を1μm砥粒のバフ研磨により鏡面に仕上げた後、10%硝酸、90%エチルアルコールの混合溶液で腐食した各試料面を、倍率100倍の光学顕微鏡にて観察し、撮影することで、該面に占める下部ベイナイトの面積率を測定した。旧オーステナイト平均結晶粒径は、上記のミクロ組織を撮影した写真を用い、それをASTM−E112に規定される方法で測定した値を採用した。上記の結果を、その調質硬さ、S含有量および、これらの値より算出される本発明の式1の値と共に、表2に示す。
本発明(特許文献1)の成分組成を満たす試料No.1〜32の中にあっても、更には本発明による式1の値が150以上を満足している試料No.1〜26は、被切削性(孔加工性)が向上している。そして、同式1の値が250以上の試料No.1〜6については、その材料因子のバランスが非常に優れているため、孔加工性が特に優れる結果となっている。なお、試料No.1〜26のうち、組織が下部ベイナイト以外を含むものについては、その残部組織は上部ベイナイトである。
これに対して、試料No.27〜32の比較例は、その個々の材料因子こそは本発明の好ましい値を満たしているが、それらのバランス制御が不十分であるため(式1の値が低いため)、本発明に比べてはドリル寿命までの孔数が少ない。なお、試料No.27〜32の残部組織は上部ベイナイトである。
図2は、表2の式1の値に対するドリル寿命(孔数)の結果を整理したものである。図2の通り、本発明の成分組成を満たした上では、さらに式1の値の上昇に伴ってドリル寿命が向上している。よって、式1の値が高くなるよう、該鋼の材料因子を調整すれば、その被切削性、特に小径の孔加工性を飛躍的に向上させることができる。
本実施例では、実施例1で評価したドリル寿命に及ぼす焼入れ時の冷却速度の影響を評価した。最初に、アーク溶解炉にて所定の成分組成に調整した鋼を溶解し、5tの鋼塊でなる供試鋼を鋳造した。供試鋼の成分組成は表3に示す通りであって、これは本発明(特許文献1)を満たすものである。
次に、供試鋼を鍛伸して、断面積が1200cmの角材とした後、この角材のお互いが隣接する部位から30mm×50mm×90mmの試料を5つ切り出した。そして、これらに下記の焼入れ焼戻しを施して、ドリル加工試験用の試料No.33〜37を作製した。焼入れについては、その加熱・保持温度は950℃のオーステナイト領域とした。そして、冷却時における450〜400℃の範囲の冷却速度は、1〜60℃/分の範囲で調整した。試料の温度は、その中心近傍に取り付けた熱電対によって、試料の中心温度を測定した。焼戻しは、硬さを37〜41HRCに調整するために、520℃から590℃の適正温度で2時間加熱後、空冷した。そして、焼入れ焼戻し後の各試料の靭性は、室温での2mmUノッチシャルピー衝撃値にて50J/cm以上であった。
ドリル加工試験の要領は、φ1mmドリルによる実施例1の通りである。そして、実施例1に同様、ドリル加工試験を行った試料の硬さ測定、ミクロ組織観察、そして旧オーステナイト平均結晶粒径の測定を行った。これらの結果を、その調質硬さ、S含有量、これらの値より算出される本発明の式1の値、そして焼入れ時の450〜400℃の範囲の冷却速度と共に、表4に示す。
本発明(特許文献1)の成分組成を満たす試料No.33〜37にあっては、その焼入れ時の450〜400℃の範囲の冷却速度が大きくなるにつれて、下部ベイナイトの面積率が高くなっている。そして、上記の冷却速度が3℃/分以上である試料No.33〜36は、式1の値が150以上を満足しており、被切削性(孔加工性)が向上している。なお、試料No.34〜37の残部組織は上部ベイナイトである。
本発明鋼は、従来のプラスチック成形用プリハードン鋼にはない優れた被切削性を有する。そして、製品への加工における工数の低減、さらには加工に伴う熱応力によっても割れが発生し難いことから、精密加工を求められる製品に適したものとなる。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.1〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.6〜1.5%、Cr:1.0%を超え2.5%以下、MoとWは単独または複合でMo+1/2W:1.0%以下、V:0.03〜0.15%、Cu:0.3〜2.0%、S:0.05%以下を含有し、Alは0.1%以下、Nは0.06%以下、Oは0.005%以下に規制され、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼において、下記の式1による値が150以上であり、硬さが34〜45HRCであることを特徴とする孔加工性に優れた金型用鋼。
    式1:−59.9×(硬さ)+12666.8×(S量)+7.58×(下部ベイナイ
    トの面積率)+11.4×(旧オーステナイト平均結晶粒径)+1531.1
    ここで、硬さ:ロックウェル硬さ(HRC)
    S量:硫黄の含有量(質量%)
    下部ベイナイトの面積率:断面組織中に占める下部ベイナイト量(面積%)
    旧オーステナイト平均結晶粒径:ASTM−E112による粒度番号
  2. 質量%で、Cu:0.5〜2.0%であることを特徴とする請求項1に記載の孔加工性に優れた金型用鋼。
  3. 上記の式1による値が250以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の孔加工性に優れた金型用鋼。
  4. 上記の旧オーステナイト平均結晶粒径が粒度番号1.0以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の孔加工性に優れた金型用鋼。
  5. 上記の下部ベイナイトの面積率が75面積%以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の孔加工性に優れた金型用鋼。
  6. 質量%で、C:0.1〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.6〜1.5%、Cr:1.0%を超え2.5%以下、MoとWは単独または複合でMo+1/2W:1.0%以下、V:0.03〜0.15%、Cu:0.3〜2.0%、S:0.05%以下を含有し、Alは0.1%以下、Nは0.06%以下、Oは0.005%以下に規制され、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼を焼入れ焼戻しする金型用鋼の製造方法において、前記焼入れ焼戻し後の金型用鋼は、下記の式1による値が150以上であり、硬さが34〜45HRCであって、前記焼入れは、その冷却過程での450〜400℃の範囲を3℃/分以上とすることを特徴とする孔加工性に優れた金型用鋼の製造方法。
    式1:−59.9×(硬さ)+12666.8×(S量)+7.58×(下部ベイナイ
    トの面積率)+11.4×(旧オーステナイト平均結晶粒径)+1531.1
    ここで、硬さ:ロックウェル硬さ(HRC)
    S量:硫黄の含有量(質量%)
    下部ベイナイトの面積率:断面組織中に占める下部ベイナイト量(面積%)
    旧オーステナイト平均結晶粒径:ASTM−E112による粒度番号
  7. 前記焼入れは、その加熱温度を850〜1050℃とすることを特徴とする請求項に記載の孔加工性に優れた金型用鋼の製造方法。
  8. 質量%で、Cu:0.5〜2.0%であることを特徴とする請求項またはに記載の孔加工性に優れた金型用鋼の製造方法。
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