JP3877748B1 - 生体認証装置 - Google Patents

生体認証装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3877748B1
JP3877748B1 JP2005313758A JP2005313758A JP3877748B1 JP 3877748 B1 JP3877748 B1 JP 3877748B1 JP 2005313758 A JP2005313758 A JP 2005313758A JP 2005313758 A JP2005313758 A JP 2005313758A JP 3877748 B1 JP3877748 B1 JP 3877748B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
image
conversion coefficient
authentication
optical system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005313758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007117413A (ja
Inventor
将行 佐東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2005313758A priority Critical patent/JP3877748B1/ja
Priority to US11/994,238 priority patent/US20090304237A1/en
Priority to PCT/JP2006/312899 priority patent/WO2007001025A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3877748B1 publication Critical patent/JP3877748B1/ja
Publication of JP2007117413A publication Critical patent/JP2007117413A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】簡単な構成で、複数の生体情報を容易に焦点を合わせることが可能で鮮明に撮像でき、虹彩認証、指紋認証、静脈認証等の複数の認証を同時に行うことができ、しかも高精度な認証を実現でき、誤認証率を低減することができる。
【解決手段】被認証者の指である被検体OBJ1を図中下向き(指紋にある面を下向き)にして置くためのたとえばガラスやプラスチックにより形成される透明板1101や照明装置を有し、指紋および静脈情報を取得するための第1情報取得部110、被認証者の眼である被検体OBJ2から虹彩情報を取得するための第2情報取得部120、情報光用光路形成部130、および撮像装置140を、主構成要素として有し、撮像装置140は、光波面変調素子を有する被写界深度拡張光学系および画像処理部を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体認証装置に関し、特に、指紋認証、静脈認証、さらには虹彩認証等を可能な生体認証装置に関するものである。
従来より、個人を認証する方法として物理的な鍵やパスワードを用いる方法が知られているが、昨今、ピッキングやスキミングといった方法でその安全性が問題視されている。そのため、近年、生体認証による個人を特定する方法の採用が急激に増大している。
生体認証が増大している理由は、指紋や静脈は生涯不変とされ、個人を認証するには適しており、また、鍵やパスワードと違い紛失や盗難、忘れたりするといったことの心配もないからである。
指紋を用いての認証方法としては、たとえば特許文献1に開示された方法など、多くの方法が提案されている。
指紋のコピーやレプリカに対応する方法として、指紋の認証を行う際にその検体が生体であるか判断する方法が特許文献2等に開示されている。
また、静脈等の血管パターンを用いて認証を行う方法を採用した装置として、たとえば曲率をもった取っ手状のデータ取得部を握らせることにより、複数の指の画像データを再現性よく取得できるようにした個人認証装置、あるいは、指を挿入するケースと、光源と、干渉フィルタ部と、干渉フィルタ部を透過した透過光を撮像する撮像部と、撮像データ用画像処理装置を備えた個人認証装置が提案されている。
さらに、指紋と静脈パターンの2つもしくは3つ以上の情報を用いて認証する個人認証装置、静脈パターンと指紋の認識部、オペレータ認識部等を備え、静脈パターンおよび指紋をIDとして要求可能な画像形成装置、指紋照合に加えて指先の血管パターンの照合を行って本人確認の精度を向上させる個人識別システム、あるいは、より少ないデータ量で迅速かつ高精度な個人識別を実現した個人識別装置等が提案されている。
これらの各種装置における認証、識別のために、デジタルカメラ等の撮像装置のデジタル画像データが用いられる。
近年急峻に発展を遂げている情報のデジタル化に相俟って映像分野においてもその対応が著しい。
特に、デジタルカメラに象徴されるように撮像面は従来のフィルムに変わって固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されているのが大半である。
このように、撮像素子にCCDやCMOSセンサを使った撮像レンズ装置は、被写体の映像を光学系により光学的に取り込んで、撮像素子により電気信号として抽出するものであり、デジタルスチルカメラの他、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal DigitalAssistant)等に用いられている。
図28は、一般的な撮像レンズ装置の構成および光束状態を模式的に示す図である。
この撮像レンズ装置1は、光学系2とCCDやCMOSセンサ等の撮像素子3とを有する。
光学系は、物体側レンズ21,22、絞り23、および結像レンズ24を物体側(OBJS)から撮像素子3側に向かって順に配置されている。
撮像レンズ装置1においては、図28に示すように、ベストフォーカス面を撮像素子面上に合致させている。
図29(A)〜(C)は、撮像レンズ装置1の撮像素子3の受光面でのスポット像を示している。
また、位相板(Wavefront Coding optical element)により光束を規則的に分散し、デジタル処理により復元させ被写界深度の深い画像撮影を可能にする等の撮像装置が提案されている(たとえば非特許文献1,2、特許文献3〜7参照)。
特開昭54−85600号公報 特開平7−308308号公報 "Wavefront Coding;jointly optimized optical and digital imaging systems",Edward R.Dowski,Jr.,Robert H.Cormack,Scott D.Sarama. "Wavefront Coding;A modern method of achieving high performance and/or low cost imaging systems",Edward R.Dowski,Jr.,Gregory E.Johnson. USP6,021,005 USP6,642,504 USP6,525,302 USP6,069,738 特開2003−235794号公報
ところで、前記特許文献1に記載された指紋認証においては、指紋のコピー(複製)やコピーした指紋を生成した指のレプリカを用いることで第3者に容易に認証されてしまうという不利益があり、また、反面、指紋の汚れや傷があると認証され難いという不利益もある。
また、静脈等の血管パターンも用いて認証を行う場合、指紋と異なり偽造されにくいが、検体の温度が変化した場合や大きな怪我などでは認証されないといった不利益がある。
この対応の一例として、上述したように、指紋と静脈パターンの2つもしくは3つ以上の情報を用いる認証方法が提案されているが、指紋と静脈等の血管パターンは同一面にないため、一つの撮像系を用いた場合には焦点移動が必要になるが、その詳細については何ら提案されていない。したがって、従来装置においては、いずれかの画像は焦点があっていないものとなり、精度の高い認証を実現することは困難である。
また、近年、重要機密情報の漏洩が頻発しておりデータの管理の重要性が高まってきている。そこで、複数の認証を行うことで認証精度を高めることが考えられるが、認証毎に装置を設置するのはコスト面や設置場所、保守といった面で問題が生じる。
また、他の問題として、指紋と静脈等の血管パターンは同一面に無いため、ひとつの撮像系を用いた場合には焦点移動が必要になるが、現在提案されている認証装置においては、どちらかの画像は焦点の合っていないものとなる。
焦点を移動させることで焦点を合わせることは可能ではあるが、装置の大型化やコストアップ、さらには耐久性といった問題が生じてくることになる。
さらには、誰が触ったか分からないことから直接触ることを敬遠する人も多く、認証装置に触れずに認証を行うことも望まれているが、被写体の位置を特定の位置に固定できなくなり前述と同様に焦点問題が生じる。また、距離による撮影された被写体の大きさが異なることから認証精度への影響も考えられる。
また、上述した各文献にて提案された撮像装置においては、その全ては通常光学系に上述の位相板を挿入した場合のPSF(Point−Spread−Function)が一定になっていることが前提であり、PSFが変化した場合は、その後のカーネルを用いたコンボリューションにより、被写界深度の深い画像を実現することは極めて難しい。
したがって、単焦点でのレンズであっても、その物体距離によってそのスポット像が変化する通常の光学系では、一定の(変化しない)PSFは実現できず、それを解決するには、レンズの光学設計の精度の高さやそれに伴うコストアップが原因となり採用するには大きな課題を抱えている。
本発明の目的は、簡単な構成で、複数の生体情報を容易に焦点を合わせることが可能で鮮明に撮像でき、虹彩認証、指紋認証、静脈認証等の複数の認証を一つの装置で行うことができ、しかも高精度な認証を実現でき、誤認証率を低減することが可能な生体認証装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の観点は、異なる複数箇所の認証を行う生体認証装置であって、光学系および光波面変調素子と、前記光学系および光波面変調素子を通過した被写体分散像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子からの分散画像信号より分散のない画像信号を生成する変換手段と、を備えている。
好適には、所定の光路を導波された異なる複数箇所の認証用の複数の情報光を前記撮像素子に導入可能な情報導入部を有する。
好適には、前記情報導入部に、前記光波面変調素子が形成されている。
好適には、認証結果の優先順位を状況に応じて切り換え可能である。
好適には、前記撮像装置は、被写体までの距離に相当する情報を生成する被写体距離情報生成手段と、を備え、前記変換手段は、前記被写体距離情報生成手段により生成される情報に基づいて前記分散画像信号より分散のない画像信号を生成する。
好適には、前記撮像装置は、被写体距離に応じて少なくとも前記光波面変調素子に起因する分散に対応した変換係数を少なくとも2以上予め記憶する変換係数記憶手段と、前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき、前記変換係数記憶手段から被写体までの距離に応じた変換係数を選択する係数選択手段と、を備え、前記変換手段は、前記係数選択手段で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
好適には、前記撮像装置は、前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき変換係数を演算する変換係数演算手段、を備え、前記変換手段は、前記変換係数演算手段から得られた変換係数によって、画像信号の変換を行う。
好適には、前記撮像装置は、前記光学系はズーム光学系を含み、前記ズーム光学系のズーム位置またはズーム量に応じた少なくとも1以上の補正値を予め記憶する補正値記憶手段と、少なくとも前記光波面変調素子に起因する分散に対応した変換係数を予め記憶する第2変換係数記憶手段と、前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき、前記補正値記憶手段から被写体までの距離に応じた補正値を選択する補正値選択手段と、を備え、前記変換手段は、前記第2変換係数記憶手段から得られた変換係数と、前記補正値選択手段から選択された前記補正値とによって、画像信号の変換を行う。
好適には、前記補正値記憶手段で記憶する補正値が前記被写体分散像のカーネルサイズを含む。
好適には、前記撮像装置は、被写体までの距離に相当する情報を生成する被写体距離情報生成手段と、前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき変換係数を演算する変換係数演算手段と、を備え、前記変換手段は、前記変換係数演算手段から得られた変換係数によって、画像信号の変換を行い分散のない画像信号を生成する。
好適には、前記変換係数演算手段は、前記被写体分散像のカーネルサイズを変数として含む。
好適には、記憶手段を有し、前記変換係数演算手段は、求めた変換係数を前記記憶手段に格納し、前記変換手段は、前記記憶手段に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行い分散のない画像信号を生成する。
好適には、前記変換手段は、前記変換係数に基づいてコンボリューション演算を行う。
本発明によれば、簡単な構成で、複数の生体情報を容易に焦点を合わせることが可能で鮮明に撮像でき、虹彩認証、指紋認証、静脈認証等の複数の認証を同時に行うことができ、しかも高精度な認証を実現でき、誤認証率を低減することができる。
また、物体距離やデフォーカス範囲を気にすることなく、レンズ設計を行うことができ、かつ精度の良いコンボリューション等の演算による画像復元が可能となる利点がある。
また、本発明によれば、光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体認証装置の構成例を模式的に示す図である。
図1の生体認証装置100は、指紋認証動作、および/または静脈認証動作、と虹彩認証動作の異なる複数箇所の認証が可能な装置として構成されている。
本生体認証装置100は、図1に示すように、被認証者の指である被検体OBJ1を図中下向き(指紋にある面を下向き)にして置くためのたとえばガラスやプラスチックにより形成される透明板1101や照明装置を有し、指紋および/または静脈情報を取得するための第1情報取得部110、被認証者の眼である被検体OBJ2から虹彩情報を取得するための第2情報取得部120、情報光用光路形成部130、および撮像装置140を、主構成要素として有している。
本生体認証装置100を使用する場合、被認証者は被検体OBJ1である指を図中下向き(指紋にある面を下向き)にして第1情報取得部110の透明板1101に置き、被検体OBJ2である眼を第2情報取得部120から情報光用光路形成部130側(図1においては図中右側)を見るように(覗き込む)ようにする。
このように、図1の生体認証装置100は、指紋認証動作、および/または静脈認証動作、と虹彩認証動作の異なる複数箇所の認証が可能な装置として構成されている。
また、図2は図1の生体認証装置における指紋認証動作を模式的に示す図であり、図3は図1の生体認証装置における静脈認証動作を模式的に示す図である。
生体認証装置100においては、図2に示すように、被検体OBJ1の表面(手の指紋のある面)側に撮像装置140を配置し、同じ側に指紋撮影を補助する目的で照明装置1102が配置されている。
また、図3に示すように、被検体OBJの裏面(指の爪のある面)側には静脈撮影を補助する目的で照明装置1103が配置されている。
照明装置としては、ここでは詳細に言及しないが、指紋撮影用照明装置1102には可視光やより指紋を浮き立たせるのに適した波長の光源とし、静脈撮影用照明装置1103には皮膚を透過しながらも血管を浮き立たせるのに適した光源、たとえば赤外線を用いることが望ましい。
なお、図示しないが虹彩情報を取得するための第2情報取得部120にも、所定の照明光源が配置される構成もとることができる。
情報光用光路形成部130は、指紋または静脈情報を含む第1情報光OP1、および虹彩情報を含む第2情報光OP2を撮像装置140に入射させる情報導入部としてのプリズム1301、および虹彩情報を含む第2情報光OP2のプリズム1301への導光路を形成する反射板(反射ミラー)1302,1303を有する。
情報導入部としてのプリズム1301は、その透過/反射面1301aが第1情報取得部110と撮像装置140との間の第1情報光OP1の光路途中に配置されている。
本実施形態においては、プリズム1301は、第1情報取得部110にて取得した指紋または静脈情報を含む第1情報光OP1を透過/反射面1301でそのまま透過して撮像装置140に入射させ(導入する)。
また、プリズム1301は、反射板1303に反射された虹彩情報を含む第2情報光を透過/反射面1301aで反射し撮像装置140に入射させ(導入する)。
反射板1302は、第2情報取得部120により、図中右側(図1中の設定した直交座標系のX方向)に発せられた虹彩情報を含む第2情報光OP2を反射して、第2情報光OP2の光路を略90度変更し図中下方向(Y方向)に出射する。
反射板1303は、反射板1302で反射された虹彩情報を含む第2情報光OP2を反射して、第2情報光OP2の光路を略90度変更し図中左方向(X方向)し、プリズム1301の透過/反射面1301aに入射させる。
なお、本実施形態では、略90度をもって2度光路を変更する場合について説明したがこれに限るものではない。
撮像装置140は、後で詳述するように、光波面変調素子を有する被写界深度拡張光学系と画像処理部を有し、復元された画像を出力できるように構成されている。
撮像装置140には、画像データを一時的に保管する格納部、画像データを比較照合するためのデータ変換部、他に登録されているデータの保管部および比較照合を行う処理部、さらには比較照合の結果に応じて指示を出す指示部を含んで構成される。
なお、ここでは、装置が単独で示されている場合を例に説明をしているが、専用回線やインタネット等を利用してのネットワーク対応の構成も可能である。その場合は、登録データがネットワークのホストとなるサーバ等を有するシステム構成となる。
本実施形態のように、光波面変調素子を有する被写界深度拡張光学系および画像処理部を備えた撮像装置140を採用することにより、以下の特徴を持つことが可能である。
通常の光学系では、被写界深度を得るには絞りを小さくする、すなわち暗くすることが必要になる。
これに対して、後で詳述する本実施形態の「深度拡張光学系」においては、絞りを小さくする必要もなくなることから、通常の光学系と比べると必要光量が少なくてすむことになる。したがって、照明装置の光量を減らすことができる。
これはすなわち、照明装置のコストダウン、消費電力の軽減が可能になり、その結果、照明装置の耐久性向上を図ることができる。
一方、被検体を置く位置としては定点ではなくても、焦点の合った画像を得ることができることから、ある程度の範囲は決める必要はあるものの、装置に触れることなく認証が可能となる。
また、本実施形態の生体認証装置100においては、複数の認証結果の優先順位を状況に応じて切り換え可能である。
認証照合の優先順位の切り換え方法として、たとえば撮影されたデータと登録されたデータを照合し、その照合結果を基に優先順位を切り換える方法を採用することが可能である。また、別の方法として、使用者(被験者)が認証を行う際に選択する方法も採用可能である。
本実施形態においては、たとえば指紋が怪我や汚れ等で認証精度が落ちるようなケースでは静脈認証を優先する。
逆に、被検体の温度が大きく変化している状態、たとえば冷えている状態で血流が悪くなっている場合や大きな怪我等で認証精度が落ちるような場合では、指紋認証を優先させる、といった方法を採用することが可能である。
なおここで、優先順位を切り換えるとは、各認証にあらかじめ重みを調整するようなことであって、一つの認証結果だけを採用するといったこととは異なる。
これにより、一つの認証より認証率を向上させることが可能で、複数の認証による認証率を低下させることなく精度の高い認証が可能となる。
以下に、光波面変調素子を有する被写界深度拡張光学系および画像処理部を備えた撮像装置140について詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係る撮像装置を示すブロック構成図である。
本実施形態に係る撮像装置140は、ズーム光学系を有する撮像レンズ装置200と、画像処理装置300と、物体概略距離情報検出装置400と、を主構成要素として有している。なお、本実施形態においては、被検体OBJの位置が略定位置にあることから、物体概略距離情報検出装置400は、必ずしも設ける必要はない。
撮像レンズ装置200は、撮像対象物体(被写体)OBJの映像を光学的に取り込むズーム光学系210と、ズーム光学系210で取り込んだ像が結像され、結像1次画像情報を電気信号の1次画像信号FIMとして画像処理装置300に出力するCCDやCMOSセンサからなる撮像素子220とを有する。図4においては、撮像素子220を一例としてCCDとして記載している。
図5は、本実施形態に係るズーム光学系210の構成例を模式的に示す図である。
図5のズーム光学系210は、物体側OBJSに配置された物体側レンズ211と、撮像素子220に結像させるための結像レンズ212と、物体側レンズ211と結像レンズ212間に配置され、結像レンズ212による撮像素子220の受光面への結像の波面を変形させる、たとえば3次元的曲面を有する位相板(Cubic Phase Plate)からなる光波面変調素子(波面形成用光学素子:Wavefront Coding Optical Element)群213を有する。また、物体側レンズ211と結像レンズ212間には図示しない絞りが配置される。
なお、本実施形態においては、位相板を用いた場合について説明したが、本発明の光波面変調素子としては、波面を変形させるものであればどのようなものでもよく、厚みが変化する光学素子(たとえば、上述の3次の位相板)、屈折率が変化する光学素子(たとえば屈折率分布型波面変調レンズ)、レンズ表面へのコーディングにより厚み、屈折率が変化する光学素子(たとえば、波面変調ハイブリッドレンズ)、光の位相分布を変調可能な液晶素子(たとえば、液晶空間位相変調素子)等の光波面変調素子であればよい。
図5のズーム光学系210は、デジタルカメラに用いられる3倍ズームに光学位相板213aを挿入した例である。
図で示された位相板213aは、光学系により収束される光束を規則正しく分光する光学レンズである。この位相板を挿入することにより、撮像素子220上ではピントのどこにも合わない画像を実現する。
換言すれば、位相板213aによって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)を形成している。
この規則的に分光した画像をデジタル処理により、ピントの合った画像に復元する手段を波面収差制御光学系システム(WFCO:Wavefront Coding Optical system)といい、この処理を画像処理装置300において行う。
図6は、位相板を含まないズーム光学系210の無限側のスポット像を示す図である。図7は、位相板を含まないズーム光学系210の至近側のスポット像を示す図である。図8は、位相板を含むズーム光学系210の無限側のスポット像を示す図である。図9は、位相板を含むズーム光学系210の至近側のスポット像を示す図である。
基本的に、位相板を含まない光学レンズ系を通った光のスポット像は図6および図7に示されるように、その物体距離が至近側にある場合と無限側にある場合では、異なったスポット像を示す。
このように、物体距離で異なるスポット像を持つ光学系においては、後で説明するH関数が異なる。
当然、図8および図9に示すように、このスポット像に影響される位相板を通したスポット像もその物体距離が至近側と無限側では異なったスポット像となる。
このような、物体位置で異なるスポット像を持つ光学系においては、従来の装置では適正なコンボリューション演算を行うことができず、このスポット像のズレを引き起こす非点、コマ収差、球面収差等の各収差を無くす光学設計が要求される。しかしながら、これらの収差を無くす光学設計は光学設計の難易度を増し、設計工数の増大、コスト増大、レンズの大型化の問題を引き起こす。
そこで、本実施形態においては、図4に示すように、撮像装置(カメラ)140が撮影状態に入った時点で、その被写体の物体距離の概略距離を物体概略距離情報検出装置400から読み出し、画像処理装置300に供給する。
画像処理装置300は、物体概略距離情報検出装置400から読み出した被写体の物体距離の概略距離情報に基づいて撮像素子220からの分散画像信号より分散のない画像信号を生成する。
物体概略距離情報検出装置400は、外部アクティブのようなAFセンサでも構わない。
なお、本実施形態において、分散とは、上述したように、位相板213aを挿入することにより、撮像素子220上ではピントのどこにも合わない画像を形成し、位相板213aによって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)を形成する現象をいい、像が分散してボケ部分を形成する振る舞いから収差と同様の意味合いが含まれる。したがって、本実施形態においては、収差として説明する場合もある。
図10は、撮像素子220からの分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理装置300の構成例を示すブロック図である。
画像処理装置300は、図10に示すように、コンボリューション装置301、カーネル・数値演算係数格納レジスタ302、および画像処理演算プロセッサ303を有する。
この画像処理装置300においては、物体概略距離情報検出装置400から読み出した被写体の物体距離の概略距離に関する情報を得た画像処理演算プロセッサ303では、その物体距離位置に対して適正な演算で用いる、カーネルサイズやその演算係数をカーネル、数値算係数格納レジスタ302に格納し、その値を用いて演算するコンボリューション装置301にて適正な演算を行い、画像を復元する。
ここで、WFCOの基本原理について説明する。
図11に示すように、被写体の画像fがWFCO光学系Hに入ることにより、g画像が生成される。
これは、次のような式で表すことができる。
(数1)
g=H*f
ここで、*はコンボリューションを表す。
生成された、画像から被写体を求めるためには、次の処理を要する。
(数2)
f=H-1*g
ここで、関数Hに関するカーネルサイズと演算係数について説明する。
個々の物体概略距離をAFPn、AFPn−1、・・・とし、個々のズームポジション(ズーム位置)をZpn、Zpn−1・・・とする。
そのH関数をHn、Hn−1、・・・・とする。
各々のスポットが異なるため、各々のH関数は、次のようになる。
Figure 0003877748

この行列の行数および/または列数の数の違いをカーネサイズ、各々の数字を演算係数とする。
上述のように、光波面変調素子としての位相板(Wavefront Coding optical element)を備えた撮像装置の場合、所定の焦点距離範囲内であればその範囲内に関し画像処理によって適正な収差のない画像信号を生成できるが、所定の焦点距離範囲外の場合には、画像処理の補正に限度があるため、前記範囲外の被写体のみ収差のある画像信号となってしまう。
また一方、所定の狭い範囲内に収差が生じない画像処理を施すことにより、所定の狭い範囲外の画像にぼけ味を出すことも可能になる。
本実施形態においては、主被写体までの距離を、距離検出センサを含む物体概略距離情報検出装置400により検出し、検出した距離に応じて異なる画像補正の処理を行うことにように構成されている。
前記の画像処理はコンボリューション演算により行うが、これを実現するには、たとえばコンボリューション演算の演算係数を共通で1種類記憶しておき、焦点距離に応じて補正係数を予め記憶しておき、この補正係数を用いて演算係数を補正し、補正した演算係数で適性なコンボリューション演算を行う構成をとることができる。
この構成の他にも、以下の構成を採用することが可能である。
焦点距離に応じて、カーネルサイズやコンボリューションの演算係数自体を予め記憶しておき、これら記憶したカーネルサイズや演算係数でコンボリューション演算を行う構成、焦点距離に応じた演算係数を関数として予め記憶しておき、焦点距離によりこの関数より演算係数を求め、計算した演算係数でコンボリューション演算を行う構成等、を採用することが可能である。
図10の構成に対応付けると次のような構成をとることができる。
変換係数記憶手段としてのレジスタ302に被写体距離に応じて少なくとも位相板213aに起因する収差に対応した変換係数を少なくとも2以上予め記憶する。画像処理演算プロセッサ303が、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置400により生成された情報に基づき、レジスタ302から被写体までの距離に応じた変換係数を選択する係数選択手段として機能する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、係数選択手段としての画像処理演算プロセッサ303で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
または、前述したように、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ303が、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置400により生成された情報に基づき変換係数を演算し、レジスタ302に格納する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ303で得られレジスタ302に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
または、補正値記憶手段としてのレジスタ302にズーム光学系210のズーム位置またはズーム量に応じた少なくとも1以上の補正値を予め記憶する。この補正値には、被写体収差像のカーネルサイズ含まれる。
第2変換係数記憶手段としても機能するレジスタ302に、位相板213aに起因する収差に対応した変換係数を予め記憶する。
そして、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置400により生成された距離情報に基づき、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ303が、補正値記憶手段としてのレジスタ302から被写体までの距離に応じた補正値を選択する。
変換手段としてのコンボリューション装置301が、第2変換係数記憶手段としてのレジスタ302から得られた変換係数と、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ303により選択された補正値とに基づいて画像信号の変換を行う。
次に、画像処理演算プロセッサ303が変換係数演算手段として機能する場合の具体的な処理について、図12のフローチャートに関連付けて説明する。
物体概略距離情報検出装置400において、物体概略距離(AFP)が検出され、検出情報が画像処理演算プロセッサ303に供給される(ST1)。
画像処理演算プロセッサ303においては、物体概略距離AFPがnであるか否かの判定を行う(ST2)。
ステップST1において、物体概略距離AFPがnであると判定すると、AFP=nのカーネルサイズ、演算係数を求めてレジスタに格納する(ST3)。
ステップST2において、物体概略距離AFPがnでないと判定すると、物体概略距離AFPがn−1であるか否かの判定を行う(ST4)。
ステップST4において、物体概略距離AFPがn−1であると判定すると、AFP=n−1のカーネルサイズ、演算係数を求めてレジスタに格納する(ST5)。
以下、性能的に分割しなければならない物体概略距離AFPの数だけステップST2ST4の判断処理を行い、カーネルサイズ、演算係数をレジスタ格納する。
画像処理演算プロセッサ303においては、カーネル、数値演算係数格納レジスタ302に設定値が転送される(ST6)。
そして、撮像レンズ装置200で撮像され、コンボリューション装置301に入力された画像データに対して、レジスタ302に格納されたデータに基づいてコンボリューション演算が行われ、演算され変換されたデータS302が画像処理演算プロセッサ303に転送される(ST7)。
本実施形態においては、WFCOを採用し、高精細な画質を得ることが可能で、しかも、光学系を簡単化でき、コスト低減を図ることが可能となっている。
以下、この特徴について説明する。
図13(A)〜(C)は、撮像レンズ装置200の撮像素子220の受光面でのスポット像を示している。
図13(A)は焦点が0.2mmずれた場合(Defocus=0.2mm)、図13(B)が合焦点の場合(Best focus)、図13(C)が焦点が−0.2mmずれた場合(Defocus=−0.2mm)の場合の各スポット像を示している。
図13(A)〜(C)からもわかるように、本実施形態に係る撮像レンズ装置200においては、位相板213aを含む波面形成用光学素子213によって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)が形成される。
このように、本実施形態の撮像レンズ装置200において形成された1次画像FIMは、深度が非常に深い光束条件にしている。
図14(A),(B)は、本実施形態に係る撮像レンズ装置により形成される1次画像の変調伝達関数(MTF:Modulation Transfer Function)について説明するための図であって、図14(A)は撮像レンズ装置の撮像素子の受光面でのスポット像を示す図で、図14(B)が空間周波数に対するMTF特性を示している。
本実施形態においては、高精細な最終画像は後段の、たとえばデジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)からなる画像処理装置300の補正処理に任せるため、図14(A),(B)に示すように、1次画像のMTFは本質的に低い値になっている。
画像処理装置300は、たとえばDSPにより構成され、上述したように、撮像レンズ装置200による1次画像FIMを受けて、1次画像の空間周波数におけるMTFをいわゆる持ち上げる所定の補正処理等を施して高精細な最終画像FNLIMを形成する。
画像処理装置300のMTF補正処理は、たとえば図15の曲線Aで示すように、本質的に低い値になっている1次画像のMTFを、空間周波数をパラメータとしてエッジ強調、クロマ強調等の後処理にて、図15中曲線Bで示す特性に近づく(達する)ような補正を行う。
図15中曲線Bで示す特性は、たとえば本実施形態のように、波面形成用光学素子を用いずに波面を変形させない場合に得られる特性である。
なお、本実施形態における全ての補正は、空間周波数のパラメータによる。
本実施形態においては、図15に示すように、光学的に得られる空間周波数に対するMTF特性曲線Aに対して、最終的に実現したいMTF特性曲線Bを達成するためには、それぞれの空間周波数に対し、エッジ強調等の強弱を付け、元の画像(1次画像)に対して補正をかける。
たとえば、図15のMTF特性の場合、空間周波数に対するエッジ強調の曲線は、図16に示すようになる。
すなわち、空間周波数の所定帯域内における低周波数側および高周波数側でエッジ強調を弱くし、中間周波数領域においてエッジ強調を強くして補正を行うことにより、所望のMTF特性曲線Bを仮想的に実現する。
このように、実施形態に係る撮像装置140は、1次画像を形成する光学系210を含む撮像レンズ装置200と、1次画像を高精細な最終画像に形成する画像処理装置300からなり、光学系システムの中に、波面成形用の光学素子を新たに設けるか、またはガラス、プラスチックなどのような光学素子の面を波面成形用に成形したものを設けることにより、結像の波面を変形し、そのような波面をCCDやCMOSセンサからなる撮像素子220の撮像面(受光面)に結像させ、その結像1次画像を、画像処理装置300を通して高精細画像を得る画像形成システムである。
本実施形態では、撮像レンズ装置200による1次画像は深度が非常に深い光束条件にしている。そのために、1次画像のMTFは本質的に低い値になっており、そのMTFの補正を画像処理装置300で行う。
ここで、本実施形態における撮像レンズ装置200における結像のプロセスを、波動光学的に考察する。
物点の1点から発散された球面波は結像光学系を通過後、収斂波となる。そのとき、結像光学系が理想光学系でなければ収差が発生する。波面は球面でなく複雑な形状となる。幾何光学と波動光学の間を取り持つのが波面光学であり、波面の現象を取り扱う場合に便利である。
結像面における波動光学的MTFを扱うとき、結像光学系の射出瞳位置における波面情報が重要となる。
MTFの計算は結像点における波動光学的強度分布のフーリエ変換で求まる。その波動光学的強度分布は波動光学的振幅分布を2乗して得られるが、その波動光学的振幅分布は射出瞳における瞳関数のフーリエ変換から求まる。
さらにその瞳関数はまさに射出瞳位置における波面情報(波面収差)そのものからであることから、その光学系210を通して波面収差が厳密に数値計算できればMTFが計算できることになる。
したがって、所定の手法によって射出瞳位置での波面情報に手を加えれば、任意に結像面におけるMTF値は変更可能である。
本実施形態においても、波面の形状変化を波面形成用光学素子で行うのが主であるが、まさにphase(位相、光線に沿った光路長)に増減を設けて目的の波面形成を行っている。
そして、目的の波面形成を行えば、射出瞳からの射出光束は、図13(A)〜(C)に示す幾何光学的なスポット像からわかるように、光線の密な部分と疎の部分から形成される。
この光束状態のMTFは空間周波数の低いところでは低い値を示し、空間周波数の高いところまでは何とか解像力は維持している特徴を示している。
すなわち、この低いMTF値(または、幾何光学的にはこのようなスポット像の状態)であれば、エリアジングの現象を発生させないことになる。
つまり、ローパスフィルタが必要ないのである。
そして、後段のDSP等からなる画像処理装置300でMTF値を低くしている原因のフレアー的画像を除去すれば良いのである。それによってMTF値は著しく向上する。
次に、本実施形態および従来光学系のMTFのレスポンスについて考察する。
図17は、従来の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンス(応答)を示す図である。
図18は、光波面変調素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。
また、図19は、本実施形態に係る撮像装置のデータ復元後のMTFのレスポンスを示す図である。
図からもわかるように、光波面変調素子を有する光学系の場合、物体が焦点位置から外れた場合でもMTFのレスポンスの変化が光波面変調素子を挿入してない光学径よりも少なくなる。
この光学系によって結像された画像を、コンボリューションフィルタによる処理によって、MTFのレスポンスが向上する。
以上説明したように、本実施形態によれば、光学系および位相板(光波面変調素子)を通過した被写体分散像を撮像する撮像レンズ装置200と、撮像素子200からの分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理装置300と、被写体までの距離に相当する情報を生成する物体概略距離情報検出装置400と、を備え、画像処理装置300は、物体概略距離情報検出装置400により生成される情報に基づいて分散画像信号より分散のない画像信号を生成することから、コンボリューション演算時に用いるカーネルサイズやその数値演算で用いられる係数を可変とし、物体距離の概略距離を測定し、その物体距離に応じた適性となるカーネルサイズや上述した係数を対応させることにより、物体距離やデフォーカス範囲を気にすることなくレンズ設計ができ、かつ精度の高いコンボリュ−ションによる画像復元が可能となる利点がある。
そして、本実施形態に係る撮像装置100は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストを考慮されたズームレンズのWFCOに使用することが可能である。
また、本実施形態においては、結像レンズ212による撮像素子220の受光面への結像の波面を変形させる波面形成用光学素子を有する撮像レンズ装置200と、撮像レンズ装置200による1次画像FIMを受けて、1次画像の空間周波数におけるMTFをいわゆる持ち上げる所定の補正処理等を施して高精細な最終画像FNLIMを形成する画像処理装置300とを有することから、高精細な画質を得ることが可能となるという利点がある。
また、撮像レンズ装置200の光学系210の構成を簡単化でき、製造が容易となり、コスト低減を図ることができる。
ところで、CCDやCMOSセンサを撮像素子として用いた場合、画素ピッチから決まる解像力限界が存在し、光学系の解像力がその限界解像力以上であるとエリアジングのような現象が発生し、最終画像に悪影響を及ぼすことは周知の事実である。
画質向上のため、可能な限りコントラストを上げることが望ましいが、そのことは高性能なレンズ系を必要とする。
しかし、上述したように、CCDやCMOSセンサを撮像素子として用いた場合、エリアジングが発生する。
現在、エリアジングの発生を避けるため、撮像レンズ装置では、一軸結晶系からなるローパスフィルタを併用し、エリアジングの現象の発生を避けている。
このようにローパスフィルタを併用することは、原理的に正しいが、ローパスフィルタそのものが結晶でできているため、高価であり、管理が大変である。また、光学系に使用することは光学系をより複雑にしているという不利益がある。
以上のように、時代の趨勢でますます高精細の画質が求められているにもかかわらず、高精細な画像を形成するためには、従来の撮像レンズ装置では光学系を複雑にしなければならない。複雑にすれば、製造が困難になったりし、また高価なローパスフィルタを利用したりするとコストアップにつながる。
しかし、本実施形態によれば、ローパスフィルタを用いることなく、エリアジングの現象の発生を避けることができ、高精細な画質を得ることが可能となる。
なお、本実施形態において、光学系210の波面形成用光学素子を絞りより物体側レンズよりに配置した例を示したが、絞りと同一あるいは絞りより結像レンズ側に配置しても前記と同様の作用効果を得ることができる。
また、光学系210を構成するレンズは、図5の例に限定されることはなく、本発明は、種々の態様が可能である。
次に、本実施形態の生体認証装置の異なる複数箇所の認証動作を、図20および図21のフローチャートに関連付けて説明する。
図20は、本実施形態の生体認証装置の虹彩と指紋の認証動作を説明するためのフローチャートである。
図21は、本実施形態の生体認証装置の指紋と静脈の認証動作を説明するためのフローチャートである。
まず、虹彩と指紋の認証動作について図20に関連付けて説明する。
制御系が認証開始信号を入力すると(ST101)、図示しない虹彩撮影用照明装置を点灯する(ST102)。
そして、撮像装置140により第1回目として、虹彩の撮影を行う(ST103)。
この場合、虹彩情報を含む第2情報光OP2が反射板1302,1303を介してプリズム1301に入射し、透過/反射面1301aで反射されて撮像装置140に入射する。
撮像装置140においては、WFCOを含む画像処理装置300等における画像処理を行い(ST104)、撮影データを保管する(ST105)。
次に、虹彩撮影用照明装置を消灯し、指紋撮影用照明装置1102を点灯する(ST106)。
そして、撮像装置140により第2回目として、指紋の撮影を行う(ST107)。
この場合、指紋情報を含む第1情報光OP1がプリズム1301に入射し、透過/反射面1301a透過して撮像装置140に入射する。
撮像装置140においては、WFCOを含む画像処理装置300等における画像処理を行い(ST108)、撮影データを保管する(ST109)。
そして、保管した虹彩データおよび指紋データに基づく照合を行う(ST110)。
次に、指紋と静脈の認証動作について図21に関連付けて説明する。
制御系が認証開始信号を入力すると(ST111)、指紋撮影用照明装置120を点灯する(ST112)。
そして、撮像装置140により第1回目として、指紋の撮影を行う(ST113)。
この場合、指紋情報を含む第1情報光OP1がプリズム1301に入射し、透過/反射面1301a透過して撮像装置140に入射する。
撮像装置140においては、WFCOを含む画像処理装置300等における画像処理を行い(ST114)、撮影データを保管する(ST115)。
次に、指紋撮影用照明装置120を消灯し、静脈撮影用照明装置130を点灯する(ST116)。
そして、撮像装置140により第2回目として、静脈の撮影を行う(ST117)。
この場合、静脈情報を含む第1情報光OP1がプリズム1301に入射し、透過/反射面1301a透過して撮像装置140に入射する。
撮像装置140においては、WFCOを含む画像処理装置300等における画像処理を行い(ST118)、撮影データを保管する(ST119)。
そして、保管した指紋データおよび静脈データに基づく照合を行う(ST120)。
なお、虹彩と静脈の認証動作も同様に行われる。
以上のように、本実施形態の生体認証装置100は、被認証者の指である被検体OBJ1を図中下向き(指紋にある面を下向き)にして置くためのたとえばガラスやプラスチックにより形成される透明板1101や照明装置を有し、指紋および静脈情報を取得するための第1情報取得部、被認証者の眼である被検体OBJ2から虹彩情報を取得するための第2情報取得部120、情報光用光路形成部130、および撮像装置140を、主構成要素として有し、撮像装置140は、光波面変調素子を有する被写界深度拡張光学系および画像処理部を備えていることから以下の効果を得ることができる。
すなわち、簡単な構成で、複数の生体情報を容易に焦点を合わせることが可能で鮮明に撮像でき、虹彩認証、指紋認証、静脈認証等の複数の認証を同時に行うことができ、しかも高精度な認証を実現でき、誤認証率を低減することが可能な生体認証装置を実現することができる。
より具体的には、通常の光学系のように、被写界深度を得るには絞りを小さくする、すなわち暗くすることが不要となり、絞りを小さくする必要もなくなることから、通常の光学系と比べると必要光量が少なくてすむことになる。これにより、照明装置の光量を減らすことができる。
したがって、照明装置のコストダウン、消費電力の軽減が可能になり、その結果、照明装置の耐久性向上を図ることができる。
一方、被検体を置く位置としては定点ではなくても、焦点の合った画像を得ることができることから、ある程度の範囲は決める必要はあるものの、装置に触れることなく認証が可能となる。
また、本実施形態の生体認証装置100においては、複数の認証結果の優先順位を状況に応じて切り換え可能であり、一つの認証より認証率を向上させることが可能で、複数の認証による認証率を低下させることなく精度の高い認証が可能となる。
また、本実施形態では虹彩と、指紋あるいは静脈パターンとを用いた認証について説明したが、他の虹彩と眼底といったような組み合わせであっても本発明が適用可能である。
なお、光路形成部130の構成は、図1の構成に限定されるものではなく、種々の態様が可能である。
以下に、光形成部および光学系の他の構成例について説明する。
図22は、本発明の第2の実施形態に係る生体認証装置を模式的に示す図である。
図22の生体認証装置100Aが図1の生体認証装置100と異なる点は、光路形成部103Aにおいて、2つの情報光OP1、OP2を撮像装置140に導入する情報導入部をプリズムで形成する代わりに、図中に設定した直交座標系のX方向に移動可能な反射板(面)群1304を設けたことにある。
さらに、図22の光路形成部103Aは、第1情報取得部110による指紋または静脈情報を含む第1情報光OP1を反射する反射板1305を設けている。
そして、反射板群1304は、反射板1305による第1情報光OP1の反射光路および反射板1303による第2情報光OP2の反射光路上に配置されている。これに伴い撮像装置140も反射板群134の近傍に配置されている。
反射板群1304は、2枚の反射板13041,13042を有する。
反射板群1304は、第1情報光OP1を撮像装置140に導入させる場合には、図22の実線で示す第1状態に移動して反射板13041で第1情報光OP1を反射して撮像装置140に導入可能な状態に制御される。
一方、第2情報光OP2を撮像装置140に導入させる場合には、図22の破線で示す状態に移動して(第1状態から図中の左X方向に移動して)反射板13042で第2情報光OP2を反射して撮像装置140に導入可能な状態に制御される。
本第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上の説明においては、光形成部と撮像装置140の光学系とを別構成として説明したが、たとえば図23に示すように、撮像装置140Aの光学系210Aにおいて、以下のように構成している。
光学系210Aは、第1レンズとしての物体側レンズ211と、第2レンズとしてのレンズと光波面変調素子を含む光波面変調素子群213との間の光路にプリズム1301を設け、第1情報光OP1用の広角光学系WDと第2情報光OP2用の望遠光学系TELとを備えるように構成することも可能である。
また、第2情報光OP2のプリズム1301の透過/反射面1301aに至る光路に望遠光学系の物体側レンズ214が配置されている。
この例では、プリズム1301から撮像素子220までの光学部品は広角光学系と望遠光学系とで共有する形態となっている。
この場合、光波面変調素子213は、図23のプリズム1301の拡大図である図24(A)に示すように、プリズム1301の光出射面1301bに配置する構成、あるいは図24(B)に示すように、第1情報光OP1の入射面1301c、および第2情報光OP2の入射面1301dにそれぞれ配置する構成を採用することも可能である。
図24(B)の構成の場合、2つの光波面変調素子213a−1,213a−2は、各々の光学系に適した位相変調面にすることが好ましい。これにより、より良い画像を得ることが可能となる。
なお、図24(A),(B)の例においては、プリズム1301に光波面変調素子を設けた場合について説明したが、第1情報光OP1および第2情報光の両方、あるいはプリズム1301から撮像素子220までの間に設ければよい。
図25は、本発明の第3の実施形態に係る生体認証装置を模式的に示す図である。
本第3の実施形態に係る生体認証装置100Bは、図23と図24(A)の構成を組み合わせて形成されている。
ただし、図25の光学系210Bにおいて、図23の光波面変調素子群213の光波面変調素子213aをプリズム1301に配置し、レンズのみを第2レンズ群213bとして光波面変調素子213aと結像レンズ212との間に配置している。
これにより、より簡単な構成で、指紋認証と静脈認証、さらには虹彩認証を一つの認証装置で実現可能にしている。
さらには、被写界深度拡張光学系を用いていることから、たとえば虹彩認証の際の位置(距離)に柔軟性を持たせることができる。
なお、プリズムを用いる代わりに、図22と同様に反射板群1304Aを設けて、2つの光学系を切替える構成を示した図が図26である。
図26(A)は広角光学系状態を示し、図26(B)は望遠光学系状態を示している。また、反射板(面)群1304Aと撮像素子220の間の光学部品は共通としている。
反射板群1304Aは、第1情報光OP1を撮像素子220に導入させる場合には、図26(A)で示す第1状態に移動して反射板13041Aで第1情報光OP1を反射して撮像素子220に導入可能な状態に制御される。
一方、第2情報光OP2を撮像素子220に導入させる場合には、図26(B)で示す状態に移動して(第1状態から図中の左X方向に移動して)反射板13042Aで第2情報光OP2を反射して撮像素子220に導入可能な状態に制御される。
なお、反射板群1304Aの各反射面から撮像素子220に至る光路のおける光学系の構成は図25と同様である。
さらに、図27(A),(B)に示すように、反射板群の代わりに反射型の光波面変調板(面)2130を設けることも可能である。
この場合、光波面変調板群2130は、図26の反射板群1304Aの2つの反射板の配置位置に光波面変調素子2131と2132を形成して構成されている。
光波面変調板群2130においては、第1情報光OP1を撮像素子220に導入させる場合には、図27(A)で示す第1状態に移動して光波面変調板2131で第1情報光OP1を反射して撮像素子220に導入可能な状態に制御される。
一方、第2情報光OP2を撮像素子220に導入させる場合には、図27(B)で示す状態に移動して(第1状態から図中の左X方向に移動して)光波面変調板2132で第2情報光OP2を反射して撮像素子220に導入可能な状態に制御される。
なお、2つの光波面変調板は、各々の光学系、すなわち広角光学系と望遠光学系に適した位相変調面にすることが好ましい。
あるいは第1情報光OP1および第2情報光OP2の両方の光路に光波面変調素子を配置した構成としても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、たとえば図1および図22で示した撮像装置の光学系に深度拡張光学系を用いることでも各々の認証において被写界深度を拡張することが可能である。
また、しかし、図23乃至図27のように光学系の内部に設け、たとえば広角光学系と望遠光学系の2系統の光学系を構成すれば認証の形態が異なる場合でも容易に対応が可能となる。たとえば、指紋認証と静脈認証では被写体の大きさや距離がほぼ同じことから一つの画角の光学系で問題は生じない。
しかし、たとえば虹彩認証では被写体の大きさや距離等も異なってくるが、認証内容毎に装置や光学系を備えるとコストやスペース等の問題が生じる。また、各々の認証結果が別々な物になるが、この実施形態によれば、全ての認証結果を総合して判断することが可能になり、より認証精度を向上させることができる。
また、変倍可能な深度拡張光学系にすることで、被写体の距離が大きく変化した場合においても所定の大きさまで拡大することで解像度を落とすことなく認証を行うことが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る生体認証装置の構成例を模式的に示す図である。 図1の生体認証装置における指紋認証動作を模式的に示す図である。 図1の生体認証装置における静脈認証動作を模式的に示す図である。 本実施形態に係る撮像装置を示すブロック構成図である。 本実施形態に係る撮像レンズ装置のズーム光学系の構成例を模式的に示す図である。 位相板を含まないズーム光学系の無限側のスポット像を示す図である。 位相板を含まないズーム光学系の至近側のスポット像を示す図である。 位相板を含むズーム光学系の無限側のスポット像を示す図である。 位相板を含むズーム光学系の至近側のスポット像を示す図である。 本実施形態の画像処理装置の具体的な構成例を示すブロック図である。 WFCOの原理を説明するための図である。 本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態に係る撮像レンズ装置の撮像素子の受光面でのスポット像を示す図であって、(A)は焦点が0.2mmずれた場合(Defocus=0.2mm)、(B)が合焦点の場合(Best focus)、(C)が焦点が−0.2mmずれた場合(Defocus=−0.2mm)の場合の各スポット像を示す図である。 本実施形態に係る撮像レンズ装置により形成される1次画像のMTFについて説明するための図であって、(A)は撮像レンズ装置の撮像素子の受光面でのスポット像を示す図で、(B)が空間周波数に対するMTF特性を示している。 本実施形態に係る画像処理装置におけるMTF補正処理を説明するための図である。 本実施形態に係る画像処理装置におけるMTF補正処理を具体的に説明するための図である。 従来の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンス(応答)を示す図である。 光波面変調素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。 本実施形態に係る撮像装置のデータ復元後のMTFのレスポンスを示す図である。 本実施形態の生体認証装置の虹彩と指紋の認証動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の生体認証装置の指紋と静脈の認証動作を説明するためのフローチャートである。本実施形態の生体認証装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る生体認証装置を模式的に示す図である。 広角光学系と望遠光学系とプリズムを組み合わせた光学系の構成例を示し図である。 図23の構成において、プリズムに対する光波面変調素子の配置例を示し図である。 本発明の第3の実施形態に係る生体認証装置を模式的に示す図である。 広角光学系と望遠光学系とを有する光学系に情報導入部として移動可能な反射板群を設けた構成例を示す図である。 広角光学系と望遠光学系とを有する光学系に情報導入部として移動可能な光波面変調板群を設けた構成例を示す図である。 一般的な撮像レンズ装置の構成および光束状態を模式的に示す図である。 図28の撮像レンズ装置の撮像素子の受光面でのスポット像を示す図であって、(A)は焦点が0.2mmずれた場合(Defocus=0.2mm)、(B)が合焦点の場合(Best focus)、(C)が焦点が−0.2mmずれた場合(Defocus=−0.2mm)の場合の各スポット像を示す図である。
符号の説明
100,100A,100B…生体認証装置、110…第1情報取得部、120…第2情報取得部、130…光路形成部、140…撮像装置、200…撮像レンズ装置、211…物体側レンズ、212…結像レンズ、213…波面形成用光学素子、213a…位相板、300…画像処理装置、301…コンボリューション装置、302…カーネル、数値演算係数格納レジスタ、303…画像処理演算プロセッサ、400…物体概略距離情報検出装置。


Claims (13)

  1. 異なる複数箇所の認証を行う生体認証装置であって、
    光学系および光波面変調素子と、
    前記光学系および光波面変調素子を通過した被写体分散像を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子からの分散画像信号より分散のない画像信号を生成する変換手段と、
    を備えた生体認証装置。
  2. 所定の光路を導波された異なる複数箇所の認証用の複数の情報光を前記撮像素子に導入可能な情報導入部を有する
    請求項1記載の生体認証装置。
  3. 前記情報導入部に、前記光波面変調素子が形成されている
    請求項2記載の生体認証装置。
  4. 認証結果の優先順位を状況に応じて切り換え可能である
    請求項1から3のいずれかに記載の生体認証装置。
  5. 前記撮像装置は、
    被写体までの距離に相当する情報を生成する被写体距離情報生成手段と、を備え、
    前記変換手段は、前記被写体距離情報生成手段により生成される情報に基づいて前記分散画像信号より分散のない画像信号を生成する
    請求項1から4のいずれかに記載の生体認証装置。
  6. 前記撮像装置は、
    被写体距離に応じて少なくとも前記光波面変調素子に起因する分散に対応した変換係数を少なくとも2以上予め記憶する変換係数記憶手段と、
    前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき、前記変換係数記憶手段から被写体までの距離に応じた変換係数を選択する係数選択手段と、を備え、
    前記変換手段は、前記係数選択手段で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う
    請求項5記載の生体認証装置。
  7. 前記撮像装置は、
    前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき変換係数を演算する変換係数演算手段、を備え、
    前記変換手段は、前記変換係数演算手段から得られた変換係数によって、画像信号の変換を行う
    請求項5記載の生体認証装置。
  8. 前記撮像装置は、
    前記光学系はズーム光学系を含み、
    前記ズーム光学系のズーム位置またはズーム量に応じた少なくとも1以上の補正値を予め記憶する補正値記憶手段と、
    少なくとも前記光波面変調素子に起因する分散に対応した変換係数を予め記憶する第2変換係数記憶手段と、
    前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき、前記補正値記憶手段から被写体までの距離に応じた補正値を選択する補正値選択手段と、を備え、
    前記変換手段は、前記第2変換係数記憶手段から得られた変換係数と、前記補正値選択手段から選択された前記補正値とによって、画像信号の変換を行う
    請求項1記載の生体認証装置。
  9. 前記補正値記憶手段で記憶する補正値が前記被写体分散像のカーネルサイズを含む
    請求項8記載の生体認証装置。
  10. 前記撮像装置は、
    被写体までの距離に相当する情報を生成する被写体距離情報生成手段と、
    前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき変換係数を演算する変換係数演算手段と、を備え、
    前記変換手段は、前記変換係数演算手段から得られた変換係数によって、画像信号の変換を行い分散のない画像信号を生成する
    請求項1から4のいずれかに記載の生体認証装置。
  11. 前記変換係数演算手段は、前記被写体分散像のカーネルサイズを変数として含む
    請求項10記載の生体認証装置。
  12. 記憶手段を有し、
    前記変換係数演算手段は、求めた変換係数を前記記憶手段に格納し、
    前記変換手段は、前記記憶手段に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行い分散のない画像信号を生成する
    請求項10または11記載の生体認証装置。
  13. 前記変換手段は、前記変換係数に基づいてコンボリューション演算を行う
    請求項10から12のいずれかに記載の生体認証装置。



JP2005313758A 2005-06-29 2005-10-28 生体認証装置 Expired - Fee Related JP3877748B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313758A JP3877748B1 (ja) 2005-10-28 2005-10-28 生体認証装置
US11/994,238 US20090304237A1 (en) 2005-06-29 2006-06-28 Biometric Authentication Apparatus
PCT/JP2006/312899 WO2007001025A1 (ja) 2005-06-29 2006-06-28 生体認証装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313758A JP3877748B1 (ja) 2005-10-28 2005-10-28 生体認証装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3877748B1 true JP3877748B1 (ja) 2007-02-07
JP2007117413A JP2007117413A (ja) 2007-05-17

Family

ID=37801359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005313758A Expired - Fee Related JP3877748B1 (ja) 2005-06-29 2005-10-28 生体認証装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3877748B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220165055A1 (en) * 2019-04-12 2022-05-26 Nec Corporation Information processing apparatus, information processing method, and storage medium

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2945020B2 (ja) * 1988-12-28 1999-09-06 富士通株式会社 指紋像入力装置
JPH07334646A (ja) * 1994-06-08 1995-12-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 指紋撮像装置
DE19818229A1 (de) * 1998-04-24 1999-10-28 Hauke Rudolf System zur berührungslosen Hand- und Fingerlinien-Erkennung
JP3770241B2 (ja) * 2003-03-04 2006-04-26 株式会社日立製作所 個人認証装置及び個人認証方法
JP4389489B2 (ja) * 2003-05-06 2009-12-24 ソニー株式会社 画像処理方法、および画像処理装置
JP3630675B2 (ja) * 2003-08-11 2005-03-16 株式会社日立製作所 指認証装置
JP4547604B2 (ja) * 2003-12-24 2010-09-22 ソニー株式会社 認証情報生成装置及び認証情報装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007117413A (ja) 2007-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8594388B2 (en) Large depth-of-field imaging system and iris recogniton system
US20090304237A1 (en) Biometric Authentication Apparatus
JP4800713B2 (ja) 結像光学系及びそれを用いた撮像装置、認証装置
JP2008113860A (ja) 生体認証装置
JP4969206B2 (ja) 生体認証装置
US9342728B2 (en) System and method for contactless multi-fingerprint collection
JP4306744B2 (ja) 生体認証装置
EP3010393B1 (en) Optimized imaging apparatus for iris imaging
KR101265377B1 (ko) 태스크-기반의 이미징 시스템
JP2008519334A (ja) 高パフォーマンス指紋画像化システム
JP2008212311A (ja) 生体認証装置
JP6416070B2 (ja) 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置
JP3916639B2 (ja) 生体認証装置
JP3877748B1 (ja) 生体認証装置
JP4588015B2 (ja) 生体認証装置
JP4024264B2 (ja) 生体認証装置
JP2006094468A (ja) 撮像装置および撮像方法
JP3916647B1 (ja) 生体認証装置
JP3987081B2 (ja) 生体認証装置
JP2008109952A (ja) 生体認証装置
KR101767941B1 (ko) 일반 촬영 및 홍채인식 촬영이 가능한 겸용 카메라
JP2006094469A (ja) 撮像装置および撮像方法
JP4531070B2 (ja) 生体認証装置
KR101635602B1 (ko) 홍채 인식 방법 및 장치
JP2008113754A (ja) 生体認証装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees