JP3876806B2 - 連結型オイル給湯装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体化石燃料を燃焼させる複数台のオイル給湯器の各出湯路を連結し、これら複数のオイル給湯器を制御対象として、給湯作動(燃焼作動)させるオイル給湯器の台数を給湯使用時の要求能力に応じて変更するという台数制御が行われる連結型オイル給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数台の温水ボイラーの各出側を湯供給先への共通の給湯経路に接続する一方、各入側を上記湯供給先からの共通の戻り経路に接続してこれら複数台の温水ボイラーを連結し、上記湯供給先で要求される負荷の如何に応じて温水ボイラーの稼働台数を変更制御(台数制御)するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、ガス給湯器の分野でも、複数台のガス給湯器の各出湯側を上記と同様に湯供給先への共通の給湯経路に接続する一方、各入水側を上記湯供給先からの共通の戻り経路に接続してこれら複数台のガス給湯器を連結し、上記湯供給先での要求される熱負荷の如何に応じて燃焼作動させるガス給湯器の台数を変更制御(台数制御)するものも知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2704549号公報
【特許文献2】
特開2000−205653号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガス給湯器を用いて連結型給湯装置を構成する場合には、複数台のガス給湯器のそれぞれに対し共通のガス供給源(例えば都市ガス本管等)から燃料ガスが供給されるため、燃料ガスの供給が途絶えることは通常はなく、どのように台数制御を実行しようとも燃料供給の観点から出湯能力の低下を招く不都合は生じない。
【0006】
しかしながら、オイル給湯器を用いて連結型オイル給湯装置を構成する場合には、複数台のオイル給湯器のそれぞれに個別の燃料タンクが付設され、それぞれ対応する燃料タンクから液体化石燃料(例えば灯油)が供給されることになるため、各オイル給湯器での燃料消費の偏りにより台数制御を続行すると出湯能力の低下を招く不都合が生じるおそれがある。
【0007】
すなわち、台数制御においては全てのオイル給湯器が同時に燃焼されるのではなく、給湯先の要求に応じて1台のみ、2台あるいは3台以上と燃焼される台数が変更されることになる。このため、それぞれのオイル給湯器の燃焼稼働の履歴如何によってはあるオイル給湯器の燃料タンクはまだ十分な残量があるものの他のあるオイル給湯器の燃料タンクは残り少ないという状態が生じ得る。そして、燃料残量が所定量まで低下すると、これを検出して燃料不足のため燃料補給の必要があるという警告信号が出力されることになる。
【0008】
一方、ガス給湯器を用いた連結型給湯装置に対する台数制御においては、この台数制御の対象となる複数台のガス給湯器のそれぞれから各種の検出信号の出力を受けてそれぞれの燃焼作動等が実行されるようになっているが、その検出信号が通常起こり得ない値(例えば予め設定された正常範囲外の値)でありセンサ異常を示すものであったり異常検出を内容とするもの等の場合にはそのガス給湯器はエラー状態に陥ったものと扱い、このガス給湯器を上記台数制御の対象から外し残りのガス給湯器を対象として台数制御が行われるようになっている。
【0009】
ところが、このような台数制御を上記のオイル給湯器を用いて構成した連結型オイル給湯装置に対しても適用した場合には、上記の燃料残量の低下に伴い警告信号が出力されると、台数制御の対象から外されてしまうことになる。このため、たとえまだ燃焼継続し得る燃料残量があったとしても、また、燃料タンク内の燃料残量があるレベルまで低下した点を除き正常燃焼可能であっても、そのオイル給湯器は給湯のためには全く使用されない状態になる。これにより、連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力がその分低下してしまうことになる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数台のオイル給湯器を連結して台数制御を適用する場合に、いずれかの燃料タンクの燃料残量が少なくなったとしても、可及的に燃焼を継続させて全体の出湯能力を低下させないようにし得る連結型給湯器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を上記給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型オイル給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段と、各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が最も少ない燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を上記台数制御の燃焼優先順位において最も低く設定する制御手段とを備えることとした。
【0012】
請求項1に係る発明の場合、燃料タンクの燃料残量が最も少ないことが検出された特定のオイル給湯器に対し、台数制御により燃焼される台数が変更される際に、その燃焼優先順位が最も低く設定されるため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持されることになる。このため、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることが可能になる。その一方、燃焼優先順位がより高い他のオイル給湯器よりも上記特定のオイル給湯器の燃焼頻度が低くなり、これに伴いその特定のオイル給湯器に対し燃料を供給する燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、この特定のオイル給湯器の上記燃焼可能な状態の維持がより長く継続されて、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持されることになる。
【0013】
請求項2に係る発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続された連結型給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記複数台のオイル給湯器の内の1台を最初に燃焼作動させるメイン給湯器に、残りの内の1台を最後に補助的に燃焼作動させる調整給湯器にそれぞれ役割を割り付けた上で、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御を行う台数制御手段と、上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段とを備える。加えて、各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が最も少ない燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を上記調整給湯器としての役割を強制的に割り付ける制御手段を備えることとした。
【0014】
この請求項2に係る発明の場合、複数台のオイル給湯器の内で燃料タンクの燃料残量が最も少ないものから燃料供給を受ける特定のオイル給湯器が、台数制御において補助的に燃焼させる調整給湯器としての役割が割り付けられるため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持されることになる。このため、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることが可能になる。その一方、上記特定のオイル給湯器は給湯先の要求如何に応じて補助的に燃焼されるようになって、燃焼頻度が低くなる上に、燃焼されてもその燃料消費量は他のオイル給湯器よりも少なくなる。このため、その特定のオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、この特定のオイル給湯器の上記燃焼可能な状態の維持がより長く継続されて、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持されることになる。
【0015】
請求項3に係る発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続された連結型給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記複数台のオイル給湯器の内の1台を最初に燃焼作動させるメイン給湯器に、残りの内の1台を最後に補助的に燃焼作動させる調整給湯器にそれぞれ役割を割り付けた上で、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御を行う台数制御手段と、上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段とを備える。加えて、各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が予め定めた設定残量よりも低下した燃料タンクから燃料供給を受ける1又は2台以上のオイル給湯器を上記メイン給湯器としての役割を割り付ける対象から除外する制御手段を備えることとした。
【0016】
この請求項3に係る発明の場合、対応する燃料タンク内の燃料残量が設定残量よりも低下した1又は2台以上の特定のオイル給湯器が、台数制御においてメイン給湯器からは除外されるものの他の役割を割り付けられることになるため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持されることになる。このため、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることが可能になる。その一方、上記特定のオイル給湯器はメイン給湯器から除外されて最初には燃焼されなくなるため、給湯先の要求があってもメイン給湯器として割り付けられたオイル給湯器と比べ燃焼時間が短くなり、燃料消費量も少なくなる。このため、その特定のオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、この特定のオイル給湯器の上記燃焼可能な状態の維持がより長く継続されて、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持されることになる。
【0017】
以上の請求項1〜請求項3のいずれかの連結型オイル給湯装置において、報知手段をさらに備え、上記制御手段として、上記の各処理に併せて上記報知手段により燃料補給の必要のあることを報知する構成を追加するようにしてもよい(請求項4)。この場合には、あるオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量が少なくなったとしても、燃焼可能な状態を継続させつつも、要補給の旨をユーザーに報知して燃料補給を促すことが可能になる。
【0018】
さらに、以上の請求項1〜請求項4のいずれかの連結型オイル給湯装置において、上記制御手段として、上記残油検出手段からの検出情報に基づき燃料の残量が限界残量に到達した燃料タンクがあればその燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を台数制御の対象から除外する構成を追加することもできる(請求項5)。この場合には、可及的に燃焼可能な状態を継続させつつも、真に燃焼不能な状態になれば台数制御の対象から外して燃焼不能状態にすることが可能になる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の連結型オイル給湯装置によれば、燃料タンクの燃料残量が最も少ないことが検出された特定のオイル給湯器について台数制御における燃焼優先順位を最も低く設定するようにしたため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持することができ、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることができる。その一方、燃焼優先順位がより高い他のオイル給湯器よりも上記特定のオイル給湯器の燃焼頻度が低くなり、これに伴い燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持させることができるようになる。
【0020】
請求項2の連結型オイル給湯装置によれば、複数台のオイル給湯器の内で燃料タンクの燃料残量が最も少ない特定のオイル給湯器を台数制御において補助的に燃焼させる調整給湯器としての役割を割り付けるようにしているため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持することができ、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることができる。その一方、上記特定のオイル給湯器は給湯先の要求如何に応じて補助的に燃焼されることになるため、燃焼頻度を低くすることができる上に、燃焼されてもその燃料消費量を他のオイル給湯器よりも少なくすることができる。このため、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持することができるようになる。
【0021】
請求項3の連結型オイル給湯装置によれば、対応する燃料タンク内の燃料残量が設定残量よりも低下した1又は2台以上の特定のオイル給湯器をも必要があれば燃焼可能な状態に維持することができ、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることができる。その一方、上記特定のオイル給湯器をメイン給湯器と比べ燃焼時間を短くして燃料消費量も少なくすることができ、この特定のオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量の低減度合を低くして、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間を長く維持させることができるようになる。
【0022】
特に、請求項4によれば、あるオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量が少なくなったとしても、燃焼可能な状態に維持しつつも、要補給の旨をユーザーに報知して燃料補給を促すことができる。
【0023】
また、請求項5によれば、燃料残量が少なくなったオイル給湯器を可及的に燃焼可能な状態に維持させつつも、真に燃焼不能な状態になれば台数制御の対象から外して燃焼不能状態にすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に本発明の実施形態に係る連結型オイル給湯装置を示す。この連結型オイル給湯装置は複数台(図例では3台)のオイル給湯器2a,2b,2cを連結したものであり、上記各オイル給湯器2a,2b,2cは1台毎に個別に設置された燃料タンク3a,3b,3cからそれぞれ燃料(例えば灯油)の供給を受けて燃焼されるようになっている。また、全てのオイル給湯器2a,2b,2cはそれぞれ個別に内蔵された個別コントローラ29a,29b,29cを介してシステムコントローラ4によって制御されるようになっている。
【0026】
上記連結型オイル給湯装置は、上流端が例えば水道管等の水道水供給源に接続され下流側がそれぞれ分岐されて各オイル給湯器2a,2b,2cの入水口220に給水する給水経路5と、上流端が各オイル給湯器2a,2b,2cの出湯口230に電磁式開閉弁6a,6b,6cを介して接続され下流端が1又は2以上(同図には1つのみ図示)の給湯栓(給湯カラン)7に接続された給湯経路8とを備えている。上記開閉弁6a,6b,6cはシステムコントローラ4により開閉制御され、開作動されることにより対応するオイル給湯器に対する給水経路5からの入水と、そのオイル給湯器から給湯経路8への出湯とが可能となる。また、上記給水経路5には上流側位置に逆流を防止するための逆止弁51が介装されている。
【0027】
上記各オイル給湯器2a,2b,2cは灯油等の燃料を燃焼させて上記各入水口220からの入水を加熱し、加熱後の湯を上記各出湯口230に出湯させるようになっており、このような機能を有するものであれば後述の熱交換器21を用いない他のタイプのものを用いることができる。これら各オイル給湯器2a,2b,2cとして適用されるものの詳細を図2に示す例に基づいて次に説明する。
【0028】
上記各オイル給湯器2a,2b,2cは、燃焼缶体20に配設された熱交換器21と、上記給水経路5からの水を入水口220から上記熱交換器21に入水させる入水管22と、上記熱交換器21で加熱された湯を出湯口230に出湯する出湯管23と、上記熱交換器21から出湯された湯に対し水を混合するためのバイパス管24と、上記熱交換器21を燃焼熱により加熱するバーナ25と、このバーナ25に燃料タンク3a,3b,3cからの燃料(灯油)を供給する燃料供給管27とを備えている。
【0029】
上記入水管22には入水温度センサ221及び入水流量センサ222が設けられる一方、上記出湯管23には上記バイパス管24の下流端との合流位置よりも上流側位置に燃焼缶体20で加熱された後の出湯温度を検出する出湯温度センサ231が設けられ、上記合流位置よりも下流側位置に水量サーボ弁232及び給湯温度センサ233が設けられている。また、上記バイパス管24には出湯管23からの出湯に対し入水管22からの水を所定の混合比で混合するための湯水混合弁241が介装されている。
【0030】
上記バーナ25はその火炎を下向きに噴射するように配設され、例えばリターン式噴霧ノズルを有するガンタイプバーナにより構成されている。このバーナ25は、電磁開閉弁251及び電磁供給ポンプ252が介装された燃料供給管27により供給された灯油を噴霧して燃焼させ、供給された一部の灯油をリターン管253を通して上記電磁開閉弁251と電磁供給ポンプ252との間の燃料供給管27に対し戻すようになっている。上記リターン管253には、リターン油の油温を検出する油温検出センサ254、リターン油の流量を比例制御する流量制御弁255、及び、リターン油をリターン側にのみ流す逆止弁が介装されている。そして、上記流量制御弁255によるリターン油の流量を出湯号数に応じて変更調整することにより上記バーナ25からの噴霧量の変更調整が行われ、これにより、燃焼量が比例制御されるようになっている。この燃焼量の変更により熱交換器21での加熱量が変更され、出湯温度が変更されるようになっている。つまり、出湯能力が所定範囲で変更可能となっている。
【0031】
上記各個別コントローラ28a,28b,28cは通信線を通してシステムコントローラ4と双方向通信可能に接続され、このシステムコントローラ4による台数制御等に基づく各種指令を受けて各オイル給湯器2a,2b,2cの燃焼作動や燃焼停止等の制御を行うようになっている。なお、上記の双方向通信は有線ではなくて無線方式により行うようにしてもよい。
【0032】
また、各オイル給湯器2a,2b,2c毎に設置された各燃料タンク3a,3b,3cには貯留された灯油の残量を検出する残油検出手段としての残油検知器31が設置されている。この残油検知器31は灯油残量の貯留レベルが設定レベル(設定残量)まで低下したことを検出する設定レベル検出部311と、上記貯留レベルが底面すれすれの最低限の限界レベル(限界残量)まで低下したことを検出する限界レベル検出部312とを備えている。そして、設定レベル検出信号又は限界レベル検出信号を各個別コントローラ28a,28b,28cに出力し、各個別コントローラ28a,28b,28cはシステムコントローラ4に対し上記各検出信号をその内容と共にエラー信号の一種として送出するようになっている。この検出に基づき台数制御の基本内容が変更されることになる。なお、上記の設定レベル検出部311や限界レベル検出部312は、例えば圧力センサ、フローセンサ又は電極棒等を用いて構成すればよいし、各燃料タンク3a,3b,3c自体ではなくても例えば燃料供給管27の途中に介装させてもよい。
【0033】
上記システムコントローラ4は、図3に示すように報知手段を構成するメインリモコン41が接続され、台数制御部(台数制御手段)42及び残油低下時制御部(制御手段)43を備えている。なお、このシステムコントローラ4は各オイル給湯器2a,2b,2cとは別に設けてもよいが、コンパクト化の観点よりいずれか1つのオイル給湯器(図1の例では2c)に内蔵させるのが好ましい。以下の説明においては3台のオイル給湯器の内の符号2aのものを第1オイル給湯器、2bのものを第2オイル給湯器、2cのものを第3オイル給湯器とし、同様に対応する個別コントローラ28a,28b,28c、残油検知器31及び開閉弁6a,6b,6cにもそれぞれ第1〜第3を付して用いる。
【0034】
上記台数制御部42は、給湯栓7での給湯使用時の要求負荷(熱負荷)に応じて燃焼作動させるオイル給湯器2a,2b,2cの台数を変更調整するものであり、いずれか1台をメイン給湯器(最初に着火・燃焼させる給湯器)M、1台を調整給湯器(補助的な調整のために最後に着火・燃焼させる給湯器)R、残りを目標給湯器(メイン給湯器では要求熱量を満たせないとき順次着火・燃焼させる給湯器)Tとして役割を割り付けるようになっている。このようなメイン給湯器M、目標給湯器T及び調整給湯器Rの3種の役割設定は所定期間(例えば24時間)を1サイクルとして1サイクル毎に順次変更されるようにローテーション設定されており、燃焼頻度がほぼ均等になるようにされている。
【0035】
上記ローテーション設定を図4の例に基づいて説明する。なお、本実施形態では連結型オイル給湯装置が3台のオイル給湯器2a,2b,2cにより構成されているため、1台がメイン給湯器に他の1台が調整給湯器Rに割り付けられると、目標給湯器Tとして割り付けられるのは残りの1台となる。サイクル1(最初の24時間)では第1オイル給湯器2aをメイン給湯器Mに、第2オイル給湯器2bを目標給湯器Tに、第3オイル給湯器2cを調整給湯器Rにそれぞれ割り付け設定し、サイクル2(次の24時間)では第1オイル給湯器2aを目標給湯器Tに、第2オイル給湯器2bを調整給湯器Rに、第3オイル給湯器2cをメイン給湯器Mにそれぞれ割り付け設定し、サイクル3(さらに次の24時間)では第1オイル給湯器2aを調整給湯器Rに、第2オイル給湯器2bをメイン給湯器Mに、第3オイル給湯器2cを目標給湯器Tにそれぞれ割り付け設定し、サイクル4では上記サイクル1の割り付け設定に戻り以上のローテーション設定が繰り返される。
【0036】
そして、例えば、各1台の出湯能力が50号(流量が50L/min)の場合、要求される出湯能力が45号未満であればメイン給湯器Mのみを燃焼作動させ、45号以上〜90号未満であればメイン給湯器Mに加えて目標給湯器Tを燃焼作動させ、90号以上であればさらに調整給湯器Rをも燃焼作動させるように燃焼作動させる台数を制御する。従って、要求される出湯能力が100号であると、メイン給湯器M及び目標給湯器Tをそれぞれ45号分で燃焼させ、残りの10号分を調整給湯器Rの燃焼により満たすことになる。なお、以上の号数の数値自体は例示である。
【0037】
ここで、例えば上記のサイクル1のとき、給湯栓7からの給湯使用が行われていない待機状態では、メイン給湯M(第1オイル給湯器2a)の第1開閉弁6aのみが常時開状態に、目標給湯器T及び調整給湯器Rの開閉弁6b,6cが閉状態に維持される。つまり、給水経路5、給湯経路8及び給湯栓7はメイン給湯器M(第1オイル給湯器2a及び第1開閉弁6a)を介してのみ連通された状態に維持される。
【0038】
そして、給湯栓7が開かれると、第1オイル給湯器2aの入水管22に入水口220を通して給水経路5から入水され、この入水流量が最低作動流量以上(入水流量センサ222による検出)になるとバーナ25が燃焼作動され、熱交換器21で加熱された所定温度の湯が出湯管23,出湯口230及び開状態の開閉弁6aを通して給湯経路8に出湯され、この給湯経路8を通して上記給湯栓7に給湯されることになる。上記給湯栓7からの要求がメイン給湯器Mである第1オイル給湯器2aの最大設定出湯能力よりも大きくなれば、さらに第2開閉弁6bを開くことにより目標給湯器Tである第2オイル給湯器2bにも入水させて上記と同様に燃焼作動させ、2台のオイル給湯器2a,2bの合計最大設定出湯能力よりも大きくなれは、さらに加えて調整給湯器Rである第3開閉弁6cを開くことにより第3オイル給湯器2cを燃焼作動させる。逆に上記給湯栓7からの要求が小さくなれば、それに応じて上記とは逆の順序で燃焼停止させて燃焼させるオイル給湯器の台数を減らしていく。
【0039】
一方、この台数制御部42による台数制御においては、いずれかのオイル給湯器2a,2b,2cから上記の残油検知器31による検出信号を除くエラー信号(例えば各種センサからの異常な出力信号や燃焼不良等の検出信号)が出力されると、そのオイル給湯器はエラー状態に陥ったと判断して上記台数制御の対象、つまり上記ローテーション設定の対象から除外して残りの台数のオイル給湯器を対象として台数制御を続行させることになる。この際、本実施形態では3台で構成しているため、メイン給湯器Mとして設定されている例えばオイル給湯器2aがエラー状態に陥れば、他の正常なオイル給湯器2b,2cのいずれか1台をメイン給湯器Mに、他の1台を調整給湯器Rに役割を変更設定する。
【0040】
上記残油低下時制御部43は、上記の3つの残油検知器31,31,…からの燃料残量に関する検出情報を各個別コントローラ28a,28b,28cを介して受け、上記の原則のローテーション設定を変更するようになっている。
【0041】
上記残油低下時制御部43による制御を図5のフローチャートにより説明する。まず、いずれかの残油検知器31,31,…が設定レベルまでの残油低下を検知したら、すなわち設定レベル検出信号が出力されると、その残油低下を検知した燃料タンク31から燃料供給を受けているオイル給湯器(例えば第1オイル給湯器2a)の現在のローテーション設定はメイン給湯器Mであるか否かを判定する(ステップS1でYES、ステップS12)。メイン給湯器M以外に設定されていればローテーション設定の変更を行わずリターンし(ステップS2でNO)、図6に示すように第1オイル給湯器2aがメイン給湯器Mにローテーション設定されていれば、メイン給湯器M以外の調整給湯器Rにローテーションの変更設定を行う(ステップS2でYES、ステップS3)。これに伴い、設定レベル検出信号が出力されていない燃料タンク31から燃料供給を受けている他のオイル給湯器(図6では第2オイル給湯器2b)にメイン給湯器Mとしての役割を変更設定する。
【0042】
また、この変更設定と同時に、上記残油低下を検知した第1オイル給湯器2aの燃料タンク31へ燃料補給の必要がある旨をメインリモコン41により表示するか音声案内するかしてユーザーに報知する。なお、上記の残油低下を検知した燃料タンク31が2つある場合には、残油低下を検知していない1台のオイル給湯器をメイン給湯器Mに固定的に変更設定し、残油検知した2台のオイル給湯器で目標給湯器T及び調整給湯器Rの役割を交互に変更する。
【0043】
上記の変更設定した後、さらに残油最低限の検知、すなわち限界レベル検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS4)。そして、限界レベル検出信号が出力されていなければそれが出力されるまで上記第1オイル給湯器2aをも加えて台数制御し(ステップS4でNO)、限界レベル検出信号が出力されれば上記第1オイル給湯器2aをローテーションから外す、すなわち台数制御の連結対象から除外して燃焼不能状態にする。この場合には、図6に示すように残りの第2及び第3オイル給湯器2b,2cを対象として台数制御し、メイン給湯器Mと調整給湯器Rとの2種類の役割でローテーションさせる。
【0044】
上記の残油低下時制御部43による制御によれば、ある燃料タンク31で残油低下が検知されても、その燃料タンク31から燃料供給を受けるオイル給湯器(2a)をエラー状態として直ぐに台数制御から外すのではなくて、メイン給湯器M以外の特に補助的に燃焼される調整給湯器Rにローテーション変更して残油最低限の検知があるまでは台数制御の対象に入れて燃焼可能な状態にすることができる。つまり、可及的に燃焼継続させて3台分の最大出湯能力を発揮し得る状態に維持することができる。
【0045】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では3台のオイル給湯器を連結して連結型オイル給湯装置を構成した場合を示したが、台数は2台以上であればよく、例えば10台、20台あるいはそれ以上の台数のものを連結して本発明の連結型オイル給湯装置を構成するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では残油低下の検知(設定レベル検出信号の出力)により、その検知した燃料タンク31に接続されたオイル給湯器がメイン給湯器Mにローテーション設定されていれば、そのオイル給湯器をメイン給湯器M以外に又は調整給湯器Rに変更設定するようにしているが、これに限らず、残油検出手段により燃料残量自体を検出して最も少ない残量の燃料タンクに接続されたオイル給湯器を調整給湯器Rに役割設定する、つまり燃焼の優先順位を最も最後にするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図2】実施形態を構成する各オイル給湯器の例を示す模式図である。
【図3】実施形態のシステムコントローラのブロック構成図である。
【図4】各サイクル毎のメイン、目標、調整のローテーション例を示す表である。
【図5】残油低下時制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】残油低下検知時前後及び残油最低限の検知時のローテーション変更を示す表である。
【符号の説明】
2a,2b,2c オイル給湯器(給湯器)
3a,3b,3c 燃料タンク
7 給湯栓(給湯先)
8 給湯経路
31 残油検知器(残油検出手段)
41 メインリモコン(報知手段)
42 台数制御部
43 残油低下時制御部(制御手段)
230 出湯口
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体化石燃料を燃焼させる複数台のオイル給湯器の各出湯路を連結し、これら複数のオイル給湯器を制御対象として、給湯作動(燃焼作動)させるオイル給湯器の台数を給湯使用時の要求能力に応じて変更するという台数制御が行われる連結型オイル給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数台の温水ボイラーの各出側を湯供給先への共通の給湯経路に接続する一方、各入側を上記湯供給先からの共通の戻り経路に接続してこれら複数台の温水ボイラーを連結し、上記湯供給先で要求される負荷の如何に応じて温水ボイラーの稼働台数を変更制御(台数制御)するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、ガス給湯器の分野でも、複数台のガス給湯器の各出湯側を上記と同様に湯供給先への共通の給湯経路に接続する一方、各入水側を上記湯供給先からの共通の戻り経路に接続してこれら複数台のガス給湯器を連結し、上記湯供給先での要求される熱負荷の如何に応じて燃焼作動させるガス給湯器の台数を変更制御(台数制御)するものも知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2704549号公報
【特許文献2】
特開2000−205653号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガス給湯器を用いて連結型給湯装置を構成する場合には、複数台のガス給湯器のそれぞれに対し共通のガス供給源(例えば都市ガス本管等)から燃料ガスが供給されるため、燃料ガスの供給が途絶えることは通常はなく、どのように台数制御を実行しようとも燃料供給の観点から出湯能力の低下を招く不都合は生じない。
【0006】
しかしながら、オイル給湯器を用いて連結型オイル給湯装置を構成する場合には、複数台のオイル給湯器のそれぞれに個別の燃料タンクが付設され、それぞれ対応する燃料タンクから液体化石燃料(例えば灯油)が供給されることになるため、各オイル給湯器での燃料消費の偏りにより台数制御を続行すると出湯能力の低下を招く不都合が生じるおそれがある。
【0007】
すなわち、台数制御においては全てのオイル給湯器が同時に燃焼されるのではなく、給湯先の要求に応じて1台のみ、2台あるいは3台以上と燃焼される台数が変更されることになる。このため、それぞれのオイル給湯器の燃焼稼働の履歴如何によってはあるオイル給湯器の燃料タンクはまだ十分な残量があるものの他のあるオイル給湯器の燃料タンクは残り少ないという状態が生じ得る。そして、燃料残量が所定量まで低下すると、これを検出して燃料不足のため燃料補給の必要があるという警告信号が出力されることになる。
【0008】
一方、ガス給湯器を用いた連結型給湯装置に対する台数制御においては、この台数制御の対象となる複数台のガス給湯器のそれぞれから各種の検出信号の出力を受けてそれぞれの燃焼作動等が実行されるようになっているが、その検出信号が通常起こり得ない値(例えば予め設定された正常範囲外の値)でありセンサ異常を示すものであったり異常検出を内容とするもの等の場合にはそのガス給湯器はエラー状態に陥ったものと扱い、このガス給湯器を上記台数制御の対象から外し残りのガス給湯器を対象として台数制御が行われるようになっている。
【0009】
ところが、このような台数制御を上記のオイル給湯器を用いて構成した連結型オイル給湯装置に対しても適用した場合には、上記の燃料残量の低下に伴い警告信号が出力されると、台数制御の対象から外されてしまうことになる。このため、たとえまだ燃焼継続し得る燃料残量があったとしても、また、燃料タンク内の燃料残量があるレベルまで低下した点を除き正常燃焼可能であっても、そのオイル給湯器は給湯のためには全く使用されない状態になる。これにより、連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力がその分低下してしまうことになる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数台のオイル給湯器を連結して台数制御を適用する場合に、いずれかの燃料タンクの燃料残量が少なくなったとしても、可及的に燃焼を継続させて全体の出湯能力を低下させないようにし得る連結型給湯器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を上記給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型オイル給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段と、各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が最も少ない燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を上記台数制御の燃焼優先順位において最も低く設定する制御手段とを備えることとした。
【0012】
請求項1に係る発明の場合、燃料タンクの燃料残量が最も少ないことが検出された特定のオイル給湯器に対し、台数制御により燃焼される台数が変更される際に、その燃焼優先順位が最も低く設定されるため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持されることになる。このため、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることが可能になる。その一方、燃焼優先順位がより高い他のオイル給湯器よりも上記特定のオイル給湯器の燃焼頻度が低くなり、これに伴いその特定のオイル給湯器に対し燃料を供給する燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、この特定のオイル給湯器の上記燃焼可能な状態の維持がより長く継続されて、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持されることになる。
【0013】
請求項2に係る発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続された連結型給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記複数台のオイル給湯器の内の1台を最初に燃焼作動させるメイン給湯器に、残りの内の1台を最後に補助的に燃焼作動させる調整給湯器にそれぞれ役割を割り付けた上で、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御を行う台数制御手段と、上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段とを備える。加えて、各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が最も少ない燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を上記調整給湯器としての役割を強制的に割り付ける制御手段を備えることとした。
【0014】
この請求項2に係る発明の場合、複数台のオイル給湯器の内で燃料タンクの燃料残量が最も少ないものから燃料供給を受ける特定のオイル給湯器が、台数制御において補助的に燃焼させる調整給湯器としての役割が割り付けられるため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持されることになる。このため、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることが可能になる。その一方、上記特定のオイル給湯器は給湯先の要求如何に応じて補助的に燃焼されるようになって、燃焼頻度が低くなる上に、燃焼されてもその燃料消費量は他のオイル給湯器よりも少なくなる。このため、その特定のオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、この特定のオイル給湯器の上記燃焼可能な状態の維持がより長く継続されて、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持されることになる。
【0015】
請求項3に係る発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続された連結型給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記複数台のオイル給湯器の内の1台を最初に燃焼作動させるメイン給湯器に、残りの内の1台を最後に補助的に燃焼作動させる調整給湯器にそれぞれ役割を割り付けた上で、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御を行う台数制御手段と、上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段とを備える。加えて、各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が予め定めた設定残量よりも低下した燃料タンクから燃料供給を受ける1又は2台以上のオイル給湯器を上記メイン給湯器としての役割を割り付ける対象から除外する制御手段を備えることとした。
【0016】
この請求項3に係る発明の場合、対応する燃料タンク内の燃料残量が設定残量よりも低下した1又は2台以上の特定のオイル給湯器が、台数制御においてメイン給湯器からは除外されるものの他の役割を割り付けられることになるため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持されることになる。このため、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることが可能になる。その一方、上記特定のオイル給湯器はメイン給湯器から除外されて最初には燃焼されなくなるため、給湯先の要求があってもメイン給湯器として割り付けられたオイル給湯器と比べ燃焼時間が短くなり、燃料消費量も少なくなる。このため、その特定のオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、この特定のオイル給湯器の上記燃焼可能な状態の維持がより長く継続されて、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持されることになる。
【0017】
以上の請求項1〜請求項3のいずれかの連結型オイル給湯装置において、報知手段をさらに備え、上記制御手段として、上記の各処理に併せて上記報知手段により燃料補給の必要のあることを報知する構成を追加するようにしてもよい(請求項4)。この場合には、あるオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量が少なくなったとしても、燃焼可能な状態を継続させつつも、要補給の旨をユーザーに報知して燃料補給を促すことが可能になる。
【0018】
さらに、以上の請求項1〜請求項4のいずれかの連結型オイル給湯装置において、上記制御手段として、上記残油検出手段からの検出情報に基づき燃料の残量が限界残量に到達した燃料タンクがあればその燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を台数制御の対象から除外する構成を追加することもできる(請求項5)。この場合には、可及的に燃焼可能な状態を継続させつつも、真に燃焼不能な状態になれば台数制御の対象から外して燃焼不能状態にすることが可能になる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の連結型オイル給湯装置によれば、燃料タンクの燃料残量が最も少ないことが検出された特定のオイル給湯器について台数制御における燃焼優先順位を最も低く設定するようにしたため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持することができ、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることができる。その一方、燃焼優先順位がより高い他のオイル給湯器よりも上記特定のオイル給湯器の燃焼頻度が低くなり、これに伴い燃料タンクの燃料残量の低減度合も低くなるため、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持させることができるようになる。
【0020】
請求項2の連結型オイル給湯装置によれば、複数台のオイル給湯器の内で燃料タンクの燃料残量が最も少ない特定のオイル給湯器を台数制御において補助的に燃焼させる調整給湯器としての役割を割り付けるようにしているため、その特定のオイル給湯器も必要があれば燃焼可能な状態に維持することができ、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることができる。その一方、上記特定のオイル給湯器は給湯先の要求如何に応じて補助的に燃焼されることになるため、燃焼頻度を低くすることができる上に、燃焼されてもその燃料消費量を他のオイル給湯器よりも少なくすることができる。このため、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間も長く維持することができるようになる。
【0021】
請求項3の連結型オイル給湯装置によれば、対応する燃料タンク内の燃料残量が設定残量よりも低下した1又は2台以上の特定のオイル給湯器をも必要があれば燃焼可能な状態に維持することができ、給湯先からの要求に応じて連結型オイル給湯装置の全体の出湯能力を発揮し続けることができる。その一方、上記特定のオイル給湯器をメイン給湯器と比べ燃焼時間を短くして燃料消費量も少なくすることができ、この特定のオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量の低減度合を低くして、上記全体の出湯能力を発揮し得る期間を長く維持させることができるようになる。
【0022】
特に、請求項4によれば、あるオイル給湯器の燃料タンクの燃料残量が少なくなったとしても、燃焼可能な状態に維持しつつも、要補給の旨をユーザーに報知して燃料補給を促すことができる。
【0023】
また、請求項5によれば、燃料残量が少なくなったオイル給湯器を可及的に燃焼可能な状態に維持させつつも、真に燃焼不能な状態になれば台数制御の対象から外して燃焼不能状態にすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に本発明の実施形態に係る連結型オイル給湯装置を示す。この連結型オイル給湯装置は複数台(図例では3台)のオイル給湯器2a,2b,2cを連結したものであり、上記各オイル給湯器2a,2b,2cは1台毎に個別に設置された燃料タンク3a,3b,3cからそれぞれ燃料(例えば灯油)の供給を受けて燃焼されるようになっている。また、全てのオイル給湯器2a,2b,2cはそれぞれ個別に内蔵された個別コントローラ29a,29b,29cを介してシステムコントローラ4によって制御されるようになっている。
【0026】
上記連結型オイル給湯装置は、上流端が例えば水道管等の水道水供給源に接続され下流側がそれぞれ分岐されて各オイル給湯器2a,2b,2cの入水口220に給水する給水経路5と、上流端が各オイル給湯器2a,2b,2cの出湯口230に電磁式開閉弁6a,6b,6cを介して接続され下流端が1又は2以上(同図には1つのみ図示)の給湯栓(給湯カラン)7に接続された給湯経路8とを備えている。上記開閉弁6a,6b,6cはシステムコントローラ4により開閉制御され、開作動されることにより対応するオイル給湯器に対する給水経路5からの入水と、そのオイル給湯器から給湯経路8への出湯とが可能となる。また、上記給水経路5には上流側位置に逆流を防止するための逆止弁51が介装されている。
【0027】
上記各オイル給湯器2a,2b,2cは灯油等の燃料を燃焼させて上記各入水口220からの入水を加熱し、加熱後の湯を上記各出湯口230に出湯させるようになっており、このような機能を有するものであれば後述の熱交換器21を用いない他のタイプのものを用いることができる。これら各オイル給湯器2a,2b,2cとして適用されるものの詳細を図2に示す例に基づいて次に説明する。
【0028】
上記各オイル給湯器2a,2b,2cは、燃焼缶体20に配設された熱交換器21と、上記給水経路5からの水を入水口220から上記熱交換器21に入水させる入水管22と、上記熱交換器21で加熱された湯を出湯口230に出湯する出湯管23と、上記熱交換器21から出湯された湯に対し水を混合するためのバイパス管24と、上記熱交換器21を燃焼熱により加熱するバーナ25と、このバーナ25に燃料タンク3a,3b,3cからの燃料(灯油)を供給する燃料供給管27とを備えている。
【0029】
上記入水管22には入水温度センサ221及び入水流量センサ222が設けられる一方、上記出湯管23には上記バイパス管24の下流端との合流位置よりも上流側位置に燃焼缶体20で加熱された後の出湯温度を検出する出湯温度センサ231が設けられ、上記合流位置よりも下流側位置に水量サーボ弁232及び給湯温度センサ233が設けられている。また、上記バイパス管24には出湯管23からの出湯に対し入水管22からの水を所定の混合比で混合するための湯水混合弁241が介装されている。
【0030】
上記バーナ25はその火炎を下向きに噴射するように配設され、例えばリターン式噴霧ノズルを有するガンタイプバーナにより構成されている。このバーナ25は、電磁開閉弁251及び電磁供給ポンプ252が介装された燃料供給管27により供給された灯油を噴霧して燃焼させ、供給された一部の灯油をリターン管253を通して上記電磁開閉弁251と電磁供給ポンプ252との間の燃料供給管27に対し戻すようになっている。上記リターン管253には、リターン油の油温を検出する油温検出センサ254、リターン油の流量を比例制御する流量制御弁255、及び、リターン油をリターン側にのみ流す逆止弁が介装されている。そして、上記流量制御弁255によるリターン油の流量を出湯号数に応じて変更調整することにより上記バーナ25からの噴霧量の変更調整が行われ、これにより、燃焼量が比例制御されるようになっている。この燃焼量の変更により熱交換器21での加熱量が変更され、出湯温度が変更されるようになっている。つまり、出湯能力が所定範囲で変更可能となっている。
【0031】
上記各個別コントローラ28a,28b,28cは通信線を通してシステムコントローラ4と双方向通信可能に接続され、このシステムコントローラ4による台数制御等に基づく各種指令を受けて各オイル給湯器2a,2b,2cの燃焼作動や燃焼停止等の制御を行うようになっている。なお、上記の双方向通信は有線ではなくて無線方式により行うようにしてもよい。
【0032】
また、各オイル給湯器2a,2b,2c毎に設置された各燃料タンク3a,3b,3cには貯留された灯油の残量を検出する残油検出手段としての残油検知器31が設置されている。この残油検知器31は灯油残量の貯留レベルが設定レベル(設定残量)まで低下したことを検出する設定レベル検出部311と、上記貯留レベルが底面すれすれの最低限の限界レベル(限界残量)まで低下したことを検出する限界レベル検出部312とを備えている。そして、設定レベル検出信号又は限界レベル検出信号を各個別コントローラ28a,28b,28cに出力し、各個別コントローラ28a,28b,28cはシステムコントローラ4に対し上記各検出信号をその内容と共にエラー信号の一種として送出するようになっている。この検出に基づき台数制御の基本内容が変更されることになる。なお、上記の設定レベル検出部311や限界レベル検出部312は、例えば圧力センサ、フローセンサ又は電極棒等を用いて構成すればよいし、各燃料タンク3a,3b,3c自体ではなくても例えば燃料供給管27の途中に介装させてもよい。
【0033】
上記システムコントローラ4は、図3に示すように報知手段を構成するメインリモコン41が接続され、台数制御部(台数制御手段)42及び残油低下時制御部(制御手段)43を備えている。なお、このシステムコントローラ4は各オイル給湯器2a,2b,2cとは別に設けてもよいが、コンパクト化の観点よりいずれか1つのオイル給湯器(図1の例では2c)に内蔵させるのが好ましい。以下の説明においては3台のオイル給湯器の内の符号2aのものを第1オイル給湯器、2bのものを第2オイル給湯器、2cのものを第3オイル給湯器とし、同様に対応する個別コントローラ28a,28b,28c、残油検知器31及び開閉弁6a,6b,6cにもそれぞれ第1〜第3を付して用いる。
【0034】
上記台数制御部42は、給湯栓7での給湯使用時の要求負荷(熱負荷)に応じて燃焼作動させるオイル給湯器2a,2b,2cの台数を変更調整するものであり、いずれか1台をメイン給湯器(最初に着火・燃焼させる給湯器)M、1台を調整給湯器(補助的な調整のために最後に着火・燃焼させる給湯器)R、残りを目標給湯器(メイン給湯器では要求熱量を満たせないとき順次着火・燃焼させる給湯器)Tとして役割を割り付けるようになっている。このようなメイン給湯器M、目標給湯器T及び調整給湯器Rの3種の役割設定は所定期間(例えば24時間)を1サイクルとして1サイクル毎に順次変更されるようにローテーション設定されており、燃焼頻度がほぼ均等になるようにされている。
【0035】
上記ローテーション設定を図4の例に基づいて説明する。なお、本実施形態では連結型オイル給湯装置が3台のオイル給湯器2a,2b,2cにより構成されているため、1台がメイン給湯器に他の1台が調整給湯器Rに割り付けられると、目標給湯器Tとして割り付けられるのは残りの1台となる。サイクル1(最初の24時間)では第1オイル給湯器2aをメイン給湯器Mに、第2オイル給湯器2bを目標給湯器Tに、第3オイル給湯器2cを調整給湯器Rにそれぞれ割り付け設定し、サイクル2(次の24時間)では第1オイル給湯器2aを目標給湯器Tに、第2オイル給湯器2bを調整給湯器Rに、第3オイル給湯器2cをメイン給湯器Mにそれぞれ割り付け設定し、サイクル3(さらに次の24時間)では第1オイル給湯器2aを調整給湯器Rに、第2オイル給湯器2bをメイン給湯器Mに、第3オイル給湯器2cを目標給湯器Tにそれぞれ割り付け設定し、サイクル4では上記サイクル1の割り付け設定に戻り以上のローテーション設定が繰り返される。
【0036】
そして、例えば、各1台の出湯能力が50号(流量が50L/min)の場合、要求される出湯能力が45号未満であればメイン給湯器Mのみを燃焼作動させ、45号以上〜90号未満であればメイン給湯器Mに加えて目標給湯器Tを燃焼作動させ、90号以上であればさらに調整給湯器Rをも燃焼作動させるように燃焼作動させる台数を制御する。従って、要求される出湯能力が100号であると、メイン給湯器M及び目標給湯器Tをそれぞれ45号分で燃焼させ、残りの10号分を調整給湯器Rの燃焼により満たすことになる。なお、以上の号数の数値自体は例示である。
【0037】
ここで、例えば上記のサイクル1のとき、給湯栓7からの給湯使用が行われていない待機状態では、メイン給湯M(第1オイル給湯器2a)の第1開閉弁6aのみが常時開状態に、目標給湯器T及び調整給湯器Rの開閉弁6b,6cが閉状態に維持される。つまり、給水経路5、給湯経路8及び給湯栓7はメイン給湯器M(第1オイル給湯器2a及び第1開閉弁6a)を介してのみ連通された状態に維持される。
【0038】
そして、給湯栓7が開かれると、第1オイル給湯器2aの入水管22に入水口220を通して給水経路5から入水され、この入水流量が最低作動流量以上(入水流量センサ222による検出)になるとバーナ25が燃焼作動され、熱交換器21で加熱された所定温度の湯が出湯管23,出湯口230及び開状態の開閉弁6aを通して給湯経路8に出湯され、この給湯経路8を通して上記給湯栓7に給湯されることになる。上記給湯栓7からの要求がメイン給湯器Mである第1オイル給湯器2aの最大設定出湯能力よりも大きくなれば、さらに第2開閉弁6bを開くことにより目標給湯器Tである第2オイル給湯器2bにも入水させて上記と同様に燃焼作動させ、2台のオイル給湯器2a,2bの合計最大設定出湯能力よりも大きくなれは、さらに加えて調整給湯器Rである第3開閉弁6cを開くことにより第3オイル給湯器2cを燃焼作動させる。逆に上記給湯栓7からの要求が小さくなれば、それに応じて上記とは逆の順序で燃焼停止させて燃焼させるオイル給湯器の台数を減らしていく。
【0039】
一方、この台数制御部42による台数制御においては、いずれかのオイル給湯器2a,2b,2cから上記の残油検知器31による検出信号を除くエラー信号(例えば各種センサからの異常な出力信号や燃焼不良等の検出信号)が出力されると、そのオイル給湯器はエラー状態に陥ったと判断して上記台数制御の対象、つまり上記ローテーション設定の対象から除外して残りの台数のオイル給湯器を対象として台数制御を続行させることになる。この際、本実施形態では3台で構成しているため、メイン給湯器Mとして設定されている例えばオイル給湯器2aがエラー状態に陥れば、他の正常なオイル給湯器2b,2cのいずれか1台をメイン給湯器Mに、他の1台を調整給湯器Rに役割を変更設定する。
【0040】
上記残油低下時制御部43は、上記の3つの残油検知器31,31,…からの燃料残量に関する検出情報を各個別コントローラ28a,28b,28cを介して受け、上記の原則のローテーション設定を変更するようになっている。
【0041】
上記残油低下時制御部43による制御を図5のフローチャートにより説明する。まず、いずれかの残油検知器31,31,…が設定レベルまでの残油低下を検知したら、すなわち設定レベル検出信号が出力されると、その残油低下を検知した燃料タンク31から燃料供給を受けているオイル給湯器(例えば第1オイル給湯器2a)の現在のローテーション設定はメイン給湯器Mであるか否かを判定する(ステップS1でYES、ステップS12)。メイン給湯器M以外に設定されていればローテーション設定の変更を行わずリターンし(ステップS2でNO)、図6に示すように第1オイル給湯器2aがメイン給湯器Mにローテーション設定されていれば、メイン給湯器M以外の調整給湯器Rにローテーションの変更設定を行う(ステップS2でYES、ステップS3)。これに伴い、設定レベル検出信号が出力されていない燃料タンク31から燃料供給を受けている他のオイル給湯器(図6では第2オイル給湯器2b)にメイン給湯器Mとしての役割を変更設定する。
【0042】
また、この変更設定と同時に、上記残油低下を検知した第1オイル給湯器2aの燃料タンク31へ燃料補給の必要がある旨をメインリモコン41により表示するか音声案内するかしてユーザーに報知する。なお、上記の残油低下を検知した燃料タンク31が2つある場合には、残油低下を検知していない1台のオイル給湯器をメイン給湯器Mに固定的に変更設定し、残油検知した2台のオイル給湯器で目標給湯器T及び調整給湯器Rの役割を交互に変更する。
【0043】
上記の変更設定した後、さらに残油最低限の検知、すなわち限界レベル検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS4)。そして、限界レベル検出信号が出力されていなければそれが出力されるまで上記第1オイル給湯器2aをも加えて台数制御し(ステップS4でNO)、限界レベル検出信号が出力されれば上記第1オイル給湯器2aをローテーションから外す、すなわち台数制御の連結対象から除外して燃焼不能状態にする。この場合には、図6に示すように残りの第2及び第3オイル給湯器2b,2cを対象として台数制御し、メイン給湯器Mと調整給湯器Rとの2種類の役割でローテーションさせる。
【0044】
上記の残油低下時制御部43による制御によれば、ある燃料タンク31で残油低下が検知されても、その燃料タンク31から燃料供給を受けるオイル給湯器(2a)をエラー状態として直ぐに台数制御から外すのではなくて、メイン給湯器M以外の特に補助的に燃焼される調整給湯器Rにローテーション変更して残油最低限の検知があるまでは台数制御の対象に入れて燃焼可能な状態にすることができる。つまり、可及的に燃焼継続させて3台分の最大出湯能力を発揮し得る状態に維持することができる。
【0045】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では3台のオイル給湯器を連結して連結型オイル給湯装置を構成した場合を示したが、台数は2台以上であればよく、例えば10台、20台あるいはそれ以上の台数のものを連結して本発明の連結型オイル給湯装置を構成するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では残油低下の検知(設定レベル検出信号の出力)により、その検知した燃料タンク31に接続されたオイル給湯器がメイン給湯器Mにローテーション設定されていれば、そのオイル給湯器をメイン給湯器M以外に又は調整給湯器Rに変更設定するようにしているが、これに限らず、残油検出手段により燃料残量自体を検出して最も少ない残量の燃料タンクに接続されたオイル給湯器を調整給湯器Rに役割設定する、つまり燃焼の優先順位を最も最後にするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図2】実施形態を構成する各オイル給湯器の例を示す模式図である。
【図3】実施形態のシステムコントローラのブロック構成図である。
【図4】各サイクル毎のメイン、目標、調整のローテーション例を示す表である。
【図5】残油低下時制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】残油低下検知時前後及び残油最低限の検知時のローテーション変更を示す表である。
【符号の説明】
2a,2b,2c オイル給湯器(給湯器)
3a,3b,3c 燃料タンク
7 給湯栓(給湯先)
8 給湯経路
31 残油検知器(残油検出手段)
41 メインリモコン(報知手段)
42 台数制御部
43 残油低下時制御部(制御手段)
230 出湯口
Claims (5)
- 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を上記給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型オイル給湯装置であって、
上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、
上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段と、
各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が最も少ない燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を上記台数制御の燃焼優先順位において最も低く設定する制御手段と
を備えていることを特徴とする連結型オイル給湯装置。 - 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続された連結型給湯装置であって、
上記複数台のオイル給湯器の内の1台を最初に燃焼作動させるメイン給湯器に、残りの内の1台を最後に補助的に燃焼作動させる調整給湯器にそれぞれ役割を割り付けた上で、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御を行う台数制御手段と、
上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、
上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段と、
各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が最も少ない燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を上記調整給湯器としての役割を強制的に割り付ける制御手段と
を備えていることを特徴とする連結型オイル給湯装置。 - 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台のオイル給湯器の各出湯口が接続された連結型給湯装置であって、
上記複数台のオイル給湯器の内の1台を最初に燃焼作動させるメイン給湯器に、残りの内の1台を最後に補助的に燃焼作動させる調整給湯器にそれぞれ役割を割り付けた上で、燃焼作動させるオイル給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御を行う台数制御手段と、
上記各オイル給湯器毎に設置されてその各オイル給湯器に個別に燃料を供給する燃料タンクと、
上記各オイル給湯器毎に設置されて燃料供給を受ける燃料タンクの燃料の残量に関する情報を検出する残油検出手段と、
各残油検出手段からの検出情報を受けて燃料の残量が予め定めた設定残量よりも低下した燃料タンクから燃料供給を受ける1又は2台以上のオイル給湯器を上記メイン給湯器としての役割を割り付ける対象から除外する制御手段と
を備えていることを特徴とする連結型オイル給湯装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の連結型オイル給湯装置であって、
報知手段を備え、
上記制御手段は併せて上記報知手段により燃料補給の必要のあることを報知するように構成されている、連結型オイル給湯装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の連結型オイル給湯装置であって、
上記制御手段は、上記残油検出手段からの検出情報に基づき燃料の残量が限界残量に到達した燃料タンクがあればその燃料タンクから燃料供給を受けるオイル給湯器を台数制御の対象から除外するように構成されている、連結型オイル給湯装置。
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