JP3875430B2 - 走査線補間装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査線補間装置に関し、例えばNTSCテレビジョン信号やPALテレビジョン信号等の飛越し走査された映像信号を順次走査の映像信号に変換する走査線補間装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飛越し走査された映像信号を順次走査された映像信号に変換する際、飛越し走査された映像信号のフィールドは、飛越し走査によって走査信号が1本おきに間引かれているため、この間引かれた部分を補間走査信号で補間する必要がある。
【0003】
この補間を行う場合、静止画像に対してはフィールド間処理により、例えば時間的に隣接するフィールド内における、互いに対応する走査線の画素信号の平均値を補間走査信号として内挿し、動画像に対してはフィールド内処理により、例えば同一のフィールド内において互いに上下に隣接する走査線の画素信号の平均値を補間走査信号として間挿するいわゆる平均値補間方法が知られている。
【0004】
より具体的には、図9に示すように、階調レベルがX1〜X6となっている画素単位の実走査信号(○印で示す)に基づいて、階調レベルがy12〜y56の補間走査信号(●印で示す)を生成する場合には、まず、各実走査信号の1/2の階調レベルとなる上側補間成分(△印で示す)と、各実走査信号の1/2の階調レベルとなる下側補間成分(□印で示す)を生成する。そして、図中、互いに隣接関係にある上側補間成分と下側補間成分とを加算することにより、階調レベルy12〜y56となる各補間走査信号を生成し、実走査信号間に間挿している。
【0005】
例えば、実走査信号X2とX3との間に間挿すべき補間走査信号y23は、実走査信号X2から算出される□印の下側補間成分X2/2と、実走査信号X3から算出される△印の上側補間成分X3/2とを加算、すなわち、(X2/2)+(X3/2)によって生成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の平均値補間方法では、映像信号をサンプリングしてディジタル信号に変換する際に失われたピーク値の再現が困難であり、このため、シャープネスが失われて変換画質が低下するという問題があった。また、補間処理によってピークエッジの再現処理を行うと、特定の絵柄の画像に対しては、補間画素のレベルが実画素のレベル変化に対して突出する櫛歯状妨害が生じる問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、例えばディジタルサンプリングの際に失われた映像信号のピーク値を再現し、良好な変換画像を効果的に実現可能とする映像信号の順次走査変換装置を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、ディジタル化された飛越し走査の映像信号を順次走査の映像信号に変換するために、垂直方向及び水平方向の走査線上に画素単位で配列された実走査信号に基づいて、垂直方向の各画素間に間挿される補間画素の補間走査信号を生成する走査線補間装置であって、前記実走査信号に基づいて、隣接する実走査信号のレベルを平均化する補間を行うための係数を各実走査信号のレベルに乗じて各実走査信号に対応した基準補間成分値を求める基準補間成分値演算手段と、上下垂直方向の走査線上で、一つの画素とその上下両側に配列された複数の画素の各実走査信号のレベルに基づいて求めたレベル値に、前記一つの画素の上側に隣接する画素のレベルが前記一つの画素の下側に隣接する画素のレベルより大きい場合は正の符号を付け、前記一つの画素の上側に隣接する画素のレベルが前記一つの画素の下側に隣接する画素のレベル以下の場合は負の符号を付けて、前記実走査信号毎に上側補間成分補正値を求め、該上側補間成分補正値にそれとは正負逆の符号を付けて、当該実走査信号毎に下側補間成分補正値を求める補間成分生成手段と、上下垂直方向の走査線上に配列される隣接する2つの画素で、前記2つの画素のうち上側の画素の実走査信号における前記下側補間成分補正値に係数値を乗じて第1補間成分補正値を求めると共に、前記2つの画素のうち下側の画素の実走査信号における前記上側補間成分補正値に前記係数値を乗じて第2補間成分補正値を求め、前記第1補間成分補正値に前記上側の画素の実走査信号における基準補間成分値を加えて第1補間成分信号を生成し、前記第2補間成分補正値に前記下側の画素の実走査信号における基準補間成分値を加えて第2補間成分信号を生成し、前記第1補間成分信号に前記第2補間成分信号を加えて前記隣接する2つの画素間の前記補間走査信号を生成する補間走査信号生成手段と、前記隣接する2つの画素とそれらの上下両側の画素の各実走査信号のレベル変化が、走査方向に沿って減少から増加に変化するか、又は増加から減少に変化する場合を第1の条件とし、前記隣接する2つの画素とその間に対して水平方向斜めに配置された画素の各実走査信号のレベルによって、画像中に水平に近い斜線が存在していることを検出した場合を第2の条件として、前記第1の条件と前記第2の条件が共に満足された場合に、前記係数値のレベルを抑制調整する櫛歯状妨害検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前述の特徴に加えて、前記補間成分生成手段は、前記一つの画素から走査方向上側に配列される2つの画素における隣接する画素間のレベル差の和を出力する第1加算手段と、前記一つの画素から走査方向下側に配列される2つの画素における隣接する画素間のレベル差の和を出力する第2加算手段と、前記一つの画素の走査方向両側に配列される2つの画素間のレベル差を出力するレベル差出力手段とを備え、前記第1加算手段の出力,前記第2加算手段の出力,前記レベル差出力手段の出力の中で最小の値をレベル調整して前記レベル値を出力することを特徴とする。
【0010】
このような特徴によると、補間画素の間挿によって、映像信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する際に失われたピーク値の再現性を向上させ、画像の輪郭部でのピークエッジコントラストを明確に再生することができる。
【0011】
また、このようなピークエッジの再生処理を行うと、特定の絵柄の画像に対して櫛歯状妨害が生じるが、櫛歯状妨害が発生する場合の判断条件を設定して、この判断時に補間画素の補間走査信号を求める補正値のレベルを抑制するように調整するので、補間画素のピーク値を抑えて櫛歯状妨害を低減することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、図1は本実施形態に係る走査線補間装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
同図において、この走査線補間装置は、ディジタル化された飛越し走査(インターレス)の入力映像信号Sinを順次走査(ノンインターレース)の映像信号Soutに変換して出力する構成となっており、複数の遅延回路1〜14と、演算器15〜24、絶対値回路25〜29、符号発生回路30、最小値セレクタ回路31、補間成分生成回路32、櫛歯状妨害検出回路33、時間軸変換回路34、及び係数回路35〜39を備えて構成されている。
【0014】
尚、輝度信号Y、色差信号PB,PRについて夫々順次走査の映像信号を生成するために、本走査線補間装置は、図1に示す回路が複数組並列に設けられている。
【0015】
ここで、遅延回路1〜6,8〜12は、入力信号を1水平期間(1H期間)遅延して順次に出力するFIFO(first in first out)メモリ等で形成されている。遅延回路7は、入力信号を2水平期間(2H期間)遅延して順次に出力するFIFOメモリ等で形成されている。
【0016】
遅延回路13,14は、入力信号を水平方向(水平ライン方向)における1画素分走査する時間(以下、1ドット期間という)だけ遅延させて出力する遅延素子等で形成されている。
【0017】
演算器15〜19は、2つの入力信号の差分を演算してその差分信号を出力する減算器で形成されている。演算器20〜24は、2つの入力信号を加算しその加算信号を出力する加算器で形成されている。
【0018】
絶対値回路25〜29は、入力信号の絶対値を求めてその絶対値信号を出力する。
【0019】
符号発生回路30は、2つの入力信号の大小を比較し、予め決められた一方の信号に比して他方の信号が小さいときには、プラス(正)の符号を表す符号信号Sp、上記一方の信号に比して他方の信号が大きいとき又は等しいときには、マイナス(負)の符号を表す符号信号Spを生成して補間成分生成回路32へ供給する。
【0020】
最小値セレクタ回路31は、演算器20,21と絶対値回路27から出力される信号m1,m2,m3の大小を比較し、そのうち最小値となる信号(以下、最小値信号という)Mを出力する。更に、係数回路35が、最小値信号Mをk1倍することによってレベル調整し、そのレベル調整された調整最小値信号M’を補間成分生成回路32へ供給する。尚、本実施形態では、係数k1は、k1=1/4に設定されている。
【0021】
補間成分生成回路32は、符号信号Spと調整最小値信号M’に基づいて、後述の上側補間成分補正値Suと下側補間成分補正値Sdを生成して出力する。
【0022】
係数回路38,39は、遅延回路12により1H期間遅延された下側補間成分補正値Sdと上側補間成分補正値SuとをG倍することによりレベル調整し、そのレベル調整された第1補間成分補正値Sdg(=G×Sd)と第2補間成分補正値Sug(=G×Su)を出力する。尚、係数回路38,39は、櫛歯状妨害検出回路33からの検出信号CNTに従って係数Gの値を自動的に変化させる可変乗算器等で形成されている。
【0023】
係数回路36,37は、遅延回路9,10から画素単位で供給される実走査信号S7,S8をそれぞれk2倍することによってレベル調整し、そのレベル調整された基準補間成分値Sa,Sbを出力する。尚、本実施形態では、係数k2は、k2=1/2に設定されている。
【0024】
演算器22は、第1補間成分補正値Sdgと基準補間成分値Sbを加算し、それによって生成される第1補間成分信号Sdbを演算器24に送出する。演算器23は、第2補間成分値Sugと基準補間成分値Saを加算し、それによって生成される第2補間成分信号Suaを演算器24に送出する。演算器24は、第1及び第2補間成分信号SdbとSuaを加算し、その加算結果を補間走査信号Scとして時間軸変換回路34に供給する。
【0025】
時間軸変換回路34は、遅延回路7から供給される実走査信号Snと補間走査信号Scとを互いに間挿処理することにより、順次走査の映像信号Soutを生成する。
【0026】
櫛歯状妨害検出回路33は、遅延回路2,3,5,6,8,9,10,11及び遅延回路13よりの実走査信号S1〜S4,S6〜S9に基づいて、画像の性状を検出し、その検出結果に応じて過度な補間を制限するための検出信号CNTを出力する。
【0027】
尚、詳細については後述するが、櫛歯状妨害検出回路33は、一の実走査線とそれに隣接する実走査線とにおける実走査信号を含む2以上の実走査信号に基づいて、垂直方向の幅が複数水平ライン(3水平ライン程度)の水平に近い斜め線の絵柄、すなわち、画像の斜向情報(傾斜方向と階調レベルの変化分布)を検出する。そして、その斜向情報を有する検出信号CNTに基づいて、係数回路38,39の係数Gを調整して、第1補間成分補正値Sdgと第2補間成分補正値Sugのレベル(階調)を制限する。
【0028】
上述のように、上側及び下側補間成分補正値Su,Sdを生成して、ピークまたはエッジを強調した補間走査信号Scを生成して順次走査の映像信号に変換すると、過度にシャープネスが強調されて特に垂直方向に2ないし3水平ライン程度の幅を有する水平に近い斜線に対して櫛歯状妨害が発生するが、そのような斜線部分に対しては、上述のように第1及び第2補間成分補正値Sdg,Sugのレベルを制限することにより、上記妨害の発生が抑制される。
【0029】
次に、かかる構成を有する本走査線補間装置の機能及び動作について図2〜図8を参照して説明する。
【0030】
図2は、各フィールド内における映像信号(実走査信号)の時間・空間的な画素単位での配列の一例を示す説明図であり、実走査信号(実画素データ)を○印で示している。また、各画素単位の実走査信号(画素データ)は、水平方向と垂直方向にマトリックス配列されているものとして、行番号(水平ライン番号)iと列番号jで夫々の配列位置が示されている。また、垂直方向に互いに隣接する実走査信号(画素データ)間の時間が1H期間となり、水平方向に互いに隣接する実走査信号(画素データ)間が1ドット期間(1D)となっている。
【0031】
そして、垂直方向に互いに隣接する実走査信号の間に、補間走査信号(補間画素データ)を間挿することで、順次走査の映像信号Soutを生成するようになっている。
【0032】
図1及び図2において、一例として、入力された映像信号(実画素データ)Sinが1フィールドの画面上で図2中のi+3行j+2列の位置に該当するものとすると、遅延回路2から出力される実走査信号(実画素データ)S1は、2H期間前のi+1行j+2列に位置し、遅延回路3から出力される実走査信号(実画素データ)S2は、3H期間前のi行j+2列に位置することになる。
【0033】
遅延回路13,14は、入力映像信号Sinを1D期間ずつ遅延し、遅延回路4,5,6は1H期間ずつ遅延するので、遅延回路5から出力される実走査信号(実画素データ)S3は、i+1行j列に位置し、遅延回路6から出力される実走査信号(実画素データ)S4は、i行j+3列に位置することになる。更に、遅延回路13から出力される実走査信号(実画素データ)S5は、i+3行j+1列に位置することになる。
【0034】
遅延回路8〜11は、実走査信号(実画素データ)S5を1H期間ずつ遅延するので、各遅延回路8〜11から出力される実走査信号(実画素データ)S6〜S9は、図示の如く、j+1列を共通にして、夫々i+2行、i+1行、i行、i−1行の位置に存在することになる。
【0035】
遅延回路7は、実走査信号S5を2H期間遅延させるので、実走査信号Snは、実走査信号S7と同位置となる。そして、図2の場合には、実走査信号S7を基準として、実走査信号S7とその1H期間前の実走査信号S8との間に間挿すべき補間走査信号(図中、□で示す)S78(Sc)とが生成されるようになっている。
【0036】
演算器15では、実走査信号S5とS6の差分(S5−S6)が算出され、絶対値回路25がこの差分(S5−S6)の絶対値|S5−S6|を求める。
【0037】
演算器16では、実走査信号S6とS7の差分(S6−S7)が算出され、絶対値回路26がこの差分(S6−S7)の絶対値|S6−S7|を求める。
【0038】
演算器17では、実走査信号S7とS8の差分(S7−S8)が算出され、絶対値回路28がこの差分(S7−S8)の絶対値|S7−S8|を求める。
【0039】
演算器18では、実走査信号S8とS9の差分(S8−S9)が算出され、絶対値回路29がこの差分(S8−S9)の絶対値|S8−S9|を求める。
【0040】
演算器19では、実走査信号S6とS8の差分(S6−S8)が算出され、絶対値回路27がこの差分(S6−S8)の絶対値|S6−S8|を求めて、その絶対値の信号m2(=|S6−S8|)を最小セレクタ回路31へ供給する。
【0041】
演算器20は、絶対値回路25,26からの絶対値の信号|S5−S6|と|S6−S7|を加算して、その加算信号m1(=|S5−S6|+|S6−S7|)を最小セレクタ回路31へ供給する。
【0042】
更に、演算器21は、絶対値回路28,29からの絶対値の信号|S7−S8|と|S8−S9|を加算して、その加算信号m3(=|S7−S8|+|S8−S9|)を最小セレクタ回路31へ供給する。
【0043】
こうして求められた信号m1〜m3のうち、最小値の信号を最小セレクタ回路31が検出し、その最小値の信号を最小値信号Mとして出力する。また、係数回路35が、最小値信号Mをk1(=1/4)倍することにより、レベル調整された調整最小値信号M’(=k1×M)が生成される。
【0044】
尚、本実施形態では、実験に基づいてk1=1/4としたが、この係数k1を適宜の定数値に微調整してもよい。
【0045】
符号発生回路30では、実走査信号S6とS8との差分(S8−S6)が算出され、S8−S6>0の場合には、プラス(正)の符号を表す符号信号Spが出力され、S8−S6≦0の場合には、マイナス(負)の符号を表す符号信号Spが出力される。
【0046】
すなわち、符号発生回路30は、図2において基準となる実走査信号S7の上側と下側に位置する実走査信号S6,S8の階調レベルの大小関係を調べることによって画像の階調変化の傾向を調べ、この変化傾向を符号信号Spで表すことにしている。
【0047】
補間成分生成回路32では、符号信号Spがプラス(正)の場合には、正値の上側補間成分補正値Su(=+M’)と、負値の下側補間成分補正値Sd(=−M’)が出力され、また、符号信号Spがマイナス(負)の場合には、負値の上側補間成分補正値Su(=−M’)と、正値の下側補間成分補正値Sd(=+M’)が出力される。
【0048】
すなわち、図2の場合には、実走査信号S7とS8間に間挿すべき補間走査信号Sc(=S78)を微調整するための実走査信号S7の上側補間成分補正値Suが、上記階調変化の傾向に応じてプラス又はマイナスの符号を付けて生成されると共に、実走査信号S7とS6間に間挿すべき補間走査信号Sc(=S67)を微調整するための実走査信号S7の下側補間成分補正値Sdが、上記階調変化の傾向に応じてプラス又はマイナスの符号を付けて生成される。
【0049】
係数回路38には、遅延回路12により1H遅延された実走査信号(実画素データ)S8の下側補間成分補正値Sdが供給され、係数回路39には、実走査信号(実画素データ)S7の上側補間成分補正値Suが供給される。
【0050】
ここで、図3(a)に示すように、例えば実走査信号S6,S8が、S6<S8であれば、実走査信号S7の上側補間成分補正値Suと下側補間成分補正値Sdは、0を基準としてそれぞれ、Su=M’、Sd=−M’となる。一方、図3(b)に示すように、例えば実走査信号S7,S9が、S7>S9であれば、実走査信号S8の上側補間成分補正値Suと下側補間成分補正値Sdは、0を基準としてそれぞれ、Su=−M’、Sd=M’となる。
【0051】
これらの実走査信号S8の下側補間成分補正値Sdと実走査信号S7の上側補間成分補正値Suは、係数回路38,39により、係数Gの乗算された第1補間成分補正値(実走査信号S8の下側補間成分補正値)Sdgと第2補間成分補正値(実走査信号S7の上側補間成分補正値)Sugとなる。
【0052】
尚、この係数Gは櫛歯状妨害検出回路33からの検出信号CNTにより調整される。
【0053】
櫛歯状妨害検出回路33は、次の第1及び第2の条件を調べることにより、櫛歯状妨害を生じさせる絵柄の画像、すなわち垂直方向の幅が3水平ライン程度で水平に近い斜線が存在しているか否か判断する。
【0054】
まず、第1の条件として、垂直方向に連なっている実走査信号(実画素データ)S6〜S9の階調レベルを調べることにより、画像の特徴を検出する。すなわち、差分(S6−S7)と(S8−S9)及び(S7−S8)と、これらの絶対値|S6−S7|と|S8−S9|及び|S7−S8|を算出する。
【0055】
ここで、|S6−S7|>K、|S8−S9|>K、|S7−S8|<Kであって、(S6−S7)と(S8−S9)の符号(傾き)が逆であることの全条件を満足すれば、図7(a)(b)に示すように、実走査信号S6〜S9の階調レベルが変化していると判定する。
【0056】
ここで、差分が(S6−S7)>0且つ(S8−S9)<0であれば、その階調レベルの変化は、同図(a)のように、S6>S7≒S8<S9の関係で変化していると判定し、差分が(S6−S7)<0且つ(S8−S9)>0であれば、同図(b)のように、その階調レベルの変化は、S6<S7≒S8>S9の関係で変化していると判定する。
【0057】
そして、これらの判定の結果、同図(a)又は同図(b)に示すような階調レベルの変化があった場合には、櫛歯状妨害の要件となる第1の条件を満足している判断する。
【0058】
次に、第2の条件として、水平方向及び垂直方向に対して斜めに位置する実走査信号(実画素データ)S1〜S4,S7,S8の階調レベルを調べることにより、画像中に水平に近い斜線(斜向情報)が存在しているか否か検出する。まず、差分(S8−S2)と(S3−S7)と、これらの絶対値|S8−S2|と|S3−S7|、及び差分(S4−S8)と(S7−S1)と、これらの絶対値|S4−S8|と|S7−S1|を算出する。
【0059】
ここで、|S8−S2|>K、|S3−S7|>Kの条件を満足し、且つ差分(S8−S2)と(S3−S8)の極性が互いに逆でない場合、図8(a)に示すように、実走査信号S2,S3の方向に斜向情報が存在していると判定する。
【0060】
または、|S4−S8|>K、|S7−S1|>Kの条件を満足し、且つ差分(S4−S8)と(S7−S1)の極性が互いに逆でない場合、図8(b)に示すように、実走査信号S1,S4の方向に斜向情報が存在していると判定し、その判定結果に基づいて、櫛歯状妨害の要件となる第2の条件を満足していると判断する。
【0061】
そして、上記第1の条件及び第2の条件を満足する場合には、実走査信号S1,S2,S3,S4,S7,S8で形成される画像中に櫛歯状障害を発生させる要因となる斜向情報が含まれていると判断して、検出信号CNTにより係数回路38,39の係数値Gを調整する。すなわち、斜向情報を検出するとそれに応答して、図4(a)(b)に示したように、上側実走査信号の下側補間成分補正値Sdと下側実走査信号の上側補間成分補正値Suのレベルを抑制して、順次走査の映像信号Sout中に櫛歯状障害を生じさせないようにしている。
【0062】
尚、図4においては、計数値Gは、櫛歯状妨害発生時には0に設定される。
【0063】
すなわち、第1補間成分補正値Sdgは、図4(b)に示すようにレベル調整されて、Sdg=G×Sdとなる。一方、第2補間成分補正値Sugは、図4(a)に示すようにレベル調整されて、Sug=G×Suとなる。
【0064】
ここで、斜向情報が検出された時には、例えば、Sdg=0、Sug=0に抑制される。
【0065】
次に、これらの第1補間成分補正値Sdgと第2補間成分補正値Sugが演算器22,23に夫々供給されて、基準補間成分補正値Sb,Saと加算されることにより、次式(1−a)及び(1−b)で表される第1及び第2補間成分信号Sdb,Suaが生成される。
【0066】
第1補間成分信号Sdbは、
Sdb=G×Sdg+Sb=G×Sdg+S8/2 …(1−a)
となり、第2補間成分信号Suaは、
Sua=G×Sug+Sa=G×Sug+S7/2 …(1−b)
となる。
【0067】
そして、第1補間成分信号(補間走査線の上側の実走査信号S8の下側補間成分)Sdbと、第2補間成分信号(補間走査線の下側実走査信号S7の上側補間成分)Suaとが演算器24で加算されることにより、図6に示すように、実走査信号S7,S8間に間挿される補間走査信号Scが生成される。
【0068】
すなわち、実走査信号S7とS8の間に間挿される補間走査信号Sc(=S78)は、実走査信号S7の上側の補間成分信号(図中、□で示す)Suaと、実走査信号S8の下側の補間成分信号(図中、△で示す)Sdbとを加算することによって生成される。
【0069】
これと同様に、垂直方向に隣接する実走査信号の間に間挿される補間走査信号Scは、下側の実走査信号の上側の補間成分信号(図中、□で示す)Suaと、上側の実走査信号の下側の補間成分信号(図中、△で示す)Sdbとを加算することによって生成される。
【0070】
そして、時間軸変換回路34が、これらの補間走査信号Scと実走査信号Snを互いに間挿することで、順次走査の映像信号Soutを生成している。
【0071】
このように本実施形態によれば、実走査信号間に間挿すべき補間走査信号を画像の性状に基づいてレベル調整するようにしたので、良好な画像変換が可能となる。
【0072】
特に、従来技術の平均値補間方法では、図9に示したように、映像信号をサンプリングしてディジタル信号に変換する際に失われたピーク値の再現が困難であったのに対し、本実施形態では、図6(a)に示すように、このピーク値の再現性を向上させ、画像の輪郭部でのピークエッジコントラストを明確に再生することができる。
【0073】
このようなピークエッジの再現処理を行うと、特定の絵柄の画像に対して櫛歯状妨害が生じるが、その場合には、図6(b)に示すように、上側及び下側の補間成分補正値を上述のように制限してピーク値のレベルを抑制するようにしたので、櫛歯状妨害を低減することができる。
【0074】
尚、上述の実施形態では、一の実走査信号とそれに対して同一フィールド内で上下に位置する複数の実走査信号に基づいて一の実走査信号の上側及び下側補間成分信号を算出して補間走査信号を生成する例を示したが、これに限らず、一のフィールドの一の実走査信号とそれに対して時間的に前後するフィールドの複数の実走査信号に基づいて、一の実走査信号に対する上側(前側)及び下側(後側)補間成分信号を算出して、補間走査信号を生成するようにしても良い。この場合、図1中の遅延回路1〜6,8〜12を1フレーム遅延させる回路とすることにより実現できる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の走査線補間装置によれば、下側補間成分生成手段及び上側補間成分生成手段により下側及び上側の補間成分を生成し、斜め検出手段により検出される画像の斜向情報に応じてこれら下側及び上側の補間成分のレベル調整を行い、そのレベル調整により得られる第1及び第2補間成分を加算することで補間走査信号を生成して、この補間走査信号を補間走査線に内挿することとしたので、画像の性状に応じた補間走査信号の生成が可能となり、且つ良好な画質を実現することが可能な画像変換を提供することができる。
【0076】
特に、ディジタルサンプリング等の際に失われた映像信号のピーク値を再現することができるほか、櫛歯状妨害を抑えて、ピークエッジコントラストの適切な画像再現を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る走査線補間装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実走査信号と補間走査信号の時間・空間的一配列を示す説明図である。
【図3】補間成分生成回路で生成される上側補間成分補正値と下側補間成分補正値の階調レベルを示す説明図である。
【図4】係数回路で生成される第1補間成分補正値と第2補間成分補正値の階調レベルを示す説明図である。
【図5】補間成分信号の階調レベルを示す説明図である。
【図6】補間走査信号の生成過程を示す説明図である。
【図7】櫛歯状妨害検出回路の機能を説明するための説明図である。
【図8】櫛歯状妨害検出回路の機能を更に説明するための説明図である。
【図9】従来の平均値補間法による補間走査信号の生成過程を示す説明図である。
【符号の説明】
1〜14…遅延回路
15〜24…演算器
25〜29…絶対値回路
30…符号発生回路
31…最小値セレクタ回路
32…補間成分生成回路
33…櫛歯状妨害検出回路
34…時間軸変換回路
35〜39…係数回路
Claims (2)
- ディジタル化された飛越し走査の映像信号を順次走査の映像信号に変換するために、垂直方向及び水平方向の走査線上に画素単位で配列された実走査信号に基づいて、垂直方向の各画素間に間挿される補間画素の補間走査信号を生成する走査線補間装置であって、
前記実走査信号に基づいて、隣接する実走査信号のレベルを平均化する補間を行うための係数を各実走査信号のレベルに乗じて各実走査信号に対応した基準補間成分値を求める基準補間成分値演算手段と、
上下垂直方向の走査線上で、一つの画素とその上下両側に配列された複数の画素の各実走査信号のレベルに基づいて求めたレベル値に、前記一つの画素の上側に隣接する画素のレベルが前記一つの画素の下側に隣接する画素のレベルより大きい場合は正の符号を付け、前記一つの画素の上側に隣接する画素のレベルが前記一つの画素の下側に隣接する画素のレベル以下の場合は負の符号を付けて、前記実走査信号毎に上側補間成分補正値を求め、該上側補間成分補正値にそれとは正負逆の符号を付けて、当該実走査信号毎に下側補間成分補正値を求める補間成分生成手段と、
上下垂直方向の走査線上に配列される隣接する2つの画素で、前記2つの画素のうち上側の画素の実走査信号における前記下側補間成分補正値に係数値を乗じて第1補間成分補正値を求めると共に、前記2つの画素のうち下側の画素の実走査信号における前記上側補間成分補正値に前記係数値を乗じて第2補間成分補正値を求め、前記第1補間成分補正値に前記上側の画素の実走査信号における基準補間成分値を加えて第1補間成分信号を生成し、前記第2補間成分補正値に前記下側の画素の実走査信号における基準補間成分値を加えて第2補間成分信号を生成し、前記第1補間成分信号に前記第2補間成分信号を加えて前記隣接する2つの画素間の前記補間走査信号を生成する補間走査信号生成手段と、
前記隣接する2つの画素とそれらの上下両側の画素の各実走査信号のレベル変化が、走査方向に沿って減少から増加に変化するか、又は増加から減少に変化する場合を第1の条件とし、前記隣接する2つの画素とその間に対して水平方向斜めに配置された画素の各実走査信号のレベルによって、画像中に水平に近い斜線が存在していることを検出した場合を第2の条件として、前記第1の条件と前記第2の条件が共に満足された場合に、前記係数値のレベルを抑制調整する櫛歯状妨害検出手段と、
を備えることを特徴とする走査線補間装置。 - 前記補間成分生成手段は、
前記一つの画素から走査方向上側に配列される2つの画素における隣接する画素間のレベル差の和を出力する第1加算手段と、前記一つの画素から走査方向下側に配列される2つの画素における隣接する画素間のレベル差の和を出力する第2加算手段と、前記一つの画素の走査方向両側に配列される2つの画素間のレベル差を出力するレベル差出力手段とを備え、
前記第1加算手段の出力,前記第2加算手段の出力,前記レベル差出力手段の出力の中で最小の値をレベル調整して前記レベル値を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載された走査線補間装置。
Priority Applications (2)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP14861099A JP3875430B2 (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | 走査線補間装置 |
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Family Applications (1)
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JP14861099A Expired - Fee Related JP3875430B2 (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | 走査線補間装置 |
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- 1999-05-27 JP JP14861099A patent/JP3875430B2/ja not_active Expired - Fee Related
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