JP3719385B2 - 画像処理装置、画像処理方法、および画像表示装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、および画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、元画像データから新たな画像データを生成する、例えばデジタル画像を任意の倍率に拡大あるいは縮小するのに用いられる画像処理装置および画像表示装置、画像処理方法および画像表示方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来の画素数変換方法で画素数を3倍に変換した場合を示す図である。図において横軸は、画像の水平位置または垂直位置を示し、縦軸は、画像データのレベル(明るさ)を示す。水平方向と垂直方向の画素数の変換は、動作が同じであるので、水平方向の画素数変換の動作のみ説明する。
【0003】
図14のように入力画像データが平坦部(h)とレベル変化(輪郭)部(j、k)で構成されている場合、平坦部(h)もレベル変化部(j、k)も一律に3倍に変換されるため、レベル変化部は、j1、k1のように滑らかなレベル変化に変換される。
【0004】
図15および図16は、従来の画素数変換方法の詳細な動作を説明する図である。図においてp(n)、p(n+1)は入力画像データの隣接した2画素、q(m)は出力画像データの1画素、F(x)は画素数変換に用いるフィルタのレスポンス特性の一例である。
【0005】
p(n)とp(n+1)の距離を1とし、出力画像q(m)がp(n)から距離rの位置の場合、出力画像q(m)は以下の式により求められる。
q(m)=F(r)×p(n)+F(1−r)×p(n+1)
【0006】
図16に示したように出力画像データの画素ごと(q1からq7)に上記演算を実施することで画素数を変換することができる。
【0007】
上記実施の説明では、フィルタのレスポンス特性として図15に示した線形フィルタを用いた場合を示したが、図17のようなレスポンス特性のフィルタを用いて、輪郭部(j1、k1)の鮮鋭度を改善する場合もある。
【0008】
また、図18に示すように複数のレスポンス特性のフィルタを用意し、画像に応じて切り替える方式が、特開平9−266531号公報に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画像処理方法は、以上のように構成されているので、画像を拡大する場合に輪郭部分の鮮鋭度の低下や鮮鋭度を改善するために新たにアンダーシュート(プリシュート)やオーバーシュートが発生し、また、画像を縮小する場合に輪郭部の画素が欠けるなどのいわゆる輪郭部の画質劣化が発生するといった問題点がある。
【0010】
また、画像に応じてフィルタを切り替えることで、フィルタの切り替わり部分で画像の連続性が損なわれるといった問題点もある。
【0011】
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、例えば画像表示を行うに際し任意の倍率に変倍する場合、画像の連続性を損なわずに画像の鮮鋭度を保った(特に、輪郭部の画質劣化を抑えた)画像処理を行うことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理装置は、入力画像を表す画像データに補間演算処理を行うことにより、上記入力画像の画素数を変換する画像処理装置であって、
上記入力画像の互いに隣接する少なくとも3つの画素間における変化の極性を画素データの変化パターンとして検出する変化パターン検出手段と、
上記変化パターンに基づいて、上記入力画像を補間する補間画素の密度を上記画素データの変化に応じて調整するための異なる複数の倍率変化量を任意の基準変換倍率に加算または減算することにより、上記補間画素の各々の変換倍率を求める変換倍率制御手段と、
上記変換倍率に基づいて上記補間画素の各々の補間位置を求め、当該補間位置における補間演算により上記補間画素の画素データを算出する補間演算手段とを備えたものである。
【0013】
また、本発明に係る画像処理装置は、入力画像の輪郭を補正して出力する画像処理装置であって、
上記入力画像の互いに隣接する少なくとも3つの画素間における変化の極性および変化量を画素データの変化パターンとして検出する変化パターン検出手段と、
上記変化パターンに基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の密度を当該輪郭部の変化に応じて調整するための異なる複数の倍率変化量を基準変換倍率に加算または減算することにより、上記補間画素の各々の変換倍率を求める変換倍率制御手段と、
上記変換倍率に基づいて上記補間画素の各々の補間位置を求め、当該補間位置における補間演算により上記補間画素の画素データを算出する補間演算手段とを備えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、各実施の形態に説明するものは、画像の変化パターンを検出する変化パターン検出手段と画像を任意の倍率に変換する画素数変換手段を有し、画像データの変化パターンに応じて変換倍率を制御することでレベル変化部に対応する新たな画像データを生成するようにしたものである。
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における画像処理方法を説明するための説明図である。
図において横軸は、画像の水平位置あるいは垂直位置、縦軸は、画像データのレベル(明るさ)を示している。また、図中上段は、入力画像データ、下段は、前記入力画像データを拡大した場合を示している。
【0016】
次に動作について説明する。
画素数の変換において、垂直画素数の変換と水平画素数の変換は、同様の動作によって実現されるので、ここでは、水平画素数の変換の動作について説明する。
【0017】
入力画像データから画像のレベルの変化を検出し、平坦部(期間a)とレベル変化部に相当する輪郭部(期間bおよびc)を判別する(以降、簡単のためレベル変化部を輪郭部として説明する)。
【0018】
さらに輪郭部は、画像のレベルが変化する前部(期間b)および後部(期間c)を判別する(この場合、入力画像データが元画像データであり、例えば水平方向や垂直方向のような表示画面上の一方向に連続する複数の画素に対応する。この元画像データ間のレベル変化より、元画像データにおける輪郭部を検出する(レベル変化検出工程)。ここで検出された輪郭部は複数の領域に分けられる)。
【0019】
なお、後に詳述するように、レベル変化検出を行うと共にレベル変化の形態を表わす極性情報も出力されるように構成される(ここまでの動作を行う部分までが画像データ比較工程)。
【0020】
判別された画像の平坦部aは、一定の変換倍率nで画素数を変換する。ここで、一定の変換倍率nとは、画像のフォーマット変換や画像を任意の倍率で拡大あるいは縮小するために必要な任意の倍率である。画像のフォーマット変換の一例として、パーソナルコンピュータ(PC)の出力フォーマットの1つである640画素×480ラインの画像を1024画素×768ラインの画像に変換する場合、変換倍率nは、1.6倍である。
【0021】
一方、画像の輪郭部(期間bおよびc)では、画像の変化量に応じて変換倍率を制御する。すなわち、複数の領域に分けられた輪郭部では、それぞれの領域に対応する新たな画像データを生成する際の生成条件(ここでいう生成条件とは、例えば、変換倍率である)が異なる。より具体的には、輪郭の前部bは、平坦部aより高い倍率で変換し、後部cは、平坦部aより低い倍率で画素数を変換する(画像データ比較工程により得られる極性情報に基づいて輪郭部に対応する元画像データからレベル変化(輪郭)部に対応する新たな画像データを生成する際の生成条件を生成する生成条件生成工程、生成条件に基づいてレベル変化(輪郭)部に対応する元画像データからレベル変化(輪郭)部に対応する新たな画像データを生成する画像データ生成工程を含む)。
【0022】
図2は、入力画像データを縮小する場合を示した図である。画像の平坦部aは、一定の変換倍率で縮小し、輪郭の前部bは、平坦部aより高い倍率で変換し、輪郭の後部cは、平坦部aより低い倍率で変換する(輪郭部が複数の領域に分けられ、それぞれの領域に対応する生成条件を異ならせている、あるいは生成条件が異なっている)。この場合、複数の領域の内の、少なくとも隣接する2つの領域に関して異なっていることが必要である。
【0023】
上記動作を画像の水平方向と垂直方向に実施することで、画素数を変換することができる。
【0024】
なお、水平方向の画素数変換と垂直方向の画素数変換は、順次実施することも同時に実施することもできる。
【0025】
また、水平方向の変換倍率と垂直方向の変換倍率は、互いに異なる倍率でも良い。
【0026】
なお、以上に説明した動作は、表示画面上の水平方向について説明しているが、垂直方向に同様の動作を施せば、垂直方向の画像処理を実現できる。
【0027】
また、表示画面上の水平方向(垂直方向)について輪郭部を検出した場合には、水平方向(輪郭部の検出が垂直方向の場合には垂直方向)における新たな画像データの生成条件を出力するが、輪郭検出を行う場合に水平方向(垂直方向)に対応する互いに隣接する3個または5個の元画像データ間のレベル変化を検出すると、処理が単純化され、装置を簡略化することができる。
【0028】
以下、さらに図面を参照しながら、より詳細な形態について説明する。
図3は、この発明の実施の形態1における画像表示装置を表す図である。図において、1は画像信号の入力端子、2は同期信号の入力端子、3はA/D変換手段、4は画像調整手段、5は入力された元画像データを記憶するメモリ手段、6は画素数変換器、7は画像調整手段、8はD/A変換手段、9は表示手段、10は制御手段である。
【0029】
画像信号と同期信号が入力端子1、2に入力される。制御手段10は、入力端子2に入力された同期信号を基準に所定の周波数のサンプリングクロックと画像調整手段4以降を制御するクロックやタイミング信号を発生する。A/D変換手段3は、入力端子1に入力された画像信号を制御手段10が出力したサンプリングクロックでサンプリングし、デジタルの画像データに変換する。A/D変換手段3で変換された画像データは、画像調整手段4に入力され、所望の画像調整が施される。
【0030】
ここで、所望の画像調整とは、例えばメモリ手段5以降を3原色のデータとして処理するに際し、入力画像信号として輝度信号と色信号とが入力される場合やコンポジット信号が入力される場合は、輝度信号と色信号とから3原色のデータへの変換やコンポジット信号から3原色のデータへの変換、あるいは、その逆に3原色の信号が入力され、メモリ手段5以降を輝度信号と色信号とで処理する場合は、3原色のデータから処理に適した形式のデータへの変換などが考えられる。さらに、明るさやコントラストの調整など、画素数変換とは独立した任意の画像調整が施されても良い。
【0031】
画像調整手段4で処理された画像データは、メモリ手段5に一時的に記憶される(記憶工程)。ここで、メモリ手段5は、以降の画素数変換に必要な画素を記憶できるだけ(少なくとも2ライン以上)の容量を持つ。
【0032】
次に、制御手段10の制御によって、メモリ手段5から所定のタイミングで画像データが読み出されるが、必ずしもサンプリングクロックと同一のタイミングでなくても良く、表示手段9を制御するのに必要な任意の周波数で読み出すことができる。
【0033】
メモリ手段5から読み出された画像データPiは、画素数変換器6に入力され、前述したように、画像の輪郭部において、画像のレベルの変化量に応じて変換倍率が制御されながら画素数の変換が行われ、変換後の画像データPoが出力される。
【0034】
画素数変換器6が出力した画像データは、画像調整手段7に入力され、所望の画像調整が施される。ここで、所望の画像調整とは、明るさ、コントラスト、彩度の調整や階調制御などの画素数変換に独立した各種処理および補正や、表示手段9に入力するための信号形式の変換などが含まれる。
【0035】
画像調整手段7で処理された画像データは、D/A変換手段8に入力され、アナログの画像信号に変換される。D/A変換手段8で変換された画像信号は、表示手段9に入力され、制御手段10の制御により所定のタイミングで表示される。
【0036】
なお、図3では、D/A変換手段8でアナログの画像信号に変換して、表示手段9に入力する構成について示したが、表示手段9がデジタルの画像データを直接入力して表示できる場合は、D/A変換手段8を省略することができる(この表示手段9における動作が表示工程に対応する)。
【0037】
次に、画素数変換器6のより詳細な動作について説明する。
ここで画素数変換器6は水平、垂直のそれぞれの方向に独立に画素数変換を行うように構成して良いが、ここでは垂直方向および水平方向の両方向に対して画素数変換を行う場合について説明する。
【0038】
図4は、この発明の実施の形態1における画素数変換器6の詳細な構成を示す図である。
図において、11は垂直画素数変換手段、12は垂直変化パターン検出手段、13は垂直変換倍率制御手段、14は水平画素数変換手段、15は水平変化パターン検出手段、16は水平変換倍率制御手段である。
【0039】
垂直変化パターン検出手段12は、画像データPiの垂直方向の元画像データのレベルの変化パターンを検出して、垂直変化パターン検出結果vd1を出力する。ここで、画像データPiは、図3に示したメモリ手段5から読み出された画像データで、垂直画素数変換手段11および垂直変化パターン検出手段12が必要とする複数の画素で構成される。
【0040】
垂直変換倍率制御手段13は、垂直変化パターン検出手段12が出力する垂直変化パターン検出結果vd1から垂直方向の変換倍率vc1を求め、垂直画素数変換手段11に出力する。垂直画素数変換手段11は、垂直方向の変換倍率vc1に基づいて入力画像の垂直方向の画素数を変換し、変換結果Pvを出力する。
【0041】
次に、水平変化パターン検出手段15は、垂直画素数変換手段11が出力した画像データPvの水平方向の変化パターンを検出して、水平変化パターン検出結果hd1を出力する。水平変換倍率制御手段16は、水平変化パターン検出手段15が出力する水平変化パターン検出結果hd1から水平方向の変換倍率hc1を求め、水平画素数変換手段14に出力する。水平画素数変換手段14は、水平方向の変換倍率hc1に基づいて入力画像の水平方向の画素数を変換し、変換結果Poを出力する。
【0042】
上述の説明においては、垂直および水平の両方向に画素数変換を施す構成例について述べたが、以下では画素数変換の動作について述べる。なお、理解し易くするために水平方向の画素数変換の動作について説明する。
【0043】
図4に示す構成において、垂直変化パターン検出手段12、水平変化パターン検出手段15は輪郭検出手段として機能し、垂直変換倍率制御手段13、水平変換倍率制御手段16は生成条件生成手段として機能し、垂直画素数変換手段11、水平画素数変換手段14は画像データ生成手段として機能する(もちろん、垂直、水平のいずれか一方のデータ処理のための構成、例えば垂直方向に対する新たな画像データ生成においては、垂直変化パターン検出手段12、垂直変換倍率制御手段13、垂直画素数変換手段11のみによって画像処理系が構成されていても良く、水平方向に関しても同様である)。
【0044】
なお、図3、4に示した構成を参照して説明したが、メモリ手段5から出力される画像データPiに対して、垂直変化パターン検出手段12の直前に雑音除去のための低域濾波器(ローパスフィルタ:LPF)を設けても良い。この場合、垂直画素数変換手段11には画像データPiをそのまま入力し、垂直変化パターン検出手段12にはこの直前に設けられるLPFの出力を入力する。このようにすると、画像データPi上に存在する雑音を輪郭部として処理することがなくなり、輪郭部のみ的確に処理することが可能となる(この場合には、垂直変化パターン検出手段12およびLPFにより輪郭検出手段が構成される)。
【0045】
もちろん、このようなLPFは水平変化パターン検出手段15の直前に配置することもでき、垂直方向のデータ処理と同様の効果を水平方向に対して得ることができる(この場合には、水平変化パターン検出手段15およびLPFにより輪郭検出手段が構成される)。もちろん垂直方向、水平方向のいずれか一方向、あるいは両方向に対してこれらの構成を採用することが可能である。
【0046】
なお、以上の説明においては、垂直方向には垂直変化パターン検出手段12あるいはその前段にLPFを設けるものについて述べたが、垂直変換倍率制御手段13の前段がバンドパスフィルタ(BPF)であっても同様の効果を期待できる(これは言うまでもなく、水平方向に対しても同様の構成を採用すれば同様の効果を得ることができる)。この場合には、垂直変化パターン検出手段12およびBPF(あるいは水平変化パターン検出手段15およびBPF)により輪郭検出手段が構成される。
【0047】
図5は、この発明の実施の形態1における水平変化パターン検出手段15の詳細な構成を示す図である。
図において、17および18は画像データを水平方向に対応する画像データ単位(1画素分)で遅延する画像データ遅延手段、19および20は2個の画像データのレベルを比較する画像データ比較手段、21は画像データ比較結果処理手段である。
【0048】
画像データ遅延手段17は入力された画像データPvを水平方向に対する画像データ単位(ここでは、水平方向の1画素分)遅延し、1画素遅延画素データPd1を出力する。画像データ遅延手段18は、画像データ遅延手段17の1画素遅延画素データPd1を水平方向に対する画像データ単位遅延し(すなわち、画像データ遅延手段17および画像データ遅延手段18を経由することにより、最大、水平方向の2画素分の遅延となる)、2画素遅延画素データPd2を出力する。
【0049】
ここで、入力された画像データPvは、水平方向に対する画像データ単位に遅延されていないので0画素遅延画素データPd0(Pd0=Pv)と称すると、2画素、1画素および0画素遅延画像データPd2、Pd1およびPd0は、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データの、第1画素(Pd2)、第2画素(Pd1)および第3画素(Pd0)の入力画像データに相当することになる。
【0050】
画像データ比較手段19には、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データのうち第1画素(Pd2)および第2画素(Pd1)の画像データが図中の入力(b)、(a)にそれぞれ入力され、第1画素と第2画素間(第一区間)の画像データのレベルを比較し、比較結果hcomp1を出力する。
【0051】
画像データ比較手段20には、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データのうち第2画素(Pd1)および第3画素(Pd0)の画像データが図中の入力(b)、(a)にそれぞれ入力され、第2画素と第3画素間(第二区間)の画像データのレベルを比較し、比較結果hcomp2を出力する。
【0052】
図6は、画像データ比較手段19、20の動作を説明する図である。
図6中の、横軸は図5に示した画像データ比較手段19、20それぞれに示した入力(a)、縦軸は図5に示した画像データ比較手段19、20それぞれに示した入力(b)の画像データのレベル(画像データの値)を示している。なお、図では、各入力(a)、(b)において8bit(すなわち0〜255階調)の入力が行われる例を示している。
【0053】
画像データ比較手段19、20は、入力(a)、(b)間のレベルの大小比較を行い、図6に示す様に比較結果(+)、(0)または(−)を出力する。すなわち、入力(b)のレベル>入力(a)のレベル+dの時に比較結果(+)を、入力(a)のレベル−d≦入力(b)のレベル≦入力(a)のレベル+dの時に比較結果(0)を、入力(b)のレベル<入力(a)のレベル−dの時に比較結果(−)を出力する。ここで、dは画像データのレベルの大小比較をする際の不感帯の幅を決定する値であり、入力(a)、(b)の画像データの間にレベル差があっても、その差が+dから−dの範囲の時には、比較結果(0)を各々出力する(+dから−dの範囲を不感帯と称し、以下の記述では±dと表現する場合もある)。
【0054】
この場合の不感帯±dは、例えば画像データにノイズが含まれている時に、そのノイズにより水平変化パターン検出手段15がノイズをパターンの変化として検出しないように設定する。
【0055】
表1は、実施の形態1における画像データ比較結果処理手段21の動作を説明するために元画像データの変化パターン比較結果hcomp1,hcomp2、出力される水平変化パターンhd1および水平変換倍率hc1を示している。
【0056】
【表1】
Figure 0003719385
【0057】
ここで、画像データ比較手段19、20の各比較結果出力hcomp1およびhcomp2は、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データの第1画素と第2画素間(第一区間)、および第2画素と第3画素間(第二区間)に対応する元画像データ間の状態変化(極性変化)をそれぞれ検出することに相当する。
【0058】
そして、画像データ比較結果処理手段21は、表1に示した元画像データ間における変化パターンに従い、これら第一区間の画素間における比較結果出力hcomp1(第1の極性情報)および第二区間の画素間における比較結果出力hcomp2(第2の極性情報)の組み合わせに応じて水平変化パターンhd1を出力する。
【0059】
表1を参照すると理解できるように、元画像データの変化パターンは基本的に9つの場合(水平変化パターンhd1がA、B、C、D、E、F、G、HおよびJの場合)に分類することができる。
【0060】
すなわち、
a)3つの画素間に亙ってレベル変動を生じていない場合(水平変化パターンhd1がA。変換倍率にはnが与えられる)。
b)第一区間でレベル変化を生じないが第二区間でレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がB。変換倍率にはn+αが与えられる)。
【0061】
c)第一区間でレベル変化を生じないが第二区間でレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がC。変換倍率にはn+αが与えられる)。
d)第一区間でレベル増加を生じ第二区間でレベル変化を生じない場合(水平変化パターンhd1がD。変換倍率にはn−αが与えられる)。
【0062】
e)第一区間でレベル減少を生じ第二区間でレベル変化を生じない場合(水平変化パターンhd1がE。変換倍率にはn−αが与えられる)。
f)第一区間および第二区間でレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がF。変換倍率にはnが与えられる)。
【0063】
g)第一区間および第二区間でレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がG。変換倍率にはnが与えられる)。
h)第一区間でレベル増加を生じ第二区間でレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がH。変換倍率にはnが与えられる)。
【0064】
i)第一区間でレベル減少を生じ第二区間でレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がJ。変換倍率にはnが与えられる)の各場合である。
【0065】
ここで、比較結果出力hcomp1,hcomp2はそれぞれ第1、第2の極性情報であるが、これら比較結果出力hcomp1,hcomp2の組み合わせに対応して分類される水平変化パターンhd1(表中のA、B、C、D、E、F、G、HおよびJ)におのおの対応する、例えばコード情報を生成して以降の処理がなされても良い。
【0066】
図7は、水平画素数の変換の動作を詳細に説明する図であり、表1に示された関係に従って元画像データの各変化パターン(図7中(a))、水平変化パターンhd1(図7中(b))および水平変換倍率(図7中(c))および出力画像データ(図7中(d))について示している。
【0067】
水平変換倍率制御手段16は、水平変化パターン検出手段15の出力水平変化パターン検出結果hd1に基づいて、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データの第2画素に対する倍率変化量(ここでは+αまたは−α。但し、αは0<α<n。倍率変化量は変換倍率nの補正係数として機能する。)を、任意の変換倍率nに加算(あるいは減算)して出力する。
【0068】
すなわち、第一区間および第二区間の変化極性の検出結果に基づいてレベル変化を検出して変換倍率nを補正するために変化状態に応じて変換倍率nの補正係数として倍率変化量αの変化を与えると、任意の特性を有する輪郭部分における最終的な変換倍率を自由に制御することができるようになり、高性能な変換が実現できる。
【0069】
この結果、期間aでは変換倍率n、期間bではnより高い倍率(このときの変換倍率はn+α)、期間cではnより低い倍率(このときの変換倍率はn−α)で画素数が変換されることになる。ただし、以下の式で示されるように1ラインにおける水平変換倍率hc1の平均値は、nであるので、画像の変換倍率は局部的に上下するが、画像全体の変換倍率はnとなる。
AVE(hc1)=n
ただし、AVE(x)は変換倍率xの1ラインの平均値を示す。
【0070】
なお、垂直方向においても、上述の水平方向の画素数変換と同様の動作であり、この垂直方向の場合においても垂直方向の画素数の平均値はnとなる(垂直方向の変換倍率がnの場合。もちろん水平方向、垂直方向の変換倍率はそれぞれ独立に設定することができる)。
【0071】
図8は、図7の輪郭部分における画素数変換の動作をより詳細に説明するための説明図である。
【0072】
画像データPvの画素の一部(p1、p2、p3)は、上記動作によって、q11〜q17のように変換される。期間bでは、期間aより画素の密度が高くなり、期間cでは、期間aより画素の密度が低くなる。この結果(q11〜q17)が表示手段9では、s11〜s17に示したように等しい間隔で表示されるので、画素密度が高い部分は、nより高い倍率で拡大され、画素密度の低い部分では、nより低い倍率で拡大されることになる。
【0073】
更に述べると、q11とq12の距離は、p1とp2の距離(処理前の画素の間隔)を1とした場合、q12における変換倍率の逆数で示される。また、q11からq13の距離は、q11からq12の距離にq13における変換倍率の逆数を加算すればよい。このように、水平変換倍率制御手段16が出力する変換倍率hc1の逆数を水平方向に累積加算することで、各画素の位置が求められる。
【0074】
より具体的には、この累積加算した結果から、処理に必要な画素(例えば、p1、p2、p3などの画素が記憶されたメモリ手段のアドレス)やフィルタ係数(フィルタ係数の番号(フィルタ係数がルックアップテーブルの場合の番号(アドレス))やフィルタ係数そのものを指し示す)を求めることができる。
【0075】
上記動作によって、画像データPvの画素の一部(p1、p2、p3)は、q11〜q17のように変換される。図8に示されたものにおいて、期間bでは、期間aより画素の密度が高くなり、期間cでは、期間aより画素の密度が低くなる。より具体的には、この結果(q11〜q17)が表示手段9では、s11〜s17に示したように等しい間隔で表示されるので、画素密度が高い部分ではnより高い倍率(変換倍率はn+α)で拡大され、画素密度の低い部分ではnより低い倍率(変換倍率はn−α)で拡大されることになる。
【0076】
なお、上記動作の説明では画像を拡大する場合について説明したが、画像を縮小する場合も同様で、期間bではnより高い倍率で縮小され(nよりは縮小されない)、期間cではnより低い倍率で縮小される(nより縮小される)。
【0077】
したがって、任意の変換倍率nが1より大きい場合は、輪郭部の鮮鋭度を損なうことなく画像が拡大され、1より小さい場合は、輪郭部の画像の欠けが減るように画像が縮小される。すなわち、拡大、縮小の両方において入力画像の輪郭情報を保存する効果がある。
【0078】
また、倍率変化量αを大きく取ることで、入力画像の輪郭の鮮鋭度を高くすることができ、倍率変化量αによって輪郭部の鮮鋭度を制御することができる。
【0079】
また、変換倍率nが1の時は、画像全体の拡大・縮小は行われず、輪郭部の鮮鋭度のみが制御される。
【0080】
また、変換倍率nと倍率変化量αとを、垂直方向と水平方向とで独立に設定することにより、水平方向の変換倍率と水平方向の輪郭の鮮鋭度、および垂直方向の変換倍率と垂直方向の輪郭の鮮鋭度を独立に制御することができる。
【0081】
例えば、垂直方向の変換倍率nを2に設定し、水平方向の変換倍率nを1に設定することで、インタレース画像からノンインタレース画像に変換(走査線補間)することができ、水平方向と垂直方向の輪郭を独立に所望の鮮鋭度に制御できる。
【0082】
なお、上記動作の説明では、画素数変換の動作として垂直方向の画素数変換と水平方向の画素数変換の動作を順次実施する場合について説明したが、水平方向の画素数を変換した後に垂直方向の画素数を変換しても同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、垂直方向の画素数変換と水平方向の画素数変換を同時に実施しても同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、上記動作の説明では、画素数の変換に用いるフィルタとして線形フィルタの場合について説明したが、非線形などの任意の形のフィルタを用いることができる。
【0085】
図9は、画素数変換器6で垂直方向と水平方向の画素数変換を同時に行う場合の構成を示す図である。図において22は画素数変換手段、23は変化パターン検出手段、24は変換倍率制御手段である。変化パターン検出手段23は画像データPiの垂直および水平方向の変化パターンvd1、hd1を出力する。
【0086】
変換倍率制御手段24は水平変化パターン検出結果hd1と垂直変化パターン検出結果vd1に基づいて変換倍率c1を決定し、画素数変換手段17に出力する。画素数変換手段22は変換倍率c1に基づいて垂直方向と水平方向の画素数を同時に二次元的に変換する。
【0087】
なお、垂直変化パターン検出結果vd1、水平変化パターン検出結果hd1および変換倍率c1の関係は、表1に示す関係と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0088】
実施の形態2.
実施の形態1においては、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データの第1画素と第2画素間(第一区間)、および第2画素と第3画素(第二区間)の元画像データ変化の極性をそれぞれ検出し、第一区間および第二区間の変化極性の検出結果の組み合わせによりレベル変化を検出していたが、変化極性だけでなく変化量も検出するような構成として、第一区間および第二区間の変化極性および変化量の検出結果の組み合わせによりレベル変化を検出して変換倍率nを補正するために、変化の状態に応じて変換倍率nの補正係数として倍率変化量α、β(ここでは、倍率変化量αは実施の形態1に述べたものと同様に与えられ、倍率変化量βは、変換倍率n−倍率変化量α−ABS(β)>0なる条件を満足するように与えられる。ABS(β)は倍率変化量βの絶対値。)の変化を与えると、任意の特性を有する輪郭部分における最終的な変換倍率を自由に制御することができるようになり、より高性能な変換が実現できる。
【0089】
図10は、実施の形態2における画像データ比較手段19、20の動作の一例を説明する図である。
図において、図6と同様に、横軸は図5に示した画像データ比較手段19、20それぞれに示した入力(a)、縦軸は図5に示した画像データ比較手段19、20それぞれに示した入力(b)の画像データのレベル(画像データの値)を示している。なお、図では、各入力(a)、(b)において8bit(すなわち0〜255階調)の入力が行われる例を示している。
【0090】
実施の形態2においては、画像データ比較手段19、20は、入力(a)、(b)の画像データのレベルの大小比較を行い、例えば、図10に示す様に比較結果(2+)、(+)、(0)、(−)または(2−)を出力する。
【0091】
すなわち、2*(a)+d<(b)の時に比較結果(2+)を、(a)+d<(b)≦2*(a)+dの時に比較結果(+)を、(a)−d≦(b)≦(a)+dの時に比較結果(0)を、0.5*(a)−d≦(b)<(a)−dの時に比較結果(−)を、(b)<0.5*(a)−dの時に比較結果(2−)を出力する(これにより、以下に述べる所定の変化範囲が決定される)。
【0092】
ここで、dは実施の形態1と同様に画像データのレベルの大小比較をする際の不感帯の幅を決定する値であり、入力(a)、(b)の画像データの間にレベル差があっても、その差が−dから+dの範囲の時には、比較結果(0)を各々出力する。
【0093】
表2〜4は、実施の形態2における、画像データ比較結果処理手段21の動作を説明するために、元画像データの変化パターン、比較結果hcomp1,hcomp2、出力される水平変化パターンhd1および水平変換倍率hc1を示している。
【0094】
【表2】
Figure 0003719385
【0095】
【表3】
Figure 0003719385
【0096】
【表4】
Figure 0003719385
【0097】
ここで、画像データ比較手段19、20の各比較結果出力hcomp1およびhcomp2は、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する3個の元画像データの第1画素と第2画素間(第一区間)および第2画素と第3画素間(第二区間)にそれぞれ対応する元画像データ間の状態変化(極性の変化)と変化量をそれぞれ検出することに相当する。
【0098】
そして、画像データ比較結果処理手段21は表2〜表4に示した元画像データ間における変化パターンに従い、これら第一区間の画素間における比較結果出力hcomp1および第二区間の画素間における比較結果出力hcomp2の組み合わせに応じて、水平変化パターンhd1を出力する。
【0099】
表2〜4を参照すると理解できるように、元画像データの変化パターンは実施の形態1に説明した表1に示した基本的な9つの場合(水平変化パターンhd1がA、B、C、D、E、F、G、HおよびJの場合)およびレベル増加あるいはレベル減少の程度を考慮した4つの場合(水平変化パターンhd1がB+、C−、D+およびE−の場合)の合計13の場合に分類することができる。
【0100】
なお、水平変化パターンhd1がA、B、B+、C、C−、D、D+、EおよびE−までを表2に、水平変化パターンhd1がFおよびGを表3に、水平変化パターンhd1がHおよびJを表4に各々示してある。
【0101】
表2〜4を参照して、上記の分類について以下説明する。
a)3つの画素間に亙ってレベル変動を生じていない場合(水平変化パターンhd1がA。変換倍率にはnが与えられる)。
b)第一区間でレベル変化を生じないが第二区間で所定の変化範囲までのレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がB。変換倍率にはn+αが与えられる)。
【0102】
c)第一区間でレベル変化を生じないが第二区間で所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がB+。変換倍率にはn+α+βが与えられる)。
d)第一区間でレベル変化を生じないが第二区間で所定の変化範囲までのレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がC。変換倍率にはn+αが与えられる)。
【0103】
e)第一区間でレベル変化を生じないが第二区間で所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がC−。変換倍率にはn+α+βが与えられる)。
f)第一区間で所定の変化範囲までのレベル増加を生じ第二区間でレベル変化を生じない場合(水平変化パターンhd1がD。変換倍率にはn−αが与えられる)。
【0104】
g)第一区間で所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じ第二区間でレベル変化を生じない場合(水平変化パターンhd1がD+。変換倍率にはn−α−βが与えられる)。
h)第一区間で所定の変化範囲までのレベル減少を生じ第二区間でレベル変化を生じない場合(水平変化パターンhd1がE。変換倍率にはn−αが与えられる)。
【0105】
i)第一区間で所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じ第二区間でレベル変化を生じない場合(水平変化パターンhd1がE−。変換倍率にはn−α−βが与えられる)。
j)第一区間および第二区間で所定の変化範囲までのレベル増加を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じ第二区間では所定の変化範囲までのレベル増加を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲までのレベル増加を生じ第二区間では所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じる場合、および第一区間ならびに第二区間で所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がF。変換倍率にはnが与えられる)。
【0106】
k)第一区間および第二区間で所定の変化範囲までのレベル減少を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じ第二区間では所定の変化範囲までのレベル減少を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲までのレベル減少を生じ第二区間では所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じる場合、および第一区間ならびに第二区間で所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がG。変換倍率にはnが与えられる)。
l)第一区間では所定の変化範囲までのレベル増加を生じ第二区間では所定の変化範囲までのレベル減少を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じ第二区間では所定の変化範囲までのレベル減少を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲までのレベル増加を生じ第二区間では所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じる場合、および第一区間では所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じ第二区間では所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じる場合(水平変化パターンhd1がH。変換倍率にはnが与えられる)。
【0107】
m)第一区間では所定の変化範囲までのレベル減少を生じ第二区間では所定の変化範囲までのレベル増加を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じ第二区間では所定の変化範囲までのレベル増加を生じる場合、第一区間では所定の変化範囲までのレベル減少を生じ第二区間では所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じる場合、および第一区間では所定の変化範囲を越えてレベル減少を生じ第二区間では所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じる場合(水平変化パターンhd1がJ。変換倍率にはnが与えられる)の各場合である。
【0108】
ここで、比較結果出力hcomp1,hcomp2はそれぞれ第1、第2の極性情報であるが、これら比較結果出力hcomp1,hcomp2の組み合わせに対応して分類される水平変化パターンhd1(表中のA、B、B+、C、C−、D、D+、E、E−、F、G、HおよびJ)におのおの対応する、例えばコード情報を生成して以降の処理がなされても良い。
【0109】
この実施の形態2における倍率変化量βは、実施の形態1に述べた倍率変化量αによって得られる画像における輪郭部でのレベル変化が急激である場合に、そのレベル変化を更に大きくなるようにするか、逆に、レベル変化を小さくなるようにするかのいずれかの機能を実現するために用いられる(但し、先にも述べたように、倍率変化量βは、変換倍率n−倍率変化量α−ABS(β)>0なる条件を満足するように与えられる。なお、倍率変化量βは正負いずれの値もとりうる。)。
【0110】
例えば、水平変化パターンhd1がBであるものとB+であるものとは比較結果出力hcomp2において、所定の変化範囲までのレベル増加を生じているか所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じているかの点で異なる。
【0111】
水平変化パターンhd1がB+のように所定の変化範囲を越えてレベル増加を生じている際、最終的に得られる画像における輪郭部をさらに強調するために正の倍率変化量βを変換倍率n+αに加算し(実質、与えられる変換倍率n+α+ABS(β))、輪郭部を弱めるためには負の倍率変化量βを変換倍率n+αに加算する(実質、与えられる変換倍率n+α−ABS(β))。
【0112】
このような手法は、同様に、水平変化パターンhd1がC−、D+およびE−である場合にも適用される。
【0113】
例えば、ディジタル画像信号を処理する場合、簡単な構成としては倍率変化量αやβ等をそれぞれ一つの値(データ)として記憶しておき参照することが行われる(もちろん、より複雑には倍率変化量αやβ等を複数記憶しておきレベル変化の状態によって選択するように構成することもできる)。
【0114】
このような簡単な構成を採用する場合には、この実施の形態2に述べる手法が非常に有効であり、倍率変換を行う場合、簡単な構成で輪郭部を確実に表現できる。
【0115】
なお、実施の形態2は、画像データ比較手段19、20の出力する検出結果と画像データ比較結果処理手段21の出力する変化パターンが異なるが構成および動作については実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0116】
実施の形態3.
実施の形態1または2においては、画像の変化パターンを表示画面上の互いに隣接する3個の元画像データの第1画素と第2画素間(第一区間)、および第2画素と第3画素(第二区間)に対応する元画像データ変化を検出して、変化パターンを出力していたが、表示画面上の互いに隣接する5個の元画像データの第1画素に連続し、当該第1画素よりも先行する画素(先行画素)と第1画素間(先行区間)、第1画素と第2画素(第一区間)、第2画素と第3画素(第二区間)および第3画素と当該第3画素に後続する画素に対応する後続画素(後続区間)の各元画像データ変化の極性をそれぞれ検出して、変化パターンを出力するように構成して、第一区間〜第四区間における変化極性の検出結果の組み合わせによりレベル変化を検出して変換倍率nを補正するために、変化の状態に応じて変換倍率nの補正係数として倍率変化量α、γ分の変化(ここでは、倍率変化量αは実施の形態1に述べたものと同様に与えられ、倍率変化量γは、変換倍率n−倍率変化量α−ABS(γ)>0なる条件を満足するように与えられる。ABS(γ)は倍率変化量γの絶対値。)を与えると、任意の特性を有する輪郭部分における最終的な変換倍率を自由に制御することができるようになり、全体構成の簡略性を維持しながら、さらに高性能な変換を実現することができるようになる。
【0117】
図11は、実施の形態3における水平変化パターン検出手段5の詳細な構成を示す図である。
図において、17、18、25および26は画像データを水平方向に対応する画像データ単位で遅延する画像データ遅延手段、19、20、27および28は2個の画像データのレベルを比較する画像データ比較手段、29は画像データ比較結果処理手段である。
なお、図中において図5と同じ符号を付した部分は、同一の動作を行う部分である。
【0118】
画像データ遅延手段25は、入力された画像データPvを水平方向に対する画像データ単位(ここでは、水平方向の1画素分)遅延し、1画素遅延画素データPd1を出力する。画像データ遅延手段17は、画像データ遅延手段25の1画素遅延画素データPd1を水平方向に対する画像データ単位遅延し、2画素遅延画素データPd2を出力する。画像データ遅延手段18は、画像データ遅延手段17の1画素遅延画素データPd2を水平方向に対する画像データ単位遅延し、3画素遅延画素データPd3を出力する。画像データ遅延手段26は、画像データ遅延手段18の1画素遅延画素データPd3を水平方向に対する画像データ単位遅延し(すなわち、画像データ遅延手段25、17、18、26を経由することにより、最大で水平方向の4画素分の遅延となる)、4画素遅延画素データPd4を出力する。
【0119】
ここで、入力された画像データPvは、水平方向に対する画像データ単位に遅延されていないので0画素遅延画素データPd0(Pd0=Pv)と称すると、4画素、3画素、2画素、1画素および0画素遅延画像データPd4、Pd3、Pd2、Pd1およびPd0は、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の元画像データの、先行画素(Pd4)、第1画素(Pd3)、第2画素(Pd2)、第3画素(Pd1)および後続画素(Pd0)の入力画像データに相当することになる。
【0120】
画像データ比較手段19には、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の元画像データのうち第1画素(Pd3)および第2画素(Pd2)の画像データが入力され、第1画素と第2画素間(第一区間)の画像データのレベルを比較し、第1の極性情報としての比較結果hcomp1を出力する。
【0121】
画像データ比較手段20には、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の元画像データのうち第2画素(Pd2)および第3画素(Pd1)の画像データが入力され、第2画素と第3画素間(第二区間)の画像データのレベルを比較し、第2の極性情報としての比較結果hcomp2を出力する。
【0122】
画像データ比較手段27には、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の元画像データのうち先行画素(Pd4)および第1画素(Pd3)の画像データが入力され、先行画素と第1画素間(先行区間)の画像データのレベルを比較し、第3の極性情報としての比較結果hcomp0を出力する。
【0123】
画像データ比較手段28には、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の元画像データのうち第3画素(Pd1)および後続画素(Pd0)の画像データが入力され、第3画素と後続画素間(後続区間)の画像データのレベルを比較し、第4の極性情報としての比較結果hcomp3を出力する。
【0124】
以上のように構成すると、実施の形態3と実施の形態1および2との関係は以下の通りとなる。
【0125】
実施の形態3における第1画素、第2画素および第3画素は、それぞれ実施の形態1および2の第1画素、第2画素、および第3画素に対応する。また、実施の形態3における第一区間および第二区間は、実施の形態1および2における第一区間および第二区間に対応する。
【0126】
表5は、実施の形態3における、画像データ比較結果処理手段29の動作を説明するために、元画像データの変化パターン、比較結果hcomp1,hcomp2,hcomp0およびhcomp3、出力される水平変化パターンhd1および水平変換倍率hc1を示している。
【0127】
【表5】
Figure 0003719385
【0128】
ここで、画像データ比較手段27、19、20および28の各比較結果出力hcomp0、hcomp1、hcomp2およびhcomp3は、表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の元画像データの先行画素と第1画素間(先行区間)、第1画素と第2画素(第一区間)、第2画素と第3画素(第二区間)および第3画素と後続画素(後続区間)の元画像データ間の状態変化(極性変化)の極性をそれぞれ検出することに相当する。
【0129】
そして、画像データ比較結果処理手段29は表5に示した元画像データ間における変化パターンに従い、これら、第一区間の画素間における比較結果出力hcomp1、第二区間の画素間における比較結果出力hcomp2、先行区間の画素間における比較結果出力hcomp0および後続区間の画素間における比較結果出力hcomp3の組み合わせに応じて水平変化パターンhd1を出力する。
【0130】
表5を参照すると理解できるように、元画像データの変化パターンは実施の形態1に説明した表1に示した基本的な9つの場合(水平変化パターンhd1がA、B、C、D、E、F、G、HおよびJの場合)およびこれら9つの場合をさらに水平変化パターンの前後の変化の状態を考慮した4つの場合(水平変化パターンhd1がBF、CG、DFおよびEGの場合)の合計13の場合に分類することができる。
【0131】
この実施の形態においては、比較結果出力hcomp1およびhcomp2を表1に示したような基本的な変化パターン(すなわち、隣接する3画素間の変化パターン)とみて、当該基本的な変化パターンの時間的に前の変化を表わす比較結果出力hcomp0および基本的な変化パターンの時間的に後の変化を表わす比較結果出力hcomp3に応じて(すなわち、先の3画素の前後の2画素分の変化)水平変換倍率hc1を設定する。
【0132】
すなわち、
a)第一区間および第二区間においてレベル変化を生じていない場合(水平変化パターンhd1がA。このときは先行区間および後続区間における変化パターンは無関係。変換倍率にはnが与えられる)。
【0133】
b)第一区間においてレベル変化を生じておらず第二区間でレベル増加を生じ、かつ後続区間でレベル減少を生じているかレベル変化を生じていない場合(水平変化パターンhd1がB。このときは先行区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn+αが与えられる)。
c)第一区間においてレベル変化を生じておらず第二区間でレベル増加を生じ、かつ後続区間でレベル増加を生じている場合(水平変化パターンhd1がBF。このときは先行区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn+α+γが与えられる)。
【0134】
d)第一区間においてレベル変化を生じておらず第二区間でレベル減少を生じ、かつ後続区間でレベル減少を生じている場合(水平変化パターンhd1がCG。このときは先行区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn+α+γが与えられる)。
e)第一区間においてレベル変化を生じておらず第二区間でレベル減少を生じ、かつ後続区間でレベル変化を生じていないかレベル増加を生じている場合(水平変化パターンhd1がC。このときは先行区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn+αが与えられる)。
【0135】
f)第一区間においてレベル増加を生じ第二区間でレベル変化を生じておらず、かつ先行区間でレベル減少を生じているかレベル変化を生じていない場合(水平変化パターンhd1がD。このときは後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn−αが与えられる)。
g)第一区間においてレベル増加を生じ第二区間でレベル変化を生じておらず、かつ先行区間でレベル増加を生じている場合(水平変化パターンhd1がDF。このときは後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn−α−γが与えられる)。
【0136】
h)第一区間においてレベル減少を生じ第二区間でレベル変化を生じておらず、かつ先行区間でレベル減少を生じている場合(水平変化パターンhd1がEG。このときは後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn−α−γが与えられる)。
i)第一区間においてレベル減少を生じ第二区間でレベル変化を生じておらず、かつ先行区間でレベル変化を生じていないかレベル増加を生じている場合(水平変化パターンhd1がE。このときは後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはn−αが与えられる)。
【0137】
j)第一区間および第二区間の各区間においてレベル増加を生じている場合(水平変化パターンhd1がF。このときは先行区間および後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはnが与えられる)。
k)第一区間および第二区間の各区間においてレベル減少を生じている場合(水平変化パターンhd1がG。このときは先行区間および後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはnが与えられる)。
【0138】
l)第一区間ではレベル増加を生じ、第二区間ではレベル減少を生じている場合(水平変化パターンhd1がH。このときは先行区間および後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはnが与えられる)。
m)第一区間ではレベル減少を生じ、第二区間ではレベル増加を生じている場合(水平変化パターンhd1がJ。このときは先行区間および後続区間における変化パターンは無関係。変化倍率にはnが与えられる)の各場合である。
【0139】
ここで、比較結果出力hcomp1,hcomp2,hcomp0およびhcomp3はそれぞれ第1、第2、第3および第4の極性情報であるが、これら比較結果出力hcomp1,hcomp2,hcomp0およびhcomp3の組み合わせに対応して分類される水平変化パターンhd1(表中のA、B、BF、CG、C、D、DF、EG、E、F、G、HおよびJ)におのおの対応する、例えばコード情報を生成して以降の処理がなされても良い。
【0140】
この実施の形態3における倍率変化量βは、実施の形態1に述べた倍率変化量αによって得られる画像における輪郭部でのレベル変化が急激である場合に、そのレベル変化を更に大きくなるようにするか、逆に、レベル変化を小さくなるようにするかのいずれかの機能を実現するために用いられる(但し、先にも述べたように、倍率変化量γは、変換倍率n−倍率変化量α−ABS(γ)>0なる条件を満足するように与えられる。なお、倍率変化量γは正負いずれの値もとりうる。)。
【0141】
例えば、水平変化パターンhd1がBであるものとBFであるものとは比較結果出力hcomp3において、後続区間においてレベル増加を生じている(または、レベル変化が生じていない)か、当該区間においてレベル増加を生じているかの点で異なる。
【0142】
水平変化パターンhd1がBFのように後続区間においてレベル増加を生じている際、最終的に得られる画像における輪郭部をさらに強調するために正の倍率変化量γを変換倍率n+αに加算し(実質、与えられる変換倍率n+α+ABS(γ))、輪郭部を弱めるためには負の倍率変化量γを変換倍率n+αに加算する(実質、与えられる変換倍率n+α−ABS(γ))。
【0143】
このような手法は、同様に、水平変化パターンhd1がCG、DFおよびEGである場合にも適用される。
【0144】
例えば、ディジタル画像信号を処理する場合、簡単な構成としては倍率変化量αやγ等をそれぞれ一つの値(データ)として記憶しておき参照することが行われる(もちろん、より複雑には倍率変化量αやγ等を複数記憶しておきレベル変化の状態によって選択するように構成することもできる)。
【0145】
このような簡単な構成を採用する場合には、この実施の形態3に述べる手法が非常に有効であり、倍率変換を行う場合、簡単な構成で輪郭部を確実に表現できる。
【0146】
また、画像データ比較手段27、19、20および28から出力される比較結果出力hcomp0、hcomp1、hcomp2およびhcomp3、すなわち表示画面上の水平方向に対応する互いに隣接する5個の画素に対応する5つの元画像データの第1画素に連続し当該第1画素よりも先行する画素(先行画素)と第1画素間(先行区間)、第1画素と第2画素間(第一区間)、第2画素と第3画素間(第二区間)および第3画素と当該第3画素に後続する画素に対応する後続画素間(後続区間)のそれぞれに対応する各元画像データ間の状態変化(極性変化)とその変化量をそれぞれ検出して、第一区間の画素間における比較結果出力hcomp1、第二区間の画素間における比較結果出力hcomp2、先行区間の画素間における比較結果出力hcomp0および後続区間の画素間における比較結果出力hcomp3の組み合わせを予めルックアップテーブル等に用意しておき、この用意されたルックアップテーブル等を参照して比較結果出力に対応する水平変化パターンhd1を出力するように構成しても良い。
【0147】
なお、実施の形態3は、実施の形態1および2とは水平変化パターン検出手段15の構成が異なるが、その他の構成および動作については実施の形態1および2と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0148】
また、変化パターンによる分類において、実施の形態3の説明のために用いた表5に示された例に、さらに実施の形態2の説明のために用いた表2〜4に示された例の考え方を適用し、各区間のレベル変化の度合いを考慮して与える水平変換倍率hc1を設定することができることは説明するまでもない。
【0149】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態1から3においては、入力される画像信号がアナログ信号の場合について示したが、これに限るものではなく、デジタルの画像データが入力されても良い。
【0150】
図12は、この発明の実施の形態4における画像表示装置を示す図である。
図において、30はデジタル画像データの入力端子、31は画像調整手段7からの出力データを表示するデジタルデータを直接入力することのできる表示手段、32は制御手段である。
【0151】
次に動作について説明する。
デジタルの画像データが入力端子30に入力され、この入力端子30に入力された画像データは画像調整手段4に入力される。また、同期信号が入力端子2に入力され、この入力端子2に入力された同期信号は制御手段32に入力される。
【0152】
画像調整手段4、メモリ手段5、画素数変換器6および画像調整手段7は、制御手段32から出力される制御信号に基づいて、実施の形態1および実施の形態2と同様の動作により、画素数の変換とその他の画像処理を行う。
【0153】
画像調整手段7が出力した画像データは、表示手段31に直接入力され、制御手段32から出力される制御信号に基づいて所定のタイミングで表示される。その他の詳細な動作の説明は、実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3に述べた動作と基本的に同様であるので、説明は省略する。
【0154】
なお、上記実施の形態4における動作の説明では、デジタル画像データを直接入力できる表示手段31を用いて説明したが、表示手段31の代わりに実施の形態1に示したD/A変換手段8および表示手段9を用いて構成することもできる。
【0155】
以上、実施の形態1から4について、主に水平方向の画像データの画像処理について説明したが、垂直方向の画像データの画像処理に適用できることは敢えて説明するまでもなく、それにより得られる効果も同様のものが垂直方向についても得られる。
【0156】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態1から4では、ハードウエアによって画素数を変換する構成について説明したが、ソフトウエアによって画素数の変換を行うこともできる。図13は、ソフトウエア処理(もちろん、ソフトウェア、ハードウェアが混在していても良い)による画素数変換の動作(画像処理方法・画像表示方法)を説明するフローチャートである。
【0157】
次に動作について説明する。
ここで、画素数変換は、水平、垂直のそれぞれの方向に独立に画素数変換を行うように構成して良いが、ここでは垂直方向および水平方向の両方向に対して画素数変換を行う場合について説明する。
【0158】
(図中Aのフローによる垂直方向のデータ生成動作の開始)
理解を容易にするため図4を参照するならば、垂直変化パターン検出手段12は下記に述べるようなデータ抽出部と垂直変化パターン検出部とを含む。
データ抽出部において、画素数を変換する画像データ(図4のPiに相当)から着目画素に対する垂直変化パターンの検出とフィルタ演算に必要な複数の画素データを抽出する。
【0159】
垂直変化パターン検出部12において、データ抽出部で抽出された複数の画素データから垂直方向の変化パターン検出結果(図4のvd1に相当)を算出する(ここまでがレベル変化検出工程に相当する)。
【0160】
垂直変換倍率算出部(図4の垂直変換倍率制御手段13に相当)では、垂直変化パターン検出部で算出された変化パターン検出結果および画像全体の変換倍率(図7のnに相当)から着目画素に対する垂直方向の変換倍率(図4のvc1に相当)を算出する(生成条件生成工程)。
【0161】
フィルタ演算部(図4を参照するならば、垂直画素数変換手段11)では、垂直変換倍率演算部で算出された変換倍率とデータ抽出部で抽出された複数の画素データからフィルタ演算を実施し、演算結果を保存する(画像データ生成工程)。
【0162】
上記動作を着目画素が画像の端に達するまで繰り返す。ここで、画像の端とは、画像の左側から演算する場合は、画像の右端を示す。
【0163】
着目画素が画像の端に達した場合は、着目画素を次のラインに移動し上記演算を実施する。この動作を全画素に実施することで、垂直方向の画素数の変換が完了する(図中Aのフローによる動作の終了)。
【0164】
(図中Bのフローによる水平方向のデータ生成動作の開始)
理解を容易にするために図4を参照するならば水平変換パターン検出手段15は下記に述べるようなデータ抽出部と水平変化パターン検出部とを備える。
次のデータ抽出部では、垂直方向の画素数が変換された画像データ(図4のPvに相当)から、着目画素に対する水平変化パターンの検出とフィルタ演算に必要な複数の画素データを抽出する。
【0165】
水平変化パターン検出部において、データ抽出部で抽出された複数の画素データから水平方向の変化パターン検出結果(図4のhd1に相当)を算出する。水平変換倍率算出部(図4の水平変換倍率制御手段16に相当)では、水平変化パターン検出部で算出された水平変化パターン検出結果および画像全体の変換倍率(図5のnに相当)から着目画素に対する水平方向の変換倍率(図4のhc1に相当)を算出する。
【0166】
フィルタ演算部(図4の水平画素数変換手段14に相当)では、水平変換倍率演算部で算出された変換倍率(新たな画像データを生成する際の生成条件)とデータ抽出部で抽出された複数の画素データからフィルタ演算を実施し、演算結果を保存する。
【0167】
次に上記動作を着目画素が画像の端に達するまで繰り返す。
【0168】
着目画素が画像の端に達した場合は、着目画素を次のラインに移動し上記演算を実施する。この動作を全着目画素に実施することで、画素数の変換が完了する(図中Bのフローによる動作の終了)。
【0169】
なお、上記動作の説明では、垂直方向の画素数を変換した後に水平方向の画素数を変換する場合について示したが、水平方向の画素数を変換した後に垂直方向の画素数を変換しても良い(すなわち、図中Bのフローによる動作を先に実施した後、図中Aのフローによる動作が行われても良い)。また、先に述べたように、図中Aのフローによる動作と、図中Bのフローによる動作のいずれか一方の動作が実施されても良い。
【0170】
また、上記動作の説明では、垂直および水平の画素数を変換する際に着目画素を画像の左から右、上から下の順番で演算する場合について示したが、この限りではなく、任意の方向から演算しても同様の結果を得ることができる。
【0171】
なお、先に述べた変換倍率に対応する1ラインの平均値n(垂直、水平のいずれかの方向の変換倍率がnのとき。もちろん、垂直、水平各方向の変換倍率はそれぞれ独立に設定することができる)は、垂直、水平の両方向(両方向に変換倍率がnであるとき)あるいはいずれか一方の方向において成立するように構成する。
【0172】
【発明の効果】
本発明に係る画像処理装置および画像処理方法によれば、画素データの変化に応じて補間画素の密度を調整する倍率変化量を求め、当該倍率変化量を用いて補間画素の画素データを算出するので、輪郭部における鮮鋭度を損なうことなく画像の拡大処理を行うことができる。
また、入力画像の輪郭部を補正する補間画素の密度を画素データの変化に応じて調整するための倍率変化量を求め、当該倍率変化量を用いて補間画素の画素データを算出するので、輪郭部の鮮鋭度を向上させ、より鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における画像処理動作を示す図である。
【図2】 実施の形態1における画像処理動作を示す図である。
【図3】 実施の形態1における画像表示装置の構成を示す図である。
【図4】 実施の形態1における画像処理装置の構成を示す図である。
【図5】 実施の形態1における画像処理動作の構成を示す図である。
【図6】 実施の形態1における画像処理動作を示す図である。
【図7】 実施の形態1における画像処理動作を示す図である。
【図8】 実施の形態1における画像処理動作を示す図である。
【図9】 実施の形態1における画像処理動作の別の構成を示す図である。
【図10】 実施の形態2における画像処理動作を示す図である。
【図11】 実施の形態3における画像表示装置の構成を示す図である。
【図12】 実施の形態4における画像表示装置の構成を示す図である。
【図13】 実施の形態5における画像処理動作のフローチャートである。
【図14】 従来の画像処理動作を示す図である。
【図15】 従来の画像処理動作を示す図である。
【図16】 従来の画像処理動作を示す図である。
【図17】 従来の画像処理手段のレスポンス特性の一例を示す図である。
【図18】 従来の画像処理手段のレスポンス特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
6 画素数変換器、12 垂直変化パターン検出手段、13 垂直変換倍率制御手段、11 垂直画素数変換手段、15 水平変化パターン検出手段、16 水平変換倍率制御手段、14 水平画素数変換手段、17,18,25,26 遅延手段、19,20,27,28 画像データ比較手段、22 画素数変換手段、23 変化パターン検出手段、24 変換倍率制御手段、29 画像データ比較結果処理手段、hcomp1,hcomp2,hcomp3,hcomp4 比較結果出力、hd1 水平変化パターン検出結果、vd1 垂直変化パターン検出結果、hc1 水平変換倍率、vc1 垂直変換倍率。

Claims (9)

  1. 入力画像を表す画像データに補間演算処理を行うことにより、上記入力画像の画素数を変換する画像処理装置であって、
    上記入力画像の互いに隣接する少なくとも3つの画素間における変化の極性を画素データの変化パターンとして検出する変化パターン検出手段と、
    上記変化パターンに基づいて、上記入力画像を補間する補間画素の密度を上記画素データの変化に応じて調整するための異なる複数の倍率変化量を任意の基準変換倍率に加算または減算することにより、上記補間画素の各々の変換倍率を求める変換倍率制御手段と、
    上記変換倍率に基づいて上記補間画素の各々の補間位置を求め、当該補間位置における補間演算により上記補間画素の画素データを算出する補間演算手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記変化パターン検出手段は、隣接する画素データの比較結果に基づいて上記変化パターンを検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 入力画像の輪郭を補正して出力する画像処理装置であって、
    上記入力画像の互いに隣接する少なくとも3つの画素間における変化の極性および変化量を画素データの変化パターンとして検出する変化パターン検出手段と、
    上記変化パターンに基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の密度を当該輪郭部の変化に応じて調整するための異なる複数の倍率変化量を基準変換倍率に加算または減算することにより、上記補間画素の各々の変換倍率を求める変換倍率制御手段と、
    上記変換倍率に基づいて上記補間画素の各々の補間位置を求め、当該補間位置における補間演算により上記補間画素の画素データを算出する補間演算手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  4. 補間演算手段は、変換倍率の逆数を水平および/または垂直方向に累積加算することにより、上記補間画素の水平および/または垂直方向における補間位置を算出することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  6. 入力画像を表す画像データに補間演算処理を行うことにより、上記入力画像の画素数を変換する画像処理方法であって、
    上記入力画像の互いに隣接する少なくとも3つの画素間における変化の極性および変化量を画素データの変化パターンとして検出する工程と、
    上記変化パターンに基づいて、上記入力画像を補間する補間画素の密度を上記画素データの変化に応じて調整するための異なる複数の倍率変化量を任意の基準変換倍率に加算または減算することにより、上記補間画素の各々の変換倍率を求める工程と、
    上記変換倍率に基づいて上記補間画素の各々の補間位置を求め、当該補間位置における補間演算により上記補間画素の画素データを算出する工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
  7. 上記変化パターンを、隣接する画素データの比較結果に基づいて検出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
  8. 入力画像の輪郭を補正して出力する画像処理方法であって、
    上記入力画像の互いに隣接する少なくとも3つの画素間における変化の極性を画素データの変化パターンとして検出する工程と、
    上記変化パターンに基づいて、上記入力画像の輪郭部を補正する補間画素の密度を上記画素データの変化に応じて調整するための異なる複数の倍率変化量を基準変換倍率に加算または減算することにより、上記補間画素の各々の変換倍率を求める工程と、
    上記変換倍率に基づいて上記補間画素の各々の補間位置を求め、当該補間位置における補間演算により上記補間画素の画素データを算出する工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
  9. 変換倍率の逆数を水平および/または垂直方向に累積加算することにより、上記補間画素の水平および/または垂直方向における補間位置を算出することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像処理方法。
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