JP3874516B2 - スロットルバルブの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダへ吸入される吸入空気の量を制御するスロットルバルブの制御装置に係り、特に、該スロットルバルブがアクセルペダルの踏み込み量や内燃機関の運転状態に応じて、バッテリーから給電されるモーターのようなアクチュエーターで駆動制御される電子制御式スロットルバルブ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関のスロットルバルブの開度の制御を電動式アクチュエーターにより駆動するようにした電子制御式のスロットルバルブが開発されており、前記電動式アクチュエーターは、スターターモーターや内燃機関の制御装置を駆動する電源として使用されるバッテリーからの電力によって駆動されている。
【0003】
そして、前記電子制御式のスロットルバルブは、スロットルバルブが直接機械的にアクセルペダルに連結していないので、例えば、スロットルバルブの駆動系や、制御系で故障、ハーネスの断線等異常が発生すると、運転者等の意に反してスロットルバルブが勝手に作動して、自動車が急発進したり、暴走したりする虞がある。このため、通常、前記スロットルバルブの駆動系もしくは制御系に前記異常発生に対処する為のフェイルセーフ機能が備え付けられている。
【0004】
従来のこのようなフェイルセーフ機能の一つとして、電源としての前記バッテリーから前記スロットルバルブの制御装置(電動アクチュエータへの駆動回路)との間にリレーを介在させることが提案させている(例えば、特開平3―237228号公報参照)。該提案のリレーは、リレー接点とリレーコイルとからなり、通常、該リレーコイルは、制御装置内のトランジスタにより通電励磁されていて、前記リレーの接点をオン状態しているが、何らかの原因によって、前記スロットルバルブの駆動系もしくは制御系に異常が発生すると、前記トランジスタの通電を止め、リレーコイルの励磁を無くし、前記リレー接点がオフ状態となり、制御装置へのバッテリーの電力の供給を不可能にして、前記スロットルバルブが誤動作しないように、フェイルセーフ機能を働かせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の如き従来技術、即ち、内燃機関のスロットルバルブの開度の制御を電動アクチュエータにより操作するようにした電子制御式のスロットルバルブは、前記電動アクチュエータの駆動系に配置されるリレーが、12V或いは24Vのバッテリーの定格電圧で動作するように構成されている。
【0006】
そして、12V或いは24Vの定格電圧のバッテリーは、例えば、内燃機関の始動時に、スターターモーターが駆動されると、そのバッテリー出力電圧が、定格電圧の60%程度まで低下してしまう現象が生じる。この為、スターターモーターが駆動されている期間は、前記バッテリーの電圧低下に基づいて、リレーが動作しないという不具合が発生する場合があった。
【0007】
前記の如くスターターモーターが駆動されている期間では、電子制御式のスロットルバルブの制御装置が動作しないことになるが、内燃機関の運転状態によっては、この様な期間であってもスロットルバルブをアクチュエーターによって制御する必要が生じる場合があり(例えば、従来の機械式スロットルバルブ装置では、スロットルバルブは、内燃機関のアイドル状態の時全閉位置にあり、内燃機関の始動に必要な空気量は、アイドルスピードコントロールバルブISCバルブによるバイパス通路から供給されるのに対して、電子制御式のスロットルバルブシステムにおいては、ISCバルブを統合した場合、内燃機関の始動時のアイドル回転速度制御もまかなう必要もある)、問題となっていた。
【0008】
また、前記問題を解消するために、スターターモーターが駆動されている期間において、前記リレーが適切に駆動できるように、予め定格電圧が低いリレーを使用する事も考えられるが、その場合、スターターモーターが駆動されない期間は、常時、高い電圧が定格電圧の低いリレーのリレーコイルに供給され、前記リレーコイルが必要以上に発熱することになる。この場合、前記リレーが故障する虞があり、好ましいことではない。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、駆動電源としてのバッテリーの電圧が、スターターモーター等の他の機器の使用によって、定格電圧以下に低下しても、制御装置の機器としてのリレーが正常に作動する内燃機関の電子制御式のスロットルバルブの制御装置を提供することにあり、かつ、前記リレー及びリレー駆動回路が不必要な発熱をせず、制御回路が誤動作をしないスロットルバルブの制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明のスロットルバルブ制御装置は、基本的には、内燃機関のスロットルバルブをバッテリーからの通電によってアクチュエーターで駆動すると共に、該アクチュエーターへの通電回路内にバッテリー逆接保護用リレーを設け、該リレーが、リレー駆動回路の駆動信号により駆動され、該リレー駆動回路は、コンピュータ(MPU)からのパルス信号のデュティーによって制御され、該パルス信号が、前記バッテリーの電圧変化によって、そのデュティー比が変更されることを特徴としている。
【0011】
そして、本発明のスロットルバルブ制御装置の具体的態様としては、前記リレーの前記リレー駆動回路が、前記リレーをオン、オフするスイッチ素子を持ち、オンの時は、前記スイッチ素子により前記リレーを駆動し、オフ時は、前記リレーに並列に接続しているフライホイールダイオードに流れる電流により前記リレーのオン状態を維持し、前記MPUが、バッテリー電圧をモニタしているA/D変換器を備え、該A/D変換器により前記パルス信号のデュティー比を補正し、前記リレーのコイルに流れる電流を所定の範囲内に抑え、前記パルス信号のデュティーの補正が、バッテリー電圧の電源変動によって前記リレーが切れるより短いタスクにより更新することを特徴としている。
【0012】
前述の如く構成された本発明に係るスロットルバルブ制御装置は、アクチュエーターへの通電回路内に配置したバッテリー逆接保護用リレーを駆動するリレー駆動回路への制御信号を、バッテリーの電圧変化によって、そのデュティー比が変更されるパルス信号としたので、内燃機関始動用のスターターモーターが駆動中の低下したバッテリー電圧でも前記リレーが動作するように、該バッテリー電圧を高い定格電圧に設定して電圧が高いときでも、該電圧を検出して前記リレー駆動回路へのパルス信号のデュティー比を変更することで、前記駆動回路の駆動電力を適切な状態に調節して、前記リレーを正常に作動させることができる。
【0013】
これにより、リレー及びリレー駆動回路の発熱、或いは制御回路の誤動作の問題を解決することができ、かつ、前記リレーを定格電圧の低い低電圧動作リレーとすることができる。
また、本発明は、低電圧動作リレーに直列にスイッチ素子を接続して定格電圧が印加された時は、前記スイッチ素子のオン、オフを繰り返し、オンの時は、前記スイッチ素子により前記リレーを駆動し、オフ時は、前記リレーに並列に接続しているフライホイールダイオードに流れる電流により前記リレーのオン状態を維持することができる。また、前記スイッチ素子のオン、オフは、MPUからの出力されるパルス信号により決定されるので、該パルス信号を出力する前記MPUが備えているバッテリー電圧をモニタしているA/D変換器により前記パルス信号のデュティー比を補正して、前記リレーのコイルに流れる電流を所定の範囲内に抑えることができる。特にこのデュティー比の補正は、バッテリー電圧の電源変動によって前記リレーがオフするより短いタスクにより更新することで、前記リレーが誤動作することを防止できる。
【0014】
更に、本発明のスロットルバルブ制御装置の他の具体的態様としては、前記バッテリーの電圧変化によって、そのデュティー比が変更される前記パルス信号の周波数が、エンジンの振動周波数帯外の周波数にし、前記パルス信号にヒステリシスを設け、前記リレーコイルの振動音を防止しすることを特徴としている。
更にまた、前記スイッチ素子が、MOSFETであり、前記フライホイールダイオードが、ファーストリカバリーダイオードであり、前記リレーが、制御装置内に設置されていることを特徴としている。
【0015】
前記の如く構成した本発明は、前記スイッチ素子をMOSFETで動作するように構成したので、スイッチング時間をできるだけ短くし、高速スイッチングを可能にし、前記スイッチ素子を駆動するパルス信号の周波数を人間の可聴周波数帯外の周波数に設定することで、リレーコイルの振動による異音を防止すると共に、該パルス信号の周波数を可聴周波数外にし、ヒステリシスを設け、前記リレーコイルの振動音も防止したものである。
【0016】
人間の可聴周波数帯域には個人差があり、また、異音として感じる音の大きさにも個人差がある。本発明に関る可聴周波数帯は車両の搭乗者が異音として感じない周波数と定義するものである。そこで異音対策用パルス信号の周波数としては10KHz以上好もしくは20KHz以上に設定することが望ましい。しかしながら、過度の高周波によるMOSFET等ドライブ回路素子などの発熱などの面より考えれば、その周波数は30KHz以下であることが望ましいものである。
更にまた、本発明は、前記リレーを前記制御装置内に設置したことにより、ハーネスを減らし、特にラジオノイズの発生の可能性を低減したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明のエンジンのスロットルバルブ制御装置の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のスロットルバルブ制御装置の全体構成を示したものである。スロットルバルブ10は、駆動アクチュエーター11に接続されていて回転駆動されて、その開度が調節されるが、該駆動アクチュエーター11は、バッテリー2からの電力で作動され、リレー1が通電(オン)した状態で、モータードライバー5によって駆動され、モータードライバー5は、リレー1、コンピュータ(MPU)6、及び、定電圧電源回路4に接続されている。
【0018】
前記リレー1は、前記バッテリー2とモータードライバー5との間にあり、前記リレー1は、リレー接点1aとリレーコイル1bとからなっている。リレーコイル1bは、その一端が前記バッテリー2に接続されていると共に、他端がリレー駆動回路9に接続されており、該リレー駆動回路9によってリレー1を駆動する。リレー駆動回路9は、MPU6からの出力信号によって駆動される。
【0019】
また、前記バッテリー2には、イグニッションSW3が接続され、前記MPU6に直接、及び定電圧電源回路4を介して電力が供給されている。前記イグニッションSW3から直接供給される電力は、バッテリー2の電圧検出用に用いられもので、MPU6によりモニタされている。また定電圧電源回路4を介して供給される電圧は、MPU6の電源用に供給されているものである。
【0020】
電子制御されるスロットル装置(スロットルバルブ10)の制御は、駆動アクチュエーター11をモータドライバー5で駆動するものであるが、その具体的な駆動内容については、その説明を省略する。ここで、電子制御されるスロットル装置を駆動するモータードライバー5のバッテリー2からの経路には、直列にバッテリー2の逆接続時の破壊防止保護装置としてのリレー1が配置され、電子制御スロットル装置の異状時には、リレー1の励磁側に通電され、その接点1aが開放されることで、前記モータードライバー5が、電源側、つまりバッテリー2から遮断されて異常を抑えることが可能になるよう構成されている。
【0021】
以上説明した動作は、従来技術と異なることはないが、例えば、エンジンの始動時には、スターターモーターが駆動されるので、その際バッテリー2は、その電圧が、定格電圧の60%程度まで減少する。この為、スターターモーターが駆動されている期間では、リレー1のリレーコイル1bは、通電されても、電圧が低いため動作しないことになり、この様な期間では電子制御式のスロットルバルブの制御装置は動作しないことになる。
【0022】
しかし、エンジンの運転状態の如何によっては、前記の様な期間であっても、スロットルバルブ10を駆動アクチュエーター11によって制御する必要が生じることがある。
そこで、バッテリー2の定格電圧より低い所定の低電圧でも動作するリレー1を用いることで、どの様な状態でも正常に動作できるが、低電圧動作のリレー1では、一般に定格消費電力が小さく、巻線温度上昇が大きいので、スターターモーターが駆動され、オルタネーターが作動すると低電圧で駆動できるリレー1に定格電圧以上の高い電圧が供給付与されるために、前記リレーコイル1bが発熱してしまう等の不具合が生じる。
【0023】
そこで、定格電圧以上の高い電圧が供給されるときには、リレー1にかかる電圧を一定にせずに、パルス信号としてリレー1の連続印可可能電圧以内の実効電流値もしくは電力値に設定すれば、前記問題は回避されるものである。即ち、本実施形態においては、MPU6がバッテリー2の電圧をモニタし、スターターモーターが駆動されているような低電圧時には、リレー駆動回路9を、常時、オンにしてリレー1にかかる電圧を一定とし、他方、オルタネーターが作動していて低電圧リレー1に、定格電圧以上の高い電圧が供給されたときには、前記リレー1にかかる電圧を一定にせずにパルス信号とするべく、リレー駆動回路9のオン、オフを繰り返して、リレーコイル1bをリレー1の連続印可可能電圧以内の実効電流値もしくは電力値にすることで、前記リレーコイル1bの発熱を防止したものである。
【0024】
また、イグニッションSW3が切れても、ある一定時間は、リレー1により制御装置に電圧を供給することができるようにすることで、アクセルペダル位置を検出するために、アクセルペダル指示部に設けたアクセルペダルセンサの出力値を、イグニッションSW3が切れた時においても、読み取ることが可能となる。図2は、一般的な自動車に搭載しているスターターモーター起動時のバッテリー電圧をモニタした例を示したものである。図示のように、スターターモーターが起動(オン)すると、バッテリー電圧は、その定格電圧の60%程度まで低下し、実際、7V程度までにバッテリー電圧が低下する。
【0025】
更に、寒冷状態やバッテリー2が定格電圧から著しく減少した場合などは、更に、スターターモーター起動時のバッテリー電圧が、減少すると考えられる。この為、スターターモーターが駆動されている期間では、リレー1が動作しないことになり、この様な期間では電子制御式のスロットルバルブの制御装置は動作しないことになる。
【0026】
しかし、スターターモーターが起動し、定格電圧の60%程度まで減少するまでの数msecの時間にリレー1が起動してしまえば、問題ないと考えられるが、リレー1が駆動するまでの時間は、リレー駆動回路9の時定数、ソストランニング時間(ROM、RAMチェック)、ソフトランニング時間、マイコンパワーオンリセット時間、及びリレーオン時間の合計時間からなり、最悪条件を考えるとリレー1が駆動するために必要な時間が無い可能性がある。前記の如く、本実施形態においては、バッテリー2の定格電圧よりも、低い所定の低電圧で動作するリレー1を用いることで、バッテリー電圧が定格電圧の60%程度まで減少するような状態においても関係なく正常に動作できる。
【0027】
図3(a)は、二つの異なる仕様のリレー1の例、即ち、巻線定格電圧がDC12VとDC6Vのリレー1の仕様の例を示したものである。図3(a)において、DC12Vリレーの場合は巻線抵抗が240Ω、DC6Vリレーの場合は巻線抵抗が60Ωである。リレーの消費電力は、巻線の定格電圧の2乗を巻線抵抗で割ったものであるので、DC6VリレーはDC12Vリレーの4倍の発熱となる。従来のDC12Vリレーでバッテリー電圧が14Vの時の温度上昇は25℃程度であり、リレー1には、常時2A程度の電流が流れる。これから考慮すると、DC6Vリレーを使用した場合は、発熱により誤動作、又は故障する確立が高くなる。そこで、本実施形態においては、DC6Vリレーの場合、バッテリー電圧14Vが供給されるときには、リレー1にかかる電圧を、一定にせずに、パルス信号にし、リレー1の連続印可可能電圧以内の実効電流値、電力値に設定すれば、問題ないとの認識のもとにおこなっている。
【0028】
図3(b)は、実際の装置での温度上昇を計測した結果を示したものであり、前記スロットルバルブ10の駆動速度を一定(速度一定)とし、周囲温度25℃、バッテリー電圧14V、操作時間1.5時間で、従来の定格電源用リレーを使用した装置の場合、24℃の温度上昇が観測された。しかし本実施形態の低電圧リレーを使用した装置では、リレーコイル1bの巻線抵抗の大きさにもかかわらずリレー1の温度は、29℃と、発熱を抑えることができた。
【0029】
次に、リレー回路の構成と動作を示す。
図4は、本実施形態の図1のスロットルバルブ制御装置を具体化したリレー駆動回路9部分を示したものである。
リレー1は、フライホイールダイオード12を備え、リレーコイル1bに直列にリレー駆動回路9が接続されている。リレー駆動回路9は、スイッチ素子としてMOSFET90と、MPU6からのフィルタとして抵抗94、95と、コンデンサ93とを備えている。MOSFET90は、内部に寄生ダイオード92を持っている。MOSFET90は、MPU6からの信号により制御される。特に、スイッチ素子としてMOSFET90を使用して高速のオン、オフ駆動を可能とした。同時に、トランジスタに比べ発熱や高速の動作が優位になる。
【0030】
MPU6は、バッテリー2の電圧をモニタし、スターターモーターが駆動されているような低電圧時には、リレー駆動回路9を常時オンし、リレー1にかかる電圧を一定とする一方、オルタネーターが作動して低電圧リレー1に定格電圧以上の高い電圧が供給されたときには、リレー1にかかる電圧を一定にせずにパルス信号にしてリレー駆動回路9がオン、オフを繰り返すように制御し、リレーコイル1bの発熱を防止する。このリレー駆動回路9のオフ時は、リレーに並列に接続しているフライホイールダイオード12に流れる電流によりリレー1のオン状態を維持している。
【0031】
この時、通常のフライホイールダイオード12を使用していると、リレー駆動回路9のMOSFET90がオフからオンした瞬間、フライホイールダイオード12の逆回復時間の間、リカバリー電流が流れるので、必要以上のリカバリー電流の発生を抑えるために、本実施形態においては、ファーストリカバリーダイオードを使用した。実際に測定したところ、1A程度の差が出た。しかし、この電流が、現実にあまり問題にならなければ使う必要はない。
【0032】
図5は、リレー駆動回路9へMPU6から出されるパルス電圧のパルス波形の一例を示したものである。具体的には、リレーコイル1bへ通電される時間をa、リレーコイル1bに無通電される時間と通電される時間をaを併せた時間をbとすると、デュティーは、a/b×100(%)から計算され、また駆動するパルス信号の周波数は、1/b(f)となる。
【0033】
仮に、6Vリレー(富士通製、FBR50シリーズ)が、通常、8V印可に耐え得るならば、巻線抵抗60Ωであり、電流は、I=8V/60Ω=133mA流れ、電力(P)は、8Vの2乗を60Ωで割ったのもで1.07Wである。この電流Iと電力Pが、通常の定格電圧14Vを印可した時に越えないようにデュティーを設定すれば、発熱やリレーの誤動作を防止できる。また、この時の駆動周波数を、エンジンの振動周波数帯外の周波数に設定することで、リレーコイルの振動を防止できる。
【0034】
図6は、本実施形態のMPU6とリレー駆動回路9における設定したデュティー波形とその時の電圧を計測した値を示したものである。6V、14V、24Vとそれぞれ電圧が印可されたとき、MPU6から設定したデュティー波形が出ていることがわかる。
図7は、MPU6のデュティー比設定の制御ブロック図であり、A/D変換器6aでバッテリー2の電圧値をモニタしてA/D変換し、デュティー比率調節器によりバッテリー電圧値に基づきデュティー比を計算し、デュティー比率比較器6cで前回のデュティー比と比較し所定の範囲に入った時は新しいデュティー比を設定してリレー制御信号器6dに進み、該リレー制御信号器6dでパルス制御信号を出力する。
【0035】
図8のフローチャートは、この電圧を読み込むときに行う処理状態を示している。ステップ100では、MPU6のA/D変換器でモニタした電圧により最適なデュティーを計算し、ステップ101では、その結果を判定して、前回のデュティーより5%以上の差があるときには、ステップ102に進みその新しいデュティーの値を設定し、5%以下の場合には、ステップ103にて前回のデュティーの値のままにする。このように、5%のヒステリシスを持たせることによりリレーコイル1bの振動音を防止できる。
【0036】
更に、前記デュティーの値の補正を行うことで、リレーコイル1bに流れる電流を所定の範囲内に抑える事が可能となった。また、この処理は、数msecのタスクで行うが、このタスクは、急激なバッテリー2の電圧の変動に対応できるものでなければならない。電圧の変動によりリレーコイル1bに電流が流れ続けたり、リレー1が切れるような誤動作が生じないようなタスクで行わなければならない。
【0037】
電圧を変化させたときのリレー1の応答状態を計測すると、バッテリー電圧が24Vで、デュティーが25%のときに、バッテリー電圧が6Vまで減少させると、4msecでリレーが切れた。この結果、仮に10msecのタスクで、デュティーの切り替えを行うとリレー1が切れる。そこで、安全性を考慮すると、1msec程度のタスクでデュティーの切り替えが必要である。このデュティーの切り替えを可能とするためにも、リレー駆動回路9の高速スイッチング素子としてMOSFET90を使用することは有効である。
【0038】
このリレー1は、通常、制御装置の外に置かれる。しかし、電子制御式スロットルバルブの制御装置のようなモーターをハーネスにより電気的に駆動するものは、ハーネスをシールド線等ノイズによる誤動作を防止する手段を取らなければならない。そのため、リレーを制御装置内に設置すれば、この様なノイズによる誤動作を低減でき、ハーネスを減らして原価を抑えることも可能であるが、リレー1の耐久性などに充分に注意しなければならない。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱することなく、設計において種々の変更ができるものである。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明のスロットルバルブ制御装置は、アクチュエーターへの通電回路内に配置したバッテリー逆接保護用リレーを駆動するリレー駆動回路への制御信号を、バッテリーの電圧変化によって、そのデュティー比が変更されるパルス信号としたので、バッテリーの電圧が定格電圧以下に低下しても、スロットルバルブの制御装置を正常に動作させることができる。
【0041】
また、前記リレーへの駆動電力値をパルス信号を変更することで適正な値としたことで、リレー及びリレー駆動回路の発熱、或いは制御回路の誤動作の問題を解決することができ、かつ、前記リレーを定格電圧の低い低電圧動作リレーとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のスロットルバルブ制御装置の全体構成図。
【図2】図1のスロットルバルブ制御装置のスターター起動時のバッテリー電圧を示す図。
【図3】図1のスロッロルバルブ制御装置のリレーの説明図であって、(a)はリレーの仕様、(b)はリレーコイルの温度上昇を示す図。
【図4】図1のリレー駆動回路の詳細を示す図。
【図5】図1のリレー駆動回路のMPUからのパルス波形の詳細を示す図。
【図6】図1のリレー駆動回路の各電圧におけるパルス波形の計測図。
【図7】図1のMPUのデュティー比設定の制御ブロック図
【図8】図1のスロットルバルブ制御装置のMPUの処理状態を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…リレー
2…バッテリー
3…イグニッションSW
4…定電圧電源回路
5…モータードライバー
6…MPU
7…電流制限抵抗
8…バイパス回路
9…リレー駆動回路
10…スロットルバルブ
11…駆動アクチュエーター
Claims (12)
- 内燃機関のスロットルバルブをバッテリーからの通電によってアクチュエーターで駆動すると共に、該アクチュエーターへの通電回路内にバッテリー逆接保護用リレーを設けたスロットルバルブの制御装置において、前記リレーは、リレー駆動回路の駆動信号により駆動され、該リレー駆動回路は、コンピュータ(MPU)からのパルス信号のデュティーによって制御されることを特徴とするスロットルバルブの制御装置。
- パルス信号は、前記バッテリーの電圧変化によって、そのデュティー比が変更されることを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記リレーは、内燃機関始動用のスターターモーターが駆動中のバッテリー電圧でも動作するリレーであることを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記パルス信号の周波数は、10KHz以上とすることを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記パルス信号の周波数は、10KHz以上かつ30KHz以下とすることを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記パルス信号にヒステリシスを設け、前記リレーコイルの振動音を防止することを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記コンピュータ(MPU)は、バッテリー電圧をモニタしているA/D変換器を持ち、該A/D変換器により前記パルス信号のデュティー比を補正し、前記リレーのコイルに流れる電流を所定の範囲内に抑えることを特徴とする請求項2に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記パルス信号のデュティー補正は、バッテリー電圧の電源変動によって前記リレーが切れるより短いタスクにより更新することを特徴とする請求項7に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 内燃機関のスロットルバルブをバッテリーからの通電によってアクチュエーターで駆動すると共に、該アクチュエーターへの通電回路内にバッテリー逆接保護用リレーを設けたスロットルバルブの制御装置において、前記リレーは、リレー駆動回路の駆動信号により駆動され、該リレー駆動回路は、前記リレーをオン、オフするスイッチ素子を持ち、オンの時は、前記スイッチ素子により前記リレーを駆動し、オフ時は、前記リレーに並列に接続しているフライホイールダイオードに流れる電流により前記リレーのオン状態を維持することを特徴とするスロットルバルブの制御装置。
- 前記スイッチ素子は、MOSFETであることを特徴とする請求項9に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記フライホイールダイオードは、ファーストリカバリーダイオードであることを特徴とする請求項9に記載のスロットルバルブの制御装置。
- 前記リレーは、制御装置内に設置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のスロットルバルブの制御装置。
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