JP3874498B2 - フアスニングシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着テ―プを用いた再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステムとしては、フツク状とパイル状の2枚のテ―プを組み合わせた面フアスナ(たとえば、マジツクテ―プ)などが知られている。このような面フアスナは、厚く、形状の自由度が低く、また高コストとなるため、薄さが要求されるもの、形状の複雑なもの、低コスト化が要求される用途には、適用できなかつた。
【0003】
これに対して、粘着テ―プを用いた再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステムとして、使い捨て紙おむつのフアスナ―テ―プが知られており、このものは、前記の面フアスナのような欠点が少なく、薄型化、形状の複雑化、低コスト化などに比較的対応できるものとして、生活用品、医療用品、電器用品などをはじめとする各種分野での利用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粘着テ―プを用いた従来のフアスニングシステムでは、用いる粘着テ―プが粘着面にタツクを有しているため、使用時に手指や衣服などに接着し、これにより接着作業に支障をきたしたり、衣服などを汚損するなどの弊害を招くことがあり、これの解決が強く望まれていた。
【0005】
本発明は、上記の事情に照らして、使用時に手指や衣服などに接着しないが、特定の被着体に対して十分な接着力と保持力を示すとともに、これを経時後に剥離しても上記の被着体を損傷することなく再剥離でき、かつ繰り返し接着が可能なフアスニングシステムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的に対し、鋭意検討した結果、粘着剤を適宜選択して粘着面に実質的にタツクがない粘着テ―プを用いることにより、使用時に手指や衣服などに接着するという問題を回避する一方、この粘着テ―プを接着させて固定、結束などの機能を果たさせる被着体として、その少なくとも表面が特定のポリマ―で構成されたものを用いることにより、この被着体に対し上記の粘着テ―プを十分な接着力と保持力で接着でき、しかもこれを経時後に剥離しても上記の被着体を損傷することなく再剥離でき、かつ繰り返し接着も可能なフアスニングシステムが得られることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0007】
本発明は、(A)粘着剤層がポリカ―ボネ―ト構造を含む重量平均分子量2万以上のポリエステルを主成分とした粘着剤からなる、粘着面に実質的にタツクがない粘着テ―プと、(B)上記の粘着面を押し当てて接着させる、少なくともその表面が溶解性パラメ―タ(SP値)が8〜14のポリマ―で構成された被着体との組み合わせからなる再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステム(請求項1)に係るものであり、とくに上記のポリカ―ボネ―ト構造が、つぎの式(1);
−(O−R−O−C)n−
‖ …(1)

(Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素基である)
で表されるものからなる上記構成のフアスニングシステム(請求項)を提供できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)の粘着テ―プは、粘着面に実質的にタツクがないものであれば、種々のものを使用できるが、(B)の被着体に対する接着性、保持力、再剥離性、繰り返し接着性などの点を考慮して、粘着剤層がポリカ―ボネ―ト構造を含むポリエステルを主成分とした粘着剤からなるもの、とくに上記のポリカ―ボネ―ト構造が、つぎの式(1);
Figure 0003874498
(Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素基である)
で表されるものが、最も好ましい。ここで、上記ポリエステルの重量平均分子量は2万以上、好ましくは3万以上(通常30万まで)であるのがよい。分子量が低すぎると、凝集力が不足するため、好ましくない。
【0009】
このようなポリカ―ボネ―ト構造を含むポリエステルには、ポリカ―ボネ―トジオ―ルとジカルボン酸とから合成されるポリエステル、ポリカ―ボネ―トジカルボン酸とジオ―ルとから合成されるポリエステルなどがあり、原料入手のしやすさから、前者のポリエステルが最も好ましい。このポリエステルは、ポリカ―ボネ―トジオ―ルを必須としたジオ―ル成分と、炭素数が2〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とするジカルボン酸を必須としたジカルボン酸成分とを、常法により、無触媒または適宜の触媒などを用いて、縮合反応(エステル化反応)させることにより、得ることができる。上記の反応に際して、ジオ―ル成分とジカルボン酸成分とは、当モル反応とするのが望ましいが、反応を促進するために、どららかを過剰に用いて反応させてもよい。
【0010】
ポリカ―ボネ―トジオ―ルとしては、数平均分子量が500以上、好ましくは800以上(通常1万まで)であるものが好ましい。具体的には、ポリヘキサメチレンカ―ボネ―トジオ―ル、ポリ(3−メチルペンテンカ―ボネ―ト)ジオ―ル、ポリプロピレンカ―ボネ―トジオ―ルなどや、それらの混合物または共重合物などが挙げられる。市販品には、ダイセル化学工業(株)製の「PLACCEL CD208PL」、「同CD210PL」、「同CD220PL」、「同CD208」、「同CD210」、「同CD220」、「同CD208HL」、「同CD210HL」、「同CD220HL」などがある。
【0011】
ジオ―ル成分としては、必要により、エチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ブタンジオ―ル、ヘキサンジオ―ル、オクタンジオ―ル、デカンジオ―ル、オクタデカンジオ―ルなどの直鎖状のジオ―ルや、各種分枝状のジオ―ルなどの成分を適宜混合して使用してもよい。また、ポリエステルを高分子量化するために、3官能以上のポリオ―ル成分を少量添加してもよい。
【0012】
ジカルボン酸成分は、炭素数が2〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格としたもので、上記の炭化水素基は直鎖状でも分枝状でもよい。具体的には、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリツク酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、テトラヒドロフタル酸、これらの酸無水物や低級アルキルエステルなどがある。
【0013】
このようなポリカ―ボネ―ト構造を含むポリエステルを用い、これを通常適宜の架橋方法で架橋して、接着性、保持力、再剥離性および繰り返し接着性などにすぐれた粘着剤とする。架橋方法は、ポリイソシアネ―ト化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を用い、これと上記ポリエステルに含まれる水酸基やカルボキシル基と反応させて架橋する方法が一般的である。架橋剤の使用量は、上記のポリエステルとのバランスにより適宜選択されるが、通常は、上記のポリエステル100重量部に対し、2〜10重量部とするのがよい。架橋剤としては、とくにポリイソシアネ―ト化合物が好ましい。
【0014】
このポリイソシアネ―ト化合物には、エチレンジイソシアネ―ト、ブチレンジイソシアネ―ト、ヘキサメチレンジイソシアネ―トなどの低級脂肪族イソシアネ―ト類、シクロペンチレンジイソシアネ―ト、シクロヘキシレンジイソシアネ―ト、イソホロンジイソシアネ―トなどの脂環族イソシアネ―ト類、2,4−トリレンジイソシアネ―ト、ジフエニルメタンジイソシアネ―ト、キシリレンジイソシアネ―トなどの芳香族イソシアネ―ト類、トリメチロ―ルプロパンのトリレンジイソシアネ―ト付加物やヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物などがある。これらは、その1種を単独でまたは2種以上の混合系で使用できる。
【0015】
また、上記のポリエステルに実質的な架橋剤として多官能モノマ―を加えて、電子線などを照射して架橋させてもよい。多官能モノマ―としては、ポリエチレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルトリ(メタ)アクリレ―ト、テトラメチロ―ルメタンテトラ(メタ)アクリレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリレ―トなどがある。
【0016】
このように架橋処理されたポリカ―ボネ―ト構造を含むポリエステルを主成分とした粘着剤には、従来公知の各種の粘着付与剤を含ませてもよい。また、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状、箔状物などの従来公知の各種の添加剤を任意に含ませることができる。
【0017】
本発明の(A)の粘着テ―プは、ポリエステルフイルムなどのプラスチツクフイルム、紙、不織布、金属箔などの厚さが通常10〜200μmの支持基材か、あるいは上記同様の厚さの剥離性基材を用いて、これらの基材上に上記のポリカ―ボネ―ト構造を含むポリエステルを主成分とした粘着剤を塗布,乾燥して、厚さが通常10〜100μmとなる粘着剤層を形成してなるものであり、その粘着面は実質的にタツクを示さない、つまり、非粘着か弱粘着を呈するものである。したがつて、この粘着テ―プが使用時に手指や衣服などに接着して、接着作業の悪化や衣服などの汚損を招くという心配はとくにない。
【0018】
本発明における(B)の被着体は、その表面に上記(A)の粘着テ―プの粘着面を押し当てて接着させるが、少なくとも上記の表面が溶解性パラメ―タ(SP値)が8〜14、好ましくは8.4〜13.6であるポリマ―で構成されていることを特徴とする。このような被着体としては、単層または複層のフイルム、紙、不織布などの厚さが通常10〜200μmの基体を用い、その表面を上記特定のポリマ―で被覆した構成のものが挙げられる。また、上記の基体全体が上記特定のポリマ―で構成されたものであつてもよい。
【0019】
溶解性パラメ―タ(SP値)が8〜14のポリマ―には、ポリスチレン(SP値:9.1)、ポリメチルメタクリレ―ト(SP値:9.1)、ポリクロロプレン(SP値:9.2)、ポリ酢酸ビニル(SP値:9.4)、ポリ塩化ビニル(SP値:9.5)、ポリカ―ボネ―ト(SP値:9.8)、ポリメチルアクリレ―ト(SP値:10.1)、ポリエチレンテレフタレ―ト(SP値:10.3)、ポリ塩化ビニリデン(SP値:12.2)、ポリアクリロニトリル(SP値:12.75)、ナイロン6(SP値:13.6)などがある。
【0020】
なお、溶解性パラメ―タ(SP値)は、「接着」第40巻第8号(6)沖津俊直著(1996年)に記載のとおり、ポリマ―の極性・非極性の指標となり、この値が大きいほど極性、小さいほど非極性であることを示している。
【0021】
本発明のフアスニングシステムでは、上記(A)の粘着テ―プと上記(B)の被着体との組み合わせ構成としたことにより、上記(A)の粘着テ―プは、その粘着面が実質的にタツクを示さないにもかかわらず、上記(B)の被着体に対して十分な接着性と保持力でもつて接着でき、しかもこれを経時後に剥離しても上記(B)の被着体を損傷することなく再剥離でき、かつ再剥離後の繰り返し接着が可能であるというすぐれた効果を発揮する。
【0022】
ここで、上記被着体に対する初期の接着力は、300g/20mm幅以上、好ましくは350g/20mm幅以上、さらに好ましくは400g/20mm幅以上(通常2,000g/20mm幅以下)であり、また、再剥離後の繰り返し接着力は、上記初期の接着力の65%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上を維持し、さらに、上記被着体に対する経時後の再剥離性は、24時間後で2,000g/20mm幅以下、好ましくは1,800g/20mm幅以下、さらに好ましくは1,600g/20mm幅以下(通常300g/20mm幅以上)となる程度である。このような接着性と再剥離性に加え、初期および繰り返し接着時の良好な保持力により、再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステムとして、物品の固定、結束などの本来の機能を十分に発揮する。
【0023】
なお、上記(B)の被着体に代えて、たとえば、溶解性パラメ―タ(SP値)が8未満となるポリマ―、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマ―で表面を被覆した被着体を用いたときには、この被着体に対する初期および繰り返し時の接着力が前記の値よりもかなり小さくなり、また保持力も低下して、物品の固定、結束などの本来の機能を発揮できなくなる。また、溶解性パラメ―タ(SP値)が14を超えるようなポリマ―で表面を被覆した被着体を用いたときには、上記の接着力などは満足できても、再剥離性が不十分となり、経時後に上記被着体から剥離できなくなり、したがつて、再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステムとして、利用できなくなる。
【0024】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例によりなんら制限を受けるものではない。なお、以下、部とあるのは重量部を意味するものとする。また、ポリマ―の重量平均分子量は、GPC法によるポリスチレン換算分子量を意味する。
【0025】
実施例1
四ツ口セパラブルフラスコに攪拌機、温度計および水分離管を付け、これに、ポリカ―ボネ―トジオ―ル〔ダイセル化学工業(株)製の「PLACCEL CD210PL」、水酸基価:115.9KOHmg/g〕200g、無水コハク酸20.51g、触媒としてのテトライソプロピルチタネ―ト(以下、TPTという)50mgを仕込み、反応水排出溶剤としての少量のトルエンの存在下、攪拌しながら180℃まで昇温し、この温度で保持した。しばらくすると、水の流出分離が認められ、反応が進行しはじめた。約20時間反応を続けて、重量平均分子量が58,000のポリエステルを得た。
【0026】
このポリエステルをトルエンで固形分濃度50重量%に希釈し、固形分(ポリエステル)100部あたり、架橋剤としてトリメチロ―ルプロパンのヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物〔日本ポリウレタン(株)製「コロネ―トHL」〕2.5部を配合し、粘着剤溶液とした。これを、厚さが38μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に、アプリケ―タにより塗布し、130℃で5分間乾燥して、厚さが30μmの粘着剤層を形成した。アフタ―キユアとして、50℃の雰囲気中で2日間のエ―ジングを行い、粘着テ―プA1を作製した。
【0027】
この粘着テ―プA1は、粘着面にタツクがないことを指触により確認できた。一方、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム(SP値:10.3)を、被着体B1とした。この被着体B1と上記の粘着テ―プA1とを組み合わせて、フアスニングシステムを構成した。
【0028】
実施例2
四ツ口セパラブルフラスコに攪拌機、温度計および水分離管を付け、これに、ポリカ―ボネ―トジオ―ル〔ダイセル化学工業(株)製の「PLACCEL CD210PL」、水酸基価:115KOHmg/g〕250g、アジピン酸37.44g、触媒としてのTPT50mgを仕込み、反応水排出溶剤としての少量のトルエンの存在下、攪拌しながら180℃まで昇温し、この温度で保持した。しばらくすると、水の流出分離が認められ、反応が進行しはじめた。約25時間反応を続けて、重量平均分子量が68,000のポリエステルを得た。
【0029】
このポリエステルをトルエンで固形分濃度50重量%に希釈し、固形分(ポリエステル)100部あたり、架橋剤としてトリメチロ―ルプロパンのヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物〔日本ポリウレタン(株)製「コロネ―トHL」〕2部を配合し、粘着剤溶液とした。これを、厚さが38μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に、アプリケ―タにより塗布し、130℃で5分間乾燥して、厚さが30μmの粘着剤層を形成した。アフタ―キユアとして、50℃の雰囲気中で2日間のエ―ジングを行い、粘着テ―プA2を作製した。
【0030】
この粘着テ―プA2は、粘着面にタツクがないことを指触により確認できた。粘着テ―プA1に代えて、上記の粘着テ―プA2を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、上記の粘着テ―プA2と被着体B1との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0031】
実施例3
四ツ口セパラブルフラスコに攪拌機、温度計および水分離管を付け、これに、ポリカ―ボネ―トジオ―ル〔ダイセル化学工業(株)製の「PLACCEL CD220PL」、水酸基価:56.1KOHmg/g〕250g、セバシン酸25.28g、触媒としてのTPT50mgを仕込み、反応水排出溶剤としての少量のキシレンの存在下、攪拌しながら180℃まで昇温し、この温度で保持した。しばらくすると、水の流出分離が認められ、反応が進行しはじめた。約30時間反応を続けて、重量平均分子量が76,000のポリエステルを得た。
【0032】
このポリエステルをトルエンで固形分濃度50重量%に希釈し、固形分(ポリエステル)100部あたり、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネ―ト3量体(イソシアヌレ―ト)〔日本ポリウレタン(株)製「コロネ―トHX」〕2.5部を配合し、粘着剤溶液とした。これを、厚さが38μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に、アプリケ―タにより塗布し、130℃で5分間乾燥して、厚さが30μmの粘着剤層を形成した。アフタ―キユアとして、50℃の雰囲気中で2日間のエ―ジングを行い、粘着テ―プA3を作製した。
【0033】
この粘着テ―プA3は、粘着面にタツクがないことを指触により確認できた。粘着テ―プA1に代えて、上記の粘着テ―プA3を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、上記の粘着テ―プA3と被着体B1との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0034】
実施例4
厚さが25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルムからなる基体の表面に、厚さが25μmのポリメチルメタクリレ―トフイルム(SP値:9.1)を積層して、被着体B2とした。被着体B1に代えて、上記の被着体B2を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、粘着テ―プA1と被着体B2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0035】
実施例5
被着体B1に代えて、実施例4の被着体B2を使用した以外は、実施例2と同様にして、つまり、粘着テ―プA2と被着体B2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0036】
実施例6
被着体B1に代えて、実施例4の被着体B2を使用した以外は、実施例3と同様にして、つまり、粘着テ―プA3と被着体B2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0037】
実施例7
厚さが25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルムからなる基体の表面に、厚さが25μmのポリスチレンフイルム(SP値:9.1)を積層して、被着体B3とした。被着体B1に代えて、上記の被着体B3を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、粘着テ―プA1と被着体B3との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0038】
実施例8
被着体B1に代えて、実施例7の被着体B3を使用した以外は、実施例2と同様にして、つまり、粘着テ―プA2と被着体B3との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0039】
実施例9
被着体B1に代えて、実施例7の被着体B3を使用した以外は、実施例3と同様にして、つまり、粘着テ―プA3と被着体B3との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0040】
比較例1
厚さが60μmのポリエチレンフイルム(SP値:7.9)を、被着体C1とした。被着体B1に代えて、上記の被着体C1を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、粘着テ―プA1と被着体C1との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0041】
比較例2
被着体B1に代えて、比較例1の被着体C1を使用した以外は、実施例2と同様にして、つまり、粘着テ―プA2と被着体C1との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0042】
比較例3
被着体B1に代えて、比較例1の被着体C1を使用した以外は、実施例3と同様にして、つまり、粘着テ―プA3と被着体C1との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0043】
比較例4
厚さが60μmのポリプロピレンフイルム(SP値:7.9)を、被着体C2とした。被着体B1に代えて、上記の被着体C2を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、粘着テ―プA1と被着体C2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0044】
比較例5
被着体B1に代えて、比較例4の被着体C2を使用した以外は、実施例2と同様にして、つまり、粘着テ―プA2と被着体C2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0045】
比較例6
被着体B1に代えて、比較例4の被着体C2を使用した以外は、実施例3と同様にして、つまり、粘着テ―プA3と被着体C2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0046】
比較例7
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、溶媒として、酢酸エチル50部、トルエン50部を入れ、これにさらにアクリル酸2−エチルヘキシル50部、アクリル酸ブチル45部、アクリル酸4.9部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.1部および2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を入れて、窒素気流中で重合処理することにより、重量平均分子量が70万のアクリル系重合体を含むポリマ―溶液を得た。
【0047】
このポリマ―溶液に、固形分(アクリル系重合体)100部あたり、架橋剤として、トリメチロ―ルプロパンのトリレンジイソシアネ―ト付加物〔日本ポリウレタン(株)製「コロネ―トL」〕2部を配合し、粘着剤溶液とした。これを、厚さが38μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に、アプリケ―タにより塗布し、130℃で5分間乾燥して、厚さが30μmの粘着剤層を形成した。アフタ―キユアとして、50℃の雰囲気中で2日間のエ―ジングを行い、粘着テ―プD1を作製した。
【0048】
この粘着テ―プD1は、粘着面にタツクを有していることを指触により確認できた。粘着テ―プA1に代えて、上記の粘着テ―プD1を使用した以外は、実施例1と同様にして、つまり、上記の粘着テ―プD1と被着体B1との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0049】
比較例8
粘着テ―プA1に代えて、比較例7の粘着テ―プD1を使用した以外は、実施例4と同様にして、つまり、上記の粘着テ―プD1と被着体B2との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0050】
比較例9
粘着テ―プA1に代えて、比較例7の粘着テ―プD1を使用した以外は、実施例7と同様にして、つまり、上記の粘着テ―プD1と被着体B3との組み合わせにて、フアスニングシステムを構成した。
【0051】
以上の実施例1〜9および比較例1〜9の各フアスニングシステムについて、接着性、保持力、再剥離性および繰り返し接着性を、下記の方法により調べた。これらの結果は、表1および表2に示されるとおりであつた。なお、両表には、参考のために、使用した粘着テ―プの種類(A1〜A3、D1)および被着体の種類(B1〜B3、C1,C2)を併記した。
【0052】
<接着性試験>
粘着テ―プを幅20mm、長さ150mmの大きさに切断して、これを対応する被着体上に2Kgロ―ラで貼り合わせ、雰囲気温度23℃、貼り付け20分後に、剥離速度300mm/分の条件で、剥離接着力を測定した。
【0053】
<保持力試験>
粘着テ―プを幅10mmの大きさとし、これを対応する被着体に対して10mm×20mmの接着面積で貼り付け、20分経過後、80℃で20分間放置して、被着体を垂下し、粘着テ―プの自由端に500gの均一荷重を負荷して、80℃での粘着テ―プの落下時間(分)を測定した。
【0054】
<再剥離性試験>
粘着テ―プを幅20mm、長さ150mmの大きさに切断して、これを雰囲気温度23℃下、対応する被着体上に2Kgロ―ラで貼り合わせ、同温度23℃で24時間保存後、剥離速度300mm/分の条件で、剥離接着力を測定した。
【0055】
<繰り返し接着性試験>
粘着テ―プを幅20mm、長さ150mmの大きさに切断して、これを対応する被着体上に2Kgロ―ラで貼り合わせ、雰囲気温度23℃、貼り付け20分後に、手で剥離/接着を10回繰り返したのち、再度2Kgロ―ラで貼り合わせ、貼り付け20分後、剥離速度300mm/分の条件で、剥離接着力を測定した。
【0056】
Figure 0003874498
【0057】
Figure 0003874498
【0058】
上記の結果から明らかなように、実施例1〜9のフアスニングシステムでは、用いる粘着テ―プA1〜A3の粘着面がタツクを示さないにもかかわらず、被着体B1〜B3に対する初期接着力および保持力が大きく、再剥離性も満足し、また繰り返し接着性にもすぐれていることがわかる。
【0059】
これに対して、本発明とは異なる被着体C1,C2を用いた比較例1〜6のフアスニングシステムでは、この被着体C1,C2に対する初期接着力、保持力および繰り返し接着性に劣つている。また、本発明とは異なる粘着テ―プD1を用いた比較例7〜9のフアスニングシステムでは、上記粘着テ―プD1の粘着面にタツクがあるという不利に加え、被着体B1〜B3に対する繰り返し接着性が低下しやすく、また再剥離性が悪くなる場合も認められる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、粘着面に実質的にタツクがない粘着テ―プと、少なくともその表面が特定のポリマ―で構成された被着体との組み合わせにより、粘着テ―プが手指や衣服などに接着するという問題を回避できる一方、この粘着テ―プを上記被着体に対して十分な接着力と保持力で接着でき、しかもこれを経時後に剥離しても上記の被着体を損傷することなく再剥離でき、かつ繰り返し接着が可能なフアスニングシステムを提供することができる。
【0061】
したがつて、本発明のフアスニングシステムは、使い捨て紙おむつ用のほか、使用後の再剥離が必要な旅行用タグ、商品タグ、医療用チユ―ブ・コ―ドの結束用、コンピユ―タケ―ブル、電線の結束用、封筒の開封部などの種々の用途に、有利に適用することができる。

Claims (2)

  1. (A)粘着剤層がポリカ―ボネ―ト構造を含む重量平均分子量2万以上のポリエステルを主成分とした粘着剤からなる、粘着面に実質的にタツクがない粘着テ―プと、(B)上記の粘着面を押し当てて接着させる、少なくともその表面が溶解性パラメ―タ(SP値)が8〜14のポリマ―で構成された被着体との組み合わせからなる再剥離および繰り返し接着が可能なフアスニングシステム。
  2. ポリカ―ボネ―ト構造が、つぎの式(1);
    −(O−R−O−C)n−
    ‖ …(1)

    (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素基である)
    で表されるものからなる請求項に記載のフアスニングシステム。
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