JP3874259B2 - メッキ液管理装置、それを備えたメッキ装置、およびメッキ液組成調整方法 - Google Patents

メッキ液管理装置、それを備えたメッキ装置、およびメッキ液組成調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メッキ液を所定の組成に保つためのメッキ液管理装置、それを備えたメッキ装置、およびメッキ液を所定の組成に調整するためのメッキ液組成調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メッキ装置で長時間メッキ処理を行うとメッキ液が所定の組成から外れ、これに伴って処理対象物に良好にメッキできなくなる。このため、メッキ装置で用いられるメッキ液の特定の成分について定期的に定量分析し、この成分の濃度が所定の値より低くなった場合、この成分をメッキ液に補充してメッキ液を所定の組成に保つことが必要である。特に、半導体ウエハ上の微細なビアホールやトレンチを埋め、かつ均一に銅膜を形成するような精密メッキでは、光沢剤、促進剤、抑制剤などの微量成分を含めてメッキ液の組成が所定の組成になるように管理することが重要である。
【0003】
図4は、従来のメッキ装置の構成を示す図解図である。
このメッキ装置50は、処理対象物にメッキ処理を施すためのメッキ処理装置51と、メッキ液を所定の組成に保つためのメッキ液管理装置52とを含んでいる。
メッキ処理装置51は、大量のメッキ液を収容するためのメッキ液収容槽53、およびメッキ液に処理対処物を接液させてメッキ処理を行うメッキ槽54を含んでいる。メッキ槽54はメッキ液収容槽53より高い位置に配されている。メッキ液収容槽53とメッキ槽54との間には、供給配管55およびリターン配管56が連通接続されている。供給配管55にはポンプPが介装されており、メッキ液収容槽53内のメッキ液をメッキ槽54へ供給できるようになっている。メッキ槽54に供給されたメッキ液は、重力の作用によりリターン配管56を経てメッキ液収容槽53に戻るようになっている。メッキ処理装置51は、このようにメッキ液収容槽53とメッキ槽54との間でメッキ液を循環させながら、メッキ槽54で処理対象物にメッキ処理が施すことができる。
【0004】
メッキ液管理装置52は、メッキ液の微量成分である第1の成分および第2の成分について定量分析を行い、その結果に基づいて不足分の第1および第2の成分をメッキ液に補充して、メッキ液を所定の組成に調整する。メッキ液管理装置52は、メッキ液収容槽53内のメッキ液をサンプリングして第1および第2の成分に関して定量分析をする分析部57、およびメッキ液収容槽53にメッキ液の第1および第2の成分を補充する補充部58を備えている。
【0005】
分析部57は、メッキ液を収容して分析する分析容器61を備えている。分析容器61とメッキ処理装置51のメッキ液収容槽53との間には、サンプリング管62が配設されている。サンプリング管62にはシリンジポンプ63が介装されており、シリンジポンプ63によりメッキ液収容槽53から分析容器61にメッキ液を供給できるようになっている。分析容器61の下部からは排出管59が延設されており、排出管59には排出管59の流路を開閉するためのドレンバルブ74が介装されている。
【0006】
分析部57は、さらにメッキ液の分析に用いる試薬を収容する試薬収容器64、試薬収容器64と分析容器61との間に配設された試薬供給管65、および試薬供給管65に介装されたシリンジポンプ66を備えている。シリンジポンプ66により、所定量の試薬を分析容器61内のメッキ液に添加できるようになっている。分析容器61には、センサ67などが取り付けられており、分析容器61内のメッキ液の物理量を測定できるようになっている。センサ67の出力は、制御部60に入力されるようになっている。
【0007】
補充部58は、第1の成分を含む第1補充液が収容された第1補充液収容器68、および第2の成分を含む第2補充液が収容された第2補充液収容器69を備えている。第1および第2補充液収容器68,69とメッキ液収容槽53との間には、第1および第2補充管70,71がそれぞれ配設されており、第1および第2補充管70,71には、シリンジポンプ72,73がそれぞれ介装されている。シリンジポンプ72,73により、それぞれ所要量の第1および第2補充液をメッキ液収容槽53内のメッキ液に添加できるようになっている。
【0008】
シリンジポンプ63,66,72,73の動作は、制御部60により制御される。
以下、このメッキ液管理装置52によりメッキ液の組成(第1および第2の成分の濃度)を調整する方法を説明する。先ず、制御部60によりシリンジポンプ63の動作が制御されて、メッキ液収容槽53からメッキ液が分析容器61へと送液される。続いて、制御部60によりシリンジポンプ66の動作が制御されて、試薬収容器64内の試薬が一定量ずつ分析容器61内のメッキ液に添加される。この間、制御部60はセンサ67からの出力信号によりメッキ液の物理量をモニタする。このようにして第1の成分の滴定分析が行われる。制御部60はこの物理量の変化に基づいて滴定の終点を求める。そして、同様の方法または別の方法により、第2の成分の濃度が求められる。
【0009】
制御部60は、分析により求められた第1および第2の成分の濃度に基づき、メッキ液収容槽53内のメッキ液を、第1および第2の成分に関して所定の濃度にするために必要な第1および第2補充液の量を求める。そして、制御部60は、シリンジポンプ72,73の動作を制御して、求められた量の第1および第2補充液をメッキ液収容槽53内のメッキ液に添加する。こうして、メッキ液収容槽53内のメッキ液が、第1および第2の成分に関して調整される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなメッキ装置50においては、1台のメッキ処理装置51につき、1台のメッキ液管理装置52が占有されており、メッキ処理装置51の数だけメッキ液管理装置52を設けなければならず、経済的ではなかった。
また、分析のためにメッキ液を分析容器にサンプリングする際、サンプリング管62内には前回サンプリングを行ったときのメッキ液が存在している。このようなメッキ液が分析に用いるメッキ液と混合されると、メッキ液収容槽53内にあるメッキ液の正確な分析ができない。このため、シリンジポンプ63により適当な量のメッキ液を分析容器61へと送液し、ドレンバルブ74を開いてこのメッキ液を排出した後、改めてメッキ液のサンプリングを行わねばならない。排出されたメッキ液は廃棄されるので、メッキ液が無駄になっていた。
【0011】
さらに、メッキ液管理装置52がメッキ処理装置51から遠くに配されており、サンプリング管62が長い場合、シリンジポンプ63で正確に所定量のメッキ液を送液しても、必ずしも分析容器61に所定量のメッキ液が送液されなかった。特に、サンプリング管62の温度が均一でない場合など、サンプリング管62およびサンプリング管62内部のメッキ液の熱膨張/収縮により、メッキ液の吐出量の精度が悪くなる。滴定分析を行う場合、分析対象のメッキ液の量が正確にわかっていないと正確な分析ができない。
【0012】
同様に、メッキ液管理装置52がメッキ処理装置51から遠くに配されており、第1および第2補充管70,71が長い場合、シリンジポンプ72,73で正確に所要量の第1および第2補充液を送液しても、必ずしもメッキ液収容槽53内のメッキ液に所要量の第1および第2補充液が添加されなかった。特に、第1および第2補充管70,71の温度が均一でない場合など、第1および第2補充管70,71ならびにその内部の第1および第2補充液の熱膨張/収縮により、第1および第2補充液の吐出量の精度が悪くなる。すなわち、メッキ液収容槽53内のメッキ液に所要量の第1および第2補充液が補充されない。
【0013】
また、第1または第2補充液収容器68,69を交換した際など、第1および第2補充管70,71に空気が混入すると、第1および第2補充液の補充量を正確に制御できない。したがって、このような場合、シリンジポンプ72,73により第1および第2補充液を送液して空気を追い出し、第1および第2補充管70,71の内部を第1および第2補充液で液密にしなければならない。このとき、第1および第2補充管70,71から空気とともに第1および第2補充液が吐出されるが、吐出された第1および第2補充液は、通常廃棄される。第1および第2補充管70,71が長いと、廃棄する第1および第2補充液の量が多くなり無駄であった。
【0014】
さらに、第1および第2補充管70,71の内部を第1および第2補充液で液密にする際、そのままシリンジポンプ72,73で送液すると、第1および第2補充液はメッキ液収容槽53内に吐出される。このため、第1および第2の補充液をメッキ処理に用いられるメッキ液に加えることなく吐出(ダミー吐出)させることができなかった。
さらに、補充液がメッキ液に溶解(分散)しにくい場合(たとえば、補充液が高分子系の成分を含んでいる場合)、補充液をメッキ液に溶解させるのに時間を要した。
【0015】
そこでこの発明の目的は、複数のメッキ処理装置で共有できるメッキ液管理装置を提供することである。
この発明の他の目的は、廃棄するメッキ液の量を少なくできるメッキ液管理装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、メッキ液の特定の成分に関して正確に定量分析できるメッキ液管理装置を提供することである。
【0016】
この発明のさらに他の目的は、補充液の補充量の精度が高いメッキ液管理装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、廃棄する補充液の量を少なくできるメッキ液管理装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、メッキ処理に用いるメッキ液へ添加することなく補充液を吐出できるメッキ液管理装置を提供することである。
【0017】
この発明のさらに他の目的は、メッキ液に溶解しにくい補充液を短時間でメッキ処理装置内のメッキ液に溶解できるメッキ液管理装置を提供することである。この発明のさらに他の目的は、1台のメッキ液管理装置を複数のメッキ処理装置で共有できるメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、廃棄するメッキ液の量を少なくできるメッキ装置を提供することである。
【0018】
この発明のさらに他の目的は、メッキ液の特定の成分に関して正確に定量分析できるメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、補充液の補充量の精度が高いメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、廃棄する補充液の量を少なくできるメッキ装置を提供することである。
【0019】
この発明のさらに他の目的は、メッキ処理に用いるメッキ液へ添加することなく補充液を吐出させることができるメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、メッキ液に溶解しにくい補充液を短時間でメッキ液に溶解できるメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、複数のメッキ処理装置内のメッキ液を特定の成分に関して所定の濃度に調整できるメッキ液組成管理方法を提供することである。
【0020】
この発明のさらに他の目的は、廃棄するメッキ液の量を少なくできるメッキ液組成調整方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、メッキ液の特定の成分に関して正確に定量分析できるメッキ液組成調整方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、補充液の補充量の精度が高いメッキ液組成調整方法を提供することである。
【0021】
この発明のさらに他の目的は、廃棄する補充液の量を少なくできるメッキ液組成調整方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、メッキ処理に用いるメッキ液へ添加することなく補充液を吐出させることができるメッキ液組成調整方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、メッキ液に溶解しにくい補充液を短時間でメッキ液に溶解できるメッキ液組成調整方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、メッキ液を収容できるメッキ液収容槽(4a,4b)とメッキ処理を基板に施すメッキ槽(6a,6b)とを含むメッキ処理装置内(2a,2b)からメッキ液をサンプリングしてメッキ液の特定の成分について定量分析する分析部(20)と、上記メッキ処理装置内のメッキ液が上記特定の成分に関して所定の濃度になるように、上記分析部による分析結果に基づいて決定される量だけ当該特定の成分を含む補充液を上記メッキ処理装置内のメッキ液に補充する補充部(21)とを備え、上記補充部が、メッキ液と補充液とを調合するための調合容器(9)と、上記メッキ処理装置のメッキ液収容槽と上記調合容器との間に配設された補充管(24,25)を含み、この補充管を介してメッキ液を双方向に移送可能な送液手段(46)と、上記調合容器に上記補充液を供給する補充液供給手段(13,15A,15B,18A,18B)と、上記調合容器内の液体をドレインする手段(49B)とを含み、上記メッキ液収容槽内のメッキ液を所定量、上記調合容器内に移すように上記送液手段を制御し、上記調合容器に上記補充液を供給するように上記補充液供給手段を制御した後、上記調合容器内の上記補充液が添加された上記メッキ液を上記メッキ液収容槽に移送するように上記送液手段を制御し、その後、上記調合容器内の液体をドレインして上記調合容器内にメッキ液が存在しない状態にするように上記ドレインする手段を制御する制御部(19)をさらに備えたことを特徴とするメッキ液管理装置(3)である。
【0023】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、送液手段によりメッキ処理装置から適量のメッキ液を調合容器に送液(採取)し、補充液供給手段により調合容器内のメッキ液に補充液を添加し、その後、送液手段により調合容器内のメッキ液をメッキ処理装置に送液できる。
【0024】
補充液はメッキ処理装置内ではなく先ずメッキ液管理装置の調合容器内に吐出される。したがって、このようなメッキ液管理装置はメッキ処理に用いられるメッキ液に添加することなく、補充液を吐出させることができる。調合容器は、内部の液体が、たとえば、下部から排出できるように構成されていてもよく、この場合、調合容器内に吐出された補充液を容易に排出して廃棄できる。
補充液は一旦調合容器内でメッキ液に溶解(分散)させてからメッキ処理装置へと送ることができる。この場合、補充液がメッキ液に溶けにくい場合でも、メッキ処理装置内のメッキ液に対して短時間で補充液を溶解(分散)させることができる。補充液をメッキ液に短時間で溶解(分散)させるためにメッキ液を攪拌する攪拌手段を設けてもよい。攪拌手段は、たとえば、調合容器の下部から窒素ガスを供給して調合容器内のメッキ液をバブリングするものであってもよい。
【0025】
補充液供給手段は複数設けられていて、複数の種類の補充液を補充できるようになっていてもよい。この場合、調合容器は必ずしも補充液供給手段と同じ数だけ設けられている必要はなく、1つであってもよい。
請求項2記載の発明は、上記送液手段が、上記調合容器に連通接続され、上記調合容器内を排気および上記調合容器内に給気できるエアポンプ(46)を含み、上記調合容器がほぼ密閉された状態にできることを特徴とする請求項1記載のメッキ液管理装置である。
【0026】
調合容器をほぼ密閉された状態にし、エアポンプで調合容器内の気体を排出(排気)して調合容器内を減圧状態にすることにより、メッキ処理装置内との圧力差により、メッキ処理装置内のメッキ液を補充管を介して調合容器内に送液できる。また、補充管が調合容器内のメッキ液の液面より低い位置まで延設されている場合、調合容器をほぼ密閉された状態にし、エアポンプにより調合容器に気体を供給(給気)し、調合容器内を加圧状態にすることにより、調合容器内のメッキ液をメッキ処理装置に送液できる。補充管が、調合容器内の充分低い位置(底面付近)で開口していると、調合容器内のメッキ液の大部分をメッキ処理装置に送液することができる。
【0027】
送液後、調合容器内にメッキ液が残ると、正確に所要量の補充液がメッキ処理装置内のメッキ液に補充されたことにはならない。この場合、送液手段により、再度メッキ処理装置からメッキ液を調合容器内に送液して調合容器内に残っているメッキ液と混合した後、調合容器内のメッキ液をメッキ処理装置へと送液することができる。これにより、より所要量に近い補充液をメッキ処理装置内のメッキ液に補充できる。必要により、さらにメッキ液の調合容器内への送液およびメッキ処理装置内への送液を繰り返すことにより、確実に所要量の補充液をメッキ処理装置内のメッキ液に添加できる。
【0028】
調合容器の下部は、下に向かうに従って狭まる先細り形状にすることができる。このような調合容器の下端に排出用の配管を設けることにより、最後に調合容器内部に残ったメッキ液を容易に排出できる。
請求項3記載の発明は、上記補充液供給手段が、上記調合容器に近接して(たとえば、調合容器と共通のケーシング内に)配され補充液を収容する補充液収容器(17A,17B)と、この補充液収容器と上記調合容器との間に配された補充液供給管(15A,15B)と、この補充液供給管に介装され上記補充液収容器内の補充液を上記調合容器内に送液できる補充液送液手段(18A,18B)とを含むことを特徴とする請求項1または2記載のメッキ液管理装置である。
【0029】
この発明によれば、補充液収容器は調合容器に近接して配されているので、補充液供給管を短くできる。したがって、補充液の補充量の精度を高くできる。近接して配された補充液収容器と調合容器との間では温度差はほとんど生じないので、補充液供給管および補充液供給管内部の補充液の熱膨張/収縮により補充量の精度が悪くなることはない。
また、補充液供給管が短いことにより、補充液供給管に空気が混入した場合、少量の補充液を送液するだけで補充液供給管内を補充液で液密にできる。すなわち、補充液供給管から吐出され廃棄する補充液の量を少なくできる。
【0030】
請求項4記載の発明は、上記送液手段は、上記調合容器と複数のメッキ処理装置との間にそれぞれ配設された複数の補充管と、この複数の補充管のうちの任意の1つを選択し、この選択された補充管に対応するメッキ処理装置と上記調合容器との間でメッキ液を送液可能とする選択手段(24B,25B)とを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメッキ液管理装置である。
メッキ処理装置が複数ある場合、調合容器とそれぞれのメッキ処理装置との間に補充管を配設し、これらの補充管のうち適当なものを選択することにより複数のメッキ処理装置のうちの任意の1つのメッキ処理装置内のメッキ液に補充液を補充できる。すなわち、複数のメッキ処理装置により1つの補充部を共有できる。
【0031】
請求項5記載の発明は、上記分析部が、サンプリング容器(5)と、このサンプリング容器に連通接続されたサンプリング管(22,23)を含み、このサンプリング管を介して上記メッキ処理装置からメッキ液をサンプリングするサンプリング手段(31)と、サンプリングされたメッキ液の分析処理を実施する分析処理部(26)とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のメッキ液管理装置である。
【0032】
この発明によれば、直接メッキ処理装置内のメッキ液に対して分析を行うのではなく、メッキ処理装置からメッキ液をサンプリングして行うことができる。したがって、メッキ処理装置内のメッキ液を汚染させることなく、試薬を加えながら行う分析(たとえば、滴定分析)ができる。
請求項6記載の発明は、上記サンプリング容器が、ほぼ密閉された状態にできるものであり、このサンプリング容器に連通接続され、このサンプリング容器内を排気およびこのサンプリング容器内に給気できるエアポンプ(31)を備えたことを特徴とする請求項5記載のメッキ液管理装置である。
【0033】
サンプリング容器をほぼ密閉された状態とし、エアポンプにより排気を行ってサンプリング容器内を減圧状態にすることにより、サンプリング管を介してメッキ処理装置内のメッキ液をサンプリング容器内に送液できる。サンプリング管はサンプリング容器内の上部近傍で開口するように配することができる。この場合、サンプリング容器をほぼ密閉された状態にし、エアポンプにより給気を行ってサンプリング容器内を加圧状態にすることにより、サンプリング管内のメッキ液をメッキ処理装置に押し戻すことができる。
【0034】
このようにして、メッキ液をサンプリング容器にサンプリングした後、サンプリング管内のメッキ液のみをメッキ処理装置へと押し戻して、サンプリング管内にメッキ液が存在しないようにできる。このようにしておくことにより、次にメッキ液の分析をするときには、サンプリング管内には前回分析を行ったときのメッキ液は存在していないので、サンプリング容器に送液したメッキ液を廃棄することなく分析に使用することができる。したがって、このようなメッキ液管理装置は、廃棄するメッキ液の量を少なくできる。
【0035】
分析処理部は、たとえば、CVS(Cyclic Voltammetric Stripping)による分析が可能なものであってもよい。
請求項7記載の発明は、上記分析処理部が、上記サンプリング容器に近接して(たとえば、サンプリング容器と共通のケーシング内に)配されメッキ液を収容可能な分析容器(36)と、上記サンプリング容器から上記分析容器に所定量のメッキ液を送液するメッキ液定量送液手段(30,40)と、上記分析容器に収容されたメッキ液に対して、所定の試薬を供給する試薬供給手段(37,38,39)と、上記分析容器内のメッキ液の物理量を測定するセンサ手段(41,42)とを備えたことを特徴とする請求項5または6記載のメッキ液管理装置である。
【0036】
この発明によれば、分析に使用するメッキ液はメッキ処理装置から一旦サンプリング容器内にサンプリングされ、サンプリング容器からメッキ液定量送液手段により分析容器に送液される。サンプリング容器と分析容器とは近接して配されているので、たとえば配管を介して分析容器にメッキ液を送液する場合、配管を短くできる。この場合、メッキ液定量送液手段(たとえば、シリンジポンプ)によるメッキ液の送液量の精度を高くできる。また、互いに近接して配されたサンプリング容器と分析容器との間では、温度差はほとんど生じないので、配管および配管内部のメッキ液の熱膨張/収縮により送液量の精度が悪くなることはない。
【0037】
メッキ液を滴定により分析する場合は、分析に用いるメッキ液の量が正確にわかっていなければ、正確な分析ができない。この発明により、分析対象のメッキ液を正確に所定の量だけ量り取ることができるので、メッキ液の特定の成分に関して正確に定量分析できる。
請求項8記載の発明は、上記サンプリング手段は、上記サンプリング容器と複数のメッキ処理装置との間にそれぞれ配設された複数のサンプリング管と、この複数のサンプリング管のうちの任意の1つを選択し、この選択されたサンプリング管に対応するメッキ処理装置から上記サンプリング容器へメッキ液をサンプリング可能とする選択手段(22B,23B)とを含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のメッキ液管理装置である。
【0038】
メッキ処理装置が複数ある場合、サンプリング容器とそれぞれのメッキ処理装置との間にサンプリング管を配設し、これらのサンプリング管のうち適当なものを選択することにより複数のメッキ処理装置のうちの任意の1つからメッキ液をサンプリングできる。すなわち、複数のメッキ処理装置により1つの分析部を共有できる。補充部が複数のメッキ処理装置によって共有されている場合、複数のメッキ処理装置により、1台のメッキ管理装置を共有させることができる。
【0039】
請求項9記載の発明は、メッキ液に処理対象物を接液させてメッキ処理を施すメッキ槽(6a,6b)と、請求項1ないし8のいずれかに記載のメッキ液管理装置とを備えたメッキ装置である。
このようなメッキ装置は、請求項1ないし8記載のメッキ液管理装置と同様の効果を奏することができる。
請求項10記載の発明は、メッキ処理装置内のメッキ液の特定の成分について定量分析する分析工程と、上記メッキ処理装置内のメッキ液の一部を調合容器内(9)に採取する第1採取工程と、上記メッキ処理装置内のメッキ液が当該特定の成分に関して所定の濃度になるように、上記分析工程で得られた分析値に基づいて決定される量だけ当該特定の成分を含む補充液を、上記第1採取工程で上記調合容器内に採取されたメッキ液に添加する補充液添加工程と、上記補充液添加工程で補充液が添加されたメッキ液を、上記メッキ処理装置内のメッキ液に添加するメッキ液添加工程とを含み、上記メッキ液添加工程の後、(ア)上記メッキ処理装置内のメッキ液の一部を上記調合容器内に採取する第2採取工程と、
(イ)上記第2採取工程の後、上記調合容器内のメッキ液を上記メッキ液処理装置内に移送する工程と少なくとも1回実施して、実質的に上記補充液添加工程で添加された量の上記補充液を、上記メッキ処理装置内のメッキ液に添加することを特徴とするメッキ液組成調整方法である。
【0040】
このメッキ液組成調整方法は、請求項1記載のメッキ液管理装置で実施することができ、請求項1記載のメッキ液管理装置と同様の効果を奏することができる。メッキ処理装置が複数ある場合、各メッキ処理装置のメッキ液に対して同様のメッキ液組成調整方法を実施できる。すなわち、このメッキ液組成調整方法により、複数のメッキ処理装置内のメッキ液を特定の成分に関して所定の濃度に調整できる。
【0041】
請求項11記載の発明は、上記分析工程が、サンプリング管を介して上記メッキ処理装置内のメッキ液をサンプリングするサンプリング工程と、上記サンプリング工程の後、上記サンプリング管内のメッキ液を上記メッキ処理装置内に送液する工程と、上記サンプリング工程でサンプリングされたメッキ液から所定量のメッキ液を分析容器に移送する定量移送工程と、上記定量移送工程で移送されたメッキ液に対して滴定分析を行う滴定分析工程とを含むことを特徴とする請求項10記載のメッキ液組成調整方法である。
【0042】
このメッキ液組成調整方法は、請求項7記載のメッキ液管理装置で実施することができ、請求項7記載のメッキ液管理装置と同様の効果を奏することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るメッキ装置1の全体の構成を示す図解的な断面図である。
このメッキ装置1は、半導体ウエハの表面に銅メッキを施すためのものであり、メッキ液を循環させながら半導体ウエハにメッキ処理を施すための2台のメッキ処理装置2a,2b、およびメッキ液を所定の組成に保つための1台のメッキ液管理装置3を含んでいる。
【0044】
それぞれのメッキ処理装置2a,2bは、大量のメッキ液を収容できるメッキ液収容槽4a,4b、メッキ液収容槽4a,4bより高い位置に配され半導体ウエハをメッキ液に接液してメッキ処理を施すメッキ槽6a,6b、メッキ液収容槽4a,4bからメッキ槽6a,6bへとメッキ液を供給するための供給配管8a,8b、およびメッキ槽6a,6bからメッキ液収容槽4a,4bへとメッキ液を戻すリターン配管10a,10bを含んでいる。メッキ液収容槽4a,4bは密閉されておらず、内部は大気圧にされている。
【0045】
供給配管8a,8bには、メッキ液収容槽4a,4bからメッキ槽6a,6bへとメッキ液を送液するためのポンプP1,P2、およびメッキ液中の異物および気泡を除去するためのフィルタ12a,12bが、それぞれ介装されている。フィルタ12a,12bは、供給配管8a,8bにおいてポンプP1,P2より下流側に取り付けられている。
メッキ槽6a,6bは、内槽14a,14bと内槽14a,14bのまわりに配された外槽16a,16bとをそれぞれ含んでいる。供給配管8a,8bは、内槽14a,14bの底面中央部にそれぞれ連通接続されており、リターン配管10a,10bは外槽16a,16bの底面の一部にそれぞれ連通接続されている。
【0046】
ポンプP1,P2を作動させると、メッキ液収容槽4a,4b内のメッキ液は内槽14a,14bへと供給され、内槽14a,14bの縁から溢れて外槽16a,16b内へと流れる。外槽16a,16b内のメッキ液は、重力の作用によりリターン配管10a,10bを経てメッキ液収容槽4a,4b内へと流れ落ちる。このようにしてメッキ液収容槽4a,4bとメッキ槽6a,6bとの間で、メッキ液を循環させながら、内槽14a,14bのメッキ液の表面に半導体ウエハを接液させてメッキできる。
【0047】
このメッキ処理装置2a,2bで用いられるメッキ液は、主成分として、水、硫酸、および硫酸銅を含んでおり、微量成分として、光沢剤、促進剤、抑制剤などの添加剤と塩素とを含んでいる。メッキ液は、メッキ液処理装置2a,2bで使用されているうちに所定の組成からずれる。主成分の硫酸や銅の濃度は所定の濃度より高くなるように変化し、微量成分の濃度は所定の濃度より低くなるように変化する。主成分に関しては、図示しない主成分調整装置により、所定の濃度に調整される。微量成分に関しては、メッキ液管理装置3により、所定の濃度に調整される。
【0048】
メッキ液管理装置3は、微量成分である第1の成分および第2の成分に関して定量分析を行う分析部20と、分析部20による分析結果に基づきメッキ処理装置2a,2b内のメッキ液が第1および第2の成分に関して所定の濃度になるように第1および第2の成分を補充する補充部21と、分析部20および補充部21の動作を制御する制御部19とを備えている。補充部21には、第1および第2の成分をそれぞれ含む第1および第2補充液が収容されており、メッキ液の第1および第2の成分の濃度を調整する際は、第1および第2補充液がメッキ液に補充されるようになっている。
【0049】
メッキ液収容槽4a,4bと分析部20との間には、サンプリング管22,23がそれぞれ配設されている。サンプリング管22,23はメッキ液収容槽4a,4bの底部近傍まで延設されており、メッキ液収容槽4a,4b内のメッキ液にサンプリング管22,23の端部が没するようになっている。制御部19によりサンプリング管22およびサンプリング管23のいずれかを選択して、メッキ液収容槽4aまたはメッキ液収容槽4bに収容されているメッキ液を分析部20にサンプリングできるようになっている。
【0050】
メッキ液収容槽4a,4bと補充部21との間には、補充管24,25がそれぞれ配設されている。制御部19により補充管24および補充管25のうちのいずれかを選択して、メッキ液収容槽4aまたはメッキ液収容槽4bに収容されているメッキ液に第1および第2補充液を補充できるようになっている。このように、2台のメッキ処理装置2a,2bで1台のメッキ液管理装置3を共有できるようになっている。
【0051】
補充管24,25はメッキ液収容槽4a,4bの底部近傍まで延設されており、メッキ液収容槽4a,4b内のメッキ液に補充管24,25の端部が没するようになっている。
図2は、分析部20の構成を示す図解図である。
分析部20は、サンプリング管22,23を介して送液されたメッキ液を収容するサンプリング容器5と、サンプリング容器5から移送されたメッキ液を第1および第2の成分に関して定量分析する分析処理部26とを含んでいる。
【0052】
サンプリング容器5の下部は、下方に向かって細くなる錘形の形状を有している。サンプリング容器5の下端には排出管34が取り付けられている。排出管34にはストップバルブ34Bが介装されており、ストップバルブ34Bを開くことによりサンプリング容器5内の液体をドレン(排出)できる。
サンプリング容器5は、上蓋25aを有しておりほぼ密閉されている。サンプリング管22,23は上蓋25aを貫通して配されており、サンプリング容器5内の上部(上蓋25a近傍)で開口している。サンプリング管22,23にはそれぞれストップバルブ22B,23Bが介装されており、ストップバルブ22B,23Bを開閉することによりサンプリング管22,23の流路を開閉できる。
【0053】
サンプリング容器5には、さらに、純水配管27、リーク管28、給排気管29、およびメッキ液移送管30が、上蓋25aを貫通して連通接続されている。純水配管27、リーク管28、および給排気管29は、サンプリング容器5内の上部で開口しており、メッキ液移送管30はサンプリング容器5内の底部近傍まで延設されて開口している。
純水配管27にはストップバルブ27Bが介装されており、ストップバルブ27Bを開くことにより純水供給源からサンプリング容器5内へ純水を供給できるようになっている。リーク管28のサンプリング容器5外の端部は大気中に開放されている。リーク管28にはバルブ28Bが介装されており、バルブ28Bを開くことによりサンプリング容器5内を大気圧にできる。
【0054】
給排気管29のサンプリング容器5外の端部には、エアポンプ31が接続されている。エアポンプ31は排気管32および給気管33を備えており、給排気管29は排気管32および給気管33に連通接続されている。排気管32には三方バルブ32Bが介装されており、給気管33には三方バルブ33Bが介装されている。
三方バルブ32Bを大気とエアポンプ31とが流通するようにし、三方バルブ33Bをエアポンプ31と給排気管29とが流通するようにして、エアポンプ31を作動させることにより、サンプリング容器5内に空気を供給(給気)できる。また、三方バルブ32Bを給排気管29とエアポンプ31とが流通するようにし、三方バルブ33Bをエアポンプ31と大気とが流通するようにして、エアポンプ31を作動させることにより、サンプリング容器5内の気体を排出(排気)できる。
【0055】
サンプリング容器5の側面には、その高さ位置におけるサンプリング容器5内のメッキ液の有無を検知する液面センサ7が取り付けられている。液面センサ7は、サンプリング容器5内におけるサンプリング管22,23、純水配管27、リーク管28、および給排気管29の先端より低く、サンプリング容器5内におけるメッキ液移送管30の先端より高い高さ位置に取り付けられている。液面センサ7の出力は、制御部19に入力される。
【0056】
メッキ液移送管30は、分析処理部26へと延設されている。分析処理部26は、サンプリング容器5に近接して配され分析対象のメッキ液を収容する分析容器36を含んでいる。メッキ液移送管30は、分析容器36の上方で開口している。メッキ液移送管30にはシリンジポンプ40が介装されている。シリンジポンプ40はメッキ液移送管30を介して、サンプリング容器5から所定量のメッキ液を吸い取り、分析容器36へと吐出できる。
【0057】
分析処理部26は、さらに第2の成分の滴定分析に用いる試薬を収容する試薬収容器37、試薬収容器37内の底部から分析容器36の上方に渡って配設された試薬供給管38、および試薬供給管38に介装されたシリンジポンプ39を備えている。シリンジポンプ39により、所定量の試薬を分析容器36内のメッキ液に添加(滴下)できるようになっている。
分析容器36の下部は下方に向かって細くなる錘形の形状を有しており、分析容器36の下端には排出管44が取り付けられている。排出管44にはストップバルブ44Bが介装されており、ストップバルブ44Bを開くことにより分析容器36内の液体をドレンできる。
【0058】
サンプリング容器5の下部には、サンプリング容器5内のメッキ液の物理量を測定するセンサ41、およびCVS(Cyclic Voltammetric Stripping)分析を行うためのセンサ手段である電極42が取り付けられている。センサ41および電極42の出力は、制御部19に入力される。センサ41は、具体的には、参照電極と対極とからなる電極対を備え、この電極対の間の電位差を測定できるものである。
【0059】
センサ41で電位差を測りながら、試薬収容器37の試薬をシリンジポンプ39で分析容器36内のメッキ液に滴下することにより、電位差滴定を行うことができる。制御部19は、センサ41の出力の変化に基づき、第2の成分(たとえば、塩素)の濃度を求めることができる。
また、制御部19は電極42により、三角波で電極電位を走査して電流電位曲線のデータを得ることができる。電流電位曲線のピーク電流から第1の成分の濃度を求めることができる。第1の成分は、たとえば、光沢剤(ブライトナー)や抑制剤(サプレッサ)とすることができる。
【0060】
ストップバルブ22B,23B,27B,34B,44B、バルブ28B、および三方バルブ32B,33Bの開閉や、エアポンプ31、シリンジポンプ39,40の動作などは制御部19により制御される。
以下に、メッキ処理装置2a内のメッキ液を分析する場合を例に、分析部20による分析の手順を説明する。
先ず、制御部19の制御により、ストップバルブ23B,27B,34Bおよびバルブ28Bが閉じられ、ストップバルブ22Bが開かれる。そして、制御部19の制御により、三方バルブ32Bが給排気管29とエアポンプ31とが流通するようにされ、三方バルブ33Bがエアポンプ31と大気とが流通するようにされて、エアポンプ31が作動される。これにより、サンプリング容器5内が排気されて減圧状態(大気圧より低い状態)となる。メッキ液収容槽4a内は大気圧にされているので、メッキ液収容槽4a内のメッキ液は圧力差に従ってサンプリング容器5内へと送液(サンプリング)される。
【0061】
メッキ液の送液に伴って、サンプリング容器5内のメッキ液の液面が上昇し液面センサ7が配置されているレベルに達すると、制御部19はストップバルブ22Bを閉じるように制御して、サンプリング容器5内へのメッキ液の送液が止められる。サンプリング容器5内におけるサンプリング管22,23、純水配管27、リーク管28、および給排気管29の先端は、液面センサ7より高い高さ位置にあるのでメッキ液に没しない。
【0062】
続いて、制御部19の制御により、三方バルブ32Bが大気とエアポンプ31とが流通するようにされ、三方バルブ33Bがエアポンプ31と給排気管29とが流通するようにされる。これにより、サンプリング容器5内に給気され、サンプリング容器5内の圧力は大気圧を経て加圧状態(大気圧より高い状態)となる。
その後、制御部19の制御により、ストップバルブ22Bが開かれる。サンプリング容器5内の圧力はメッキ液収容槽4a内の圧力より高いので、サンプリング管22内に滞留しているメッキ液はメッキ液収容槽4aへと押し戻される。このとき、サンプリング容器5内におけるサンプリング管22の先端は、メッキ液に没していないので、サンプリング容器5内にサンプリングされたメッキ液は、サンプリング管22を介して送液されることはない。適当な時間このような操作が続けられた後、制御部19の制御によりエアポンプ31が停止されとともに、ストップバルブ22Bが閉じられる。これにより、サンプリング管22内にはメッキ液が存在しない状態となる。
【0063】
次に、制御部19の制御により、バルブ28Bが開放されてサンプリング容器5内が大気圧にされる。そして、制御部19によりシリンジポンプ40が制御されて、所定量のメッキ液がサンプリング容器5から分析容器36へと送液される。その後、分析容器36内のメッキ液に対して、第1および第2の成分の定量分析が行われる。具体的には、制御部19により電極42を用いてCVS測定が行われて、第1の成分の濃度が求められる。その後、制御部19によりシリンジポンプ39が制御されて、分析容器36内のメッキ液に所定の滴下速度で試薬が滴下され、その間のメッキ液の物理量がセンサ41でモニタされて滴定分析が行われる。これにより、第2の成分の濃度が求められる。
【0064】
制御部19は、求められた第1および第2の成分の濃度、およびメッキ処理装置2a内のメッキ液の総量に関するデータに基づき、第1および第2の成分に関してメッキ処理装置2a内のメッキ液が所定の組成になるように、補充する第1および第2補充液の量を計算する。メッキ処理装置2a内のメッキ液の総量に関するデータは、たとえば、一定の値として予め制御部19に記憶されていてもよい。
【0065】
分析終了後、制御部19によりストップバルブ34Bが開かれてサンプリング容器5内のメッキ液が排出管34からドレンされる。その際、バルブ28Bを閉じ、エアポンプ31によりサンプリング容器5内を加圧状態にすることとしてもよい。これにより、メッキ液を迅速にドレンできる。その後、制御部19の制御により、ストップバルブ27Bが開かれてサンプリング容器5内に純水が供給され、サンプリング容器5内が洗浄される。
【0066】
また、制御部19の制御によりストップバルブ44Bが開かれて、分析容器36内のメッキ液が排出管44からドレンされる。さらに、必要に応じてシリンジポンプ40により、メッキ液移送管30内のメッキ液を抜き出すこととしてもよい。
以上の分析おいて、メッキ液をサンプリングした後サンプリング管22内はメッキ液が存在しない状態にされる。したがって、次にメッキ液をサンプリングして分析するときは、サンプリング管22,23内には前回分析を行ったときのメッキ液は存在していないので、メッキ液収容槽4aから送液されたメッキ液をそのまま分析できる。すなわち、このような分析部20(メッキ液管理装置3)は、従来のメッキ液管理装置のように最初にサンプリングされた一定量のメッキ液を廃棄する必要がないので、廃棄するメッキ液の量を少なくできる。
【0067】
分析に使用するメッキ液は、メッキ液収容槽4aから一旦サンプリング容器5内にサンプリングされ、サンプリング容器5からシリンジポンプ40により分析容器36に送液される。サンプリング容器5および分析容器36はメッキ液管理装置3の共通のケーシング内に設けられており、互いに近接して配されているので、メッキ液移送管30の長さは従来のメッキ装置におけるサンプリング管62(図4参照)の長さと比べて著しく短い。
【0068】
したがって、従来のようにサンプリング管62を介してメッキ液収容槽53からメッキ液をサンプリングする場合と比べて、シリンジポンプ40によるメッキ液の送液量の精度を高くできる。近接して配されたサンプリング容器5と分析容器36との間では、温度差はほとんど生じないので、メッキ液移送管30およびメッキ液移送管30内部のメッキ液の熱膨張/収縮により送液量の精度が悪くなることもない。したがって、正確に量が量り取られたメッキ液に対して滴定分析できるので、第2の成分の濃度に関して正確に定量分析できる。
【0069】
メッキ処理装置2bで用いられているメッキ液を分析する場合は、ストップバルブ22Bを閉じストップバルブ23Bを開閉し、サンプリング管23を介してメッキ液収容槽4b内のメッキ液をサンプリングして、同様に分析できる。このように、ストップバルブ22B,23Bの開閉により、サンプリング管22,23を選択して、メッキ処理装置2a,2bのいずれかのメッキ液をサンプリングできる。その際、メッキ処理装置2aまたはメッキ処理装置2bのメッキ液の分析が終わったときには、サンプリング容器5内および分析容器36内にはメッキ液が存在しない状態にされているので、互いのメッキ処理装置2a,2bのメッキ液が混じり合うこともない。したがって、メッキ液の正確な定量分析ができる。
【0070】
図3は、補充部21の構成を示す図解図である。
補充部21は、メッキ液を収容する調合容器9と、調合容器9に第1および第2補充液を供給する補充液供給部13とを備えている。
調合容器9の下部は下方に向かって細くなる錘形の形状を有しており、調合容器9の下端には排出管49が取り付けられている。排出管49にはストップバルブ49Bが介装されており、ストップバルブ49Bを開くことにより調合容器9内の液体をドレンできる。排出管49の途中(ストップバルブ49Bより上方)には、窒素ガス供給管35が連通接続されている。窒素ガス供給管35にはバルブ35Bが介装されており、バルブ35Bを開くことにより窒素ガス供給源から調合容器9内に窒素ガスを導入できるようになっている。
【0071】
調合容器9は、上蓋9aを有しておりほぼ密閉されている。補充管24,25は上蓋9aを貫通して配されており、調合容器9内の底部近傍で開口している。補充管24,25にはストップバルブ24B,25Bがそれぞれ介装されており、ストップバルブ24B,25Bを開閉することにより補充管24,25の流路を開閉できる。
調合容器9には、さらに、リーク管43、給排気管45、および補充液供給管15A,15Bが、上蓋9aを貫通して連通接続されている。リーク管43、給排気管45、および補充液供給管15A,15Bは、調合容器9内の上部で開口している。
【0072】
リーク管43の調合容器9外の端部は大気中に開放されている。リーク管43にはバルブ43Bが介装されており、バルブ43Bを開くことにより調合容器9内を大気圧にできる。
給排気管45の調合容器9外の端部には、エアポンプ46が接続されている。エアポンプ46は排気管47および給気管48を備えており、給排気管45は排気管47および給気管48に連通接続されている。排気管47には三方バルブ47Bが介装されており、給気管48には三方バルブ48Bが介装されている。
【0073】
三方バルブ47Bを大気とエアポンプ46とが流通するようにし、三方バルブ48Bをエアポンプ46と給排気管45とが流通するようにして、エアポンプ46を作動させることにより、調合容器9内に給気できる。また、三方バルブ47Bを給排気管45とエアポンプ46とが流通するようにし、三方バルブ48Bをエアポンプ46と大気とが流通するようにして、エアポンプ46を作動させることにより、調合容器9内を排気できる。
【0074】
調合容器9の側面には、その高さ位置における調合容器9内のメッキ液の有無を検知する液面センサ11が取り付けられている。液面センサ11は、調合容器9内における補充管24,25の先端より高く、調合容器9内におけるリーク管43、給排気管45、および補充液供給管15A,15Bの先端より低い高さ位置に取り付けられている。液面センサ11の出力は、制御部19に入力される。補充液供給管15A,15Bは、補充液供給部13へと延設されている。補充液供給部13は、第1補充液が収容された第1補充液収容器17A、および第2補充液が収容された第2補充液収容器17Bを備えている。第1および第2補充液収容器17A,17Bならびに調合容器9は、メッキ液管理装置3の共通のケーシング内に設けられており互いに近接して配されている。
【0075】
補充液供給管15A,15Bは、それぞれ第1および第2補充液収容器17A,17B内の底部まで延設されている。補充液供給管15A,15Bには、それぞれシリンジポンプ18A,18Bが介装されている。シリンジポンプ18A,18Bにより、それぞれ補充液供給管15A,15Bを介して、第1および第2補充液収容器17A,17Bから所要量の第1および第2補充液を吸い取り、調合容器9内に吐出できるようになっている。
【0076】
ストップバルブ24B,25B,49B、バルブ35B,43B、および三方バルブ47B,48Bの開閉、シリンジポンプ18A,18Bおよびエアポンプ46の動作などは、制御部19により制御される。
以下に、補充部21により、メッキ処理装置2a内のメッキ液について第1および第2の成分の濃度を調整する手順を説明する。
先ず、制御部19の制御により、ストップバルブ25B,49Bおよびバルブ35B,43Bが閉じられ、ストップバルブ24Bが開かれる。そして、制御部19の制御により、三方バルブ47Bが給排気管45とエアポンプ46とが流通するようにされ、三方バルブ48Bがエアポンプ46と大気とが流通するようにされて、エアポンプ46が作動される。これにより、調合容器9内が排気されて減圧状態となる。メッキ液収容槽4a内は大気圧にされているので、メッキ液は圧力差に基づいて補充管24を介して調合容器9内に送液(採取)される。
【0077】
メッキ液の送液に伴って調合容器9内のメッキ液の液面が上昇し液面センサ11が配置されているレベルに達すると、制御部19はストップバルブ24Bを閉じるように制御して、調合容器9内へのメッキ液の送液が止められる。調合容器9内における補充管24,25、リーク管43、および給排気管45の端部は、液面センサ11より高い高さ位置にあるのでメッキ液に没しない。その後、制御部19の制御によりバルブ43Bが開放されて、調合容器9内が大気圧にされる。
【0078】
次に、制御部19はシリンジポンプ18Aを制御して、第1補充液を制御部19により求められた補充量だけ調合容器9へと供給する。同様に、制御部19はシリンジポンプ18Bを制御して、第2補充液を制御部19により求められた補充量だけ調合容器9へと供給する。第1および第2の成分の一方のみが所定の濃度からずれている場合は、第1および第2補充液の一方のみを補充すればよい。第1または第2補充液が、高分子系の成分を含んでいる場合や高粘度である場合など、メッキ液に溶解(分散)し難いことがある。このような場合、制御部19の制御により適当な時間だけバルブ35Bが開かれて、調合容器9内に窒素ガスが導入される。これにより、調合容器9内のメッキ液がバブリングにより攪拌されて、第1または第2補充液は迅速にメッキ液に溶解(分散)する。不活性な窒素ガスでバブリングすることにより、メッキ液の酸化しやすい成分を酸化させることもない。第1補充液がメッキ液に容易に溶解(分散)するものである場合、調合容器9内に窒素ガスを送る操作は行わなくてもよい。
【0079】
続いて、制御部19の制御により、バルブ43Bが閉じられ、三方バルブ47Bが大気とエアポンプ46とが流通するようにされ、三方バルブ48Bがエアポンプ46と給排気管45とが流通するようにされる。これにより、調合容器9内に給気され、調合容器9内は加圧状態となる。
その後、制御部19の制御により、ストップバルブ24Bが開かれる。このとき、調合容器9内の圧力はメッキ液収容槽4a内の圧力より高いので、調合容器9内および補充管24内のメッキ液はメッキ液収容槽4aへと送液される。補充管24は調合容器9の底部近傍まで延設されているので、調合容器9内の大部分のメッキ液をメッキ液収容槽4aに送液できる。送液は、補充管24内のメッキ液もメッキ液収容槽4aに送液されるように充分な時間行われる。
【0080】
このとき、調合容器9内にメッキ液が残っていると、正確に所要量の第1および第2補充液がメッキ液収容槽4a内のメッキ液に補充されたことにはならない。なぜなら、補充された第1および第2補充液は、調合容器9内に残っているメッキ液中にも存在し、メッキ液収容槽4aに補充された第1および第2補充液の量は所要量より少ないからである。したがって、このような場合、メッキ処理装置2a内のメッキ液は第1および第2の成分に関して所定の濃度にはならない。
【0081】
このように、調合容器9内に残るメッキ液の量が無視できない場合は、さらにメッキ液収容槽4aから調合容器9内へメッキ液を送液し、調合容器9内のメッキ液をメッキ液収容槽4aへと送液する。このような操作により、最初に調合容器9内に残ったメッキ液中に含まれていた第1および第2補充液の大部分をメッキ液収容槽4aへ送液できる。必要により、さらにメッキ液をメッキ液収容槽4aから調合容器9に送液し、調合容器9からメッキ液収容槽4aに送液する操作を繰り返してもよい。
【0082】
たとえば、調合容器9内に500mlのメッキ液を送液し、このメッキ液に対して10mlの第1補充液を供給するとする。第1補充液とメッキ液とは充分混合されるものとし、調合容器9内のメッキ液をメッキ液収容槽4aに送液(1回目の送液)した後、調合容器9内に残るメッキ液の量が5mlであるとする。この場合、1回目の送液でメッキ液収容槽4aに送られる第1補充液の量は、所要量(10ml)の99%である。その後、さらにメッキ液の調合容器9内への送液、および調合容器9内のメッキ液のメッキ液収容槽4aへの送液(2回目の送液)を行うと、1回目および2回目の送液を合わせて99.99%の第1補充液がメッキ液収容槽4aに送液される。
【0083】
このように、実質的に所要量の第1および第2補充液を、メッキ処理装置2a内のメッキ液に補充できる。メッキ液収容槽4aへのメッキ液の最後の送液が終わった後には、補充管24内にメッキ液が残らないようにする。
調合容器9からメッキ液収容槽4aへのメッキ液の送液が終わると、制御部19の制御によりストップバルブ24Bが閉じられ、バルブ43Bが開放されて調合容器9内が大気圧にされ、エアポンプ46が停止される。そして、制御部19の制御によりストップバルブ49Bが開かれて、調合容器9内に残ったメッキ液がドレンされる。
【0084】
メッキ処理装置2b内のメッキ液に、第1および第2補充液を補充する際は、補充管24およびストップバルブ24Bを、それぞれ補充管25およびストップバルブ25Bに入れ替えて同様の操作をすればよい。このように、ストップバルブ24B,25Bの開閉によりサンプリング管24,25を選択して、メッキ処理装置2a,2bのいずれかのメッキ液に第1および第2補充液を補充できる。その際、メッキ処理装置2aまたはメッキ処理装置2bへの第1および第2補充液の補充が終わったときには、調合容器9内にはメッキ液が存在しない状態にされているので、メッキ処理装置2a,2bのメッキ液が互いに混じり合うこともない。
以上のように、制御部19は、メッキ液収容槽4a,4b内のメッキ液を所定量、調合容器9内に移すようにエアポンプ46を制御し、調合容器9に補充液を供給するようにシリンジポンプ18A,18Bを制御した後、調合容器9内の補充液が添加されたメッキ液をメッキ液収容槽2a,2bに移送するようにエアポンプ46を制御し、その後、調合容器9内の液体をドレインして調合容器9内にメッキ液が存在しない状態にするようにストップバルブ49Bを制御することができる。
【0085】
以上のような操作によりメッキ液は所定の組成に保たれる。このようなメッキ液を用いて、メッキ処理装置2a,2bにより半導体ウエハ上の微細なビアホールやトレンチを埋めて良好に銅メッキできる。
補充部21において、第1および第2補充液はメッキ液収容槽4a,4bではなく先ず調合容器9内に吐出される。したがって、たとえば、上記のように補充液供給管15a,15b内を液密にする際、第1および第2補充液をメッキ処理に用いるメッキ液に添加することなく吐出(ダミー吐出)できる。調合容器9内に吐出された不要な第1および第2補充液は、排出管49から容易に抜き出して廃棄できる。
【0086】
第1および第2補充液は、メッキ液収容槽4a,4bに送液される前に、調合容器9で予備的にメッキ液と混合される。したがって、第1または第2補充液がメッキ液に溶解(分散)しにくい場合でも、メッキ処理装置2a,2b内のメッキ液に対して短時間で溶解(分散)させることができる。
調合容器9と第1および第2補充液収容器17A,17Bとは、近接して(メッキ液管理装置3の共通のケーシング内に)配されている。このため、補充液供給管15A,15Bの長さは、従来のように第1および第2補充液収容器68、69とメッキ液収容槽53との間に配された第1および第2補充管70,71(図4参照)と比べて著しく短い。したがって、第1および第2補充液の補充量が少ない場合であっても、シリンジポンプ18A,18Bによる第1および第2補充液の送液量の精度を高くできる。近接して配された調合容器9と補充液供給部13との間では温度差はほとんど生じないので、補充液供給管15A,15Bおよび補充液供給管15A,15B内部の第1および第2補充液の熱膨張/収縮により補充量の精度が悪くなることもない。
【0087】
また、第1または第2補充液収容器17A,17Bを交換する際などに、補充液供給管15A,15Bに空気が混入することがある。このような状態では、調合容器9への第1または第2補充液の吐出量(添加量)の精度が悪くなるので、第1または第2補充液を送液して補充液供給管15A,15B内を液密にする必要がある。この際、補充液供給管15A,15Bは短いので、補充液供給管15A,15B内を液密にするために吐出する第1または第2補充液の量を少なくできる。すなわち、廃棄する第1または第2補充液の量を少なくできる。
【0088】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、たとえば、3台以上のメッキ処理装置で1台のメッキ液管理装置3を共有するようにしてもよい。この場合でも、サンプリング管および補充管を増やして、各メッキ処理装置とメッキ液管理装置3との間で選択的に送液できるようにするだけでよく、共有するメッキ処理装置の数により分析精度や補充液の添加量の精度は何ら影響を受けない。無論、1台のメッキ処理装置2aで1台のメッキ液管理装置3を占有する構成であってもよい。
【0089】
分析部20や補充部21の構成を変更することにより、分析する成分の数や補充する補充液の種類の数なども任意に設定できる。
分析にあたって、滴定のようにメッキ液を所定量だけ量り取ったり、試薬を添加してメッキ液を汚染させる必要がない場合などは、直接メッキ液収容槽4a,4b内のメッキ液に対して分析を行うこととしてもよい。この場合、たとえば、メッキ液収容槽4a,4b内に、メッキ液の特定の成分について定量分析するためのセンサなどを配し、これらのセンサの出力をメッキ液管理装置3の分析部3に入力するようにしてもよい。
【0090】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るメッキ装置の全体の構成を示す図解的な断面図である。
【図2】分析部の構成を示す図解図である。
【図3】補充部の構成を示す図解図である。
【図4】従来のメッキ装置の構成を示す図解図である。
【符号の説明】
1 メッキ装置
2a,2b メッキ処理装置
3 メッキ液管理装置
4a,4b メッキ液収容槽
5 サンプリング容器
6a,6b メッキ槽
9 調合容器
13 補充液供給部
15A,15B 補充液供給管
17A 第1補充液収容器
17B 第2補充液収容器
18A,18B,39,40 シリンジポンプ
19 制御部
20 分析部
21 補充部
22,23 サンプリング管
22B,23B,24B,25B ストップバルブ
24,25 補充管
26 分析処理部
29,45 吸排気管
30 メッキ液移送管
31,46 エアポンプ
36 分析容器
38 試薬供給管
41 センサ
42 電極
P1,P2 ポンプ

Claims (11)

  1. メッキ液を収容できるメッキ液収容槽とメッキ処理を基板に施すメッキ槽とを含むメッキ処理装置内からメッキ液をサンプリングしてメッキ液の特定の成分について定量分析する分析部と、
    上記メッキ処理装置内のメッキ液が上記特定の成分に関して所定の濃度になるように、上記分析部による分析結果に基づいて決定される量だけ当該特定の成分を含む補充液を上記メッキ処理装置内のメッキ液に補充する補充部とを備え、
    上記補充部が、メッキ液と補充液とを調合するための調合容器と、
    上記メッキ処理装置のメッキ液収容槽と上記調合容器との間に配設された補充管を含み、この補充管を介してメッキ液を双方向に移送可能な送液手段と、
    上記調合容器に上記補充液を供給する補充液供給手段と、
    上記調合容器内の液体をドレインする手段とを含み、
    上記メッキ液収容槽内のメッキ液を所定量、上記調合容器内に移すように上記送液手段を制御し、上記調合容器に上記補充液を供給するように上記補充液供給手段を制御した後、上記調合容器内の上記補充液が添加された上記メッキ液を上記メッキ液収容槽に移送するように上記送液手段を制御し、その後、上記調合容器内の液体をドレインして上記調合容器内にメッキ液が存在しない状態にするように上記ドレインする手段を制御する制御部をさらに備えたことを特徴とするメッキ液管理装置。
  2. 上記送液手段が、上記調合容器に連通接続され、上記調合容器内を排気および上記調合容器内に給気できるエアポンプを含み、
    上記調合容器がほぼ密閉された状態にできることを特徴とする請求項1記載のメッキ液管理装置。
  3. 上記補充液供給手段が、上記調合容器に近接して配され補充液を収容する補充液収容器と、
    この補充液収容器と上記調合容器との間に配された補充液供給管と、
    この補充液供給管に介装され上記補充液収容器内の補充液を上記調合容器内に送液できる補充液送液手段とを含むことを特徴とする請求項1または2記載のメッキ液管理装置。
  4. 上記送液手段は、上記調合容器と複数のメッキ処理装置との間にそれぞれ配設された複数の補充管と、この複数の補充管のうちの任意の1つを選択し、この選択された補充管に対応するメッキ処理装置と上記調合容器との間でメッキ液を送液可能とする選択手段とを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメッキ液管理装置。
  5. 上記分析部が、サンプリング容器と、
    このサンプリング容器に連通接続されたサンプリング管を含み、このサンプリング管を介して上記メッキ処理装置からメッキ液をサンプリングするサンプリング手段と、
    サンプリングされたメッキ液の分析処理を実施する分析処理部とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のメッキ液管理装置。
  6. 上記サンプリング容器が、ほぼ密閉された状態にできるものであり、
    このサンプリング容器に連通接続され、このサンプリング容器内を排気およびこのサンプリング容器内に給気できるエアポンプを備えたことを特徴とする請求項5記載のメッキ液管理装置。
  7. 上記分析処理部が、上記サンプリング容器に近接して配されメッキ液を収容可能な分析容器と、
    上記サンプリング容器から上記分析容器に所定量のメッキ液を送液するメッキ液定量送液手段と、
    上記分析容器に収容されたメッキ液に対して、所定の試薬を供給する試薬供給手段と、
    上記分析容器内のメッキ液の物理量を測定するセンサ手段とを備えたことを特徴とする請求項5または6記載のメッキ液管理装置。
  8. 上記サンプリング手段は、上記サンプリング容器と複数のメッキ処理装置との間にそれぞれ配設された複数のサンプリング管と、この複数のサンプリング管のうちの任意の1つを選択し、この選択されたサンプリング管に対応するメッキ処理装置から上記サンプリング容器へメッキ液をサンプリング可能とする選択手段とを含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のメッキ液管理装置。
  9. メッキ液に処理対象物を接液させてメッキ処理を施すメッキ槽と、
    請求項1ないし8のいずれかに記載のメッキ液管理装置とを備えたメッキ装置。
  10. メッキ処理装置内のメッキ液の特定の成分について定量分析する分析工程と、
    上記メッキ処理装置内のメッキ液の一部を調合容器内に採取する第1採取工程と、
    上記メッキ処理装置内のメッキ液が当該特定の成分に関して所定の濃度になるように、上記分析工程で得られた分析値に基づいて決定される量だけ当該特定の成分を含む補充液を、上記第1採取工程で上記調合容器内に採取されたメッキ液に添加する補充液添加工程と、
    上記補充液添加工程で補充液が添加されたメッキ液を、上記メッキ処理装置内のメッキ液に添加するメッキ液添加工程とを含み、
    上記メッキ液添加工程の後、
    (ア)上記メッキ処理装置内のメッキ液の一部を上記調合容器内に採取する第2採取工程と、
    (イ)上記第2採取工程の後、上記調合容器内のメッキ液を上記メッキ液処理装置内に移送する工程と
    少なくとも1回実施して、実質的に上記補充液添加工程で添加された量の上記補充液を、上記メッキ処理装置内のメッキ液に添加することを特徴とするメッキ液組成調整方法。
  11. 上記分析工程が、サンプリング管を介して上記メッキ処理装置内のメッキ液をサンプリングするサンプリング工程と、
    上記サンプリング工程の後、上記サンプリング管内のメッキ液を上記メッキ処理装置内に送液する工程と、
    上記サンプリング工程でサンプリングされたメッキ液から所定量のメッキ液を分析容器に移送する定量移送工程と、
    上記定量移送工程で移送されたメッキ液に対して滴定分析を行う滴定分析工程とを含むことを特徴とする請求項10記載のメッキ液組成調整方法。
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