JP3874140B2 - 電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュおよびその組立方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本願の発明は、電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュおよびその組立方法に関し、特にボールスクリュが組み込まれるステアリングシャフトに過大な負荷がかかったとき、シャフトスクリュとボールスクリュ内に配設されたボールとの間およびナットスクリュと同ボールとの間にこじりが生ずるのを防止して、ステアリングシャフトおよびボールスクリュの円滑な作動を可能にした電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュおよびその組立方法に関する。
【0002】
【従来技術、解決しようとする課題】
従来、ステアリングシャフトに操舵補助力を伝達するボールスクリュが組み込まれてなる電動式パワーステアリング装置においては、図7に図示されるように、ボールスクリュ08を構成するシャフトスクリュ04b とナットスクリュ010 との間の複数個のボール循環路に、同一径の所定数のボール014 がそれぞれ配設されている。なお、ここで、シャフトスクリュ04b は、ステアリングシャフト04の図7において左方端部寄りに所定長にわたって形成されており、該ステアリングシャフト04の図7において右方端部寄りには、ラックが形成されている(図示されず)。06はハウジング、07は操舵補助力を出力するモータである。
【0003】
このため、ステアリングシャフト04に図7において左方の車輪の側から過大な負荷がかかると、該ステアリングシャフト04は、同図のAおよびBに示されるように撓み、シャフトスクリュ04b とナットスクリュ010 との間のボール循環路に配設されたボール014 のうち、特にボールスクリュ08の軸方向両側部のボール014 がシャフトスクリュ04b とナットスクリュ010 とに接触する点に相当の荷重がかかって、該部のボール014 とシャフトスクリュ04b およびナットスクリュ010 との間にこじりが生じ、ステアリングシャフト04が軸方向に円滑に摺動できなくなったり、操舵補助力がボールスクリュ08からステアリングシャフト04に円滑に伝達できなくなったり、異音が発生したりしていた。
【0004】
このようなこじりの発生を防止するには、ボールスクリュ08の組立時、ボール014 とシャフトスクリュ04b およびナットスクリュ010 との間に適度なガタを与えればよいが、ボール014 、シャフトスクリュ04b およびナットスクリュ010 には、それぞれ製作誤差があり、これらを組み立ててボールスクリュ08としたとき、組立誤差も生じ、適度なガタを得るのは容易ではない。また、ガタが適度な量を越えると、ボールスクリュ08の作動にバックラッシが生じ、正確なパワーアシストが得られなくなって、操舵フィーリングが悪化する。
【0005】
このような問題点の解消を図ったものとして、特開平9−142315号公報に記載されたものがある。このものにおいては、ボールスクリュを構成するナットスクリュの溝径が、ボールスクリュの軸方向車輪側外方に向かうにつれて徐々に大きくなるようにされている。
【0006】
このため、ステアリングシャフトに撓みや軸心のズレが生じた際にも、シャフトスクリュとボールスクリュの軸方向車輪側外方部のボールとの間およびナットスクリュと同ボールとの間にこじりが生ずることがなくなり、ステアリングシャフトおよびボールスクリュの円滑な作動が可能にされている。しかも、ボールスクリュの軸方向内方においては、ボールとシャフトスクリュおよびナットスクリュとは、比較的堅く嵌合し合うため、ボールスクリュの作動にバックラッシが生ずることもない。
【0007】
しかしながら、このものにおいては、ナットスクリュの溝径を、ボールスクリュの軸方向車輪側外方に向かうにつれて徐々に大きくなるように切削加工しなければならず、この作業には時間を要し、コストアップの要因ともなり、必ずしも容易ではない。
【0008】
本願の発明は、電動式パワーステアリング装置において、ボールスクリュが組み込まれるステアリングシャフトに過大な負荷がかかったとき、シャフトスクリュとボールスクリュ内に配設されたボールとの間およびナットスクリュと同ボールとの間にこじりが生ずるのを防止して、ステアリングシャフトおよびボールスクリュの円滑な作動を可能にした電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュおよびその組立方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の発明は、前記のような課題を解決した電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュおよびその組立方法に係り、その請求項1に記載された発明は、ステアリングシャフトに操舵補助力を伝達するボールスクリュが組み込まれてなる電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュにおいて、該ボールスクリュ内に配設される複数のボールが、径の異なる複数種類のボールからなり、これらのボールのうち、径の大きいボールが該ボールスクリュの軸方向中央部内に、径の小さいボールが該ボールスクリュの軸方向両側部内に、それぞれ配設されたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュである。
【0010】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュに使用される複数のボールは、径の異なる複数種類のボールからなり、径の大きいボールはボールスクリュの軸方向中央部内に、径の小さいボールはボールスクリュの軸方向両側部内に、それぞれ配設される。
【0011】
このため、ボールスクリュの軸方向両側部では、ボールとシャフトスクリュおよびナットスクリュとの間に適度なガタを容易に与えることができるので、ステアリングシャフトに車輪側からの負荷により撓みや軸心のズレが生じた際にも、シャフトスクリュとボールスクリュの軸方向両側部内に配設されたボールとの間およびナットスクリュと同ボールとの間にこじりが生ずることがなくなり、ステアリングシャフトおよびボールスクリュの円滑な作動が可能になり、異音も解消され、良好な操舵フィーリングが得られるようになる。
【0012】
また、ボールスクリュの軸方向中央部では、ボールとシャフトスクリュおよびナットスクリュとは比較的堅く嵌合し合うため、ボールスクリュの作動に過度のバックラッシが生ずることもない。これにより、正確なパワーアシストが得られて、さらに良好な操舵フィーリングが得られるようになる。
【0013】
また、その請求項2に記載された発明は、ステアリングシャフトに操舵補助力を伝達するボールスクリュが組み込まれてなる電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュの組立方法において、予めデフレクタをナットスクリュに固着または一体成形する工程と、該ナットスクリュにボール挿入用治具を嵌挿し、該ボール挿入用治具から所定数のボールをナットスクリュ内面の螺旋溝に向けて供給する工程と、該ボール挿入用治具をナットスクリュから離脱させつつ、同時にシャフトスクリュを螺合させる工程とからなり、前記所定数のボールは、径の異なる複数種類のボールからなり、これらのボールのうち、径の大きいボールをナットスクリュ内面の軸方向中央部の螺旋溝に向けて、また、径の小さいボールをナットスクリュ内面の軸方向両側部の螺旋溝に向けて、供給するようにしたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュの組立方法である。
【0014】
請求項2に記載された発明は、前記のように構成されているので、ボールスクリュの組立方法が、ボール挿入用治具を利用した3つの工程からなり、かつ、この際、ボールは、径の異なる複数種類のボールから構成され、これらのボールのうち、径の大きいボールは、ナットスクリュ内面の軸方向中央部の螺旋溝に向けて、また、径の小さいボールは、ナットスクリュ内面の軸方向両側部の螺旋溝に向けて、供給するようにされる。
【0015】
このため、径の異なる複数種類のボールをボールスクリュ内に組み込み、配設する作業が容易になるとともに、ボールスクリュを電動式パワーステアリング装置に組み込む前、ボールスクリュ内へのボールの配設作業終了時(ナットスクリュにシャフトスクリュを螺合させる工程の終了時)に、そのままの状態でナットスクリュの振れ具合を同時に検査することができる。
【0016】
また、ナットスクリュ内へのボールの配設は、デフレクタのナットスクリュへの固着または一体成形後に、ボール挿入用治具を用いて行なわれるので、確実に所定数のボールをボールスクリュ内の各部(各循環路)に組み込むことができる。
【0017】
さらに、ボールスクリュの組立において、ボール挿入用治具をナットスクリュから離脱させつつ、同時にシャフトスクリュを螺合させるので、ボール挿入用治具の離脱の完了と同時にボールスクリュの組立も完了し、効率的な作業とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図6に図示される本願の請求項1および請求項2に記載された発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるボールスクリュが適用された電動式パワーステアリング装置の主要部分の断面図、図2は、図1のボールスクリュ部分を中心とする部分拡大図、図3ないし図5は、ボールスクリュの組立工程を示す図、図6は、ボールスクリュの構成要素であるナットスクリュのデフレクタを含む面で切断した縦断面図である。
【0019】
図1において、本実施形態におけるボールスクリュ8が適用される電動式パワーステアリング装置1は、ギヤボックス2内に収容され図示されないステアリングホイールに連動連結されたピニオン軸3のピニオン3a に、ラックシャフト4の図において右方端部寄りに形成されたラック4a が噛み合い、該ラックシャフト4の左右両端部は、タイロッド5および図示されないリンク機構を介して図示されない車輪に連結されており、ステアリングホイールの操作でピニオン軸3が左右に回転されたとき、その回転力は、ピニオン3a とラック4a との噛合、タイロッド5およびリンク機構を介して車輪に伝達され、該車輪が左右に操向されるようになっている。
【0020】
また、ラックシャフト4には、ハウジング6内に該ラックシャフト4と同心に配置されたモータ7から、操舵補助力がボールスクリュ8を介して供給されている。該モータ7は、周知のように、ピニオン軸3に図示されないトーションバーを介して連結された操舵入力軸と該ピニオン軸3との間に作用するトルクを検知するトルクセンサにより、出力制御されている。
【0021】
ここで、モータ7のロータ7a と一体に取り付けられた中空シャフト9の左方端内には、図2により良く図示されているように、ボールスクリュ8の構成要素であるナットスクリュ10が嵌着されているので、モータ7から出力された操舵補助力は、該中空シャフト9、ボールスクリュ8を介して、前記のようにラックシャフト4に供給されている。
【0022】
なお、11は中空シャフト9の左方端からナットスクリュ10が抜け出すのを防止するためのストッパ(ロックナット)であり、中空シャフト9の左方端の内周面に形成されたネジ部に螺着されて、ナットスクリュ10の左方端面を押圧している。7b はモータ7のステータ、12および13は、中空シャフト9の左右両端部をハウジング6に対して回転自在に支持する軸受である。
【0023】
ボールスクリュ8は、図2に図示されているように、ナットスクリュ10と、ラックシャフト4の左方端部寄りに所定長にわたって形成されたシャフトスクリュ4b と、ナットスクリュ10の内周面に形成された螺旋溝10a とシャフトスクリュ4b の外周面に形成された螺旋溝4c とにより形成されるボール循環路に組み込まれた所定数のボール(鋼球)14と、隣接するボール循環路間をつないでボール14に無限路を循環することを可能にするデフレクタ15(図6参照)とにより構成されている。
【0024】
デフレクタ15は、ナットスクリュ10の筒壁を貫通して4個設けられており、これら4個のデフレクタ15は、ナットスクリュ10の軸方向の位置を違えて該ナットスクリュ10の一端から順次90°ずつ位相をずらして配置されている。したがって、ボール14の無限循環路の数も4個である。
【0025】
そして、これら4個の無限循環路のうち、図2において左端から第1列目の無限循環路16a と第4列目の無限循環路16d とには、比較的径の小さいボール14が組み込まれており、また、これらの無限循環路に挟まれた第2列目の無限循環路16b と第3列目の無限循環路16c とには、比較的径の大きいボール14が組み込まれている。これら2種類のボール14の径の差は、数ミクロン、好ましくは2ミクロン程度である。
【0026】
次に、第1列目〜第4列目の無限循環路16a 〜16d に径の異なる2種類のボール14を組み込んでボールスクリュ8を組み立てる方法について説明する。
先ず、デフレクタ15をナットスクリュ10にカシメ等の手段により固着して、図6に図示される状態に取り付けておく。なお、このデフレクタ15は、ナットスクリュ10と一体成形により形成される場合もあり、この場合には、この工程は不要である。
【0027】
次いで、図3に図示されるように、該ナットスクリュ10を保持手段17により保持させて固定し、その内部にボール挿入用治具18を嵌挿する。
該ボール挿入用治具18には、ボールスクリュ8に形成される第1列目〜第4列目の無限循環路16a 〜16d に対応させて、ボール供給孔18a 〜18d が円周方向に90°間隔をおいて軸方向に長さを異ならせて形成されているので、これらのボール供給孔18a 〜18d のボール放出口をボールスクリュ8の無限循環路16a 〜16d を形成するナットスクリュ10側の螺旋溝10a 部に合致させてボール挿入用治具18を固定し、ボール供給孔18a 、18d の各上部のボール投入口より比較的径の小さいボール14を同時に供給して、ナットスクリュ10の軸方向両側部の該当螺旋溝10a 部に所定数のボール14を組み込む。
【0028】
この場合、必要に応じてボール供給孔18a 、18d の各上部よりロッドを挿入して、これらのロッドによりボール14を押し込むようにすると、各該当螺旋溝10a 部に所定数のボール14を確実に組み込むことができる。ボール14は、ナットスクリュ10の螺旋溝10a の山部とボール挿入用治具18の外表面とにより係止されるので、落下することはない。
【0029】
次いで、図4に図示されるように、ボール供給孔18b 、18c の各上部のボール投入口より比較的径の大きいボール14を同時に供給して、ナットスクリュ10の該当螺旋溝10a 部に所定数のボール14を組み込む。なお、大小径の異なるボール14のナットスクリュ10の該当螺旋溝10a 各部への組込みの順序は、以上の順序に限定されず、この逆でもよく、また、供給手段が2種類用意されれば、同時にされてもよい。
【0030】
以上のようにして、ボールスクリュ8の無限循環路16a 〜16d を形成するナットスクリュ10側の該当螺旋溝10a 各部に径の異なる2種類のボール14を組み込む作業が終了すると、次いで、ボール挿入用治具18の下端に十字キーとキー溝との嵌合構造を介して衝接されたラックシャフト4を回転させつつ、図4において上方向に移動させて、ボール挿入用治具18をナットスクリュ10から離脱させつつ、同時にシャフトスクリュ4b をナットスクリュ10の螺旋溝10a に組み込まれた各径のボール14に螺合させる。図5には、このようにしてシャフトスクリュ4b と全てのボール14との螺合が完了した状態が図示されている。
【0031】
最後に、ボール挿入用治具18とラックシャフト4との衝接関係を外し、ナットスクリュ10をその保持手段17から取り外せば、ラックシャフト4に組み込まれてなるボールスクリュ8が得られる(図1、図2参照)。
【0032】
本実施形態は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
電動式パワーステアリング装置1におけるボールスクリュ8に使用される複数のボール14は、径の異なる複数種類のボールからなり、径の大きいボール14は、ボールスクリュ8の軸方向中央部の無限循環路16b と無限循環路16c とに、径の小さいボール14は、ボールスクリュ8の軸方向両側部の無限循環路16a と無限循環路16d とに、それぞれ配設されている。
【0033】
このため、ボールスクリュ8の軸方向両側部では、ボール14とシャフトスクリュ4b およびナットスクリュ10との間に適度なガタを容易に与えることができるので、ラックシャフト4に車輪側からの負荷により撓みや軸心のズレが生じた際にも、シャフトスクリュ4b とボールスクリュ8の軸方向両側部内に配設されたボール14との間およびナットスクリュ10と同ボール14との間にこじりが生ずることがなくなり、ラックシャフト4およびボールスクリュ8の円滑な作動が可能になり、異音が発生することもなく、良好な操舵フィーリングが得られるようになる。
【0034】
また、ボールスクリュ8の軸方向中央部では、ボール14とシャフトスクリュ4b およびナットスクリュ10とは比較的堅く嵌合し合うため、ボールスクリュ8の作動に過度のバックラッシが生ずることもない。これにより、正確なパワーアシストが得られて、さらに良好な操舵フィーリングが得られるようになる。
【0035】
さらに、ボールスクリュ8の組立方法が、ボール挿入用治具18を利用した3つの工程(これらの工程は、本出願の共同出願人の一である本田技研工業株式会社の出願になる特願平3−331147号(特開平5−138458号)に開示された工程と基本的には同じである。)からなり、かつ、この際、ボール14は、径の異なる複数種類のボール14から構成され、これらのボール14のうち、径の大きいボール14は、ナットスクリュ10内面の軸方向中央部の螺旋溝10a に向けて、また、径の小さいボール14は、ナットスクリュ10内面の軸方向両側部の螺旋溝10a に向けて、供給するようにされる。
【0036】
このため、径の異なる複数種類のボール14をボールスクリュ8内に組み込み、配設する作業が容易になるとともに、ボールスクリュ8を電動式パワーステアリング装置1に組み込む前、ボールスクリュ8内へのボール14の配設作業終了時に、ナットスクリュ10を保持手段17に保持させた作業終了時のままの状態で、シャフトスクリュ4b の振れ具合、すなわち、ナットスクリュ10の振れ具合を同時に検査することができる。
【0037】
また、ボールスクリュ8を構成するナットスクリュ10内へのボール14の配設は、デフレクタ15のナットスクリュ10への固着または一体成形後に、ボール挿入用治具18を用いて行なわれる。このため、従来、ナットスクリュ10内にボール14を組み込んだ後、デフレクタ15をナットスクリュ10に固着するようにしていたことにより、デフレクタ15の固着時に、該デフレクタ15に形成されたボールリターン溝からボール14が飛び出して、ボールスクリュ8の各循環路15a 〜15d に所定数のボール14が組み込まれない虞があったが、このような虞が解消され、確実に所定数のボール14をボールスクリュ8の各循環路15a 〜15d に組み込むことができる。
【0038】
また、ボールスクリュ8の組立において、ボール挿入用治具18をナットスクリュ10から離脱させつつ、同時にシャフトスクリュ4b を螺合させるので、ボール挿入用治具18の離脱の完了と同時にボールスクリュ8の組立も完了し、効率的な作業とすることができる。
【0039】
本実施形態において、ボール14の径は2種類とされたが、これに限定されず、3種類以上とされてもよい。この場合において、ボール14の径の大きい順にボールスクリュ8の軸方向中央部から軸方向両側部へと配設される。
【0040】
また、本実施形態において、ボールスクリュ8が組み込まれるステアリングシャフトは、ラックシャフト4とされたが、これに限定されず、トルクセンサ部における車輪側の動力伝達軸から車輪に至るまでの間の伝動機構中に配設される動力伝達軸であれば、いずれでもよく、例えば、ピニオン軸3とされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1および請求項2に記載された発明の一実施形態におけるボールスクリュが適用された電動式パワーステアリング装置の主要部分の断面図である。
【図2】図1のボールスクリュ部分を中心とする部分拡大図である。
【図3】図1の実施形態において、ボールスクリュの組立工程を示す図である。
【図4】図1の実施形態において、ボールスクリュの他の組立工程を示す図である。
【図5】図1の実施形態において、ボールスクリュのさらに他の組立工程を示す図である。
【図6】図1の実施形態において、ボールスクリュの構成要素であるナットスクリュのデフレクタを含む面で切断した縦断面図である。
【図7】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1…電動式パワーステアリング装置、2…ギヤボックス、3…ピニオン軸、3a …ピニオン、4…ラックシャフト、4a …ラック、4b …シャフトスクリュ、4c …螺旋溝、5…タイロッド、6…ハウジング、7…モータ、7a …ロータ、7b …ステータ、8…ボールスクリュ、9…中空シャフト、10…ナットスクリュ、10a …螺旋溝、11…ストッパ(ロックナット)、12、13…軸受、14…ボール(鋼球)、15…デフレクタ、16a 〜16d …第1〜第4列目無限循環路、17…保持手段、18…ボール挿入用治具、18a 〜18d …ボール供給孔。
Claims (2)
- ステアリングシャフトに操舵補助力を伝達するボールスクリュが組み込まれてなる電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュにおいて、
該ボールスクリュ内に配設される所定数のボールが、径の異なる複数種類のボールからなり、
これらのボールのうち、径の大きいボールが該ボールスクリュの軸方向中央部内に、径の小さいボールが該ボールスクリュの軸方向両側部内に、それぞれ配設されたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュ。 - ステアリングシャフトに操舵補助力を伝達するボールスクリュが組み込まれてなる電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュの組立方法において、
予めデフレクタをナットスクリュに固着または一体成形する工程と、
該ナットスクリュにボール挿入用治具を嵌挿し、該ボール挿入用治具から所定数のボールをナットスクリュ内面の螺旋溝に向けて供給する工程と、
該ボール挿入用治具をナットスクリュから離脱させつつ、同時にシャフトスクリュを螺合させる工程とからなり、
前記所定数のボールは、径の異なる複数種類のボールからなり、
これらのボールのうち、径の大きいボールをナットスクリュ内面の軸方向中央部の螺旋溝に向けて、また、径の小さいボールをナットスクリュ内面の軸方向両側部の螺旋溝に向けて、供給するようにしたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置におけるボールスクリュの組立方法。
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