JP3873928B2 - Manufacturing method of multilayer ceramic electronic component - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック部品の製造方法であり、特に焼成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層セラミック電子部品の焼成は量産性や焼成に使用される焼成炉の性能などを考慮して決められた速度で所定の焼成温度まで昇温し、その温度で一定時間保って焼成して所望の機能をもたせている。また卑金属を主成分とする内部電極を持つ場合においては、雰囲気を制御した状態において焼成が行われている。
【0003】
薄層多層であっても焼成に際してクラック発生のない積層セラミックコンデンサを製造する方法として焼成における昇温部の700℃〜1100℃を500℃/時間以上の速度で昇温する方法が特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−216042号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、市場の要求により小型化、高性能化にますます拍車がかかる中で、より薄層多層化が進展するにつれ、クラック発生のみならず内部電極のショート不良により所望の特性が得られないという課題が起こって来ている。
【0006】
本発明人らは薄層多層の積層セラミック電子部品におけるショート原因を詳しく調査した結果、ショート不良の原因がおもに以下の2つの原因によることを見出して、本発明を成すに至ったものである。
【0007】
即ちショート不良の原因は、▲1▼内部電極の金属粒子の焼結が進みすぎる(過焼結と称する)と金属粒子の表面エネルギーを小さくしようとする力が働くため、薄層の内部電極が平面方向に収縮するとともに厚みが増加し、数μmと薄層化したセラミック層を通してこのセラミック層の上下に配置されている内部電極どうしが接触してショート不良を起こす、▲2▼カーボンが還元性雰囲気下の高温で転化して出来たグラッシーカーボンまたはグラファイトが内部電極付近に残り、このグラッシーカーボンまたはグラファイトの還元作用により内部電極が過焼結を起こすことによりセラミック層を通して隣り合った内部電極どうしが接触してショート不良を起こす、の2点がおもな原因である。
【0008】
上記のようにショート不良の原因が内部電極の過焼結であるため、同時に内部電極の有効面積が少なくなり、静電容量のばらつきの原因ともなる。
【0009】
ここでグラッシーカーボンとは、カーボンが還元性雰囲気下の高温で変性して出来たガラス状のカーボンをいう。
【0010】
従って本発明は、内部電極間のセラミック層が例えば3μm以下で層数が300層を越えるような薄層多層であっても焼成に際して内部電極のショート不良が少なく、性能の向上した積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0012】
本発明は無機粉末と有機物を混合して作製したセラミックグリーンシートと金属を主成分とする内部電極とを交互に積層して積層体を形成し、この積層体を昇温領域と、この昇温領域に続き、所定の焼成温度に保持する保持領域とこの保持領域に続き降温する降温領域とを含む焼成工程によって焼成するものであって、この焼成工程における昇温領域においてグラッシーカーボンが分解除去される800℃〜850℃を酸素分圧が10 -15 〜10 -14 気圧の雰囲気中で30℃/時間以下の速度で昇温するとともに、Niの過焼結が起こる850℃〜1150℃を酸素分圧が10 -14 〜10 -9 気圧の雰囲気中で250℃/時間〜400℃/時間の速度で昇温し、かつグラファイトが分解除去される1150℃〜所定の焼成温度を酸素分圧が10 -9 〜10 -8 気圧の雰囲気中で150℃/時間以下の速度で昇温することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法であり、ショート率を改善するとともに、静電容量のばらつきの少ない積層セラミック電子部品を得ることができるという効果を奏する。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明について積層セラミックコンデンサを例に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1の一部切欠斜視図であり、誘電体層2と内部電極3とが交互に積層され、内部電極3は交互にその両端部の外部電極4に接続されている。
【0018】
まず、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料と、有機バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂、可塑剤として、ジブチルフタレート、有機溶剤として酢酸nブチルとをボールミルで混合しスラリーを作製する。
【0019】
次に、このスラリーをリバースロールコーター法を用い厚さ13μmのグリーンシートに成形した後、その表面にスクリーン印刷法によってNiを主成分とする電極ペーストを塗布し内部電極を形成する。
【0020】
次いで、この内部電極を形成したグリーンシート80枚を積層するとともに、その上下両面に電極ペーストを塗布していないシートを10枚ずつ積層し、圧着後切断して1.8mm×1.0mm×1.0mmの積層セラミックグリーンチップを作製する。
【0021】
この積層セラミックグリーンチップはその長手方向の相対向する両端面にはグリーンシートを挟んで一層おきに内部電極が交互に露出した構造になっている。
【0022】
次に積層セラミックグリーンチップを雰囲気焼成炉を用いて、窒素ガスを毎分100リットル流しながら、30℃/時間の昇温速度にて最高温度450℃、保持時間2時間で脱バインダーする。その後、脱バインダーに用いたのと同様の雰囲気焼成炉を用いて、350℃までは窒素ガスを毎分50リットル流しながら、350℃から1240℃までは窒素ガスを毎分50リットルと水素ガスを毎分0.2〜2リットル流しながら、最高温度1240℃で2時間焼成する。
【0023】
なお、本発明の効果を確認するために850℃〜1150℃の昇温領域においては、酸素分圧が10-14〜10-9気圧の雰囲気に制御しながら、(表1)に示すように昇温速度を変えつつ、他の温度領域は図2の温度図に示すように焼成して焼結体を得る。
【0024】
得られた焼結体の内部電極が露出した両端部に、内部電極と電気的に導通させて一対の外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。
【0025】
上述した製造方法により得た積層セラミックコンデンサについて、昇温速度におけるショート率と静電容量を比較するため積層セラミックコンデンサ100個について、ショート率の発生状況および静電容量を測定し、静電容量の平均値と標準偏差を算出した。
【0026】
【表1】
【0027】
ここでショート率とは、積層セラミックコンデンサ試料100個を測定し、ショート状態(抵抗値が1000Ω以下)の個数を百分率で表したものである。
【0028】
また、評価はショート率が30%以上または静電容量が900nF以下または静電容量標準偏差が5.00以上のものは不良品として×で示した。
【0029】
なお、(表1)の中で♯を付した試料は本発明の範囲外の比較例である。(表1)から明らかなように、焼成工程における昇温部の少なくとも850℃〜1150℃を、250℃/時間〜400℃/時間の速度で昇温することにより、ショート不良が少なく静電容量ばらつきの少ない積層セラミック電子部品を得ることが出来るものであり、これは850℃〜1150℃の温度範囲を速い速度で昇温することにより、内部電極となるNiの過焼結を防止することができるという作用によるものである。
【0030】
(表1)で昇温速度が500℃/時間以上の場合には、ショート率は低く抑えられるものの、焼成炉内の温度分布が不均一となるため、静電容量のばらつきが大きくなり、量産上好ましくないため本発明の範囲外とした。
【0031】
なお、酸素分圧が10-14以下では積層セラミックが還元されるため所望の特性が得られない。また酸素分圧が10-9以上の場合には、内部電極のNiの酸化が起こり、やはり所望の特性が得られなくなる。
【0032】
なお、本実施の形態1では、350℃までは窒素ガスを、350℃から1240℃までは窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではなく、350℃までを窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の何れかの雰囲気中で、350℃から1240℃の範囲を窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の中から選ばれた2つ以上のガスを所定の割合で混合したものを用いた場合においても同様な結果が得られた。また窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の混合ガスを用いるのは精度良く酸素分圧を容易に制御することができるためである。さらに、本実施の形態1では積層セラミックコンデンサを例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の電子部品例えば積層アクチュエータ、積層バリスタなどに適用しても同様の効果が得られる。
【0033】
またグリーンシートとしては厚さ13μmのものを用いたが、グリーンシートがより薄く、例えば3μm以下と非常に薄いグリーンシートを用いて積層した積層セラミック電子部品においては本発明の効果はより顕著となる。
【0034】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明について積層セラミックコンデンサを例に説明する。
【0035】
実施の形態1と同じように1.8mm×1.0mm×1.0mmの積層セラミックグリーンチップを作製する。
【0036】
次に積層セラミックグリーンチップを雰囲気焼成炉を用いて、窒素ガスを毎分100リットル流しながら、30℃/時間の昇温速度にて最高温度450℃、保持時間2時間で脱バインダーする。その後、脱バインダーに用いたのと同様の雰囲気焼成炉を用いて、350℃までは窒素ガスを毎分50リットル流しながら、350℃から1240℃までは窒素ガスを毎分50リットルと水素ガスを毎分0.2〜2リットル流しながら、最高温度1240℃で2時間焼成する。
【0037】
なお、本発明の効果を確認するために800℃〜850℃の昇温領域においては、酸素分圧が10-15〜10-14気圧の雰囲気に制御しながら(表2)に示すように昇温速度を変えつつ、他の温度領域は図2の温度図に示すように焼成して焼結体を得る。
【0038】
得られた焼結体の内部電極が露出した両端部に、内部電極と電気的に導通させて外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。
【0039】
前記積層セラミックコンデンサ100個について、ショート率の発生状況および静電容量を測定し、静電容量の平均値と標準偏差を算出した。
【0040】
【表2】
【0041】
なお、(表2)の中で♯を付した試料は本発明の範囲外の比較例である。また評価の基準は(表1)と同じである。
【0042】
(表2)から明らかなように、焼成工程における昇温部の少なくとも800℃〜850℃以下を、30℃/時間以下の速度で昇温することにより、ショート不良が少なく静電容量ばらつきの少ない積層セラミック電子部品を得ることが出来るものであり、これは800℃〜850℃の温度範囲においては、グラッシーカーボンが分解除去されることから、それらの分解が盛んな温度範囲の昇温をグラッシーカーボンの分解除去に適した昇温速度に設定することにより、その除去を容易にし、さらに急激な分解を避けつつ徐々に十分分解除去し、最終の焼結体内部にカーボンが残留することを防止し、その結果としてグラッシーカーボンの還元作用により内部電極が過焼結を起こすことによりセラミック層を通して隣り合った内部電極どうしが接触してショート不良を起こすことを防止することができるという作用によるものである。
【0043】
なお、酸素分圧が10-15以下では30℃/時間以下の速度で昇温してもグラッシーカーボンを十分除去することが出来ない。また酸素分圧が10-14以上の場合には、内部電極のNiの酸化が起こり、所望の特性が得られなくなる。
【0044】
なお、本実施の形態2では、350℃までは窒素ガスを、350℃から1240℃までは窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではなく、350℃までを窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の何れかの雰囲気中で、350℃から1240℃の範囲を窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の中から選ばれた2つ以上のガスを所定の割合で混合したものを用いた場合においても同様な結果が得られた。また窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の混合ガスを用いるのは精度良く酸素分圧を容易に制御することができるためである。さらに、本実施の形態2では積層セラミックコンデンサを例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の電子部品例えば積層アクチュエータ、積層バリスタなどに適用しても同様の効果が得られる。
【0045】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明について積層セラミックコンデンサを例に説明する。
【0046】
実施の形態1と同じように1.8mm×1.0mm×1.0mmの積層セラミックグリーンチップを作製する。
【0047】
次に積層セラミックグリーンチップを雰囲気焼成炉を用いて、窒素ガスを毎分100リットル流しながら、30℃/時間の昇温速度にて最高温度450℃、保持時間2時間で脱バインダーする。その後、脱バインダーに用いたのと同様の雰囲気焼成炉を用いて、350℃までは窒素ガスを毎分50リットル流しながら、350℃から1240℃までは窒素ガスを毎分50リットルと水素ガスを毎分0.2〜2リットル流しながら、最高温度1240℃で2時間焼成する。
【0048】
なお、本発明の効果を確認するために1150℃〜1240℃の昇温領域においては、酸素分圧が10-9〜10-8気圧の雰囲気に制御しながら(表3)に示すように昇温速度を変えつつ、他の温度領域は図2の温度図に示すように焼成し、焼結体を得る。
【0049】
得られた焼結体の内部電極が露出した両端部に、内部電極と電気的に導通させて外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。
【0050】
前記積層セラミックコンデンサ100個について、ショート率の発生状況および静電容量を測定し、静電容量の平均値と標準偏差を算出した。
【0051】
【表3】
【0052】
なお、(表3)の中で♯を付した試料は本発明の範囲外の比較例である。
【0053】
(表3)から明らかなように、焼成工程における昇温部の少なくとも1150℃〜所定の焼成温度(この実施例の場合は1240℃)を、150℃/時間以下の速度で昇温することにより、ショート不良が少なく特性ばらつきの少ない積層セラミック電子部品を得ることが出来るものであり、これは1150℃〜所定の焼成温度(この実施例の場合は1240℃)の温度範囲においては、グラファイトが分解除去されることから、それらの分解が盛んな温度範囲の昇温をグラファイトの分解除去に適した昇温温度に設定することにより、その除去を容易にし、さらに急激な分解を避けつつ徐々に十分分解除去し、最終の焼結体内部にカーボンが残留することを防止し、その結果としてグラファイトの還元作用により内部電極が過焼結を起こすことによりセラミック層を通して隣り合った内部電極どうしが接触してショート不良を起こすことを防止することができるという作用によるものである。
【0054】
なお、酸素分圧が10-9以下では150℃/時間以下の速度で昇温してもグラファイトを十分除去することが出来ない。また酸素分圧が10-8以上の場合には、内部電極のNiの酸化が起こり、所望の特性が得られなくなる。
【0055】
なお、本実施の形態3では、350℃までは窒素ガスを、350℃から1240℃までは窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではなく、350℃までを窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の何れかの雰囲気中で、350℃から1240℃の範囲を窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の中から選ばれた2つ以上のガスを所定の割合で混合したものを用いた場合においても同様な結果が得られた。また窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、水蒸気の混合ガスを用いるのは精度良く酸素分圧を容易に制御することができるためである。さらに、本実施の形態3では積層セラミックコンデンサを例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の電子部品例えば積層アクチュエータ、積層バリスタなどに適用しても同様の効果が得られる。
【0056】
また、上記実施の形態を組み合わせることにより、さらに内部電極の過焼結を抑制し、ショート不良率が少なく静電容量ばらつきの少ない積層セラミック電子部品を得ることが出来るものである。
【0057】
例えば内部電極どうしが完全に接触していない状態ではショート不良は起こらず、絶縁抵抗の低下に止まるが、その後の電圧印加などの使用条件によりショート不良が発生する場合があり、信頼性にも影響を与えるものであるが、本発明に記載した方法で焼成することにより、さらに内部電極の過焼結を防止することにより初期のショート不良のみならず信頼性についても良好な結果をもたらすものである。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、焼成に際して内部電極のショート不良の少ない、性能の優れた積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができるものであり、特に薄層多層の積層セラミック電子部品におけるショート不良低減の効果は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミック部品の一部切り欠き図
【図2】本発明の一実施の形態における時間と温度の関係を示す図
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ
2 誘電体層
3 内部電極
4 外部電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a multilayer ceramic component such as a multilayer ceramic capacitor, and more particularly to a firing method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, multilayer ceramic electronic components are fired by raising the temperature to a predetermined firing temperature at a speed determined in consideration of mass productivity and the performance of a firing furnace used for firing, and maintaining that temperature for a certain period of time. It has the desired function. In the case of having an internal electrode mainly composed of a base metal, firing is performed in a state where the atmosphere is controlled.
[0003]
As a method for producing a multilayer ceramic capacitor that does not generate cracks even when fired even in a thin multilayer, a method of raising the temperature from 700 ° C. to 1100 ° C. at a temperature raising portion in firing at a rate of 500 ° C./hour or more is disclosed in Patent Document 1. It is disclosed.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-216042
[Problems to be solved by the invention]
However, as the market demands to further reduce size and increase performance, it is said that the desired characteristics cannot be obtained due to not only cracking but also short-circuiting of the internal electrodes as the number of layers increases. Challenges are happening.
[0006]
As a result of investigating the cause of a short circuit in a thin multilayered multilayer ceramic electronic component in detail, the present inventors have found that the cause of the short circuit is mainly due to the following two causes, and have achieved the present invention.
[0007]
That is, the cause of short circuit failure is as follows. (1) If the sintering of the metal particles of the internal electrode proceeds too much (referred to as oversintering), a force to reduce the surface energy of the metal particles acts. Shrink in the plane direction and increase in thickness. Through the ceramic layer thinned to several μm, the internal electrodes placed on the top and bottom of this ceramic layer come into contact with each other, causing short circuit failure. (2) Carbon is reducible The glassy carbon or graphite produced by conversion at high temperature under the atmosphere remains in the vicinity of the internal electrode, and the internal electrode is oversintered by the reducing action of this glassy carbon or graphite, so that adjacent internal electrodes pass through the ceramic layer. The two main causes are contact and short circuit failure.
[0008]
As described above, the cause of the short-circuit failure is the oversintering of the internal electrode. At the same time, the effective area of the internal electrode is reduced, which causes the variation in capacitance.
[0009]
Here, the glassy carbon refers to glassy carbon obtained by modifying carbon at a high temperature in a reducing atmosphere.
[0010]
Accordingly, the present invention provides a multilayer ceramic electronic component having improved performance with few short-circuiting of internal electrodes during firing even if the ceramic layers between the internal electrodes are, for example, 3 μm or less and the number of layers exceeds 300. It aims at providing the manufacturing method of.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention has the following configuration.
[0012]
The present invention forms a laminated body by alternately laminating ceramic green sheets prepared by mixing inorganic powder and organic substances and internal electrodes mainly composed of metal, and this laminated body is formed with a temperature rising region and a temperature rising region. It is fired by a firing process that includes a holding region that is maintained at a predetermined firing temperature following the region and a temperature-lowering region that cools down following this holding region, and the glassy carbon is decomposed and removed in the temperature rising region in this firing step. The temperature is increased from 800 ° C. to 850 ° C. in an atmosphere having an oxygen partial pressure of 10 −15 to 10 −14 atm at a rate of 30 ° C./hour or less, and Ni is oversintered at 850 ° C. to 1150 ° C. The temperature is raised at a rate of 250 ° C./hour to 400 ° C./hour in an atmosphere having a partial pressure of 10 −14 to 10 −9 atmospheres, and 1150 ° C. at which the graphite is decomposed and removed. 10 -9 10 at 0.99 ° C. / time less speed in an atmosphere of -8 atm a method of manufacturing a multilayer ceramic electronic component, characterized by raising the temperature, as well as improve the short rate, less laminated ceramic variation in capacitance There exists an effect that an electronic component can be obtained.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Embodiment 1)
Hereinafter, the first embodiment will be used to explain the present invention by taking a multilayer ceramic capacitor as an example.
[0017]
FIG. 1 is a partially cutaway perspective view of a multilayer ceramic capacitor 1 according to the first embodiment. Dielectric layers 2 and
[0018]
First, a dielectric material mainly composed of barium titanate, polyvinyl butyral resin as an organic binder, dibutyl phthalate as a plasticizer, and n-butyl acetate as an organic solvent are mixed by a ball mill to prepare a slurry.
[0019]
Next, after forming this slurry into a green sheet having a thickness of 13 μm using a reverse roll coater method, an electrode paste containing Ni as a main component is applied to the surface by screen printing to form an internal electrode.
[0020]
Next, 80 sheets of green sheets on which the internal electrodes were formed were stacked, and 10 sheets not coated with electrode paste were stacked on each of the upper and lower surfaces, cut after crimping, and cut to 1.8 mm × 1.0 mm × 1 A 0 mm multilayer ceramic green chip is produced.
[0021]
This multilayer ceramic green chip has a structure in which internal electrodes are alternately exposed every other layer with green sheets sandwiched between opposite end faces in the longitudinal direction.
[0022]
Next, the multilayer ceramic green chip is debindered at a maximum temperature of 450 ° C. and a holding time of 2 hours at a heating rate of 30 ° C./hour while flowing nitrogen gas at 100 liters per minute using an atmosphere firing furnace. Then, using the same atmosphere firing furnace used for debinding, nitrogen gas was flowed at 50 liters per minute up to 350 ° C, while nitrogen gas was flowed at 50 liters per minute and hydrogen gas from 350 ° C to 1240 ° C. Firing at a maximum temperature of 1240 ° C. for 2 hours while flowing 0.2 to 2 liters per minute.
[0023]
In order to confirm the effect of the present invention, in the temperature rising region of 850 ° C. to 1150 ° C., the oxygen partial pressure is controlled to an atmosphere of 10 −14 to 10 −9 atm as shown in (Table 1). While changing the heating rate, the other temperature regions are fired as shown in the temperature diagram of FIG. 2 to obtain a sintered body.
[0024]
A pair of external electrodes are formed by electrically conducting the internal electrodes at both ends where the internal electrodes of the obtained sintered body are exposed to obtain a multilayer ceramic capacitor.
[0025]
For the multilayer ceramic capacitor obtained by the above-described manufacturing method, in order to compare the short-circuit rate and the capacitance at the rate of temperature increase, the occurrence of the short-circuit rate and the capacitance were measured for 100 multilayer ceramic capacitors. Average values and standard deviations were calculated.
[0026]
[Table 1]
[0027]
Here, the short-circuit rate is obtained by measuring 100 multilayer ceramic capacitor samples and expressing the number of short-circuited states (resistance value is 1000Ω or less) as a percentage.
[0028]
In addition, in the evaluation, a short-circuit rate of 30% or more, a capacitance of 900 nF or less, or a capacitance standard deviation of 5.00 or more is indicated by “x” as a defective product.
[0029]
The samples marked with # in Table 1 are comparative examples outside the scope of the present invention. As is clear from (Table 1), by raising the temperature of at least 850 ° C. to 1150 ° C. of the temperature raising part in the firing step at a rate of 250 ° C./hour to 400 ° C./hour, there is less short-circuit failure and capacitance. A multilayer ceramic electronic component with little variation can be obtained, and this can prevent oversintering of Ni serving as an internal electrode by raising the temperature range of 850 ° C. to 1150 ° C. at a high speed. This is due to the effect of being able to.
[0030]
In Table 1, when the rate of temperature increase is 500 ° C./hour or more, the short-circuit rate can be kept low, but the temperature distribution in the firing furnace becomes non-uniform, resulting in large variations in capacitance, resulting in mass production. Since this is not preferable, it is out of the scope of the present invention.
[0031]
When the oxygen partial pressure is 10 −14 or less, the multilayer ceramic is reduced, and desired characteristics cannot be obtained. When the oxygen partial pressure is 10 −9 or more, Ni in the internal electrode is oxidized and the desired characteristics cannot be obtained.
[0032]
In the first embodiment, nitrogen gas is used up to 350 ° C., and a mixed gas of nitrogen gas and hydrogen gas is used from 350 ° C. to 1240 ° C. However, the present invention is not limited to this, and up to 350 ° C. Two or more gases selected from nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas, and water vapor within a range of 350 ° C. to 1240 ° C. in any atmosphere of nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas, and water vapor Similar results were obtained when the mixture was used at a ratio of. Further, the mixed gas of nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas and water vapor is used because the oxygen partial pressure can be easily controlled with high accuracy. Furthermore, although the multilayer ceramic capacitor has been described as an example in the first embodiment, the present invention is not limited to this, and the same effect can be obtained when applied to other electronic components such as a multilayer actuator and a multilayer varistor.
[0033]
Further, although the green sheet having a thickness of 13 μm was used, the effect of the present invention becomes more remarkable in a multilayer ceramic electronic component laminated using a very thin green sheet, for example, 3 μm or less. .
[0034]
(Embodiment 2)
Hereinafter, the present invention will be described by taking a multilayer ceramic capacitor as an example using the second embodiment.
[0035]
As in Embodiment 1, a 1.8 mm × 1.0 mm × 1.0 mm multilayer ceramic green chip is manufactured.
[0036]
Next, the multilayer ceramic green chip is debindered at a maximum temperature of 450 ° C. and a holding time of 2 hours at a heating rate of 30 ° C./hour while flowing nitrogen gas at 100 liters per minute using an atmosphere firing furnace. Then, using the same atmosphere firing furnace used for debinding, nitrogen gas was flowed at 50 liters per minute up to 350 ° C, while nitrogen gas was flowed at 50 liters per minute and hydrogen gas from 350 ° C to 1240 ° C. Firing at a maximum temperature of 1240 ° C. for 2 hours while flowing 0.2 to 2 liters per minute.
[0037]
In order to confirm the effect of the present invention, in the temperature rising range of 800 ° C. to 850 ° C., the oxygen partial pressure is increased as shown in (Table 2) while controlling the atmosphere at 10 −15 to 10 −14 atm. While changing the temperature rate, the other temperature regions are fired as shown in the temperature diagram of FIG. 2 to obtain a sintered body.
[0038]
An external electrode is formed by electrically conducting the internal electrode at both ends where the internal electrode of the obtained sintered body is exposed to obtain a multilayer ceramic capacitor.
[0039]
About 100 multilayer ceramic capacitors, the occurrence of short-circuit rate and capacitance were measured, and the average value and standard deviation of capacitance were calculated.
[0040]
[Table 2]
[0041]
The samples marked with # in (Table 2) are comparative examples outside the scope of the present invention. The evaluation criteria are the same as in (Table 1).
[0042]
As is clear from Table 2, by raising the temperature of at least 800 ° C. to 850 ° C. or less in the temperature raising portion in the firing step at a rate of 30 ° C./hour or less, there are few short-circuit defects and little capacitance variation. A multilayer ceramic electronic component can be obtained. In this temperature range, the glassy carbon is decomposed and removed in the temperature range of 800 ° C. to 850 ° C. By setting the heating rate to a suitable temperature for decomposition and removal, it is easy to remove, and further, it is gradually decomposed and removed while avoiding rapid decomposition, preventing carbon from remaining in the final sintered body. As a result, the internal electrodes are oversintered due to the reducing action of the glassy carbon, so that the adjacent internal electrodes pass through the ceramic layer. It is due to the action that it is possible to prevent to touch causing short circuits.
[0043]
If the oxygen partial pressure is 10 -15 or less, the glassy carbon cannot be sufficiently removed even if the temperature is increased at a rate of 30 ° C./hour or less. When the oxygen partial pressure is 10 −14 or more, Ni in the internal electrode is oxidized and desired characteristics cannot be obtained.
[0044]
In the second embodiment, nitrogen gas is used up to 350 ° C. and a mixed gas of nitrogen gas and hydrogen gas is used from 350 ° C. to 1240 ° C. However, the present invention is not limited to this, and up to 350 ° C. Two or more gases selected from nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas, and water vapor within a range of 350 ° C. to 1240 ° C. in any atmosphere of nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas, and water vapor Similar results were obtained when the mixture was used at a ratio of. Further, the mixed gas of nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas and water vapor is used because the oxygen partial pressure can be easily controlled with high accuracy. Furthermore, in the second embodiment, the multilayer ceramic capacitor has been described as an example. However, the present invention is not limited to this, and the same effect can be obtained when applied to other electronic components such as a multilayer actuator and a multilayer varistor.
[0045]
(Embodiment 3)
Hereinafter, the present invention will be described by taking a multilayer ceramic capacitor as an example using the third embodiment.
[0046]
As in Embodiment 1, a 1.8 mm × 1.0 mm × 1.0 mm multilayer ceramic green chip is manufactured.
[0047]
Next, the multilayer ceramic green chip is debindered at a maximum temperature of 450 ° C. and a holding time of 2 hours at a heating rate of 30 ° C./hour while flowing nitrogen gas at 100 liters per minute using an atmosphere firing furnace. Then, using the same atmosphere firing furnace used for debinding, nitrogen gas was flowed at 50 liters per minute up to 350 ° C, while nitrogen gas was flowed at 50 liters per minute and hydrogen gas from 350 ° C to 1240 ° C. Firing at a maximum temperature of 1240 ° C. for 2 hours while flowing 0.2 to 2 liters per minute.
[0048]
In order to confirm the effect of the present invention, in the temperature rising region of 1150 ° C. to 1240 ° C., the oxygen partial pressure is increased as shown in (Table 3) while controlling the atmosphere at 10 −9 to 10 −8 atm. While changing the temperature rate, the other temperature regions are fired as shown in the temperature diagram of FIG. 2 to obtain a sintered body.
[0049]
An external electrode is formed by electrically conducting the internal electrode at both ends where the internal electrode of the obtained sintered body is exposed to obtain a multilayer ceramic capacitor.
[0050]
About 100 multilayer ceramic capacitors, the occurrence of short-circuit rate and capacitance were measured, and the average value and standard deviation of capacitance were calculated.
[0051]
[Table 3]
[0052]
The samples marked with # in Table 3 are comparative examples outside the scope of the present invention.
[0053]
As apparent from (Table 3), by raising the temperature of at least 1150 ° C. to a predetermined firing temperature (1240 ° C. in this example) of the temperature raising portion in the firing step at a rate of 150 ° C./hour or less. In addition, it is possible to obtain a multilayer ceramic electronic component with few short-circuit defects and little characteristic variation. This is because graphite is decomposed in the temperature range of 1150 ° C. to a predetermined firing temperature (1240 ° C. in this example). Therefore, by setting the temperature rise in the temperature range where they are actively decomposed to a temperature rise temperature suitable for the decomposition and removal of graphite, the removal is facilitated, and it is gradually sufficient while avoiding abrupt decomposition. It decomposes and removes to prevent carbon from remaining in the final sintered body, and as a result, the internal electrode oversinters due to the reducing action of graphite. Is due to the action of internal electrodes each other next to each other through ceramic layers can be prevented from causing a short circuit in contact with the.
[0054]
If the oxygen partial pressure is 10 −9 or less, the graphite cannot be sufficiently removed even if the temperature is raised at a rate of 150 ° C./hour or less. On the other hand, when the oxygen partial pressure is 10 −8 or more, Ni of the internal electrode is oxidized and desired characteristics cannot be obtained.
[0055]
In the third embodiment, nitrogen gas is used up to 350 ° C. and a mixed gas of nitrogen gas and hydrogen gas is used from 350 ° C. to 1240 ° C. However, the present invention is not limited to this, and up to 350 ° C. Two or more gases selected from nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas, and water vapor within a range of 350 ° C. to 1240 ° C. in any atmosphere of nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas, and water vapor Similar results were obtained when the mixture was used at a ratio of. Further, the mixed gas of nitrogen gas, hydrogen gas, carbon dioxide gas and water vapor is used because the oxygen partial pressure can be easily controlled with high accuracy. Furthermore, although the multilayer ceramic capacitor has been described as an example in the third embodiment, the present invention is not limited to this, and the same effect can be obtained when applied to other electronic components such as a multilayer actuator and a multilayer varistor.
[0056]
Further, by combining the above-described embodiments, it is possible to further suppress oversintering of the internal electrodes, and to obtain a multilayer ceramic electronic component with a small short-circuit defect rate and a small capacitance variation.
[0057]
For example, when the internal electrodes are not completely in contact with each other, short-circuit failure does not occur and the insulation resistance only decreases, but short-circuit failure may occur depending on the usage conditions such as subsequent voltage application, affecting reliability. However, by firing by the method described in the present invention, by preventing oversintering of the internal electrode, not only the initial short-circuit failure but also the reliability is brought about. .
[0058]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a method for manufacturing a multilayer ceramic electronic component having excellent performance with less short-circuiting of internal electrodes upon firing, and particularly in a multilayer ceramic electronic component having a thin multilayer. The effect of reducing short-circuit defects is great.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially cutaway view of a multilayer ceramic component. FIG. 2 is a diagram showing the relationship between time and temperature in an embodiment of the invention.
1 multilayer ceramic capacitor 2
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