JP3872849B2 - 動画像符号化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は動画像符号化装置に関し、特にリアルタイムに可変レート符号化を行うことのできる動画像符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、動画像の高能率符号化方法としてMPEG2方式が広く用いられている。MPEG2方式では、画面を16×16画素のマクロブロックに分割し、そのマクロブロックをさらに8×8画素のブロックに分割する。そして各ブロック毎に離散コサイン変換を施して、離散コサイン変換係数を求める。得られた離散コサイン変換係数を、量子化幅と各周波数成分に対応した8×8の量子化行列とで除算することにより、離散コサイン変換係数を量子化する。量子化された離散コサイン変換係数は、可変長符号化を施されて符号列となる。量子化における量子化幅は、マクロブロック単位で変更することができ、これにより発生符号量を制御することができる。MPEG2 TEST MODEL3における発生符号量を制御する方法には、GOP単位で発生符号量を一定にする固定レート方法が提案されている。
【0003】
この従来の固定レート符号化装置では、動きの小さい動画像(情報量が少ない)に割り当てる符号量と、動きの大きい動画像や複雑な動画像(情報量が多い)に割り当てる符号量は同じである。そのため、設定レートが低い場合には、情報量の多い画像に視覚的な画質劣化が生じてしまっていた。この画質劣化は、設定レートを高くすることにより解決されるが、しかし、情報量の少ない画像に対しては割り当てた符号量に無駄が多くなり、例えば記録媒体に符号列を記録するような場合に記録時間が短くなってしまうというような問題点が生じた。
【0004】
以上のような問題点を解決するために、特開平6−141298号公報では、単位時間毎に設定レートを制御して動画像の全符号量が所定値になるように発生符号量の制御を行うことにより、画質を向上させる可変ビットレート符号化装置が提案されている。この従来の可変ビットレート符号化装置では、同じ入力画像に対して2回の符号化を行う。まず、入力画像の1回目の符号化(仮符号化)を、固定の量子化幅を用いて行う。仮符号化により生成された符号列は、単位時間毎に発生符号量が計数されて仮転送レートとして記憶される。そして、入力画像の全符号量が所定値となるように、単位時間毎に計数された仮転送レートから目標転送レートを設定する。次に、入力画像の2回目の符号化(実符号化)を、各単位時間毎の目標転送レートに合うように発生符号量を制御しながら行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の可変ビットレート符号化装置では、符号列を得るために2回の符号化動作を行わなければならず、このため、少なくとも動画像の全時間長の2倍の時間が必要となり、また、動画像のすべてを一度仮符号化しなければ実符号化を行えないために、リアルタイム性を要求されるような場合にはこの可変ビットレート符号化装置を使用できないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであり、動画像をリアルタイムに可変ビットレート符号化することのできる動画像符号化装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる動画像符号化装置は、複数の画面からなる動画像の該各画面を複数のブロックに分割するブロック変換手段と、上記ブロック変換手段により分割された上記各画面の複数のブロックを、それぞれ係数に変換する画像変換手段と、上記画像変換手段により変換された上記各画面の複数のブロックの係数を、量子化幅を用いて量子化する量子化手段と、上記量子化手段により量子化された上記各画面の複数のブロックの係数から、上記各画面の符号列を生成する符号列生成手段と、上記符号列生成手段により生成された上記各画面の符号列から、上記各画面内の発生符号量を計数する符号量計数手段と、上記量子化手段で用いた量子化幅の平均値を求める平均値演算手段と、上記符号量計数手段により計数された発生符号量と上記平均値演算手段により演算された量子化幅の平均値とを乗じた値を上記各画面の画面複雑度として演算する複雑度演算手段と、上記複雑度演算手段により演算された各画面の画面複雑度から、符号化対象画面の直前の、複数画面で構成される画面群に対する第1の平均画面複雑度を求めると共に、上記直前の画面群より以前の、複数画面で構成される画面群に対する第2の平均画面複雑度を求め、該第2の平均画面複雑度に対する該第1の平均画面複雑度の割合を求め、その割合から符号化対象画面の目標発生符号量を決定する目標符号量決定手段と、を具備することを特徴とする動画像符号化装置である。
【0009】
また、本発明の請求項2にかかる動画像符号化装置は、請求項1記載の動画像符号化装置において、上記動画像符号化装置は、所定の目標平均符号化レートと上記符号量計数手段により計数された発生符号量とから割り当て可能符号残量を求め、その割り当て可能符号残量を保持する仮想バッファ手段をさらに具備したものであり、上記目標符号量決定手段は、上記第2の平均画面複雑度に対する上記第1の平均画面複雑度の割合と上記仮想バッファに保持された単位時間あたりの割り当て可能符号残量との比率から符号化対象画面の目標発生符号量を決定するものであることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0010】
また、本発明の請求項3にかかる動画像符号化装置は、複数の画面からなる動画像の該各画面を複数のブロックに分割するブロック変換手段と、上記ブロック変換手段により分割された上記各画面の複数のブロックを、それぞれ係数に変換する画像変換手段と、上記画像変換手段により変換された上記各画面の複数のブロックの係数を、量子化幅を用いて量子化する量子化手段と、上記量子化手段により量子化された上記各画面の複数のブロックの係数から、上記各画面の符号列を生成する符号列生成手段と、上記符号列生成手段により生成された上記各画面の符号列から、上記各画面内の発生符号量を計数する符号量計数手段と、上記量子化手段で用いた量子化幅の平均値を求める平均値演算手段と、上記符号量計数手段により計数された発生符号量と上記平均値演算手段により演算された量子化幅の平均値とを乗じた値を上記各画面の画面複雑度として演算する複雑度演算手段と、上記複雑度演算手段により演算された各画面の画面複雑度から、符号化対象画面の直前の、複数画面で構成される画面群に対する第1の平均画面複雑度を求めると共に、上記直前の画面群より以前の、複数画面で構成される画面群に対する第2の平均画面複雑度を求め、該第2の平均画面複雑度に対する該第1の平均画面複雑度の割合を求め、その割合から符号化対象画面の目標量子化幅を決定する目標量子化幅決定手段と、を具備することを特徴とする動画像符号化装置である。
【0012】
また、本発明の請求項4にかかる動画像符号化装置は、請求項3記載の動画像符号化装置において、上記動画像符号化装置は、所定の目標平均符号化レートと上記符号量計数手段により計数された発生符号量とから割り当て可能符号残量を求め、その割り当て可能符号残量を保持する仮想バッファ手段をさらに具備したものであり、上記目標量子化幅決定手段は、上記第2の平均画面複雑度に対する上記第1の平均画面複雑度の割合と上記仮想バッファに保持された単位時間あたりの割り当て可能符号残量との比率から符号化対象画面の目標量子化幅を決定するものであることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0013】
また、本発明の請求項5にかかる動画像符号化装置は、請求項1または2に記載の動画像符号化装置において、上記目標符号量決定手段により決定された目標発生符号量を、現在の画面に対する目標発生符号量とすることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0014】
また、本発明の請求項6にかかる動画像符号化装置は、請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅を、現在の画面に対する目標量子化幅とすることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0015】
また、本発明の請求項7にかかる動画像符号化装置は、請求項1または2に記載の動画像符号化装置において、上記目標符号量決定手段により決定された目標発生符号量に対して、上限値と下限値を設定することを特徴とする動画像符号化装置である。
【0016】
また、本発明の請求項8にかかる動画像符号化装置は、請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅に対して、上限値と下限値を設定することを特徴とする動画像符号化装置である。
【0017】
また、本発明の請求項9にかかる動画像符号化装置は、請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、画面のピクチャタイプ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)のそれぞれにつき、上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅に対して所定の係数を乗じ、その値を上記目標量子化幅とすることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0018】
また、本発明の請求項10にかかる動画像符号化装置は、請求項1または2に記載の動画像符号化装置において、上記第2の平均画面複雑度を得るための過去の画面数は、画面のピクチャタイプ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の各々に対して、一定値であることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0019】
また、本発明の請求項11にかかる動画像符号化装置は、請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、上記第2の平均画面複雑度を得るための過去の画面数は、画面のピクチャタイプ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の各々に対して、一定値であることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0020】
また、本発明の請求項12にかかる動画像符号化装置は、請求項1に記載の動画像符号化装置において、上記目標発生符号量決定手段により決定された目標発生符号量Tと、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kは、K1<K2であるときにf(K1)≦f(K2)となる関数f(K)に対して、T=f(K)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0022】
また、本発明の請求項13にかかる動画像符号化装置は、請求項2に記載の動画像符号化装置において、上記目標符号量決定手段により決定された目標発生符号量Tと、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kは、単位時間当たりの割り当て可能符号残量Rと、K1<K2であるときにg(K1,R)≦g(K2,R),かつR1<R2であるときにg(K,R1)≦g(K,R2)となる関数g(K,R)に対して、T=g(K,R)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0023】
また、本発明の請求項14にかかる動画像符号化装置は、請求項3に記載の動画像符号化装置において、上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅Qは、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kと、K1<K2であるときにf(K1)≧f(K2)となる関数fとに対して、Q=f(K)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0025】
また、本発明の請求項15にかかる動画像符号化装置は、請求項4に記載の動画像符号化装置において、上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅Qと、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kは、単位時間当たりの上記割り当て可能符号残量Rと、K1<K2であるときにg(K1,R)≧g(K2,R),かつR1<R2であるときにg(K,R1)≧g(K,R2)となる関数gに対して、Q=g(K,R)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、符号化方法としてMPEG2方式を用いた場合の本発明による動画像符号化装置について説明する。
実施の形態1.
まず、実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態1による動画像符号化装置のブロック図である。図中100は本実施の形態1による動画像符号化装置であり、このように動画像符号化装置100は、ブロック変換手段であるブロック変換器101と,差分器102と,スイッチ103,111と,画像変換手段である直交変換器104と,量子化手段である量子化器105と,符号量計数手段,平均値演算手段,複雑度演算手段,目標符号量決定手段,及び仮想バッファ手段を統合した符号量制御器106と,符号生成手段である可変長符号化器107と、バッファ108と,逆量子化器109と,逆直交変換器110と,動き補償予測器112と,フレームメモリ113と,加算器114とからなっている。本実施の形態1では、このような動画像符号化装置100に入力される動画像を、図2(a) に示すようなフレーム201〜227…から構成されているものとし、フレーム201〜227はフレーム201を先頭として時間順に並んでいる。また、各フレーム201〜227に付記されたI,P,Bの記号は、各フレームがそれぞれIピクチャ(フレーム内符号化画像)、Pピクチャ(フレーム間順方向予測符号化画像)、Bピクチャ(双方向予測符号化画像)であることを示している。
【0027】
まず、入力フレームがIピクチャである場合の、動画像符号化装置100の基本動作について図面を参照しながら説明する。
動画像符号化装置100に入力された動画像を構成する入力フレームは、図2(b) に示すように、ブロック変換器101により16×16画素からなるマクロブロックに分割される。入力フレームがIピクチャである場合は、スイッチ103はbに接続され、従ってマクロブロックは直交変換器104に入力される。直交変換器104は、図2(c) に示すように、1個のマクロブロックを8×8画素からなるブロックに分割し、各ブロック毎に直交変換を施して、各ブロックを直交変換係数に変換する。なお図2(c) は、画像フォーマットが4:2:0である場合についての1個のマクロブロックに含まれるブロックを示している。
【0028】
次に、直交変換係数は、量子化器105により量子化を施される。この量子化は、直行変換係数を、符号量制御器106により与えられる量子化幅と各周波数成分に対応した8×8の量子化行列とで除算することにより行われる。量子化された直行変換係数は、可変長符号化器107により符号列に変換されてバッファ108に入力される。バッファ108に入力された符号列は、所定のレートでバースト的あるいは連続的にバッファ108から読み出され、蓄積メディア等に蓄積されるデータとなる。
【0029】
一方、量子化器105により量子化された直交変換係数は、逆量子化器109にも入力されて逆量子化を施され、さらに逆直交変換器110により逆直交変換を施されて局所復号化画像となる。入力画像がIピクチャである場合、スイッチ111は接続されず、局所復号化画像はそのままフレームメモリ113に格納されることとなる。
【0030】
次に、入力フレームがPおよびBピクチャである場合の、動画像符号化装置100の基本動作について説明する。
動画像符号化装置に入力された動画像を構成する入力フレームは、Iピクチャの場合と同様に、まずブロック変換器101により16×16画素からなるマクロブロックに分割される。入力フレームがPおよびBピクチャである場合は、スイッチ103はaに接続され、従ってマクロブロックは動き補償予測器112に入力され、フレームメモリ113に格納された局所復号化画像を用いて動き予測が行われる。例えば、入力フレームがフレーム207(Pピクチャ)である場合には、フレームメモリ113に格納されたフレーム204(Pピクチャ)の局所復号化画像を参照フレームとして用いて動き予測を行う。また、入力フレームがフレーム206(Bピクチャ)である場合には、フレーム204(Pピクチャ)とフレーム207(Pピクチャ)の局所復号化画像を参照フレームとして用いて動き予測を行う。動き予測により得られた入力フレームの動きベクトルは、可変長符号化器107により可変長符号化される。また、入力フレームのマクロブロックと動き予測により得られた参照画像のマクロブロックとは、差分器102により差分が取られ、その差分値は差分マクロブロックとなる。
【0031】
差分マクロブロックは、Iピクチャの場合と同様に、直交変換器104,量子化器105,可変長符号化器107により符号列に変換され、バッファ108に入力される。また、入力フレームがPピクチャの場合、量子化された差分マクロブロックの直交変換係数は、逆量子化器109にも入力されて逆量子化を施され、さらに逆直交変換器110により逆直交変換を施された後、動き予測で得られた参照画像との加算が加算器114により行われて、局所復号化画像となりフレームメモリ113に格納される。入力フレームがBピクチャの場合には、局所復号化画像は生成する必要はない。
【0032】
以上のような動作において、符号量制御器106は、バッファ108に入力された符号量を計数し、計数した各フレームの符号量と量子化幅とを用いてフレームの複雑度を求め、その複雑度から新しい量子化幅を決定し、それを量子化器105に送る。このような符号量制御器106の構造および動作について以下に説明を行う。
【0033】
まず、入力フレームがフレーム201(Iピクチャ)である場合の符号量制御器106の詳細な動作を、図3のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
図3は、符号量制御器の動作を示すフローチャートである。まず、入力フレームの符号化開始前に符号量制御器106は、ステップ301において変数Xi,Xp,Xb,AvgXi,AvgXp,AvgXbの初期値を設定する。Xi,Xp,Xbは、現在符号化しようとしている入力フレームの直前のI,P,Bピクチャのフレーム複雑度を示す。AvgXiは、現在符号化しようとしている入力フレームの直前のIピクチャよりも以前のIピクチャに対する平均フレーム複雑度である。AvgXp,AvgXbは、現在符号化しようとしている入力フレームの直前のP,Bピクチャよりも以前のP,Bピクチャに対する平均フレーム複雑度である。例えば入力フレームがフレーム222(Pピクチャ)である場合、この入力フレームを符号化する際のXpはフレーム219(Pピクチャ)のフレーム複雑度となり、AvgXpはフレーム216より以前(フレーム216を含む)のPピクチャの平均フレーム複雑度となる。符号量制御器106はこのような変数Xi,Xp,Xb,AvgXi,AvgXp,AvgXbの初期値の設定と同時に、(数1),(数2)による初期化の動作も行う。
【0034】
【数1】
【0035】
【数2】
【0036】
(数1)におけるBitRateは目標平均符号レートを示し、FrameRateは1秒あたりのフレーム数を示す。また、Nは1GOPを構成するフレーム数を示し、例えば図2(a) ではN=12となる。よってGは、1GOP当たりの平均割り当て符号量を示すことになる。(数2)におけるLは1以上の整数であり、Rは仮想的なバッファの残量を示す。
【0037】
次にステップ302において、入力フレームがGOPの先頭(符号化の開始時点)であるかどうかを判定する。例えばフレーム201ならば、GOPの先頭であるのでステップ303に進む。ステップ303では、仮想バッファ残量Rの更新を(数3)により行う。
【0038】
【数3】
【0039】
(数3)における右辺のRは更新前の仮想バッファ残量を示すものであり、左辺のRは更新後の仮想バッファ残量を示す。
【0040】
ステップ304で、1GOP単位のフレーム目標発生符号量Tgの設定を(数4),(数5),(数6)により行う。
【0041】
【数4】
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
Np,Nbはそれぞれ1GOPに含まれるP,Bピクチャのフレーム数を示し、例えば図2(a)では3,8となる。従って、Xgは1GOP単位のフレーム複雑度、AvgXgは1GOP単位の平均フレーム複雑度を示すこととなる。
【0045】
ステップ305で、フレーム201に対するフレーム目標発生符号量Tの設定を、Xiを用いて(数7)により行う。
【0046】
【数7】
【0047】
ステップ306で、フレーム201の符号化を行う。このとき、フレーム201の符号量が、ステップ305で設定したフレーム201に対するフレーム目標発生符号量Tとなるように、MPEG TEST MODEL3の方法を用いてフレーム201の符号化を行う。なお、この符号化は、MPEG TEST MODEL3以外の方法を用いて行ってもかまわない。
【0048】
フレーム201の符号化が終了すると、ステップ307において符号化後処理を行う。ここでの符号化後処理とは、仮想バッファ残量Rの更新,平均フレーム複雑度AvgXi,フレーム複雑度Xiの更新のことである。仮想バッファ残量Rの更新は(数8)により行う。
【0049】
【数8】
【0050】
(数8)におけるSはフレーム201の発生符号量を示す。また、(数8)の右辺のRは更新前の仮想バッファ残量を示すものであり、左辺のRは更新後の仮想バッファ残量を示す。
平均フレーム複雑度AvgXiの更新は(数9),(数10),(数11)により行う。
【0051】
【数9】
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】
【0054】
(数9)におけるSumXiはフレーム複雑度Xiの累積値を示し、フレーム201の符号化開始時点では0である。また、(数10)におけるFiは符号化が終了したIピクチャ数を示す。
フレーム複雑度Xiの更新は(数12)により行う。
【0055】
【数12】
【0056】
(数12)におけるQは、Iピクチャフレーム内の全マクロブロックに対する量子化幅の平均値を示す。
【0057】
以上までが、フレーム201(Iピクチャ)を符号化する際の符号量制御器106の動作の説明である。
【0058】
次に、フレーム201の次フレームであるフレーム204(Pピクチャ)を符号化する際の、符号量制御器106の動作の詳細について、図3のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まず、上述のフレーム201(Iピクチャ)のときと同様にして、符号量制御器106はステップ301,302を行う。フレーム204はGOPの先頭フレームではないので、ステップ303を飛ばしてステップ304を行う。ステップ304において、1GOP単位のフレーム目標発生符号量Tgの設定を行った後、ステップ305で、フレーム204に対するフレーム目標発生符号量Tの設定を、Xpを用いて(数13)により行う。上述のフレーム201(Iピクチャ)のときは、Xiを用いて(数7)によりフレーム目標発生符号量Tの設定を行う。
【0059】
【数13】
【0060】
ステップ306で、フレーム204の符号化を行う。このとき、フレーム204の符号量が、ステップ305で設定したフレーム204に対するフレーム目標発生符号量Tとなるように、MPEG TEST MODEL3の方法を用いてフレーム204の符号化を行う。なお、この符号化は、MPEG TEST MODEL3以外の方法を用いて行ってもかまわない。
【0061】
フレーム201の符号化が終了すると、ステップ307において符号化後処理を行う。ここでの符号化後処理とは、仮想バッファ残量Rの更新,平均フレーム複雑度AvgXp,フレーム複雑度Xpの更新のことである。
【0062】
仮想バッファ残量Rの更新は(数8)により行う。
【0063】
【数8】
【0064】
平均フレーム複雑度AvgXpの更新は(数14)〜(数16)により行う。上述のフレーム201(Iピクチャ)のときは、(数9)〜(数11)により平均フレーム複雑度AvgXiを更新した。
【0065】
【数14】
【0066】
【数15】
【0067】
【数16】
【0068】
(数14)におけるSumXpはフレーム複雑度Xpの累積値を示し、フレーム204の符号化開始時点では0である。また、(数15)におけるFpは符号化終了済みのPピクチャ数である。
フレーム複雑度Xpの更新は(数17)により行う。上述のフレーム201(Iピクチャ)のときは、(数12)によりフレーム複雑度Xiを更新した。
【0069】
【数17】
【0070】
(数17)におけるQは、Pピクチャフレーム内の全マクロブロックに対する平均量子化幅である。
【0071】
以上までが、フレーム204(Pピクチャ)を符号化する際の符号量制御器106の動作の説明である。
【0072】
次に、フレーム204の次フレームであるフレーム202(Bピクチャ)を符号化する際の、符号量制御器106の動作の詳細について、図3のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まず、上述のフレーム201(Iピクチャ),フレーム204(Pピクチャ)のときと同様にして、符号量制御器106はステップ301,302を行う。フレーム202はGOPの先頭フレームではないので、ステップ303を飛ばしてステップ304を行う。ステップ304において、1GOP単位のフレーム目標発生符号量Tgの設定を行った後、ステップ305でフレーム202に対するフレーム目標発生符号量Tの設定を行う。フレーム202に対するフレーム目標発生符号量Tの設定は、Xbを用いて(数18)により行う。先述のフレーム201(Iピクチャ)のときはXiを用いて(数7)により、フレーム204(Pピクチャ)のときはXpを用いて(数13)により、フレーム目標発生符号量Tの設定を行った。
【0073】
【数18】
【0074】
ステップ306で、フレーム202の符号化を行う。このとき、フレーム202の符号量が、ステップ305で設定したフレーム202に対するフレーム目標発生符号量Tとなるように、MPEG TEST MODEL3の方法を用いてフレーム202の符号化を行う。なお、この符号化は、MPEG TEST MODEL3以外の方法を用いて行ってもかまわない。
【0075】
フレーム202の符号化が終了すると、ステップ307で符号化後処理を行う。ここでの符号化後処理とは、仮想バッファ残量Rの更新,平均フレーム複雑度AvgXb,フレーム複雑度Xbの更新のことである。
仮想バッファ残量Rの更新は(数8)により行う。
【0076】
【数8】
【0077】
平均フレーム複雑度AvgXbの更新は(数19)〜(数21)により行う。先述のフレーム201(Iピクチャ)のときは(数9)〜(数11)により、フレーム204(Pピクチャ)のときは(数14)〜(数16)により、平均フレーム複雑度AvgXi,AvgXpを更新した。
【0078】
【数19】
【0079】
【数20】
【0080】
【数21】
【0081】
(数19)におけるSumXpはフレーム複雑度Xbの累積値を示し、フレーム202の符号化開始時点では0である。(数20)におけるFbは符号化が終了したBピクチャ数である。
フレーム複雑度Xbの更新は(数17)により行う。なお、先述のフレーム201(Iピクチャ)のときは(数12)により、フレーム204(Pピクチャ)のときは(数17)により、フレーム複雑度Xi,Xbを更新した。
【0082】
【数22】
【0083】
(数22)におけるQは、Bピクチャフレーム内の全マクロブロックに対する平均量子化幅である。
【0084】
以上までが、フレーム202(Bピクチャ)を符号化する際の符号量制御器106の動作の説明である。
図4(a) ,(b) は、符号量制御器106が、上記のような可変ビットレート符号化方法を用いて動作した場合の、発生符号量の時間的変化の例を示す図である。図4(a) の実線はフレーム複雑度Xgを、破線は1平均フレーム複雑度AvgXgを示す。図4(b) の実線は1GOP単位の発生符号量を、破線は1GOP単位の目標発生符号量を示す。このように、1GOP単位のフレーム複雑度と1GOP単位の発生符号量の時間的変化は同じような曲線を描いており、すなわちこのグラフは、フレーム複雑度に応じた適切な目標発生符号量をもって動画像の符号化を行っていることを示している。
【0085】
以上のように本実施の形態1による動画像符号化装置では、過去の平均フレーム複雑度に対する現在符号化しようとしているフレーム複雑度の比率を求め、その比率により現在のフレームの目標発生符号量を求めているので、フレーム複雑度に応じた適切な目標発生符号量でもって現在のフレームの符号化を行うことが可能となり、かつ、1GOP単位の目標発生符号量を満足させることも可能となる。従って、本実施の形態1による動画像符号化装置は、予め設定されていた1GOP単位の目標発生符号量が低い場合であっても、従来のような固定レート符号化方法に比べると画質が向上する効果が得られる。
【0086】
実施の形態2.
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態2による動画像符号化装置について説明する。
実施の形態2における符号量制御器106は、符号量計数手段,平均値演算手段,複雑度演算手段,仮想バッファ手段,及び目標量子化幅決定手段を統合した手段である。先述の実施の形態1における符号量制御器106は、目標量子化幅決定手段を備えておらず、その代わりに目標符号量決定手段を備えていた。図5は、本実施の形態2による符号量制御器106の動作のフローチャートである。図5と実施の形態1による図3とを比較すると、フレーム目標発生符号量の計算のステップ(ステップ305)と符号化のステップ(ステップ502)の間において、フレーム目標量子化幅の計算をステップ501により行っている点が異なっている。このように、本実施の形態2による符号量制御器106のステップ301〜ステップ305とステップ307の動作は、実施の形態1の場合と同様であるので説明は省略し、ステップ305とステップ502の動作についての説明を以下に行う。
【0087】
ステップ305で、フレーム目標発生符号量Tを(数7)により設定した後、ステップ501において、そのフレーム目標発生符号量Tを用いて(数23)によりフレーム目標量子化幅Qiを設定する。ただし、(数23)は現在符号化しようとしているフレーム(以下、フレームMとする)がIピクチャである場合に用いるものであって、フレームMがP,Bピクチャであるときは(数24),(数25)によりフレーム目標量子化幅Qp,Qbの設定を行う。
【0088】
【数23】
【0089】
【数24】
【0090】
【数25】
【0091】
(数23),(数24),(数25)により求めたフレーム目標量子化幅Qi,Qp,Qbの値をそのまま、フレームM内のすべてのマクロブロックに対する量子化幅として用いて、フレームMの量子化を行う。
【0092】
以降、ステップ502におけるフレームMの符号化と、ステップ307における符号化後処理の動作は、実施の形態1と同様である。
【0093】
なお、フレームMを量子化する際、フレームM内のすべてのマクロブロックに対する量子化幅の値は、フレーム目標量子化幅Qi,Qp,Qbの値をそのまま用いていたが、フレームM内の各マクロブロックに対する量子化幅の平均値が、フレーム目標量子化幅Qi,Qp,Qbに近い値になるのであれば、各マクロブロックに対する量子化幅の値を変更してもかまわない。例えば、図8に示すように、動画像符号化装置100にアクティビティ計算器801を設け、アクティビティ計算器801により計算された各マクロブロックのアクティビティに応じて、各マクロブロックに対する量子化幅を変更してもかまわない。
【0094】
また、フレームMを量子化する際、フレームM内のすべてのマクロブロックに対する量子化幅の値は、フレーム目標量子化幅Qi,Qp,Qbの値をそのまま用いていたが、フレーム目標量子化幅Qi,Qp,Qbの値は、フレームMのピクチャタイプに応じて重みをかけてもよい。例えば、フレームMがI,Pピクチャであれば、フレーム目標量子化幅Qi,Qpをそのまま用いてフレームMの量子化を行い、Bピクチャであれば、(数25)で得たフレーム目標量子化幅Qbを1.4倍した値をフレーム目標量子化幅Qbとして用いてフレームMの量子化を行ってもよい。
【0095】
以上のように本実施の形態2による動画像符号化装置では、過去の平均フレーム複雑度に対する現在符号化しようとしているフレームの複雑度の比率を求め、その比率により現在のフレームの目標量子化幅を求め、その目標量子化幅を用いて現在のフレームの量子化を行っているので、フレーム複雑度に応じた適切な目標発生符号量でもって現在のフレームの符号化を行うことが可能となり、かつ、1GOP単位の目標発生符号量を満足させることも可能となる。従って、本実施の形態2による動画像符号化装置は、予め設定されていた1GOP単位の目標発生符号量が低い場合であっても、従来のような固定レート符号化方法に比べると画質が向上する効果が得られる。
【0096】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3による動画像符号化装置について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態3による動画像符号化装置のブロック図である。このように本実施の形態3による動画像符号化装置は、動画像符号化装置603,604を組み合わせたものであり、動画像符号化装置603は、実施の形態1による動画像符号化装置100から符号量制御器106とバッファ108を取り除き、可変長符号化器107aの後段に複雑度演算器602を付加したものであり、動画像符号化装置604は、動画像符号化装置100と同じ装置である。すなわち、本実施の形態3による動画像符号化装置は、実施の形態1による動画像符号化装置の変形例である。
【0097】
動画像符号化装置603は、フレーム複雑度を求めるために、現在符号化しようとしているフレーム(例えば、フレームMとする)の仮の符号化を行う装置であり、この動画像符号化装置603による符号化の方法は実施の形態1の場合とほぼ同様である。異なるのは、符号量制御を行わず、また量子化器105aにおいて用いる量子化幅が一定である点である。複雑度演算器602は、可変長符号化器107aの出力である符号列を計数し、フレーム毎の符号量を求める。そして、そのフレーム符号量と量子化幅との積をとることにより、フレームMのフレーム複雑度を求める。求めたフレーム複雑度は、動画像符号化装置604の符号量制御器106bに出力する。
【0098】
動画像符号化装置604は、フレームMの実際の符号化を行って符号列を生成する装置である。フレームメモリ601により、動画像符号化装置604へのフレームMの入力は、動画像符号化装置603への入力よりも少なくとも1フレーム遅れて入力されることになる。符号量制御器106bは動画像符号化装置603から出力されたフレームMのフレーム複雑度を基に、フレームMに対する目標発生符号量を求め、この目標発生符号量を量子化器105bに出力する。そして動画像符号化装置604はフレームMの符号化を行う。この動画像符号化装置604による符号化の方法は実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、フレーム複雑度に用いる値が異なっている。すなわち、実施の形態1では、フレーム複雑度Xi,Xp,Xbは、フレームMの直前に存在する同一ピクチャタイプのフレームの複雑度であったが、本実施の形態3では現在のフレームMのフレーム複雑度であり、このフレーム複雑度は複雑度演算器602で求めたものである。従って、例えばフレーム222を符号化する際には、Xpはフレーム222のフレーム複雑度となり、AvgXpはフレーム219以前(フレーム219を含む)のPピクチャのフレーム複雑度の平均値となる。また、ステップ307において、(数12)によるフレーム複雑度の演算を行う必要はない。
【0099】
なお、動画像符号化装置604には、実施の形態2による動画像符号化装置100を用いても構わない。この場合、符号量制御器106bは動画像符号化装置603から出力されたフレーム複雑度を基に、フレームMに対する目標発生符号量を求め、この目標発生符号量から目標量子化幅を求めて量子化器105bに出力する。量子化器105bは、符号量制御器106bから出力された目標量子化幅を用いてフレームMの量子化を行う。その後、動画像符号化装置604はフレームMの符号化を行う。
【0100】
以上のように本実施の形態3による動画像符号化装置では、過去の平均フレーム複雑度に対する現在符号化しようとしているフレーム複雑度の比率を求め、その比率により現在のフレームの目標発生符号量を求めているので、フレーム複雑度に応じた適切な目標発生符号量でもって現在のフレームの符号化を行うことが可能となり、かつ、1GOP単位の目標発生符号量を満足させることも可能となる。従って、本実施の形態3による動画像符号化装置は、予め設定されていた1GOP単位の目標発生符号量が低い場合であっても、従来のような固定レート符号化方法に比べると画質が向上する効果が得られる。
【0101】
なお、本実施の形態1〜3における符号化方法は、MPEG2方式を基にして説明したが、これは量子化幅により発生符号量を制御する方法(H.261方式,Motion JPEG方式等)であれば、どのような符号化方法であってもよい。
【0102】
また、本実施の形態1〜3における動画像の単位は、フレームとして説明したが、フィールドであってもよい。
【0103】
また、本実施の形態1〜3における(数6)の式は、GOP換算の複雑度XgとGOP換算の平均複雑度AvgXgの比をそのまま割り当て符号量Tgに反映させたものであるが、割り当て符号量TgがXg/AvgXgに対して単純増加関数になるのであれば、どのような反映方法であってもよい。例えば、(数6)の代わりに(数26)のような式が考えられる。
【0104】
【数26】
【0105】
また、本実施の形態1〜3において、平均フレーム複雑度AvgXi,AvgXp,AvgXbは、シーケンスの先頭からの平均値としたが、これは現在符号化しようとしているフレームの直前の数GOP分のフレームの平均値としてもよい。例えば、現在符号化しようとしているフレームがIピクチャであって、その直前のG個のフレームのフレーム複雑度の平均値を平均フレーム複雑度として用いるとすると、ステップ307での(数9)〜(数11)の計算(数27)のようになる。
【0106】
【数27】
【0107】
(数27)における右辺のAvgXiは更新前の値、左辺のAvgXiは更新後の値である。
【0108】
また、本実施の形態1〜3において、各ピクチャタイプの先頭フレームの符号化は、ステップ301で設定したXi,Xp,Xb,AvgXi,AvgXp,AvgXbの初期値によりフレーム目標発生符号量またはフレーム目標量子化幅を求め、これらフレーム目標発生符号量またはフレーム目標量子化幅を用いて符号化したが、固定の量子化幅を用いて符号化してもよい。
【0109】
また、本実施の形態1〜3において、フレーム目標発生符号量Tの値をそのまま用いて入力フレームの符号化を行っていたが、フレーム目標発生符号量Tに対して最大値,最小値の制限を設けてもよい。この場合、図3,図4に示したフローチャートは、それぞれ図7(a) ,(b) に示すようなものとなる。この図7の最大値,最小値の制限を設定するというステップ701の処理は、(数28)により行うものとする。
【0110】
【数28】
【0111】
(数28)におけるTmax,Tminは、それぞれフレーム目標発生符号量Tに対する最大値,最小値である。この制限は1GOP単位のフレーム目標発生符号量Tgに対して行ってもよい。
【0112】
【発明の効果】
以上のように本発明による動画像符号化装置では、動画像を符号化する際、画面内の発生符号量と画面内の量子化幅の平均値とを乗じた値を画面複雑度とし、過去の画面複雑度の平均値に対する現在の画面複雑度の割合を基に、画面の目標発生符号量または目標量子化幅を決定するようにしたので、画面の複雑度に応じた目標発生符号量または目標量子化幅を各画面に割り当てることが可能となり、かつ、1GOP単位の目標発生符号量を満足することも可能となる。従って、本発明による動画像符号化装置は、予め設定されていた目標発生符号量が低い場合であっても、従来のような固定レート符号化方法に比べると画質が飛躍的に向上する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の動画像符号化装置に入力される動画像を構成するフレーム,マクロブロック,ブロックを説明するための図である。
【図3】本実施の形態1による符号量制御器の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本実施の形態1における量子化幅と発生符号量の時間的推移の例を示す図である。
【図5】本実施の形態2による符号量制御器の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本実施の形態3による動画像符号化装置のブロック図である。
【図7】本実施の形態2による符号量制御器の動作の例を示すフローチャート図である。
【図8】本実施の形態2による符号量制御器の構成の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100,603,604 動画像符号化装置、101 ブロック変換器、102 差分器、103,111 スイッチ、104 直交変換器、105 量子化器、106 符号量制御器、107 可変長符号化器、108 バッファ、109 逆量子化器、110 逆直交変換器、112 動き補償予測器、113,601 フレームメモリ、114 加算器、201〜227 フレーム、602 複雑度演算器、801 アクティビティ計算器。
Claims (15)
- 複数の画面からなる動画像の該各画面を複数のブロックに分割するブロック変換手段と、
上記ブロック変換手段により分割された上記各画面の複数のブロックを、それぞれ係数に変換する画像変換手段と、
上記画像変換手段により変換された上記各画面の複数のブロックの係数を、量子化幅を用いて量子化する量子化手段と、
上記量子化手段により量子化された上記各画面の複数のブロックの係数から、上記各画面の符号列を生成する符号列生成手段と、
上記符号列生成手段により生成された上記各画面の符号列から、上記各画面内の発生符号量を計数する符号量計数手段と、
上記量子化手段で用いた量子化幅の平均値を求める平均値演算手段と、
上記符号量計数手段により計数された発生符号量と上記平均値演算手段により演算された量子化幅の平均値とを乗じた値を上記各画面の画面複雑度として演算する複雑度演算手段と、
上記複雑度演算手段により演算された各画面の画面複雑度から、符号化対象画面の直前の、複数画面で構成される画面群に対する第1の平均画面複雑度を求めると共に、上記直前の画面群より以前の、複数画面で構成される画面群に対する第2の平均画面複雑度を求め、
該第2の平均画面複雑度に対する該第1の平均画面複雑度の割合を求め、その割合から符号化対象画面の目標発生符号量を決定する目標符号量決定手段と、を具備することを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1記載の動画像符号化装置において、
上記動画像符号化装置は、所定の目標平均符号化レートと上記符号量計数手段により計数された発生符号量とから割り当て可能符号残量を求め、その割り当て可能符号残量を保持する仮想バッファ手段をさらに具備したものであり、
上記目標符号量決定手段は、上記第2の平均画面複雑度に対する上記第1の平均画面複雑度の割合と上記仮想バッファに保持された単位時間あたりの割り当て可能符号残量との比率から符号化対象画面の目標発生符号量を決定するものであることを特徴とする動画像符号化装置。 - 複数の画面からなる動画像の該各画面を複数のブロックに分割するブロック変換手段と、
上記ブロック変換手段により分割された上記各画面の複数のブロックを、それぞれ係数に変換する画像変換手段と、
上記画像変換手段により変換された上記各画面の複数のブロックの係数を、量子化幅を用いて量子化する量子化手段と、
上記量子化手段により量子化された上記各画面の複数のブロックの係数から、上記各画面の符号列を生成する符号列生成手段と、
上記符号列生成手段により生成された上記各画面の符号列から、上記各画面内の発生符号量を計数する符号量計数手段と、
上記量子化手段で用いた量子化幅の平均値を求める平均値演算手段と、
上記符号量計数手段により計数された発生符号量と上記平均値演算手段により演算された量子化幅の平均値とを乗じた値を上記各画面の画面複雑度として演算する複雑度演算手段と、
上記複雑度演算手段により演算された各画面の画面複雑度から、符号化対象画面の直前の、複数画面で構成される画面群に対する第1の平均画面複雑度を求めると共に、上記直前の画面群より以前の、複数画面で構成される画面群に対する第2の平均画面複雑度を求め、
該第2の平均画面複雑度に対する該第1の平均画面複雑度の割合を求め、その割合から符号化対象画面の目標量子化幅を決定する目標量子化幅決定手段と、を具備することを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3記載の動画像符号化装置において、
上記動画像符号化装置は、所定の目標平均符号化レートと上記符号量計数手段により計数された発生符号量とから割り当て可能符号残量を求め、その割り当て可能符号残量を保持する仮想バッファ手段をさらに具備したものであり、
上記目標量子化幅決定手段は、上記第2の平均画面複雑度に対する上記第1の平均画面複雑度の割合と上記仮想バッファに保持された単位時間あたりの割り当て可能符号残量との比率から符号化対象画面の目標量子化幅を決定するものであることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1または2に記載の動画像符号化装置において、
上記目標符号量決定手段により決定された目標発生符号量を、現在の画面に対する目標発生符号量とすることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、
上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅を、現在の画面に対する目標量子化幅とすることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1または2に記載の動画像符号化装置において、
上記目標符号量決定手段により決定された目標発生符号量に対して、上限値と下限値を設定することを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、
上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅に対して、上限値と下限値を設定することを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、
画面のピクチャタイプ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)のそれぞれにつき、上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅に対して所定の係数を乗じ、その値を上記目標量子化幅とすることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1または2に記載の動画像符号化装置において、
上記第2の平均画面複雑度を得るための過去の画面数は、画面のピクチャタイプ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の各々に対して、一定値であることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3または4に記載の動画像符号化装置において、
上記第2の平均画面複雑度を得るための過去の画面数は、画面のピクチャタイプ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の各々に対して、一定値であることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1に記載の動画像符号化装置において、
上記目標発生符号量決定手段により決定された目標発生符号量Tと、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kは、K1<K2であるときにf(K1)≦f(K2)となる関数f(K)に対して、T=f(K)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項2に記載の動画像符号化装置において、
上記目標符号量決定手段により決定された目標発生符号量Tと、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kは、単位時間当たりの割り当て可能符号残量Rと、K1<K2であるときにg(K1,R)≦g(K2,R),かつR1<R2であるときにg(K,R1)≦g(K,R2)となる関数g(K,R)に対して、T=g(K,R)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3に記載の動画像符号化装置において、
上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅Qは、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kと、K1<K2であるときにf(K1)≧f(K2)となる関数fとに対して、Q=f(K)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項4に記載の動画像符号化装置において、
上記目標量子化幅決定手段により決定された目標量子化幅Qと、上記第2の平均画面複雑度により上記第1の平均画面複雑度を除した値Kは、単位時間当たりの上記割り当て可能符号残量Rと、K1<K2であるときにg(K1,R)≧g(K2,R),かつR1<R2であるときにg(K,R1)≧g(K,R2)となる関数gに対して、Q=g(K,R)を満たすものであることを特徴とする動画像符号化装置。
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