JP3872133B2 - 包装機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は包装機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、横ピロー包装機等の包装機においては、例えば図7に示すようにロール状に巻き取られた原反ロール1から連続した帯状フィルム2として引き出して製袋器3に供給し、そこで筒状に形成して筒状フィルム4にする。一方、製袋器3の搬入側には、被包装物供給装置5が設置され、被包装物6を所定間隔毎に搬送し、筒状フィルム4内に順次供給する。そして、筒状フィルム4内に被包装物6が内包された状態のまま順次搬送し、その搬送途中でセンターシーラ7にて筒状フィルム4のフィルム重合端をシールし、さらにエンドシーラ8にて筒状フィルム4の被包装物6間毎を横方向にシール・カットして包装体9を製造している。
【0003】
そして、原反ロール1から帯状フィルム2の送出しは、引き出された帯状フィルム2をその両側から挟持する一対のローラを備えたフィードローラ10を用いて行っている。すなわち、フィードローラ10を構成する一方のローラ10aを駆動モータ11に連結し、他方のローラ10bをフリー状態にする。これにより、駆動モータ11を等速回転すると、一方のローラ10aも等速回転するため、帯状フィルム2は一定速度で引き出される。これに追従して、原反ロール1も間接的に回転力が与えられ、上記帯状フィルムの引き出しを許容する。
【0004】
また、上記各部の駆動制御は、例えば特開昭63−281911号に示される方式が用いられる。すなわち、帯状フィルム2を引き出す駆動モータ11を基準として、他の2つの駆動系(被包装物供給装置5の駆動系及びエンドシーラ8の駆動系)を制御する。より具体的には、その基準となる帯状フィルム2を上述のごとく一定速度で引き出させておいて、帯状フィルム2に形成されたカットマークの間隔を検出して所定間隔(カットマークピッチ)と異なる場合に、被包装物供給装置5の速度(被包装物の搬送速度)とエンドシーラ8の回転速度並びに噛合タイミングを増減速してすべての駆動系の駆動源となるモータが同期するようにしている。このように、帯状フィルム2の移動速度は、包装装置全体の駆動制御の基準となるため、その移動速度が変動したりすると正常に動作させることができない。よって、上記のように帯状フィルムを一定速度で引き出す必要がある。
【0005】
ところで、上記したようにフィードローラ10により帯状フィルム2を挟持して引き出すようにしていると、原反ロール1はその帯状フィルム2の引き出しに追従して回転するため、一定の慣性力が生じている。そして、その慣性力にともなう回転速度と、原反ロール2の引き出し速度との間で差が出ると、帯状フィルム2に弛みが生じるおそれがある。そして、このように帯状フィルムが弛むと、例えば包装装置の製袋器3を通過して製袋される際に、帯状フィルム2が蛇行してしまい、所望の場所にセンターシール部位が形成されず、その結果、最終的な包装体が不良品となるおそれがある。
【0006】
したがって、原反ロール1にこの回転を制動する制動装置を設けて、その原反ロール1の回転を制動することによって帯状フィルム2に張力を付与し、上記弛みの発生を防止するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、当然のことながら1つの原反ロール1がすべて引き出されると、次の原反ロール1を装着する必要がある。しかし、従来の包装機では、使用中の原反ロール1が、すべて引き出されるまでに要する残り時間を知ることができなかったので、原反ロール1のロール径が小さくなると、原反ロールを交換する人は、その装置の前で使用中の原反ロールがすべてなくなるまで待機し、その後、交換処理をしている。したがって、係る待っている間は他の仕事ができず、効率が悪い。
【0008】
また、包装機に装着している原反ロールがすべて引き出された場合に、すぐに交換処理できるように、通常は包装機の側に予備の原反ロールを準備しておく。したがって、上記したように残り時間が分からないと、終業時刻等のある時刻まで包装機を稼働した場合に、現在装着している原反ロール及びまたはすでに用意している予備の原反ロールで足りるか否かが不明となる。したがって、安全を見て多めに予備の原反ロールを準備することになるが、最終的に使用しない場合には、持ってきた原反ロールが無駄となり、原反ロールの移動に要した労力の損失を招くだけでなく、本来であればその原反ロールの移動の間に他の仕事ができたことに鑑みれば、二重の損失となる。
【0009】
また、同様に現在使用中の原反ロールで製造可能な包装体の個数も不明であるため、例えば、ある製造目標個数を達成するために現在使用中の原反ロールで足りるのか、或いは予備の原反ロールを持ってくる必要があるかがわからなかった。そこで、やはり安全を見て多めに予備の原反ロールを用意することになり、上記と同様の問題を生じる。
【0010】
一方、未使用の原反ロールの全長は分かっているので、単位時間あたりの製造個数と、カット寸法(1個の包装体を製造するのに使用するフィルム長さ)が定まると、1本の原反ロールを使い終わるのに要する時間や、製造個数が求められる。したがって、包装機を連続運転している場合には、稼動開始からの時間を計測することによりおおよその残り時間等を予測することは可能となる。しかし、必ずしも未使用の原反ロールを装着するとは限らず、所定量だけすでにしようした原反ロールを装着することがあるので、係る場合にはやはり上記と同様の問題を生じる。
【0011】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、原反ロールの残り量を知ることができ、残り時間や製造(包装)可能個数などを求めることができ、作業効率の良好な包装機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る包装機では、原反ロールから連続して送出された帯状のフィルムを用いて所定間隔毎に搬送される被包装物を包むとともに、そのフィルムの所定部位をシール及びまたはカットして包装体を製造する包装機において、前記原反ロールのロール径を検出するロール径検出手段と、前記ロール径検出手段により検出されたロール径に基づいて前記原反ロールに巻き取られた帯状フィルムの残り量を求める残り量算出手段と、前記残り量算出手段による算出結果を出力する出力装置とを備え、前記ロール径検出手段としては、例えば前記原反ロールの回転により送出される帯状フィルムの移動距離を直接または間接的に計測する第1距離計測装置と、前記原反ロールと同期して回転する回転体の弧の長さを直接または間接的に計測する第2距離計測装置と、前記第1,第2距離計測装置でそれぞれ計測された移動距離データと弧の長さデータを受け取るとともに、その出力に基づいて原反ロール径を算出するロール径算出部とを備えて構成した(請求項1)。
【0013】
そして、前記残り量としては、具体的にはフィルム長(請求項2)であったり、残り時間(請求項3)であったり、残り製造個数(請求項4)であったりする。
【0014】
さらに、包装機の具体的な構成として、例えば前記原反ロールを装着する回転軸に対し回転力を与える増減速制御可能な駆動モータと、前記原反ロールから送出される帯状フィルムの移動速度ヶ所定の速度になるように前記駆動モータを制御する制御手段を備えるようにしても良い(請求項)。
【0015】
ここで、ロール径とは、実施の形態では直径で示したが、半径も含む概念である。また、出力装置は、実施の形態では、表示装置としたが、本発明はこれに限ることはなく、プリンタなどの印刷装置でもよく、或いは音声によるものでもよい。さらには、包装機と一体化されていなくても、無線・有線等で他の離れた場所にある各種出力装置に対してデータを転送する装置でも良く、その形態は問わない。また、係る転送する場合には、必ずしも転送先の表示装置等を含まなくてもよく、所定のデータを転送する装置のみでも本発明でいう出力装置に含まれる。
【0016】
また、包装機としても請求項のようにするとコンパクトで高精度な制御ができるが、本発明は必ずしもこれに限ることはなく、例えば図7に示したような従来から一般に行われている各種のブレーキ装置を実装したタイプのものでもよい。
【0017】
使用中のあるタイミングで原反ロールのロール径を求める。そして、ロール径からフィルム長や、その原反ロールで稼働可能な残り時間(原反ロールからすべての帯状フィルムが送出されるまでの時間)や、製造可能な製造個数等のフィルムの残り量に関するデータを求める。そして、その求めた結果を出力装置に出力する。
【0018】
これにより、ユーザは、使用中の原反ロールに関する残り量についての情報を知ることができるので、原反ロールのロール径が小さくなっても、包装機のそばで待機していたり、必要以上に予備の原反ロールを持ってくる必要が無くなる。よって生産性が向上する。
【0019】
なお、実施の形態では、フィルム厚さから原反ロールの巻数を求めることにより、フィルム長を求めたが、具体的な算出アルゴリズムはこれに限らない。また、実施の形態では、原反ロールを構成するフィルム長並びにそれに基づく残り時間・製造個数を求めるようにしたが、実際には、すでに原反ロールから送出され、包装機のエンドシール装置に至るまでの距離だけフィルムが存在している。従って、より正確に残り量を求める場合には、実施の形態で求めた各値に対し、上記すでに送出された量に基づく補正・更正を行うようになる。そして、本発明は係る補正を行うものと行わないもののいずれの場合も含むものである。
【0020】
さらにロール径検出手段では、原反ロールを回転させて帯状フィルムが送り出されているときの帯状フィルムの総移動距離を第1距離計測装置で計測するとともに、回転体が回転した角度を中心角とする弧の長さを第2距離計測装置にて計測する。
【0021】
第1距離計測装置で計測された移動距離は、その時回転した回転角度を中心角とし、半径が原反ロールの半径からなる扇の弧の長さに等しい。また、このとき回転した回転体の弧の長さを第2距離計測装置で検出する。さらに、回転体の径(直径)は、既知であり一定である。
【0022】
従って、回転体の回転角と原反ロールの回転角が等しいとすると、回転体の弧の長さと径の比と、原反ロールの弧の長さ(送り出されたフィルムの長さ)と原反ロールの径の比は等しいので、それら3つのデータを用いて所定の四則演算を行うことにより、原反ロール径を算出する。
【0023】
また、請求項に規定する包装機によれば、帯状フィルムの送出し速度は、原反ロールに連携された駆動モータを増減速することによりそれに追従するように制御される。よって、制御手段により、原反ロールの巻径が小さくなるのに応じて駆動モータの回転速度を増加させることにより、一定速度で帯状フィルムが送出される。また、このように原反ロールの回転は駆動モータの回転に追従しているので、駆動モータを減速したり、停止した場合にはその変化にあわせて原反ロールの回転も減速/停止し、慣性力により回転し続けることがないので、従来のような制動装置も不要となる。そして、上記のようにして送出された帯状フィルムは、供給する手段により所定の速度で包装機の所定位置に供給され、包装フィルムとして使用される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る包装装置の実施の形態の一例を示している。同図に示すように、原反ロール15に巻き取られた帯状フィルム16は、複数のプーリ(固定プーリ,テンションプーリ等)17に掛け渡されて下方の製袋器18に導かれ、その製袋器18を通過することにより筒状に成形されて筒状フィルム19が形成される。
【0025】
製袋器18の搬入側(上流側)には、製袋器18内、すなわち筒状フィルム19内に被包装物20を順次供給する被包装物供給装置22が設置されている。この被包装物供給装置22は、一対の駆動スプロケット23,従動スプロケット24間に渡設されたエンドレスチェーン25に、一定間隔毎に押送フィンガ26が取りつけられることにより構成され、駆動スプロケット23に連携された第1の駆動モータ27からの回転力を受けて回転駆動するようになっている。そしてこの第1の駆動モータ27は、例えばサーボモータ等の回転速度を増減速自在に制御できるようなモータからなる。
【0026】
また、製袋器18の搬出側(下流側)所定位置には、補助ローラ28,センターシーラ29,エンドシーラ30が配置され、エンドシーラ30のさらに下流側には搬出コンベア32が設置されている。
【0027】
上記補助ローラ28は、筒状フィルム19の重合端部位をその両側から挟持する一対のローラからなり、筒状フィルム19に対して後述する本発明に係る原反送出し装置により送出される帯状フィルム16の移動速度よりも若干速い速度の搬送力を与え、帯状フィルム16に対して一定のテンションを与え、フィルムが弛むのを防止している。
【0028】
またセンターシーラ29は、偏平な一対の回転ローラ(少なくとも一方は加熱されている)からなり、両回転ローラにて筒状フィルム19の重合端を挟持するとともに加熱してその重合端を熱融着するようになっている。そして、このセンターシーラ29の回転速度も帯状フィルム16の移動速度よりも若干早くしている。
【0029】
そして、上記補助ローラ28,センターシーラ29は、第2の駆動モータ33に連結され、両者は同期して同速度で回転するようになっている。そしてこの第2の駆動モータ33は上記第1の駆動モータ27とともに速度制御装置38に接続され、その速度が制御されている。なお、この第2の駆動モータ33も汎用性をもたせるためにサーボモータなどの増減速可能なモータで構成してもよいが、包装装置の稼働途中で回転速度を変える必要がない場合には、通常のモータで構成してもよい。
【0030】
さらにエンドシーラ30は、上下に対向配置された回転軸30aにトップシーラ30bがそれぞれ取りつけられ、両者は同期して回転して1回転毎に両トップシーラ30b同士が筒状フィルム19を挟んで突き当たるようになっている。さらに、所定のトップシーラ30b内には、ヒータ及びまたはカッターが内蔵されている。これにより、上記両トップシーラ30b同士が突き当った時には筒状フィルム19の所定部位が加熱されて融着するとともに、カッターにて切断されて、包装体34が製造される。そして包装体34は上記搬出コンベア32により搬出される。なお、このエンドシーラ30も、一方の回転軸30aに連携された第3の駆動モータ35により回転駆動されるようになっており、その第3の駆動モータ35もサーボモータ等の増減速制御可能なモータからなる。
【0031】
さらに、原反ロール15に第4の駆動モータ40を連携し、原反ロール15に対して直接的に所定方向の回転力を与え、帯状フィルム16を所定速度で送出すようにしている。すなわち、図2に示すように、原反ロール15は、紙管41の周囲に帯状フィルム16を多数回巻き付けることにより構成されているので、その紙管41を、軸受け42に片持ち支持される回転体たる回転軸43に挿入固定し、回転軸43と一体化する。そして、原反ロール15は回転軸43に設けられたストッパ44により両側から挟持・固定される。
【0032】
この回転軸43の一端にはスプロケット45が固着され、このスプロケット45に掛け渡された動力伝達チェーン46を介して第4の駆動モータ40の回転力を回転軸43に伝達するようにしている。これにより、第4の駆動モータ40が回転すると、回転軸43ひいては原反ロール15が回転するようになる。そして、この第4の駆動モータ40は、上記した速度制御装置38からの制御信号に基づいて回転駆動するようになっている。
【0033】
なお、第4の駆動モータ40と回転軸43とは、上記した如く動力伝達チェーンを介して接続するのではなく、駆動モータの出力軸を回転軸に直結或いはギヤ等を介して連結するようにしてもよい。
【0034】
上記のように構成したため、第4の駆動モータ40を回転させると、回転軸43ひいては原反ロール15が所定速度で回転するため、それにともない帯状フィルム16が連続して送出される。そして、第4の駆動モータ40と原反ロール15とは連動しているため、第4の駆動モータ40が増減速すると、原反ロール15の回転速度も増減速する。
【0035】
従って、ある速度で回転駆動(高速回転)しているときに、急に第4の駆動モータ40を停止したり、或いは減速したりしたとしても、従来のように原反ロール15が慣性力により高速回転を続けることはなく、そのまま停止或いは減速する。その結果、第4の駆動モータ40が制動装置の機能も発揮するので、従来のような大型な制動装置は不要となる。さらに、第4の駆動モータ40の回転速度を正確に制御することにより、原反ロール15の回転速度の制御を行うことができ、帯状フィルム16の送出し速度を係る第4の駆動モータ40を制御することにより調整できる。なお、そのようにして送出された帯状フィルム16は、第2の駆動モータ33により回転駆動する補助ローラ28,センターシーラ29からの引っ張り力により、包装機側に所定速度で供給されることになる。
【0036】
ところで、上記構成により原反ロール15に直接回転力を与えることにより帯状フィルム16は連続して送出されるが、この送出しにともない原反ロール15の原反ロール径が徐々に小さくなる。よって、仮に第4の駆動モータ40の回転速度を一定にすると、徐々に帯状フィルム16の送出し速度は遅くなり、横ピロー包装装置の各部の駆動制御の基準となる帯状フィルム16の移動速度が一定にならなくなる。従って、帯状フィルム16を一定速度で製袋器18(包装装置)側に送るためには、原反ロール径が小さくなるにつれて回転速度を増加していく必要がある。そこで、係る回転速度を徐々に増加していく制御を速度制御装置38で行うようにしている。
【0037】
そして、具体的な制御としては、帯状フィルムを所定速度で移動させ供給させていくと、原反ロール径が一定の比率で徐々に減少していくため(帯状フィルムは一定速度で包装機側に供給されるので、作業開始からの経過時間により原反ロール径の減少の程度は求められる)、その減少の程度に合わせて予め定められた作業開始からの経過時間に伴う速度のマップ,テーブルを作成しておき、係るマップ等を参照して第4の駆動モータの速度を増速させていくような制御を行える。
【0038】
また、原反ロール15の回転に伴う帯状フィルムの送出し速度と、補助ローラ28等の引き出しに伴う帯状フィルム引き出し速度とが等しければ、第2,第4の駆動モータ33,40にはさほど負荷がかからず、所定の電流を供給するだけで所望の回転速度が得られるが、両者の速度が変わると、一方の駆動モータ(回転速度が遅い方)が他方の駆動モータに対して負荷・制動力をかけることになるので、他方の駆動モータを所定速度に回転させるためには通常の供給電流以上の電流を供給する必要がある。また、逆に一方の駆動モータ側では、所定の電流を供給すると、他方の駆動モータから回転力を付与されるため、通常で得られる回転速度以上の速度で回転する。したがって、係る電流の変化(目標値(通常値)からの偏差)や、回転速度の変化(目標値(通常値)からの偏差)を監視し、それらが0(上記引き出し速度と送出し速度とを等しくする)または、所定の値(上記引き出し速度と送出し速度とに一定の差をもたせる)になるように各駆動モータに対してフィードバック制御することもできる。さらには、帯状フィルムの移動速度や移動距離を監視し、それが目標値と一致するように各駆動モータに対してフィードバック制御するようにしても良く、種々の制御方式がとれる。
【0039】
なお、上記した第1,第3の駆動モータに対する速度制御もこの速度制御装置38で行うが、係る制御は従来公知のものであるので、具体的に処理フローは省略する。
【0040】
ここで本発明では、使用中の原反ロール15のフィルム長を求め、それを出力する装置を設けた。具体的には、ロール径を算出するロール径検出装置と、そのロール径検出装置にて求められたロール径に基づいてフィルム長さ等の所定の残り量を求める残り量算出部48と、その残り量算出部48で求められた残り量データを出力するCRT,液晶ディスプレイ等の表示装置49とを備えて構成されている。
【0041】
まず、原反ロール径検出装置は、繰り出された帯状フィルム16の移動距離を計測する第1距離計測装置51と、回転体たる回転軸43の周縁の弧の長さを計測する第2距離計測装置53と、各計測装置51,53の出力から原反ロール径を算出するロール径算出部55とから構成される。なお、実際にはロール径算出部55と上記速度制御装置38並びに上記残り量算出部48は、CPUにより実行されるため、同一装置内に組み込まれる。
【0042】
第2距離計測装置53は、図2に示すように回転軸43の外周面に、円周方向に等間隔に配置された磁性材56と、この磁性材56と微小な隙間をあけて対向配置された磁力感知器57とを備えている。この磁力感知器57は、機枠等の固定系に支持され、磁力感知器57の前を磁性材56が通過する都度検出信号が出力される。よって、回転軸43(原反ロール15)の回転にともない第2距離計測装置53(磁力感知器57)からパルス信号が出力され、ロール径算出部55に与えられる。そして、磁性材56の配置間隔は既知であるので、隣接する磁性材56間の弧の長さをt0 とし、出力されたパルス数をnとすると、帯状フィルム16を所定長さだけ送り出した時に回転した角度を中心角とする回転軸43の扇の弧の長さtは、
t=n×t0 …(1)
により算出できる。
【0043】
また、第1距離計測装置51は、図3に示すように、帯状フィルム16を挟んで対向配置された幅広の受けローラ51aと、幅の狭い回転ローラ51bと、その回転ローラ51bに取り付けられたエンコーダ51cとから構成される。そして、受けローラ51aは、帯状フィルム16の幅よりも広くなりその全面と接触するようになっているとともに、フリー状態で図示省略の軸受けに支持されて回転自在となっている。一方、回転ローラ51bは、受けローラ51a側に付勢され、やはりフリー状態で図示省略の軸受けに支持されて回転自在となっている。
【0044】
これにより、受けローラ51aと回転ローラ51bとは、帯状フィルム16に対し所定の圧力で挟圧することになり、帯状フィルム16の移動にともない、受けローラ51a並びに回転ローラ51bは回転する。
【0045】
そして、その回転ローラ51bの回転軸にエンコーダ51cを取り付けているため、回転ローラ51bの回転にともない、エンコーダ51cよりパルス信号が出力される。そして回転ローラ51bの円周は既知であり、帯状フィルム16の移動距離と回転ローラ51bの円周面の移動距離は等しいので、その回転ローラ51bが単位角度(隣接するパルス間の角度)回転した時の帯状フィルムの移動距離(基準移動距離T0 )は一義的に決まる。従って、エンコーダから出力されるパルス(単位角度毎に1パルスずつ出力される)をカウントして、パルス数Nを計数したなら、その時の移動距離Tは、
T=N×T0 …(2)
により求められる。
【0046】
そしてロール径算出部55では、単位時間あたりに与えられた移動距離Tと弧の長さtから、以下の式(3)の演算処理を行い、開始時の原反ロール径Rを求める。
R=T*r/t …(3)
但しrは回転軸43の直径
すなわち、図4に示すように、回転軸43と原反ロール15は、共に断面が円形であるので、中心角が等しい扇形同士は、相似形にあるため、それら両扇形の半径と弧の長さt,Tの比は等しい。よって、直径r,Rと同一角度を中心角とする弧の長さの比も等しい。そして、回転軸43と原反ロール15は同軸状に配置されて一体化されているので、両者の回転角度は一致する。従って、下記の比例式がなりたつ。
【0047】
R:T=r:t …(4)
従って、上記式(4)をRについて解くと、上記した式(3)が得られる。そして、原反ロール15の弧の長さは、第1距離計測装置51で計測された引き出された帯状フィルム16の距離Tと同じであり、また、回転軸43の直径rは、予めわかっており、一定である。従って、上記式(3)中のT,tに両距離計測装置51,53にて計測した距離を代入することにより、計測時点での原反ロール15の直径Rが求められる。そして、求めた直径Rが、残り量算出部48に与えられる。
【0048】
残り量算出部48は、本例では与えられた直径Rから、残りのフィルム長さを求め、さらにそのフィルム長さから原反ロール15からすべてのフィルムが引き出されるまでの残り時間並びに使用中の原反ロール15を用いて、その後に製造可能な製造個数を求めることができるようになっている。
【0049】
すなわち、残り量算出部48は、図5に示すフローチャートに従って実行され、まず、ロール計算出部55より与えられる現在の原反ロールのロール径(直径)Rを取得する(ST1)。
【0050】
そして、取得したデータRに基づいて残りフィルム長を求める(ST2)。具体的には、まず、下記式(5)を実行し、巻き数Mを求める。但し、dは使用中の原反ロール15を構成するフィルムのフィルム厚であり、予め初期値として残り量算出部48に与えておく。
【0051】
M=((R−r)/2)/d …(5)
一方、最内周(1周目)のフィルム径は紙管43の直径rと同じであり、その1周目に巻き取られたフィルムの長さは、πrである。また、2周目のフィルム径は、1周目のフィルム径rに、フィルム厚dの2倍を加算したものであるで、(r+2d)となり、その2周目に巻き取られたフィルムの長さはπ(r+2d)となる。同様にして3周目のフィルム径は(r+2・2d)となり、その3周目に巻き取られたフィルムの長さは、π(r+2・2d)となる。従って、m周目のフィルム径は(r+(m−1)・2d)となり、その3周目に巻き取られたフィルムの長さは、π(r+(m−1)・2d)となる。
【0052】
よって、巻き数Mのロール径Rを構成するフィルム長Lは、1周目からMしゅうめまでの各回のフィルムの長さを求めそれの総和を取ればよいので、次式で求められる。
【0053】
Figure 0003872133
従って、ステップ2では、上記式(5)を実行後、式(6)を演算処理し、求めたフィルム長Lを記憶する。
【0054】
次に、ユーザーのほしい情報が残り時間であるか否かを判断し、ユーザから与えられた命令が残り時間の場合には、ステップ4に飛び、ステップ2で求めたフィルム長Lから残り時間を求め、その算出結果を表示装置に対して出力する(ST4,ST5)。
【0055】
この時、残り時間の算出処理は、以下のようになっている。すなわち、速度制御装置38では、原反ロール15から引き出された帯状フィルム16の移動速度が、目標移動速度Vになるように各モータを制御している。従って、この後も上記目標移動速度Vで帯状フィルム16が引き出されると仮定し、下記式(7)を実行することにより求める。
【0056】
残り時間=L/V …(7)
一方、上記ステップ5の処理を実行後、或いは、ステップ3の分岐判断でNの場合には、ステップ6に飛び、ユーザーのほしい情報がその原反ロールで製造可能な製造個数であるか否かを判断し、ユーザから与えられた命令が製造個数の場合には、ステップ7に飛び、ステップ2で求めたフィルム長Lから製造個数を求め、その算出結果を表示装置に対して出力する(ST7,ST8)。
【0057】
この時、製造個数の算出処理は、以下のようになっている。すなわち、現在稼働中の包装機のカット寸法(1個の包装体を製造するために必要とするフィルムの長さL0 )は、その包装機の運転開始時に初期データとしてセットされているので、そのセットされた値L0 とステップ2で求めたフィルム長Lを、下記式(8)に代入することにより、求める。
【0058】
製造個数=L/L0
そして、上記ステップ8の処理を実行後、或いはステップ6の分岐判断でNの場合にはステップ1に戻り次の処理に備える。
【0059】
なお、上記した実施の形態では、残り時間と残り製造個数を求めることができ、しかも、各値はユーザーからの命令に基づいて選択的に実行できるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、ユーザーからの命令に従い選択表示するのではなく、常に両者を算出しともに出力するようになっていても良い。また、算出処理は両者とも行うが、出力表示はユーザーから指令を受けたもののみを行うようにしても良いなど種々変更実施が可能である。さらには、残り時間と製造個数の一方のみしか求められないようになっているものでも良い。
【0060】
さらにまた、ステップ2で求めた残りのフィルム長を出力・表示するようになっていても良い。その場合に、フィルム長のみを算出し・出力するものでもよく、或いは、上記した実施の形態並びに各変形例のように他の情報とともに或いはそれらと選択式に出力・表示できるようになっいてもよい。
【0061】
さらには、上記したセンサからの情報取得並びに各演算を行うタイミングは、一定の間隔で常時行うようにしていてもよく、或いは、ユーザーからの命令を待って行うようになっていても良い。そして、常時演算処理等している場合には、その演算結果の表示・出力も常時行うようにしていてもよく、或いは演算結果を常時書き換え記憶しておき、表示装置49への出力は、ユーザーからの命令・要求を待って行うようにしてもよく、種々の方式を採ることができる。
【0062】
なおまた、本実施の形態では、ロール径算出部55で求めた直径のうち、包装機の稼働開始時に求めた直径R0 を速度制御装置38に転送するようにしている。そして、速度制御装置38では、与えられた原反ロール径データR0 を運転開始時の原反ロール径として初期設定し、そのロール径に基づいて帯状フィルム16の移動速度が目標速度になるような原反ロール15の回転速度を求め、それになるように第4の駆動モータ40の回転速度を求め、その求めた速度で回転駆動する。これにより、回転開始直後から誤差の少ない安定状態で帯状フィルムの包装機への供給が行え、目標値に到達するまでの時間も短時間で行える。
【0063】
次に、上記した実施の形態に基づいて、その作用を説明する。まず、フィルムのカット寸法,被包装物の高さ・長さ,単位時間あたりの製造個数等の所定の可変データを速度制御装置38に入力する。そして、上記カット寸法と単位時間あたりの製造個数から帯状フィルム16の移動速度(目標値)を求める。また、上記カット寸法や移動速度は、速度制御装置38を介して残り量算出部48へも転送される。
【0064】
なお、上記各データの入力は、ピロー包装装置全体の駆動制御のために必要なもので、原反ロールの送出し方法のためには、少なくともフィルムのカット寸法と単位時間あたりの製造個数があればよい。また、係るデータを入力せずに、帯状フィルム16の移動速度(目標値)を直接入力するようにしてもよい。
【0065】
次に、速度制御装置38からの制御命令に従い、第2,第4の駆動モータ33,40をそれぞれ所定の回転速度で一定量回転させ、その後停止させる。この時、第2の駆動モータ33の回転にともなう帯状フィルム16の引き出し速度の方が、第4の駆動モータ40の回転にともなう原反ロール15からの帯状フィルムの送出し速度よりも早くなるように設定する。これにより、実際の帯状フィルムの移動速度は、補助ローラ28,センターシーラ29等ですべりが発生し、速度の遅い第4の駆動モータ40に基づく帯状フィルムの送出し速度になり、帯状フィルムは弛むことなく移動する。
【0066】
この移動時に、第1距離計測装置51の両ローラ51a,51bも追従して回転し、それにともない所定のパルス(パルス数N)が出力され、また原反ロール15の回転と同期して回転軸43が回転し、磁性材56が磁力検知器57の前を通過する都度第2距離計測装置53から所定のパルス(パルス数n)が出力される。
【0067】
そして、ロール径算出部55では、与えられたn,Nに基づいて、上記した式(1),(2)を実行後、式(3)を実行し、その原反ロール径R0 を算出し、速度制御装置38に転送する。これにより、開始当初の原反ロール径の算出処理が終了する。
【0068】
なお、この算出時に帯状フィルムを移動させるために駆動させる第2,第4の駆動モータ33,40の駆動タイミング(上記一定量の回転)は、たとえば一定時間でも良く、或いはいずれかのパルス数n及びまたはNが予め設定したしきい値を越えた時でも良く任意の値を設定できる。そしてしきい値処理する場合には、n,Nの両者を同一のしきい値と比較しても良く、或いはそれぞれに適したしきい値を設定しても良い。また、nまたはNの一方のみを予め比較対象とし、その値が一定のしきい値を越えた時まで駆動するようにしても良く、任意の値を設定できる。
【0069】
そして上記移動速度(目標値)から補助ローラ28,センターシーラ29の回転速度、すなわち、それを駆動するための第2の駆動モータ33の回転速度を求める。さらに、速度制御装置38は、初期設定された原反ロール径R0 と移動速度(目標値)に基づいて第4の駆動モータ40の運転開始当初の回転速度を算出する。そして、各部の位置合わせ(初期設定)が終了したならば、第2の駆動モータ33を、上記求めた回転速度で等速回転駆動させる。また、帯状フィルム16が移動速度(目標値)で搬送されているとして第1,第3の駆動モータ27,35も所定のタイミングで増減速駆動する。さらに、第4の駆動モータ40も上記算出結果に基づいて回転させる(移動速度よりも若干遅くなるような速度に設定する)。これにより、引出された帯状フィルムが製袋器18までの間で弛むことがなくなる。
【0070】
そして、第4の駆動モータ40が回転駆動すると、それにともない原反ロール15も所定速度で回転し、原反ロール15から帯状フィルム16が送出される。また、これと同時に第2の駆動モータ33が等速回転してそれに連携する補助ローラ28等が等速回転するため、上記送出された帯状フィルム16が等速度で製袋器18を通って筒状フィルム19に製袋されながら内部に被包装物20が供給され、そのままさらに前進することによりセンターシーラ29にてフィルム重合端部位がシールされ、エンドシーラ30で横方向にシール・カットされて包装体34が製造される。
【0071】
またこの運転中の帯状フィルム16の送出し速度は、第4の駆動モータ40を増減速することによりそれに追従するように制御される。よって、上記した速度制御装置38により、原反ロール15の巻径が小さくなるのに応じて第4の駆動モータ40の回転速度を増加させることにより、一定速度で帯状フィルム16を送出す。しかも、係る速度制御は、リアルタイムで常時行われているため、スムーズに(段差無く)第4の駆動モータ40の回転速度を変動させることができるので、帯状フィルム16の移動速度は、目標値付近でほぼ一定値が保たれる。
【0072】
このように本実施の形態では、本発明の要部である残り量を算出する装置の一部であるロール径検出装置(第1,第2距離計測装置51,53並びにロール径算出部55)を利用して、運転開始当初の原反ロール径R0 を検出する機能を付加したため、開始時の第4の駆動モータ40の回転速度を係る径に応じて最適な値に設定できるので、開始時から第4の駆動モータ40による原反ロールからの帯状フィルムの送出し量と、第2の駆動モータ33による帯状フィルムの引き出し量(ともに単位時間あたり)がほぼ等しい所定の関係に維持され、帯状フィルム16は最初から所定のテンショが過不足なく加わる。
【0073】
よって、一方のモータに過電流が流れたり、帯状フィルムに必要以上のテンションが加わったりすることがなく、所望の状態で包装処理が行える。そして、開始する都度原反ロール径の検出が行われるため、終業時,メンテナンス時その他の理由により包装装置を停止し、その後、再運転する場合や、使用途中の原反ロールを装着する場合など、原反ロール径が未使用時のものから小さくなっているように、正確な直径が不明な場合でも、確実に所望の状態で装置の稼働を行える。
【0074】
なお、本実施の形態では、制動装置のような大型な設備が不要となり、原反ロール15から製袋器18までの間には、プーリ17のように嵩の張らない部材のみが存在するので、実装された包装装置全体を低くし、小型化を図ることができる。
【0075】
上記したように、通常の包装機の稼働時では、安定して帯状フィルム16が送り出され、初期設定した条件で包装体が製造されていく。ここで本発明では、例えば使用中の原反ロール15のロール径が小さくなってきて、交換の時期が近づいてきたとすると、係る交換処理を行うユーザーは、図示省略の入力装置を介して残り時間の表示命令を入力する。
【0076】
すると、ロール径算出部55で求められたその時のロール径Rに基づいて、残り量算出部48では、ステップ1〜ステップ5までの処理を順次実行し、残り時間を求め、それを表示装置49に出力する。そして、ユーザーは、その残り時間を確認し、比較的短ければその場で待機し、使用中の原反ロールから帯状フィルムがすべて引き出されるのを待って次の原反ロールに交換を行う。一方、残り時間が比較的な害場合には、一旦その場を離れて他の仕事を行い、交換の時間が来る頃に再度包装機のそばに戻ってきて交換処理を行う。このように残り時間がわかるので、無駄な時間が無くなり、残り時間に応じた仕事・処理を行うことができるので生産性が向上する。
【0077】
また、残り時間と終業時刻或いはその包装機の稼働停止予定時刻との関係から、現在使用中の原反ロール或いはそれとすでに用意している(包装機のそばに持ってきている)予備の原反ロールで、足りるか否かを判断し、足りない場合には、必要な本数だけ原反ロールを持ってくることができる。これにより、過不足無く原反ロールを包装機のそばに一時保管することができ、必要以上に持ってくることによる終了後の保管場所への再移動処理が不要となり、作業効率が良くなる。
【0078】
一方、現在使用中の原反ロールで製造しているのと同一の包装体について必要な製造個数が与えられている場合に、ユーザーは、図示省略の入力装置を介して残りの製造個数の表示命令を入力する。
【0079】
すると、ロール径算出部55で求められたその時のロール径Rに基づいて、残り量算出部48では、ステップ1,2,6,7の処理を順次実行し、残りの製造可能な製造個数を求め、それを表示装置49に出力する。そして、ユーザーは、その製造個数を確認し、現在使用中の原反ロールで要求されている数の包装体を製造できるか否かを判断し、足りない場合には原反ロールを持ってきておく。一方、足りる場合には、その場を一旦離れたのし語と等を行い、所定時間経過後に包装機の所に戻ってくると、要求された個数だけ包装体が製造されている。つまり、原反ロールがなくなり、製造不能で一時停止となることがない。
【0080】
なお、上記した実施の形態では、第1,第3の駆動モータ27,35を夫々、所定のタイミングで増減速するようにしたが、本発明はこれに限ることなく、第1の駆動モータ27は等速回転するものでもよい。すなわち、実施の形態では被包装物20が製包機18に供給される際にはそれと接触する筒状フィルム19と同速度で移動させるようにしたが、被包装物20が固く、筒状フィルム19との速度差による接触抵抗によってもくずれたりしないような場合には、上記のように第1の駆動モータ27を等速回転させて被包装物供給装置22の搬送速度を一定にすることにより、制御系を簡易にすることができる。
【0081】
なお原反ロールの弧の長さを検出する手段としては、上記した実施の形態に限ることなく、例えば図6に示すように、第2距離計測装置と同様に、エンコーダ付きの回転ローラ51aを回転軸43の外周面に対して、所定圧力で当接させるとともに、回転自在に保持し、回転軸43の回転に追従して回転するようにしてもよい。これにより、回転軸43が回転すると、その回転軸43の外周面の移動距離(弧の長さ)に応じたパルス数がロール径算出部へ送られ、第1距離計測装置と同一の測定原理に従い、弧の長さが求められる。
【0082】
そして、本発明における測定する弧の長さとは、上記した各実施の形態のように具体的な数値(Xcm,Ymm等)で求めてもよいが、係る具体的な数値を算出せずにエンコーダから出力されるパルス数などの長さに対応する値も含む概念であり、フィルムの移動距離の測定についても同様である。そして、係る場合には比例に基づく演算処理も、パルス数等の間接的なデータの状態で実行することになる。
【0083】
なお、上記変形例及び上記した実施の形態では、原反ロール15を装着する回転軸43を回転体とし(回転軸と回転体とを兼用させた)、その外周面の弧の長さを測定するようにしたが、本発明はこれに限ることなく、この回転軸43に別途円板状の回転体を装着し、その回転体の弧の長さを計測するようにしてももちろん良い。
【0084】
なお上記した実施の形態では、実装する包装機として上記した実施の形態では横ピロー包装装置に適用した例について説明したが、縦ピロー包装装置,横三方包装装置や四方包装装置等使用する包装フィルムが原反ロールから連続して引出されるものであれば種々の包装機に適用することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る包装機では、現在使用中の原反ロールの残り量に関する情報を知ることができる。従って、残り量のデータが残り時間の場合には、原反ロールの径が小さくなってきてもその包装機のそばで待機する必要が無くなり、その残り時間に応じた処理を他の場所で行うことができる。よって、工場全体での生産性が向上する。また、逆に原反ロールからすべての帯状フィルムが引き出される前に包装機のそばに戻ってくることができるので、供給する帯状フィルムが無くなって包装機が一時停止してしまう時間が無くなるか可及的に抑制され、包装機の稼働効率が向上する。
【0086】
また、残り量のデータが、フィルム長や製造個数の場合には、使用中の原反ロールで要求された個数の包装体を製造できるか否かの判断が簡単かつ正確に行え、予備の原反ロールを過不足無く準備でき、必要以上の予備の原反ロールの移動による無駄な労力を削減できる。
【0087】
さらに、上記した残り量に関するデータは、原反ロールのロール径に基づいて行うので、使用途中の原反ロールであってもよく、また、使用開始当初から常時監視しなくても良いので、制御並びに汎用性が向上する。
【0088】
そして、請求項のようにすると運転開始後の制御においては、原反ロール側で帯状フィルムの送出しを制御できるので、駆動モータを増減速するとそれに追従して原反ロールの回転速度も増減速し、駆動モータを停止すると原反ロールの回転も停止させることができる。よって、従来のように慣性力により原反ロールが回転し続けることがなく、原反ロールに対する大掛かりな制動装置が不要となる。
【0089】
そして、帯状フィルムの送出しに伴う原反ロール径の減少に合わせて駆動モータの回転を所定の比率で徐々に増速していくと、帯状フィルムを等速度で送出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る包装機の一実施の形態を示す図である。
【図2】本実施の形態の要部である原反ロール付近を示す一部拡大断面図である。
【図3】本実施の形態の要部である第1距離計測装置を示す一部拡大断面図である。
【図4】本実施の形態の動作原理を説明する図である。
【図5】残り量算出部の機能を説明するフローチャートである。
【図6】第2距離計測装置の別の実施の形態を示す図である。
【図7】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
15 原反ロール
16 帯状フィルム
28 補助ローラ(供給する手段)
29 センターシーラ(供給する手段)
33 第2の駆動モータ(供給する手段)
38 速度制御装置(制御手段)
40 第4の駆動モータ(駆動モータ)
48 残り量算出部(残り量算出手段)
49 表示装置(出力装置)
51 第1距離計測装置(ロール径検出手段)
53 第2距離計測装置(ロール径検出手段)
55 ロール径算出部(ロール径検出手段)

Claims (5)

  1. 原反ロールから連続して送出された帯状のフィルムを用いて所定間隔毎に搬送される被包装物を包むとともに、そのフィルムの所定部位をシール及びまたはカットして包装体を製造する包装機において、
    前記原反ロールのロール径を検出するロール径検出手段と、
    前記ロール径検出手段により検出されたロール径に基づいて前記原反ロールに巻き取られた帯状フィルムの残り量を求める残り量算出手段と、
    前記残り量算出手段による算出結果を出力する出力装置とを備え、
    前記ロール径検出手段が、
    前記原反ロールの回転により送出される帯状フィルムの移動距離を直接または間接的に計測する第1距離計測装置と、
    前記原反ロールと同期して回転する回転体の弧の長さを直接または間接的に計測する第2距離計測装置と、
    前記第1,第2距離計測装置でそれぞれ計測された移動距離データと弧の長さデータを受け取るとともに、その出力に基づいて原反ロール径を算出するロール径算出部とを備えた包装機。
  2. 前記残り量がフィルム長である請求項1に記載の包装機。
  3. 前記残り量が残り時間である請求項1に記載の包装機。
  4. 前記残り量が残り製造個数である請求項1に記載の包装機。
  5. 前記原反ロールを装着する回転軸に対し回転力を与える増減速制御可能な駆動モータと、前記原反ロールから送出される帯状フィルムの移動速度ヶ所定の速度になるように前記駆動モータを制御する制御手段を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装機。
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