JP3872043B2 - 車両用ブレーキ負荷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ブレーキ負荷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用ブレーキ負荷装置は、ブレーキ負荷を電気抵抗体で熱に変え、蓄熱し、ブロアモーターファンを用いて緩慢に大気に放熱するようにしていた。
【0003】
また、ブロアモーターファンを用いて急激に放熱する方法も考えられるが、ブロアモーターファン故障時の安全性と低騒音化を確保する上で、実用的ではなかった。
【0004】
図3は従来の車両用抵抗器としての新幹線電車用インバータスナバ装置の代用写真、図4は従来の車両用抵抗器としての磁気浮上リニアモーターカー用保護抵抗器の代用写真である。
【0005】
図3に示すように、従来の新幹線電車用インバータスナバ装置の場合は、大型の容器内に抵抗器が実装されている。
【0006】
また、図4に示すように、従来の磁気浮上リニアモーターカー用保護抵抗器の場合も、大型の容器内に多層の抵抗器が実装されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両の運動エネルギーは、速度の二乗で増大するため、従来の車両用ブレーキ負荷装置では車両の高速化に伴って電気抵抗材の重量が増大する問題があった。
【0008】
さらに、機械的な摩擦ブレーキに頼る方法の場合も熱容量の増大化が摩擦材料の大型重量化と磨耗量の増大を招き、車両の軽量化と省保守化とに逆行する問題となっていた。例えば、新幹線電車では速度を250km/hから350km/hまで向上すると、ブレーキエネルギーは2倍になり、従来システムでは成り立たないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて、例えば、新幹線の速度向上における大幅な小型軽量化を図ることができる車両用ブレーキ負荷装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕車両用ブレーキ負荷装置において、容器内に直並列接続される不活性ガスを封入した複数の抵抗材に通電し、発光させてブレーキ時の運動エネルギーを赤外線を主とする光エネルギーとして、車外に放散させる車両の発電ブレーキ用の抵抗負荷装置を具備することを特徴とする。
【0011】
〔2〕上記〔1〕記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記抵抗材はハロゲンサイクル機能を有するハロゲンランプヒーターであることを特徴とする。
【0012】
〔3〕上記〔1〕記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記抵抗材は温度抵抗特性が正特性のタングステンと、温度抵抗特性が負特性の炭化珪素とを直列に接続し、温度変化による電流の変化を緩慢にすることを特徴とする。
【0013】
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記抵抗負荷装置は、抵抗を直並列に多段に組んで構成し、合成抵抗値の急激な変化に基づいて、異常を監視する抵抗異常監視装置を具備することを特徴とする。
【0014】
〔5〕上記〔1〕記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記ブレーキ用の抵抗負荷装置を車体表面又は車体側表面に配置し、外気側耐熱ガラスで覆うことを特徴とする。
【0015】
〔6〕上記〔1〕記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記ブレーキ用の抵抗負荷装置への突入電流を防止するためにタイムラグスイッチと抵抗を具備することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の実施例を示す車両用ブレーキ負荷装置の模式図、図2はその車両用ブレーキ負荷装置の構成図であり、図1(a)は車両の斜視図、図1(b)はその概略断面図を示している。
【0018】
この図において、1は車両、2は車両用ブレーキ負荷装置、3は車両1の窓、4はハロゲンランプヒーター〔ウシオ電気(株)製など〕、5は反射板、6は防熱カバー、7は耐熱ガラス〔石英ガラスやパイレックス(登録商標)等〕、8は容器、9は接続線、10はリード線、11はSiCなどの端子電極、12は突入電流制限抵抗、13はその突入電流制限抵抗12を短絡するための遅延機能を有するタイムラグスイッチ、14は抵抗異常監視装置、15は車両1の制御装置である。
【0019】
ここで、車両1の発電ブレーキ用の抵抗負荷装置としてのハロゲンランプヒーター4が点灯されると、熱でフィラメントのタングステンが蒸発し、封入されているハロゲンガスと結合して、ハロゲン化タングステンになる。そして、対流により、再びフィラメント付近に移動したハロゲン化タングステンは、高温のフィラメントにより分解される。このときハロゲンは管壁付近に、タングステンは再びフィラメントに戻る。この反応の繰り返しをハロゲンサイクルといい、管壁の黒化を防ぎ、フィラメントの消耗を防止することができる。このハロゲンランプヒーター4を用いることで、車両用ブレーキ負荷装置2の長寿命化を実現できる。
【0020】
また、ハロゲンランプヒーター4は接続線9により直並列に接続されるので、各ハロゲンランプヒーター4へ電流が分流(分散)して印加されるとともに、少数のハロゲンランプヒーター4が玉切れした場合であっても、直並列接続の合成抵抗が許容値内であれば、負荷装置としての機能を果たすことができる。
【0021】
更に、近赤外線を利用するハロゲンランプヒーター4以外、例えばシーズ管ヒーターであってもよい。
【0022】
更に、端子電極11の両端間には、抵抗異常監視装置14が接続されており、ハロゲンランプヒーター4の破損や寿命による抵抗の変化を常時監視しており、抵抗が所定値以上になるとこれを検知して、車両の制御装置15にてこれを把握し、点検や取替えの措置などを施すことができる。
【0023】
また、前記抵抗負荷装置は温度抵抗特性が正特性のタングステン(例えば、ハロゲンランプヒーター4)と、温度抵抗特性が負特性の炭化珪素(炭素電球)とを直列に接続し、抵抗値の温度変化による電流値の変化を緩慢させることにより、乗り心地の良いブレーキをかけるようにすることができる。
【0024】
更に、上記したように、前記車両用ブレーキ負荷装置2を車体表面又は車体側表面、特に、車両1の窓3の上部に配置して、ハロゲンランプヒーター4には反射板5を設け、さらに防熱カバー6で覆うように配置するとともに、車両1の外気側には耐熱ガラス〔石英ガラスやパイレックス(登録商標)など〕7を配置するようにすることが望ましい。
【0025】
また、前記車両用ブレーキ負荷装置2への突入電流を防止するために抵抗12とそれを短絡するタイムラグスイッチ13とを具備するようにしてもよい。
【0026】
上記のように、車両用ブレーキ負荷装置2として、ハロゲンが封入されるハロゲンランプヒーター4を用いるようにしたので、以下のような利点を有することができる。
【0027】
(1)小型・軽量化:従来のものは、周辺容器込みで、1トンを有していたのに対して、本発明によれば、周辺容器込みで、0.5トンに軽量化することができる。
【0028】
(2)大容量化:500〜1000kWの電力を、1500Vの電源を用いて、20分毎60秒通電することを1日15時間行うとして16年(6000日)以上使用することができる。
【0029】
(3)低騒音化:従来80dB以上であったものを、60dB以下に大幅に静音化することができる。
【0030】
(4)低価格・省保守化:従来800万円程度であったものを、およそ半分の400万円程度へと低価格化を図ることができる。また、寿命の長いハロゲンサイクルによる抵抗材(ハロゲンランプヒーター)を密封容器に入れて用いるため、新幹線電車の場合は16年程度にわたってノーメンテナンスで済む。
【0031】
更に、本発明は、特に、350km/h級新幹線に適用して、発電ブレーキ時の負荷抵抗材の大幅な小型軽量化を図ることができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0034】
(A)電気ブレーキ負荷装置の大幅な小型軽量化を図ることができる。
【0035】
(B)ブロア用のモーターやファンを省略することによる大幅な低騒音化と省エネ化を実現することができる。
【0036】
(C)ハロゲンサイクルによる抵抗材(ハロゲンランプヒーター)により長寿命化と密封容器による省保守化を図ることができる。
【0037】
(D)運動エネルギーを光エネルギーに変換し、天空への光放射を行うので地球温暖化の抑制に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す車両に搭載された車両用ブレーキ負荷装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す車両用ブレーキ負荷装置の構成図である。
【図3】従来の車両用抵抗器としての新幹線電車用インバータスナバ装置の代用写真である。
【図4】従来の車両用抵抗器としての磁気浮上リニアモーターカー用保護抵抗器の代用写真である。
【符号の説明】
1 車両
2 車両用ブレーキ負荷装置
3 車両の窓
4 ハロゲンランプヒーター
5 反射板
6 防熱カバー
7 耐熱ガラス
8 容器
9 接続線
10 リード線
11 端子電極
12 突入電流制限抵抗
13 タイムラグスイッチ
14 抵抗異常監視装置
15 制御装置
Claims (6)
- 容器内に直並列接続される不活性ガスを封入した複数の抵抗材に通電し、発光させてブレーキ時の運動エネルギーを赤外線を主とする光エネルギーとして、車外に放散させる車両の発電ブレーキ用の抵抗負荷装置を具備することを特徴とする車両用ブレーキ負荷装置。
- 請求項1記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記抵抗材はハロゲンサイクル機能を有するハロゲンランプヒーターであることを特徴とする車両用ブレーキ負荷装置。
- 請求項1記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記抵抗材は温度抵抗特性が正特性のタングステンと、温度抵抗特性が負特性の炭化珪素とを直列に接続し、温度変化による電流の変化を緩慢にすることを特徴とする車両用ブレーキ負荷装置。
- 請求項1、2又は3記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記抵抗負荷装置は、抵抗を直並列に多段に組んで構成し、合成抵抗値の急激な変化に基づいて、異常を監視する抵抗異常監視装置を具備することを特徴とする車両用ブレーキ負荷装置。
- 請求項1記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記ブレーキ用の抵抗負荷装置を車体表面又は車体側表面に配置し、外気側を耐熱ガラスで覆うことを特徴とする車両用ブレーキ負荷装置。
- 請求項1記載の車両用ブレーキ負荷装置において、前記ブレーキ用の抵抗負荷装置への突入電流を防止するためにタイムラグスイッチと抵抗を具備することを特徴とする車両用ブレーキ負荷装置。
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