JP3871802B2 - 樹脂成形基板及び樹脂成形基板の製造方法 - Google Patents

樹脂成形基板及び樹脂成形基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板で電子回路を形成し、樹脂類を成形して金属板を覆うことにより回路基板として使用する樹脂成形基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に伴って電子部品は高密度実装化され、リード線のない表面実装型のものが注目されつつあり、クリーム半田などによるリフロー半田付け技術の進歩とともに、プリント基板の電子部品の高密度実装化技術の開発が進められている。
【0003】
しかしながら、大電流や高周波を扱う分野等では、プリント基板はガラスエポキシ樹脂や紙フェノール樹脂に銅箔で回路パターンを形成しているため、高密度に配線を行うと電気的な絶縁信頼性が十分に確保されず、表面実装による高密度実装技術の開発が遅れ、そのため回路構成による基板の小型化および機器の小型化が遅れている。
【0004】
さらに、電子機器によっては小型化を達成するために、複数の小型基板をコネクタやリード線を使って配線する等の複雑な基板構成をとるものもあるが、組み立てやコネクタ間の配線作業が増加するために結果的にコストアップの要因となっている場合がある。
これらの課題を解決するために、金属板により回路パターンを形成し、樹脂で被覆することにより回路基板とする樹脂成形基板が注目を集めている。
【0005】
次に図6を参照しながら、従来の樹脂成形基板の製作手順について説明する。一般的に、回路パターンを形成する金属板3には銅や黄銅が用いられており、半田付け時の金属板表面の酸化を防止するために、錫やニッケルメッキを施されたものが使用される場合もある。この金属板3にはプレスやエッチングにより所望の回路パターンが形成され、切断された金属板3には電子部品を挿入するための穴13が設けられている。この回路パターンを形成した金属板3をリードフレームと呼ぶ。
【0006】
次に、図6(b)に示すように、リードフレーム3全体を樹脂4で被覆成形することにより回路基板を形成にする。この時、電子部品の電極部2として使用する部分には樹脂4が付着しないようにする。
この時に使用される樹脂には、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂や液晶ポリマーに代表される熱可塑性樹脂等あらゆる樹脂が利用され、樹脂成形方式としては、射出成形やトランスファー成形が一般的に利用されている。
【0007】
このため、リードフレーム3は平面状に構成されている必要はなく、必要に応じて、図6(c)に示されるように、曲げ加工5を施した後に成形を行うことにより、立体的な形状を持つ基板として使用することが可能である。
また、大電流を使用する電気回路においては、絶縁信頼性を確保するために、パターン間同士やパターンと基板表面の間に一定の絶縁距離を必要とする。樹脂成形基板はリードフレーム3を樹脂により被覆することによりパターンの電気的絶縁を図るものであり、パターンと基板表面までは樹脂により一定の距離が確保されている。
【0008】
ここで確保すべき絶縁距離は、通電する電流の大きさにより最小値が国際電器標準会議(以下IECと略す)規格で規定されているが、一般的な電気製品では安全率を見込むため、樹脂の厚みをIEC規格で規定される最小値より大きくしている。
次に、樹脂成形基板に対する半田付け工程について説明する。
【0009】
まず、半田付けに溶融半田を用いるフロー方式及びディップ方式による半田付け工程について説明する。半田付け工程は、樹脂成形基板が平面形をしている場合には、フロー半田付け工法が用いられ、樹脂成形基板が立体的な形状をしている場合には、ディップ半田付け工法が利用される。
フロー半田付けは、図7(a)に示すように、溶融半田7を半田槽10から噴出させ、搬送部9で搬送されてきた樹脂成形基板6の半田付けを行う面を溶融半田7に接触させることにより半田付けを行う工法である。
【0010】
この工法において、樹脂成形基板6に良好な半田付けを行うために、フラクサ8とよばれるフラックス塗布装置を備えており、半田付けを行いたい面にあらかじめフラックスが塗布される。ここで使用されるフラックスは、ロジンをイソプロピルアルコール等の有機溶剤に溶解させたものである。
ディップ半田付けは、図7(b)に示すように、半田槽10に溶融半田7を入れておき、あらかじめ半田付け面にフラックスを塗布した樹脂成形基板6を上方から接触させ、一定時間経過後に樹脂成形基板6を引き上げることにより半田付けを行う工法である。ここで、半田槽の半田は静かに保たれている場合と、噴流させている場合があり、樹脂成形基板6の形態に応じて使い分けられる。樹脂成形基板6が立体的な形状をしている場合には、噴流半田により部分的に半田付けを行うことが多い。
【0011】
ここで、良好な半田付けを行うためには、基板表面から奥まった位置にある電極部に対しても、正確に溶融半田を接触させることが必要であり、樹脂成形基板の厚みと電極部の大きさが重要な要因となる。すなわち、基板の厚みを大きくすると、溶融半田を接触させることが困難となり、これを回避するためには、電極部を大きくする必要があるということである。しかし、電極部を大きくすると、隣接する電極間も大きくする必要があり、小型化が実現できなくなるため、基板の厚みを無制限に大きくすることはできない。このため、基板の厚みと電極部の大きさの設計には制約を受けることになる。
【0012】
次に、リフロー方式による半田付け工程について説明する。
リフロー半田付けは、接合材料としてクリーム半田を予め基板の電極部分に供給した後、電子部品を搭載し、基板ごとリフロー炉と呼ばれる加熱炉においてクリーム半田を溶融させ半田付けを行う工法である。
図8(a)に示すように、樹脂成形基板6の電極部2にクリーム半田16を供給する。このクリーム半田16は、半田を微粉末にしたものをロジンを主成分としたフラックスで混合することによりペースト状に加工したものである。
【0013】
クリーム半田16の供給方法は、通常のプリント基板であればスクリーン印刷工法が用いられるが、樹脂成形基板では、クリーム半田を供給すべき電極部が基板表面ではなく、基板の厚み方向の中央部に存在するため、シリンジにつめられたクリーム半田を適量だけ滴下させるディスペンス方式が用いられることが多い。
【0014】
次に、図8(b)に示すように、クリーム半田16を供給した電極部2に電子部品17を搭載し、電子部品17を搭載した基板をリフロー炉で加熱することにより半田付けが完了する。リフロー炉では熱風や赤外線ヒータにより基板全体を一定温度に昇温することにより半田を溶融させて半田付けを行う。この時、一挙に基板を昇温し半田を溶融させるのではなく、一旦150℃程度まで加熱し、クリーム半田中のフラックス成分を活性化させる。この段階をプリヒートと呼び、活性化されたフラックス成分は基板の電極部表面やクリーム半田中の半田粉末の酸化物を除去し、正常な金属面を露出させる。次に、220℃程度まで昇温し、半田を溶融させる。この時溶融した半田は基板の電極表面と電子部品の電極表面に濡れ広がることにより強固な接合部を形成することができる。
【0015】
ここで、良好な半田付けを行うためには、基板の電極表面が酸化物や付着物等により汚染されていないことが必要であり、また、クリーム半田の供給を容易に行うためには、フロー方式と同様に基板厚みと電極部の大きさの制約を受けることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の工法においては、半田付けを良好にするために樹脂成形基板の厚みを小さくすると隣接する電極部において沿面距離が確保できないという問題点がある。
沿面距離とは大電流を使用する回路パターンにおいて、表面に露出している電極部の距離を表わし、電極の表面形状に沿った長さである。大電流を扱う回路においては、絶縁信頼性を確保するためIEC規格により通電する電圧に応じた沿面距離の最小値が規定されている。(IEC950、2.9.3項参照)
従って、大電流を扱う電気回路においては、沿面距離を確保することが必須の要件であり、沿面距離が確保できないと電気回路として製品化することができず、大電流回路の小型化の障害となっている。
【0017】
また、沿面距離は基板の材質の絶縁性により同じ電圧においても最小値が異なる。材質の絶縁性の尺度となる特性は、比較トラッキング係数(以下CTIと略す)であり、測定方法はIEC112の方法Aにより規定されている。
樹脂成形基板は一般的なインサート成形技術により基板形成を行っており、樹脂の流動性を考慮してPPSやPET等の熱可塑性樹脂が多く用いられている。
【0018】
しかしながら、PPS等の熱可塑性樹脂は一般にCTIが200以下であり、一般的なプリント基板で使用される紙フェノール基板のCTIが600であることを考えると絶縁性が劣っている。従って、CTIの小さな熱可塑性樹脂では規定される沿面距離の最小値も大きくなるため、設計上距離を大きくしなければならず、基板の小型化が実現できないという問題点がある。
【0019】
また、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂はCTIが高く、沿面距離を小さく出来るため、基板の小型化を実現できる。しかし、基板形成に際して160℃程度の金型温度で2、3分の保持時間を必要とし、樹脂によっては樹脂の完全硬化を図るためアフターキュアと呼ばれる高温放置の工程を必要とする。このため、基板形成のリードタイムが長くなるだけでなく、電極表面の酸化や汚染が発生するために、後工程である電子部品の半田付けにおいて良好な半田付けが出来ないという問題点がある。
【0020】
本発明は、樹脂成形基板において、狭い空間において沿面距離を確保し、大電流回路の小型化を実現することを目的とする。また、さらには基板形成工程において熱履歴による電極表面の酸化、汚染を抑止し、良好な半田付け性を確保することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、両面に樹脂層がを形成した回路パターンと、前記回路パターンと前記樹脂層を貫通する複数の貫通孔と、複数のリードを有した電子部品とを備え、前記電子部品は、前記複数のリードを前記回路パターンの一方の面側から他方の面側に貫通させ、前記一方の面側に配置され、前記他方の面側で前記複数のリードの隣り合うリード間の樹脂層が前記他方の面側にある他の樹脂層より厚いことを特徴とする樹脂成形基板である。
【0022】
また、隣り合うリードフレーム間に形成する樹脂が絶縁性の高い樹脂と低い樹脂の少なくとも2種類の樹脂からなることを特徴とする樹脂成形基板である
【0023】
また、隣り合うリードフレーム間に形成する樹脂の一方は、比較トラッキング指数が他方の樹脂よりも大きく、他方の樹脂に挟まれ、他方の樹脂から突出していることを特徴とする樹脂成形基板である
【0025】
本発明は、リードフレームの両面に樹脂層を形成した回路パターンと、前記回路パターンと前記樹脂層を貫通する複数の貫通孔と、複数のリードを有した電子部品とを備え、前記電子部品は、前記複数のリードを前記回路パターンの一方の面側から他方の面側に貫通させ、前記他方の面側に配置され、前記他方の面側で前記複数のリードの隣り合うリード間の樹脂層が前記他方の面側にある前記他の樹脂層より厚く、かつ、隣り合うリード間に形成する前記樹脂が、絶縁性の高い樹脂と絶縁性の低い樹脂の少なくとも2種類の樹脂からなり、かつ、隣り合うリード間に形成する前記樹脂の一方は、比較トラッキング指数が他方の樹脂よりも大きく、他方の樹脂に挟まれ、他方の樹脂から突出していることを特徴とする樹脂成形基板であり、樹脂表面より突出する突起物を形成することによって、使用する樹脂のCTIに関係なく隣り合う電極部間の沿面距離を充足することができ、大電流回路の小型化を実現できるという作用を有する。
【0029】
また、大電流部のリードフレーム間では、絶縁性の高い樹脂を使用することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分では、絶縁性の高い樹脂を使用することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分では、半田付け性、成形性、生産タクト等の観点から自由に樹脂を選択することができ、大電流回路の小型化を実現できるという作用を有する。
【0033】
図1は本発明の第1の実施の形態の樹脂成形基板の構成を示す。この樹脂成形基板では、回路パターンとして厚みが0.5mmである銅板を使用し、エッチングにより所望のパターンを形成した。また、部品挿入穴13としてφ1mm〜φ3mmの挿入穴を銅板の所定の位置に開口した。この金属パターンを金型に配置し、射出成形機を用いて基板を成形した。使用した樹脂は熱可塑性の樹脂であるPPSを用いた。なお、ここで使用したPPS樹脂のCTIは170である。半田付け面側には部品挿入穴13を中心とした円形に樹脂を入れない部分を設け、電極部2を形成した。電極部2の大きさは、φ3mm〜φ7mmである。成形したPPS樹脂の厚みは銅板の片側にそれぞれ1mmずつであり、また、隣接する電極部2間には基板表面から高さ1mmの突起物1を形成した。
【0034】
図1(a)で示す基板に図1(b)で示すように最大定格1500Vの3端子パワートランジスタ12を搭載した。この3端子パワートランジスタ12のリードピッチは5.45mmであり、これに相当する電極部2の大きさはφ3mmである。本実施の形態において、パワートランジスタ12は400Vの電圧で駆動した。IEC900によるとCTI170のPPS樹脂で動作電圧400Vの場合、最小沿面距離は4.0mmが必要である。
【0035】
通常のプリント基板では本実施の形態に相当する回路構成を実現するためには、沿面距離が確保できないため、図9に示すように、パワートランジスタ12のリード11をフォーミングして沿面距離を確保している。このため回路が大きくなるが、本実施の形態においては、隣接する電極間に基板表面から高さ1mmの突起1を形成したので、沿面距離を6.45mmとなり、IEC規格を満たしつつ電源回路の小型化を実現できた。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施形態について、図2を参照しつつ以下に説明する。
【0036】
本実施の形態においては、樹脂成形基板の金属パターンについては、第1の実施の形態のものと基本的には同一であり、重複する部分については説明を割愛する。
この樹脂成形基板では、基板を形成する樹脂として第1の実施の形態と同じPPS樹脂を使用し、成形したPPS樹脂の厚みは銅板片側にそれぞれ1mmずつである。また、図2に示すパワートランジスタの電極間には、エポキシ樹脂製の熱硬化樹脂部14を設けた構成とした。本実施の形態において使用したエポキシ樹脂のCTIは600である。
【0037】
IEC規格によるとCTIが600の場合、第1の実施の形態と同じ400Vの電圧を図2に示す隣接する端子間にかける条件下では、最小沿面距離を2.0mmとしなければならない。本実施の形態では、樹脂の厚みを1mmとしているので、基板表面と同一高さの状態で沿面距離が2.45mmとなり、IEC規格を満たしつつ電源回路の小型化を実現できた。
【0038】
次に、本実施形態の樹脂成形基板の製造方法を図3を参照しながら説明する。まず、図3(a)に示すように、厚みが0.5mmである銅板を使用し、所望の回路パターンをエッチングにより形成しリードフレームとした。このリードフレームを金型に配置し、トランスファ成形機を用いて、エポキシ樹脂を注入し、図3(b)に示すような大電流部分のリードフレーム間のみ熱硬化樹脂部分14を形成した中間成形体を得た。このときの金型温度は180℃で保持時間は2分であった。成形後リードフレームの表面は激しく酸化しており、金型へ塗布した離型剤の残留物が付着しているため、脱脂洗浄後に酸洗を行い、リードフレーム表面を清浄なものとした。
【0039】
次いで、中間成形体を別の金型に配置し、射出成形機によりPPS樹脂を注入し、図3(c)に示すように基板形成を行った。PPS樹脂の成形においては樹脂温度320℃、金型温度120℃とし、樹脂の充填時間は8秒とした。
ここで、本実施の形態の樹脂成形基板とエポキシ樹脂で一括成形した樹脂成形基板との比較について説明する。エポキシ樹脂で基板を形成した場合、樹脂の絶縁性が高いためIEC規格に基づいた電源回路の小型が実現できるが、成形時に180℃、2分間という熱履歴が与えられる。そのため、銅で形成されたリードフレームの表面が激しく酸化してしまう。この状態で電子部品を挿入し、フロー半田付けを行った結果、電極部に半田がつかない未半田という半田付け不良が20枚中全ての基板で発生した。これに対し、本実施の形態の樹脂成形基板では20枚半田付けを行って未半田は発生しなかった。
【0040】
次に、エポキシ樹脂のみで形成された樹脂成形基板を脱脂、酸洗すると電極表面が清浄となり、フロー半田付けの結果、未半田の発生を抑止することができたが、酸洗時の液体がリードフレームと樹脂の密着部分より浸入し、完全に乾燥させることができなかったため、ヒートサイクル試験の結果、樹脂とリードフレームの界面に樹脂クラックが発生し、製品としての信頼性に欠けることが判明した。これに対し、本実施の形態による樹脂成形基板では、中間成形体の段階で洗浄を行うため、樹脂による囲いがほとんどなく洗浄液の残留もないため、ヒートサイクル試験においても異常は認められなかった。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施形態について、図4を参照しつつ以下に説明する。
【0041】
本実施の形態においては、樹脂成形基板の金属パターンについては、第1の実施の形態のものと基本的には同一であり、重複する部分については説明を割愛する。
この樹脂成形基板では、基板を形成する樹脂として第1の実施形態と同じPPS樹脂を使用し、成形したPPS樹脂の厚みは銅板の片側にそれぞれ1mmずつである。また、図4に示すパワートランジスタの電極間にはPPS樹脂によって挾まれたエポキシ樹脂製の熱硬化樹脂部からなる支持体15を設けた構成とした。エポキシ樹脂の部分は幅が1.5mmであり、基板表面より0.25mm突出している。なお、本実施の形態において使用したエポキシ樹脂のCTIは600である。
【0042】
IEC規格によるとCTIが600の場合、第1の実施形態と同じ400Vの電圧を図4に示す隣接する端子間にかける条件下では、最小沿面距離を2.0mmとしなければならない。本実施の形態では、エポキシ樹脂製の熱硬化樹脂部からなる支持体15の沿面距離は2.0mmとなり、IEC規格を満たしつつ電源回路の小型化を実現できた。
【0043】
次に、本実施形態の樹脂成形基板の製造方法を図5を参照しながら説明する。まず、図5(a)に示すように、厚みが0.5mmである銅板を使用し、所望の回路パターンをエッチングにより形成しリードフレームとした。このリードフレームを金型に配置する時に、別工程においてトランスファ成形機を用いて所望の大きさに形成されたエポキシ樹脂片を図5(b)に示すように所望のリードフレーム間に配置した。ここでエポキシ樹脂片を配置する部分の金型は0.25mm窪ませてあり、樹脂片を金型内で支持すると同時に成形後の突起形成の役割を持たせた。
【0044】
次いで、射出成形機によりPPS樹脂を注入し、図5(c)に示すように基板形成を行った。PPS樹脂の成形においては樹脂温度320℃、金型温度120℃とし、樹脂の充填時間は8秒とした。この時、エポキシ樹脂片とリードフレームの間にPPS樹脂が流れ込み上記構成を実現した。
なお、上記の各実施の形態において、隣接するリードフレーム間を構成する樹脂は基板の要求性能に応じて形成する位置、個数が決定される。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回路を作成した金属板に樹脂を成形した樹脂成形基板において、隣接する電極間に突起物を形成することにより、隣接する電極間の沿面距離を、使用する樹脂のCTIに関係なく大きくし、大電流回路の小型化を実現するという効果がある。
【0046】
さらに、少なくとも2種類の樹脂から基板が形成されていることにより、大電流部では絶縁性の高い樹脂を使用することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分では半田付け性、成形性、生産タクト等の観点から自由に樹脂を選択することができ、大電流回路を小型化するという効果がある。
さらに、隣接するリードフレーム間に形成する樹脂は、比較トラッキング指数が基板全体を構成する樹脂よりも大きくすることにより、大電流部では絶縁性の高い樹脂を使用することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分では半田付け性、成形性、生産タクト等の観点から自由に樹脂を選択することができ、大電流回路を小型化するという効果がある。
【0047】
さらに、隣接するリードフレーム間に形成する樹脂は、熱硬化性樹脂であり、基板全体を構成する樹脂は熱可塑性樹脂であるとより好適である。
さらに、隣接するリードフレーム間に形成する樹脂が少なくとも2種類の樹脂で構成されていることにより、大電流部のリードフレーム間では絶縁性の高い樹脂を使用することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分では半田付け性、成形性、生産タクト等の観点から自由に樹脂を選択することができ、大電流回路を小型化するという効果がある。
【0048】
さらに、隣接するリードフレーム間に形成する樹脂の一方は比較トラッキング指数が他方の樹脂よりも大きくすると好適である。
さらに、回路を形成した金属板からなるリードフレームを金型に配置する工程と、少なくとも1個所の隣接するリードフレーム間に樹脂を注入し中間成形体を得る工程と、中間成形体を金型に配置する工程と、中間成形体を構成する樹脂とは異なる樹脂により成形を行ない基板を形成する工程からなることにより、大電流部を絶縁性の高い樹脂により形成することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分をその後成形することにより一括して大電流回路を小型化する樹脂成形基板を製造できるという効果があるとともに、リードフレームにかかる熱履歴や汚染の機会を少なくし、良好な半田付け性を確保するという効果がある。
【0049】
さらに、回路を作成した金属板に樹脂を成形した樹脂成形基板の製造方法において、回路を形成した金属板からなるリードフレームを金型に配置する工程と、樹脂で形成された支持体を金型に配置する工程と、金型を閉じた後に支持体を構成する樹脂とは異なる樹脂により成形を行ない基板を形成する工程からなることにより、金型にリードフレームを配置する際に、大電流部において絶縁性の高い樹脂で形成された支持体を配置することにより沿面距離を小さくし、絶縁性が不要な部分ではそのまま成形することにより一括して大電流回路を小型化する樹脂成形基板を製造できるという効果があるとともに、リードフレームにかかる熱履歴や汚染の機会を少なくし、良好な半田付け性を確保するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である樹脂成形基板の構成を示し、(a)は電極部を示す詳細図であり、(b)はパワートランジスタを実装した状態を示す概念図である。
【図2】本発明の第2の実施形態である樹脂成形基板を示す概念図である。
【図3】本発明の第2の実施形態である樹脂成形基板の製造工程を示し、(a)は金属パターンのみを示す概念図であり、(b)は大電流部のみ成形を行なった中間成形体を示す概念図であり、(c)は樹脂成形基板を示す概念図である。
【図4】本発明の第3の実施形態である樹脂成形基板を示す概念図である。
【図5】本発明の第3の実施形態である樹脂成形基板の製造工程を示し、(a)は金属パターンのみを示す概念図であり、(b)は大電流部の支持体を配置した状態を示す概念図であり、(c)は樹脂成形基板を示す概念図である。
【図6】従来例における樹脂成形基板の構成を示し、(a)は金属パターンのみを示す概念図であり、(b)は金属パターンを樹脂で覆った様子を示す概念図であり、(c)は曲げ加工部を有する樹脂成形基板を示す概念図である。
【図7】従来例における半田付けの様子を示し、(a)はフロー半田付けを示す概念図であり、(b)はディップ半田付けを示す概念図である。
【図8】従来例におけるリフロー半田付けの様子を示し、(a)はクリーム半田を供給する工程を示す概念図であり、(b)は電子部品を搭載する工程を示す概念図である。
【図9】従来例におけるパワートランジスタのリードフォーミング状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 突起部
2 電極部
3 金属板、リードフレーム
4 樹脂
5 曲げ加工部
6 樹脂成形基板
7 溶融半田
8 フラクサ
9 搬送部
10 半田槽
11 挿入部品リード
12 パワートランジスタ
13 部品挿入穴
14 熱硬化樹脂部
15 支持体
16 クリーム半田
17 電子部品

Claims (1)

  1. リードフレームの両面に樹脂層を形成した回路パターンと、前記回路パターンと前記樹脂層を貫通する複数の貫通孔と、複数のリードを有した電子部品とを備え、前記電子部品は、前記複数のリードを前記回路パターンの一方の面側から他方の面側に貫通させ、前記他方の面側に配置され、前記他方の面側で前記複数のリードの隣り合うリード間の樹脂層が前記他方の面側にある前記他の樹脂層より厚く、かつ、隣り合うリード間に形成する前記樹脂が、絶縁性の高い樹脂と絶縁性の低い樹脂の少なくとも2種類の樹脂からなり、かつ、隣り合うリード間に形成する前記樹脂の一方は、比較トラッキング指数が他方の樹脂よりも大きく、他方の樹脂に挟まれ、他方の樹脂から突出していることを特徴とする樹脂成形基板。
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