JP3871545B2 - 試験器具及び測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロマトグラフィー試験片等を用いた検査を行うための試験器具及び測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来のクロマトグラフィー測定装置の例について説明する。図5は分光光度計を用いた、従来のクロマトグラフィー測定装置の概略構成図である。
図5において、光源(ランプ)1から出射された光ビームは反射板2を介して回折格子3に入射される。回折格子3に入射された光ビームは光波長が選択され、さらに開口部4により光ビームが絞られた後、ガラス板5に入射される。ガラス板5を反射した光ビームは参照光6として第1の光電子増倍管7で受光される。一方、ガラス板5を透過した光ビームはクロマトグラフィ試験片8の一部に照射し、クロマトグラフィ試験片8からの散乱光9を第2の光電子増倍管10で受光する。第1の光電子増倍管7と第2の光電子増倍管10の出力信号はそれぞれLog変換器23、24によりLog変換され、差動増幅器25は、第1の光電子増倍管7のLog変換値から、第2の光電子増倍管10のLog変換値を減算し、吸光度信号26として出力する。
【0003】
クロマトグラフィ試験片8は、図5(b)に示すように、抗原抗体反応を利用した免疫クロマトグラフィ試験片8は、被検査溶液を添加する部分である被検査溶液添加部11と、被検査溶液を展開するための展開層14とからなり、展開層14は、その一部に、被検査溶液の浸透により移動し、流れてきた液体中に含まれる分析対象物に対して特異的に結合する物質を備えた標識試薬が保持された部分である標識試薬保持部12と、他の一部に、標識試薬と分析対象物との結合、固定化が行われる試薬固定化部13とを備えたものである。
【0004】
このように構成された従来のクロマトグラフィ試験装置の動作について説明する。
まず、シリンジ(図示せず)等で被検査溶液添加部11に被検査溶液が添加されると、展開層14に被検査溶液が展開される。この時、標識試薬保持部12に被検査溶液が達すると、標識試薬を溶出しながら、被検査溶液中に含まれる分析対象物と特異的に結合する。続いて、この結合物が試薬固定化部13において固定化され、また固定化されない残りの標識試薬は、固定化されずに展開層14の下流側に流出する。
【0005】
次に、被検査溶液中に含まれる分析対象物の濃度を測定するために、図5(a)に示すように、クロマトグラフィ試験片8に対し、光源1からビームを照射する。光源1から出射されたビームは、反射板2を介して回折格子3に入射される。ここで、回折格子3により波長が決定され、回折格子3より出射されたビームは、開口4により絞られ、ガラス板5に入射される。ガラス板5に入射したビームは、ガラス板5を反射するものと透過するものに分けられる。ガラス板5を反射したビームは、参照光6として第1の光電子倍増管7で受光される。一方、ガラス板5を透過したビームは、免疫クロマトグラフィ試験片8にて反射される。そして、免疫クロマトグラフィ試験片8からの散乱光9は、第2の光電子増倍管10で受光される。第1,第2の光電子増倍管7,10からの出力はそれぞれ、Log変換器23,24にてLog変換され、その後、差動増幅器25によりこれらの引き算結果を吸光度信号26として出力される。なお、クロマトグラフィ試験片8の展開層14と試薬固定化部13の吸光度信号の差と、測定する試料濃度との検量線が予め算出されており、展開層14と試料固定化部13の吸光度信号の差を検出することにより、試料濃度の算出が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のクロマトグラフィ測定装置では、注射器または真空採血管を用いて採取した血液を、血液センサの被検査溶液添加部に添加しなければならず、この時、検査者が誤って注射針を検査者の指に刺してしまったり、注射針の先端の血液が飛散してしまったりして血液感染を生ずる恐れがあるため、慎重な作業が求められていた。また、血液を直接扱うため、被検査者の目前で検査をしにくく、検査後には検査器及び検査器具の汚れを清掃したり、残血の処理、注射器の洗浄が必要であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、検査者が被検査溶液に接触することなく測定可能な試験器具及び測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる試験器具は、一端が開放され、他端が閉塞された透明の管状体と、上記管状体に収納された、被検査溶液中の分析対象物を光学的に測定可能な試験片と、上記管状体内を減圧状態に保つよう、上記管状体の開放端を封止する、上記被検査溶液を採取する採取針を突き刺し可能な弾性材料よりなる蓋体と、を備えた、試験器具において、上記試験片は、上記管状体内の空間を、上記被検査溶液が上記試験片に供給される空間と、上記試験片が反応を呈する空間とに隔てる支持体によって支持されている、ことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項2にかかる試験器具は、請求項1に記載の試験器具において、上記管状体は、硬質材料で形成されてなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項3にかかる試験器具は、請求項1に記載の試験器具において、上記管状体内の開放端に取り付けられた蓋体により封止されている開口部側であって、上記支持体により隔てられた上記被検査溶液が上記試験片に供給される空間に、上記採取針から供給される被検査溶液を一時的に蓄えるための第1の空間を形成する隔壁を備え、上記管状体の上記第1の空間以外の部分の、少なくとも一部もしくは全ては、外力により変形可能な軟質材料で形成されてなり、上記第1の空間内のみを減圧状態に保ったまま、該第1の空間内に上記採取針を用いて上記被検査溶液を供給して一時的に蓄え、その後、上記管状体の外力による上記第1の空間の変形により上記隔壁が破壊され、上記被検査溶液が上記試験片に供給されることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項4にかかる試験器具は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の試験器具において、上記支持体は、上記管状体内で、上記試験片を中空で支持する、ことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5にかかる試験器具は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の試験器具において、上記試験片は、薄板状であり、上記管状体の上記試験片における反応を呈する部分に対応する部位は、上記試験片と平行な平面となるよう形成されたものであることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6にかかる試験器具は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の試験器具において、上記管状体の上記試験片における反応を呈する部分に対応する部位は、光学的に光ビームの形状を変形させるレンズ状であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項7にかかる試験器具は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の試験器具において、上記試験片を、イムノクロマトセンサで構成したことを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項8にかかる試験器具は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の試験器具において、上記試験器具は、試験毎に使い捨てるようにした、ことを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項9にかかる測定装置は、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の試験片における反応を光学的に読み取る、ことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項10にかかる測定装置は、請求項1に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の管状体のうち、試験片が反応を呈する空間に位置する試験片における反応を光学的に読み取る、ことを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項11にかかる測定装置は、請求項3に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の管状体の、被検査溶液が試験片に供給される第1の空間を形成する部位に外力を与え、該管状体内の、一時的に上記被検査溶液を蓄えるための第1の空間を形成する隔壁を破壊し、該装着された試験器具のうち、試験片が反応を呈する空間に位置する試験片における反応を光学的に読み取る、ことを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項12にかかる測定装置は、請求項10または請求項11に記載の測定装置において、上記管状体の閉塞端側から挿入するための、該管状体の外形形状に沿った挿入口を備えた、ことを特徴とするものである。
【0021】
本発明の請求項13にかかる測定装置は、請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の測定装置において、レーザにより上記管状体内の試験片における反応を光学的に読み取るようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1による試験器具及び測定装置について図1及び図2を用いて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態1による試験器具と測定装置の概略構成図であり、図1(a)は試料展開方向に対し垂直方向からみた試験器具及び測定装置の断面図であり、図1(b)は試験器具を試料展開方向からみた断面図である。図において、図5と同一または相当する構成要素については同じ符号を用い、その説明を省略する。
【0025】
図1において、試験器具15は、透明の管状体30の中に試験片8とその試験片8を支持する支持体31を内蔵し、減圧状態に保ったままで弾性材料からなる蓋体16で封止されている。支持体31は、管状体30の空間を被検査溶液の供給される空間と試験片8が反応を呈する空間とに隔てるように構成されており、被検査溶液が多く供給されても試験片8の反応を呈する部分まで飛び散らないようになっている。試験片8は、被検査溶液を添加する被検査溶液添加部11と、被検査溶液を展開するための展開層14と、展開層14の一部に試薬を固定化することにより形成された試薬固定化部13と、展開層14の他の一部に、被検査溶液の展開により溶出可能な標識試薬を保持することにより形成された、標識試薬保持部12とから構成されている。管状体30は、試験片8における反応を呈する部分に対応する測定窓32が、試験片8と平行となるように形成されている。なお、本実施の形態1では、管状体30は硬質材料で形成されてなるものである。
【0026】
測定装置は、光ビームを照射する半導体レーザ17と、半導体レーザ17から出射された光ビームを平行ビームに変換するコリメートレンズ18と、コリメートレンズ18を通過した光ビームを絞る開口4と、開口4を通過した光ビームを偏光するビームスプリッタ19と、ビームスプリッタ19にて反射された光ビームを参照光6としてモニタする第1のフォトダイオード20と、ビームスプリッタ19を通過した光ビームを測定装置にセットされた試験器具15に導くシリンドリカルレンズ21と、試験器具15の内部の試験片8を反射した散乱光9を受光する第2のフォトダイオード22と、第1のフォトダイオード20にて受光された光ビームをLog変換するLog変換器23と、第2のフォトダイオード22にて受光された光ビームをLog変換するLog変換器24と、Log変換器23の出力データとLog変換器24との出力データを引き算し、その結果を吸光度信号26として出力する差動増幅器25とを備えたものである。
【0027】
このような構成の測定装置の外観図について図2に示した。図2において、測定装置27の前面には測定結果等を表示する表示器28と、試験器具15を挿入するための挿入口29が設けられている。この挿入口29は試験器具15の管状体30の外形形状に合わせた形状となっており、一方向からのみ挿入可能で、誤挿入防止ができる。
【0028】
以上のように構成された試験器具及び測定装置を用いた測定方法について図1及び図2を用いて説明する。
矢印33の方向から採取針(図示せず)で被検査溶液添加部11に被検査溶液が添加されると、展開層14に被検査溶液が展開される。この時、被検査溶液が標識試薬保持部12に達すると、標識試薬は溶出しながら、被検査溶液中に含まれる分析対象物と特異的に結合する。この結合物が試薬固定化部13において固定化され、また残りの標識試薬は、固定化されずに展開層14の下流側に流される。そして、被検査溶液を添加と同時に採取針を外し測定装置27にセットする。
【0029】
次に、半導体レーザ17から試験器具15に対し、光ビームを照射する。まず、半導体レーザ17から出射された光ビームは、コリメートレンズ18を通過することによって平行ビームに変換される。この平行ビームは、開口4を通過してビームスプリッタ19に入射される。ここで、ビームスプリッタ19で反射された一部の光ビームは、参照光6として第1のフォトダイオード20で受光される。一方、ビームスプリッタ19を透過した残りの光ビームは、シリンドリカルレンズ21によって試験片8の試薬固定化部13に集光され、照射される。さらに、この試験片8の試薬固定化部13の表面からは散乱光9が発生し、第2のフォトダイオード22で受光される。
【0030】
次に、参照光6を受光した第1のフォトダイオード20と散乱光9を受光した第2のフォトダイオード22の出力はそれぞれLog変換器23、24を通してLog変換され、差動増幅器25に入力され、吸光度信号26として出力される。
【0031】
このような実施の形態1によれば、採取針を突き刺した試験器具15を、被検査溶液を採取するための場所、例えば、被検査者の皮膚に取り付けると同時に、被検査溶液を管状体30内に自動的に採取して試験片8に供給し、試験器具15をそのまま測定装置27にセットし測定を行うようにしたので、検査者が被検査溶液に接触することなく測定が可能となる。
【0032】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2による測定装置及び試験器具について図3を用いて説明する。
【0033】
図3は実施の形態2による測定装置及び試験器具の概略構成図あり、図3(a)は試料展開方向に対し垂直方向からみた測定装置及び試験器具の断面図であり、図3(b)は試料展開方向からみら試験器具の断面図である。図において、図2と同一または相当する構成要素については、同じ符号を用いその説明を省略する。
【0034】
図3において、35は測定窓であり、管状体30の試験片8における反応を呈する部分に対応する部分で、レンズ状となっている。
【0035】
以上のように構成された試験器具及び測定装置を用いた測定方法について説明する。
矢印33の方向から採取針(図示せず)で被検査溶液添加部11に被検査溶液が添加されると、展開層14に被検査溶液が展開される。この時、被検査溶液が標識試薬保持部12に達すると、標識試薬は溶出しながら、被検査溶液中に含まれる分析対象物と特異的に結合する。この結合物が試薬固定化部13において固定化され、また残りの標識試薬は、固定化されずに展開層14の下流側に流される。そして、被検査溶液を添加と同時に採取針を外し測定装置27にセットする。
【0036】
次に、半導体レーザ17から試験器具15に対し、光ビームを照射する。まず、半導体レーザ17から出射された光ビームは、コリメートレンズ18を通過することによって平行ビームに変換される。この平行ビームは、開口4を通過してビームスプリッタ19に入射される。ここで、ビームスプリッタ19で反射された一部の光ビームは、参照光6として第1のフォトダイオード20で受光される。一方、ビームスプリッタ19を透過した残りの光ビームは、測定窓35によって試験片8の試薬固定化部13に集光され、照射される。さらにこの試験片8の試薬固定化部13の表面からは散乱光9が発生し、第2のフォトダイオード22で受光される。
【0037】
次に、参照光6を受光した第1のフォトダイオード20と散乱光9を受光した第2のフォトダイオード22の出力はそれぞれLog変換器23、24を通してLog変換され、差動増幅器25に入力され、吸光度信号26として出力される。
【0038】
このような実施の形態2によれば、採取針を突き刺した試験器具15を、被検査溶液を採取するための場所、例えば、被検査者の皮膚に取り付けると同時に、被検査溶液を管状体30内に自動的に採取して試験片8に供給し、試験器具15をそのまま測定装置27にセットし測定を行うようにしたので、検査者が被検査溶液に接触することなく測定が可能となる。
【0039】
また、管状体30の測定窓35をレンズ状としたことで、実施の形態1の測定装置27で必要であったシリンドリカルレンズ21を省略することができ、コストを削減できる。
【0040】
(実施の形態3)
以下に、本発明の実施の形態3による測定装置及び試験器具について図4を用いて説明する。なお、本実施の形態1の構成と違う点は、試験器具15において隔壁34によって管状体30の空間が試験片8のある空間と減圧された被検査溶液を一時蓄えておく空間に分離されていることである。
【0041】
図4は、本実施の形態3による試験器具の構成を示す図である。
図4において、34は隔壁であり、管状体30内の開放端に取り付けられた蓋体16により封止されている開口部側に、採取針から供給される被検査溶液を一時的に蓄えるための空間を形成する。なお、本実施の形態3において、管状体30内の、上記隔壁34により形成される空間以外の部分の、少なくとも一部もしくは全ては、外力により変形可能な軟質材料で形成されてなる。
【0042】
以上のように構成された試験器具を用いた測定方法について説明する。
まず、採取針(図示せず)によって被検査溶液を、管状体30内の隔壁34内に供給し、一旦、隔壁34内に蓄え、測定装置27にセットする。なお、隔壁34により形成される空間は減圧状態に保ったままである。
【0043】
その後、測定装置27は、試験器具15がセットされたと同時に、管状体30の上から外力を加え、隔壁34を破壊する。隔壁34が破壊されると、被検査溶液が被検査溶液添加部11に供給され、展開層14に被検査溶液が展開される。この時、被検査溶液が標識試薬保持部12に達すると、標識試薬は溶出しながら、被検査溶液中に含まれる分析対象物と特異的に結合する。この結合物が試薬固定化部13において固定化され、また残りの標識試薬は、固定化されずに展開層14の下流側に流される。そして、被検査溶液の展開が終了すると、光学的手段により、該被検査溶液中の分析対象物の測定を行う。
【0044】
このような実施の形態3によれば、採取針を突き刺した試験器具15を、被検査溶液を採取するための場所、例えば、被検査者の皮膚に取り付けると同時に、被検査溶液を管状体30内に自動的に採取するようにしたので、検査者が被検査溶液に接触することなく測定が可能となる。
【0045】
また、その一部もしくは全てが外力により変形可能な軟質材料よりなる管状体30内の、隔壁34と蓋体16との間に形成された空間に一時的に被検査溶液を蓄えた後、該管状体30を測定装置27にセットすると同時に、外力により隔壁34を破壊して一時的に蓄えられている被検査溶液を試験片8に供給し、測定を行うようにしたので、検査者が被検査溶液に接触することなく測定が可能となり、また、測定装置27では被検査溶液が添加された時間が明確となり、測定の精度が向上される。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の試験器具によれば、一端が開放され、他端が閉塞された透明の管状体と、上記管状体に収納された、被検査溶液中の分析対象物を光学的に測定可能な試験片と、上記管状体内を減圧状態に保つよう、上記管状体の開放端を封止する、上記被検査溶液を採取する採取針を突き刺し可能な弾性材料よりなる蓋体と、を備えた試験器具において、上記試験片は、上記管状体内の空間を、上記被検査溶液が上記試験片に供給される空間と、上記試験片が反応を呈する空間とに隔てる支持体によって支持されていることより、採取針を採取したい場所に取り付けると同時に、被検査溶液を管状体内に自動的に供給することができ、その結果、検査者が被検査溶液に接触することなく測定することができ、また、試験片上の被検査溶液添加部以外の部位、特に、試験片の反応を呈する部位に、検査者が誤って被検査溶液を添加したり、被検査溶液の量が多い場合に試験片の反応を呈する部分まで飛び散るのを防止できる。
【0047】
本発明の請求項2に記載の試験器具によれば、請求項1に記載の試験器具において、上記管状体は、硬質材料で形成されてなることより、検査者が取り扱いしやすい試験器具を実現可能である。
【0048】
本発明の請求項3に記載の試験器具によれば、請求項1に記載の試験器具において、上記管状体内の開放端に取り付けられた蓋体により封止されている開口部側であって、上記支持体により隔てられた上記被検査溶液が上記試験片に供給される空間に、上記採取針から供給される被検査溶液を一時的に蓄えるための第1の空間を形成する隔壁を備え、上記管状体の上記第1の空間以外の部分の、少なくとも一部もしくは全ては、外力により変形可能な軟質材料で形成されてなり、上記第1の空間内のみを減圧状態に保ったまま、該第1の空間内に上記採取針を用いて上記被検査溶液を供給して一時的に蓄え、その後、上記管状体の外力による上記第1の空間の変形により上記隔壁が破壊され、上記被検査溶液が上記試験片に供給されるようにしたので、被検査溶液の量が多い場合に試験片の反応を呈する部分まで飛び散ってしまうのを防止するとともに、簡単に被検査溶液を試験片に添加することができ、検査者の操作性が向上する。
【0049】
本発明の請求項4に記載の試験器具によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の試験器具において、上記支持体は、上記管状体内で、上記試験片を中空で支持するようにしたので、試験片の管状体への接触を防ぐことができる。
【0051】
本発明の請求項5に記載の試験器具によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の試験器具において、上記試験片は、薄板状であり、上記管状体の上記試験片における反応を呈する部分に対応する部位は、上記試験片と平行な平面となるよう形成されたものであることより、測定精度を向上させることができる。
【0052】
本発明の請求項6に記載の試験器具によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の試験器具において、上記管状体の上記試験片における反応を呈する部分に対応する部位は、光学的に光ビームの形状を変形させるレンズ状であることより、測定装置に必要であったレンズを省略することができ、その結果、コストを削減できる。
【0053】
本発明の請求項7に記載の試験器具によれば、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の試験器具において、上記試験片を、イムノクロマトセンサで構成したので、血液検査等の免疫検査を行うことができる。
【0054】
本発明の請求項8に記載の試験器具によれば、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の試験器具において、上記試験器具は、試験毎に使い捨てるようにしたので、測定終了後の試験器具の洗浄、残血の処理等の検査者の手間を省略し、操作性が向上する。
【0055】
本発明の請求項9に記載の測定装置によれば、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の試験片における反応を光学的に読み取るようにしたので、検査者が被検査溶液に接触することなく、測定を行うことができる。
【0056】
本発明の請求項10に記載の測定装置によれば、請求項1に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の管状体のうち、試験片が反応を呈する空間に位置する試験片における反応を光学的に読み取るようにしたので、試験器具を測定装置にセットすると同時に、簡単に被検査溶液を試験片に添加可能であり、また、被検査溶液の添加時間が明確となり、測定精度が向上する。
【0057】
本発明の請求項11に記載の測定装置によれば、請求項3に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の管状体の、被検査溶液が試験片に供給される第1の空間を形成する部位に外力を与え、該管状体内の、一時的に上記被検査溶液を蓄えるための第1の空間を形成する隔壁を破壊し、該装着された試験器具のうち、試験片が反応を呈する空間に位置する試験片における反応を光学的に読み取るようにしたので、試験器具を測定装置にセットすると同時に、簡単に被検査溶液を試験片に添加可能であり、また、被検査溶液の添加時間が明確となり、測定精度が向上する。
【0058】
本発明の請求項12に記載の測定装置によれば、請求項10または請求項11に記載の測定装置において、上記管状体の閉塞端側から挿入するための、該管状体の外形形状に沿った挿入口を備えたことより、一方方向からのみ挿入可能で、誤挿入を防止することができる。
【0059】
本発明の請求項13に記載の測定装置によれば、請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の測定装置において、レーザにより上記管状体内の試験片における反応を光学的に読み取るようにしたので、レーザを用いて測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における試験器具と測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における測定装置の外観図である。
【図3】本発明の実施の形態2における試験器具の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態3における試験器具の構成図である。
【図5】従来のクロマトグラフィー試験装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 ランプ
2 反射板
3 回折格子
4 開口
5 ガラス板
6 参照光
7 第1の光電子増倍管
8 試験片
9 散乱光
10 第2の光電子増倍管
11 披検査溶液添加部
12 標識試薬保持部
13 試薬固定化部
14 展開層
15 試験器具
16 蓋体
17 半導体レーザ
18 コリメートレンズ
19 ビームスプリッタ
20 第1のフォトダイオード
21 シリンドリカルレンズ
22 第2のフォトダイオード
23、24 Log変換器
25 差動増幅器
26 吸光度信号
27 測定装置
28 表示器
29 挿入口
30 管状体
31 支持体
32 測定窓
33 矢印
34 隔壁
35 測定窓
Claims (13)
- 一端が開放され、他端が閉塞された透明の管状体と、
上記管状体に収納された、被検査溶液中の分析対象物を光学的に測定可能な試験片と、
上記管状体内を減圧状態に保つよう、上記管状体の開放端を封止する、上記被検査溶液を採取する採取針を突き刺し可能な弾性材料よりなる蓋体と、を備えた、試験器具において、
上記試験片は、上記管状体内の空間を、上記被検査溶液が上記試験片に供給される空間と、上記試験片が反応を呈する空間とに隔てる支持体によって支持されている、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1に記載の試験器具において、
上記管状体は、硬質材料で形成されてなる、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1に記載の試験器具において、
上記管状体内の開放端に取り付けられた蓋体により封止されている開口部側であって、上記支持体により隔てられた上記被検査溶液が上記試験片に供給される空間に、上記採取針から供給される被検査溶液を一時的に蓄えるための第1の空間を形成する隔壁を備え、
上記管状体の上記第1の空間以外の部分の、少なくとも一部もしくは全ては、外力により変形可能な軟質材料で形成されてなり、
上記第1の空間内のみを減圧状態に保ったまま、該第1の空間内に上記採取針を用いて上記被検査溶液を供給して一時的に蓄え、その後、上記管状体の外力による上記第1の空間の変形により上記隔壁が破壊され、上記被検査溶液が上記試験片に供給される、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の試験器具において、
上記支持体は、上記管状体内で、上記試験片を中空で支持する、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の試験器具において、
上記試験片は、薄板状であり、
上記管状体の上記試験片における反応を呈する部分に対応する部位は、上記試験片と平行な平面となるよう形成されたものである、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の試験器具において、
上記管状体の上記試験片における反応を呈する部分に対応する部位は、光学的に光ビームの形状を変形させるレンズ状である、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の試験器具において、
上記試験片を、イムノクロマトセンサで構成した、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の試験器具において、
上記試験器具は、試験毎に使い捨てるようにした、
ことを特徴とする試験器具。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の試験片における反応を光学的に読み取る、
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項1に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の管状体のうち、試験片が反応を呈する空間に位置する試験片における反応を光学的に読み取る、
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項3に記載の試験器具を装着し、該装着された試験器具の管状体の、被検査溶液が試験片に供給される第1の空間を形成する部位に外力を与え、該管状体内の、一時的に上記被検査溶液を蓄えるための第1の空間を形成する隔壁を破壊し、該装着された試験器具のうち、試験片が反応を呈する空間に位置する試験片における反応を光学的に読み取る、
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項10または請求項11に記載の測定装置において、
上記管状体の閉塞端側から挿入するための、該管状体の外形形状に沿った挿入口を備えた、
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の測定装置において、
レーザにより上記管状体内の試験片における反応を光学的に読み取るようにした、
ことを特徴とする測定装置。
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