JP3871476B2 - 流体混合システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類又はそれ以上の流体を同一の容器に吐出して混合させる流体混合システムに関し、特に流体の種類に応じた混合比率に従って適正な量の流体を吐出する流体混合システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
2種類又はそれ以上の流体を混合させる流体混合システムを利用したものには、ジュースなどの飲料を提供するための装置で、濃縮した原液であるシロップを冷水や炭酸水などの希釈水と混合する飲料供給装置が存在する。そして、こうした飲料供給装置に利用した流体混合システムが、特公平1−23400号公報に開示されている。
この流体混合システムは、シロップと希釈水とを所定の混合比で分与できるように、シロップを吐出するためのシロップバルブと、希釈水を吐出するための希釈水バルブとを有し、これらの開閉を制御するためのマイクロコンピュータを始めとする制御手段を備えている。
【0003】
2個のバルブは、同時点に循環的に開放され、シロップバルブは、定量のシロップが吐出されるまで開き続け、希釈水バルブは、所定の混合比を与えるだけの量を吐出させるのに必要な時間開き続ける。この混合比は、吐出されるシロップの種類に依存している。
具体的には、シロップ及び希釈水の流路上にシロップ流量計と希釈水流量計とがそれぞれ配管され、そこを通過する流体の流量に比例した周波数を持つパルス系列の形の速度信号がそれぞれ発信される。シロップ流量計及び希釈水流量計からの信号はマイクロプロセッサに受信され、そこで処理されて発信された駆動信号によってシロップバルブ及び希釈水バルブの開閉が制御される。
【0004】
ところで、供給する飲料は需要者の嗜好の多様化にともなって種類が増え、そのためシロップも数多くの種類が存在する。そして、そのような数多くの異なったシロップは、それぞれ固有の濃度や粘性を有している。
従来の流体混合システムは、こうした各シロップ毎の固有の情報を記憶した特性モジュールを有し、異なったシロップを使用する場合、シロップの変更の度に手動にて行うような装置の修正を不要なものとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の流体混合システムは、シロップの種類に対応する制御用コントローラが複雑になるなど装置自体が高価なものとなり、しかもオペレータが行う調整作業も煩雑で作業性の悪いものであった。
即ち、従来の流体混合システムは、前述したように流量計でシロップや希釈水の流量を計測するが、これは流量計を構成する水かき車の加減速を考慮して推定計算処理を行うものである。しかるに、シロップは種類によって粘性が異なることから、正確に流量を計測するためにはシロップ毎に粘性係数を予め入力しておく必要がある。また、そのような粘性係数データを有していても、シロップの粘性は温度の影響によって変化してしまうため、更に温度管理が必要になってくる。そのためには、シロップの温度を一定に保つことができるように構成するか、温度変化によって粘性が変化した場合に粘性係数データを補正する等の手段が必要になる。
【0006】
よって、従来の流体混合システムでは、吐出するシロップ流量の正確性に欠け、シロップと希釈水との混合比にばらつきが生じ、飲料の味が販売時の環境によって均一でなくなってしまうといった問題があった。
また、シロップ及び希釈水の流量を推定計算処理するため飲料の販売量にもばらつきがでてしまうことの他、同じ飲料を販売する場合でもシロップ吐出割合が一定でないため、飲料性能(泡立ち、カップ内の混ざり具合、炭酸のきき)が悪くなるといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題を解決すべく、シロップなどの流体流量を正確に検出して設定した量の流体を正確に吐出する流体混合システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の流体混合システムは、流量計によって流量を計測しながらその2次側に配管された弁の開閉を制御して、第1流体と第2流体を所定の混合比率で同一の容器に吐出して混合させるものであって、前記流量計は、流路の途中に形成された計測室内に、一対の噛合したギアが回転自在に軸支され、当該計測室内に流れ込んだ流体の流体圧によって回転して2次側へ流体を送り出すよう構成され、前記ギヤの回転を検出する検出センサを有するものであり、制御手段が、前記検出センサからの検出信号に基づいて流体の流量を算出して前記弁の開閉を制御するものであり、前記第1流体を前記容器に継続的に吐出し、前記第2流体を前記容器に断続的に吐出するときに、前記第2流体の一回分の吐出量を一定量とし、前記第2流体の最終回の吐出量を前記第2流体の総吐出量に基づいて補正した量とすることにより、前記第1流体と前記第2流体を所定の混合比率で混合した混同流体の総量を一定にすることを特徴とする。
よって、このような流体混合システムによれば、流量計を構成するギヤの回転数に比例して流量が流れるため、そのギヤの回転数を計測することによって正確な流量を検出することができ、設定した量の流体を正確に吐出することが可能である。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る流体混合システムの一実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態の流体混合システムは、前記従来例のものと同様にシロップを冷水や炭酸水などの希釈水と混合してジュースを作る飲料供給装置に利用したものである。図1は、本実施の形態の流体混合システムを示したシステムブロック図である。
飲料供給装置は、シロップに対し希釈水として炭酸水又は冷水とを吐出するものである。飲料供給装置には、通常4乃至5種類程度の飲料が提供できるようになっているが、説明を簡略にするために図面には便宜上1種類のシロップについてのみ図示する。また、希釈水には炭酸水や冷水の代わりに熱湯とし、ホット飲料を提供するものであってもよい。
【0011】
シロップを流すシロップ流路1、冷水を流す冷水流路2、更に炭酸水を流す炭酸水流路3には、それぞれシロップや冷水などを供給する上流側から順に流量計5,6,7と電磁弁9,10,11とが配管されている。そして、その流量計5,6,7及び電磁弁9,10,11には、バルブコントローラ20が接続され、そのバルブコントローラ20には、飲料供給装置全体を制御するメインコントローラ18が接続されている。
バルブコントローラ20にはマイコンが使用され、CPU21を中心に流量計5,6,7の信号を受信する入力部22、電磁弁9,10,11への開閉信号を送信する出力部23、CPU21の演算処理に必要なデータを一時記憶するための記憶部24、そしてメインコントローラ18とのデータのやりとりを行う動作通信部25から構成されている。
【0012】
次に、飲料供給装置に使用される流体混合システム中の飲料バルブについて説明する。ここで、図2は、飲料バルブを示した断面図である。飲料バルブ30は、流路の形成されたバルブボディ31に流量計26(図1に示す5,6,7)が形成され、電磁弁27(図1に示す9,10,11)が一体に設けられたものである。
バルブボディ31は、直方体形状のブロックであって、底面に開設された入力ポート33から側面に開設された出力ポート34までに流路が形成され、その流路の途中に流量計26(図1に示す5,6,7)が設けられている。流量計26は、出力ポート34の背面に位置するバルブボディ31側面に形成されている。図3は、流量計26の設けられた方向から飲料バルブ30を示した側面図である。バルブボディ31の当該側面には、入力ポート33側に連通する入力側流路35が下方に開設され、電磁弁27側(出力ポート34側)に連通する弁側流路36が上方に開設され、その間に挟まれるように流量計26が形成されている。
【0013】
流量計26は、入力側流路35と弁側流路36との開口部分の深さにまで計測室41が形成され、そこには噛み合った一対の楕円ギヤ42,43が組み込まれている。即ち、流量計26は、長円形の計測室41内に楕円ギヤ42,43が回転自在に軸支され、それらがギヤポンプの如く噛み合って計測室41内壁と最小の隙間を保ちながら回転するように構成された容積式流量計である。計測室41を囲むようにバルブボディ31に環状溝が形成され、そこにシール用のOリング44がはめ込まれている。そして、計測室41を塞ぐフタ45が、Oリング44を押し潰すようにしてバルブボディ31にネジ止めされている。
ここで図4は、図2に示した飲料バルブ30のA−A断面を示した図である。一方の楕円ギヤ42にはマグネット46が埋設され、またフタ45には磁気センサ47が埋設されている。従って、本実施の形態の流量計26は、楕円ギヤ42,43を介して流れる流体の流量を楕円ギヤ42の回転数をカウントして計測するものである。
【0014】
次に、計測室41から弁側流路36に入ったところには、フローワッシャ37が挿入され、フタ45を固定する際に押エ部材38によって押さえられて所定位置に挟み込まれている。このフローワッシャ37は、流量計26を通って流れる流体の圧力変動が大きい場合に流体流量を一定にするためのものであり、ノズルが中心に形成されたリング状の部材である。
弁流路36は、電磁弁27が装着された弁室51へと連通し、弁室51内に突設された弁座52の弁孔53を通って出力ポート34へと接続されている。電磁弁27は、下方に付勢されたプランジャ54が弁体55を保持し、そのプランジャ54が、通電されたコイル56によって磁化したコア57に吸着保持されるよう構成されている。
【0015】
次に、以上のような流体混合システムを利用した飲料供給装置は、次のようにして飲料の供給が行われる。先ず、シロップや希釈水は、飲料バルブ30を構成する流量計5,6,7(図2及び図3に示す流量計26)によって流量確認を行いながら、電磁弁9,10,11(図2及び図3に示す電磁弁27)の開閉がバルブコントローラ20によって制御される。そこで、先ず図2乃至図4に基づき、飲料バルブ30内のシロップや希釈水など、流体の流れについて説明する。
【0016】
入力ポート33から流入したシロップや希釈水(以下、まとめて「流体」とする)は、入力側流路35を通って計測室41へと流入し、計測室41へ流れ込んだ流体の流体圧によって一対の楕円ギヤ42,43が回転することとなる。計測室41内に流入した流体の流体圧は、楕円ギヤ42,43が例えば図3に示す回転位置の場合、縦長状態の楕円ギヤ42には回転軸の下方に左側から反時計方向へのみ作用し、横長状態の楕円ギヤ43には下方から回転軸の左右に同じように作用している。従って、噛み合った楕円ギヤ42,43には、図3に矢印で示すように回転が与えられ、流体が計測室41の壁面に沿って外回りで流れる。本実施の形態では、楕円形の楕円ギヤ42,43を使用しているため、例えば図3に示すように楕円ギヤ42と計測室41内壁との隙間を大きくすることができ、流体の送り量を大きくすることができる。
【0017】
計測室41を通った流体は、圧力変動が大きい場合にでもフローワッシャ37によって一定流量の流れとなって弁側流路36から弁室51へと流れ込み、弁室51内の流体は、電磁弁27の開閉によって出力ポート34から排出される。
電磁弁27は、コイル56への通電によりコア57が励磁されると、プランジャ54が下方への付勢力に抗してコア57へ吸引されて上昇し、これによって弁体55が弁座52から離間して弁が開けられる。そして、コイル56への通電が止められれば、プランジャ54が下方へ押し下げられ弁体55が弁座52へ当接して弁が閉じられる。
【0018】
この飲料バルブ30へ供給された流体は、電磁弁27の開閉によって吐出が調整され、電磁弁27が開けられた状態のとき楕円ギヤ42,43からなる容積式の流量計26を通って流れる。流量計26を流れる流体は、楕円ギヤ42,43の回転分だけ電磁弁27側へと送られ、その楕円ギヤ42,43の1回転当たりの流量は、予め計算によって算出し、又は実測によって確認が行われている。
従って、この流量計26では、磁気センサ47が楕円ギヤ42に埋設されたマグネット46を検出し、その検出信号が図1に示すバルブコントローラ20へ送信される。バルブコントローラ20では、その検出信号をカウントして楕円ギヤ42の回転数から飲料バルブ30を通る流体の流量を算出する。
【0019】
次に、この流体混合システムによって行う飲料の提供について説明する。ここで、図5は、流体混合システムの動作フローチャートを示した図であり、具体的には飲料(シロップと希釈水)の吐出ルーチンである。また、図6は、シロップと希釈水とを吐出する動作タイムチャートを示した図である。
飲料供給装置には、装置の表に飲料選択スイッチが設けられ、利用者が飲料の種類を選択してそのスイッチを押すと、飲料選択信号がメインコントローラ18に送信され、更にバルブコントローラ20へと伝えられる。そのため、バルブコントローラ20では、その飲料選択信号を入力部22が受け、CPU21からの制御信号が出力部23から該当するシロップと希釈水(例えば冷水)の電磁弁9,10へと送信され、その開閉が制御される。開閉制御は、記憶部24に記憶されたプログラムに従って図5に示す吐出ルーチンが実行される。
【0020】
そこで、先ず利用者による飲料選択スイッチのON状態が確認される(ステップ「S」1)。スイッチがOFF状態の場合には(S1:NO)その確認が繰り返され、利用者によってスイッチがON状態になると(S1:YES)、シロップと希釈水との所定時間当たりの流量(吐出量)が確認される。具体的には、前述したように楕円ギヤ42の回転数に比例した量のシロップや希釈水が流量計5,6を流れるため、磁気センサ47からの検出信号がカウントされ、そのカウント値を積算(S2,S3)して吐出量が算出される。
なお、今回は、選択された飲料のシロップと希釈水との混合比率が1対kで、飲料の総量がSであるものとして以下の説明を進める。
【0021】
本実施の形態の流体混合システムは、図6に示すようにシロップを断続的に吐出する方法をとったものである。そこで、その1回分の吐出量を任意の流量aとし、シロップの総吐出量S/(1+k)から吐出回数n+1が決定される。但し、n+1回目の吐出量は、流量aで総吐出量S/(1+k)が割り切れない場合にはS/(1+k)−naとなる。一方の希釈水は、単位時間当たりの流量を一定にして継続的に吐出される。
従って、シロップと希釈水は、両者の混合比率(1:k)から、図6に示すように流量kaの希釈水が吐出される度毎にシロップを流量a分だけ吐出することが繰り返され、最後に希釈水がkS/(1+k)−kna吐出される間にシロップがS/(1+k)−naだけ吐出される。
【0022】
そこで、シロップと希釈水(冷水)について流量計5,6からの検出信号がカウントされ(S2,S3)、希釈水の電磁弁10がバルブコントローラ20からの開信号によって開けられる(S4)。次いで、シロップの流量計5から送られる検出信号のカウント積算値によって、吐出量がa未満であるか否かが確認される(S5)。まだ、この段階ではシロップの電磁弁9が開いていないためシロップの吐出量はa未満であり(S5:YES)、次にシロップの総吐出量がS/(1+k)に達したか否かが確認される(S6)。この段階でも、まだシロップは流れていない(S6:YES)。そして、シロップの電磁弁9が開けられる(S7)。
【0023】
次いで、希釈水の流量計6から送られる検出信号のカウント積算値によって、吐出量がka以上であるか否かが確認される(S8)。希釈水がkaに以上流れていない場合には(S8:NO)、再びS2〜S7が繰り返される。そして、図6に示すように、希釈水が流量計6をka分流れて吐出される間にシロップの吐出量がaに達したところで(S5:NO)、シロップの電磁弁9が閉じられる(S9)。そうした状態で、希釈水がkaに達しない場合には(S8:NO)、S2〜S5及びS9が繰り返され、シロップの吐出が停止した状態で希釈水だけが吐出される。
そして、希釈水がka分だけ吐出したところで(S8:YES)、これまで流量計5で計測したシロップのカウント値から流量aに相当するカウント値の差が求められる(S10)。これは、シロップの吐出量がaになったタイミングで電磁弁9を閉じた場合でも、慣性によってa以上の流量のシロップが流れて吐出してしまうことがあるため、aを超える余分な流量分のカウント値を次の積算値に加えるようにするためである。
【0024】
一方、希釈水の場合には、その吐出量がkaになった場合に電磁弁10を閉じることはせずに継続して流し続けるため、流量計6によって流量をkaまで計測した時点でカウント値をリセットする(S11)。そして、リセットしたカウント値とは別の希釈水の総カウント値が、吐出する希釈水の総量kS/(1+k)に達しているか否かを確認する(S12)。
そこで、まだ希釈水の総吐出量がkS/(1+k)になっていない場合には(S12:NO)、S2〜S12が繰り返される。即ち、図6に示すように希釈水が流量ka分吐出する間に、シロップが流量aだけ吐出することが所定回数(n回)繰り返される。但し、2回目以降のシロップの吐出量は、前回のオーバーカウントした分(S10で求めた値)をaからマイナスした流量である。
【0025】
そして、図6に示すようにn+1回目のシロップの吐出時に、そのシロップの総吐出量がS/(1+k)に達すれば(S6:NO)、S/(1+k)−na分のシロップを吐出した時点でバルブ9が閉じられる(S13)。
一方、希釈水はその後も流れ続け、総吐出量がkS/(1+k)に達したか否かが確認され(S12)、S2〜S6及びS13が繰り返される。そして、希釈水の総吐出量がkS/(1+k)に達したところで(S12:YES)、希釈水の電磁弁10が閉じられ(S14)、希釈水のカウント値がリセットされて(S15)、次の飲料選択スイッチからの信号入力の待機状態となる(S1)。
【0026】
よって、このような流体混合システムを利用した飲料提供装置によれば、不図示のノズルから吐出されたシロップと希釈水とが一つのカップに吐出され、その中で混ぜ合わされて利用者が選択した飲料が作られる。この流体混合システムでは、希釈水に比べて少量のシロップを断続的に吐出するようにしたため(図6参照)、上層下層の別なくシロップが希釈水と均等に混ぜ合わされ、カップ内の全体で均一な味の飲料を提供することができるようになった。従って、カップの上層部分の味が薄くなるような不都合はない。
【0027】
また、本実施の形態の流体混合システムは、流量計5,6,7によって流量を計測しながらシロップや希釈水の吐出を制御するが、これら流量計5,6,7に容積式の流量計26を採用したので、正確な流量制御が可能となった。これは、シロップなどの流体の粘性に関係なく楕円ギヤ42,43の回転数に比例した流量の流体が流量計26を流れるため、磁気センサ47からの検知信号をカウントすれば正確な流量を算出することができるからである。
従って、カウント値と流量との対応が一定であるため、流量計26からの流量データに基づいて電磁弁27(9,10,11)を開閉制御する制御回路(バルブコントローラ20)も簡易な構成のもので済むようになった。また、これは制御が単純になるため、オペレータが行う操作も容易なものとなり、操作性の良いものとなった。
【0028】
前述した飲料供給装置は、冷水に水道水を利用し、その水道圧によって直接飲料バルブ30側へ供給するのに対して、炭酸水やシロップはガス圧などで圧送するようにしている。このような場合、安定したガス圧に対して水道圧は圧力変動が生じやすいので、流量計26で正確な流量計測を行っても吐出流量が不均一になるために正確な希釈比率にならないことが生じ得る。しかし、飲料混合システムを構成する飲料バルブ30にフローワッシャ37を設けたので、流量を一定にした吐出を行うことができ、それに伴って希釈比率を正確にすることが可能となった。また、フローワッシャ37を設けたことで流速や圧力変化が少なくなり、炭酸水中の炭酸が気化分離するのを抑えることができ、炭酸の利きが良い炭酸飲料を提供することができるようになった。
また、シロップの種類を交換する場合には、飲料バルブ30の流路内に洗浄液を流し込んで洗い流すが、この飲料バルブ30に形成した流量計26は、入力側流路35から弁側流路36への途中の計測室41内に滞留部がないため、シロップが残ることなく洗い流され、洗浄効果が良くなった。
【0029】
なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施の形態では、流体混合システムを飲料供給装置に利用した場合を説明したが、飲料供給装置以外の装置に利用してもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、流量計によって流量を計測しながらその2次側に配管された弁の開閉を制御して、第1流体と第2流体を所定の混合比率で同一の容器に吐出して混合させるものであって、流量計は、流路の途中に形成された計測室内に、一対の噛合したギアが回転自在に軸支され、当該計測室内に流れ込んだ流体の流体圧によって回転して2次側へ流体を送り出すよう構成され、ギヤの回転を検出する検出センサを有するものであり、制御手段が、検出センサからの検出信号に基づいて流体の流量を算出して前記弁の開閉を制御するようにしたものであり、第1流体を前記容器に継続的に吐出し、前記第2流体を前記容器に断続的に吐出するときに、前記第2流体の一回分の吐出量を一定量とし、前記第2流体の最終回の吐出量を前記第2流体の総吐出量に基づいて補正した量とすることにより、前記第1流体と前記第2流体を所定の混合比率で混合した混同流体の総量を一定にするので、シロップなどの流体流量を正確に検出して設定した量の流体を正確に吐出する流体混合システムを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る流体混合システムの一実施の形態を示したシステムブロック図である。
【図2】 流体混合システムを構成する飲料バルブを示した断面図である。
【図3】 流体混合システムを構成する飲料バルブを流量計26の設けられた方向から示した側面図である。
【図4】 図2に示した飲料バルブ30のA−A断面を示した図である。
【図5】 流体混合システムの動作フローチャートを示した図である。
【図6】 シロップと希釈水とを吐出する動作タイムチャートを示した図である。
【符号の説明】
18 メインコントローラ
20 バルブコントローラ
21 CPU
22 入力部
23 出力部
24 記憶部
25 動作通信部
26(5,6,7) 流量計
27(9,10,11) 電磁弁
30 飲料バルブ
37 フローワッシャ
41 計測室
42,43 楕円ギヤ
47 磁気センサ
Claims (2)
- 流量計によって流量を計測しながらその2次側に配管された弁の開閉を制御して、第1流体と第2流体を所定の混合比率で同一の容器に吐出して混合させる流体混合システムにおいて、
前記流量計は、流路の途中に形成された計測室内に、一対の噛合したギアが回転自在に軸支され、当該計測室内に流れ込んだ流体の流体圧によって回転して2次側へ流体を送り出すよう構成され、前記ギヤの回転を検出する検出センサを有するものであって、制御手段が、前記検出センサからの検出信号に基づいて流体の流量を算出して前記弁の開閉を制御するものであり、
前記第1流体を前記容器に継続的に吐出し、前記第2流体を前記容器に断続的に吐出するときに、前記第2流体の一回分の吐出量を一定量とし、前記第2流体の最終回の吐出量を前記第2流体の総吐出量に基づいて補正した量とすることにより、前記第1流体と前記第2流体を所定の混合比率で混合した混同流体の総量を一定にすることを特徴とする流体混合システム。 - 請求項1に記載の流体混合システムにおいて、
2回目以降の前記第2流体の吐出量を、直前の回に前記一定量をオーバーした分だけマイナスした流量にすることを特徴とする流体混合システム。
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