JP3870956B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動モータの回転力を利用して操舵系に操舵補助トルクを付与する電動式パワーステアリング装置に関し、特に、高出力が可能で且つ信頼性も向上するようにしたものである。
従来の電動式パワーステアリング装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
即ち、この従来の電動式パワーステアリング装置は、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラック軸に、電動モータの回転力をボールナット機構を介して伝達するように構成されていて、電動モータは、ラック軸の外側に同軸状に配設されている。また、電動モータは筒状のロータを有し、そのロータの両端部が軸受を介してハウジング内に回転自在に支持され、そのロータにボールナット機構が一体的に設けられていて、そのボールナット機構とピニオン背面側に設けられるガイドとによって、ラック軸は軸方向に摺動自在となっている。そして、このような構成であれば、ラック軸の支持箇所が2か所となるから、ボールナット機構やラックピニオン機構等の抉りやフリクションの発生が少なくなって操舵感覚が向上する、というものであった。
特開平7−165089号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の電動式パワーステアリング装置にあっては、電動モータを駆動するための駆動回路等がモータ外部に設けられていたため、電動モータの励磁コイルと駆動回路とを接続するためにハーネスやコネクタ等が必要となるが、電動モータの励磁コイルに電流I1 が流れると、ハーネスやコネクタ等の抵抗R1 によって電圧降下I1 ×R1 が生じてしまい、それだけ励磁コイルへの印加電圧が低下して電動モータの回転出力が低下することになる。つまり、モータケース外部に駆動回路を配設する従来の構成では、ハーネスを短くすることができないし、コネクタも省略できないから、回転出力の低下を容易に回避できないという欠点があった。
また、上記従来の電動式パワーステアリング装置では、給電用のブラシを有する形式の電動モータを利用しているため、ブラシの磨耗等が問題となる。なお、ブラシの磨耗問題をなくすために、給電用のブラシを有しないブラシレスモータを電動式パワーステアリング装置に用いることが考えられるが、その場合でも、従来のブラシレスモータは、電動モータの駆動回路等がモータ外部に設けられていたため、励磁コイルへの印加電圧が低下して電動モータの回転出力が低下するという欠点がある。しかも、ブラシレスモータは、ロータの回転位置を検出するためにホール素子等からなる位置検出センサを電動モータ内に設ける必要があるから、駆動回路がモータ外部にあると、位置検出センサの出力信号をモータ外部の駆動回路に送ることになるが、これでは、通常は微小電力であるため外乱に弱い位置検出センサの出力信号を、比較的長い信号線を介して駆動回路に供給しなければならず、信頼性の点で問題となる。
本発明は、このような従来の電動式パワーステアリング装置における未解決の課題に着目してなされたものであって、高出力が可能で且つ信頼性に優れた電動式パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、操舵系に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記操舵系に操舵補助トルクを付与可能な電動モータと、前記操舵トルクが低減するように前記トルクセンサの検出結果に応じて前記電動モータを駆動さ
せる制御手段と、を備え前記電動モータとして、外周面にS極及びN極が周方向に交互に且つ等間隔に着磁された回転自在のロータと、このロータを包囲する複数相の励磁コイルを有するステータと、前記ロータの回転位置を検出する位置検出センサと、これらロータ,ステータ及び位置検出センサを収容するモータケースと、前記位置検出センサの出力に応じて前記励磁コイルに電流を供給するモータ駆動回路と、を備えたブラシレスモータを用いるとともに、前記ロータを中空の円筒状とし且つ前記操舵系の進退軸と同軸に配設し、前記モータケースを前記進退軸用のハウジングと兼用とし、前記ロータの回転力を軸方向の進退力に変換して前記進退軸に伝達するボールナット機構を設けた電動式パワーステアリング装置において、前記ハウジング内面のうち前記軸方向に平行な方向を向く所定面との間に空間を形成するように、前記ハウジング内の前記所定面近傍に基板を配設し、前記所定面上に、前記モータ駆動回路を構成するパワー素子を、それを貫通するビスにより固定し、前記基板に、前記ビス用の治具を差し込むための孔を形成した。
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明である電動式パワーステアリング装置において、前記パワー素子を複数個備え、各パワー素子は個別にそれを貫通するビスにより固定され、前記ビス用の治具を差し込むための孔は、前記ビスの各位置に対応して複数形成した
そして、請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に係る発明である電動式パワーステアリング装置において、前記ハウジングは、肉厚の円筒部と、この肉厚の円筒部の外周面に一端がかしめ止めされた肉薄の円筒部と、を備え、前記所定面は、前記肉厚の円筒部の前記軸方向に平行な方向を向く面とした。
本発明に係る電動式パワーステアリング装置によれば、モータケースと兼用の進退軸用のハウジング内面のうち軸方向に平行な方向を向く所定面との間に空間を形成するように、ハウジング内の所定面近傍に基板を配設し、所定面上に、モータ駆動回路を構成するパワー素子を、それを貫通するビスにより固定し、基板に、ビス用の治具を差し込むための孔を形成したため、容易にドライバ等の治具を差し込むことができ、組立時の作業性向上にとって有利であるという効果がある。
また、電動モータとしてブラシレスモータを用いるとともに、モータ駆動回路を、モータケースと兼用の進退軸用のハウジング内に配設したため、高出力が可能で且つ信頼性も向上するという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図4は本発明の一実施の形態を示す図であり、図1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置1の全体構成を表した断面図である。
即ち、本実施の形態における電動式パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2の回転力が、アッパステアリングシャフト3A及び自在継手3Bを介してロアステアリングシャフト3Cに伝達されるようになっていて、このロアステアリングシャフト3Cの下端側は、ステアリングギアボックス4内に挿入され、そのステアリングギアボックス4内に挿入されたロアステアリングシャフト3Cには図示しないピニオンが形成されている。
そして、ステアリングギアボックス4を、車幅方向に延びるラック軸5が左右に貫通していて、ロアステアリングシャフト3Cのピニオンとラック軸5のラックとが噛み合っている。また、ラック軸5の左右に延びる両端部には、ボールジョイント6A,6Bを介してタイロッド7A,7Bが連結され、タイロッド7A,7Bの図示しない外端側は、図示しない転舵輪を回転自在に支持するナックルに、転舵力伝達可能に結合されている。なお、ラック軸5の両端部とタイロッド7A,7Bとの間には、それぞれダストブーツ5A,5Bが外嵌していて、これにより、ステアリングギアボックス4内やハウジング9内にゴミ等が入り込むことを防止している。
ラック軸5は、図示しない車体にブラケット8A,8Bを介して固定された円筒状のハ
ウジング9内を挿通している。具体的には、ハウジング9は、ステアリングギアボックス4に近い側から、そのステアリングギアボックス4に結合した連結部9Aと、比較的肉厚の円筒部9Bと、この円筒部9Bの外周面にかしめ止めされた比較的肉薄の円筒部9Cと、この円筒部9Cの端部に螺合して固定される予圧部材9Dとから構成されていて、連結部9A,予圧部材9Dのそれぞれがブラケット8A,8Bを介して車体に固定されている。
これらのうち、比較的肉薄の円筒部9Cは、円筒部9Bに固定されて比較的長く軸方向に延びる大径部9aと、予圧部材9Dが螺合される小径部9bと、大径部9a及び小径部9b間を連結するテーパ部9cとから構成されている。そして、ハウジング9の内側には、ラック軸5を非接触に且つ同軸に包囲するように円筒状の回転軸10Aが配設され、この回転軸10A外周面には円筒状の永久磁石10Bが固定されている。この永久磁石10Bは、S極及びN極が周方向に交互に且つ等間隔に着磁された磁石であって、これら回転軸10A及び永久磁石10Bによって回転自在のロータ10が構成されている。
回転軸10Aの予圧部材9D側端部には、ボールナット11が回転方向に一体に固定され、ラック軸5のラックが形成されている部分以外の部分にはボールネジ12が形成され、それらボールナット11及びボールネジ12間には複数のボール13が介在していて、これにより、ボールナット機構が構成されている。
そして、回転軸10Aの連結部9A側端部外周面と円筒部9B内周面との間に軸受14Aが配設され、ボールナット11の外周面と小径部9b内周面との間に軸受14Bが配設されていて、これによりロータ10及びボールナット11がハウジング9内に回転自在に支持されている。なお、回転軸10Aには、軸受14A内輪の軸受14B側を向く端面に当接するリング状の凸部10aが形成されるとともに、軸受14A外輪の連結部9A側を向く端面は円筒部9Bの段差部に当接するようになっている。これに対し、ボールナット11には、軸受14B内輪の軸受14A側を向く端面が当接する段差部が形成され、軸受14B外輪のボールジョイント6B側を向く端面には、予圧部材9Dの端面が当接するようになっている。従って、予圧部材9Dを小径部9bに螺合させることにより発生する軸方向の力は、軸受14B外輪,軸受14B転動体,軸受14B内輪,ボールナット11,回転軸10A,凸部10a,軸受14A内輪,軸受14A転動体及び軸受14A外輪を介して円筒部9Bに伝達するようになっており、これにより軸受14A,14Bに適宜予圧を付与することができる。なお、小径部9bには、予圧部材9Dに続けてリング状の固定ネジ15が螺合するようになっていて、これにより予圧部材9Dが緩むことが防止されている。
また、ボールナット11は、回転は自在であるが、予圧部材9Dによって付与される軸受14A,14B間の予圧により軸方向には変位不可能となっているため、ボールナット11に生じた回転力は、ボール13及びボールネジ12によって進退力に変換されてラック軸5に伝達するようになっている。
一方、大径部9aの内周面にはコア16Aが固定され、このコア16Aには永久磁石10Bを包囲するように3相の励磁コイル16Bが巻き付けられていて、これらコア16A及び励磁コイル16Bによって、ステータ16が構成されている。また、回転軸10Aの永久磁石10Bが固定された部分よりも軸受14A側の部位には、永久磁石10Bと同様にS極及びN極が周方向に交互に且つ等間隔に着磁されたリング状の位相検出用の永久磁石17が固定されている。
さらに、ハウジング9内には、永久磁石17の軸受14A側の面に近接するように円形の基板18が固定されている。具体的には、図1の要部拡大図である図2に示すように、基板18は、円筒部9Bに螺合するネジ18aによってその円筒部9Bに固定されている。ネジ18aは実際には周方向に複数設けられるとともに、各ネジ18aはカラー18b
で包囲されていて、カラー18bが基板18及び円筒部9B間に挟まれることにより、基板18の軸受14A側に空間が形成されるようにしている。そして、基板18には、例えばホール素子等からなる位相検出用の検出素子19が固定されている。なお、実際には検出素子19は、励磁コイル16Bの相数に対応して周方向に等間隔に3個設けられているが、図2は断面図であるため、その内の一つのみを示している。
図3は、励磁コイル16Bをa相,b相及びc相の3相とした場合における回路図であって、この例では、スター結線されている励磁コイル16Bのa〜c相のそれぞれの外端側が、モータ駆動回路20に接続されている。また、励磁コイル16Bの相数に対応して、位置検出センサとしての三つの位相検出用の検出素子19が設けられていて、各検出素子19の出力もモータ駆動回路20に供給されるようになっている。
モータ駆動回路20は、大電力用素子であるパワー素子としての六つの電界効果型トランジスタTa1〜Tc2で構成されたFET回路21を有し、このFET回路21は、電源供給側とGND側との間を三つの並列ラインを介して接続していて、各ラインには、電界効果型トランジスタが二つずつ(Ta1とTa2,Tb1とTb2,Tc1とTc2)直列に配設されている。そして、電界効果型トランジスタTa1及びTa2間が励磁コイル16Bのa相の外端側に接続され、電界効果型トランジスタTb1及びTb2間が励磁コイル16Bのb相の外端側に接続され、電界効果型トランジスタTc1及びTc2間が励磁コイル16Bのc相の外端側に接続されている。つまり、各電界効果型トランジスタTa1〜Tc2のオン・オフ状態によって、励磁コイル16Bのa〜c相のそれぞれに所定の方向の電流が適宜流れるようになっている。
また、モータ駆動回路20は、電界効果型トランジスタTa1〜Tc2のゲートに適宜電圧を印加してそれらのオン・オフ状態を制御するFETゲート駆動回路22と、検出素子19の出力を受けてロータ10の回転位置を検出しその検出結果をFETゲート駆動回路22に供給するロータ位置検出回路23と、FET回路21及びGND間に介在してこのFET回路21を流れる励磁コイル16Bを流れる電流を検出する電流検出回路24と、を有している。
さらに、モータ駆動回路20とは別に、電動式パワーステアリング装置における操舵補助トルク制御を実行するコントローラ30が備えられ、このコントローラ30には、図1に示すように、ロアステアリングシャフト3Cに設けられたトルクセンサ31からトルク検出信号が供給されるようになっており、コントローラ30は、そのトルク検出信号に基づいて操舵系に発生している操舵トルクを確認し、その操舵トルクが軽減されるような操舵補助トルクが操舵系に発生するように、モータ駆動回路20のFETゲート駆動回路22に対して制御信号を出力するようになっている。
つまり、コントローラ30は、FETゲート駆動回路22に対し、必要な操舵補助トルクの回転方向及び大きさに応じて制御信号を出力するようになっていて、FETゲート駆動回路22は、コントローラ30から供給される制御信号に応じた操舵補助トルクが操舵系に発生するように、FET回路21の電界効果型トランジスタTa1〜Tc2のゲートに適宜電圧を印加するようになっている。この場合、FETゲート駆動回路22は、ロータ位置検出回路23の検出結果からロータ10の回転位置を確認し、その回転位置に見合った励磁コイル16Bのa〜c相に適宜電流が流れるように、FET回路21の電界効果型トランジスタTa1〜Tc2のゲートに電圧を印加するようになっている。なお、コントローラ30は、電流検出回路24の検出結果に基づいて操舵補助トルクの発生状態を確認するようになっている。
そして、モータ駆動回路20を構成するFET回路21,FETゲート駆動回路22,
ロータ位置検出回路23及び電流検出回路24を、ハウジング9内に配設している。
具体的には、図2に示すように、パワー素子としての電界効果型トランジスタTa1〜Tc2を収容したケース21Aは、円筒部9B内面のうち、ラック5の軸方向に平行な方向を向く面(基板18側を向く面)上に固定されるとともに、FETゲート駆動回路22,ロータ位置検出回路23及び電流検出回路24のそれぞれは、検出素子19とともに、基板18上に固定されている。つまり、モータ駆動回路20のうち、比較的熱に弱い電界効果型トランジスタTa1〜Tc2から構成されたFET回路21は、体積が大きいためヒートシンクとして利用できる放熱性の良い円筒部9B上に固定し、他の回路22〜24は、基板18上に固定しているのである。
なお、FET回路21を収容したケース21Aは各電界効果型トランジスタTa1〜Tc2毎に六つ備えられ、各ケース21Aは、図4に示すように、回転軸10Aを中心として放射状に配設されていて、これにより、基板18及び円筒部9B間に形成されるリング状の空間に、効率良くケース21Aを収納できるようにしている。また、各ケース21Aは、図2に示すように、それを貫通するビス21Bによって円筒部9Bに固定されているが、基板18には、ビス21Bを締め付ける際に治具の差し込みを可能とするために、ケース21Aの固定位置に対応して複数の孔18cが形成されている。なお、図4中、21Cは各ケース21Aに形成されたビス21B貫通用の孔であり、32はネジ18a締結用のネジ孔である。
ここで、本実施の形態では、ステアリングホイール2,アッパステアリングシャフト3A,自在継手3B,ロアステアリングシャフト3C,ラック軸5,ボールジョイント6A,6B,タイロッド7A,7B及び図示しないナックルによって操舵系が構成され、ラック軸5が進退軸に対応し、コントローラ30が制御手段に対応し、ロータ10,ステータ16,検出素子19,モータ駆動回路20及びハウジング9によってブラシレスモータ1Aが構成されている。従って、本実施の形態では、ラック軸5のハウジング9は、ブラシレスモータ1Aのモータケースと兼用されている。
そして、上記のような構成であると、運転者がステアリングホイール2を操舵することにより発生した操舵力は、アッパステアリングシャフト3A,自在継手3B及びロアステアリングシャフト3Cを介してラック軸5に伝達され、ここでラックピニオン機構により進退力に変換され、ラック軸5の両端に連結されたタイロッド7A,7Bが左右に進退してナックルに転舵力が発生し、転舵輪が転舵される。
また、このような操舵の際にステアリングホイール2を操舵してロアステアリングシャフト3Cに回転力が生じると、トルクセンサ31を構成する例えばトーションバー4に、転舵輪及び路面間の摩擦力やラックピニオン機構のギアの噛み合い等の摩擦力に応じた捩じれが生じるため、それが操舵トルクとして検出されトルク検出信号としてコントローラ30に供給される。
すると、コントローラ30は、供給されたトルク検出信号に応じて、操舵系の操舵トルクが低減するようにモータ駆動回路20に指令信号を出力するから、ブラシレスモータ1Aのボールナット11に、操舵系に発生している操舵トルクの方向及び大きさに応じた回転力が発生する。さらに、ボールナット11に発生した回転力は、ボール13及びボールネジ12によってラック軸5の進退力に変換されるから、ラック軸5に操舵補助トルクが付与されたことになり、操舵トルクが減少し、操縦者の負担が軽減される。
一方、操舵補助トルクが発生している際の励磁コイル16Bからは、これに流れる電流とその抵抗とに比例した発熱があり、その発熱は励磁コイル16Bから周囲の各部材に伝わり、最終的にはハウジング9表面から外部に放射されるが、本実施の形態のように電動
式パワーステアリング装置の動力源として用いられているブラシレスモータ1Aにあっては、その励磁コイル16Bには操舵補助トルクが必要な時にのみ電流が流れるため、常時励磁コイルに電流が流れるブラシレスモータとは異なり、励磁コイル16Bからの発熱は散発的に発生する。従って、モータ駆動回路20をハウジング9内に設けても、ヒートシンクとして機能する体積の大きな円筒部9BにFET回路21を固定するような工夫をするだけでモータ駆動回路20の温度上昇を効果的に抑制することができ、モータ駆動回路20の温度上昇による故障等は防止できる。
そして、モータ駆動回路20がハウジング9内に設けられていれば、励磁コイル16Bとモータ駆動回路20との間を接続するためのハーネスが極短くて済むようになるし、コネクタも不要になるから、励磁コイル16B以外での電圧降下を僅かに抑えることができる。このため、電源側の電力を効率よく励磁コイル16Bに供給することができるから、ブラシレスモータ1Aの回転出力を向上させて電動式パワーステアリング装置1の高出力が達成されるのである。
特に、本実施の形態のように、基板18上に、検出素子19とともに、FETゲート駆動回路22,ロータ位置検出回路23及び電流検出回路24を配設すれば、検出素子19,ロータ位置検出回路23及びFETゲート駆動回路22を極めて近接して配設することができ、基板18上の配線だけでそれらの間の信号の送信が可能となるから、外乱に強くなるし、しかもコネクタの接触不良や信号線の断線の可能性も極めて小さくなるので、電動式パワーステアリング装置1の信頼性も向上するのである。
さらに、本実施の形態では、モータ駆動回路20をハウジング9内に設けるにあたっても、FET回路21以外の回路は、基板18上に固定するとともに、基板18と円筒部9Bとの間にリング状の空間を設け、その空間内に効率良くFET回路21を収容したケース21Aを配設しているため、ハウジング9内に大きなスペースを新たに確保する必要がなく、スペース的な余裕の小さい車両用の電動式パワーステアリング装置1にとって非常に有益である。
しかも、ケース21Aを、円筒部9B内面のうち、ラック5の軸方向に平行な方向を向く面上に固定しているため、ビス21Bをラック軸5に平行にすることができ、そのビス21Bを締結する際に、例えば基板18に孔18cを形成しておくだけで容易にドライバ等の治具を差し込むことができ、組立時の作業性向上にとって有利である。これに対し、ケース21Aを円筒部9Bや9Cの内周面に固定してしまうと、固定用のビスがラック軸5に対して直交する方向を向くから、ケース21Aの固定作業が面倒になるという不具合があるのである。
なお、上述したように電動式パワーステアリング装置1におけるブラシレスモータ1Aの励磁コイル16Bからの発熱は散発的に発生することから、特に図示はしないが、励磁コイル16Bとモータ駆動回路との間を遮るように、伝熱性の良い鉄製の遮熱板をハウジング9内に固定すれば、励磁コイル16Bで発生した熱の一部がモータ駆動回路側に伝わる前に遮熱板を介してハウジング9外面から放熱されるから、ヒートシンクとして機能する円筒部9Bによる放熱効果と相まって、FET回路21等のモータ駆動回路の温度上昇をより効果的に抑制できるようになる。
また、回転軸10とボールナット11とは別部材でなくてもよく、例えば回転軸10の端部にボールナットを形成するようにしてもよい。そして、上記実施の形態では、励磁コイル16Bを3相としているが、これに限定されるものではなく、例えば4相や5相であってもよい。
本発明の一実施の形態の全体構成を示す断面図である。 図1の要部拡大図である。 ブラシレスモータの回路図である。 FET回路の配置関係の説明図である。
符号の説明
1 電動式パワーステアリング装置
1A ブラシレスモータ
2 ステアリングホイール
3A アッパステアリングシャフト
3B 自在継手
3C ロアステアリングシャフト
5 ラック軸(進退軸)
6A,6B ボールジョイント
7A,7B タイロッド
9 ハウジング
10 ロータ
10 A回転軸
10 B永久磁石
11 ボールナット
12 ネジ軸
13 ボール
14A,14B 軸受
16 ステータ
16A コア
16B 励磁コイル
18 基板
19 検出素子(位置検出センサ)
20 モータ駆動回路
21 FET回路
21A ケース
22 FETゲート駆動回路
23 ロータ位置検出回路
24 電流検出回路
30 コントローラ(制御手段)
31 トルクセンサ
Ta1〜Tc2 電界効果型トランジスタ(パワー素子)

Claims (3)

  1. 操舵系に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記操舵系に操舵補助トルクを付与可能な電動モータと、前記操舵トルクが低減するように前記トルクセンサの検出結果に応じて前記電動モータを駆動させる制御手段と、を備え
    前記電動モータとして、外周面にS極及びN極が周方向に交互に且つ等間隔に着磁された回転自在のロータと、このロータを包囲する複数相の励磁コイルを有するステータと、前記ロータの回転位置を検出する位置検出センサと、これらロータ,ステータ及び位置検出センサを収容するモータケースと、前記位置検出センサの出力に応じて前記励磁コイルに電流を供給するモータ駆動回路と、を備えたブラシレスモータを用いるとともに、前記ロータを中空の円筒状とし且つ前記操舵系の進退軸と同軸に配設し、前記モータケースを前記進退軸用のハウジングと兼用とし、前記ロータの回転力を軸方向の進退力に変換して前記進退軸に伝達するボールナット機構を設けた電動式パワーステアリング装置において、
    前記ハウジング内面のうち前記軸方向に平行な方向を向く所定面との間に空間を形成するように、前記ハウジング内の前記所定面近傍に基板を配設し、前記所定面上に、前記モータ駆動回路を構成するパワー素子を、それを貫通するビスにより固定し、前記基板に、前記ビス用の治具を差し込むための孔を形成したことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 前記パワー素子を複数個備え、各パワー素子は個別にそれを貫通するビスにより固定され、前記ビス用の治具を差し込むための孔は、前記ビスの各位置に対応して複数形成した請求項1記載の電動式パワーステアリング装置。
  3. 前記ハウジングは、肉厚の円筒部と、この肉厚の円筒部の外周面に一端がかしめ止めされた肉薄の円筒部と、を備え、前記所定面は、前記肉厚の円筒部の前記軸方向に平行な方向を向く面である請求項1又は請求項2記載の電動式パワーステアリング装置。
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