JP3870746B2 - Method for producing thermoplastic resin sheet - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、品質良好な熱可塑性樹脂シートを安価に生産性よく製造する熱可塑性樹脂シートの製造方法であり、高速製膜にも好適な熱可塑性樹脂シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂シートの製造方法としては、例えばブロッキング防止剤として無機粒子を含有した熱可塑性樹脂を溶融押出しし、静電印加キャスト法によって溶融シートを回転冷却体に密着させて冷却して非晶質の未配向シートを得、該シートを1軸または2軸方向に延伸処理する方法が一般に採られている。この一連のシート製造工程のなかでも、特に溶融シートを冷却固化させて非晶質の未配向シートを得るキャスティング工程はシートの品質や製膜速度を決定づける重要な工程である。
【0003】
例えばポリエステル樹脂シートの場合では、溶融シートと冷却媒体との静電密着力の限界から、結晶性の低い、透明で表面平滑なシートが得られる最高速度は、60m/分程度より速くすることが出来ず、ポリアミド樹脂シートの場合も同様に50m/分程度よりも速くすることができず生産性向上に限度があった。
【0004】
そこで、静電印加キャスト法において、溶融シートと回転冷却体との密着性を向上させて冷却速度を高めるために、例えばポリエステル樹脂では溶融時の体積比抵抗を低下させる手法が種々提案されている。例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を含有させることで樹脂の溶融時の体積比抵抗を低下させてキャスティング速度を向上させる方法が特公昭53−40231号公報で提案され、また、スルホン酸4級ホスホニウム塩を含有させてキャスティング速度を向上させる方法が特公平7−5765号公報で提案されている。
【0005】
さらに特公昭48−14784号公報および特公昭48−29311号公報では冷却体表面に電気絶縁層を設ける方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な従来の方法では、次のような欠点が存在した。すなわち、熱可塑性樹脂の溶融時の体積比抵抗を低下させても、それだけでは、電極から与えられた電荷のほとんどが溶融シートから回転冷却体へと流れ出てしまうので、溶融シートと回転冷却体との間に有効な密着力を発生させることは困難である。また、適正な溶融時の体積比抵抗に調整した熱可塑性樹脂を用いたにしても静電印加キャストによる最高速度は80m/分程度にすぎなかった。
【0007】
また、回転冷却体の表面に電気絶縁層を設けた方法では、電気絶縁層自身に電荷が蓄積されやすく、電気絶縁層に電荷が蓄積されればもはや溶融シートとの密着性が望めなくなる。さらに電気絶縁層は一般的に熱伝導性にも劣り、溶融シートを十分に急冷固化することが困難である。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、品質に優れた熱可塑性樹脂シートを高い生産性でもって製造することができる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述した問題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の範囲の体積比抵抗値を有する表面被膜を形成した回転冷却体を用い、これに熱可塑性樹脂をシート状に溶融押出し、静電印加することによって前記問題が解決できることを見出し本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法は、熱可塑性樹脂を口金からシート状に溶融押出し、該シートに静電荷を印加させながら回転冷却体に密着させて冷却固化する熱可塑性樹脂シートの製造方法において、該回転冷却体として、表面に体積比抵抗が1010 11 Ω・cmの範囲であるシリコーン樹脂からなる被膜を有した回転冷却体を用いることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法である。
【0011】
本発明の製造方法によれば、回転冷却体との密着による冷却工程における溶融シートの冷却速度が大幅に高められ、80〜120m/分という高速度でのキャスティングが可能となる。さらに、溶融シートと回転冷却体との密着力が高まることで、高速度キャストにおいてもシートに欠点が発生することなく、さらにフィルム長手方向の厚みむらも良化させることができるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0013】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂については特に限定されなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどに代表されるポリエステル樹脂、ナイロン6,ナイロン66、ナイロン610,ナイロン12、ポリメタ/パラキシリレンアジパミドなどに代表されるポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂およびこれらの共重合体や他の樹脂とのブレンド物をあげることができるが、溶融押出可能であればこれらに限定されるものではない。
【0014】
本発明では、特に好ましく用いられる熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6等のポリアミド樹脂などがある。もちろん、これらの熱可塑性樹脂には各種の添加剤、例えばブロッキング防止剤、増量剤、安定剤、酸化防止剤、減粘・増粘剤、その他樹脂を添加することもできる。
【0015】
本発明の製造方法では、体積比抵抗が1010 11 Ω・cmの範囲であるシリコーン樹脂を被膜として表面に有した回転冷却体上に溶融シートを押出し、該シートの上方に設置された電極への電圧印加により該シートを荷電させ、回転冷却体に密着させることが必要である。回転冷却体の表面部分へ形成させる被膜材料の体積比抵抗が10Ω・cm未満である場合、電極から溶融シートへ注入された電荷が回転冷却体を通してアースへ流れてしまい、溶融シートが十分に帯電できなくなるため回転冷却体との密着性が不十分となってしまう。一方、回転冷却体の表面部分へ形成させる被膜材料の体積比抵抗が10 11 Ω・cmを越える場合、該被膜自体が帯電してしまい溶融シートとの間に静電密着力が働かなくなる方向なので、本発明の効果が得られない。
【0016】
熱可塑性樹脂の種類や熱可塑性樹脂の溶融時の体積比抵抗値にもよるが、回転冷却体表面の被膜材料の体積比抵抗値は1010 11 Ω・cmの範囲がより好ましく、さらには10〜1011Ω・cmの範囲が特に好ましい。
【0017】
上記した回転冷却体表面被膜は、先に述べた電気特性を持ち得て、かつ溶融シートとの接触に耐えうる耐熱性があるシリコーン樹脂からなるワニスで構成される。かかるシリコーンワニスで構成したことにより、耐熱性に優れ、かつ薄い被膜が形成できるために熱伝導性にも優れ、回転冷却体表面の被膜として好ましく用いることができたものである。さらにかかるワニスは、カーボンブラックなどの導電性粒子を添加することで被膜としての体積比抵抗値を任意の値に調整することができ、製造する熱可塑性樹脂シートの種類に適した被膜を回転冷却体表面に形成させることができる。
【0018】
回転冷却体表面への被膜の形成は、かかるシリコーンワニス回転冷却体表面へ塗布した後、加熱して該ワニスを硬化させることで形成させることができる。
【0019】
回転冷却体表面の被膜の厚みは、特に限定されないが、溶融シートを効率的に冷却するためには1〜500μmの範囲が好ましく、特に5〜100μmの範囲が好ましい。
【0020】
上述したシリコーン樹脂の被膜に適した素材は、炭素鋼などの通常の金属等に比較して一般的に熱伝導率が低くく、このような被膜を回転冷却体上に厚く形成させた場合には溶融した熱可塑性樹脂シートが回転冷却体上にて十分冷却されない場合がある。溶融シートが十分冷却されない場合、シートと回転冷却体が粘着したり、得られたシートの結晶化が進んで透明性・延伸性が劣ったり、平面性や厚みむらが悪くなる。
【0021】
そこで被膜の熱伝導率を被膜の厚みで除した値が500W/(m2・℃)以上であることが溶融シート冷却の観点から好ましく、さらには1000W/(m2・℃)以上であることが好ましい。
【0022】
回転冷却体表面の被膜の表面粗さは特に限定はされないが、表面が平滑な熱可塑性樹脂シートを得るためにはその表面粗さRyは3μm未満であることが好ましく、特に1μm未満が好ましい。
【0023】
回転冷却体自体は金属製のドラムが好ましく、その内部には表面温度を制御するために熱媒を通液する流路を設けることが好ましい。この流路に温度制御した熱媒を流すことによってドラム表面温度を特定の温度に保つことができ、溶融シートを結晶化させることなく冷却させることができるようになる。
【0024】
回転冷却体はアースに接地しておくことが好ましいが、必要に応じて電気抵抗を介してアースに接地してもかまわない。
【0025】
本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法では、回転冷却体表面の被膜材料、つまりシリコーン樹脂の体積比抵抗値よりも熱可塑性樹脂の溶融時における体積比抵抗値が小さいことが好ましく、10〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。さらに回転冷却体表面のシリコーン樹脂被膜の体積比抵抗が溶融時における熱可塑性樹脂の体積比抵抗の10倍以上であることが好ましい。このような組み合わせとすることにより、静電印加電極から与えられた電荷は溶融シートから回転冷却体へと逃げ出しにくくなり、溶融シート中に電荷が貯まりやすくなる。この結果、溶融シートに蓄積される電荷が多くなることで、冷却体との間により強力な密着力が発生し、より速度の高いキャスティングが可能となる。具体的には80〜120m/分というキャスティングが可能になるのである。さらに溶融シートと回転冷却体との密着力が向上することにより、得られるシートの長さ方向の厚みむらを良化させることもできる。
【0026】
本発明の製造方法では、電圧印加用電極としては従来から採用されている電極を用いることができ、例えばワイヤー状電極またはテープ状電極を用いることができる。これらの電極を用いてもキャスティング速度を効果的に向上させることができるからである。
【0027】
本発明の製造方法によって回転冷却体に密着させつつ冷却する方法により得られる熱可塑性樹脂シートは、キャスティングに引き続き、更に延伸および/または熱処理を行うことができる。熱可塑性樹脂シートの延伸は、縦一軸延伸、横一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸など、各種方法によっておこなうことができ、特に逐次二軸延伸法が好ましい。通常は二軸延伸することによって機械的バランスのとれたシートを得ることができる。
【0028】
熱可塑性樹脂シートの延伸は、周速度の異なるロール間で行う方法や、クリップによってシートを把持し、該クリップ間隔を変更するテンター方式で行うことができる。延伸倍率は特に限定されないが、一方向へ2〜6倍延伸することが好ましい。
【0029】
次に、本発明による熱可塑性樹脂シートの製造方法を、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を例としてより具体的に示す。
【0030】
原料として用いるPET樹脂は、必要に応じて他の化合物類、例えば、他の熱可塑性樹脂や酸化珪素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、架橋熱可塑性、架橋ポリスチレン、マイカ、タルク、カオリンなどの無機、有機化合物、エチレンビスステアリルアミド、イオン性高分子化合物アイオノマー等の有機化合物等が添加ブレンドされていてもよく、また、いったん溶融させた原料、さらには熱可塑性樹脂シートからの回収原料などを混合していてもよい。
【0031】
このようなPET原料を乾燥・脱水した後、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機などの溶融押出機に供給し、分子量(例えば固有粘度[η])を極力低下させないように窒素気流下あるいは真空下で溶融押出する。なお、この際、原料中の異物を除去するためには、溶融樹脂を適宜のフィルター(例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網等)で濾過しながら押出すことが好ましい。
【0032】
押出機で濾過され押し出された溶融樹脂はTダイ型口金へ導かれる。
【0033】
かくして溶融シートを口金から押し出して、キャストドラム(回転冷却体)上に密着させるのであるが、溶融シートの上部付近にワイヤ状電極を設置し、この電極に直流高電圧を印加してキャスティングする。なお、キャスティングドラム表面には体積比抵抗が1010 11 Ω・cmであるシリコーンワニスをあらかじめコーティングしておく。
【0034】
かくして得られたキャストシートは必要に応じて延伸処理をおこなうが、例えば逐次二軸延伸法であれば、キャストシートをまず予熱ロールによってTg以上に加熱し、周速度の異なるロールによって長手方向へ2〜4倍延伸し、冷却ロールによってシートを冷却する。次いで長手方向へ延伸されたシートをテンター式横延伸機に導き、シート両端をクリップによって把持しつつ熱風によってシートをTg以上に加熱する。両端クリップの幅を広げることでシートを横方向へ2〜4倍延伸し、さらに必要に応じて熱風によってシートを熱処理する。
[物性の測定法]
次に本発明で使用した測定法について以下に述べる。
1.キャスト密着性
キャストドラム(回転冷却体)上で、空気などの噛み込みや垂れ下がり、その他何らかのキャスト欠点が認められない場合を○、何らかの欠点が肉眼で認められる場合を×とした。
2.キャスト表面性
キャストされたシート表面10m2以上に光を当て、その反射光を肉眼で見てクレーターなどの表面凹凸が認められるかどうかで判定する。判定基準は、全く表面に凹凸が見られない場合を○、表面に凹凸があるが、深さが0.1μm未満と浅く、延伸によって消失する場合を△、全面に凹凸が見られる場合を×とした。
3.溶融熱可塑性樹脂の体積比抵抗
熱可塑性樹脂を真空乾燥後、内径50mmの試験管に入れ、窒素雰囲気下で溶融した後、溶融樹脂中に一対の銅製電極を挿入し、熱可塑性の種類に応じた溶融シート押出時の温度(例えば、下記の実施例のPET樹脂シートの場合では280℃、ナイロンでは260℃)で直流電圧を印加し、次式によって溶融熱可塑性樹脂の体積比抵抗[ρ]を求めた。単位はΩ・cmである。
[ρ]= V×S/(I×D)
ここで、Vは印加電圧(V)、Sは電極面積(cm2)、Iは電流値(A)、Dは電極距離(cm)である。
4.ドラム表面被膜素材の体積比抵抗
第一の金属製電極表面に、セラミック素材の場合には厚み200μmの被膜を、樹脂ワニスの場合には厚み5μmの被膜を形成し、該被膜表面に導電性ペーストを介して第二の金属製電極を貼り付け、直流電圧を印加し、次式によって体積比抵抗[ρ]を求めた。単位はΩ・cmである。
[ρ]= V×S/(I×D)
ここで、Vは印加電圧(V)、Sは電極面積(cm2)、Iは電流値(A)、Dは被膜厚さ(cm)である。
5.厚みムラ(%)
アンリツ製フィルムシックネステスタKG601Aおよび電子マイクロメーターK306Cを用い、幅30mm、長さ40mにサンプリングしたフィルムを連続的に厚み測定する。厚み最大値TMAX(μm)、厚み最小値TMIN(μm)から変動幅RをR=TMAX−TMINで求め、平均厚みTAVE(μm)から厚みムラ(%)=R/TAVE×100として求めた。
6.熱伝導率測定
被膜をサンプリングし、(株)リガク製 レーザーフラッシュ法熱伝導率測定装置LF/TCM−FA8510Bを用いて測定した。
【0035】
実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
参考例1
回転冷却体として、直径1.5mのキャスティングドラムを用いた。該キャスティングドラムの胴体は炭素鋼からなり、その表面に三酸化クロムをプラズマ溶射法によって溶射した。溶射した三酸化クロム層は、表面粗度が0.5S未満となるように、被膜としての厚みが50μmとなるように研磨した。なお、三酸化クロムの溶射によって得られる被膜の体積比抵抗は1010Ω・cmであった。
【0036】
熱可塑性樹脂として、280℃での体積比抵抗が5×108Ω・cmであるPET樹脂を用いた。PET樹脂を乾燥した後、通常の溶融押出機に供給して280℃で溶融し、10μmカットの繊維燒結金属フィルターを通過させて濾過した後、Tダイ口金から280℃で溶融押出した。
【0037】
溶融シートは、キャスティングドラム上へ押し出され、さらに溶融シート上部で溶融シートから5mm離れた位置に、直径0.15mmのタングステン製ワイヤー電極を配置し、+8KVの正極直流電圧を印加してキャスティングを行った。キャスティングドラム内には冷却水を通水し、表面温度を25℃に調整した。
【0038】
このようにしてキャスティングした結果、キャスト密着性が良好であるキャスティングシートを速度100m/分という高速度で製造することができた。得られたキャスティングシートの密着性は○、キャスト表面性も○であった。キャストフィルムの厚みむらは1%と良好であった。
【0039】
続いて、このキャスティングシートをロール式長手方向延伸機で延伸温度92℃で3.5倍延伸した後30℃以下に冷却した。ロール延伸終了後、続いて該長手方向延伸シートの両端をクリップで把持しながらテンタに導き、延伸温度100℃に加熱された熱風雰囲気中で幅方向に3.3倍延伸した後、200℃で熱固定したところ、厚さ25μmの二軸延伸熱可塑性樹脂シートが、破れることなく安定な状態で約350m/分という高速で巻取り製膜できた。結果を表1に示す。
比較例1
キャスティングドラム表面を体積比抵抗が1.9×10−5Ω・cmである厚み50μm、表面粗さRyが0.1μmのハードクロムメッキとする以外は参考例1と同様の条件でキャスティングを行った。100m/分のキャスティングでは溶融シートの幅などが全く安定せず、70m/分まで速度を低下させたがキャスト密着性は×、キャスト表面性も×であった。結果を表1に示す。
比較例2
キャスティングドラム表面に体積比抵抗が1015Ω・cmであるアルミナを溶射し、厚み100μm、表面粗さRy0.5μmの被膜を形成し、参考例1と同様にキャスティングした。
【0040】
100m/分のキャスティングでは溶融シートの幅などが安定せず、80m/分まで速度を低下させたがキャスト密着性は×、キャスト表面性は△であった。結果を表1に示す。
実施例1
カーボンブラックを混合した体積比抵抗が1011Ω・cmである耐熱性シリコーンワニスをキャスティングドラム表面にコーティングし、加熱することで硬化させた。硬化後研磨を行い、表面粗さRy0.1μm、厚み1μmの被膜を形成させた。
【0041】
参考例1と同様にキャスティングを行ったところ、120m/分のキャスティングが可能であった。結果を表1に示す。
実施例2
熱可塑性樹脂として、260℃での体積比抵抗が2×106Ω・cmであるナイロン6樹脂を用い、実施例1と同様のキャスティングドラムを用いて製膜テストを行った。
【0042】
100m/分でキャスティングしたシートは、ロール式長手方向延伸機で延伸温度55℃で3倍延伸した後30℃以下に冷却した。ロール延伸終了後、続いて該長手方向延伸シートの両端をクリップで把持しながらテンタに導き、延伸温度100℃に加熱された熱風雰囲気中で幅方向に3倍延伸後、150℃で熱固定したところ、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミド樹脂シートが、破れることなく安定な状態で約300m/分という高速で巻取り製膜できた。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

Figure 0003870746
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、キャスティング速度を著しく高めること、概ね80m/分以上に高めることができ、さらにフィルム長手方向の厚みむらも良好な高品質なシートを生産できるので、品質に優れた熱可塑性樹脂シートを高い生産性でもって製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a thermoplastic resin sheet for producing a high-quality thermoplastic resin sheet at low cost with good productivity, and relates to a method for producing a thermoplastic resin sheet suitable for high-speed film formation.
[0002]
[Prior art]
As a method for producing a thermoplastic resin sheet, for example, a thermoplastic resin containing inorganic particles as an antiblocking agent is melt-extruded, and the molten sheet is brought into close contact with a rotating cooling body by an electrostatic application casting method and cooled to be amorphous. Generally, a method of obtaining a non-oriented sheet and stretching the sheet in a uniaxial or biaxial direction is generally employed. Among the series of sheet manufacturing processes, a casting process for obtaining an amorphous unoriented sheet by cooling and solidifying a molten sheet is an important process for determining sheet quality and film forming speed.
[0003]
For example, in the case of a polyester resin sheet, the maximum speed at which a transparent and smooth sheet with low crystallinity is obtained can be made faster than about 60 m / min due to the limit of electrostatic adhesion between the molten sheet and the cooling medium. In the case of a polyamide resin sheet as well, the speed could not be made faster than about 50 m / min, and there was a limit to improvement in productivity.
[0004]
Therefore, in the electrostatic application casting method, various methods for reducing the volume specific resistance at the time of melting have been proposed for polyester resins, for example, in order to improve the adhesion between the molten sheet and the rotating cooling body and increase the cooling rate. . For example, Japanese Patent Publication No. Sho 53-40231 proposes a method for reducing the volume specific resistance at the time of melting of a resin by containing an alkali metal salt or an alkaline earth metal salt and improving casting speed. Japanese Patent Publication No. 7-5765 proposes a method for improving the casting speed by containing a quaternary phosphonium salt.
[0005]
Further, Japanese Patent Publication No. 48-14784 and Japanese Patent Publication No. 48-29311 propose a method of providing an electric insulating layer on the surface of the cooling body.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, such a conventional method has the following drawbacks. That is, even if the volume resistivity at the time of melting of the thermoplastic resin is reduced, by itself, most of the charge applied from the electrode flows out from the molten sheet to the rotating cooling body. It is difficult to generate an effective adhesion between the two. Further, even when a thermoplastic resin adjusted to a proper volume resistivity at the time of melting was used, the maximum speed by electrostatic application casting was only about 80 m / min.
[0007]
Further, in the method in which the electric insulating layer is provided on the surface of the rotary cooling body, charges are easily accumulated in the electric insulating layer itself, and if the electric charges are accumulated in the electric insulating layer, the adhesiveness with the molten sheet can no longer be expected. Furthermore, the electrical insulating layer is generally inferior in thermal conductivity, and it is difficult to sufficiently cool and solidify the molten sheet.
[0008]
An object of the present invention is to provide a method capable of solving the above-described disadvantages of the prior art and producing a high-quality thermoplastic resin sheet with high productivity.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations in view of the above-described problems, the present inventors have used a rotating cooling body on which a surface film having a specific volume resistivity in a specific range is formed. The inventors have found that the above problem can be solved by applying electricity, and have made the present invention.
[0010]
That is, the method for producing a thermoplastic resin sheet of the present invention is a thermoplastic resin sheet in which a thermoplastic resin is melt-extruded from a die into a sheet shape, and the sheet is cooled and solidified by being in close contact with a rotating cooling body while applying an electrostatic charge to the sheet. In the production method, as the rotating cooling body, a rotating cooling body having a coating film made of a silicone resin having a volume specific resistance in the range of 10 6 to 10 11 Ω · cm is used as the rotating cooling body. It is a manufacturing method.
[0011]
According to the manufacturing method of the present invention, the cooling rate of the molten sheet in the cooling process by close contact with the rotating cooling body is greatly increased, and casting at a high speed of 80 to 120 m / min is possible. Furthermore, since the adhesive force between the molten sheet and the rotating cooling body is increased, the thickness unevenness in the film longitudinal direction can be further improved without causing defects in the sheet even in high-speed casting.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described.
[0013]
The thermoplastic resin used in the present invention is not particularly limited. Polyester resins represented by polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polypropylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polycyclohexanedimethylene terephthalate, nylon 6, nylon 66, nylon 610 , Nylon 12, polyamide resins represented by polymeta / paraxylylene adipamide, polyolefin resins such as polyethylene and polypropylene, and their copolymers and blends with other resins. It is not limited to these if possible.
[0014]
In the present invention, particularly preferably used thermoplastic resins include polyester resins such as polyethylene terephthalate and polyamide resins such as nylon 6. Of course, various additives such as an antiblocking agent, a bulking agent, a stabilizer, an antioxidant, a viscosity reducing / thickening agent, and other resins can be added to these thermoplastic resins.
[0015]
In the production method of the present invention, a molten sheet was extruded onto a rotating cooling body having a silicone resin having a volume specific resistance in the range of 10 6 to 10 11 Ω · cm as a coating, and placed above the sheet. It is necessary to charge the sheet by applying a voltage to the electrode and to make it adhere to the rotating cooling body. When the volume resistivity of the coating material formed on the surface portion of the rotating cooling body is less than 10 6 Ω · cm, the electric charge injected from the electrode to the molten sheet flows to the ground through the rotating cooling body, and the molten sheet is sufficient. Therefore, the adhesiveness with the rotary cooling body becomes insufficient. On the other hand, when the volume resistivity of the coating material formed on the surface portion of the rotating cooling body exceeds 10 11 Ω · cm, the coating itself is charged and the electrostatic adhesion force does not work with the molten sheet. The effect of the present invention cannot be obtained.
[0016]
Although depending on the type of thermoplastic resin and the volume specific resistance value at the time of melting of the thermoplastic resin, the volume specific resistance value of the coating material on the surface of the rotating cooling body is more preferably in the range of 10 7 to 10 11 Ω · cm. Is particularly preferably in the range of 10 8 to 10 11 Ω · cm.
[0017]
Rotating cooling surface coating mentioned above is composed of a varnish consisting of obtaining have electrical characteristics described above, and can withstand contact with the molten sheet heat resistance there Ru silicone resin. By comprising with this silicone varnish , since it is excellent in heat resistance and can form a thin film, it is excellent also in heat conductivity, and can be preferably used as a film on the surface of a rotating cooling body. Furthermore, this varnish can adjust the volume resistivity value as a film to any value by adding conductive particles such as carbon black, and spin-cool the film suitable for the type of thermoplastic resin sheet to be produced. It can be formed on the body surface.
[0018]
Formation of a coating to the rotating cooling body surface can take the silicone varnish to the rotating cooling surface after coating cloth, followed by heating and formed by curing the varnish.
[0019]
The thickness of the coating film on the surface of the rotating cooling body is not particularly limited, but is preferably in the range of 1 to 500 μm, particularly preferably in the range of 5 to 100 μm, in order to efficiently cool the molten sheet.
[0020]
Material suitable for sheet recone resins of the coating described above, it is normal compared to metals generally thermal conductivity Hikukuku thick form such coatings on a rotary cooling member such as carbon steel In such a case, the molten thermoplastic resin sheet may not be sufficiently cooled on the rotating cooling body. When the molten sheet is not sufficiently cooled, the sheet and the rotating cooling body adhere to each other, the crystallization of the obtained sheet proceeds, the transparency / stretchability is inferior, and the flatness and thickness unevenness are deteriorated.
[0021]
Therefore, the value obtained by dividing the thermal conductivity of the coating by the thickness of the coating is preferably 500 W / (m 2 · ° C.) or more from the viewpoint of cooling the molten sheet, and more preferably 1000 W / (m 2 · ° C.) or more. Is preferred.
[0022]
The surface roughness of the coating on the surface of the rotating cooling body is not particularly limited, but in order to obtain a thermoplastic resin sheet having a smooth surface, the surface roughness Ry is preferably less than 3 μm, particularly preferably less than 1 μm.
[0023]
The rotary cooling body itself is preferably a metal drum, and it is preferable to provide a flow path through which a heat medium passes in order to control the surface temperature. By flowing a temperature-controlled heating medium through the flow path, the drum surface temperature can be maintained at a specific temperature, and the molten sheet can be cooled without being crystallized.
[0024]
The rotary cooling body is preferably grounded to the earth, but may be grounded to an earth via an electric resistance if necessary.
[0025]
The thermoplastic resin sheet manufacturing method of the present invention, the coating material of the rotary cooling member surface, i.e. it is preferably a small volume resistivity value at the time of melting of the thermoplastic resin than the volume resistivity of the silicone resin, 105 to A range of 10 11 Ω · cm is preferred. Furthermore, it is preferable that the volume specific resistance of the silicone resin coating on the surface of the rotating cooling body is 10 times or more the volume specific resistance of the thermoplastic resin at the time of melting. By adopting such a combination, the electric charge given from the electrostatic application electrode does not easily escape from the molten sheet to the rotating cooling body, and the electric charge is easily stored in the molten sheet. As a result, the charge accumulated in the molten sheet increases, so that a stronger adhesive force is generated with the cooling body, and casting at a higher speed becomes possible. Specifically, casting at 80 to 120 m / min becomes possible. Furthermore, by improving the adhesion between the molten sheet and the rotating cooling body, the thickness unevenness in the length direction of the obtained sheet can be improved.
[0026]
In the production method of the present invention, a conventionally applied electrode can be used as the voltage application electrode, and for example, a wire electrode or a tape electrode can be used. This is because the casting speed can be effectively improved even if these electrodes are used.
[0027]
The thermoplastic resin sheet obtained by the method of cooling while closely contacting the rotating cooling body by the production method of the present invention can be further stretched and / or heat-treated following casting. Stretching of the thermoplastic resin sheet can be performed by various methods such as longitudinal uniaxial stretching, lateral uniaxial stretching, sequential biaxial stretching, and simultaneous biaxial stretching, and the sequential biaxial stretching method is particularly preferable. Usually, a mechanically balanced sheet can be obtained by biaxial stretching.
[0028]
The stretching of the thermoplastic resin sheet can be performed by a method of performing between rolls having different peripheral speeds, or by a tenter method of gripping the sheet with a clip and changing the clip interval. Although a draw ratio is not specifically limited, It is preferable to extend | stretch 2-6 times to one direction.
[0029]
Next, the method for producing a thermoplastic resin sheet according to the present invention will be described more specifically by taking a polyethylene terephthalate (PET) resin as an example.
[0030]
PET resin used as a raw material may be other compounds as required, for example, other thermoplastic resins, silicon oxide, magnesium oxide, calcium carbonate, titanium oxide, aluminum oxide, crosslinked thermoplastic, crosslinked polystyrene, mica, talc, Inorganic compounds such as kaolin, organic compounds such as ethylene bisstearylamide, ionic polymer compound ionomer, etc. may be added and blended, and recovered from once melted raw materials and thermoplastic resin sheets Raw materials may be mixed.
[0031]
After such PET raw material is dried and dehydrated, it is supplied to a melt extruder such as a single screw extruder, a twin screw extruder, a vent extruder, or a tandem extruder, and the molecular weight (for example, intrinsic viscosity [η]) is not reduced as much as possible. Thus, melt extrusion is performed under a nitrogen stream or under vacuum. At this time, in order to remove foreign substances in the raw material, it is preferable to extrude the molten resin while filtering it with an appropriate filter (for example, sintered metal, porous ceramic, sand, wire mesh, etc.).
[0032]
The molten resin filtered and extruded by the extruder is guided to a T-die die.
[0033]
Thus, the molten sheet is pushed out from the die and brought into close contact with the cast drum (rotary cooling body). A wire-like electrode is installed near the upper part of the molten sheet, and a DC high voltage is applied to this electrode for casting. The casting drum surface is previously coated with a silicone varnish having a volume resistivity of 10 6 to 10 11 Ω · cm.
[0034]
The cast sheet thus obtained is subjected to stretching treatment as necessary. For example, in the case of a sequential biaxial stretching method, the cast sheet is first heated to Tg or more by a preheating roll, and 2 in the longitudinal direction by rolls having different peripheral speeds. The sheet is stretched by 4 times and cooled by a cooling roll. Next, the sheet stretched in the longitudinal direction is guided to a tenter-type lateral stretching machine, and the sheet is heated to Tg or more by hot air while holding both ends of the sheet with clips. The sheet is stretched 2 to 4 times in the lateral direction by widening the clips at both ends, and the sheet is heat-treated with hot air as necessary.
[Measurement method of physical properties]
Next, the measurement method used in the present invention will be described below.
1. Cast adhesion On the cast drum (rotating cooling body), the case where no entrapment or drooping of air or any other casting defect was observed was evaluated as ◯, and the case where any defect was observed with the naked eye was evaluated as x.
2. Cast surface property Light is applied to the cast sheet surface of 10 m 2 or more, and the reflected light is visually observed to determine whether surface irregularities such as craters are observed. Judgment criteria are: ○ when there is no unevenness on the surface at all, ○ when there is unevenness on the surface, but the depth is less than 0.1 μm and disappears by stretching, Δ, when unevenness is seen on the entire surface × It was.
3. After vacuum drying the molten thermoplastic resin volume specific resistance thermoplastic resin, put it in a test tube with an inner diameter of 50 mm, melt it in a nitrogen atmosphere, insert a pair of copper electrodes in the molten resin, and according to the type of thermoplasticity A DC voltage was applied at the temperature at which the molten sheet was extruded (for example, 280 ° C. in the case of the PET resin sheet of the following example, 260 ° C. in nylon), and the volume specific resistance [ρ] of the molten thermoplastic resin by the following formula: Asked. The unit is Ω · cm.
[Ρ] = V × S / (I × D)
Here, V is an applied voltage (V), S is an electrode area (cm 2 ), I is a current value (A), and D is an electrode distance (cm).
4). Volume specific resistance of the drum surface coating material A film of 200 μm thickness is formed on the surface of the first metal electrode in the case of a ceramic material, and a film of 5 μm thickness is formed in the case of a resin varnish. A second metal electrode was attached to the substrate, a DC voltage was applied, and the volume resistivity [ρ] was determined by the following equation. The unit is Ω · cm.
[Ρ] = V × S / (I × D)
Here, V is an applied voltage (V), S is an electrode area (cm 2 ), I is a current value (A), and D is a film thickness (cm).
5). Uneven thickness (%)
Using an Anritsu film sickness tester KG601A and an electronic micrometer K306C, the thickness of a film sampled to a width of 30 mm and a length of 40 m is continuously measured. The fluctuation width R is obtained from the maximum thickness value T MAX (μm) and the minimum thickness value T MIN (μm) by R = T MAX −T MIN , and the thickness unevenness (%) = R / T AVE from the average thickness T AVE (μm). It calculated | required as x100.
6). The thermal conductivity measurement coating was sampled and measured using a laser flash method thermal conductivity measurement device LF / TCM-FA8510B manufactured by Rigaku Corporation.
[0035]
The examples illustrate the invention in more detail.
【Example】
Reference example 1
A casting drum having a diameter of 1.5 m was used as the rotating cooling body. The body of the casting drum was made of carbon steel, and chromium trioxide was sprayed on its surface by plasma spraying. The sprayed chromium trioxide layer was polished so that the thickness as a coating was 50 μm so that the surface roughness was less than 0.5S. The volume specific resistance of the coating obtained by spraying chromium trioxide was 10 10 Ω · cm.
[0036]
As the thermoplastic resin, a PET resin having a volume specific resistance at 280 ° C. of 5 × 10 8 Ω · cm was used. After drying the PET resin, it was supplied to a normal melt extruder, melted at 280 ° C., passed through a 10 μm cut fiber sintered metal filter, filtered, and melt extruded at 280 ° C. from a T die die.
[0037]
The molten sheet is extruded onto a casting drum, and further, a tungsten wire electrode having a diameter of 0.15 mm is arranged at a position 5 mm away from the molten sheet at the upper part of the molten sheet, and casting is performed by applying a positive DC voltage of +8 KV. It was. Cooling water was passed through the casting drum, and the surface temperature was adjusted to 25 ° C.
[0038]
As a result of casting in this manner, it was possible to produce a casting sheet having good cast adhesion at a high speed of 100 m / min. The resulting casting sheet had good adhesion and good cast surface properties. The thickness unevenness of the cast film was as good as 1%.
[0039]
Subsequently, the casting sheet was stretched 3.5 times at a stretching temperature of 92 ° C. with a roll-type longitudinal stretching machine, and then cooled to 30 ° C. or lower. After the end of roll stretching, the both ends of the longitudinally stretched sheet are guided to a tenter while being gripped by clips, stretched 3.3 times in the width direction in a hot air atmosphere heated to a stretching temperature of 100 ° C., and then at 200 ° C. When heat-set, a biaxially stretched thermoplastic resin sheet having a thickness of 25 μm could be wound and formed at a high speed of about 350 m / min in a stable state without breaking. The results are shown in Table 1.
Comparative Example 1
Casting is performed under the same conditions as in Reference Example 1 except that the surface of the casting drum is hard chrome plating with a volume resistivity of 1.9 × 10 −5 Ω · cm and a thickness of 50 μm and a surface roughness Ry of 0.1 μm. It was. In casting at 100 m / min, the width of the molten sheet was not stabilized at all, and the speed was reduced to 70 m / min, but the cast adhesion was x and the cast surface property was x. The results are shown in Table 1.
Comparative Example 2
Alumina having a volume resistivity of 10 15 Ω · cm was sprayed on the surface of the casting drum to form a film having a thickness of 100 μm and a surface roughness Ry of 0.5 μm, and was cast in the same manner as in Reference Example 1 .
[0040]
In casting at 100 m / min, the width of the molten sheet was not stable, and the speed was reduced to 80 m / min, but the cast adhesion was x and the cast surface property was Δ. The results are shown in Table 1.
Example 1
A heat resistant silicone varnish having a volume resistivity of 10 11 Ω · cm mixed with carbon black was coated on the surface of the casting drum and cured by heating. After curing, polishing was performed to form a film having a surface roughness Ry of 0.1 μm and a thickness of 1 μm.
[0041]
When casting was performed in the same manner as in Reference Example 1, it was possible to perform casting at 120 m / min. The results are shown in Table 1.
Example 2
As a thermoplastic resin, a nylon 6 resin having a volume specific resistance of 2 × 10 6 Ω · cm at 260 ° C. was used, and a film formation test was performed using the same casting drum as in Example 1 .
[0042]
The sheet cast at 100 m / min was stretched 3 times with a roll-type longitudinal stretching machine at a stretching temperature of 55 ° C. and then cooled to 30 ° C. or lower. After the end of roll stretching, the both ends of the longitudinally stretched sheet were guided to a tenter while being held with clips, stretched 3 times in the width direction in a hot air atmosphere heated to a stretching temperature of 100 ° C., and then heat-set at 150 ° C. However, a biaxially stretched polyamide resin sheet having a thickness of 15 μm could be wound and formed at a high speed of about 300 m / min in a stable state without breaking. The results are shown in Table 1.
[0043]
[Table 1]
Figure 0003870746
[0044]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to remarkably increase the casting speed, approximately 80 m / min or more, and to produce a high-quality sheet with good thickness unevenness in the longitudinal direction of the film. Sheets can be manufactured with high productivity.

Claims (9)

熱可塑性樹脂を口金からシート状に溶融押出し、該シートに静電荷を印加させながら回転冷却体に密着させて冷却固化する熱可塑性樹脂シートの製造方法において、該回転冷却体として、表面に体積比抵抗が1010 11 Ω・cmの範囲であるシリコーン樹脂からなる被覆を有した回転冷却体を用いることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。In the method for producing a thermoplastic resin sheet, a thermoplastic resin sheet is melt-extruded from a die into a sheet shape, and an electrostatic charge is applied to the sheet, and the sheet is cooled and solidified by being in close contact with the rotating cooling body. A method for producing a thermoplastic resin sheet, comprising using a rotating cooling body having a coating made of a silicone resin having a resistance in a range of 10 6 to 10 11 Ω · cm. 該被膜の厚みが1〜500μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。  The method for producing a thermoplastic resin sheet according to claim 1, wherein the thickness of the coating is in the range of 1 to 500 μm. 該被膜として、該被膜の熱伝導率を該被膜の厚みで除した値が500W/(m・℃)以上のものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。3. The thermoplastic resin sheet according to claim 1, wherein a value obtained by dividing the thermal conductivity of the coating by the thickness of the coating is 500 W / (m 2 · ° C.) or more. Manufacturing method. 回転冷却体表面の被膜の表面粗さRyが3μm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。  The method for producing a thermoplastic resin sheet according to any one of claims 1 to 3, wherein the surface roughness Ry of the coating on the surface of the rotating cooling body is less than 3 µm. 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂および/またはポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。  The method for producing a thermoplastic resin sheet according to any one of claims 1 to 4, wherein the thermoplastic resin is a polyester resin and / or a polyamide resin. 溶融時における熱可塑性樹脂の体積比抵抗が10〜1011Ω・cmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。The method for producing a thermoplastic resin sheet according to any one of claims 1 to 5, wherein the volume specific resistance of the thermoplastic resin during melting is in the range of 10 5 to 10 11 Ω · cm. 回転冷却体表面の被膜の体積比抵抗が溶融時における熱可塑性樹脂の体積比抵抗の10倍以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。The method for producing a thermoplastic resin sheet according to any one of claims 1 to 6, wherein the volume specific resistance of the coating on the surface of the rotating cooling body is at least 10 times the volume specific resistance of the thermoplastic resin at the time of melting. . 静電荷の印加がシートの上方に設置された電圧印加用電極を用いておこなわれるものであって、該電圧印加用電極が、ワイヤー状またはテープ状の電極であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。  2. The electrostatic charge is applied using a voltage applying electrode provided above the sheet, and the voltage applying electrode is a wire-shaped or tape-shaped electrode. The manufacturing method of the thermoplastic resin sheet in any one of -7. 回転冷却体との密着により冷却固化された熱可塑性樹脂シートを更に延伸および/または熱処理することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。  The method for producing a thermoplastic resin sheet according to any one of claims 1 to 8, wherein the thermoplastic resin sheet cooled and solidified by close contact with the rotating cooling body is further stretched and / or heat-treated.
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