JP3870482B2 - 水浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浴槽内の入浴水を浄化殺菌することで入浴水の長期使用を可能とする
水浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来のこの種の水浄化装置は特開平8−281280号公報に記載されているようなものが一般的であった。この水浄化装置は図7に示すように、循環路1にポンプ2とヒーター3と内部に微生物を繁殖させた浄化手段4を備えていた。さらに、浄化手段4の上流と下流を結ぶバイパス路5を備え、このバイパス路5に残留塩素を発生させる殺菌手段6を備えていた。また、ポンプ2の働きにより、水7を循環路1からヒーター3を通って浄化手段4及びバイパス路5の殺菌手段6に水を送り込み、浄化手段5内に繁殖した微生物の働きにより水中の懸濁態及び溶存態有機物質の除去を行うように構成されている。さらに、浄化手段4内に繁殖した微生物を死滅させないためにバイパス路5をもうけ、バイパス路5上に殺菌手段6を設けて残留塩素を発生させた。この生成した残留塩素は、浄化手段4の下流側で循環流路の水に混合することで、浄化手段4内に存在する微生物を死滅することなく水の浄化及び殺菌を行っていた。そして、殺菌手段6で生成する残留塩素の水中の濃度を浄化手段4に影響のない0.5〜1.0ppmにするようになっていた。
【0003】
また、ここで使用する殺菌手段6としては特開昭56−31489号公報に開示されているような電気分解器が用いられており、さらに、殺菌用電気分解器としては特開昭61−283391号公報に開示されている様な無隔膜タイプのものがものがある。
【0004】
さらに、循環式プールとして遊離残留塩素濃度を検出し、その濃度に応じて塩素を供給する特開昭62ー141267号公報に記載されているものがある。この循環式プールは図8に示すように、プール水8を循環流路9に設けたポンプ10によって循環させ、ヘアーキャッチャー11、濾過機12を通してゴミや塩素消費物質を捕捉し、循環流路9内に塩素供給手段13によって塩素剤を注入してプール水8内の塩素消費物質を消毒する。次にプール水8内の汚染物質の増加を遊離残留塩素検出センサ14によって検出すると、塩素供給手段13により、塩素剤を流路2に注入しプール水8に供給する構成となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した従来の水浄化装置では、浄化手段内で微生物を繁殖させることで水の浄化を行っているため、殺菌手段によって発生させる残留塩素濃度を浄化手段内の微生物に影響のない0.5ppm〜1.0ppm以下の濃度にする必要があった。このため、水中の細菌の殺菌能力に限りがあるという課題があった。
【0006】
さらに、入浴水の状態によって要求塩素量(殺菌に必要な塩素量)、及び塩素の持続時間が異なるため、残留塩素濃度を一定に保ことが困難であった。このため、入浴水の状態によっては塩素殺菌された後に再度細菌が増殖してしまうことがあった。つまり、殺菌性能が入浴日数に大きく左右され、十分な殺菌がなされていないという課題があった。
【0007】
さらに、図8に示した循環式プールについては、還元性物質が塩素を消費するため過剰の塩素が必要となりコストに問題があった。さらに塩素を供給することによってプール水に存在していた細菌を酸化させ殺菌するが、死菌は非常に小さいため濾過機では除去することが困難であった。このため、塩素の投入量に伴って死菌が増加するのでプール水が濁ってしまいプール水を短期間で取り替える必要があった。
【0008】
つまり、本発明の目的とする浴槽水の浄化に応用する場合では、入浴水が濁ってしまうため入浴水を短期間に取り替える必要がありコストがかかってしまう。このため、循環式の温浴器のメリットである水を長期間入れ替えせずとも殺菌・浄化が可能で水道代が安くなるという点を満たさない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために循環流路に水を循環する循環手段と、水の懸濁物質をろ過するろ過手段と、電気分解により金属水和物を生成することで水中の懸濁物質を凝集する凝集手段と、水中にアンモニウムを供給するアンモニウム供給手段と、水中に残留塩素を生成する塩素化合物供給手段と、水中の残留塩素濃度を検知する残留塩素検知手段を設け、前記残留塩素検知手段の出力信号により塩素化合物供給手段及びアンモニウム供給手段を制御するものである。
【0010】
上記発明によれば、水中の懸濁物質等の汚れを凝集手段で生成した金属水和物で凝集し、粒子径を増大させ、この凝集塊を濾過手段でろ過除去することで、水の浄化を行う。このため、死菌等の非常に小さな汚れも除去することが可能となる。さらに、アンモニウムを供給し、塩素化合物供給手段で生成された塩素化合物と反応させ、殺菌効果の持続時間が長い成分であるNH2Cl等のクロラミンを生成させる。この結果、殺菌持続時間を長時間に渡って保持し、殺菌効果を持続する。また、アンモニウムイオンの存在によって、還元性物質による塩素の消費を抑制することができるので要求塩素量も入浴水の状態にかかわらずほぼ一定値に抑えることができ、過剰な塩素を供給する必要がない。さらに、残留塩素検出手段は、クロラミン等の残留塩素濃度を検知するため、残留塩素が消費されて殺菌に無効な濃度を示した場合に、再度塩素を供給する。このため常に水が浄化できる。また、残留塩素は浴槽及び循環流路などに存在するバイオフィルムの形成をも抑制することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる水浄化装置は、循環流路に水を循環する循環手段と、水の懸濁物質をろ過するろ過手段と、電気分解により金属水和物を生成することで水中の懸濁物質を凝集する凝集手段と、水中にアンモニウムを供給するアンモニウム供給手段と、アンモニウム供給手段によって供給されたアンモニウムと塩素化合物を反応させて殺菌効果の持続時間が長い残留塩素を生成するための塩素化合物供給手段と、水中の残留塩素濃度を検知する残留塩素検知手段を設け、残留塩素検知手段の出力信号により塩素化合物供給手段及びアンモニウム供給手段を制御し、残留塩素検知手段は、アンモニウム供給手段と塩素化合物供給手段の動作及び停止時間を計測するタイマを設け、両者の動作及び停止時間から浴槽内の残留塩素濃度を算出し、アンモニウム供給手段及び塩素化合物供給手段を制御する。
【0012】
そして、残留塩素検知手段が浴槽内の残留塩素濃度を検出し、殺菌に最低限必要な塩素化合物をその都度、塩素化合物供給手段により供給するため、常に殺菌・浄化された水を実現できる。さらに、アンモニウム供給手段によって水中にアンモニウムイオンを生成し、この水を循環手段によって塩素化合物供給手段に送り込むことで、持続時間の長い残留塩素(クロラミン)を生成することができる。また、アンモニウムイオンの存在により、 FeやMn等の還元性物質による塩素消費を抑制することができるので要求塩素量も入浴水の状態にかかわらずほぼ一定値に抑えることができ、過剰な塩素を投入する必要がない。さらに、死菌等の微小な汚れも凝集手段により増大させ、濾過手段によって除去可能となる。
【0013】
そして、動作時間によって浴槽内に供給する残留塩素濃度を管理し、殺菌に必要以上の塩素が存在しないよう塩素化合物供給手段を制御する。また、動作停止時間がある規定時間を上回った場合には殺菌に有効な残留塩素濃度が消費されたとみなして再度、アンモニウム供給手段及び塩素化合物供給手段を再動作させる。このため、簡単な構成で過剰な塩素投入を抑制することができ、常に殺菌・浄化された入浴水を実現できる。
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の水浄化装置の構成図である。
【0016】
図1において、15は浴槽で、循環手段16は吸い込み口17と吐き出し口18からなる循環流路で、循環流路16には、浴槽水を循環流路に循環するポンプ19が設けられている。また凝集手段20は、金属水和物を水に溶出可能なアルミニウム製の電極及びステンレス製の本体で構成され、この凝集手段20によって粒子径が増大した懸濁物質をろ過手段21により浴槽水を浄化する。そして、浄化された水の残留塩素濃度を残留塩素検知手段22によって検知し、この検知信号によって浴槽水にアンモニウム供給手段23により塩化アンモニウムを供給し、さらに塩素化合物供給手段24により、塩素化合物を供給する。
【0017】
また、循環流路16の塩素化合物供給手段24下流方向には浴槽15内の水の保温を行うヒータ25を設けている。
【0018】
次に動作、作用について説明すると、浴槽水を循環流路に循環するポンプ19によって浴槽水は凝集手段20へ導かれる。凝集手段20には、金属水和物を水に溶出可能なアルミニウム製の電極及びステンレス製の本体(図示せず)で構成され、電極を陽極、本体を陰極として電気分解により水中にアルミニウムイオンを溶出させる。そして溶出したアルミニウムイオンは水中で直ちに金属水和物の水酸化アルミニウムとなり、この水酸化アルミニウムと水中の懸濁物質が化学反応し、凝集塊を生成するため、懸濁物質の粒子径を増大することができる。つまり、浴槽15内には入浴により人体由来の角質などの垢や、水中に溶存する有機物質を栄養として増殖した細菌が存在する。この粒子径は1μm前後から100μm程度であるので、生成した水酸化アルミニウムと反応し、粒子径を増大させて、懸濁物質を除去する濾材と濾材の流出を抑える濾床を内部に備えたろ過手段21により浴槽水を浄化する。そして、この浄化された浴槽水にアンモニウム供給手段23によりアンモニウムを供給することで、水中にアンモニウムイオンを生成させる。このアンモニウムイオンが存在する浴槽水に塩素化合物供給手段24により塩素化合物を供給することで、反応速度が緩やかで、殺菌効果が長持ちするアンモニアと塩素の化合物NH2Cl等(クロラミン:以下クロラミンという)を生成する。このため、殺菌効果を長時間持続することができ、塩素化合物供給手段の動作時間を短くすることができる。
【0019】
また、アンモニウムイオンが水中に存在することによって、塩素がFeやMnやH2S等の還元性物質と反応して消費される前にクロラミンを生成するため、殺菌に無関係な塩素の消費を抑制することができ、過剰の塩素を投入する必要がない。
【0020】
このとき、残留塩素濃度が高くなるほど殺菌効果は向上するが、高濃度の塩素は肌があれる等の人体への影響が生じる。このため、浴槽水の残留塩素濃度を測定する残留塩素検知手段22を用いて、残留塩素濃度が殺菌に必要以上の過剰な塩素を検知した場合、アンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24の動作を停止させ、塩素濃度が殺菌に無効な既定値以下になったら、アンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24を動作させて塩素を生成するように制御した。
【0021】
このため、常に殺菌・浄化された浴槽水を実現でき、快適な入浴を実現することが可能となった。
【0022】
図2に上記の水浄化装置を用いた時の塩素化合物と水との接触時間と、その時の細菌数を示す。比較のためにアンモニウム供給手段23を設けていない水浄化装置を用いた場合と、図7に示した従来の水浄化装置を用いた場合についても同図に示した。図7に示した従来の水浄化装置については微生物浄化方式を採用していることから、残留塩素濃度を0.5〜1.0ppm以内に抑える必要があるため、本実施例においては殺菌手段7によって残留塩素濃度を1.0ppmになるよう設定した。
【0023】
また、本発明の水浄化装置及びアンモニウム供給手段23を設けていない水浄化装置は物理浄化方式を採用していることから、残留塩素濃度の上限がないためから残留塩素濃度を3.0ppmになるよう塩素化合物供給手段24により1度に供給し、その後は供給を停止した。このとき、残留塩素検知手段22は浴槽水の残留塩素濃度を検知するだけで塩素化合物供給手段24を制御しない構成とした。ここで、残留塩素検知手段22はアンペロメトリ方式(電流滴定方式)の残留塩素計を用いた。
【0024】
また、本実施例では塩素化合物供給手段24は水と反応して次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンを生成する次亜塩素酸ナトリウムを供給する構成とした。さらに、使用した入浴水については、入浴水の状態が同じに成るように共に入浴1日後(4人入浴)の水を用いた。
【0025】
また、一般細菌数については各々約760000〜730000CFU/mlと多少のばらつきはあったが殺菌効果を評価するうえでは問題ないとした。
【0026】
図2に示した横軸は塩素との接触時間(時間)、縦軸は1ml中に存在する一般細菌数(CFU)を示した。ここで、従来の水浄化装置を用いた場合は一般細菌数が非常に多く存在していたため、第二軸にて細菌数を示した。
【0027】
図2に示すように、従来の水浄化装置では30分後には約2桁ほど一般細菌数が減少し、4時間後には4500CFU/mlまで減少したがその後、増殖しはじめ、5時間後には50000CFU/ml、24時間経過後には280000CFU/mlにも増殖した。しかし、本発明の水浄化装置を用いた場合で、アンモニウム供給手段23を設けていない場合は、30分接触させることで細菌数が0CFU/ml(検出限界以下)になり4時間経過後も同様の結果であった。しかし5時間後には100CFU/mlに増殖し翌日(24時間後)には2800CFU/mlに増殖した。また、アンモニウム供給手段23を備えた本発明の水浄化装置では、接触時間が30分で検出限界以下になり、24時間経過後も同様の結果がえられた。
【0028】
さらに、残留塩素検出手段22によって浴槽水の残留塩素を測定した結果を図3に示す。従来の水浄化装置は殺菌手段7によって1ppmになるよう次亜塩素酸ナトリウムを供給したが5分後には0.3ppmに減少し、2時間後には全て消費された。さらに、塩化アンモニウム供給手段23を設けていない水浄化装置については、塩素化合物供給手段24によって3ppmになるよう次亜塩素酸ナトリウムを供給したが5分後には1.1ppmしか存在せず、その後も減少しつづけ翌日には0.1ppmしか存在しなかった。しかし、本発明の図1に示した水浄化装置は2時間経過後も3ppmを保持し、その後緩やかに1次的に減少していくが24時間経過後も約1ppmの残留塩素を保持していた。これは、前にも述べたように、アンモニウムイオンの存在によって入浴水中に含まれるFeやMn等の還元性物質による塩素消費を抑制することができるので要求塩素量を入浴水の状態にかかわらずほぼ一定値に抑えることができるためである。さらにアンモニウムイオンと塩素が反応して反応速度が緩やかなクロラミンを生成することで殺菌の持続時間も長くなると考えられる。このため、図2に示したように本発明の水浄化装置は長時間殺菌効果を持続することが可能となり殺菌・浄化性能を向上させることが可能となった。
【0029】
また、殺菌に必要な塩素量を還元性物質に消費されることがないため、入浴水の状態にかかわらず一定に保ことができたため、塩素化合物供給手段24の動作時に少なくとも3ppmになるよう塩素化合物を供給することで、殺菌効果が得られることが解った。この結果、過剰な塩素を投入する必要がなく、人体への影響を防ぐことができる。
【0030】
さらに、塩素投入後の浴槽水の残留塩素濃度を残留塩素検知手段22によって管理し、1ppmを下回った時にアンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24を動作させ少なくとも3ppmになるよう残留塩素を供給することで、常に殺菌効果を保つことができる。
【0031】
この結果、最低限殺菌に必要な残留塩素を残留塩素検知手段22で管理し、塩素が消費された時点でアンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24を制御して塩素を投入する構成にすることで、過剰の塩素投入をすることなく殺菌性能を維持できる。さらに、人体の影響を防ぐとともに浴槽への劣化を防ぎ、常にアンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24を動作させる必要がないことから電力の消費を低減できる結果となる。
【0032】
また、上記には塩素化合物供給手段24として、水と化学反応して次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンを生成する物質あるいは溶液として次亜塩素酸ナトリウム溶液を供給したが、水を電気分解し、水中の塩素イオンから水中に塩素化合物を生成する構成にした場合においても同様の結果が得られた。
【0033】
さらに、アンモニウム供給手段23として塩化アンモニウムを供給することで水中にアンモニウムイオンと塩素イオンを同時に生成できる。アンモニウムのみ供給していた場合と比較すると、図4に示すように本発明の水浄化装置は残留塩素の発生効率を約5倍ほど向上することができた。
【0034】
つまり、電極間に電流を流すと、(1)式に示すように陽極で塩素イオンが酸化されて塩素ガス(C122)が発生する。
【0035】
2Cl-→Cl2+2e- (1)
この発生したガスは(2)式に示すように水中にとけて殺菌作用をもたらす次亜塩素酸を(HClO)を生成する。
【0036】
Cl2+H2O→HClO+HCl (2)
このため、図4に示したように水中に塩素イオンが存在することで塩素ガスの発生効率が上がり、残留塩素も増加し殺菌性能が向上する。つまり、塩素化物供給手段24を電気分解して塩素を生成する構成にした場合、塩化アンモニウムを供給することで効率良く塩素を生成でき、殺菌性能を向上することが可能となった。
【0037】
さらに、図5に電解温度と残留塩素濃度について示した。
【0038】
図5に示すように、水温が5〜45℃では生成される残留塩素濃度をほぼ安定しており、45℃を越えると急激に減少してくることが解る。つまり、塩素化合物供給手段24として電気分解を実施した場合は生成される残留塩素濃度は電解温度に強く依存することが判明し、5〜45℃が最も最適な電解温度であることが解る。このため、本発明の水浄化装置において電解する入浴水は循環流路内で循環することで温度を5〜45℃の範囲内に低下させた後に、電気分解させて塩素を生成させ、その後ヒータ25によって再度加熱保温し、浴槽15内に送り込む構成にした。この結果、効率良く残留塩素を生成でき電力消費を最低限に抑えることが可能となった。
【0039】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2の水浄化装置を示す構成図である。
【0040】
本実施例2において、実施例1と異なる点は浴槽水の残留塩素濃度を検出する残留塩素検知手段22としてタイマ26を設けている点である。
【0041】
なお、実施例2と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0042】
次に動作、作用を説明すると、タイマ26はアンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24の動作時間を制御するとともに動作停止後の経過時間を記憶する。この経過時間によって浴槽内の残留塩素濃度を管理し、ある一定時間を経過した際にタイマ26がアンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24を再度動作させて塩素を生成させる。
【0043】
残留塩素濃度と経過時間とは実施例1で述べたように、ある一定時間を経過すると1次的に減少する。(図3参照)浴槽水にはアンモニウム供給手段23によってアンモニウムイオンが存在しているため、上記で述べたように塩素が還元性物質によって消費されることがない。このため、入浴水の状態にかかわらず残留塩素の減少率は一定であるので時間を管理することだけで浴槽水の残留塩素をコントロールすることができる。つまり、塩素が消費され、殺菌効果を持たない残留塩素濃度になる時間を算出して、その時間を経過した時点で、再度アンモニウム供給手段23と塩素化合物供給手段24を動作させて塩素を生成させる。本発明では実施例1で述べたように、動作停止後の残留塩素濃度が殺菌効果を維持するためには少なくとも1ppm必要であり、この1ppmになるまでの経過時間が約24時間であったため、タイマ26により24時間間隔で塩化アンモニウム供給手段23及び塩素化合物供給手段24を動作させた。
【0044】
この結果、殺菌効果を維持し、安全かつ心地好い入浴を簡単な構成で実現することができた。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の水浄化装置によれば、次の効果が得られる。
【0046】
(1)残留塩素検知手段を設けて、浴槽水の残留塩素濃度に応じて塩化アンモニウム供給手段と塩素化合物供給手段を制御することにより、殺菌に必要以上の過剰な残留塩素の存在を防ぐことができる。この結果、アンモニアや塩素臭の発生を抑制し、残留塩素による肌への影響や浴槽に影響を与えることなく水を殺菌浄化することが可能となった。
【0047】
(2)タイマを設けて塩化アンモニウム供給手段と塩素化合物供給手段の動作・停止時間を制御することによって、浴槽水の残留塩素を管理することができる。このため、簡単な構成で殺菌に必要以上の過剰な残留塩素の存在を防ぐことができ、アンモニアや塩素臭の発生を抑制し、残留塩素による肌への影響や浴槽に影響を与えることなく水を殺菌浄化することが可能となった。
【0048】
(3)塩化アンモニウム供給手段及び塩素化合物供給手段の動作停止後の浴槽水の残留塩素濃度を少なくとも1ppm保持することによって、殺菌効果を保つことができる。さらに、塩化アンモニウム供給手段及び塩素化合物供給手段を常に動作させる必要がないので過剰な塩素投入を防ぎ、電力の低減化を図れ、機器の耐久性も向上できる。
【0049】
(4)塩素化合物供給手段を例えば次亜塩素酸ナトリウムのような水と反応して次亜塩素酸を生成するような溶液又は物体を供給することによって、容易に水中に塩素を投入する事が可能となり、簡単な構成で殺菌することができる。
【0050】
(5)塩素化合物供給手段は浴槽水を電気分解し残留塩素を生成するので、塩素化合物供給手段への塩素化合物の補給が必要なくなり、長期間メンテナンスの手間がいらなくなる。このため、塩素化合物の補給忘れなどによる人為的な性能低下をなくすことができる。
【0051】
(6)塩化アンモニウムを供給して水中に塩素イオンを存在させ、この塩素イオンを電気分解によって酸化させることで塩素ガスの発生効率を向上でき、残留塩素の発生効率を向上できる。
【0052】
(7)塩素化合物供給手段として、水を電気分解する際の電解温度を5〜45℃で行うことで効率良く残留塩素を発生させることが可能となり、消費電力を低減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における水浄化装置の構成図
【図2】 同実施例の塩素の接触時間と一般細菌数の関係を示す特性図
【図3】 同実施例の塩素の接触時間と残留塩素濃度の関係を示す特性図
【図4】 同実施例の動作時間と残留塩素濃度の関係を示す特性図
【図5】 同実施例の電解温度と残留塩素濃度の関係を示す特性図
【図6】 本発明の実施例2における水浄化装置の構成図
【図7】 従来の水浄化装置の構成図
【図8】 従来の循環式プールの構成図
【符号の説明】
15 浴槽
16 循環手段
17 吸い込み口
18 吐き出し口
19 ポンプ
20 凝集手段
21 ろ過手段
22 残留塩素検知手段
23 塩化アンモニウム検出手段
24 塩素化合物供給手段
25 ヒータ
26 タイマ

Claims (1)

  1. 循環流路に水を循環する循環手段と、水の懸濁物質をろ過するろ過手段と、電気分解により金属水和物を生成することで水中の懸濁物質を凝集する凝集手段と、水中にアンモニウムを供給するアンモニウム供給手段と、前記アンモニウム供給手段によって供給されたアンモニウムと塩素化合物を反応させて殺菌効果の持続時間が長い残留塩素を生成するための塩素化合物供給手段と、水中の残留塩素濃度を検知する残留塩素検知手段を設け、前記残留塩素検知手段の出力信号により塩素化合物供給手段及びアンモニウム供給手段を制御し、前記残留塩素検知手段は、前記アンモニウム供給手段と前記塩素化合物供給手段の動作及び停止時間を計測するタイマを設け、両者の動作及び停止時間から浴槽内の残留塩素濃度を算出し、前記アンモニウム供給手段及び前記塩素化合物供給手段を制御する水浄化装置。
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