JP3870394B2 - 加熱調理器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭の厨房で使用される電磁誘導加熱装置等の加熱調理器具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ミニキッチン等では、加熱調理用の熱源として1口タイプの電磁誘導加熱装置(以下、電磁調理器と称す)やシーズヒータ式或いは熱板ヒータ式の電気調理器が用いられている。
【0003】
これらのタイプのものは、調理器具の外郭ケースが正方形又は長方形で、その大半を調理台等の置台の上面に設けた取り付け穴から置台の中に納めるものであり、置台の上に出る天板部分は全体の10%位である。
【0004】
一方、置台は、木製、大理石、金属板(ステンレス板)等で構成され、その
上面には電磁調理器等の外郭ケースの寸法より若干大きめの取り付け穴が開けられている。その取り付け穴の形状は一般的に約290mmの正方形の角穴又は約270mm×約330mmの長方形の角穴が多く用いられている。
【0005】
従って、電磁調理器等を買い換える場合には、置台の取り付け穴の形状に合わせて器具を選定しないと取り付けが出来ない場合がある。
【0006】
また、置台が金属板の場合、取り付け穴端部の強度を増すために、その穴の端部から上向きに3〜4mmの切り起こしを設けている。
【0007】
従って電磁調理器等の外郭ケースの取り付け用のフランジ部には、この切り起こしを納めるため、下側に凹状をした溝が必要である。
【0008】
前記フランジ部にこの溝を設けないものも製品化されているが、これを取り付ける場合は、切り起こしと同一高さとなるスペーサ部材を用いて外郭ケースを持ち上げ、その取り付けを行う等の作業が必要であった。(例えば実用新案登録第2552729号公報)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電磁調理器の安全性、加熱効率が非常に高いことが評価され、シーズヒータ式や熱板ヒータ式の電気調理器から電磁調理器への買い替え需要が多くなっている。この買い換えの場合、取り付けの互換性が重要なポイントである。
【0010】
しかし、上記したように従来の電磁調理器においては、外郭ケースの形状が正方形と長方形の2種類があり、また置台に外郭ケースの寸法より若干大きめの正方形の角穴又は長方形の角穴が開けられ、さらに、置台が金属板の場合に取り付け穴の端部の強度を増すために、その穴の端部に上向きに3〜4mmの切り起こしを設けているため、電磁調理器を買い換える場合には取り付け穴の形状や切り起こしに合わせて器具を選定しないと取り付けが出来ない場合があった。
【0011】
そこで、本発明はすでに設けられている取り付け穴の形状が正方形又は長方形であっても、また、置台が金属製で取り付け穴の端部に上向きの切り起こしがあるものであっても、特別な加工を加えることなく取り付けが出来る1口タイプの加熱調理器具を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、置台に設けられた取り付け穴に器具の外郭ケースを納めて使用される加熱調理器具において、前記外郭ケースは、底面から見て正方形の形状を有し、前記外郭ケースの上端外周の全周に設けられたフランジと、前記外郭ケースに近接した前記フランジの下面全周に設けられた下向きに凹状の溝と、前記フランジの一辺が伸びた端縁部に設けられた前記フランジの下面全周に設けられた溝の一辺と平行な下向きに凹状の溝と、この前記フランジの下面全周に設けられた溝の一辺と平行な溝の両端と前記フランジの下面全周に設けられた溝とを接続する下向きに凹状の溝と、を設けたものである。
【0013】
これによって、取り付け穴の形状が正方形でも長方形でも又取り付け穴の端部に切り起こしが設けられていても容易に取り付けることが出来るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図面は、本発明の一実施例を示すものであり、図1及び図2は本発明に係る電磁調理器を置台に取り付けた状態の概略側面断面図、図3は図1及び図2の概略正面断面図、図4は同外郭ケース及びフランジ部を下側から見た状態の説明図、図5は図4の他の実施例の説明図を示すものである。
【0015】
図1から図4のA寸法、B寸法、C寸法の関係は、A=C、A<Bであり、A=Cの関係から外郭ケースが取り付け穴の中に入る部分は正方形であり、図1の取り付け穴は正方形、図2の取り付け穴はA<Bの関係から長方形であることを示している。
【0016】
図において、1は電磁調理器の外郭ケースである。この外郭ケース1は調理台等の置台15の上面に設けた角穴よりなる取り付け穴2の中に上部を残して大半が納められる。取り付け穴2は、置台15が金属板の場合、補強用としてその穴2の端部から上向きに3〜4mmの切り起こし16を設けている。
【0017】
外郭ケース1は上部が開口した箱体よりなり、その中には加熱コイル3、制御基板4、冷却用ファン5等の主要部品が納められ、前部側面(又は下部)に吸気口6、後部側面に排気口7を設けている。
【0018】
また、この外郭ケース1は底面から見ると図4のA=Cの寸法から明らかなように正方形の形状をしており、上端には外郭ケース1を吊り下げるためのフランジ8が全周に形成され、さらにこのフランジ8の外郭ケース1の上端部との近接側に下向きに凹状をした溝9が全周わたって形成されている。
【0019】
10は加熱コイル3の上側に水平に配置されたトッププレートで、被加熱物を載置するものであり、耐熱、絶縁性に優れた結晶化ガラス等により構成されている。
【0020】
11はスイッチ等が配置された操作部、12は外郭ケース1の上面開口部とフランジ8の上面を覆うカバーで、金属やモールドによって構成され、その内周端面で前記トッププレート10を保持し、前面側に操作部11を納めている。
【0021】
図4において、13は操作部11の下側のフランジ8をそのままの幅で伸ばし、その端縁部に形成された溝で、下向きに凹状をしており、前記溝9の一辺と平行に設けられている。
【0022】
14も同じく溝で、溝13の両端から垂直方向に延長し、前記溝9に接続されている。すなわち、溝9と溝13及び溝14が同一面上で連なるように接続されていることによりフランジ8内には図1及び図2の下側、すなわちP1方向から見ると正方形の溝9および長方形の溝9´(溝9、溝13、溝14で)形成されている。
【0023】
なお、これらの溝9及び溝9´は前記切り起こし16を納める深さに形成されている。
【0024】
本発明は上記の構成によって、置台15の取り付け穴2が正方形であっても又は長方形であっても外郭ケース1の取り付けが可能である。また置台15が金属板で、取り付け穴2の端部に補強用の切り起こし16があっても外郭ケース1の取り付けが可能である。
【0025】
次にその取り付けについて以下に説明する。
【0026】
まず、図1に示すように置台15上に正方形の取り付け穴2が設けられている場合、それより幾分小さくA=Cの寸法を有する正方形の外郭ケース1をその取り付け穴2から置台15の中に収める。そして、取り付け穴2の端部から上向きに突出している切り起こし16にフランジ8の下面全周に形成した溝9を合わせ、この溝9に切り起こし16を納める。これによって外郭ケース1は置台15の取り付け穴2の周縁部に吊り下げられた状態で固定され、置台15と外郭ケース1の上面のカバー12との段差がなくなる。
【0027】
次に図2に示すように、置台15上に長方形の取り付け穴2が設けられている場合、フランジ8の短辺側(C寸法側)を取り付け穴2の短辺側にし、長辺側(B寸法側)を取り付け穴2の長辺側にし、上記図1と同様に外郭ケース1をその取り付け穴2から置台15の中に収める。そして、取り付け穴2の端部から上向きに突出している長方形の切り起こし16にフランジ8の下面全周に形成した溝9と、この溝9及び溝13、14によって形成される溝9´を合わせ、この溝9と溝9´に切り起こし16を納めて取り付け穴2に落とし込む。これによって外郭ケース1は置台15の取り付け穴2の周縁部に吊り下げられた状態で固定され、置台15と外郭ケース1の上面のカバー12との段差がなくなる。
【0028】
次に、図5は本発明の他の実施例を示すもので、フランジ8の外郭ケース1の上端部との近接側に形成した溝9と操作部11の下側のフランジ8をそのまま伸ばし、その端縁部に形成された溝13と、この溝13の両端から垂直方向に延長した溝14を一体に連ねて凹状に形成したものである。
【0029】
これによっても置台15の取り付け穴2が正方形であっても、又長方形であっても上記図1及び図2と同様に溝9及び溝9と溝9´とに切り起こし16を納めて外郭ケース1を置台15の取り付け穴2の周縁部に吊り下げて固定することができる。
【0030】
なお、これらの説明では、置台15が金属板の場合で、その取り付け穴2の端部から上向きに3〜4mmの切り起こし16を設けたものに器具の外郭ケース1を設置した例について説明したが、置台15が木製や大理石で切り起こし16がないものであっても上記と同様の方法で設置することができるのはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は置台に設けられた取り付け穴に収められる調理器具の外郭ケースは、底面から見て正方形の形状を有し、外郭ケースの上端外周の全周に設けられたフランジと、外郭ケースに近接したフランジの下面全周に設けられた下向きに凹状の溝と、フランジの一辺が伸びた端縁部に設けられた、フランジの下面全周に設けられた溝の一辺と平行な下向きに凹状の溝と、このフランジの下面全周に設けられた溝の一辺と平行な溝の両端と、フランジの下面全周に設けられた溝とを接続する下向きに凹状の溝と、を設けたものであり、これによって置台の取り付け穴の形状が正方形であっても又長方形であっても外郭ケースの取り付けが可能となるものである。
【0032】
また、金属製の置台の取り付け穴の端部に補強用の切り起こしがあっても外郭ケースの取り付けが可能である。
【0033】
さらに、外郭ケースは置台の取り付け穴の周縁部に吊り下げられて固定され、置台と外郭ケースの上面のカバーとの段差がなくなるため、調理等を行うときの使い勝手がよくなる。
【0034】
よって近年増加している、1口タイプの従来機種からの買い換え需要に対して対応出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁調理器を置台の正方形の取り付け穴に取り付けた状態の概略側面断面図である。
【図2】同長方形の取り付け穴に取り付けた状態の概略側面断面図である。
【図3】図1および図2の概略正面断面図である。
【図4】同外郭ケース及びフランジ部に設けられた溝を下側から見た状態の説明図である。
【図5】図4の他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 外郭ケース
2 取り付け穴
3 加熱コイル
4 制御基板
5 冷却ファン
9 溝
9´ 溝
11 操作部
12 カバー
13 溝
14 溝
15 置台
16 切り起こし

Claims (1)

  1. 台に設けられた取り付け穴に器具の外郭ケースを納めて使用される加熱調理器具において、前記外郭ケースは、底面から見て正方形の形状を有し、前記外郭ケースの上端外周の全周に設けられたフランジと前記外郭ケースに近接した前記フランジの下面全周に設けられた下向きに凹状の溝と、前記フランジの一辺が伸びた端縁部に設けられた前記フランジの下面全周に設けられた溝の一辺と平行な下向きに凹状の溝と、この前記フランジの下面全周に設けられた溝の一辺と平行な溝の両端と前記フランジの下面全周に設けられた溝とを接続する下向きに凹状の溝と、を設けた加熱調理器。
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